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「安さ」だけでは衣料品は売れない時代 ~投げ売りの最前線を見て~

大阪市内の都心を歩いていると、ティッシュやら割引チケットやらさまざまなものが配布されている。
もちろん、東京都心だともっと多い。

そういうものはだいたいがアルバイトのオニイちゃん、オネエちゃんが配布しているから、極力受け取るようにしている。
しかし、たまにこちらの善意に付け込んだような、受け取るだけでなく何かを答えさせようとするものも多いから注意が必要だ。
そういうのは断固として断る。

先日、御堂筋沿いを歩いていたら、赤い法被を着たオネエちゃんが道行く人に声をかけて何かを配布していた。
最初、赤い法被なのでジャンカラなどのカラオケボックスの店員なのかと思ったが、受け取ったチラシを見て驚いた。
ウィゴーの販売員だった。
受け取ったチラシが驚異的だったのだが、「全品390円セール」というものだったからだ。
ちなみに単品だと「全品390円」(格安居酒屋か)だが、袋に詰め放題で中サイズ3000円、大サイズ5000円とも書いてある。
なんという投げ売り!本当にバッタ屋並みである。
もしかしたら生半可なバッタ屋よりも安いかもしれない。

バッタ屋の聖地と化している天神橋筋商店街を歩くとさまざまなバッタ屋があるが、一律500円とか1000円という店が多く、それらよりも断然に安い。

とりあえず、チラシだけを受け取って、その日の仕事先に向かった。

仕事が終わって、先ほどのチラシを思い出して覗いてみようと思った。
18時半ごろだったので日は暮れていた。

通常の正規店ではなく、別会場を借りてのセールだったが、それでも驚異的な投げ売りといえる。
その日が最終日でなおかつ閉店まであと1時間半くらいだったので、チラシに書かれてあった袋詰め放題も3000円と5000円が2000円と4000円に値下がりしていた。
ざっと袋の大きさを見ただけでも、2000円コースですら10枚は優に洋服が詰め込めるくらいの大きさはあった。

会場は、洋服が台の上にごちゃっと山積みにしてある。
たしかにこれしか、やり方はないだろう。
390円の投げ売りセールで、しかも数日間の限定売り場で、正規店のような陳列は非効率極まりない。
台の上に、当初は畳んであったのだろうが、ごちゃっと山積みにするしかない。

帽子、バッグ、マフラーのコーナーと、レディースコーナー、それからメンズコーナーに分けてある。

商品を見てみると、帽子やバッグ、マフラーは秋冬物だがメンズの衣料は春夏物である。
レディースコーナーで商品をほじくり返すことは通報されそうだったのでやめておいた。
女性客に交じって50歳手前のオッサンがレディース商品をあさっている風景を想像するとヤバすぎて通報されてもおかしくはない。

遠目からざっと見ただけだがレディースも春夏物が主体だったと思う。

最終日で閉店まであと1時間半ほどだというのに商品は各コーナーともまだまだ残っていた。

売れ残りの春夏物なんて10枚も20枚も要らないから、単品で買うことにした。
商品をほじくり返してみたが、半袖シャツとか半ズボンとかそういう商品がほとんどで、寒さを一層掻き立てた。
失望しながらほじくり返していると、ちょっと春先から使えそうな商品をいくつか発掘でき初め、気分は上向きになった。

とは言っても、生地自体は薄手や麻混だったので明らかに初夏・盛夏物だったが。

その中から、去年か一昨年くらいに流行したボタニカル(植物柄)のジャケットと、薄手の杢グレーパーカを発掘した。
ボタニカル柄のジャケットは、去年か一昨年くらいにパンツとのセットアップで各ブランドから発売されていた。
そういうトレンドだったのである。それにウィゴーも乗っかっていた。まあ、洋服商売なら当然なのだが。

綿100%のプリペラ素材で、黒と白があった。
Tシャツの上に羽織ることを考えると、襟首の汚れが目立ちにくい黒にしようと思ったが、紺色やネイビーのズボンの手持ちが多い当方なので、黒ではなく白を選んだ。

