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何の根拠があったの?

 少し以前の話題で恐縮だが、JR大阪三越伊勢丹の2年目の売上高は前年よりさらに減少して303億円に終わった。

http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130402/biz13040220370041-n1.htm

 JR大阪駅ビルの百貨店「JR大阪三越伊勢丹」(大阪市北区)の運営会社は2日、平成24年度の売上高が約303億円と、約1カ月間短かった前年度(平成23年5月の開業から24年3月)に比べ2%減だったことを明らかにした。

 一方、隣接する大阪駅ビルの専門店街「ルクア」の売上高は前年度比5%増の357億円と堅調に推移しており、開業初年度に続き2年目も両者の明暗を分けた。

 三越伊勢丹は上半期(5~9月)の売り上げが開業1年目の同期間に及ばなかったほか、11月に阪急百貨店梅田店が全面開業した影響も受け、前年度を下回った。

とのことである。

開業年の売上高は310億円だったが、それよりも営業日が1ヶ月も多くて7億円の減収だからかなり厳しい。

昨年はどこからともなく、前年実績を単月で更新したという情報が流れてきた。
しかし、定期的にJR大阪三越伊勢丹の店頭を見ていると、来場者はいつも少ない。
果たしてこんな来場者で前年をクリアできているのだろうか?と疑問に感じていたが数字は正直だったということである。

さて疑問なのはJR三越大阪伊勢丹の発表されている再建策である。

2014年からブランドを大幅に入れ替え、専門店を多数誘致するという。
さらに2015年度には運営会社のJR西日本伊勢丹を黒字転換したいとしている。

JR京都伊勢丹の業績がどう推移するかにもよるだろうが、率直に言えば、そんな短期間でリニューアル効果が顕現し、翌年度にいきなり黒字転換するものなのだろうか?

もちろん、社の内外に向けて景気の良い花火を打ち上げる必要があることは承知しているが、それでもちょっとブチ上げすぎではないかとも感じる。

そもそも「2年目は少し好転している」と主張されていた人々は何の根拠を持っていたのだろうか?
初年度はオープニングにあれほどの来場者が押し寄せたにもかかわらず、310億円の売上高にとどまったのだが、2年目はそのオープニングの来場者ラッシュはなかった。普通に考えるなら2年目の売上高は初年度に及ばないということはすぐに分かるはずである。

さて、今年度の売上高はどうなるのだろうか?
現在、年度は始まったばかりだが来場者数はあまり変わっていないように見受けられる。

だとすると、このまま何も手を打たなければ売上高は300億円を下回るのではないだろうか。

グランフロント大阪が出来て梅田の人の流れが変わる・・・・・・・・といわれていた。
たしかに変わったが、JR大阪三越伊勢丹への来場者数は店頭を見ている限りはあまり変わっていないように見える。
人の流れが変わった。しかし、ただ流れ方が変わっただけだったようだ。

共倒れの危険性も感じるのだけど・・・・・

 阪急うめだ本店がリニューアルオープンし、JR大阪駅前はさらに混雑が増したように感じる今日この頃。
同じ駅前の大丸梅田店、阪神百貨店もそれなりに堅調な人入りである。
ルクアも昨年よりはやや落ち着いた感じはあるが、それでも人入りはまずまずである。
残るJR大阪三越伊勢丹はどうかというと相変わらず、人入りは少ない。

昨日このような記事が掲載された。

JR大阪三越伊勢丹、売り場縮小へ ルクアと一体的展開
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121219-00000033-asahi-ind

苦戦のJR大阪三越伊勢丹、隣の「ルクア」からテナント
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121219-00000589-san-bus_all

百貨店のJR大阪三越伊勢丹(大阪市)が売り場面積を縮小し、空いたスペースは専門店を運営する好調なルクアと一体的に展開することが分かった。2014年度末までに改装する。大阪三越伊勢丹は11年5月の開業から苦戦が続いており、専門店との融合で売り場の魅力を高め、収益改善を目指す。

