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ファッションへの憧れは再構築できそうにない

 先日、ポイントの各ブランドがZOZOTOWNでさっそく「最大7割引きセール」を開催していた。

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これを見て、「もう早々とそんなセールをやっているのか、定価で販売する期間はどれほど短いのか」とお嘆きになる業界関係者が少なくない。

しかし、その一方で「ファッションが好きな人は入荷時に定価で購入しており、売れ残った商品を値下げして処分するのは当然。ファッション好きはシーズン当初に買ったという満足感に高い金を払っている」という指摘もある。

これはどちらの見方も正しい。
ついでにいうと、ポイントは入荷時から一定の期間が過ぎると自動的に値下がりする方式を採っており、別にZOZOで大々的に謳わなくても、各店舗でも常に同じようなことが行われているので実は嘆くには値しない。
ただ、今秋は店頭での割引商品の陳列が少ないのでオカシイな?と思っていたのだが、案外、値下げ商品をZOZOに集約していたのかもしれない。

それはさておき。

以前に衣料品を購入する人は3つのグループがあると書いた。

1、シーズン初めに定価で買う「ファッションが好きな人」
2、体感気温に合わせて定価で買う「実需型」の人
3、セールでしか買わない人

である。

それぞれの人口比率は1を頂点に、2、3とピラミッド型となっている。

一番ありがたい1のお客は、人口的にはもっとも少ない。
しかもその人口は年々減少しているのではないかと個人的には感じる。

2、3の人口は相対的に増えているのではないか。
2と3のどちらが増えたのかは難しいが、個人的には3が増えたのではないかと感じる。
筆者自身は間違いなく3である。

さて、ファッション製品を定価で販売するなら、1のお客を増やさねばならない。
DCブランドの販売に長蛇の列が作られたバブル期は1のお客が相当多かったのだろう。
時代の風潮というのもそちらに向かっていた。
また、DCブランドの服と、量販店の服ではまったくデザイン、色柄が異なっていたということも大きいだろう。
使用素材の質も雲泥の差だった。
国民の所得も多かった、もしくは将来的に多くなると信じていたという時代背景もある。

長らくお付き合いのあるデザイナーズブランド、RBTの東哲平くんは「ファッションへの憧れを再構築しなくてはならない」と主張しているが、まったくその通りだと思う。
バブル期はファッションへの憧れというものも大きかったのだろう。

しかし、ファッションへの情熱がまったく無い筆者からすると、「ファッションへの憧れ」というものが再構築できるとはちょっと思えない。
なぜかというと、低価格商品の見た目は格段に向上し、見た目だけならいわゆる「ブランド品」との遜色はなくなった。
またバブル期と異なり、最新のファッションに身を包んでいるからと言って、男女ともそれほど異性にモテるわけでもなくなった。さらに言うなら、異性にモテたいと思っている男女もバブル期よりは減っているだろう。
可処分所得も減っているだろうし、今後、収入の増える見込みも少なくなったと感じている人も多いだろう。

よくネットニュースなどで「男受けしないファッション」みたいな特集がある。
そうすると必ず女性が「男にモテるためにオシャレにしているのではない」という意見を書き込む。
これはこれで事実なのだろうが、そうするとファッションとは仲間内での楽しみ&自分の趣味という部分が大きいことになるが、そういう人は残念ながら少数派だと言わねばならないだろう。

そして製造背景から業界構造までがほぼ明るみに出ている状況とも相まって、「ファッションへの憧れ」を再構築するのはかなり困難であろう。

結局、1のお客を如何に自社店舗、自社ブランドに取り込むかということが、各社が取り組むべき喫緊の課題であるし、言葉は悪いが、1のお客を如何に他社から奪い取るかということになる。
限られた小さなパイの奪い合いというのが筆者の目に映る衣料品業界の姿である。

そんなわけで、よほどのカリスマが出現するか、史上最高規模の好景気が到来するかしなくては、バブル期やそれ以前のような高価格ブランドのファッションブームは起きないだろうと感じる。
それよりも自社の顧客数を確実に把握し、そこに売れるための枚数製造と商品構成、そこへアピールするための発信に徹するのが手堅いやり方であろう。