しわが目立ちにくい素材であるうえに、白と言っても黄味がかっているから、小まめに洗濯機に放り込めば汚れの首輪も気になりにくいだろう。
定価6900円が1900円に値下がりして、それが390円に投げ売られていた。
明らかに原価割れだろう。

もう一つの薄手パーカは綿・モダール混素材で、裏毛でもミニ裏毛でもなく天竺である。
こちらは定価1900円の値札が付いている。まあ、390円ならお買い得だ。
これもTシャツや長袖Tシャツの上から羽織れる。

2枚合計で税込み842円だった。

盛夏でTシャツ一枚で様になるためには、顔と体型が良いことが必須になり、顔と体型が悪ければどんなにデザインを凝らしたTシャツでも格好が悪い。逆に顔と体型が良ければ、そこらへんで買ってきた390円のTシャツだって格好良く見える。
これが夏服の恐ろしさである。
ライザップはここの部分を狙えば良いのである。

だから顔も体型もアレな当方としてはTシャツ+1枚という工夫を凝らさねば人前に出ることすらかなわない。
着るまでにはあと2か月は寝かしておく必要があるが、2枚合わせて842円ならお買い得といえる。

実は、以前から手伝っている天神橋筋商店街のバッタ屋「ラック・ドゥ」も2月1日から18日まで全品100円セールを行っている。

本日よりBIGイベント開催!

4日間ほど店を手伝ったが、ここも春夏物がほとんどで、今年の2月は寒いが100円なら半袖ブラウスを買う人がこんなに多いのかと驚かされた。

で、店作りは今回のウィゴーと一緒で、台の上に服が山積みにされてある。これしかやりようがないというのがウィゴーの別会場セールを見て改めてわかった。

ちなみに「ラック・ドゥ」では在庫が少なくなっているので、新たな仕入れ先を募集しているそうだ。
過剰在庫を抱えているメーカーやブランドは一度連絡してみてはどうか。

それにしても、正規ブランドの在庫処分もバッタ屋と変わらなくなってきたと感じた。

実は先日、某メーカーのサンプルセールに招待され、1品100円で購入してきたが、それは完全メンバーズ制で、会期は1日間で営業時間はわずか2時間しかない。本来の意味でのサンプルセールだが、このウィゴーのは道行く人々を誘致しているのだから、これとは異なる。
不特定多数の人に広く売ろうとするものだ。

それだけ在庫を抱えていたともいえるし、ウィゴーに限らず、今後は在庫を抱えたメーカーやブランドはバッタ屋並み・バッタ屋を下回る値段で広く販売するケースも出てくるのではないかと思う。
販売方法、価格もバッタ屋との線引きがなくなりつつあるともいえる。
最早、割安感だけでは衣料品は売れない。そういう時代を象徴しているのではないか。

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ウィゴーが投資会社の傘下に(一部加筆修正)

ついに発表された。

ウィゴーが経営刷新 オーチャードコーポが出資
https://senken.co.jp/posts/wego-managementchange

ウィゴーが投資会社の傘下に 創業者・中澤氏は代表権のない会長に
https://www.wwdjapan.com/501902

見出しからいうと、繊研新聞はちょっとわかりにくい。
業界紙特有の忖度が働いたのだろうか?

WWDのほうが見出しが直截的でわかりやすい。

ウィゴーがオーチャードコーポレーションという投資会社の傘下に入った。
創業者の中澤征史社長は保有する株式の88・5%を譲渡し、代表権もなく取締役でもない単なる「会長」に退く。

WWDは新社内体制を詳細に伝え、今回の身売りの目的も伝えている。

同時に2人の副社長も退任し、金融やITに実績のある外部人材を取締役に招へいした。10代から20代前半の若者に絶大な人気を誇り、急成長を遂げた同社だが、数年後の株式上場を見据えて経営体制の刷新を図る。

