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ジーンズカジュアルチェーン各社の状況はさらに厳しさを増している 夜明け前どころか真夜中の暗さ(追記あり)

最近、ポジショントークな人々が「ジーンズカジュアルチェーン店に復活の兆し」と言い始めているがまったくそれは感じられない。

ライトオン、マックハウス、ジーンズメイトの全国チェーン店3社はピーク時の売上高に比べると著しく売上高を低下させたままだ。

売上高1000億円あったライトオンは800億円を割り込む勢いで推移している。
ライトオンの2018年8月期見通しでは売上高770億円となっている。

マックハウスは売上高500億円台から転落して、2018年2月期決算では売上高308億5200万円にまで低下している。

ジーンズメイトは先日も書いたが、ピーク時300億円台の売上高だったが現在は95億円しかない。

その差額はライトオンで230億円、マックハウスで200億円、ジーンズメイトも200億円以上で、3社合計で700億円近くも売上高が低下している。

ジーンズメイトの売上高が回復基調にあると見る人もいるが、それは低下し切って底打ちしたからだといえる。
売上高95億円では最早、全国チェーン店とも大手とも呼べない。

もともとの売り上げ規模が大きかったこの3社の苦戦が報じられる中、地域密着の有力チェーン店は減少しつつあるとはいえ、残存していた地域チェーン店はさまざまな工夫を凝らしてこれまで生き延びてきた。
健闘と評される地域チェーン店も少なからずあった。

だが昨年あたりから、健闘と評されてきた地域の雄も息切れし始めているように見える。

具体的な地域名は挙げない。
地域名を挙げると、地域密着型の雄直チェーン店は、たとえ店名をボカしてもすぐにわかってしまうからだ。

先日、お目にかかったカジュアルウェアメーカーの社長は、銀行から某地域の有力チェーン店への納入を縮小するように勧告されているという。

その話を聞いたときに、当方は「まさかあのチェーン店がそこまで追い詰められているとは・・・」と驚きを隠せなかった。

銀行はそのチェーン店が相当に資金繰りに苦しんでいることをつかんでおり、帳簿上の計算では、最悪、経営破綻に至ると判断しているのである。
また、別の地域店は、これまで根強い顧客がいたが、それも徐々に時代の流れとともに減り始めており、表面化していないが、内情は相当に厳しいという噂が、昨年あたりから聞こえてきた。

さらに別の地域店も同様の状況で、好調な店舗もあるものの、苦戦している店舗もあるようで、会社としての売上高は低下傾向にあるといわれている。

今、挙げた3つとも、ジーンズカジュアル業界なら誰でも知っている各地域の有力チェーン店であり、ライトオン・マックハウス・ジーンズメイトの全国チェーン店3社のみならず、これまで踏ん張ってきた地域有力店もそろそろ持ちこたえられなくなりつつあるといえる。
もちろんいまだに踏みとどまっている有力チェーン店もあるが、全社そろって隆とできるような状態ではなくなりつつあるということになる。
これも時代の流れだろう。

これらの状況を目にしている当方とすると、業界の一部から挙がっている「ジーンズカジュアルチェーン店の夜明けが近い」という言葉は何を指しているのだろうと理解に苦しむ。
夜明けが近いどころか草木も眠る丑三つ刻としか思えない。

ではジーンズカジュアルチェーン店はどうしてここまで衰亡の危機に瀕しているのだろうか。

理由を考えてみたが、客を奪われたからとしか考えられない。
ユニクロ、しまむら、グローバルワーク、GAP、ローリーズファーム、無印良品、ハニーズなどの低価格SPAカジュアルブランドに客を奪われたと当方は見ている。

もちろん、彼らもその登場時からすんなりと客に受け入れられたとは思わない。
どのブランドも初期のころのジーンズはひどく安物くさかった。
90年代後半にユニクロが急成長しているときのジーンズでさえ、はっきりというと色合いから生地の風合いすべてがダサく、エドウインやリーバイスのジーンズには見た目は遠く及ばなかった。

メディアでは「2900円でこのクオリティ」と過剰に持ち上げていたが、あの当時のデニム生地は、ジーンズメーカーに比べるとへんてこなブルーのトーンだったし、リーバイスのパクリみたいな赤いタブもダサかった。
例え2900円でも買う気にもならなかった。

それが徐々に修正されて今に至っている。
黙っていたらユニクロのジーンズだとはわからないレベルにまで達している。

その他のブランドも同様である。
おまけにリーバイスやエドウインのジーンズよりも最低でも3000円くらいは安い。
安くて見た目に遜色がないのであれば、だれでも安い方で買う。

また商品以外でも、ジーンズカジュアルチェーン店の店作りや品ぞろえは今の消費者の気分をとらえていないといえる。

ユニクロやジーユーや無印良品を見慣れた目で見ると、チェーン店は明らかに雰囲気が異なっている。
前者の多くが、白を基調とした無機的でモダンな感じの内装が多いのに対して、チェーン店はなんとも言えない中古感のある店作りや品ぞろえに特徴がある。

どちらが正しいとか正しくないとかではなく、消費者の気分にチェーン店の内装や店作りは寄り添えていないといえる。

今の消費者の多くは、そういう中古感や土臭さ、ワーク特有の汚さを好まず、白を基調としたモダンでシンプルでツルっとした内装や店作りを好むのではないだろうか。
そういうモダンな店を見た直後にワーク感の汚い店を見ると、やっぱりかなり雰囲気が違うと感じる。

( ジーンズカジュアルチェーン店は大抵こんなイメージ。これが今の消費者には受け入れられにくいのでは?)

