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「知っているブランド」≠「欲しいブランド」では?

 もう何か月か前に関係者から聞いた案件がようやく現実化にこぎつけたようだ。

ボブソン、マックハウス限定モデル 
http://www.senken.co.jp/news/bobson-mac-house/

新生ボブソンにとっては明るい話題である。
本文にもあるように、なにせ初回投入量は5万本である。事業にも弾みがつく。
まずはめでたい。

さて、いつものように記事を見ながらあれこれとりとめのないことを考えてみたいと思う。

カジュアル専門店のマックハウスは9月上旬から、ジーンズメーカーのボブソンホールディングス(HD)の「ボブソン04(ゼロヨン)ジーンズ」のマックハウス限定モデルを販売する。90年代に人気を集めた同商品をリニューアルし、ブランド認知度の高い40~50代の男性を対象に「はきやすいジーンズ」として売り込む。

 全ての商品にストレッチ性をもたせ、ジーンズのほか、米国産ピマ綿のサテンカラーパンツや「テンセル」ツイルのノータックトラウザーなど、はき心地や素材にこだわったボトムを揃える。

とある。

90年代以降でボブソン最大のヒット商品となった「04ジーンズ」の名称の復活なのだが、筆者はちょっと疑問に感じる。
というのは、本文を読むと、ジーンズの素材はストレッチデニムだと読める。
「04ジーンズ」の名称の元はレーヨンジーンズで、レーヨンを「04」と置き換えた名称である。
レーヨンないしはそれに類するパルプ系繊維を使用せずに「04」と名乗られてもなんだか微妙に違う気がする。
しかもターゲットは40~50代男性であり、04ブームの最盛期をリアルに体験している世代である。
ターゲット層は違和感を抱くのではないだろうか。
テンセルを使うのはノータックトラウザーに限定されるように記事は読める。

もし、ターゲット層が04を知らない若い世代なら、名称のみを引き継いだ新製品でも構わなかったが、04ど真ん中世代に対してではターゲット層と提案内容はミスマッチではないかと感じる。

さらに続きを見てみる。

中国生産で、価格は5900~6900円。ボブソンHDが現在販売しているボトムよりも低めの価格帯のセカンドラインとして、マックハウスの店舗約480店で販売する。

とのことだが、これは新生ボブソンのブランドイメージを低下させるのではないか。
世間的にはこういうコラボは往々にしてある。
その場合は「限定」ということがよくわかるようにブランド名を微妙に変えている。
筆者は「ボブソン・マックハウススペシャル」とか「ボブソンforマックハウス」のような表記の方が良かったのではないかと考える。
往年の大ヒット商品名の「04」の使い道はここではないとも感じる。(あくまでも個人的に)

今回のコラボの経緯について

マックハウスの調査によると、消費者のボブソンブランドの認知度は60%程度あり、特に40代以上で知名度が高い。同社は郊外や地方を中心に店舗展開しているため、「中心客層とボブソンブランドをよく知る世代が合致する」とみて、40代以上の男性をターゲットに据えた。

とある。

しかし、知っているブランド名と欲しいブランド名は必ずしも合致しない。
例えば「レノマ」というブランド名の知名度は高いが、「レノマ」商品を欲しいと感じている消費者はどれほど存在するだろうか。

そういうことである。

以上のようなことから何となく「少しズレた感」があるのだが、何はともあれ、投入商品の消化率が高いことを願わずにはいられない。

新生ボブソンがインターネット通販を開始

 そういえば、新・新ボブソンの新しいサイトが開設していた。
もちろん、かねてから告知されていた通販機能もある。
最近教えてもらったのだが、昨年12月21日から開設されていたようである。

http://www.bobson.jp/

とりあえずレディースから開始したようで、現在は7品番のみである。

筆者は検索でYAHOOを使うことが多いのだが、残念ながら、この通販サイトは検索しても上位には出てこない。
ライセンス生産されている靴類の通販サイトの方が上位に出てくる。

これも同じ方から教えていただいたのだが、通販サイト開始のリリースが掲載されているサイトもあった。

http://www.atpress.ne.jp/view/32414

これによると、

来春以降は、お客様のニーズを検討しながら新商品を開発、過去の人気アイテムを復活させる等の手法を採り、商品幅を拡充していく予定です。また、販路についても、在阪の有力百貨店様との取引を始め、旧来のお得意様との取引も順次開始し、拡充を進めてまいります。

なお、男性ジーンズの展開は、来春を予定しており、復刻モデルからのスタートを計画しています。

となっている。12月の7品番はとりあえずの手始めというニュアンスだろうか。

さて、新・新ボブソンのサイトによると、本社は旧ボブソンと同じ場所にある。
現在の従業員は5人ということなので、かなりコンパクトなサイズから堅実にスタートしたといえる。

今のところ、開始早々なのでサイトの作り方や商品の見せ方はかなり暫定的なものだろうと勝手に推測している。順次改善されていくことを期待したい。
今のままの商品の見せ方ではあまり売れないと考えるからだ。