もし「憧れ」が再構築できるとするなら、マスではなく、小コミュニティの中だけだろう。
如何にファッションで盛り上がれる小コミュニティを作れるかがカギになる。ちょうど、女性が仲間内で「かわいい」と言われるためにオシャレをするように。

やはり寒くなると強い

 10月に引き続き、11月の商況も全般的に良くなかったと聞き及んでいる。
11月に入って気温は低下したが、下旬からは12月上旬から始まるプレセール待ちの消費者が増えるため、売上高が毎年伸びにくい。

そんな中でもユニクロは11月も既存店実績を更新した。
寒くなるとユニクロは強いと改めて実感する。

ユニクロの11月商況は
既存店売上高が前年比7・7%増
既存店客数が同5・7%増
既存店客単価が同1・9%増

ポイントは
既存店売上高が前年比1・3%減
既存店客数が同2・3%増
既存店客単価が同3・5%減

マックハウスは
既存店売上高が前年比9・0%減
既存店客数が同5・9%減
既存店客単価が同1・9%減

ハニーズは
既存店売上高が前年比11・8%減
既存店客数が同13・9%減
既存店客単価が同3・6%増

となっている。

ユニクロはやはり冬に強い。
それと11月下旬の創業感謝祭が効いている。
12月のプレセール待ち消費者を先取りしたといえる。

ポイントは客数は増加しているが、客単価が減少している。
マークダウン商品の購入客が増えたのだろう。

マックハウスは厳しい。
同じジーンズカジュアルチェーン店であるライトオン、ジーンズメイトともに20日締めの11月度商況は厳しかったので、ジーンズカジュアルチェーン店は軒並み苦戦したといえる。

もっと厳しいのがハニーズだ。
客単価が増加して客数が大幅に減っている。これは同社の注釈にも書いてあったように価格改定で客離れが起きたのだろう。早い話が、値上げが受け入れられなかったといえる。

ハニーズはトレンド商品を安価に販売することで若い女性に支持されてきた。
月次報告だけで判断をするなら彼女らはトレンド商品もさることながら、ハニーズを支持してきたのは「安価」という部分が大きかったと読みとれる。
今後、材料費や人件費の高騰などで価格を上げる場合には一層の注意が必要となるだろう。

小康状態?の各社5月商況

 各社の5月売上速報が出そろった。
ゴールデンウィークは例年よりも寒かったが、ゴールデンウィーク明けから気温が急上昇した。
結果的にはこの気温の急上昇が効を奏したというのが全般的に共通するだろう。

ユニクロは
既存店売上高が前年比10・9%増
既存店客数が同17・0%増
既存店客単価が同5・2%減

ポイントは
既存店売上高が前年比2・8%増
既存店客数が同6・3%増
既存店客単価が同3・2%減

マックハウスは
既存店売上高が前年比2・8%減
既存店客数が同3・2%減
既存店客単価が同0・4%増

ハニーズは
既存店売上高が前年比1・6%減
既存店客数が同8・2%減
既存店客単価が同7・8%増

となっている。

これを見ると、ユニクロが絶好調と感じるのだが、

一昨年のユニクロの5月商況は
既存店売上高が前年比10・3%減
既存店客数が同11・9%減
既存店客単価が同1・8%増

だったので、一昨年並みに回復させたという方が実状に近いだろう。

一方、マックハウスは売上高微減にとどめたが、ライトオン、ジーンズメイトと合わせて見ると、ジーンズチェーン店は全般的に苦戦傾向にあるといえる。
ブルージーンズを主力商品とすることで、カラーパンツ・花柄パンツブームから外れてしまっているのではないだろうか。

またハニーズは4月、5月の客数の減少幅の大きさが気になる。
これはとりもなおさず、「買い上げ客数」のことだから今春物は消費者からの支持を得られていないということになる。

さて、6月は28日ごろから各施設が本格的なセールに入る。
それに先立ってすでに4割近く(筆者体感)のショップがすでにプレセールを開始している。
6月13日に先行オープンする「あべのハルカス」はオープニングセールからそのまま夏セールにつながるわけだから、それらは80日~90日にも及ぶめちゃくちゃに長い夏セールを行うことになる。

