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若者に存在すら知られていないベネトン ブランドが忘れ去られる速さ

以前にも書いたが、月に何度かファッション専門学校で講義をすることがある。
まあ、めんどくさいことも多いが、10代後半から20代前半の若者の意見を聞くことができて、非常に勉強になる。
若者論をぶち上げるつもりは毛頭なくて、自分たちの若い頃と同じ部分もあるし、まったく違っていて驚かされることもある。
時代が変わって、生活様式も変わっているので違っている部分があってもそれは当然で、25年前とまったく変わらないのであれば、そちらの方が逆に驚異的である。

先日、講義の中で「ベネトン」というブランドについてチラっと触れた。
反応がいまいちだったので、「ベネトンって知ってる?」と尋ねてみたが、10人強いる学生の全員が「知らない」と答えて驚かされた。

現在、ベネトンの商品を買っている人は少ないのではないかと思うが、30代以上の業界人で、ベネトンの名前を知らない人はほとんどいないだろう。

2010年ごろに買ったベネトンのセーター。2700円くらいに値下がりしていた。

 

ベネトンは近年、国内の店舗網を減らし続けてきた。

2000年頃から国内に積極出店していた大型路面店もほとんど閉店してしまった。
心斎橋店は2011年に閉店しているし、表参道店は2014年で閉店している。
梅田店も閉店して、その後はヨドバシカメラ梅田店内に中規模店として移転している。
(現在ではアウトレット店となっているらしい)

たとえば、18歳の若者がいたとして、この人がファッションに興味を持ち出したのは、早くても12~13歳くらいだろう。
遅ければ、15~16歳くらいだろう。

そうなると、6年前にはベネトンのメガストアが閉店し始めており、2年前にはベネトンメガストアのほとんどの店舗(2014年当時は熊本店を除く全店閉鎖)が閉鎖してしまっており、ファッションに興味を持った時点では、彼らにとってベネトンはこの世に存在していないに等しいブランドになっていたといえる。

だから彼らがベネトンというブランドをまったく認知していなかったとしても何の不思議もない。

さらにいえば、ベネトンの公式サイトを見ても店舗数がめっきり減っている。

東京には1店舗、愛知県には5店舗、関西には京都1店舗と大阪の八尾に1店舗しかない。
そうなると、関西の若者だけでなく、東京の若者にだって認知されていないという可能性が極めて高いと考えられる。

そして、ウェブ上でもベネトンに関するニュースはほとんど流れてこないし、SNS上でもベネトンの情報が流れてくることもない。

こうなると、若い人が「知らない」というのは極めて当然である。

単にベネトンをdisりたいのではなく、露出が減るとたった5年くらいで忘れ去られたブランドになり果てるというこことが言いたいのである。
これは各ブランドが気を付けなくてはならないと思うのだが、一般消費者が忘れる速度は驚くほど速い。
店舗数が激減してウェブ上でも見かけなくなればその存在なんて5年くらいで忘れ去られてしまう。ベネトンが好例ではないか。

じゃあ、忘れ去られないためにはどうすれば良いのかというと、財務的に店舗数が維持できなくなったら、圧倒的にウェブ上での情報発信をするほかない。
そうしないと、実際の日常でも見かけない上にネットでも見かけなくなるからあっという間に忘れ去られてしまう。

いささか状況は異なるが、9月下旬にTOKYOBASEの飲酒接客が炎上したが、たった2か月後の現在、すっかり話題は沈静化している。
一般消費者の忘れる速さというのはこれほど速い。

これを逆に考えると、店舗数も情報発信も激減したブランドが忘れ去られる速度はどれほど速いのかということがわかるのではないか。

はっきり言って、今の状態から国内でベネトンのブランドイメージを回復させることは至難の業である。
レノマパリスが何をやってもブランドイメージを回復させられないことや話題に取り上げられないことを鑑みれば、一目瞭然だろう。

一方で、無節操なセレクトショップコラボを多発して露出を圧倒的に増やしたチャンピオンがそれなりに人気ブランドとなっていることは、これの逆バージョンではないかと思う。
チャンピオンなんて、30代半ば以上の人にとっては、部活のときの練習着とか体操着というイメージしかない。
あの目玉みたいな「Cマーク」もなんだかダサく思える。

しかし、今のファッション好きはあの「Cマーク」のデカいロゴのTシャツやスエットを得意気に着ている。
おっさんからすれば部活の練習着かと思ってしまうのだが、市場の価値観は変化するものである。

広く知られなくてもしっかりと顧客に密着してビジネスを行えば良いという意見もあるだろうが、今の中高年層の支持者はいずれこの世からいなくなる。人間は誰でも確実に死ぬからだ。

そうなると、若い世代に知られていないということは、ブランドとしては致命的な欠点だといえる。
いずれ今の顧客が死に絶えてしまうと、新しい世代には顧客がいないということになってしまう。