それはチェーン店の特徴だから工夫して残すべきだと考えるが、同時にもう少し現代風にアレンジしても良いのではないかとも思う。
ここを解決しない限りにおいて、チェーン店が再浮上や急回復することはあり得ないだろう。

とはいえ、マックハウスの新業態のような劣化版ユニクロみたいな店作りも商品をさらにチープに見せるだけなのだが。

社員の士気を高めるためにチェーン店各社の経営者が話を盛ることは仕方がない側面がある。
しかし、それに第三者や第三者機関までが同調してどうするのか。
かえって世間をミスリードするだけである。

この課題を乗り越えるのはなかなか難しいのだろうと思うが、水戸のジーンズカジュアルショップだった「ポイント」がアダストリアホールディングスへと転身できたのだから、不可能ではないのだろう。成功する可能性は決して高くはないが。

(追記)6月8日に静岡の地域有力チェーン店であるジーンズショップオサダの経営破綻が伝えられた。

静岡県を中心に17店舗展開 カジュアルウェア(株)ジーンズショップオサダが民事再生法を申請
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180608-00010009-biz_shoko-bus_all

このブログの文中で、「銀行から取引を止めるように勧告されている先」として名前を伏せたのがこのジーンズショップオサダだった。
奇しくもこのブログをアップした日に経営破綻が発表された。
他の地域有力店も決して安泰ではない。

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ジーンズの洗い加工はレーザー光線で行う時代
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ライトオンの自社ブランド「バックナンバー」の和紙繊維のシャツジャケット。
こんな珍しい商品もそろえているけど、イマイチ認知されていないのも苦戦の要因。

ライトオンとマックハウスが解決すべきそれぞれの課題とは

ジーンズ専門店チェーンの大手3社といえば、ライトオン、マックハウス、ジーンズメイトでしたが、すでに売上高100億円を下回ってしまったジーンズメイトが大手と呼ぶに相応しいのかどうかは大いに疑問を感じる。
しかし、全国展開しているのはその3社だから一先ずその枠組みは残しておこうと思う。

ユニクロに客を奪われたのは大手総合スーパーよりもこれらジーンズ専門店チェーンではないかと思う。

ジーンズメイトのことは散々書いてきたから、今回は先日、決算が発表されたライトオンとマックハウスについて考えてみたい。

ライトオンの2018年8月期中間決算は

売上高397億9000万円(前期比7・1%減)
営業利益9億3800万円(同302・1%増)
経常利益9億2200万円(同306・2%増)
当期利益4億1600万円

と減収ながら大幅増益となった。
理由は前年の利益額が悪すぎたからだ。

マックハウスの2018年2月期決算は

売上高308億5200万円(同8・5%減)
営業利益2億1600万円(同64・9%減)
経常利益2億6400万円(同61・3%減)
当期損失2億2400万円

と減収大幅減益に終わった。

ライトオンは中間決算、マックハウスは本決算ということで一概には並べられないので、ライトオンの通期見通しも書いておこう。

売上高770億円(同3・8%減)
営業利益12億円
経常利益11憶5000万円
当期利益1億5000万円

となっており、黒字転換を見通すものの、売上高はさらに低下しており、800億円を下回る見通しとなっている。

マックハウスも売上高500億円はとっくの昔に割り込んでおり、このままでは300億円台も維持できるかどうか怪しい。
すでに売上高100億円を割り込んで久しいジーンズメイトと合わせて3社ともにピーク時の売上高まで回復させることは至難の業といえるだろう。

ライトオンは今更、52週MDを持ち込もうとしているようだが、かつてのワールドが編み出した52週MDをいまだに信奉している者が業界には多数いるが、その後のワールドの経営不振を見れば、結果は一目瞭然ではないかと思う。
なぜ、失敗した会社の手法をいまだに持ち込みたがる企業が後を絶たないのか不思議でならない。

ジーンズメイトも含めてキャッシュフローは潤沢であり、バランスシートも重くないと経済各紙は指摘するが、それは「倒産しないという保証」に過ぎず、売り上げ回復や業績回復の手段とはなり得ない。

なぜなら、金を潤沢に持っていることと、売れ行きが回復することはイコールではないからだ。
潤沢な資金があるから、売れる商品を開発できる可能性がある、売れる売り方を見出せる可能性がある、売れる販促ができる可能性がある、ということに過ぎない。

カネは使ってこそ初めて効果を発揮するのであって、金庫に眠っている間は何の効果も発揮しない。
せいぜいが倒産しないというお守りになるくらいだ。

その潤沢な資金を使って、商品開発、売り方の刷新、効果的な販促ができなければ、企業はジリ貧となっていく。

ジーンズ専門店チェーン3社の課題は資金繰りではなく、品ぞろえ・店構え・販促・売り方にあるのではないかと思う。

まず、ライトオンだが、ショッピングセンターに入店している他社ブランドと見比べると店構えが完全に違う。
この差異が良いのか悪いのかを精査すべきで52週MDの導入なんぞで業績は上向かない。