商品をクリックすると、その商品のみのページに変わる。
大きな写真の横にさまざまなカットの写真があり、モデル着用写真もあるので、ここは分かりやすい。
しかし、商品の説明文があまりにも簡素すぎる。
素材(綿100%とか綿98%・ポリウレタン2%など)も表示されていない。

たとえば、Warmスキニーなる商品をクリックして大写しにする。
Warmとあるくらいだからきっと保温効果があるのだと思うがその効能について何も触れられていない。
これでは消費者は「きっと保温効果か発熱効果があるのだろう」と想像することしかできない。
想像力の乏しい方なら「何の効能があるのかわからない」という結果に終わってしまう。

また、この商品は裏地がチェック柄になっている。
その裏地の写真はある。けれども説明文がない。
これだと単にデザインポイントとして裏地をチェック柄にしているのか、そのチェック柄の裏地そのものにWarm効果があるのかがまったくわからない。

これではせっかくの機能商品であろう物が何も消費者には伝わらない。

さらにシルエットについても「お尻すっぽりガード」とか「お尻まわりゆったり」とかのたった一言で済ませられてしまっているのも残念である。
これは説明文ではなく、キャッチコピーに属する類のものである。

「サイドステッチ仕様(足長効果)」というのもなかなか残念だ。
サイドステッチ仕様が何故足長効果なのかがさっぱりわからない。
ジーンズに詳しい方ならおぼろげに連想できるかもしれないが、一般消費者にはその理由がさっぱりわからない。

このあたりの商品説明はまだまだ改善すべきではないかと思う。

インターネット通販では写真も重要だが、説明文も重要である。
「長すぎる説明文は読まれない」と考えるのは誤りで、実物を試着できないのだから、インターネット通販で購入する人はできるだけ詳細な説明文を求めている。

ボブソンの商品を見ると、ヤングではなく明らかにキャリア以上、ミセス向けのテイストである。
ヤング層なら、ファッションショーよろしくモデルに着せたコーディネイトを山ほど写真で見せればまだ売れるかもしれないが、キャリアやミセスになるとそうはいかない。
詳細な説明文が求められる。筆者はヤング層にだって詳細な説明文は必要だと考えている。

ともあれ、無事に通販サイトをスタートできたことは良かったと思う。
ひとまず、今後のサイトのブラッシュアップに期待したい。

復活のボブソン

 昨日、ボブソンブランドの復活のニュースが流れてきて驚いた。
つい先日も、岡山・福山のデニム生地メーカーの幹部にボブソンのその後の動向を聞いてみたが、噂すら出てこなかったからだ。

旧ボブソン側がブランド再取得 12月からネット通販で復活
http://www.apalog.com/report/archive/1071

ジーンズ「ボブソン」ブランドの買い戻しを約1年に渡り進めてきたピーチフォート(旧ボブソン/岡山、尾崎博志代表)は、新設会社ボブソンホールディングス(岡山、尾崎博志代表)が今年11月に同ブランドを再取得したことを明らかにした。

 「ボブソン」ブランドは、ファンド会社のマイルストーンターンアラウンドマネジメントが2009年11月に岡山に本社をおく旧ボブソンから国内におけるボブソンブランドの事業譲渡を取得。新会社ボブソン(東京)で展開を行ってきたが、2011年に民事再生法を申請。以来、各社が同ブランドの取得を試みるなか、創業家が新設したボブソンホールディングスが、同ブランドの再取得に至った。

 今後は年末商戦を目処にボブソンジーンズの販売を開始。2012年12月からインターネット販売を開始し、ゆくゆくは主要取引先および全国の有名ジーンズ店舗や売り場へ流通させたい考えだ。

 同社は、「ジーンズ市場で個性あふれる物作りを原点に、高い企画力と製品開発力で市場の活性化を図り、顧客にクオリティの高いジーンズを提供することで市場の拡大を図ってまいります。」としている。

●「ボブソン」ブランドを取得した会社概要
・株式会社ボブソンホールディングス
・営業所在地:岡山市北区平野978番地
・設立日  :2012年4月5日
・資本金  :3,800万円
・代表取締役:尾崎 博志

●代表取締役:尾崎 博志氏の略歴
米ニューヨーク州立FITのFBM科卒。1981年ボブソン入社。販売・企画・品質管理・広告・総務・人事業務を経て、2011年8月に、旧ボブソン法人が社名変更したピーチフォートの5代目社長に選任される。2012年4月ボブソンジーンズの企画販売を業務とするボブソンホールディングスを新設。代表取締役を兼任する。

というのがその発表内容である。

2011年5月に民事再生法を申請し、2012年6月に破産申請していた。
その後、ブランド復活への動きは周辺にはまったく聞こえてこなかった。

今回の復活はジーンズ業界の周辺にいる者としては、良い意味で予想外のサプライズである。

けれども2011年5月の民事再生法申請から1年半である。市場から消えた後、ちょっとブランクが空きすぎている。
この辺りを考えると、新会社を軌道に乗せるのはかなり厳しいのではないかと予想してしまう。

それでも新・新ボブソンにはがんばってもらいたい。

「好きこそ物の上手」とは言うものの・・・・・

 一般的に大量生産品と認識されているナショナルブランドのジーンズメーカーのスタッフも意外にビンテージこだわり派が多い。
「好きこそ物の上手」というくらいだから、商品が好きであることに越したことはないのだが・・・・。