その一方で7月12日からセール開始のルミネ、7月17日開始の三越伊勢丹があるわけだから、セールの分散化度合いは昨年夏以上ということになる。

この斑模様のセールが6月商況にどう影響するのかが興味深い。

ここ数年、4月は比較的寒い

 4月の各社売上速報が発表された。

そういえば今年のゴールデンウイークは例年にも増して涼しい日が多かったように感じる。
7年くらい前には30度越えのゴールデンウイークもあったから、そのころと比べると気温は大違いである。
二酸化炭素によって温暖化云々がやかましく言われているが、実は二酸化炭素によって地球が寒冷化するという学説もあり、このあたりはまことにあやふやである。

それはさておき、各社とも4月の低気温であまり売上高は伸びなかったとしている。
しかし、思い返してもらいたいのだがこの数年4月はずっと気温が低かった。
今年始まったわけではない。昨年も4月20日ごろまで寒い日があったし、一昨年もそうだった。
なぜ、過去数年のデータを基に「寒い4月」の対策を打たなかったのか理解に苦しむ。

ユニクロは
既存店売上高が前年比3%減
既存店客数が同3・7%増
既存店客単価が同6・5%減

ポイントは
既存店売上高が前年比2・3%減
既存店客数が増減なし
既存店客単価が同2・3%減

マックハウスは
既存店売上高が前年比11・4%減
既存店客数が同12・6%減
既存店客単価が同1・4%増

ハニーズは
既存店売上高が前年比9・1%減
既存店客数が同11・5%減
既存店客単価が同2・8%増

だった。

ポイント以外はすべて客数が減っていることがわかる。
3月は衣料品販売が好調だったが、4月はそれと真逆になった。

ユニクロは昨年も4月、5月は既存店売上高が前年割れなのでそういう特性なのだろう。
実用衣料としての側面が強いので暑すぎる・寒すぎるという気温要因が売上高を左右すると考えられる。
前年実績ベースで見ると、冬と真夏が強く春と秋はそれほどでもない。
冬はヒートテックとダウン、夏は吸水速乾商品がけん引しているのだろうが、気温が暑すぎもせず寒すぎもしない春と秋はお得意の「機能商品」がそれほど求められないと考えられる。
もちろん靴下や肌着やちょっとしたカットソーなどの買い替え・買い足し需要はあるが、爆発力は無い。

マックハウスの苦戦はブルージーンズを基調とした品ぞろえにあるのではないか。
今春は例年にも増してブルージーンズの動きが鈍く、カラーパンツ・ホワイトジーンズ、レディースの花柄パンツにボトムスの売れ筋が集中している。

しかし、ジーンズカジュアルチェーン店は店頭を見る限り、ブルージーンズとベーシックな色合いのチノパン、ワークパンツの見え方が多すぎて、世間的なトレンド商品も置いてあるのかもしれないがあまり目立たない。

景気の浮揚感はたしかに感じられる部分もあるが、ゴールデンウイークが終わった5月、6月は各社とも厳しい商戦を強いられるのではないかと思う。

タンス在庫にない商品はやっぱり売れ易い

 3月度は各社とも比較的好調だったようだ。

ユニクロは
既存店売上高が前年比23・1%増
既存店客数が同30・0%増
既存店客単価が同5・4%減

ポイントは
既存店売上高が前年比11・1%増
既存店客数が同8・6%増
既存店客単価が同2・3%増

マックハウスは
既存店売上高が前年比5・8%増
既存店客数が同3・3%増
既存店客単価が同2・4%増

ハニーズは
既存店売上高が前年比13・0%増
既存店客数が同7・6%増
既存店客単価が同5・0%増

と軒並み好調だった。

各社が伸びた原因は、今年3月は過去に比べて暖かい日が多かったことと、昨年・一昨年とは異なりビタミンカラー、ネオンカラーと言われるような明るいカラーが一転してトレンドに浮上したことだろう。
これまで、カラー傾向もベージュやネイビーなどベーシックで変わり映えのしないシーズンが続いた。
いくら「ネイビーがトレンドですよ」「ベージュがトレンドですよ」と業界がステマをしてみたところで、ネイビーやベージュの衣料品なんて物は消費者は複数枚すでに所有している。
別に新しく買い直す必要もなく、手持ちのタンス在庫を再登板させれば済む。