身売りの目的は株式上場で、それに向けての社内外の体制を整理することにあるという。
一般的に株式上場を果たすには、社内外の体制が完備される必要がある。
掛け声だけで何年経っても上場しない会社もあるが、あれは財務内容が良いか悪いかだけではなく、様々な体制が整っていないからできないのである。
「上場できないけどあの会社の財務内容は良いんだ」なんていうのは何の言い訳にもならない。

できないのはできないなりの理由が財務内容以外にあり、それが根絶できないからいつまでも上場できないということでしかない。

そういえば、もう15年以上前になるが、リステアホールディングスになる前のルシェルブルーも当初は株式上場を目標に掲げていた。
結局、株式上場しないままに現在のような形に落ち着いたが、上場できないのはそれなりの理由があったということだといえる。

今回の身売りについてだが、実は関係者からの情報提供によって9月ごろには知っていた。
譲渡先がオーチャードコーポレーションという聞きなれない投資会社であることも知っていた。

いつ発表になるのかと思っていたが、ついに発表の運びとなったということになる。

今回の身売りによって、株式上場を目指す以外に、個人的にはもう一つ効果があることがあったと思う。
それはWWDの記事でも言及されている二人の副社長の解任である。
もともとは副社長は1人だったが、1年ほど前にもう1人外部から招へいした。

業界内の情報によると、元からの副社長と社長の仲には亀裂が生じており、それを牽制するためにもう1人副社長を招へいしたといわれている。
しかし、個人的にはその招へいされた副社長の人選には首を傾げざるを得なかった。

経営破綻したオルケスをはじめとして数々のブランドを解散、赤字転落に追い込んだという実績の持ち主だったからだ。
正直なところ「大丈夫かな?」と危惧したのだが、案の定、不協和音となってきて、ついに身売りと同時に2人の解任という運びになった。

また、経営権を中澤社長が手放すことで創業以来の様々なしがらみから脱却できるというメリットもある。

ウィゴーの現状と今後の展望としては

中長期計画の正式な数値目標は明らかにしていないものの、従来の急激な成長ではなく年5%程度の安定成長を目指す。同社の17年2月期の売上高は約350億円。「ウィゴー」などの国内既存事業の底上げで売上高400億円、ECや海外市場などの新規事業をプラスすれば600億円は可能とみる。16年2月期以降は、大量出店からスクラップ&ビルドに軸足が移ったため、売上高は横ばいで推移している。今後はオペレーションの強化や既存店の増床などで、1店当たりの収益性を高める。

とあり、いつの間にか350億円規模にまで成長していたこと、将来的には600億円を目指すことがわかる。

また、ウィゴーは自店のスタッフや読者モデルをSNSでインフルエンサーに育て巧みに活用し、若者内での人気が高い。
この部分でも商品のテイストでもジーユーと競合しているといえる。

しかし、そのインフルエンサーの育成もこれまでは数年ごとの使い捨て感がぬぐい切れない部分があったので、経営陣が刷新されたことを契機として、その部分も少し改められることに期待したい。

今回のウィゴーの身売りとほぼ同時に、某大手セレクトショップが某SPA企業に買収されるという情報もあった。
こちらはまだ発表されていないが、ウィゴーが実際に発表されたことを考えると、こちらも早晩発表されるのではないかと考えられる。
もし、事実ならビッグニュースとなる。

百貨店やコンビニの再編が話題に上ることが多いが、アパレル業界も再編が進んでいる。
オーバーストア、アパレル企業過多による過剰供給はとどまることを知らないから、業界の再編は至極当然の流れだろう。
名物だった創業家が手放し、投資会社や大手資本の傘下に収まるというのは、イトキン、バロック、マークスタイラーと同様に時代の流れというしかない。
今後も業界ではそういう企業が増えるだろうから、20年前・30年前とは異なる業界になりつつあるといえる。
昔の業界感を引きずったままでは、ますます現実に対応できなくなるのではないか。
そんなふうに思った。

