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EC売上高においてZOZO比率の高い企業と低い企業 ~ZOZOに依存している企業と離脱可能な企業~

アパレル業界は猫も杓子もネット通販という感じになっており、その中でもアパレル製品に関してのみ影響力が強いとされるのがスタートトゥデイの運営するECモール「ZOZOTOWN」である。

水面下では有力ブランドがゾゾ離れを画策しているといわれるが、果たしてそういう有力ブランドのECにおけるゾゾ比率はどの程度なのか。
それをまとめてくれたお役立ちNOTEがある。

「業界の美肌プリンス」の異名を欲しいままにする深地雅也さんがまとめてくれているので紹介する。

大手アパレルのEC売上におけるZOZO比率をまとめてみた
https://note.mu/fukaji/n/n4888917d9f0c

ユナイテッドアローズ、パルグループ、ベイクルーズ、アダストリアホールディングス、オンワード樫山、トウキョウベースの6社のゾゾ比率をまとめている。

本文記事を読んでもらえればわかるが、決算書類に書かれてあることをもとにしてゾゾ比率を算出している。
算出というほどのことではなく、各社はゾゾ比率がどれくらいかを自社で発表している。

まず、ユナイテッドアローズ。

ユナイテッドアローズのZOZO売上構成比は全体の57%。232億円の57%ですから正確な売上は132億円。2017年と比較すると、EC全体が202億円でZOZO売上構成比が60%で121億円。まとめたものが下記になります。

   2017年3月期 2018年3月期
EC全体    202億円   232億円
ZOZO売上   121億円   132億円
自社EC売上  40億円    54億円
ZOZO比率    60%     57%

となっている。

また

ユナイテッドアローズのECはスタートトゥデイがフルフィルメントを担当していますから、自社ECが伸びてもスタートトゥデイに恩恵があります。

とのことで、ユナイテッドアローズはゾゾへの依存度が少し高すぎるといえる。

続いてパルグループである。

パルは先日、公開されてましたのですぐわかります。

EC全体   110億2100万円
ZOZO売上 71億8300万円
自社売上   19億8700万円
ZOZO比率    65%

となっており、自社運営のサイト「パルクローゼット」の売上高は微々たるものだということがわかる。
ここもゾゾ依存度が高すぎる。

3番目はベイクルーズ。

2017年末の記事ではその当時の数字が、

EC全体   275億円
ZOZO売上 107億円 ※ZOZO比率39%から逆算
自社売上   137億円
ZOZO比率    39%

とのことで、ここはゾゾ比率を下げることに成功している。

アダストリアもゾゾ比率は比較的低い。

EC全体    333億円
自社売上   172億円
ZOZO比率  48%以下

アダストリアは自社ECサイトのドットエスティがあり、こちらはなかなか健闘している。
ドットエスティは4000円以上で送料が無料となるため、何万円買おうが送料200円が必要なZOZOTOWNで買うよりもお得だから、アダストリアの商品をネットで買う際には必ずドットエスティで買っている。
ここもゾゾ比率は今後さらに下がると見ている。

オンワード樫山もゾゾ比率は低い。

EC全体    203億円
自社     152億円 ※自社比率75%から逆算
ZOZO比率   25%以下

オンワード樫山の主力ブランドは23区にしろ組曲にしろ、40代以上が主力客層となっており、30代前半がメイン顧客のZOZOTOWNとは最初から親和性が低い。
このため、今後もオンワード樫山のゾゾ比率は高まらないまま推移するだろう。
オンワード樫山にとってはゾゾはほとんど必要ではないと思う。

最後のトウキョウベースは反対にゾゾ依存度がもっとも高い。
個人的には高すぎて逆に危険ではないかとさえ思う。

EC全体    49億7000万円
ZOZO比率    86%
自社比率    14%以下

自社ECはほとんど売れていないに等しい。

スタートトゥデイとトウキョウベースは経営者のタイプがビッグマウス同士で似ていると感じる。
似ている者同士は同族嫌悪になるか、べったりになるかのどちらかなので、この場合は後者なのではないかと見ている。
いくら馬が合うといっても、ここまで他社に依存しているのは危険極まりないと思うのだが。

