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いつの間にかブランド終了していた「パンツワールド」

 先日、ふと思い出して、「パンツワールド」を検索したところ、ブランド自体が終了していた。
ブランドが終了するということは、売上高が厳しく不採算だったということである。

この「パンツワールド」というのは、ハニーズが開発した新業態で、メンズとレディースの低価格カジュアルパンツ専門ショップで、2013年春からスタートした。

終了したのがいつ頃なのかはっきり知らないが、2017年7月に検索したところブランドとして存在していなかったので、長くても4年間、短ければもっと早い時期にブランドが終了していたと考えられる。

中心価格帯は1900円で、チノパンのようなカジュアルパンツが主体の品ぞろえだった。
もちろん、ハニーズなのですべて自社企画商品であり、ここで展開していた商品はミャンマーの自家工場で製造されたものだとメディアでは伝えられていた。

実は興味があって、2013年春には実際に店頭も見に出かけた。

当時、大阪では、「なんばwalk」という地下商店街に新店をオープンしていた。

目測では20坪未満の店に、メンズとレディースのチノパンが並べられていた。
中心価格帯は1900円だが、1900円を下回る価格のパンツもあった。

当時の印象だけでいうと、売れるのはかなり難しそうだという印象だった。

なぜなら、チノパン、それに類した綿パンしか品ぞろえがなく、定期的に買うには難しいと感じた。
また、カラーチノパンなどもあったが、当時並べられていたカラーはトーンや色彩がビミョーなものが多く、購買意欲をまるでそそらなかった。

低価格ブランドについては、賛否両論あるが、売れている低価格ブランドのほとんどは、

「値段の割に商品が良い」「値段の割にファッション性が高い」

というものだが、残念ながらパンツワールドの商品にそれらは感じられなかった。
お値段通りという感じで、これなら大型スーパーの平場に並んでいるカジュアルパンツとあまり変わらないというのが当時の印象だった。

また、通常、パンツ類はトップスに比べて購買頻度・購買枚数が少ない。
店からすると回転率が低い。

どこのショップで習ったのか忘れたが「トップス3枚~4枚に対して、パンツは1枚の割合で消費者は所有する」という法則があるらしい。

これは各人の所有する洋服で考えてみても当たらずといえども遠からずではないか?

となると、パンツ専門店での購買頻度・来店頻度はトップス売り場を併設している店に比べると必ず低くなる。

おまけに1900円前後という低価格だから、当然利益額は小さい。

購買頻度が低く、1人あたりの購買枚数が少ないのだから、全店舗・ブランド全体での売上高も低くなるし、営業利益額も低くなる。

そうなれば、大阪・難波の地下商店街での家賃さえ支払うことが厳しかったのではないかと考えられる。

難波だけでなく、他の都心の繁華街に出店した店舗はすべて同じだったのではないか。

ハニーズは年間100店舗ペースで出店し、中期的には400店舗体制にすることが目標だと、2013年当時には報道されているが、いずれも当然のことながら未達に終わった。

それにしても、2010年代で「パンツワールド」という屋号は、かなりダサいと感じる。
実は先日、ある専門学校でパンツワールドのことを紹介したところ、学生たちが「クスっ」と笑った。
たしかに、声に出して発音してみると本当にダサい。

文字で書くよりもダサく感じる。

文字で書いてても十分にダサいのだが。

反面、わかりやすい。
一発で「パンツ」の店だなとわかる。

わかりやすいが、低価格パンツ専門店というのは、それこそ需要自体が少なかったのではないかと思う。

パンツの購買枚数の少なさ・購買頻度の低さ・所有枚数の少なさを考えるとわかるが、それ以上に、低価格カジュアルパンツというのは、他の低価格ブランドに内包されている。
逆に他の低価格ブランドだと同じ売り場にトップスが並べられているので、コーディネイトが組みやすいから、単品売り場よりも売れやすくなる。

このほかに感じたことは、あまりにもメディアに登場しなさ過ぎた。
これでは知名度も高まらない。

そもそもハニーズという会社自体が取材嫌いなのかあまり報道されない。
せっかくミャンマーに自社縫製工場を作ったのに、ひどい場合だと、業界の人でも知らないことがある。

縫製工場を所有した「真のSPAブランド」なのだから、ハニーズはもっとそのことをアピールしても良いのではないかと思う。

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洋服に興味を持つ消費者は確実に減っている?