もう時効だと思うので書いてみたい。

ボブソンの担当になったのは98年ごろだったと記憶している。
もちろん、営業権が譲渡される前の旧ボブソンである。
岡山県庭瀬にある本社に何度も取材で通った。

担当になったばかりの98年か99年ごろだったと思う。
90年代前半から半ばにかけて一大ブームとなったレーヨンジーンズのことを質問してみた。
あれは物凄いブームだったので、社内でも絶賛されたのではないかと想像していた。
販売職だった当時、ボブソンの「04ジーンズ」は平日でも10本近く販売できるほどで、休日ともなれば20~30本は販売した。

7900円×10本だからそれだけで79000円の売り上げが稼げるありがたい商品だった。

98年ごろの現場のスタッフからは意外な答えが返ってきた。
「大ヒットして会社の収益にも大いに貢献したんですが、それでも『あんな商品はジーンズじゃない』と反対する人たちが相当数存在し続けました。最後まで根強い反対派がいました」という。
駆け出しの筆者はちょっと驚いてしまった。
「あれほど売れに売れたのにですか・・・・・?」

その後もボブソンの方々とは取材で何度もお会いした。
ボブソンは保温効果のあるホットジーンズを業界に先駆けて開発したり、紫外線に当たると一時的に変色するという意味のわからない「カメレオンジーンズ」を開発したりと、「04ジーンズ」が終わった後も積極的に新商品の開発を続けた。

そのたびに社内の「王道ジーンズ派」からは反対の声が挙がっていたという。

新商品についての賛否両論があることは仕方がない。
むしろ健全なムードだと思う。
しかし、その「王道ジーンズ」にこだわりすぎた故にブレイクスルーできなかったのではないかとも思う。

こういうトピックスはボブソンだけに限らず他のNB各社でもよく耳にした。
2000年代半ばまでは2,3年おきにジーンズに小トレンドが存在した。
それはローライズだったり、ストレッチだったり、スキニーだったり、高額インポートだったりしたわけである。
そのたびごとにNB各社の「ジーンズ王道派」からは疑問や嘆きの声が少なからず飛び出していた。

王道ジーンズを否定したいわけではない。
そういう商品作りのノウハウも末長く引き継がれていくべきだと考えている。
しかし、王道ジーンズばかり作っていてもマニア以外には売れないわけで、目先を変えた商品が必要となる。
むしろ目先を変えた商品の方が重要かもしれない。

となると、王道ジーンズへの過度のこだわりはいかがなものだろうか。
個人の趣味としてならまったく構わないが、趣味と業務が混同するようではかなり危険だと感じる。

あれから年月はかなり経っているから各社のムードもだいぶ変わっているのだろう。

ジーンズ専業メーカー各社が生き残るためにも、柔軟な姿勢での商品開発を大いに望みたい。

NBメーカーとOEM業者は同列ではない

 先日、ジーンズカジュアルチェーン店「ライトオン」の下請法違反が発覚した。

内容については流通ニュースの図解がもっとも分かりやすいと思うので記しておく。

http://ryutsuu.biz/strategy/e090731.html

20120907riteon

違反内容は、衣料品等の下請け製造業者7名に対し、下請代金を1621万3730円を減額していた。

減額した理由は、利益を確保するため、下請業者に対し、下請代金の1年間の合計額が一定額以上となった場合、2010年9月にリベート分を差し引いていた。

さらに、店頭販売価格の引下げによる利益の減少分を補うため、下請業者に対し、値引きによる一部負担を要請し、2010年8月から2011年2月まで、下請代金の額から当該金額を差し引いていた。

この他、下請業者から納品後、2010年9月から2011年7月まで、販売期間が終了した在庫商品を下請業者に引き取らせていた。返品分の下請代金は下請業者11名に対し、総額1億2364万2360円だった。

返品時には、2010年9月から2011年7月までの間、下請業者に返品に係る送料を払わせたのが、下請業者8名に対し、総額279万5700円だった。

なお、ライトオンは下請業者に対し、2012年8月10日、提供させた金額を全額返還した。

とのことである。

これについて知り合いとも雑談をしたのだが、「NB(ナショナルブランド)メーカーと自社PBを扱うOEM業者とを同じように扱ったのではないか」という印象を受ける。

例えば、ジーンズのナショナルブランドは委託販売のような形態を採るので、期末の返品を「長年の商習慣」として引き受ける。

筆者も94年~96年までジーンズの販売員だったことがある。
当時、筆者の勤務していた各店では、今は亡き「ボブソン」と、今は亡きラングラージャパンの「ラングラー」の取扱量が多かった。あとリーバイスも販売していたが、これは全品買い取りだったようで期末での返品作業はなく、自店で値下げして売り切った。

さて、期末になると決まってボブソンとラングラーを大量返品する。
とくに季節商材は迷うことなく送り返す。コーデュロイなんてごっそり返品した。
その代わりに、春夏の立ち上がり時期にはライトオンスジーンズやレーヨンジーンズなどの商品が送られてきた。
ちなみに、これらの作業は筆者が独断で行ったのではなく、本社からの指示によるものだったことを付け加えておく。