加筆:昨日また発表があって、ウィゴーはオーチャードの傘下ではなくなった。また創業者の中澤氏も取締役として復帰した。(2017年11月27日)

ウィゴー、また筆頭株主交代 わずか4カ月で再び経営刷新
https://www.wwdjapan.com/514163

ウィゴーの筆頭株主が11月21日付でブラザー工業の創業一族の資産管理会社であるアラタマコーポレーション(名古屋、安井信之・社長)に移行した。

とのことである。

これについて、NOTEに有料記事も更新している。

ウィゴーの筆頭株主が4か月で変更に
https://note.mu/minami_mitsuhiro/n/na278bc65821b

 

NOTEを更新~♪
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WOmBが民事再生法を申請

 昨日、カジュアルセレクトの「WOmB」が民事再生法を申請したニュースが流れた。
負債総額は約10億円。
報道では「メンズカジュアルセレクト」とされているが、実際は、セレクト品と自社オリジナル品を販売するタイプのチェーン店であり、レディースも扱っている。

近年、急速に伸びてきたブランドなので正直驚いた。
一昨年あたりから商況が厳しいとは耳にしていたが。

詳細は、信用交換所の記事に詳しいので以下に引用する。

10歳代後半~20歳代をターゲットとしたカジュアルウエアを扱い、「WOmB」(ウーム)ほかの店名で西日本中心に多店舗展開するほか、インターネット通販で一般消費者に販売、ピークとなる26/8期には年商19億1396万円を計上していた。
しかし、収益面は既往より採算維持程度と低調な推移を強いられていたところ、同期は店舗経費増や在庫評価損などもあり数千万円台の赤字となり債務超過に転落、金融機関に対しリスケを要請していた。翌27/8期には不採算となっていた15店舗を閉鎖したことなどから売上は10億5504万円にまで急減、借入負担もあり多忙な資金繰りを余儀なくされる中、遂に今回の事態となった模様。

とある。

昨日の時点では、店舗数は数店舗しかなかったが、正直にいうと「こんなに店舗数少なかったか?」と疑問を覚えたがこの記事を読んで納得した。
昨年に不採算店を15店舗も閉鎖していたのである。

不採算店を閉鎖するのは経営の王道といえるが、一気に閉鎖して、店舗数が半減以下になったのなら企業経営は厳しくなる。
なぜなら、収入も半分以下になってしまうからだ。
赤字、黒字の前に収入そのものがなくなってしまったら話にならない。

民事再生ということは、これから支援先を探すことになるが、見つからなかった場合は破産整理されることになる。はたして支援先は見つかるのだろうか。

この会社は、SPA型カジュアルチェーンのウィゴーと親密なので、ウィゴーが支援に乗り出すのではないかと見ている人もおり、もし支援先が現れるとしたら、それが一番現実的ではないかと筆者も見ている。

それにしても急成長中の会社があっけなく経営破綻したことには驚かされた。

同時に、知人から「某ジーンズカジュアルチェーン店も1月末での廃業を決定した」という知らせがあった。

ここはまったく面識はないが、名前くらいは以前から耳にしたことがある。
創業から50年強の老舗だがついに廃業ということになる。
民事再生法申請やら倒産よりは廃業の方がずっとマシだが、これ以上続けても見込みがないと経営者が判断したということだろう。

あ、ついでに書いておくとこのジーンズチェーン店は楽天市場に出店していたが、年末で閉鎖している。
たんにネット通販をやっただけでは何の効果もないことが立証されたといえるだろう。

それにしてもアパレル業界はさらに厳しさを増している。

カジュアル分野がもっとも厳しいと感じるのだが、それ以外の分野も同様に厳しい。
レディースインポートでも相当に苦しいブランドもあると耳にするし、ワールドやイトキンなどの大手総合アパレルの不振もそれを物語っている。