久しぶりに各社の月次売り上げ報告を見てみる。

体感的に関西では今年の6月は例年になく涼しかったと感じている。
関西の夏は異様に暑くて湿度が高くて不快である。
おそらく夏の不快さは日本一だろう。

梅雨どきには、例年だとサウナのような日が続く。
湿度90%・気温30度強というような日だ。
日中だけならまだしも夜になっても不快さが続く。
本当に6月~9月下旬までの関西の気候は耐え難い。

ところが、今年の6月はそういう日がほとんどなかった。
日中暑いこともあったが、日が暮れると気温と湿度が下がった。
暑さがニガテな筆者からすると大変ありがたい気候だが、夏物衣料の売れ行きはどうかと思っていたら、案の定影響があったようだ。

それは各社の月次売り上げ報告を見てそう感じた。

今回のトピックスはユニクロの既存店売上&客数の大幅減だろう。

ユニクロの6月既存店実績は
売上高が前年比11・7%減
客数が同14・6%減
客単価が同3・4%増

だった。

その他いくつかを見てみる。

ハニーズの6月既存店実績は
売上高が前年比8・9%減
客数が同7・8%減
客単価が同1・2%減

だった。

マックハウスの6月既存店実績は
売上高が前年比12・8%減
客数が同14・1%減
客単価が同2・2%増

だった。

このうち、ハニーズの業績は昨年10月以降とほぼ変わらない水準なのであまり気に掛けるほどのことはないと判断できる。

問題はユニクロの突然の大幅減と、3月~5月まで回復基調にあったマックハウスの大幅減であろう。

両者とも低気温を理由に挙げている。

とくにユニクロの昨年9月からの月次実績は、3月を除いてすべて既存店売上高が前年を上回っている。
唯一落ちた3月ですら前年比3%減にとどまっているのに対して、6月は考えられないほど大幅に落としている。

昨今の消費動向は体感気温にどんどん忠実になってきているといわれている。
暑ければ涼しい商品を、寒ければ暖かい商品を買う。
いわば季節外れであっても体感気温を重視する人の方が増えたような印象がある。

その昔、春先にやけに寒い日があった。
今なら「ダウンジャケットを引っ張り出しました」とか「しまってあったウールのコートをもう一度出しました」なんてコメントがSNS上に並ぶ。
寒ければ季節外れだろうとダウンジャケットなり冬物のコートを着るのが当たり前である。

しかし、当時まだ存命だった母には「いくら寒くてもこの時期にそんな冬物を着るのはおかしい」と指摘され、「このオバハン、何を言うてんねん」と毒づきながらも、結局、春物の重ね着で寒さを乗り切ったことがある。

もう20年ほど前のことだろうか。

どうも母親世代の人の若いころは、季節感先取りで洋服を着るのが普通だったようだ。
春になって再度冬物を着るのはおかしい、秋口にまだ夏服でうろうろするのもおかしい、そういう感覚である。
これは着物の季節感がその根底にあったのではないかと勝手に推測している。

着物は、季節感を先取りして色柄素材を選ぶ。
桜の時期に桜の柄の着物を着るのではなく、その少し前に桜の柄を着る。
そういう着方である。

昔の人は着物の着用感がある程度体に染みついていたのではないだろうか。
きっと祖母世代の人はもっと染みついていただろう。

これらの低価格ブランドは、もちろんファッション的要素もあるが、実用衣料的要素が高い。
それ故に気温の上下に左右される可能性が高いのではないかと推測する。

一方、世間的には低価格ブランドよりはファッション性が高いと言われるユナイテッドアローズの6月度実績を見てみたい。

ユナイテッドアローズの6月実績は
小売既存店売上高が前年比0・2%増
小売既存店客数が同6・5%減
小売既存店客単価が同7・2%増

となっている。
ちょっと客単価を上げすぎのような気もするのだが、それほどの落ち込みではない。

この数字だけを見ると、ファッション性を求める消費者は気温の上下動にそれほど左右されず、実用衣料を求める消費者は気温の上下動に大きく左右されるように見える。

ただし、客数はこの4社とも減らしており、15%近く減らしているユニクロとマックハウスは危機的な落ち込みだが、ハニーズとユナイテッドアローズだって7~8%も落としているので楽観視できる状況ではない。
ユナイテッドアローズは大幅な客単価増で乗り切ったといえるからだ。

