先日、アウトレットモールが飽和状態に達しつつあるという記事を紹介したが、
これは何もアウトレットモールだけのことではなく、ファッションビルも郊外型ショッピングモールも数的には飽和状態だろう。

毎年ドンドンと商業施設ができるが、新しい商業施設ができて、単純に流通の売上高がプラスオンされるわけではない。どこかが必ず負けてその売上高が新商業施設に振り替えられるだけのことである。
昨年春は大阪市内の商業施設がオープンラッシュだったが、そのために西梅田の中小商業施設や堀江・南船場・アメリカ村の売上高がさらにそちらに振り替えられただけではないのか。

もっとも、新商業施設ができることでプラス面もあり、何となく地域やその地方のムードが盛り上がるということもある。その盛り上がりは長くは続かないのだけれども。

5月22日に東京スカイツリーがオープンする。
オープン当日の入場券が完売しつつあると、朝の情報番組で報道していた。
ユニクロ銀座店と同じく、別にその当日に並んでまで行く必要があるのかと思うが、これも「祭り」の一種なのだろう。

そのスカイツリーについて

スカイツリーのせいでゴーストタウンになる錦糸町
http://news.livedoor.com/article/detail/6424687/

という記事が掲載された。
ゲンダイネットなのでいささか娯楽的な書き口だが、こういう側面は否定できないだろう。

5月22日に迫ったスカイツリーの開業が、歓楽街「錦糸町」の息の根を止めてしまうかもしれない。

 錦糸町はスカイツリーと同じ墨田区内で目と鼻の距離にあるからだ。長引く不況で活気を失った街は、すでに青息吐息だ。そこに追い打ちをかけるように、スカイツリーができる。そして、出店舗数312という巨大商業施設「東京ソラマチ」が併設されるのだ。錦糸町の客足は完全に奪われかねない。

「スカイツリーがやろうとしているのは、客の囲い込み。ひとり勝ちを狙っているとしか思えません」と言うのは、錦糸町商店街振興組合の山田昇理事長だ。墨田区全体の商店街連合会の会長も兼務し、スカイツリー側に「地元商店街との共存関係の構築」を呼びかけたが、色よい返事はなかったという。山田氏が続ける。

とのことである。
また、続けて

 JR錦糸町駅を降り立つと、夜の街は実に閑散としている。かつてはロシア人女性が歓楽街を彩った一角も、今や中東系アジア人の客引きたちが暇そうに立っているだけ。路上を行き交う酔客は少なく、記者の姿を見つけるなり、客引きは「ロシア、ルーマニア、タイ、フィリピン、どう?」と、必死の勧誘を続けた。

 駅北口から徒歩5分。06年に開業したショッピングモール「オリナス」の光景は哀れだ。もっとも駅に近いのに、好立地の1階ですらアパレル店をはじめ、テナントが次々と撤退している。代わりの店も入らず、営業時間中なのに敷地面積2万7335平方メートルもの広大な施設は閉店後のような静けさだ。

「90年代から2度の再開発で駅前はキレイになりましたが、どの街にもあるような店ばかりになってしまった。かつての雑多な魅力が失われ、街は廃れるばかり。確実にゴーストタウンになってしまいます」(山田氏)

ともある。

この「オリナス」の状況が今日の国内市場を象徴しているように思える。
新しい商業施設ができてしばらくの間は好調だが、消費者が一巡してしまうと次の商業施設に大部分が移動してしまう。リピーターを数多く作ることはなかなかに難しい。

華やかに見える東京の中心地も「オリナス」の例にもれず、閑古鳥の鳴いている商業施設は数多くあるのではないか。大阪などは閑古鳥の鳴いている施設や地区は数多くあるから、それを特集するだけでも面白いのではないだろうか。

そういえば、東京の表参道を何度か歩いて移動したことがあるが、大通りに面した路面店でも空き店舗が目立っていたことを思い出す。
あれらは商業施設ではないが、客の奪い合いに負けた店舗の末路であることには変わりは無い。

スカイツリーを取材するメディアは数多くあるかもしれないが、「オリナス」の現状を業界紙や経済誌に詳しく取材してもらいたいと感じている。