ジーンズメーカー側も「ハイハイ、長年の習慣ですよ。本社から連絡いただいていますよ」という感じですんなりと受け取ってくれた。

ジーンズメーカー側が何故、返品を受け取ってくれたかというと、
1つは、NBだから他店への転売ができるからだ。

ボブソンもラングラーも日本全国で売っているため、1社から返品されても他社へ転売することが可能だ。
その際に少し値引きして転売するなら、他店では「セール用商品」が増えて喜ばれることもある。

次に、自社のファミリーセールで値下げ販売することも可能だからだ。
今ならアウトレットモールでの販売もできるが、この当時はそこまでアウトレットモールが建設されていなかったので、主な処分はファミリーセールだったのではないだろうか。

しかし、その会社のPBならこれは無理だ。
例えば「バックナンバー」「フラッシュリポート」などの商品をイオンやヨーカドーなどの量販店へ転売することはできない。
またOEM/ODM業者はアウトレットショップを出店していない。
さらに、彼らは在庫を持たないことを前提としているため、NBメーカーのようにファミリーセールを開催する習慣もない。

要するにOEM/ODM業者は処分する公式ルートがない。
残されているのは、闇の転バイヤーに二束三文で買い取ってもらうことくらいだろうか。

NBメーカーとOEM/ODM業者を同列に扱うことは絶対にダメである。

以前、某アパレルのファミリーセールで、某セレクトショップのタグが付いたポロシャツを見かけたことがあるが、これなどは、アパレルがセレクトショップのOEM生産を引き受けたものの、セレクトショップがナンヤカンヤと言って返品した物だろう。定価6800円のポロシャツが500円に値引きされて会場で販売されていたことを覚えている。

ただ、この某アパレルは自社のブランドもそれなりに持っているので、返品されてもファミリーセールで処分することができたが、OEM業者ではそうはいかない。

今回の1件はアパレル業界全体から見ればほんの氷山の一角だと思う。
似たような話はあちこちで耳にする。ただ、規模が小さいから発覚していない件も多いだろう。

今年3月末にはマックハウスも下請法違反で勧告を受けている。
http://ryutsuu.biz/strategy/d033140.html

ジーンズ業界を含むアパレル業界はもう少し、商道徳への意識を高める必要があるのではないか。

さらばボブソン

 4月26日に再生手続き廃止決定を受けていたボブソンが破産手続き開始決定を受けた。
これでボブソンは正式に倒産となる。

http://www.tdb.co.jp/tosan/syosai/3616.html

旧ボブソンの創業から40年のブランドが無くなってしまう。

ボブソンについてはこれまでいろいろと書いたので改めて書くことはしない。
「激安ジーンズに敗れた」というのはまったく根拠に乏しいし、「低価格ジーンズに敗れた」というのも一面的な見方に過ぎる。なぜならボブソン自身が3900円ジーンズの製造販売を15年以上に渡って大々的に行っていたからである。
自社で作って販売しておきながら「敗れた」もクソもない。

先日、ジーンズ関係の副資材屋の話を聞く機会があったが、ボブソンを含むかつての大手ジーンズ専業メーカーはどこもが青息吐息である。けっして桃色吐息ではない。

何度も繰り返すようだが、エドウイン商事とリーバイ・ストラウス・ジャパンの2社くらいしか残らないのではないか。

ある紡績の部長によると「ボブソンの倒産はもっと以前になる予定だった。民事再生法を申請してから1年間もかかったのは誤算だったようだ」という。
これが事実なら昨年5月に民事再生法を申請してから3カ月前後で本来なら破産整理される予定だったということになる。

業界で良く言われることだが「ボブソン」「ビッグジョン」は台湾ではプレミアムブランドとして認知されている。
今更言っても始まらないが「ボブソン」は台湾ブランドとして再起するという選択はなかったのだろうか?

昨年5月の民事再生法申請の後、台湾の販社が実際にブランド買収を持ちかけたことがあるが破談に終わっている。

大手ジーンズ専業メーカーという形態はいよいよ過去の遺物となりつつあるようだ。

ジーンズ専業メーカーの単品ショップは可能では?

 ボブソンの再建断念の報道があり、ジーンズ専業メーカーはトータルブランド化と直営店出店が必要ではないかと書いたことがある。

この2つのうち、とくに直営店出店の方を急がねばならないのではないか。

ジーンズ専業メーカー各社に「直営店出店しないのですか?」と尋ねると、ほんの3年ほど前までは「ジーンズ専門店チェーンさんとの競合は避けたいので・・・・・・・・(あまり積極的にしたくない)」と返答されることがほとんどだった。

しかし、ライトオン、マックハウス、ジーンズメイトの店頭を見てもらえば分かる通り、
メンズは「リーバイス」と「エドウイン」の2ブランドに集約されている。「リー」を相当数そろえている場合もあるが、これも日本国内で製造販売するのはエドウインである。「ラングラー」もそうだ。

レディースだとビッグジョンの「ブラッパーズ」、タカヤ商事の「スウィートキャメル」、ブルーウェイの「エ・ボワット」などがリーバイスとエドウインのほかに加わる場合もある。