ところが今回のビビッドな黄色やオレンジ、グリーンなどというカラーのアイテムは手持ちが少ない。
目新しい商品なら何枚か買っておく必要がある。

ユニクロの大幅な伸びはメンズ・レディースのレギンスパンツの販促効果だと思われるが、そのレギンスパンツも売りは鮮やかなカラーリングである。
レギンスパンツという文脈でとらえるよりも、カラーリングの一環と捉えた方が良いのではないだろうか。

景気回復期待効果やバブル期待効果は幾分かあるかもしれないが、目に見えて効果が出るにはまだ時間はかかるだろう。
それよりも新しいカラーが大々的に打ち出されたことによる各社の好調と考えた方が良いのではないか。

月並みな感想だが、目新しい物・手持ちにない商品は売れるということだろう。

ジーンズは今後さらに苦戦するのか?

 2月売上速報が発表された。

ユニクロは
既存店売上高が前年比9・6%増
既存店客数が同15・1%増
既存店客単価が同4・8%減

ポイントは
既存店売上高が前年比0・6%増
既存店客数が同2・5%増
既存店客単価が同1・8%減

マックハウスは
既存店売上高が前年比5・3%減
既存店客数が同11・8%減
既存店客単価が同6・2%増

ハニーズは
既存店売上高が前年比1・8%減
既存店客数が同5・2%減
既存店客単価が同3・6%増

だった。

ユニクロは冬物処分とキャンペーンを行った春物のボトムスが好調だったとしている。
たしかに冬物のアウター類は処分価格になってどんどん店頭在庫が減っている。
ダウンジャケット類もXSとXLばかり残っているのが目立っており、メインのMとLサイズはほぼなくなりつつある。
一方、昨年の今頃に引き続き、ヒートテックインナーは大量に余っている。

気になるのはマックハウスだ。
締め日が異なるとは言え、ライトオンとジーンズメイトも不調だった。
(ライトオンとジーンズメイトは1月21日~2月20日まで、マックハウスは2月1日~2月28日まで)

昨年春夏に回復の兆しを見せていたものの、秋から失速している。
ジーンズメイトは底打ち感が出てきたけれども、ライトオンは昨年秋から苦戦傾向にあり、2月度実績はかなり悪化している。

3社そろって2月度が厳しかったということは、ジーンズカジュアルというジャンル自体が再び厳しくなったということだろうか。とくに1月のセール効果もこの3社はあまりなかったように見受けられる。

ジーンズが非トレンドアイテムになってからもう数年近い。
昨年には底打ち感も出てきていたが、今後さらなる苦戦があるのかもしれない。
ジーンズというアイテムにとっては、昨年秋以降の流れは何だか嫌な感じを受けるのだが・・・・。

それほど好調でもなかった1月商況

 カジュアル各社の1月売上速報が発表された。
正月セールという年間でも最大規模に近いイベントがあった割には、増減率だけで見るなら低調な推移だった。

ユニクロは

既存店売上高が前年比5・5%減
既存店客数が同1・3%減
既存店客単価が同4・2%減

だった。

ポイントは

既存店売上高が前年比2・2%減
既存店客数が同0・6%減
既存店客単価が同1・7%減

マックハウスは

既存店売上高が前年比5・8%減
既存店客数が同8・7%減
既存店客単価が同3・2%増

ハニーズは

既存店売上高が前年比2・7%減
既存店客数が同5・6%減
既存店客単価が同3・0%増

だった。

ちなみにユニクロは新店を含む直営店計でも

直営店売上高が前年比3・4%減
直営店客数が同0・9%増
直営店客単価が同4・3%減

となっており、今年の正月セールは昨年ほど盛り上がらなかったといえるだろう。

これに対して、ユニクロは「土日が昨年より1日少なかったため」としているが、前年割れを続ける百貨店と同じ理由なのでまともに受け取るには値しない。

念のため、ユニクロの2012年1月の増減率を見てみる。

既存店売上高が前年比7・9%増
既存店客数が同1・5%減
既存店客単価が同9・5%増

となっており、今年1月の既存店売上高は、昨年1月より下回ったものの、それでも一昨年1月よりは上向いている。

さて、ユニクロの国内売上高はぼちぼち飽和点に達すると考えている。
別に全身ユニクロでも構わないと思っている消費者も多いだろうが、彼らとて進んで「全身ユニクロを着たい」とは思っていないはずである。

