2月にニューヨークの綿花相場が1ポンドあたり2ドルを突破して、綿花高騰が止まらない。また羊毛も高騰を続けており、23年ぶりの高値となっているという。

ウールマークのHPに
3月4日付けで「豪州:23年ぶりに13豪ドル台乗せ、1,307豪セントで引ける」と題した記事が掲載されている。

http://www.wool.co.jp/news/woolprices/woolprices.html

記事によると

予想通り中国・イタリアを中心とする競合が激化、中~太番手や紡毛用原料も全面高の展開となり、AWEX東部市場価格指標(EMI)は前週比21豪セント続伸して1,307豪セントと、ついに13豪ドル台に乗せた。1988年5月第2週以降の最高水準で、史上最高値(88年4月第3週)まで25豪セントに迫っている。

とのことである。

しかし、原料は高騰しているものの、アパレル製品は一向に値上がりする気配もない。

つい先日、某経済雑誌記者とお話させていただいたのだが、彼らによると「アパレル各社に値上げを訪ねても『昨年と商品のデザインが異なりますからね~、一概には比べられません~』とのらりくらりの返事しか返って来ないです」という。
たしかにアパレルの製品は、よほどの定番商品を除いて毎シーズンデザインが変更される。だから、昨シーズンの商品とは単純に価格を比較できない。これは正論であるが、正論を隠れ蓑に使った「逃げ口上」だと見なして差支えないだろう。

例えば、カジュアルパンツは約200円値上がりします。とか、カットソー類はだいたい100円前後の値上げとなりました。という言い方は可能である。それをしないということは、アパレルが製品を値上げする気がないということである。また、製造業者にしわ寄せするつもりだろうか?

某業界団体の役員が1カ月ほど前に「なぜ大手マスコミはアパレル製品値上げの報道をしないのか。食料品は報道されているのに」と息巻いておられたが見当違いもはなはだしい。なぜなら、食料品メーカーはそろって「製品の値上げ」をきちんと発表しているからである。コーヒーを一例に挙げると、AGFやネスレなどの大手がそろってコーヒーの値上げを発表している。大手数社が発表をすればマスコミは「コーヒーは値上げ」と報道するわけである。

某役員には申し訳ないが、アパレル業界でキチンと「値上げ」を発表した大手があっただろうか?記憶する限りはない。例えばユニクロとワールドとオンワードとイトキン、ファイブフォックスあたりが値上げを発表すればマスコミは「アパレル製品値上げ」を報道する。反対に「値上げ」を発表していないのに、マスコミ各社が「アパレル製品値上げ」のキャンペーンを張ることはできないし、わざわざキャンペーンを自主的に張るほど、マスコミはアパレル業界に恩義も感じていない。

いずれにせよ、マスコミにアパレル製品値上げを採り上げてほしいのならば、大手アパレルがきちんと値上げを発表すべきである。