ファッション性があると言われている店も実用衣料的な店もそろって客数が大きく減っているのだから、洋服そのものに興味を持つ消費者が減っていると考えた方が良いのではないか。

可処分所得が減っているということもあるだろうが、たとえばユニクロなら今は夏服の投げ売りを始めている。
メンズの半袖Tシャツなら500~990円である。まれに390円なんていう商品もある。
この水準の価格の商品ならいくら可処分所得が減ろうが、1,2枚は変えるはずである。
そのユニクロですら大幅に客数を減らしているから洋服に興味を持つ消費者そのものが減少しているのではないかと思える。

これが、年商規模数千万円とか数億円程度のブランドなら、少数の洋服ファンをがっちりとつかめば乗り切れるが、数百億円以上の規模になるこの5社からすると、そんなやり方では拡大再生産どころか現状維持もおぼつかなくなる。

洋服を販売するビジネスは難しい局面にあり、打開策はそう簡単には見つからないのではないか、そんな風に思えてくる。

ユニクロ対ZARA
齊藤 孝浩
日本経済新聞出版社
2014-11-20


 

ユニクロ帝国の光と影 (文春文庫)
横田 増生
文藝春秋
2013-12-04



やはり寒くなると強い

 10月に引き続き、11月の商況も全般的に良くなかったと聞き及んでいる。
11月に入って気温は低下したが、下旬からは12月上旬から始まるプレセール待ちの消費者が増えるため、売上高が毎年伸びにくい。

そんな中でもユニクロは11月も既存店実績を更新した。
寒くなるとユニクロは強いと改めて実感する。

ユニクロの11月商況は
既存店売上高が前年比7・7%増
既存店客数が同5・7%増
既存店客単価が同1・9%増

ポイントは
既存店売上高が前年比1・3%減
既存店客数が同2・3%増
既存店客単価が同3・5%減

マックハウスは
既存店売上高が前年比9・0%減
既存店客数が同5・9%減
既存店客単価が同1・9%減

ハニーズは
既存店売上高が前年比11・8%減
既存店客数が同13・9%減
既存店客単価が同3・6%増

となっている。

ユニクロはやはり冬に強い。
それと11月下旬の創業感謝祭が効いている。
12月のプレセール待ち消費者を先取りしたといえる。

ポイントは客数は増加しているが、客単価が減少している。
マークダウン商品の購入客が増えたのだろう。

マックハウスは厳しい。
同じジーンズカジュアルチェーン店であるライトオン、ジーンズメイトともに20日締めの11月度商況は厳しかったので、ジーンズカジュアルチェーン店は軒並み苦戦したといえる。

もっと厳しいのがハニーズだ。
客単価が増加して客数が大幅に減っている。これは同社の注釈にも書いてあったように価格改定で客離れが起きたのだろう。早い話が、値上げが受け入れられなかったといえる。

ハニーズはトレンド商品を安価に販売することで若い女性に支持されてきた。
月次報告だけで判断をするなら彼女らはトレンド商品もさることながら、ハニーズを支持してきたのは「安価」という部分が大きかったと読みとれる。
今後、材料費や人件費の高騰などで価格を上げる場合には一層の注意が必要となるだろう。

偶然見つけたので感想を

 先日、何気なく難波の地下街を歩いていたら、「パンツワールド」の新店を見つけた。

ハニーズが展開する新業態のメンズ・レディース・キッズの低価格カジュアルパンツ専門店である。
関西にはまだこの難波店1店舗しかない。

この新業態については、

ハニーズが低価格パンツ専門店「パンツワールド」を開業、その勝算は?
http://dwks.cocolog-nifty.com/fashion_column/2013/01/post-671a.html

で、ディマンドワークスの齊藤孝浩さんがすでに触れられており、実際のところはどうなんだろうということを筆者は再確認したにすぎない。
詳細な分析は齊藤さんが至極的確にしておられる。

さて、価格は安い。
980~2980円の商品で構成されている。
製造国はミャンマーとあるので、先ごろ完成したばかりのハニーズのミャンマー新自家工場で製造しているのだろう。

実際の店舗を見た限りでは、それほど大きなブームになるとは考えにくいという印象を受けた。
というのは、パンツを買う頻度はトップスを買う頻度に比べて低いからである。
かつて販売員をやっていたころに、「パンツ1本買うのに対して、トップスは3枚~5枚買う」と売り場で教えられたことがある。きちっとした統計があるわけではなく、筆者が就業していた会社の経験則だろう。