ざっと深地さんのNOTEを引用抜粋してきたが、今後、ゾゾ離脱が早期に可能な企業はこの6社のうち、ベイクルーズとオンワード樫山とアダストリアホールディングスだろう。そこにストライプデパートメントを立ち上げたストライプインターナショナルも加わる。
この4社はすぐにでもゾゾ離脱が可能なので、今後何かのきっかけがあればゾゾを離脱してもまったく不思議ではない。
とくにオンワード樫山はZOZOTOWNの必要性をまったく感じてないのではないかと見ているがどうだろうか?

逆にゾゾと心中しかねないのがトウキョウベースであり、自社比率14%というのは危険水域に達しているのではないか。
パルグループも同様であり、ちょっと自社サイトの力が弱すぎる。

離脱する腹積もりはあるが、なかなか踏ん切りがつかないのがユナイテッドアローズではないか。

トウキョウベースやパルほどは依存していないが、離脱するには依存度が高すぎる。
ユナイテッドアローズは今後どうするのだろうか?
自社ECサイトを強化するのか、このままゾゾ比率を50~40%くらいで維持するのか。
どちらの方向を選ぶのだろうか。
ちょっと注目して観察してみたいと思う。

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原料と直結した数少ないアパレル製品の一つがジーンズ ~エドウインはどうなる?~
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オンワード樫山の商品はAmazonでも買える。

値下げ販売で収益を圧迫したのは実店舗じゃなくてECサイトでは? ~アダストリアの場合~

アダストリアホールディングスの2018年2月期連結が発表された。

売上高2227億8700万円(対前期比9・4%増)
営業利益50億500万円(同66・4%減)
経常利益54億2800万円(同64・1%減)
当期利益8億6300万円(同92・5%減)

と増収ながら大幅減益に終わった。

大幅減益の理由については、各メディアで、

また、頻繁なセールの実施や、客のニーズをとらえきれなかった商品の在庫消化のための値下げ販売を推し進めたことで、売上総利益率は54.2%と2.1ポイント悪化した。

https://www.wwdjapan.com/595815

などと伝えられている。
これについてはその通りだろうと思う。
実際に店頭を見ていると、頻繁に値下げセールが開催されており、現に今の春物だってすでに50%オフにまで値下げされており、この値下げ販売は「終わった話」などではなく、現在も進行形の話であり、これが収益悪化の原因なら2019年2月期の収益だって悪化したままになるのではないかとすら思う。

趣味で店頭を見る際、レディースには興味がないので見ない。
アダストリアの場合、メンズのレイジブルーとグローバルワークの店頭を見た感想でいえば、値引きは2017年度だけに行われたものではなく、毎年頻繁に行われていた。
2016年秋冬物でも、ウール系のコートは2016年末にすでに40~50%オフにまで下げられていた。

この2ブランドに関しては防寒アウターが割安になるというのが、個人的な評価である。

一方、同じWWDの記事でも

EC売上高は同17.3%増の333億円と順調に推移した。

と報道されており、他メディアでもだいたい似たような論調が主流だが、アダストリアのECを定点観測していると容易にわかることだが、ECでの値引きはリアル店舗とは比べ物にならないほどに凄まじい。

リアル店舗ではやらない「タイムセール」も頻繁に行われている。
値下げで収益を圧迫しているのはリアル店舗よりも各紙が「好調」と報じているECの方ではないのかとさえ思う。

例えば、2016年秋冬商品も、ECサイトのドットエスティを見ている限りにおいては多数在庫を抱えている。
それが2017年12月にはいきなり当時の店頭価格の半額以下で販売される。
もう店頭にはない2017年秋冬物だってECでなら今でも買える。
しかも値下げされたままだ。