例えば、ショッピングセンターの他社ブランドと比べると、ユニクロやグローバルワーク、コーエン、ジーユーあたりは、床や柱が白く近未来的な店作りとなっている。
商品の積み上げ量も少なく、店舗には圧迫感がない。
ユニクロは商品を積み上げているが、不思議なことに圧迫感はない。
ジーユーはスタート当初は商品を積み上げすぎて圧迫感のある店作りだったが2011年頃から解消された。

それに比べるとライトオンは、従来型のワーキングやアメリカンカジュアル色の強い土臭さの漂う内装となっている。
また商品の積み上げ量が多く先に挙げた店舗に比べて見通しが悪く、得も言われぬ圧迫感がある。

先に挙げた店舗の後追いをすることが良いとは決して思わないが、そのあたりを比較して要素を取り入れることを考えても良いのではないかと思う。

ライトオンが今、真剣に考えるべきはこれまで通りの土臭い店作りを続けるのか、それともやめるのかである。
一概に後追いする必要はないので、これを「ブランド色」として追求するのか、それとも方向転換するのか、幾分か緩和してアレンジするのか、経営陣はそれを考えるべきで本社を原宿に移すことなんていうのはどうでも良いことである。

マックハウスの問題点は、都心一等地に店があまりにも少ないことにある。
大阪府内だと堺市駅前と吹田駅前にあるのを知っているくらいだ。
だから、必然的に都会に住んでいる人には著しく知名度が低い。
ちなみに週に1度講義に通っている大阪市内のファッション専門学校の生徒は誰もマックハウスを知らない。
それほどの知名度の低さであることを自覚した方が良い。

また店作りが非常にチープ感溢れている。
これではいくら商品が良かろうと客を引き付けることはできない。
チープさでいえば20年前のユニクロか、今のしまむら並みといえる。

ユニクロの後追いみたいな新業態も始めているが、それは単なるユニクロの劣化コピーに過ぎず、ユニクロをやめてでもそこで買いたいと思わせる物がなければ、単なる二番煎じに過ぎない。
それならまだ謎の中国ブランド「メイソウ」の方がはるかに売り方・見せ方が上手いといえる。

ジーンズメイトは自社ブランド「ブルースタンダード」「メイト」が20代後半~35歳くらいをターゲットにしているにもかかわらず、店の内装やその他の品ぞろえが中学生向けになっていることが問題である。自社ブランドと店があまりにもミスマッチに過ぎる。
これを解消しない限り自社ブランドが売れることは見込めないだろう。

3社とも中には良い商品もある。しかし、今の売り方・店構えではその商品が見えにくい。
それを自覚して解消する方法を考えるべきで、52週MDの導入とか、ユニクロの後追い店舗とか、ユニ辞め社員を登用するとか、そういう小手先の対処療法ではまったく結果を出せないだろう。

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心斎橋筋商店街がドラッグストア街に変貌した理由とこれまでの変遷の推移
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ライトオンのお買い得品

「ジーンズカジュアル業界」なんて枠組みはとっくの昔になくなっていた

 先日、繊研プラスにこんな記事が掲載された。

マックハウス白土氏“ジーンズカジュアル業界”は幻想
https://senken.co.jp/posts/machouse-siratuchi-170526

極めて当たり前のことであり、「ジーンズカジュアル業界」の要職におられる方がようやくまともな認識になったのだと感じた。

ところが、小島健輔さんのブログを拝読すると、業界ではこの発言に衝撃を受けておられる人がいるそうで、その人々の認識の古さにこちらこそ衝撃を受けている次第である。

ここでいう「ジーンズカジュアル業界」だが、製造・加工業やメーカーと川下に位置する流通で分けて考える必要があることはいうまでもない。

製造加工業やメーカーにはそれぞれ得手不得手がある。
卸売り型アパレルメーカーにも得手不得手がある。

だからこれらについては「ジーンズカジュアル業界」というくくりは依然として存在するし、この先もある程度はそのくくりは存続し続けると考えられる。

ジーンズや厚手カジュアルパンツの縫製が得意な工場と、ウールのスラックスが得意な工場という枠組みは存続するし、ジーンズカジュアルパンツが得意なアパレルメーカーと、婦人ブラウスが得意なアパレルメーカーの枠組みが崩れることもない。

徐々に作れるものを増やしていくということはありえるだろうが、一気に他ジャンルと融合してしまうようなことはない。工場でいえば設備投資が必要だから、とくに難しい。

しかし、小売店やトータル展開のブランドにおいては「ジーンズカジュアル業界」なんていうのは幻想にすぎない。

なぜなら、それらを利用する消費者はテイストミックスで日々衣服を身に付けているからだ。

スーツや作業現場の制服はその限りではないが、それ以外の場合はいずれもテイストミックスで日々着用している。

例えば、スエットやスエットパーカ、スニーカーは元来、スポーツアイテムである。
ジーンズだとワーキング、アメカジ。
テイラードジャケットはトラッド、ドレス。
MA-1ブルゾンはミリタリー、バスクシャツはマリン、マウンテンパーカはアウトドア。