JR西日本と三越伊勢丹ホールディングス(HD)は大阪三越伊勢丹のてこ入れ策を話し合ってきたが、百貨店業態だけでの生き残りは難しいと判断。面積縮小で費用を削減し、専門店の導入で再建を図る。(朝日新聞)

との内容である。また

JR西日本と三越伊勢丹ホールディングス(HD)が来年3月をめどに検討を進めているJR大阪三越伊勢丹(大阪市北区)の再建策について、隣接するファッションビル「ルクア」のテナント店を入れる方向となったことが、19日に分かった。収益力の高い専門店で売り上げ増を図る。

平成26年度末までに行われるルクアとテナント店との契約更新に合わせ、売り場の拡大を求めるルクアのテナント店をJR大阪三越伊勢丹に移す考えだ。(産経新聞)

という。

ルクアのテナント店をJR大阪三越伊勢丹に移すというのが今回の主眼である。

筆者は意識的にJR大阪三越伊勢丹を見に行くようにしている。たいがい平日夕方7時くらいに行くのだが、いつ行っても閑散としている。時間的に地下二階の食品フロアはさみしくない程度にはお客が入っている。だが、決して混雑しているというレベルではない。

そこから上へ足を延ばす。
地下1階もまあ、人はいる。
地上1階はポツポツと人がいる。
地上4階くらいまでは何とかお客の姿を見ることができる。
地上4階から上はほとんどお客がいない。従業員のみのフロアも珍しくない。

毎日、24時間見ているわけではないので、混雑している時間帯や曜日もあるのかもしれない。
しかし、行くたびにこういう光景なので、平均すると人入りは少ないのだろうと判断できる。

正直な感想を言うなら、今年度の売上高は初年度を上回ることは決してないだろう。
なぜなら、「不振」と言われた初年度でも6月ごろまではオープン景気で、何十万人という客入りがあった。
今年度はそのオープン景気がない。入場客数は格段に落ちているはずだ。
これは筆者の推測だが、来年4月末までの全館売上高は300億円を下回るのではないだろうか。

その「テコ入れ策」としては、導入しているブランドを大きく入れ替える必要があるのだが、
駅前には阪急、大丸、阪神と百貨店が3つもあり、めぼしいブランドはどれかに入ってしまっている。
おまけに来春には伊勢丹の北側に「グランフロント」が開業する。ここに入店する有名ブランドもそれなりの数があるため、めぼしいブランドの導入は最早望めない。

そうなると、隣のファッションビル「ルクア」に入店するようなSPAブランドやセレクトショップの導入しか手はなくなる。今回の「ルクア」のテナントの一部を移動させるというのは、次善のプランであるとはいえる。

しかし、ルクアとJR三越大阪伊勢丹は同じJR西日本グループの運営するビルとはいえ、10階と5階と3階と地下1階くらいでしかつながっていない。10階はレストラン街であるので除外する。
こう考えるとルクアと伊勢丹は非常に回遊性が悪い。JR大阪三越伊勢丹の10階レストラン街は比較的混んでいる。その理由の一つはルクアと地続きであるためだ。

回遊性が悪いと、せっかくルクアからテナントを移動させてもあまり効力を発揮しないだろう。
とくにルクアからお客が流れてくることはそれほど期待できない。

もしかしたら主力テナントが入れ替わったルクアの売上高も下がってしまう可能性も否定できない。
今回の措置はルクアとJR大阪三越伊勢丹が共倒れになる危険性もあると考えている。

さて、先に引用した産経新聞の記事で気になる個所がある。

JR西日本の真鍋精志社長は同日の記者会見で「早期に再建策を作るべく、スペースの使い方を含めて検討をしている」と述べた。三越伊勢丹HDは「売り場面積の縮小は考えていない」とコメントしている。

とのことだが、三越伊勢丹側は「売り場面積の縮小は考えていない」とコメントしているがこれはどういうことだろうか?もしかして、先のプランはまだ内部でも確定できていないのだろうか?
伊勢丹側の売り場面積を縮小しなければルクアからテナントを導入することは不可能である。
伊勢丹側は単体でのテコ入れ策を模索中なのだろうか?