ファーストリテイリングの決算下方修正とはまったく次元が異なる厳しさである。

アパレル業界は参入障壁が低い。
小売店だと特別な免許が必要なわけではない。
資金さえあれば誰でも開業できる。
継続できるかどうかは別問題として。

バブル崩壊直後くらいまでは、メーカーとして新規参入することは難しかった。
資金もさることながら、製造ルートを探すことが難しかったからだ。
しかし、90年代後半からOEM・ODM請負企業が急速に増えたことから、資金さえあればド素人でもオリジナルブランド品を作ることができるようになり、さらに参入障壁が下がった。

継続できるかどうかは別として、誰でもがSPA(製造小売り)業態を立ち上げられるようになった。

これがさらに過剰供給をもたらす。
ユニクロだけのことではない。

アパレルや小売店がつぶれるたびに細胞分裂のように、そこにいた旧スタッフたちがどんどんとブランドやSPAを立ち上げる。
彼らも食わねばならない。
異業種へ転職できる人・できた人は別として、それ以外の者はこの業界で食うほかない。
ならば自衛策として、オリジナルブランドを立ち上げるか、小売りも同時に手掛けるSPA業態を立ち上げるほかない。

かくしてさらに過剰供給は進み、当然のことだが、価格競争を引き起こす。

これは日本人の意識が低いからとか、消費者のモラルが壊れたからとかそんな問題ではなく、自然の摂理である。
昨年11月か12月に「暖冬によってダイコンが超豊作になり値崩れを起こしている」という報道があったが、それと同じである。豊作になれば値崩れを起こす。
衣料品も同じである。
ブランドやショップが増えすぎて供給量が過剰になると、その多くは価格競争に走る。
「安い」ということがもっとも効果的な販促の一つだからだ。

それに巻き込まれたくなければ、そうではない「価値」を作り上げるほかない。

それにしても、もうすぐ遊心クリエイションの解散に伴い、アソコを除く各店舗が完全閉鎖となる。
WOmBが再生するにしても過剰在庫の処分が必要となる。
そして某ジーンズチェーン店の廃業である。

在庫品が山のように存在する。

これらがすべて在庫処分屋に流れることとなる。
在庫処分屋は商売のタネには困らない。

この衣料品業界で、今後、もっとも需要があり、商売として成立するのは在庫処分屋ではないかとも思う。

ブランドやショップを立ち上げるよりも在庫処分屋を立ち上げた方が食うには困らないのではないだろうか。
個人的には衣料品業界でもっとも手堅い商売は、在庫処分屋を立ち上げることではないかと最近思い始めてきた。




ウィゴーが売上高240億円に

 低価格SPAカジュアルチェーンのウィゴーの売上高が240億円に到達した。

ウィゴー、売り上げ240億円
http://www.senken.co.jp/news/company-news/wego-24billion-yen/

古着セレクトショップのウィゴーは前期(15年2月期)、「ウィゴー」業態の売上高が前期比15%増の240億円となった。新規出店が2ケタ増加、レディスの客数増に加え、地方SC向けMDも軌道に乗せ、既存店売上高も10%伸びた。

 同社は18~22歳のヤングMDを強化し、ここ数年順調に業績を伸ばしている。14年は東京・原宿での多店舗展開でヤング集客強化、1900~2900円での最新トレンド提案で、知名度がさらに上昇した。レディスアクセサリー類も充実、レディス客比率は6割まで高まった。

とある。

古着セレクトショップとあるが、今のウィゴーにはそんな面影は微塵もない。
低価格SPAカジュアルチェーンというべきだろう。

ウィゴーというと、「WC」ブランドをタレントの若槻千夏さんがプロデュースすることで一斉を風靡した。
当時は「WC」にものすごい勢いがあり、本体のウィゴーが踊り場状態だったが、徐々にその状況が逆転してきた。現在「WC」にそれほどの勢いはないものの、本体のウィゴーが絶好調である。