そのあたりを考えると、企業やブランドが永続的に続くためには、比率は別として若い層へのアプローチは絶やすべきではないと思う。

知られていないのは存在しないのも同然なのである。

それにしてもベネトンの知名度がここまで低くなっているというのは衝撃的だったし、まさしくゼネレーションギャップそのものだといえる。

他のアパレル企業・アパレルブランドもご注意を。

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三越伊勢丹HDが「ケイタマルヤマ」を手放す理由とは?
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熊本店のみになってしまったベネトンメガストア

 この数年H&M、ZARAなどのグローバルSPAが注目されている。
何せ、ユニクロは記事掲載できないという媒体でもなぜか同じ価格帯のH&Mは嬉々として掲載している状況である。
一時期ほどの勢いではないが、まだまだ注目度は高いといえる。

フォーエバー21はこの2社に比べるとちょっと一格落ちるというのが筆者の見方である。
GAPもまだまだ根強い。日本での現在の売上高がどうなのかは知らないけど。

国内のアパレル業界もメディアも舶来コンプレックスがあるのか、いまだに外国ブランドのことは盛んに報道する。

そんな状況下にありながら、この間、さっぱり話題に上らなかったのがベネトンである。
イタリアを拠点とする元祖グローバルSPAで、80年代~90年代半ばまでは注目を集めていたブランドである。

そのベネトンの表参道のメガストアが12月21日に閉店するという。

ベネトン表参道が12月21日に閉店
http://www.wwdjapan.com/business/2014/12/10/00014706.html

ベネトンジャパンは、大型旗艦店「ベネトンメガストア表参道」(3フロア・売り場面積約1000平方メートル)を12月21日に閉店する。同店は日本初の「ベネトンメガストア」として2000年12月に開店以来、日本におけるベネトンの顔だった。「ベネトンメガストア」は伊ベネトン本社が00年前後から戦略的に世界主要都市で出店を推進してきた大型旗艦店。同店の閉店によって、新宿、神戸、梅田、心斎橋、京都、名古屋、札幌、福岡などにあった国内の「ベネトンメガストア」は熊本のみになる。

とのことである。

ちなみに

ショッピングモールやファッションビルでの店舗は、現在42店(アウトレット店含む)営業している。

ともある。

そう、メガストア戦略は2000年からスタートし、2000年代半ばまで国内主要都市に順調に出店していたように見えた。

しかし、2000年代後半になると出店が止まり、逆に徐々に閉店が始まった。

筆者は関西在住なので梅田、心斎橋店は定期的に見ていたし、ときどきバーゲンで投げ売り商品を買っていた。
京都、神戸店は仕事で出かけたついでにときどき立ち寄っていた。

中でも心斎橋店にはよく立ち寄っていたのだが、夏冬のバーゲン時期でもそれほどの混雑はなかったし、平常時にはほとんどお客が入っていなかった。
傍目から見ていても、正直「よく閉店しないでやっていられるよな~」と思ったものだったが、結局は閉店してしまった。梅田店は心斎橋店よりも客入りは多かったが、それでもあの立地であの客入りではなかなか厳しかったのだろう。
梅田店は閉店し、代わりにヨドバシカメラ梅田店に小型店舗が入店している。

個人的な好みでいうと、このころのベネトンの商品は今のZARAよりも好きである。
定価は今のZARAと同等かものによっては少し安い。ただし、メガストアの頃は商品入荷から一定期間が過ぎると自動的に値下げされるというSPA方式ではなく、日本の当時の商習慣に合わせて夏冬のバーゲン時に値下げするというやり方だった。
このため、客入りはバーゲン時に集中してしまいがちだった。

ZARAはセクシーモード系が重視されているが、このころのベネトンはどこかトラッド感のあるイタリアンカジュアルで適度にトレンドも入っており、筆者には着まわしやすいブランドだった。

もともとニットからスタートしたという背景の通りに、セーター類の出来はかなり良かった。

最近は原料高の影響からかヨドバシカメラ梅田店で見ると、往年よりもセーターのクオリティは低下しているように感じる。

盛者必衰とはいうが、ベネトンのこの退勢ぶりには驚いてしまう。

賞味期限が切れ、ブランドとのしての役割が終わったということだろうか。
手ごろな価格で購入できるグローバルSPAとしてはZARA、GAP、H&Mがある現在となっては市場での存在価値が低下しているといえる。残念なことなのだが。

それにしても、各グローバルSPAは、大型店の出店をいまだに続けている。
出店場所によっては使い分けて中型店・小型店を出店するが、旗艦店や路面店は基本的に大型店である。
これはユニクロも同じだ。

しかし、ベネトンは2000年代後半からメガストアを閉店し、中型店・小型店にシフトしている。
世のトレンドに逆行しているといえる。
その理由と狙いはなんだろうか?
このあたりの背景はまた取材したい。

筆者の知り合いで、ベネトンの中型店・小型店シフトの計画立案に携わったことがあるといっておられる方がいる。その方にはいまだに詳しい話を聞けてはいないのだが、今の出店形態と当時の計画段階では相当に違いがあるそうで、現在の形態なら中型・小型店シフトを進めなかったともおっしゃっておられた。