はっきりいえば、リーバイスとエドウイン以外のブランドはジーンズ専門店チェーンに気を使う必要など何もないのである。現在取り引きがない、または取り引き量がこの10年で格段に減少している相手に対して「競合は避けたい」もクソもない。
逆に、この数年で直営店(フランチャイズ展開含む)出店を積極的に開始したのは最も専門店チェーンと競合するはずの「リーバイス」と「エドウイン」である。

個人的にはジョンブルのようにトータルブランド化して、直営店出店するのが理想だと思う。
しかし、単品メーカーがトータル化するのはなかなか難しいのも事実である。
ならば単品で直営店という発想も可能ではないだろうか。多少、単品のラインナップを工夫する必要はあるにしてもだ。

パンツ単品のお店というとバリュープランニングの「ビースリー」が思い浮かぶ。
つい先日などはテレビCMまで放映されており、その躍進ぶりに驚いた。
ストレッチパンツ単品でそんなに需要があるのだろうか?と常々考えていたのだが、うまく需要を創造したのだろう。

イオンモールなどのショッピングセンターにもテナント出店しているが、商品の価格は安くない。
以前は7900円が中心だったが、今春物は1万円を越える商品も珍しくない。
店舗数もざっと数えただけで200店舗内外ある。

主要客層は完全にミセス層。おそらく40代以上だろう。
だから比較的高価格でも、一度穿いてみて良かったらリピーターになるのだろう。

単品ショップなので坪数は小さい。5坪くらいが平均である。
ストレッチパンツ以外に、ストッキングやガードル、靴などの下半身周りの商品を展開しており、売り上げ維持のための措置だと推測される。
ただ、これだけの大所帯になるとある程度商品バリエーションを広げて、既存店売上高を維持する必要があるため、当然の流れであろう。
しかし、あくまでも下半身周りの商品に徹しており、ブレてはいない。

さて、この形態がなぜ、ジーンズ専門メーカーから生まれなかったのか不思議でならない。
とくにレディースでそれなりのシェアを持っていたボブソン、ビッグジョンの「ブラッパーズ」、タカヤ商事の「スウィートキャメル」あたりに着手してもらいたかった。
この3ブランドは百貨店への販売比率が高まっており、カジュアルジーンズ以外にも通勤着に利用できるストレッチパンツ類も拡充していた。
また、タカヤ商事は50代ミセスに向けた新ライン「ミセス・ジーナ」を展開しており、発想と工夫次第では「ビースリー」のようなショップを展開できる可能性はかなり高かった。

各社とも卸売り業態にこだわりすぎたことが悔やまれる。

一方で、旧ドゥニームはジーンズ単品ショップを出店して失敗している。
オリゾンティが展開していたころの「ドゥニーム」はジーンズ3型だけの京都店を出店したことがある。
もう10年以上前である。時代が早すぎたのかもしれない。
しかし、ここはジーンズ3型のみという構成が今思うと無茶だった。
顧客層は男性、坪数はかなり広く、おぼろげながらだが50坪くらいは裕にあったのではないか。

失敗の理由はジーンズ3型のみという商品構成、顧客層を男性にしたこと、そして広すぎる店舗面積。である。
毎月同じようなブルージーンズを買い足す消費者の人数はそれほど多くない。
かなり少数しか存在しないだろう。
しかも男性顧客である。さらに少数派だ。
おまけに3型しかない割には店舗面積が広すぎる。

こういう失敗例もある。
私見に過ぎないのだが、ジーンズ専業メーカーがショップを作ると、どうしてもこれと似たような発想になるのではないだろうか。

遅すぎる感は否めないが、各社の積極的な直営店出店に期待したい。

ジーンズの需要は二極化していない

 ボブソンの破綻に関して、一般紙・経済誌は「激安ジーンズの影響」「低価格製品の影響」とステレオタイプな分析しかないのだが、これには疑問を感じる。
「低価格製品」というのはユニクロをはじめとする2900~3900円のジーンズのことだろう。
これはある程度影響はあったと思うが、これがすべてではない。
なぜなら、ボブソン自身が15年以上前から量販店向けに3900円ジーンズを製造販売しているからである。
ボブソンは7900円以上の高額品に特化していたわけではないし、営業譲渡直前のボブソンはむしろ量販店ラインの売上高の方が多かったはずである。

また「激安ジーンズ」の影響は非常に限定的だし、時期も合わない。

昨日こう書いた。

売上高の低下の理由は、激安ジーンズでも低価格ジーンズでもない。
1000円以下の激安ジーンズが登場したのは2009年秋のことであり、ボブソンはそれまでにすでに売上高は低下し続けていた。
また3900円の低価格ジーンズが影響したというのも一面的な見方である。ボブソンは15年以上前から量販店向けに3900円商品を製造している。ボブソンだけではないビッグジョン、エドウインも同じだ。
自分たちが製造しておいて、低価格ジーンズに売上高を浸食されたも何もない。

付け加えるなら、ボブソンの営業譲渡の発表があったのは2009年8月。激安ジーンズの発売は2009年秋から。時期的にまったく合わない。
さらに1000円以下の「激安ジーンズ」は2010年秋以降まったく注目されておらず、影響は軽微だった。