トップス:ボトムスの購入比率はだいたい3:1~5:1の間になるということである。

そう考えると、いくら安くしたからと言ってパンツの購入頻度がいきなり跳ね上がるというのはちょっと考えにくい。

今後の商品展開はまた随時変化していくのだろうが、現状の店頭ではベーシックなチノパンが1型あたり4~5色展開されている。カラーもベージュ、ネイビーが中心だ。安いから2色買うことはあっても、すぐにリピーターとなるかどうか。
似たようなチノパンばかり多色で持っていても仕方が無い。
コーディネイトで変化を見せるならボトムスはそのままでトップスを変える方が効果的である。
ボトムスを変化させることで、明らかにコーディネイトが変わったと感じさせるためにはよほど印象的な色使いや柄使い、デザイン変化が必要になる。

ちょっとだけシルエットをいじってみました。とか、少しベージュのトーンを濃くしました。程度では店頭では異なるように見えても実際にトップスと組み合わせて着用した際にはまったく変化はわからない。

現状の「パンツワールド」店頭にはそれほど印象的な色柄物やデザイン変化物は見当たらなかった。

齊藤さんは一方で、パンツ強化のメリットを1つだけ挙げておられる。

「穿き心地が良ければ固定客が付きやすい」である。

これはその通りで、同じナショナルブランドのジーンズでも穿き心地には個人差があり、「リーバイスよりエドウインの方が穿きやすい」という人もいれば、「リーの方が良い」という人もいるし、「いやいやリーバイスだよ」という人もいる。このようにパンツはブランドに固定客が付きやすい。

パンツはトップスよりもフィット感が求められる傾向が強い。

トップスは少々大きかろうが、小さかろうが誤魔化して着用できなくもない。
現に、「大は小を兼ねる」とばかりに肩が落ちた大きめのTシャツを愛用しておられるオジサマ方が世の中にはあふれているではないか。

ところがパンツはそうはいかない。
小さすぎるのはウエストが止まらないので試着すらできないし、大きすぎるのも袴のようになって日常生活に邪魔である。

それ故に固定客をつかみやすいアイテムでもある。

けれどもパンツ専門店としてある程度の成功を収めているのはバリュープランニングの「ビースリー」くらいしかない。いかにパンツ専門店というジャンルが困難かがよく分かるのではないか。

現状の感想をまとめると、内装はちょっと安っぽくてイオンやイトーヨーカドー、ダイエーなどのパンツ平場を少しきれいにした程度にしか見えないし、商品がベーシック一辺倒なのでリピート率はそれほど高くないだろうと思える。
当然、今後どちらも改良されるであろうことを期待しているが、もし、現状のままで止まってしまうのならこの業態が成長するのはちょっと難しいのではないかと思う。

それだけに今後の変化に期待してみたい。

小康状態?の各社5月商況

 各社の5月売上速報が出そろった。
ゴールデンウィークは例年よりも寒かったが、ゴールデンウィーク明けから気温が急上昇した。
結果的にはこの気温の急上昇が効を奏したというのが全般的に共通するだろう。

ユニクロは
既存店売上高が前年比10・9%増
既存店客数が同17・0%増
既存店客単価が同5・2%減

ポイントは
既存店売上高が前年比2・8%増
既存店客数が同6・3%増
既存店客単価が同3・2%減

マックハウスは
既存店売上高が前年比2・8%減
既存店客数が同3・2%減
既存店客単価が同0・4%増

ハニーズは
既存店売上高が前年比1・6%減
既存店客数が同8・2%減
既存店客単価が同7・8%増

となっている。

これを見ると、ユニクロが絶好調と感じるのだが、

一昨年のユニクロの5月商況は
既存店売上高が前年比10・3%減
既存店客数が同11・9%減
既存店客単価が同1・8%増

だったので、一昨年並みに回復させたという方が実状に近いだろう。

一方、マックハウスは売上高微減にとどめたが、ライトオン、ジーンズメイトと合わせて見ると、ジーンズチェーン店は全般的に苦戦傾向にあるといえる。
ブルージーンズを主力商品とすることで、カラーパンツ・花柄パンツブームから外れてしまっているのではないだろうか。