ルクアのテナントを導入するにしろ、そのプランが内部でコンセンサスを得ていないにしろ、今回の記事はその迷走ぶりが明らかになったと感じるが、みなさんはいかがだろうか?

ルクアの初年度売上高は370億円に、JR大阪三越伊勢丹を上回る

 大阪市内の商業施設オープンラッシュからもうすぐ一年が経過しようとしている。

先日、4月3日付けの繊研新聞にルクアとJR大阪三越伊勢丹の3月末までの売上高が掲載された。
これによると、JR大阪三越伊勢丹は310億円、ルクアは341億円でありルクアが完全にJR大阪三越伊勢丹を上回っている。
この調子で行くと、JR三越伊勢丹は下方修正した初年度目標350億円にすら到達しない可能性が極めて高い。

グランドオープンは5月4日だったから、3月末から数えると残り1ヶ月強しかない。
単純に310億円を11カ月で割ると、1ヶ月当たりの平均売上高は約28億円となる。
4月はゴールデンウイーク前に販売が増える月であるが、セール時期ほどではない。
そのため、月間売上高が40億円に到達するとは考えにくいのではないだろうか。

一方、ルクアは売上高見込みを320億円に上方修正していたが、すでに3月末で30億円オーバーしたことになる。

この後の4月6日付けの繊研新聞には、ルクアの初年度売上高は370億円になりそうだと報じられている。

JR大阪三越伊勢丹の初年度売上高は、名の知れた商業施設としては珍しい歴史的惨敗と評しても良いのではないだろうか。

その理由は、「伊勢丹流ディスプレイが大阪に受け入れられなかった」というだけではないはずである。
なら反対に「伊勢丹流ディスプレイ」が新宿本店以外で受け入れられている店舗があるのだろうか?

一方、JR京都伊勢丹は売上高647億円だという。
こちらも初年度売上高はあまり芳しくなかったが、その後の修正で持ち直した。

2年目からJR大阪三越伊勢丹がどのように修正するのか注目したい。

情報に引きずられるのは危険

 さて、早いもので、15日で松の内が終わる。
年々正月らしさを感じられなくなるのは、年老いたせいだろうか。

今年の正月バーゲンで、大阪では梅田のルクアと、難波のなんばパークスが1月2日の午前9時半オープンにした。バーゲン初日はどこもがオープン時間を通常よりも早めるので珍しくもないが、なんばパークスがルクアに対抗意識を燃やすことは、はたして正しいことなのかと、ふと疑問を感じた。

ロケーションを考えてみたい。
ルクアはJR大阪駅直結で、駅横・駅上に位置付けられる。
一方、なんばパークスは、地下鉄難波駅と南海電車難波駅の駅近郊とはいえ、やや離れて位置する。
おそらく駅から10分近く歩くことになるだろう。

ルクアはJRで降りたお客がそのまま、立ち寄りやすい。
もちろん目的買いの人もいるだろうが、興味本位で覗く客も多い。
来場者数の多さがそれを物語っている。

大阪駅_東面写真

なんばパークスは駅近郊とはいえ、10分前後歩かなくてはいけないし、何となく奥まった場所にある。
乗降客が通りすがりできるようなロケーションではない。
ほとんどの来場客が目的買いであると推測される。

必然的に、ルクアは通りすがりの乗降客も取り込めるような万人受けするような品ぞろえ、ブランドラインナップにならざるを得ないし、なんばパークスは、テイストなり客層なりを絞り込んで、目的買いの消費者をリピーターにする戦術を採らざるを得ない。
ブランドラインナップは当然ルクアとは差別化する必要がある。

客の年齢層や所得が違うかもしれないが、ルクアと同じような性質を持つのは、
難波地区だと高島屋大阪店や、なんばシティの駅寄り部分ということになるだろう。
どちらも駅直結で、不特定多数の乗降客が立ち寄りやすい。