現在、残存する全国規模のジーンズ専門店チェーンであるライトオン、マックハウス、大きく離れてジーンズメイトの売り場を想起してもらいたい。
壁面を埋め尽くすジーンズのブランドは、「リーバイス」「エドウイン」「リー」「サムシング」がほとんどではないか。
このうち「エドウイン」と「リー」と「サムシング」はエドウインのブランドであるから、実質リーバイスとエドウインの2ブランドに集約されていることになる。

全国チェーン店の壁面にはビッグジョンもボブソンもブルーウェイもない。
レディースゾーンではビッグジョンの「ブラッパーズ」やボブソン、ブルーウェイの「エ・ボワット」などが並んでいることもある。
ここまで書いて思い出したが、ボブソンはすでに2003年の時点でメンズよりもレディースジーンズの売上高の方が大きかった。
最後に聞いた時点での売り上げ構成比はメンズが2~3割、レディースが7割~8割だった。

メンズがジーンズ専門店チェーンから弾き飛ばされたためである。

レディースはジーンズチェーン店にも残り、百貨店にも進出している。これはブラッパーズも同じ構図である。
2000年以降、ジーンズ専業ブランドのレディースは百貨店に活路を見出していたような印象を受ける。
その後2004年の終盤から2007年夏にかけて、インポートジーンズブームが起きる。
国内のジーンズ専業ブランドの専門店・百貨店向け商品の中心価格は元来6900~8900円だった。
筆者が販売員をしていた95年当時は7900~8900円くらいだった記憶がある。

その後、徐々に値上がりし9800円になり、12000円になった。

しかし、全盛期のインポートジーンズの価格は最低でも19800円。
高い物だと39800円くらいだった。
ボブソンを始めとする国内ジーンズブランドの価格は12000円くらいだったので、百貨店側からは「値上げ要請」が頻繁に行われた。
2005年ごろのジーンズ専業ブランドの展開商品の価格は、二極化しており非常に不健全だったと考えている。
低価格の3900~5900円ゾーン、高価格の9800円以上。この2つにわかれていた。

中間価格帯の6900~8900円がほぼ無くなったのである。

この傾向は今でも続いており、8400円という価格帯の商品はチラホラと見かけるが、ジーンズ専業ブランドの主力パンツに6900~7900円という価格帯はほとんど見かけない。
リーバイスが低価格品を廃止したので5900円も無いはずである。

ブランド創設20周年を迎えるポイントの「ローリーズファーム」の今春の商品をウェブカタログで見てみよう。
ジーンズはダウントレンドなのであまり掲載がないが、チノパンも合わせるとだいたい6195円である。
税抜きだと5900円。
1商品だけ15750円があるが、これは「リー」とのダブルネームである。

同じく、ポイントのメンズ「レイジブルー」でもシーズンによって上下はするが、ジーンズ・チノパンはだいたい4700~7900円程度である。

ジーンズ専門店チェーンがこの15年間に多数倒産した。
フロムUSA、ロードランナー、三信衣料、カジュアルハウス306などなど。
地方チェーン店も合わせるとまだまだある。
彼らの代わりに市場を伸ばした業態の一つにSPAブランドがある。
ユニクロ、ポイント、ハニーズ、GAPなどである。
ユニクロ、ハニーズは低価格帯だが、ポイントやGAP、そのほかのSPAや専門店のプライベートブランド(自主企画商品)は、ポイントやGAPに代表される中価格帯が多い。
ジーンズ専業ブランドからすっぽりと抜け落ちた5900~8900円の価格帯である。

結果論だが、ボブソンを始めとするジーンズ専業ブランドが百貨店の甘言によって、高価格帯を追求しすぎたことも失敗の大きな要因だと考えている。
低価格帯と高価格帯に自社の商品を二極化してしまい、捨て去った中間価格帯をSPAブランドと専門店の自主企画商品に回収されてしまった、というのがジーンズ専業ブランド凋落の原因の一つであり、SPAブランドの躍進の大きな要因でもあろう。

「消費の二極化」と言われることが多いが、ことジーンズ・チノパンに関してはこれが正しいのかどうか少々疑問である。
これはまったくの私見だが、1万円以上、1万2000円を越える高額ジーンズを求めている消費者はどちらかというと少数派ではないのだろうか。
1000円以下は品質が悪くて論外だとしても、それなりに品質が保たれている1900~3900円の低価格帯は支持を集めているが、その次に消費者が求めているのは5900~8900円の中間価格帯ではないのだろうか。
そうでなければポイントやGAPなどの商品が支持されていることの説明がつかない。

今更遅すぎるかもしれないが、ジーンズ専業ブランドは中間価格帯の見直しも必要ではないだろうか。

ボブソンの民事再生手続きが廃止に

 やっぱりなあ。

ジーンズ専業メーカーのボブソンが民事再生手続き廃止決定を受けた。
昨年5月2日に民事再生法を申請してから約1年が経過している。
1年間も処置が決定しなかったのは異例ではないだろうか。