といった具合である。

ジーンズにウエスタンシャツにウエスタンブーツみたいな感じで、すべてのアイテムのテイストを統一して着ている人はまずいない。

Tシャツにジーンズにテイラードジャケットとか、ジーンズとスエットとMA-1ブルゾンとかいうふうに必ずテイストをミックスして着ている。

チノパンにデニムシャツにテイラードジャケットを着てスニーカーを履くなんていうのもテイストミックスだ。

となると「ジーンズカジュアル」テイストで統一して服を買い続ける人はほとんどいないということになる。
消費者やファッションにとっては「ジーンズカジュアル業界」なんていうカテゴリーはとっくの昔になくなっており、それこそ、業界の人が勝手に持っていた幻想にすぎない。

それにいわゆるジーンズカジュアルショップを除いて、ほとんどのショップにはジーンズが1型くらいは並んでいる。

スーツカンパニーにもデニムパンツは並んでいるし、ビームスやユナイテッドアローズにも並んでいる。
ユニクロは日本でもっともたくさんジーンズを販売していると思うが、ジーンズカジュアルテイストの商品だけではなく、テイラードジャケットもスポーツウェアも並べている。

ほとんどのショップはすでにテイストミックスで販売しており、「ジーンズカジュアル業界」という幻想にこだわっていたのは、ほんの一握りのジーンズカジュアルチェーン店のみにすぎない。

そして、ジーンズカジュアルチェーン店自体が失速傾向にある今、その枠組みはマイノリティに落ちてしまったといえる。

マックハウスはようやくまともな認識になったと見るべきで、驚くには値しない。

ただし、マックハウスの今の施策がヒットするとも思えない。
企業はもちろん、試行錯誤を繰り返し正解を作り上げていくものだが、今のマックハウスは試行錯誤段階にあるといえる。

新形態の「スーパーストア」だが、画像で見る限りはどうもユニクロのレディース売り場の類似に見えて仕方がない。これをビジカジスタイルの新提案といわれても、新鮮味はほとんどない。

またビジカジスタイルはユニクロをはじめ、スーツカンパニーなどでもすでに大量に提案されており、新規参入組はかなりの苦戦が強いられると考えられる。

マックハウスの知名度とブランドイメージとステイタス性をもってそこに参入するにはよほどの新機軸が必要となるのではないか。
単にオールドネイビーの空き地に出店しましたというだけでは消費者は集まらないし、注目もしない。

客を集めるための仕掛けも練らないといけないし、新機軸も打ち出さないといけない。

試行錯誤を経てどのような新形態を完成させるのか期待して眺めていたい。ただし、試行錯誤のまま新形態がものにならない場合もある。はてさてどのような結末を迎えるのか。

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安い商品が集客しやすいことは不変の事実

 基本的に安売りは集客しやすい。
これはいくらモノヅクリガーの人たちがわけのわからん屁理屈をこねくり回したり、偽善クサイ物語をでっち上げたところで、変えることができない事実である。

今日もその実例が報道されている。

 
マックハウス、12年ぶりに客数が増えたワケ

「3ケタ商品」と「店舗改革」が奏功
http://toyokeizai.net/articles/-/88689

集客の目玉は、「低価格プロジェクト」と銘打って3ケタ商材(1000円未満)にこだわった、低価格商品の大量投入だ。白土社長は「SPA、ファストファッションの競合店に負けない価格設定の商品を、大量投入できた」と自信を示す。「リアルスタンダード」や「フリーネイチャー」などのPB(プライベート・ブランド)商品を中心に、290円(税別)のキッズTシャツやメンズ、レディスの低価格シャツが売れた。採算度外視の単なる安売りではなく、低価格プロジェクト全体で粗利率50%を確保できているという。

990円(税別)で限定発売したストレッチジーンズは、価格訴求だけでなく価値訴求も徹底。

とある。

まあ、ここでは生産体制に対するあれこれは議論の対象とはしない。
この価格で粗利率50%を確保しているのだからどれほど工賃が安いかは少し想像するだけで容易にわかる。

990円でそこそこに品質の良いストレッチジーンズがあって、それを周知拡散できれば、それなりの集客はできる。当たり前のことだ。
990円とバカにするが、100人に売れれば10万円の売上高になる。
1店舗で平日10万円を売れる洋服店がいまどきどれくらいあるか。
そして上手く集客できれば1日100人に販売することは不可能ではない。

品質が良くて価格の安い商品を集めるというのは、店舗としては有効な手法であることはマックハウスの例を見ても異論の余地はない。

自店をそういう風に割り切って品揃えするのも一つの経営手法である。
そういうやり方が好きか嫌いかは別として。

じゃあ、高く売るためにはどうしたらよいのか。

筆者は個人的に、某有名デザイナーが言うように「安い物は誰かが泣いている」という情緒に訴える手法は嫌いである。そういう某有名デザイナー自身が外資系低価格SPAとコラボをしているのだから、何を言っているのかと思う。
それにその低価格商品を生産することで生計が成り立っている人だって存在する。