多くの2017年秋冬アイテムは半額から6割程度にまで値下げされている。
今年秋に備えて買うなら今がお買い得だろう。もっとも今年秋にはさらに値下げされる可能性も十分に高いが。

そんな中でなぜかレイジブルーのウール混のチェスターフィールドコートだけは頑なに16%オフでとどまったままだ。
よほど製造原価が高かったのだろうか。それ以上は値下げしたくないというのがありありと伝わってくる。

一方、昨年12月から頻繁にドットエスティでは数日間の「タイムセール」が行われている。
例えば、50%オフされている商品があったとして、数日間だけはそこからさらに20~30%オフくらいになる。
しかもそれが毎月とか月に2回とかの頻繁なペースで行われており、早速2018年春物のタイムセールも行われた。

値引き販売で収益を圧迫しているのはリアル店舗ではなく、ECの方ではないのか。

ここを見ないとアダストリアの値引きの本質は見えないだろう。

その一方で、ECサイトの使い方としては上手いと思う。
某ワールドのようになんでもかんでもすぐにアウトレットストアの「ネクストドア」に放り込むというのは乱暴に過ぎてお話にならない。
あんたらの会社ごとネクストドアに放り込んだらどうかと思ってしまう。(笑)

リアルなアウトレットストアを大規模に展開すれば、どうしてもそちらと見比べて正規店のイメージダウンにつながる可能性がある。
また、シーズン遅れ商品や昨年の売れ残り商品はアウトレットでもなかなか売り切りづらい。

しかし、ECサイトなら話は別だ。

リアルなアウトレットストアとは異なり、誰でも見られるというわけでもない。
その存在を知らない人は見つけようもない。ウェブの苦手な人は一生見つけることはできない。

シーズン遅れ品や昨年度の在庫を値引き販売していたところでイメージもあまり悪化しない。
むしろ、ネットで買う場合こういう格安品を探すことが醍醐味となっている部分もある。

リアル店舗と異なり、陳列場所の広さにも制限はないから、売れ残りの格安品をいくらでも表示できる。

このように見ると、アダストリアのECサイト「ドットエスティ」の使い方は他ブランドよりも上手いと思う。
さらに頻繁なタイムセールで消化を高めている。

逆にちょっと笑ってしまうこともドットエスティではある。

お気に入りに登録したアイテムが残り少なくなると「残りわずかです」というお知らせメールと、その商品が再入荷したら「再入荷しました」メールが送られてくる。
これはこれで非常に便利な機能なのだが、ときどき「残りわずかです」というメールが送られてきた10分後くらいに「再入荷しました」というメールが送られてくることがある。

これには笑うしかなく、単なるマッチポンプではないのか。

そもそも10分後に再入荷することもわからないのかということにもなるし、10分後に再入荷させるくらいならあらかじめ数量を積んどけよって話でもある。

まあ、もしかしたら、現在、スタートアップ界隈の騒ぎ屋連中がワーワー言っているAI(人工知能)のなせる技かもしれないが、数十年後はどこまで進化しているのかわからないが、現状はこの程度だとするとAIに職を奪われるということはあり得ないといえる。

まあ、なんにせよ、アダストリアのブランドを安値で買いたいという人がいたら、もっともお勧めできるのはECサイトのドットエスティである。リアル店舗で買うよりも格段に安い。返品不可だったり試着できないという不便があったりするが、コストパフォーマンスを狙うならこちらで買う方が圧倒的にお得だといえる。

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5年後ダメになっているアパレルを3つ挙げてみたよ
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こんなの見つけた。なんだこれ?