またウィゴーは癖の強いデザインという認識があるが、記事中では、

都市部のMDを修正して、ベーシック商材の比重を高める売り場ユニットを組んだのが成果を上げた。

ともある。
癖の強いデザインのアイテムはインパクトはあるが、そればかりで全身をコーディネイトできる人は少数派である。多くの人はベーシックの中に1点だけ癖の強いデザインを取り入れた着こなしをする。
となると、ベーシックアイテムの構成比率を増やした方が売上高は稼ぎやすい。
リピーターの増加も見込める。

売上高240億円に到達したことで、ウィゴーは完全に他の古着屋出身の低価格SPAカジュアル店に比べて、頭抜けた存在になったといえる。

ところで、この記事では重要なことがきわめてサラっと書かれている。

「プニュズ」「ジョルダーノ」などを含めた前期のアパレル全体の売り上げは250億円になる模様。

とある。

新ブランド「プニュズ」はさておき、香港発のグローバルSPAブランド「ジョルダーノ」の売上高は10億円未満ということになる。おそらくは数億円というレベルだろう。

何度も日本上陸と撤退を繰り返しているブランドだが、今回の挑戦もやはり上手く行っていないようだ。
ジョルダーノが今後も日本で成功する可能性は限りなく低いのではないかと思われる。

ウィゴー本体をどこまで拡大するのか、またウィゴー以外のブランドをどのように育てて多角化するのか、そのあたりが今後の課題となるのではないか。

WCの2店舗閉店の告知手法に疑問

 ウィゴーが展開するカジュアルブランド「WC」が東京の2店舗を閉鎖するという発表があった。
この発表に対して、自分も含めて多くの人々が抱いた感想は「売り上げが厳しいから閉店するんだな」というものだった。
とくにアパレル・繊維業界に近しい人ほどそのような感想を持っただろう。

若槻千夏「wc」が渋谷109店など2店舗を閉店……ブログで明かす
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110809-00000023-rbb-ent

以下に引用する。

 タレントの若槻千夏がプロデュースするアパレルブランド「wc」の2店舗が、8月中に閉店することがわかった。公式ブログで報告している。

「みなさまにお礼と報告」と題した8日付けの日記。「みなさまに大切な、もしかしたら残念なお知らせがあります」として、渋谷109のwcが8月31日に、原宿WEGO内のwcが8月21日に閉店することを明らかにした。閉店の理由は明らかにしていない。

 109は若槻が憧れていた場所だという。「10年前に109のカリスマ店員になりたくて109に行き、その憧れていた地でスカウトされ今の事務所に入りました」と、自身がタレントになったきっかけの地でもあったようだ。それだけに閉店のショックは隠せない。「そんな109とお別れするのはとても悲しい事だけど、その悲しさを希望に変えてこれからも頑張ります」としている。

さて、この記事を読まれてどのように感じられただろうか?

前向きな理由での閉店と捉えられる方は少ないのではないか。
しかも「理由を明らかにしていない」となれば、「業績が厳しい」か「重大なスキャンダルがあった」と受け取る方がほとんどではないかと思う。

「WC」の製造に携わっているいくつかの業者に状況を尋ねてみると、意外な答えが寄せられた。
「売れ行きは絶好調。詳細は知らないが、ブランドをさらにグレードアップさせるための閉店と聞いている。後ろ向きの撤退ではない」という。

まずは一安心である。

今回の閉店騒動について、
広報の手法として今回はマイナスではないかと感じる。

まず「閉店」を報告し、理由は明かしていない。
さらに、今後グレードアップすることも明かしていない。
これでは「後ろ向きの撤退」と捉えられても仕方がない。

もしかすると、ウィゴー側は「サプライズ」を狙ったのかもしれない。
また、悪い噂を先行させることで、次の展開へ注目を集めようとしたのかもしれない。

気持ちはわからないではないのだが、やはり、広報の手法としては疑問が残る。

ここはスタンダードに「新しい展開に入るために、2店舗を閉店します。スケールアップして戻ってくることをお約束します」とでも報告するべきだったのではないだろうか。

©Style Picks Co., Ltd.