じゃあ、国内工場を使っている中価格帯の国内ブランドは人道的な取引をしているかというとそんなことはない。
1枚200円とか150円でカットソーを縫ってくれと依頼するブランドなんて掃いて捨てるほどある。
全1500枚で利益が1枚当たり50円しかないオーダーをしてくるブランドもある。

グローバル低価格SPAブランドのやり方を非難できる資格がどこにあるのだろうか。

それはさておき。

高くても買ってもらえるようなブランド、店にするにはどうすれば良いのかということを業界こぞって考え始めているのが、この15年間ではないだろうか。

90年代後半ならそれはタレントとのタイアップ、ドラマへの衣装提供だった。
あのタレントが着ているから(実際の私服ではないから今から考えるとお笑い草だ)という理由で茶色いレザーダウンジャケットとか水色のリュックが飛ぶように売れた。

2005年以降この手法はあまり効果的ではなくなった。
多くの消費者がタイアップでの着用はプライベートの着用とは異なるということを理解したからではないかと思う。

メイドインジャパンを全面に打ち出すことか?
今、これを多くのブランドがやろうとしている。
産地企業もやろうとしている。

たしかにメイドインジャパンは価値の一つではあるが、メイドインジャパンなら何でも売れるかというとそんなことはない。
デザインが不細工で価格が高くて品質が悪ければいくらメイドインジャパンでも売れない。
わざわざそんな商品を買いたい消費者なんていない。
筆者ならこんなメイドインジャパン商品は絶対に買わない。

逆にデザインが良くて品質も高くて価格が安ければ中国製だろうとアフリカ製だろうと売れる。

トレンドを素早く取り入れることだろうか?
その手法を多用して同質化を招き、パクリ合戦を激化させたのが現在ではないか。
それに外資系グローバルSPAにその勝負で勝てるのか?

機能性だろうか?
たしかにこれはある程度有効かもしれない。
機能性繊維は高機能になればなるほど高価格になるから必然的にこれを使った洋服の価格も高くなる。
しかし、よほどの数量を生産しない限り、高機能繊維とモノポリーを結ぶことはできない。
モノポリーを結べないということは、機能的には同質化が起きやすいということである。
あちこちのブランドからほぼ同じ価格で同じ機能の洋服が発売されるということになる。

これらを越えた取り組みが必要だということは多くの人が気が付いている。
そのやり方を模索している段階だといえるだろう。

もしそのやり方を見つけたブランドやショップが増えたときに、もしかしたら国内のアパレル産業は次の段階へ登れるのかもしれない。まあ、これは甘い夢想かもしれないが。

ただし、見つけられない場合は、国内のアパレル産業はますます沈むだろう。
現在の業界はそんな瀬戸際にあるように感じるのだが、いささか杞憂が過ぎるだろうか。




 


洋服に興味を持つ消費者は確実に減っている?

久しぶりに各社の月次売り上げ報告を見てみる。

体感的に関西では今年の6月は例年になく涼しかったと感じている。
関西の夏は異様に暑くて湿度が高くて不快である。
おそらく夏の不快さは日本一だろう。

梅雨どきには、例年だとサウナのような日が続く。
湿度90%・気温30度強というような日だ。
日中だけならまだしも夜になっても不快さが続く。
本当に6月~9月下旬までの関西の気候は耐え難い。

ところが、今年の6月はそういう日がほとんどなかった。
日中暑いこともあったが、日が暮れると気温と湿度が下がった。
暑さがニガテな筆者からすると大変ありがたい気候だが、夏物衣料の売れ行きはどうかと思っていたら、案の定影響があったようだ。

それは各社の月次売り上げ報告を見てそう感じた。

今回のトピックスはユニクロの既存店売上&客数の大幅減だろう。

ユニクロの6月既存店実績は
売上高が前年比11・7%減
客数が同14・6%減
客単価が同3・4%増

だった。

その他いくつかを見てみる。

ハニーズの6月既存店実績は
売上高が前年比8・9%減
客数が同7・8%減
客単価が同1・2%減

だった。

マックハウスの6月既存店実績は
売上高が前年比12・8%減
客数が同14・1%減
客単価が同2・2%増

だった。

このうち、ハニーズの業績は昨年10月以降とほぼ変わらない水準なのであまり気に掛けるほどのことはないと判断できる。

問題はユニクロの突然の大幅減と、3月~5月まで回復基調にあったマックハウスの大幅減であろう。

両者とも低気温を理由に挙げている。

とくにユニクロの昨年9月からの月次実績は、3月を除いてすべて既存店売上高が前年を上回っている。
唯一落ちた3月ですら前年比3%減にとどまっているのに対して、6月は考えられないほど大幅に落としている。

昨今の消費動向は体感気温にどんどん忠実になってきているといわれている。
暑ければ涼しい商品を、寒ければ暖かい商品を買う。
いわば季節外れであっても体感気温を重視する人の方が増えたような印象がある。

その昔、春先にやけに寒い日があった。
今なら「ダウンジャケットを引っ張り出しました」とか「しまってあったウールのコートをもう一度出しました」なんてコメントがSNS上に並ぶ。
寒ければ季節外れだろうとダウンジャケットなり冬物のコートを着るのが当たり前である。