またハニーズは4月、5月の客数の減少幅の大きさが気になる。
これはとりもなおさず、「買い上げ客数」のことだから今春物は消費者からの支持を得られていないということになる。

さて、6月は28日ごろから各施設が本格的なセールに入る。
それに先立ってすでに4割近く(筆者体感)のショップがすでにプレセールを開始している。
6月13日に先行オープンする「あべのハルカス」はオープニングセールからそのまま夏セールにつながるわけだから、それらは80日~90日にも及ぶめちゃくちゃに長い夏セールを行うことになる。

その一方で7月12日からセール開始のルミネ、7月17日開始の三越伊勢丹があるわけだから、セールの分散化度合いは昨年夏以上ということになる。

この斑模様のセールが6月商況にどう影響するのかが興味深い。

ここ数年、4月は比較的寒い

 4月の各社売上速報が発表された。

そういえば今年のゴールデンウイークは例年にも増して涼しい日が多かったように感じる。
7年くらい前には30度越えのゴールデンウイークもあったから、そのころと比べると気温は大違いである。
二酸化炭素によって温暖化云々がやかましく言われているが、実は二酸化炭素によって地球が寒冷化するという学説もあり、このあたりはまことにあやふやである。

それはさておき、各社とも4月の低気温であまり売上高は伸びなかったとしている。
しかし、思い返してもらいたいのだがこの数年4月はずっと気温が低かった。
今年始まったわけではない。昨年も4月20日ごろまで寒い日があったし、一昨年もそうだった。
なぜ、過去数年のデータを基に「寒い4月」の対策を打たなかったのか理解に苦しむ。

ユニクロは
既存店売上高が前年比3%減
既存店客数が同3・7%増
既存店客単価が同6・5%減

ポイントは
既存店売上高が前年比2・3%減
既存店客数が増減なし
既存店客単価が同2・3%減

マックハウスは
既存店売上高が前年比11・4%減
既存店客数が同12・6%減
既存店客単価が同1・4%増

ハニーズは
既存店売上高が前年比9・1%減
既存店客数が同11・5%減
既存店客単価が同2・8%増

だった。

ポイント以外はすべて客数が減っていることがわかる。
3月は衣料品販売が好調だったが、4月はそれと真逆になった。

ユニクロは昨年も4月、5月は既存店売上高が前年割れなのでそういう特性なのだろう。
実用衣料としての側面が強いので暑すぎる・寒すぎるという気温要因が売上高を左右すると考えられる。
前年実績ベースで見ると、冬と真夏が強く春と秋はそれほどでもない。
冬はヒートテックとダウン、夏は吸水速乾商品がけん引しているのだろうが、気温が暑すぎもせず寒すぎもしない春と秋はお得意の「機能商品」がそれほど求められないと考えられる。
もちろん靴下や肌着やちょっとしたカットソーなどの買い替え・買い足し需要はあるが、爆発力は無い。

マックハウスの苦戦はブルージーンズを基調とした品ぞろえにあるのではないか。
今春は例年にも増してブルージーンズの動きが鈍く、カラーパンツ・ホワイトジーンズ、レディースの花柄パンツにボトムスの売れ筋が集中している。

しかし、ジーンズカジュアルチェーン店は店頭を見る限り、ブルージーンズとベーシックな色合いのチノパン、ワークパンツの見え方が多すぎて、世間的なトレンド商品も置いてあるのかもしれないがあまり目立たない。

景気の浮揚感はたしかに感じられる部分もあるが、ゴールデンウイークが終わった5月、6月は各社とも厳しい商戦を強いられるのではないかと思う。

タンス在庫にない商品はやっぱり売れ易い

 3月度は各社とも比較的好調だったようだ。

ユニクロは
既存店売上高が前年比23・1%増
既存店客数が同30・0%増
既存店客単価が同5・4%減

ポイントは
既存店売上高が前年比11・1%増
既存店客数が同8・6%増
既存店客単価が同2・3%増

マックハウスは
既存店売上高が前年比5・8%増
既存店客数が同3・3%増
既存店客単価が同2・4%増

ハニーズは
既存店売上高が前年比13・0%増
既存店客数が同7・6%増
既存店客単価が同5・0%増

と軒並み好調だった。

各社が伸びた原因は、今年3月は過去に比べて暖かい日が多かったことと、昨年・一昨年とは異なりビタミンカラー、ネオンカラーと言われるような明るいカラーが一転してトレンドに浮上したことだろう。
これまで、カラー傾向もベージュやネイビーなどベーシックで変わり映えのしないシーズンが続いた。
いくら「ネイビーがトレンドですよ」「ベージュがトレンドですよ」と業界がステマをしてみたところで、ネイビーやベージュの衣料品なんて物は消費者は複数枚すでに所有している。
別に新しく買い直す必要もなく、手持ちのタンス在庫を再登板させれば済む。