新聞などの報道で「ルクア好調」が伝えられると、どうしてもそちらを意識したくなる気持ちはわかるが、
ロケーションからくる商業施設の性質はまるっきり異なっている。
それらを無視して、なんばパークスがルクアを志向することは、方向性を誤る可能性が高い。
下手をすると、「迷走状態」に突入する危険性すらある。

情報過多な現状だからこそ、自店の強みと弱みをはっきりと認識した施策を打ち出さないと、明後日の方角に向かうことになる。
情報を拾うことは大切だが、情報に引きずられすぎるのは危険である。

JR大阪三越伊勢丹の初年度売上高は400億円台ペース

 今年5月4日に開業したJR大阪三越伊勢丹とファッションビル「ルクア」の3カ月合計売上高が、両方とも104億円だったという。

http://mainichi.jp/kansai/news/20110803ddn008020053000c.html

5月4日に開業したJR大阪駅北ビルの百貨店「JR大阪三越伊勢丹」と専門店街「ルクア」は2日、開業3カ月の業績を明らかにし、売上高がともに約104億円で並んだことが分かった。売り場面積が三越伊勢丹の4割に過ぎないルクアだが、3カ月の来店客数で三越伊勢丹を約2割上回ったうえ、年間目標の達成率が三越伊勢丹の倍近い7割に達し、ルクアの好調さがより鮮明となった。

 売上高では、開業2カ月の6月までは三越伊勢丹が約71億円で、ルクアの約69億円を上回っていた。だが7月はルクアが約35億円で三越伊勢丹の約32億円を上回り、3カ月の累計が約104億円で並んだ。年間目標はルクアが250億円、三越伊勢丹が550億円を掲げており、達成率で比較すると、ルクアが41・6%と、三越伊勢丹の18・9%を大きく上回る。

 また、3カ月の来店客数はルクアは約1330万人で、三越伊勢丹の約1080万人を23%上回った。年間目標に対する達成率でもルクアは70・0%と、三越伊勢丹の36・0%を上回った

とのことである。

P5021301

さて、ルクアの初年度売り上げ目標は250億円だがこれを大幅に上回りそうだ。
単純計算すると、1年は12カ月なので、3カ月分を4倍してみると、
104億円×4倍=416億円となる。

一方伊勢丹の年間売り上げ目標は550億円なので、
同じく416億円だと、100億円以上下回ることとなる。

のこり9か月間が、5~8月の3ヶ月間と同じペースで推移するはずはないので、
この数字はあくまでもシミュレーションである。
実際の数字は異なるはずだ。

しかし、JR大阪三越伊勢丹の苦戦は明らかで、JR大阪駅周辺の百貨店では一人負けの様相である。
大丸梅田店が予算を上回り、阪急が前年並みを維持。阪神百貨店は逆に好調という。

JR大阪三越伊勢丹の苦戦の理由は、
ブランドラインナップがショボいことに尽きるのではないだろうか。
これに対して、「周辺百貨店との兼ね合いで思うようなブランドが集まらなかった」という同情論もあるが、そんなことは承知したうえでの最後発出店だろう。同情する必要は一切ない。

ただ、同じくJR京都伊勢丹も開業時には営業成績は芳しくなかったが、ジワジワと売り上げを改善してきた実績がある。このため、JR京都伊勢丹方式で大阪伊勢丹も復活するのではないか?という予測もある。
もちろん、その可能性は否定できない。
しかし、大阪伊勢丹には不幸なことにルクアが隣にある。
人気の高いブランドは軒並みルクアに入店しており、ファッション購買者はルクアだけで需要が事足りる。
言ってみれば、伊勢丹はあまり必要とされていない。

そういう観点で見るなら、京都伊勢丹のような復活はあまり期待できないのかもしれない。

年間売上計画が高すぎるJR大阪三越伊勢丹

 大阪市内の大型商業施設のオープンラッシュから1カ月が経過した。
売上が順調といわれているのは、ルクアと阿倍野キューズモール。
大丸梅田店も好調だと聞く。
小型ながら「ヌー茶屋町プラス」もほぼ計画通りなので堅調といえる。