4月に入って、業界紙記者から「ボブソンの支援先が決定したと小耳にはさみましたが、具体的な企業名が聞こえてこない」との情報を聞いたが、結局、決まっていなかったということだろうか。

これに先立って台湾企業がボブソンの買収を打診してきたとの情報を聞いたことがあるが、こちらはまとまらずに破談になったようだ。

ジーンズ業界で言われていることなのだが「ボブソン、ビッグジョン、ブルーウェイの3社は台湾では日本国内よりもプレミアム感のあるステイタスブランドとして知られている」という。
これは台湾現地の販売を担当している会社の長年にわたる努力の結果であろう。
個人的には台湾企業に買収されるのがもっとも理にかなっていると考えていたのだが、どうやらそうはならなかった。

ボブソンは、ビッグジョンを起業した尾崎小太郎氏の実弟である尾崎利春氏が創業したジーンズ専業メーカーである。筆者が小学生低学年時代の1970年代は、一世を風靡していた記憶がある。
かなりおぼろげではあるが。

その後、90年代前半にはレーヨン素材の「04(ゼロヨン)ジーンズ」というまったく新しい商品を開発し、爆発的に売れた。95年ごろは筆者も販売員として「04ジーンズ」を一日に何本も販売した。
ちなみに「04(ゼロ・ヨン)」とは「レイ・ヨン」と読め、レーヨンジーンズという意味を隠し持っている。

04ジーンズの流行によって、各社もソフトジーンズの開発を行う。その流れの中にテンセルジーンズも誕生することになり、今に至る。

90年代後半になってソフトジーンズブームは終了し、テンセルジーンズの大森企画は経営破綻してしまう。

このブーム終了後からボブソンの迷走ぶりが顕著になったといえる。

90年代後半に筆者が担当記者となった時点で、04ジーンズの開発者は退職されていた。
先輩記者によるとなかなかのアイデアマンでボブソンのヒットメーカーだったと聞いているが、面識はない。
おまけに現在まで業界で巡り合うことができていない。

それに続いて経営陣のお家騒動もあった。
尾崎奨(すすむ)社長が突如解任されてしまい、専務だった尾崎和夫氏が社長に昇格した。
先輩記者からは尾崎奨氏が「婿養子」だったことが影響したとかしないとか聞いたのだが、真相は公表されていない。
尾崎和夫社長は、ボブソンを営業譲渡した後、子供服部門と縫製工場部門をピーチフォートという企業にまとめ、同社の社長として在任している。

04ジーンズ以降、ボブソンには大ヒット商品がない。
しかし、アイデア商品を提案するというDNAは健在で次々と新製品を生み出す。
2011年秋冬に各社が発表した保温ジーンズの先鞭を付けたのもボブソンである。たしか2000年ごろにはすでに発売していた。
残念なことに、当時は「保温???ヘッ。何それ?」という風潮だったのでそれほど注目はされなかったのだが、早すぎた提案だったということだろう。

またヘンテコリンな商品も開発している。いや、開発担当者は真面目に考えたのだろう。
カラージーンズだが、紫外線に当たった部分が変色するという商品である。紫外線がさえぎられると色は元に戻る。たしかに面白いのだが、あまりこの機能の意味が見出せない。
野外から室内に入ってきたとき「お前のパンツ、色変わってるやんけ~??!!!」というサプライズは提供できるのだろうがそれだけである。しかもこれは1度しか使えない。
記憶が頼りなのであやふやなのだが、たしか「カメレオンジーンズ」と名付けられていたような・・・・・・・・・。

こんなヘンテコリンな商品を生み出しつつ、アイデア商品の開発を続けていたボブソンだったが、売上高は年々減少していた。
2005年5月期には128億円あった売上高が、2010年2月期には決算期変更の変則決算によるとはいえ、10億円にまで低下している。
12ヶ月換算しても20億円にはとても届かない。子供服部門と縫製工場をピーチフォートとして切り離してしまったためとはいえ、実に10分の1にまで低下してしまっている。

売上高の低下の理由は、激安ジーンズでも低価格ジーンズでもない。
1000円以下の激安ジーンズが登場したのは2009年秋のことであり、ボブソンはそれまでにすでに売上高は低下し続けていた。
また3900円の低価格ジーンズが影響したというのも一面的な見方である。ボブソンは15年以上前から量販店向けに3900円商品を製造している。ボブソンだけではないビッグジョン、エドウインも同じだ。
自分たちが製造しておいて、低価格ジーンズに売上高を浸食されたも何もない

ちょっと長くなってきたので、続きは明日にしたい。

社名とブランド名を混同してはイケナイ

 さて、販促コンサルタントの藤村正宏さんが昨日こんなブログを書いておられた。
結論は、きっとわざと出されていないのだろうけど、自分も思うことがあった。

まず、そのブログをご紹介したい。

http://ameblo.jp/ex-ma11091520sukotto/entry-11183283185.html

「どうしてヨーロッパの高級車はネーミングがないんだろう?」

そういうことです。
たとえばBMWのクルマはすべて記号です。

「BMW 530i」「BMW 335i」「BMW X5」「BMW Z4」・・・

などなど。
基本的にはクルマのサイズを「1」「3」「5」「6」「7」に分け、四輪駆動の「X」スポーツタイプの「Z」などで分類しています。
名前のついている車種はひとつもありません。