新たなユニクロの取り組みとして産経新聞紙上で、柳井正会長は

--値下げするのか

 「価格とファッションの双方でリーダーシップを追求する。(低価格ブランドの)ジーユーは両方で評価されたがユニクロは失いかけていた。ジーユーが990円で売る商品を、2990円で売っていたユニクロは1990円に下げないと難しい。原材料の調達、サプライチェーンを組み替える。中国での生産比率を下げ、(賃金の安い)東南アジアで生産を増やす」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130116-00000517-san-bus_all

と述べておられるわけだが、アジア諸国での販売は別として、国内市場でこれ以上ユニクロを値下げしたところで爆発的に売れ行きが伸びることはないだろう。
高すぎると言うけれども、「欠品」を異様に恐れる同社は過剰に生産しすぎているため、定価で売りきれるアイテムはほとんどない。必ず値下がりする。
ユニクロの商品を「発売と同時に絶対買いたい」と思っている人はそれほど多くなく、安く値下がりしてから買えば十分である。

それに洋服は雑貨(靴を除く)に比べて、枚数が溜まると大きな収納スペースが必要となる。
だから洋服はあまり溜め込みたくないというのが、多くの消費者の気持ちだろう。
となると、いくら安くても過剰な枚数の洋服を買うことはない。むしろ、要らない物はタダでも要らない。

2990円のユニクロ商品が1990円に下がったからといって「じゃあ、2枚買っとこう。本当はブルーしか要らなかったが安くなったから普段着るかどうかわからないオレンジも買っておくか」と考える人はほとんどいない。
1990円に下がっても目当てのブルーを1枚だけ買うだろう。

筆者個人は、国内販売において、柳井会長が掲げておられる値下げがそれほど効果を発揮するとはまったく思えない。

各社苦戦の9月度売上速報

 恒例の9月度売上速報が発表された。
今年は9月21日まで厳しい残暑が続き、秋のお彼岸から急に涼しくなった。
そのため、各社とも秋物の動きが鈍く、苦戦した印象が強い。

ユニクロは

既存店売上高が前年比2・4%減
既存店客数が同0・2%増
既存店客単価が同2・6%減

ポイントは

既存店売上高が前年比9・8%減
既存店客数が同5・0%減
既存店客単価が同4・5%減

マックハウスは

既存店売上高が前年比7・3%減
既存店客数が同7・5%減
既存店客単価が同0・3%増

ハニーズは

既存店売上高が前年比7・8%減
既存店客数が同2・9%減
既存店客単価が同5・0%減

と軒並み前年実績を割った。

ネット上では、ユニクロの減少について「尖閣貼り紙問題による日本人の不買が原因では?」という意見を見かけるが、9月度に限って言えばその可能性は低いのではないか。
問題が発覚したのが9月15日ごろであるから、9月度の業績にはあまり影響を与えていないのではないかと考えている。
もし、影響が表面化するのなら10月以降ではないだろうか。

ちなみに昨年9月のユニクロは

既存店売上高が前年比10・7%減
既存店客数が同12・7%減
既存店客単価が同2・3%増

となっており、昨年9月もあまり振るわなかったことがわかる。

今年9月は昨年実績からさらに微減なので、なかなか厳しい数字である。
これはベーシック回帰路線の行き詰まりではないだろうか。

もともとメンズはレディースに比べてアイテムのバリエーションが少ない。
ユニクロのメンズ売り場を見ていると、ベーシック路線の行き詰まりを顕著に感じる。
ジーンズとチノパン、無地シャツ、無地Tシャツと並んでいるが、すでにタンス在庫に何枚も所有しているものばかりだし、改めて買うとしたら何らかの事情で破損した物の買い替え需要しかない。

気温が下がった10月以降の各社の売れ行きに注目したい。

グローバルワークに播州織シャツが

 先日、グローバルワークに立ち寄ったら「播州織」と書かれた大型のPOPがあって驚いた。
念のために付け加えると、「播州織」と書かれただけでなく、一応、播州織とは何ぞやという説明も書かれてあったから本格的だ。

今秋のメンズカジュアルシャツに播州織を使用したグループがある。

播州織とは兵庫県西脇市辺りで織られる先染め織物を指し、ここは先染めの綿薄地織物の一大産地である。
メンズのシャツ用生地として利用されることが多いが、近年はさまざまな工夫を凝らした結果、シャツ地以外の用途にも用いられる案件も出てきた。