また意外なことに阪急メンズ館は好調を維持している。

評価が分かれているのが、JR大阪三越伊勢丹。

上記の5つは誰に聞いても「好調」との答えが返ってくるが、
JR大阪三越伊勢丹は「そうでもないらしい」という答えが半分以上含まれている。

ある商品作り関係者は「メンズフロア全体の初日の売上高は、予算の半分強だった」という。
またある商業施設関係者は「1カ月の売り上げは予算の6割程度と聞いている」ともいう。

たしかに入場客数は多いが、
計画予算どおりに売れていないのであるなら、見物客が大半だったといえる。

しかし、ここでJR大阪三越伊勢丹とルクアの初年度売り上げ目標を見てみると、
JR大阪三越伊勢丹が550億円、ルクアが260億円である。
現在、テナント関係者によるとルクアは「1日あたりの全館売上高が1億円ペース」というから、
単純計算すると、1億×30日=30億円(1カ月あたり)
           30億×12か月=360億円(年間売上)

となる。
開店当初のペースが年間持続することは珍しいので、
少し割り引くと、ルクアの初年度は300億円弱に落ち着くのではないか。
それでも売上目標を40億円上回ることとなる。

一方、JR大阪三越伊勢丹を計画比60%程度の売れ行きだとすると、
           550億×0・6=330億円

となり、少なくともルクアと同程度は売れるのではないか。

こうして考えてみると、JR大阪三越伊勢丹の売り上げ目標の設定が高すぎたのではないだろうか。

以前にも書いたように、
JR大阪三越伊勢丹は、陳列手法には見るべき物があるが、
ブランドのラインナップや品ぞろえはまったく目新しさはない。
年配層に向けてかなり保守的・安全的なブランドをそろえている。
(そろえざるを得なかったという側面もある)

ブランドのラインナップから言えば圧倒的にルクアが優れている。

「ファッションの伊勢丹」というイメージがあるが、伊勢丹が強いのは新宿店だけである。
地方店はからっきし弱い。京都店が例外中の例外だろう。
もし全国的に平準化したオペレーションする能力があるなら、吉祥寺店も小倉店も撤退するような状況には追い込まれていないはずである。
今回のJR大阪三越伊勢丹の保守的なラインナップを見ると、伊勢丹よりも三越の屋号の方がふさわしかったのではないだろうか。
それに元々は、北浜から撤退した「三越」になるはずだったものであり、
逆に急きょ「伊勢丹」にシフトチェンジした経緯がある。

もう一度、JR大阪三越伊勢丹の年間売上計画を見直してはいかがだろうか?

アメリカ村・堀江・南船場がますます過疎化する

 大阪の開店ラッシュは、6月の「ギャレ大阪」リニューアルオープンでひとまず落ち着く。
あとは来年以降の、阪急百貨店梅田本店の第二期棟と、JR大阪駅北ヤードの再開発ビル、それから近鉄百貨店阿倍野店の新装オープンくらいである。

JR大阪駅西端の商業施設「ギャレ大阪」は20数年来親しまれてきたが、今年3月末に閉店した。それが6月にリニューアルオープンする。JR大阪駅は北側にJR大阪三越伊勢丹とルクア、南側に大丸梅田店、西端にギャレ大阪があり、駅というよりもなんだかショッピングセンターの集積地のようになっている。JR西日本は、大阪駅にこれほどの商業施設を集積させてどうしようというのだろうか?

4月の商業施設オープンだが、完全に新規オープンしたのが、阿倍野キューズモール、JR大阪三越伊勢丹、ルクア、ヌー茶屋町プラスである。あとはリニューアルだったり増床オープンだったりする。
その新規参入組の店舗数を見ると、阿倍野キューズモールが254店舗、ルクアが196店舗、ヌー茶屋町プラスが23店舗である。慣習的に百貨店は入店店舗数を出さないのでJR大阪三越伊勢丹の正確な店舗数は分からないが、売り場面積は5万平方メートルである。
ざっと大雑把な計算をしてもこの1カ月で500店舗を越えるショップが大阪市内にできたことになる。