6480円で買ったナイキエアマックスインビガープリントは足が本当に疲れにくい

今年の正月バーゲンは、人ごみの揉まれるのが嫌で、20年来で初めて店頭へ買い物に行かずにネット通販で済ませたことを書いた。
前回はネット通販での買い物の失敗を紹介し、生まれて初めてネット通販で返品作業を行った。

今後、買い物をする際には「返品交換無料」と書かれているかどうかをより気を付けて見てみることにする。

例えば、今回返品したコーエンの中綿入りコートだが、同じような商品がAmazon内にいくつかある。
ユナイテッドアローズグリーンレーベルリラクシングとかナノユニバースとかの商品である。
このうち、ユナイテッドアローズグリーンレーベルリラクシングは返品交換無料と書かれているが、ナノユニバースの商品は書かれていない。しかもナノユニバースの商品はマルイが出品している。

となると、値段が同じくらいでもグリーンレーベルリラクシングを買った方が安全といえる。

ネット通販を利用するならこういう部分も気を付けなくてはならない。

さて、今回は正月ネット通販で買って成功した物を紹介しよう。

成功したのはアダストリアホールディングスの通販サイト、ドットエスティで買った商品だ。

ちなみに、実店舗でのタイムセール乱発はストライプインターナショナルの十八番だが、アダストリアはドットエスティでタイムセールを年末年始乱発しており、思ったより売れ残りが多いのか、今日12日からまた数日間タイムセールを開始する。
実店舗でのタイムセール乱発は八百屋か魚屋みたいにしか見えないので、アダストリアのやり方の方がスマートではないかと感じる。

さて、今回買って最もよかったと感じたのは、ナイキのスニーカー、エアマックスインビガープリントである。
これも試着せずに買ってみた。サイズは27・5センチである。

価格は9720円から6480円に値下がりしていて、再値下げされる前に売り切れるのではないかと判断したため、買うことにした。
そして読み通り、今日12日現在で完売している。

このエアマックスインビガープリントは大ブームを巻き起こしたエアマックス95をモデルとしてデザインされているそうだ。
たしかにエアマックス95のグレー×イエローに似ている。

95年に追い剥ぎが出没するほどの大ブームとなったエアマックス95だが、正直にいうと当方も欲しかった。
しかし、ネットも普及しておらず実店舗でも品薄な状態であり、しかも値段が高いので当方は諦めていた。
そして22年ぶりに似たような商品を、しかも安値で発見したので買ってみようと思った。
復刻版も発売されているがこちらは2万円前後とお高いため、まったく買う気はない。

ネット検索を繰り返した中でいうと、この6480円が最安値である。

これははっきり言って大成功だった。
サイズもぴったりで、種明かしをすると、アディダスやリーボック、コンバースなどの競合ブランドのスニーカーはほとんどが27・5センチを履いているため、そこから類推できた。
また、亡くなった弟が以前にエアマックス95の復刻版を買った際に、一度だけ試着させてもらっており、その時のサイズが27・5センチだったことを覚えていた。まあ、だから「試着なし」というのは半分は誇大報告である。

エアマックス95をモデルにデザインしているのだから、サイズ感も同じだろうと類推したのである。

早速、1週間ほど履き続けているが、長時間歩いても足の疲れがない。
あと、これを履いてラックドゥの店頭にも立ってみたが、足裏の疲れがない。
ナイキのエアクッション恐るべしである。
リーボックのフューリーライトも足裏の疲れがないと書いたが、それ以上である。
フューリーライトだとかすかに足裏に疲れが長時間の立ち仕事では出てくるが、これはほぼまったくない。

繰り返すがエアマックス95復刻版は高いから、このインビガープリントを何色かそろえても良いと思った。
それほどの快適さである。

あとはシャツ1枚、パンツ2本である。すべてグローバルワークである。

まず、シャツから。
ロンドンストライプよりもはるかに太いストライプ柄。
素材は綿100%でありながらストレッチブロードと表記されている。
わずかにストレッチ性を感じる。

サイズ表記からLサイズだと判断し、これもその判断が正しかった。
ブルーとワインレッドがあったが、ワインは着こなしが難しいのと、自分の顔に合わないと判断したため、ブルーをかった。