しかし、当時まだ存命だった母には「いくら寒くてもこの時期にそんな冬物を着るのはおかしい」と指摘され、「このオバハン、何を言うてんねん」と毒づきながらも、結局、春物の重ね着で寒さを乗り切ったことがある。

もう20年ほど前のことだろうか。

どうも母親世代の人の若いころは、季節感先取りで洋服を着るのが普通だったようだ。
春になって再度冬物を着るのはおかしい、秋口にまだ夏服でうろうろするのもおかしい、そういう感覚である。
これは着物の季節感がその根底にあったのではないかと勝手に推測している。

着物は、季節感を先取りして色柄素材を選ぶ。
桜の時期に桜の柄の着物を着るのではなく、その少し前に桜の柄を着る。
そういう着方である。

昔の人は着物の着用感がある程度体に染みついていたのではないだろうか。
きっと祖母世代の人はもっと染みついていただろう。

これらの低価格ブランドは、もちろんファッション的要素もあるが、実用衣料的要素が高い。
それ故に気温の上下に左右される可能性が高いのではないかと推測する。

一方、世間的には低価格ブランドよりはファッション性が高いと言われるユナイテッドアローズの6月度実績を見てみたい。

ユナイテッドアローズの6月実績は
小売既存店売上高が前年比0・2%増
小売既存店客数が同6・5%減
小売既存店客単価が同7・2%増

となっている。
ちょっと客単価を上げすぎのような気もするのだが、それほどの落ち込みではない。

この数字だけを見ると、ファッション性を求める消費者は気温の上下動にそれほど左右されず、実用衣料を求める消費者は気温の上下動に大きく左右されるように見える。

ただし、客数はこの4社とも減らしており、15%近く減らしているユニクロとマックハウスは危機的な落ち込みだが、ハニーズとユナイテッドアローズだって7~8%も落としているので楽観視できる状況ではない。
ユナイテッドアローズは大幅な客単価増で乗り切ったといえるからだ。

ファッション性があると言われている店も実用衣料的な店もそろって客数が大きく減っているのだから、洋服そのものに興味を持つ消費者が減っていると考えた方が良いのではないか。

可処分所得が減っているということもあるだろうが、たとえばユニクロなら今は夏服の投げ売りを始めている。
メンズの半袖Tシャツなら500~990円である。まれに390円なんていう商品もある。
この水準の価格の商品ならいくら可処分所得が減ろうが、1,2枚は変えるはずである。
そのユニクロですら大幅に客数を減らしているから洋服に興味を持つ消費者そのものが減少しているのではないかと思える。

これが、年商規模数千万円とか数億円程度のブランドなら、少数の洋服ファンをがっちりとつかめば乗り切れるが、数百億円以上の規模になるこの5社からすると、そんなやり方では拡大再生産どころか現状維持もおぼつかなくなる。

洋服を販売するビジネスは難しい局面にあり、打開策はそう簡単には見つからないのではないか、そんな風に思えてくる。

ユニクロ対ZARA
齊藤 孝浩
日本経済新聞出版社
2014-11-20


 

ユニクロ帝国の光と影 (文春文庫)
横田 増生
文藝春秋
2013-12-04



「知っているブランド」≠「欲しいブランド」では?

 もう何か月か前に関係者から聞いた案件がようやく現実化にこぎつけたようだ。

ボブソン、マックハウス限定モデル 
http://www.senken.co.jp/news/bobson-mac-house/

新生ボブソンにとっては明るい話題である。
本文にもあるように、なにせ初回投入量は5万本である。事業にも弾みがつく。
まずはめでたい。

さて、いつものように記事を見ながらあれこれとりとめのないことを考えてみたいと思う。

カジュアル専門店のマックハウスは9月上旬から、ジーンズメーカーのボブソンホールディングス(HD)の「ボブソン04(ゼロヨン)ジーンズ」のマックハウス限定モデルを販売する。90年代に人気を集めた同商品をリニューアルし、ブランド認知度の高い40~50代の男性を対象に「はきやすいジーンズ」として売り込む。

 全ての商品にストレッチ性をもたせ、ジーンズのほか、米国産ピマ綿のサテンカラーパンツや「テンセル」ツイルのノータックトラウザーなど、はき心地や素材にこだわったボトムを揃える。

とある。

90年代以降でボブソン最大のヒット商品となった「04ジーンズ」の名称の復活なのだが、筆者はちょっと疑問に感じる。
というのは、本文を読むと、ジーンズの素材はストレッチデニムだと読める。
「04ジーンズ」の名称の元はレーヨンジーンズで、レーヨンを「04」と置き換えた名称である。
レーヨンないしはそれに類するパルプ系繊維を使用せずに「04」と名乗られてもなんだか微妙に違う気がする。
しかもターゲットは40~50代男性であり、04ブームの最盛期をリアルに体験している世代である。
ターゲット層は違和感を抱くのではないだろうか。
テンセルを使うのはノータックトラウザーに限定されるように記事は読める。

もし、ターゲット層が04を知らない若い世代なら、名称のみを引き継いだ新製品でも構わなかったが、04ど真ん中世代に対してではターゲット層と提案内容はミスマッチではないかと感じる。