ちなみにグローバルワークの播州織シャツの価格は4700~5700円である。

しかし、グローバルワークという低価格ファミリーカジュアルブランドは日本製素材をアピールするようなブランドだっただろうか?
なぜ、いきなり「播州織」を使用し始めたのだろうか?
かなり唐突な印象を受ける。
今まで日本製素材なんかこれっぽっちも興味が無かったブランドである。

しかも今期のイメージキャラクターにはタレントの山口智充氏を起用している。
正直あまり、日本製素材の播州織にマッチしているキャラクターとは思えない。

けれども西脇産地にとっては、またとないアピールのチャンスである。
たしかにグローバルワークというブランドは、低価格ファミリー向けSPAカジュアルであるからそれほどブランドステイタスは高くない。
高くはないが規模は大きい。また、大衆向けブランドであるからこそ、広く大衆に「播州織」を知ってもらう機会にもなる。

ただ、日々交流している西脇産地の人々からはあまり反応がない。
このためグローバルワークを運営するポイントが勝手に「播州織」を販促の目玉にしたと推測される。

でもこの機会に乗らないのはもったいないと思う。
タダ乗りすれば良いのである。
VIVA!乗り逃げv( ̄∇ ̄)v

西脇産地の組合あたりが、積極的にグローバルワークで使用されていることを大々的に触れまわれば良い。

おそらく、PRの上手い産地組合や産地企業なら便乗しまくるはずである。
そういう良い意味での「悪乗り」がない。

一部の産地企業を除いて、西脇産地に限らずどこの産地もこの手のアピールが上手くない。

せっかく、グローバルワークが毎日店頭で無料(産地のみなさんが大好きな無料)で「播州織」をPRしてくれているのである。
播州織の産地自身がこれを利用しない手はない。

大きな話題もなく前年並みの8月売上高

 恒例の8月売上速報が発表された。

ユニクロは

既存店売上高が前年比2・0%増
既存店客数が同2・5%増
既存店客単価が同0・6%減

ポイントは

既存店売上高が前年比1・0%減
既存店客数が同0・8%減
既存店客単価が同0・2%減

マックハウスは

既存店売上高が前年比1・8%増
既存店客数が同0・6%増
既存店客単価が同4・6%増

ハニーズは

既存店売上高が前年比1・6%増
既存店客数が同1・8%増
既存店客単価が同0・3%減

だった。

トレンド最先端のブランドショップなら8月は秋物の立ち上がりで、季節先取りのお客が購入するが、これら、大衆チェーン店では8月は夏物最終セールの真っただ中である。ただ、ユニクロは季節先取り投入が他と比べても早く7月20日ごろからダウンジャケット類やラムウールセーターが入荷しているが、ユニクロの顧客層も夏物最終セールを愛好する率が高い。

そのため、4社とも昨年とほぼ同じ売上高を維持したことがわかる。

ここ15年来、日本のアパレル業界はユニクロを中心に回っている感がある。
このため、ユニクロの月次売上高の増減がヘッドラインニュースを飾ることも珍しくない。
今回はあまり採り上げられていないようなので、前年微増は「平常運転」と受け取られたのだと推測する。

そこで、ユニクロの昨年8月売り上げ報告を見る。

既存店売上高が前年比9・4%減
既存店客数が同10・6%減
既存店客単価が同1・3%増

ついでに一昨年8月売り上げ報告も見る。

既存店売上高が前年比9・3%減
既存店客数が同0・4%減
既存店客単価が同9・0%減

である。

と並べてみると、今年8月の既存店売上高は決して「好調」とは呼べない。
毎年8月は既存店売上高が苦戦しており、今年は微増したが2009年8月の水準には回復していないと読める。

こうして見ると、同じ前年比9%減でも2010年8月と2011年8月では中身が違うことがわかる。
2010年は客数は前年微減だったものの、客単価が9%減少しての売上高減であるのに対して、
2011年は客数が10%減しての売上高減である。

どちらの減少がマズイかというと、2011年である。
今年8月は、2011年に対して客数は2・5%増加しているのだから、少しだけ客足は戻ってきたと捉えるべきだろう。

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