定価は4320円で、これが1728円に値下がりしていた。
ちなみに送られてきた商品についている値札には2500円のシールが貼られていた。
店頭で2500円に値下げしても売れ残ったので1728円(税込み)にまで値下げされてネットで売られていたと考えられる。

次は、テイパードチノパンである。
綿96%・ポリウレタン4%の素材。
ヒップや太もも部分がゆったりしたシルエットなので安心してMサイズを買った。
定価4320円が1728円(税込み)に値下がりしていた。

買ったのはもっとも苦手なベージュ。
白っぽいベージュのチノパンが多いが、これが苦手で、現在のユニクロ店頭のストレッチチノパンも幾分白っぽいのでいくら値下がりしても買わない。
これはそれよりも黄色というか茶色が勝っていたので購入した。

まず洗濯をせずに試着してみて驚いたのが股上の深さ。
おヘソが隠れるほどで、通常のパンツよりも3センチ前後は深い。
おヘソが隠れるほどのハイウエストパンツというのは実に20年ぶりくらいに穿く。
なんとも不思議な履き心地である。ローライズに慣れている人には穿きづらいのではないかと思う。
この股上の深さもネット通販の表記ではわかりにくいし体感しにくい。

生地は少し薄い。元来は春夏物として製造されたのだろう。

次はグレーのチェック柄のワイドイージーパンツだ。
定価5400円が1641円(税込み)にまで値下がりしていた。
これも生地が薄いので春夏物だろう。
ポリエステル68%・レーヨン31%・ポリウレタン1%という組成。

かなりのワイドシルエットな上にウエストはゴム入りで、サイズ表記を気にせずにMサイズを買った。
これはサイズは全く問題がない。
これほどのワイドシルエットに果たしてポリウレタンが必要なのかどうか疑問を感じる。

生地は、フランスのCARREMANというメーカーのものらしい。そういうタグがついている。
調べてみると、2016年8月31日のアーバンリサーチのショップブログに出てくる。
そのほかにもアダム・エ・ロペとかチャオパニックティピーとかセンスオブプレイスとかそういうブランドが使用している。

これも日本のアパレルのアホなところで、一つの人気ブランドが使うとそれの競合もこぞって使いだす。
そして横並びになる。これを繰り返してきたのが日本のアパレルである。

3点合計で約5000円(税込み)という驚異的な安さで買え、エアマックスインビガーと合わせても11577円にしかならなかった。

このアダストリアのネット通販での買い物はコスパも含めて満足できた。

NOTEを更新~♪
ウィゴーの筆頭株主が4か月で変更に
https://note.mu/minami_mitsuhiro/n/na278bc65821b

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イベントに参加し続けるほうが難しい

 メディア的には「イベント初参加」というのはニュースバリューがある。
とくにそこそこに知名度の高いブランドや企業がイベントに初参加することはメディアとしては「報道する意味がある」と考える。

逆にイベント自体にも参加者にも知名度がなくてもメディアはそれを報道する価値があると考える場合が多い。

ニュースの価値の一つに「常とは異なる状態にあることを伝える」というものがあり、それに照らし合わせると「初参加」「初開催」「初出店」というのは「常」とは異なるから報道する価値がある。
一方、2回目・3回目になると、よほどの知名度がないとメディアは報道する価値を見出さない。

これがメディアの考える現実である。

逆に運営側・出展側からすると「続けられている」ということの方が、「初」よりも重要だと考えることが多い。
なぜなら、初参加・初開催というのは、勢いとタイミングでやってしまえる要素が多いが、数回以上続けようと思うとそれこそ資金繰りやら人員の確保やらが必要となるため、より緻密な組み立てが求められる。