このあたりの話も機会を作って詳しく聴いてみたいと思う。

たしかに関西圏にある店舗だけを見ていると、現在の中型・小型店戦略はあまり効果がなさそうに見える。
ショッピングセンターやヨドバシカメラでは同規模の他のテナントに埋没してしまっている。
以前とは異なり、ベネトンのニュースが掲載される機会は減っているからこのあたりの狙いはイマイチ見えにくい。

まさに栄枯盛衰である。

1月2日の大阪セール風景

 昨日、1月2日、セールを見て回った。
コースは天王寺、堀江、南船場、心斎橋。

天王寺MIOは開店前から長蛇の列で、ついでに天王寺ステーションデパートも珍しく開店前に行列がわずかながらできていた。
それを尻目に、ジーンズメイト天王寺店に行くと、7900円のダウンジャケットが2900円まで値下げされていた。これは年末に3900円だったものが、年明けでさらに1000円値引きされたということだ。
さっそくワインっぽい赤茶色を買ってしまった。

MIOの行列とは対照的に、ジーンズメイトは静かな店内だったが、MIOを一渡り見終えたお客が、正午前後から流れてくるのではないかと思いながら、店を出た。その際、阪堺線天王寺駅(要するに路面電車)はいつになく、大勢が並んでおり、行列は陸橋の上まで続いていた。おそらく住吉大社に行く人々なのではないだろうか。

堀江、南船場は、心斎橋筋の活況とは対照的に、近年寂れている印象がある。実際に閉店するショップも数多くあり、一昔前の堀江・南船場ブームがウソのようである。
天王寺や心斎橋筋商店街のようにごった返すことはなく、町としては静かだったが、各路面店は開店前から行列ができており、ブランド力の強い店、固定客をつかんでいる店は賑わっていた。
チャオパニック南船場店、ジョンブル南船場店、カバン・ド・ズッカ堀江店、H・ナオト堀江店などはなかなかの人入りだった。

反対に午前中ということもあるのかもしれないが、GAP、ベネトンはゆったりと見ることができたが、午後からは混雑したのではないかと推測している。

ベネトン心斎橋店で、30代後半~40代前半と見えるカップルが買い物をしていたのだが、男性の着用ジーンズはユニクロ、女性のジーンズはディーゼルで、価格差はおよそ10倍。ちょっと男女間のブランドチョイスがアンバランスな感じがした。せめて、男性はエドウィンかリーバイスを選ぶことはできなかったのだろうか。

心斎橋筋商店街のユニクロを覗こうかと思ったのだが、あまりの人通りの多さにあきらめて断念した。

毎年、冬のセールの傾向だが、都心のファッションビルや都心百貨店はものすごい人出でごった返すが、堀江や南船場の路面店は比較的混み方が少ない。そして、初日の様子だけ見ていれば「どこが不況なのか、どこが不景気なのか」と思うほどの混みようであり、実際に紙袋を3つ、4つ下げている消費者も多い。

しかしながら、この勢いが続かないのも毎年のことであり、セールの勢いは5日、6日までに終息してしまう。ショップ関係者によると「セールの勢いがあるのは初日から3日間だけ」ともいわれる。バブル期というのは、この勢いが10日間~2週間続いたのだろう。もうそんな時代は永遠に来ないだろうけど。

12月度は大苦戦。ライトオンとジーンズメイト

 ライトオンとジーンズメイトの12月度売上速報が発表された。

ライトオンの12月度既存店売上高は前年比15・6%減
既存店客数は同13・5%減
既存店客単価は同2・4%減

ジーンズメイトの12月度既存店売上高は前年比23・5%減
既存店客数は同19・3%減
既存店客単価は同5・3%減

と両企業ともに苦戦したが、
ジーンズメイトの既存店売上高は大きく落ち込んでいる。
ただ、ライトオンの客単価下落には底打ち感が出てきたように見える。

12月20日締めの両企業は、高気温の影響をモロに受けたようで、ライトオンは「ダウンジャケットが動かなかった」とコメントを発表している。
ダウンジャケットが苦戦しているのは、ライトオンだけでなく、業界共通の問題であると思われる。
例えば、レディースセレクト向けの小規模ブランド「フロー&リンクス」もダウンジャケット類の販売は厳しいと話している。

12月10日ごろからライトオン、ジーンズメイトを含む各社一斉にダウンジャケット値下げを打ち出していたが、12月23日、ユニクロもダウンジャケット類を全品大幅値下げしてきた。
それぞれ、2000円ずつ価格を下げているのだけれども、例えばメンズのタータンチェック柄のダウンジャケットは、5990円に値下げした後、さらに12月31日までの期間限定で3990円に値下げしている。

さらに3990円が定価のダウンパーカーを新規投入しているが、早晩、週末限定価格1990円での売り出しをすると推測している。
おそらく、ユニクロのダウンジャケット類も相当にダブついているのではないだろうか。

もはや来年の1月1日を待たずして、町はセール一色である。
ベネトンも店内の半数のアイテムがすでに半額に値下がりしているし、GAPは値下がりした商品がさらに「レジにて20%オフ」になっている。ユニクロは上記の通りだし、ライトオン、ジーンズメイトにおいても同じで、ダウンジャケット類は半額に値下がりしている。

この12月は各社ともに減収減益で終わる気配が濃厚である。

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