さらに続きを見てみる。

中国生産で、価格は5900~6900円。ボブソンHDが現在販売しているボトムよりも低めの価格帯のセカンドラインとして、マックハウスの店舗約480店で販売する。

とのことだが、これは新生ボブソンのブランドイメージを低下させるのではないか。
世間的にはこういうコラボは往々にしてある。
その場合は「限定」ということがよくわかるようにブランド名を微妙に変えている。
筆者は「ボブソン・マックハウススペシャル」とか「ボブソンforマックハウス」のような表記の方が良かったのではないかと考える。
往年の大ヒット商品名の「04」の使い道はここではないとも感じる。(あくまでも個人的に)

今回のコラボの経緯について

マックハウスの調査によると、消費者のボブソンブランドの認知度は60%程度あり、特に40代以上で知名度が高い。同社は郊外や地方を中心に店舗展開しているため、「中心客層とボブソンブランドをよく知る世代が合致する」とみて、40代以上の男性をターゲットに据えた。

とある。

しかし、知っているブランド名と欲しいブランド名は必ずしも合致しない。
例えば「レノマ」というブランド名の知名度は高いが、「レノマ」商品を欲しいと感じている消費者はどれほど存在するだろうか。

そういうことである。

以上のようなことから何となく「少しズレた感」があるのだが、何はともあれ、投入商品の消化率が高いことを願わずにはいられない。

やはり寒くなると強い

 10月に引き続き、11月の商況も全般的に良くなかったと聞き及んでいる。
11月に入って気温は低下したが、下旬からは12月上旬から始まるプレセール待ちの消費者が増えるため、売上高が毎年伸びにくい。

そんな中でもユニクロは11月も既存店実績を更新した。
寒くなるとユニクロは強いと改めて実感する。

ユニクロの11月商況は
既存店売上高が前年比7・7%増
既存店客数が同5・7%増
既存店客単価が同1・9%増

ポイントは
既存店売上高が前年比1・3%減
既存店客数が同2・3%増
既存店客単価が同3・5%減

マックハウスは
既存店売上高が前年比9・0%減
既存店客数が同5・9%減
既存店客単価が同1・9%減

ハニーズは
既存店売上高が前年比11・8%減
既存店客数が同13・9%減
既存店客単価が同3・6%増

となっている。

ユニクロはやはり冬に強い。
それと11月下旬の創業感謝祭が効いている。
12月のプレセール待ち消費者を先取りしたといえる。

ポイントは客数は増加しているが、客単価が減少している。
マークダウン商品の購入客が増えたのだろう。

マックハウスは厳しい。
同じジーンズカジュアルチェーン店であるライトオン、ジーンズメイトともに20日締めの11月度商況は厳しかったので、ジーンズカジュアルチェーン店は軒並み苦戦したといえる。

もっと厳しいのがハニーズだ。
客単価が増加して客数が大幅に減っている。これは同社の注釈にも書いてあったように価格改定で客離れが起きたのだろう。早い話が、値上げが受け入れられなかったといえる。

ハニーズはトレンド商品を安価に販売することで若い女性に支持されてきた。
月次報告だけで判断をするなら彼女らはトレンド商品もさることながら、ハニーズを支持してきたのは「安価」という部分が大きかったと読みとれる。
今後、材料費や人件費の高騰などで価格を上げる場合には一層の注意が必要となるだろう。

小康状態?の各社5月商況

 各社の5月売上速報が出そろった。
ゴールデンウィークは例年よりも寒かったが、ゴールデンウィーク明けから気温が急上昇した。
結果的にはこの気温の急上昇が効を奏したというのが全般的に共通するだろう。

ユニクロは
既存店売上高が前年比10・9%増
既存店客数が同17・0%増
既存店客単価が同5・2%減

ポイントは
既存店売上高が前年比2・8%増
既存店客数が同6・3%増
既存店客単価が同3・2%減

マックハウスは
既存店売上高が前年比2・8%減
既存店客数が同3・2%減
既存店客単価が同0・4%増

ハニーズは
既存店売上高が前年比1・6%減
既存店客数が同8・2%減
既存店客単価が同7・8%増

となっている。

これを見ると、ユニクロが絶好調と感じるのだが、

一昨年のユニクロの5月商況は
既存店売上高が前年比10・3%減
既存店客数が同11・9%減
既存店客単価が同1・8%増

だったので、一昨年並みに回復させたという方が実状に近いだろう。

一方、マックハウスは売上高微減にとどめたが、ライトオン、ジーンズメイトと合わせて見ると、ジーンズチェーン店は全般的に苦戦傾向にあるといえる。
ブルージーンズを主力商品とすることで、カラーパンツ・花柄パンツブームから外れてしまっているのではないだろうか。

またハニーズは4月、5月の客数の減少幅の大きさが気になる。
これはとりもなおさず、「買い上げ客数」のことだから今春物は消費者からの支持を得られていないということになる。

さて、6月は28日ごろから各施設が本格的なセールに入る。
それに先立ってすでに4割近く(筆者体感)のショップがすでにプレセールを開始している。
6月13日に先行オープンする「あべのハルカス」はオープニングセールからそのまま夏セールにつながるわけだから、それらは80日~90日にも及ぶめちゃくちゃに長い夏セールを行うことになる。