ところが今回のビビッドな黄色やオレンジ、グリーンなどというカラーのアイテムは手持ちが少ない。
目新しい商品なら何枚か買っておく必要がある。

ユニクロの大幅な伸びはメンズ・レディースのレギンスパンツの販促効果だと思われるが、そのレギンスパンツも売りは鮮やかなカラーリングである。
レギンスパンツという文脈でとらえるよりも、カラーリングの一環と捉えた方が良いのではないだろうか。

景気回復期待効果やバブル期待効果は幾分かあるかもしれないが、目に見えて効果が出るにはまだ時間はかかるだろう。
それよりも新しいカラーが大々的に打ち出されたことによる各社の好調と考えた方が良いのではないか。

月並みな感想だが、目新しい物・手持ちにない商品は売れるということだろう。

ジーンズは今後さらに苦戦するのか?

 2月売上速報が発表された。

ユニクロは
既存店売上高が前年比9・6%増
既存店客数が同15・1%増
既存店客単価が同4・8%減

ポイントは
既存店売上高が前年比0・6%増
既存店客数が同2・5%増
既存店客単価が同1・8%減

マックハウスは
既存店売上高が前年比5・3%減
既存店客数が同11・8%減
既存店客単価が同6・2%増

ハニーズは
既存店売上高が前年比1・8%減
既存店客数が同5・2%減
既存店客単価が同3・6%増

だった。

ユニクロは冬物処分とキャンペーンを行った春物のボトムスが好調だったとしている。
たしかに冬物のアウター類は処分価格になってどんどん店頭在庫が減っている。
ダウンジャケット類もXSとXLばかり残っているのが目立っており、メインのMとLサイズはほぼなくなりつつある。
一方、昨年の今頃に引き続き、ヒートテックインナーは大量に余っている。

気になるのはマックハウスだ。
締め日が異なるとは言え、ライトオンとジーンズメイトも不調だった。
(ライトオンとジーンズメイトは1月21日~2月20日まで、マックハウスは2月1日~2月28日まで)

昨年春夏に回復の兆しを見せていたものの、秋から失速している。
ジーンズメイトは底打ち感が出てきたけれども、ライトオンは昨年秋から苦戦傾向にあり、2月度実績はかなり悪化している。

3社そろって2月度が厳しかったということは、ジーンズカジュアルというジャンル自体が再び厳しくなったということだろうか。とくに1月のセール効果もこの3社はあまりなかったように見受けられる。

ジーンズが非トレンドアイテムになってからもう数年近い。
昨年には底打ち感も出てきていたが、今後さらなる苦戦があるのかもしれない。
ジーンズというアイテムにとっては、昨年秋以降の流れは何だか嫌な感じを受けるのだが・・・・。

それほど好調でもなかった1月商況

 カジュアル各社の1月売上速報が発表された。
正月セールという年間でも最大規模に近いイベントがあった割には、増減率だけで見るなら低調な推移だった。

ユニクロは

既存店売上高が前年比5・5%減
既存店客数が同1・3%減
既存店客単価が同4・2%減

だった。

ポイントは

既存店売上高が前年比2・2%減
既存店客数が同0・6%減
既存店客単価が同1・7%減

マックハウスは

既存店売上高が前年比5・8%減
既存店客数が同8・7%減
既存店客単価が同3・2%増

ハニーズは

既存店売上高が前年比2・7%減
既存店客数が同5・6%減
既存店客単価が同3・0%増

だった。

ちなみにユニクロは新店を含む直営店計でも

直営店売上高が前年比3・4%減
直営店客数が同0・9%増
直営店客単価が同4・3%減

となっており、今年の正月セールは昨年ほど盛り上がらなかったといえるだろう。

これに対して、ユニクロは「土日が昨年より1日少なかったため」としているが、前年割れを続ける百貨店と同じ理由なのでまともに受け取るには値しない。

念のため、ユニクロの2012年1月の増減率を見てみる。

既存店売上高が前年比7・9%増
既存店客数が同1・5%減
既存店客単価が同9・5%増

となっており、今年1月の既存店売上高は、昨年1月より下回ったものの、それでも一昨年1月よりは上向いている。

さて、ユニクロの国内売上高はぼちぼち飽和点に達すると考えている。
別に全身ユニクロでも構わないと思っている消費者も多いだろうが、彼らとて進んで「全身ユニクロを着たい」とは思っていないはずである。