ただでさえ、経済的にも人口的にも地盤沈下著しい大阪の消費がこれだけのショップを支えられるのかどうかかなり不安である。

今後の大阪市内は、天王寺、難波、心斎橋、梅田の地下鉄御堂筋線沿線に人が集まるだろう。
西梅田、アメリカ村、堀江、南船場はかなり厳しい状況になり、現在も空き店舗が多いがそれがさらに増えることになりそうだ。
西梅田を見ると、ファッションビルのイーマ、ブリーゼブリーゼは間違いなく苦戦する。
またラグジュアリーブランドを集めたヒルトンウエスト、ハービスエントも立ちいかなくなる。

アメリカ村、北堀江・南堀江、南船場は、2,3年前から明らかに地盤沈下しており、
一部の人気店が残っているものの、閉店撤退が相次いでいる。地下鉄の駅から比較的離れているこの3地区はさらに客足が遠のき、閉店撤退がより増加すると思う。

専門家の中には「心斎橋筋商店街の行く末がヤバい」とおっしゃる方もいらっしゃるが、長らく関西に住んでいる者としては、あの商店街はまだ大丈夫だと思う。
一つにはユニクロのグローバル旗艦店、GAP、ZARA、H&M、ジーユーという人気低価格ブランドが集積しており、それなりの集客が見込める。
また大丸百貨店が自店の周辺を買い上げ、そこにブランドを誘致して路面店出店させているので、低価格ブランド以外にも人気ブランドの路面店が多い。

心斎橋筋の活況によって、あおりを受けたのがアメリカ村であり堀江であり南船場であったことを考えると、その傾向がますます強くなるだろう。

ブランドラインナップは目新しくないが、売り場作りが上手いJR大阪三越伊勢丹

 5月4日にJR大阪三越伊勢丹とファッションビル「ルクア」がオープンした。
2つともJRグループの経営であり、当然のことながら協力関係にある。
連休中には2つのビル合計で150万人の来場があったといわれている。

この商業施設の感想を。

JR大阪三越伊勢丹は、ブランドラインナップは非常に陳腐であり、目新しさはまったくないが、
各ブランドのテナントショップごとの壁を取り払い、統一什器で自主編集売り場風に見せた陳列方法は
かなり秀逸である。

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ブランドネームは関係なしに購買意欲を喚起させることができる。
逆にブランドネームを見て「え?このブランドってこんなにかっこ良かった?」と驚くのではないだろうか。
5月2日の内覧会に招待されていた一般消費者を見ると、JR三越伊勢丹は40歳以上の年配層が多い。
ブランドラインナップを見ても年配向けの品ぞろえであることがわかる。

地下1階には若い女性向けのイセタンガールがあるが、こちらは上の階に比べると生彩に欠ける。
まず売り場が同じ階で2つに分断されていて分かりにくい。
次にブランドラインナップが陳腐であり、使い古された感のある「ペイトンプレイス」「ディアプリンセス」の2つは特に疑問が残る。

協力補完関係にある「ルクア」は若い客層に対応したブランドを集めているので、
そちらにすべて任せて、イセタンガールを無理に嵌め込む必要はなかったのではないかと思う。

次にルクアは、30歳前後までの若い客層に向けたブランドを集めている。
「ビームス」「アーバンリサーチストア」「トップショップ/トップマン」「ディーゼル」「エディフィス」「ルシェルブルー」などなど。
こちらは通常のファッションビルとしての造作となっており、
各テナントが従来通りに壁で仕切られて入店している。
陳列方法云々ではなく、単純にブランドラインナップを見て楽しむのが正解である。

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5月2日の内覧会当日は、狙い通りに20代・30代の若い客層が多かった。

簡単に図式化すると

40代以上の年配者・・・・JR大阪三越伊勢丹
20代・30代向け・・・・・・・ルクア

という住み分けがイセタンガールを除いて明確になされている。

一つの建物にすべての客層を取り込まず、2つに分けたJRグループの計画が光るのではないか。

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