高級車の代名詞メルセデスベンツもそうです。
 

「A」からはじまって、車格によって「C」、「E」、「S」となっています。

ボルボもそうです。

ヨーロッパ車で名前がついているクルマもあります。
たとえば、庶民のクルマといわれている、フォルクスワーゲンのクルマなんかはそうですね。
でも、いわゆる高級車といわれている会社は記号です。

それに比べ、日本のクルマはすべて名前がある。
「クラウン」「カローラ」「プリウス」「インサイト」「レガシー」・・・
新しいクルマが発売されるたびに、新しい名前が誕生します。
アメリカ車もそうですよね。
名前がある。

これはどうしたことなんでしょう。

ヨーロッパの高級車の場合、クルマ自体より、そのクルマを作っている会社にブランド力がある。
そういうことなんじゃないかなと思います。

(中略)

でもこれは、自動車という商品ならではのことでもあるんですね。
自動車は性能、スペックが重要な商品です。
スペック優先の商品、クルマやカメラ、機械モノの場合に合っている。
スペック価値を表すのに、記号というのはフィットしているんですね。

同じヨーロッパのブランドでも、ファッションブランドの場合はちがいます。
エルメスやカルティエの商品が記号だけで価値が伝わるかというと、そうは言えない。

やっぱりファッションはイメージが優先する商品なので、「バーキン」という名前のバッグや、「タンク・パシャ」なんていう時計が価値をもつんです。

とのことである。
これはなかなか面白い指摘である。
ファッションブランドでいうと「リーバイス」は商品が記号である。
永遠の定番「501」を筆頭として、「505」「517」「515」などのように商品名はすべて記号だ。

大手ジーンズブランドは「リーバイス」に倣った部分もあるのか、すべて記号である。
「リー」なら「201」「200」など
「ラングラー」なら「11MW」「13MW」など
「エドウイン」なら「505」「503」など
「ビッグジョン」なら「104」「105」など

ジーンズの出自はアメリカの作業着と言われている。
そのため、分かりやすい記号が商品名となったのだろうか。
そういえば、同じワークウェアブランド「ディッキーズ」も「874」などの記号が商品名として使われている。

先の藤村さんのブログでは自動車の名前に言及されている。
トヨタなら「カローラ」「レクサス」「プリウス」・・・・
ニッサンもマツダも日本の自動車メーカーは同じように車種ごとに違った名前を付けている。

トヨタという企業ブランドがありながら、
「カローラ」や「レクサス」自体がブランドでもある。

このブログで何を思い出したかというと、ジーンズメーカー、ボブソンである。
正しくは事業譲渡する前の旧ボブソンと言った方が良い。
ボブソンは「ボブソン」ブランドだけで、量販店からジーンズ専門店まで展開していた。
3900円~1万円以上の商品すべてが「ボブソン」ブランドで統一されていたということである。

一方、先述した「ビッグジョン」だと、6900円以上するジーンズ専門店向け商品なら「ビッグジョン」、3900円前後の量販店向け商品なら「GLハート」とブランド名を変えて対応していた。

筆者は量販店向けと専門店向けでブランド名を分けた方が良いと思う。

消費者からすると、「あら?●●ブランドは2900円と8900円があるの?じゃあ2900円の方で良いわ」ということになる。また、量販店の店頭にあるという認知度が高まれば高まるほど「安物ブランド」というイメージがこびりつき、高額ラインの商品が動きにくくなる可能性が高い。

この考えは旧ボブソンに出入りしていた9年前と何ら変わっていない。

実はその当時に、取材対応の窓口のベテラン社員さんに上記の感想をぶつけてみたことがある。

そのベテラン社員さんから返ってきた返事は
「トヨタは『トヨタ』ブランドでカローラからレクサスまで販売していますよね。当社もそういう考え方なのです」というものだった。

何だか違和感があったのだが、当時まだ紅顔の美少年だったので、「そうですか」とスゴスゴと引き下がった。

でも、最近その違和感を説明できるようになった。と思う。

トヨタは「トヨタ」ブランドで低価格から高価格品までを販売しているのではない。
やっぱり「カローラ」や「レクサス」がブランドである。

ワールドが「タケオキクチ」や「ボイコット」を展開するのに似ている。

ワールドという社名もブランドではあるが、消費者が直接向き合うのは「タケオキクチ」や「ボイコット」というブランド名である。ワールドは個別のブランド名に品質の高さや、対応の良さなどを品質保証として「安心」させるための裏付けとなる企業名に過ぎないということである。

トヨタが作る「カローラ」だから消費者は安心するのであって、よくわからんメーカーが作った「カローラ」ならそこには何の品質も保証されていないと消費者は感じる。

だから、もし9年前に戻ることができるなら、
ボブソンは社名であり、量販店向けには「○○」、専門店百貨店向けには「××」というブランド名を付けるべきですよ。とアドバイスしたい。

藤村さんのブログを拝読すると、ちょうど自動車とファッションブランドについて触れておられたので、
9年前の懐かしい一コマを思い出すことができた次第である。

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