その一方で7月12日からセール開始のルミネ、7月17日開始の三越伊勢丹があるわけだから、セールの分散化度合いは昨年夏以上ということになる。

この斑模様のセールが6月商況にどう影響するのかが興味深い。

ここ数年、4月は比較的寒い

 4月の各社売上速報が発表された。

そういえば今年のゴールデンウイークは例年にも増して涼しい日が多かったように感じる。
7年くらい前には30度越えのゴールデンウイークもあったから、そのころと比べると気温は大違いである。
二酸化炭素によって温暖化云々がやかましく言われているが、実は二酸化炭素によって地球が寒冷化するという学説もあり、このあたりはまことにあやふやである。

それはさておき、各社とも4月の低気温であまり売上高は伸びなかったとしている。
しかし、思い返してもらいたいのだがこの数年4月はずっと気温が低かった。
今年始まったわけではない。昨年も4月20日ごろまで寒い日があったし、一昨年もそうだった。
なぜ、過去数年のデータを基に「寒い4月」の対策を打たなかったのか理解に苦しむ。

ユニクロは
既存店売上高が前年比3%減
既存店客数が同3・7%増
既存店客単価が同6・5%減

ポイントは
既存店売上高が前年比2・3%減
既存店客数が増減なし
既存店客単価が同2・3%減

マックハウスは
既存店売上高が前年比11・4%減
既存店客数が同12・6%減
既存店客単価が同1・4%増

ハニーズは
既存店売上高が前年比9・1%減
既存店客数が同11・5%減
既存店客単価が同2・8%増

だった。

ポイント以外はすべて客数が減っていることがわかる。
3月は衣料品販売が好調だったが、4月はそれと真逆になった。

ユニクロは昨年も4月、5月は既存店売上高が前年割れなのでそういう特性なのだろう。
実用衣料としての側面が強いので暑すぎる・寒すぎるという気温要因が売上高を左右すると考えられる。
前年実績ベースで見ると、冬と真夏が強く春と秋はそれほどでもない。
冬はヒートテックとダウン、夏は吸水速乾商品がけん引しているのだろうが、気温が暑すぎもせず寒すぎもしない春と秋はお得意の「機能商品」がそれほど求められないと考えられる。
もちろん靴下や肌着やちょっとしたカットソーなどの買い替え・買い足し需要はあるが、爆発力は無い。

マックハウスの苦戦はブルージーンズを基調とした品ぞろえにあるのではないか。
今春は例年にも増してブルージーンズの動きが鈍く、カラーパンツ・ホワイトジーンズ、レディースの花柄パンツにボトムスの売れ筋が集中している。

しかし、ジーンズカジュアルチェーン店は店頭を見る限り、ブルージーンズとベーシックな色合いのチノパン、ワークパンツの見え方が多すぎて、世間的なトレンド商品も置いてあるのかもしれないがあまり目立たない。

景気の浮揚感はたしかに感じられる部分もあるが、ゴールデンウイークが終わった5月、6月は各社とも厳しい商戦を強いられるのではないかと思う。

タンス在庫にない商品はやっぱり売れ易い

 3月度は各社とも比較的好調だったようだ。

ユニクロは
既存店売上高が前年比23・1%増
既存店客数が同30・0%増
既存店客単価が同5・4%減

ポイントは
既存店売上高が前年比11・1%増
既存店客数が同8・6%増
既存店客単価が同2・3%増

マックハウスは
既存店売上高が前年比5・8%増
既存店客数が同3・3%増
既存店客単価が同2・4%増

ハニーズは
既存店売上高が前年比13・0%増
既存店客数が同7・6%増
既存店客単価が同5・0%増

と軒並み好調だった。

各社が伸びた原因は、今年3月は過去に比べて暖かい日が多かったことと、昨年・一昨年とは異なりビタミンカラー、ネオンカラーと言われるような明るいカラーが一転してトレンドに浮上したことだろう。
これまで、カラー傾向もベージュやネイビーなどベーシックで変わり映えのしないシーズンが続いた。
いくら「ネイビーがトレンドですよ」「ベージュがトレンドですよ」と業界がステマをしてみたところで、ネイビーやベージュの衣料品なんて物は消費者は複数枚すでに所有している。
別に新しく買い直す必要もなく、手持ちのタンス在庫を再登板させれば済む。

ところが今回のビビッドな黄色やオレンジ、グリーンなどというカラーのアイテムは手持ちが少ない。
目新しい商品なら何枚か買っておく必要がある。

ユニクロの大幅な伸びはメンズ・レディースのレギンスパンツの販促効果だと思われるが、そのレギンスパンツも売りは鮮やかなカラーリングである。
レギンスパンツという文脈でとらえるよりも、カラーリングの一環と捉えた方が良いのではないだろうか。

景気回復期待効果やバブル期待効果は幾分かあるかもしれないが、目に見えて効果が出るにはまだ時間はかかるだろう。
それよりも新しいカラーが大々的に打ち出されたことによる各社の好調と考えた方が良いのではないか。

月並みな感想だが、目新しい物・手持ちにない商品は売れるということだろう。

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