新たなユニクロの取り組みとして産経新聞紙上で、柳井正会長は

--値下げするのか

 「価格とファッションの双方でリーダーシップを追求する。(低価格ブランドの)ジーユーは両方で評価されたがユニクロは失いかけていた。ジーユーが990円で売る商品を、2990円で売っていたユニクロは1990円に下げないと難しい。原材料の調達、サプライチェーンを組み替える。中国での生産比率を下げ、(賃金の安い)東南アジアで生産を増やす」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130116-00000517-san-bus_all

と述べておられるわけだが、アジア諸国での販売は別として、国内市場でこれ以上ユニクロを値下げしたところで爆発的に売れ行きが伸びることはないだろう。
高すぎると言うけれども、「欠品」を異様に恐れる同社は過剰に生産しすぎているため、定価で売りきれるアイテムはほとんどない。必ず値下がりする。
ユニクロの商品を「発売と同時に絶対買いたい」と思っている人はそれほど多くなく、安く値下がりしてから買えば十分である。

それに洋服は雑貨(靴を除く)に比べて、枚数が溜まると大きな収納スペースが必要となる。
だから洋服はあまり溜め込みたくないというのが、多くの消費者の気持ちだろう。
となると、いくら安くても過剰な枚数の洋服を買うことはない。むしろ、要らない物はタダでも要らない。

2990円のユニクロ商品が1990円に下がったからといって「じゃあ、2枚買っとこう。本当はブルーしか要らなかったが安くなったから普段着るかどうかわからないオレンジも買っておくか」と考える人はほとんどいない。
1990円に下がっても目当てのブルーを1枚だけ買うだろう。

筆者個人は、国内販売において、柳井会長が掲げておられる値下げがそれほど効果を発揮するとはまったく思えない。

各社苦戦の9月度売上速報

 恒例の9月度売上速報が発表された。
今年は9月21日まで厳しい残暑が続き、秋のお彼岸から急に涼しくなった。
そのため、各社とも秋物の動きが鈍く、苦戦した印象が強い。

ユニクロは

既存店売上高が前年比2・4%減
既存店客数が同0・2%増
既存店客単価が同2・6%減

ポイントは

既存店売上高が前年比9・8%減
既存店客数が同5・0%減
既存店客単価が同4・5%減

マックハウスは

既存店売上高が前年比7・3%減
既存店客数が同7・5%減
既存店客単価が同0・3%増

ハニーズは

既存店売上高が前年比7・8%減
既存店客数が同2・9%減
既存店客単価が同5・0%減

と軒並み前年実績を割った。

ネット上では、ユニクロの減少について「尖閣貼り紙問題による日本人の不買が原因では?」という意見を見かけるが、9月度に限って言えばその可能性は低いのではないか。
問題が発覚したのが9月15日ごろであるから、9月度の業績にはあまり影響を与えていないのではないかと考えている。
もし、影響が表面化するのなら10月以降ではないだろうか。

ちなみに昨年9月のユニクロは

既存店売上高が前年比10・7%減
既存店客数が同12・7%減
既存店客単価が同2・3%増

となっており、昨年9月もあまり振るわなかったことがわかる。

今年9月は昨年実績からさらに微減なので、なかなか厳しい数字である。
これはベーシック回帰路線の行き詰まりではないだろうか。

もともとメンズはレディースに比べてアイテムのバリエーションが少ない。
ユニクロのメンズ売り場を見ていると、ベーシック路線の行き詰まりを顕著に感じる。
ジーンズとチノパン、無地シャツ、無地Tシャツと並んでいるが、すでにタンス在庫に何枚も所有しているものばかりだし、改めて買うとしたら何らかの事情で破損した物の買い替え需要しかない。

気温が下がった10月以降の各社の売れ行きに注目したい。

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