「初」よりも長く続けることの方が難易度が高い部分が多い。

さて、先日で東京コレクションが終了した。
ファッション感度の鈍い筆者にとってはまったくの興味の対象外イベントである。

そんな中、アダストリアの「HARE(ハレ)」がコレクションに初参加したらしい。
そこそこ知名度が高い大手企業ブランドの「初」参加というのはメディア的には報道価値があるから、それなりによく報道された。

しかし、個人的には「初参加したよ」という以外にはほとんど知るべき要素はないと考えている。
断っておくが別にアダストリアが嫌いなわけでもHAREが嫌いなわけでもない。
これがアダストリアでなくハニーズでもライトオンでもユニクロでも無印良品でも同じように考える。
「初参加したよ」ということ以外に知るべき要素はほとんどない。

なぜなら、東京コレクションで大手企業ブランドがショーを開催するのは珍しいことではないからだ。

あまり昔のことをほじくり返しても意味がないから、近年のことを振り返ってみよう。

ワールドのタケオキクチは何度も東京コレクションに参加している。
また、2013年春夏コレクションにはウィゴーのwcが初参加している。

その他、センソユニコ(現、松尾インターナショナル)のブランドが参加したこともあるし、探せばまだまだ出てくるだろう。

大手アパレル企業ブランド、大手SPA企業ブランドの東京コレクション参加は決して珍しいことではない。

メディアではない外野のオッサンからすると、「初参加」よりも今後定期的に参加を続ける方がハードルは高いと思う。

コレクションショーに限らず、合同展示会でもなんでも初参加でそれなりの成果をあげることはかなり難しい。
ここでいう「成果」とはビジネスの拡大、売上高の拡大である。

大手総合展示会の社員を3年間経験したこともあるが、初出展でいきなり予想を越える受注額を獲得できた企業やブランドというのは数えるほどしかない。
統計を取ったことはないが、体感的にはそれは1割くらいだろうか。
残り9割はよくて費用対効果トントン、出展費用の方が高くついたということも珍しくない。

逆に何度か出展をし続けて成果が出てきたという企業やブランドは多い。

海外の素材展示会でも同じで、昨今は助成金やら補助金で3年間だけフランスやイタリアや中国に出展する産地企業が多い。
そういう産地企業の多くは助成金の終了とともに海外出展も終了する。
効果はあんまりなかったと話す産地企業は多い。

一方、国内2位のデニム生地メーカー、クロキは欧州の高級ブランドのほとんどと取り引きがあるが、海外展示会に出展し続けている。正確には10年近くは続けて出展している。
取り引きが成功した理由はさまざまあるだろうが、継続し続けるところが多くの産地企業とは一線を画している。

初参加、初開催だけでやめてしまったほとんどの場合は、それ以降何の効果もない。
1000万円の費用をかけて海外で特大花火的イベントを仕掛けた団体もあったが、現在ではすっかりその事例は忘れ去られている。
もっといえば、300万円のイベントを3年続ける方が効果的だっただろう。

初参加だけで終わるなら、それは単なる「思い出作り」に過ぎない。
wcの東京コレクションなんかはその「思い出作り」の好例といえる。

そういう意味から考えると、せっかくなのでHAREには今後も出展を続けてもらいたい。

ただし、10年以上も出展を続けて「成果」が伴わないなら、それはそれで問題だといえる。
東京コレクション参加ブランドの中には10年以上続けているのにほとんど「成果」のないブランドもある。

それは、作っている物、営業活動のやり方、販促広報活動のやり方のどれか、もしくはそのすべてが間違っているからだといえる。
そういう場合は軌道修正が必要になる。
いわゆる、Plan(計画)→ Do(実行) → Check(評価)→ Act(改善)のPDCAサイクルが必要だということである。

それができなければ、市場から退場を迫られるのは、デザイナーズブランドだろうが大企業ブランドだろうが関係ない。

東京コレクション
東京事変
EMI Records Japan
2012-02-15


東京コレクション
Universal Music LLC
2016-08-22


©Style Picks Co., Ltd.