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南充浩 オフィシャルブログ

ネット通販

ネット通販が浸透した状況では「洋服の値下げセールの規制」は不可能だという話

2022年2月22日 ネット通販 0

2015年頃、覚えている人も多いかもしれないが、ネット通販がアパレルの救世主となるというような雰囲気だった。 たしかにその5年後にコロナ禍が始まり、実店舗の長期休業や営業時短が起きると、ネット通販をやっていた方が良かったという事態が起き、カンフル剤的な役割を担ったことは事実である。 だが、救世主みたいな存在ではなかったし、一部のネット通販専用ブランドを除くと

マルイ以外の百貨店の「売らない店」は売り場の空きスペースを埋めるため

2022年2月10日 トレンド 1

何時の時代もメディアは綺麗事が好きである。そして平和ボケした大衆もそれを好む。 特に衣料品業界はそのターゲットとされやすいと当方は感じる。 メディアと一部のイシキタカイ系業界人とポジショントークマンだけが大騒ぎをしたが実態と乖離し続けていたために全く盛り上がらずに終わった「似非ブーム」は数多くある。 2000年代半ば以降、ファッションアイテムへの過剰な憧れや

在庫リスクを徹底的に避けることが絶対の正解ではないという話

2022年2月9日 製造加工業 1

少し前にも書いたが、ユニクロの1月度売上速報の商況分析コメントは改めて考えさせられるものがあった。 改めて引用すると   防寒衣料の在庫の過少や、セール時期での売り込みが不十分だったこと、 入庫遅延の影響で春物商品の立ち上げが遅れたことにより、既存店売上高は減収となりました。   である。 12月末からの冷え込みで、各社の防寒アウター消化

アパレルの物作りを支えてきたOEM屋も急速に素人化が進んでいるという話

2022年2月1日 製造加工業 2

アパレルは参入障壁が低い。 それはOEM・ODMを手掛ける会社が無数に存在して、そこに依頼すればド素人でもオリジナル商品が作れてしまうからだ。 今ならインフルエンサー、昔なら読者モデル、タレントなどがいとも簡単にオリジナル商品を作れてしまうのは、OEM・ODM会社が存在するからだ。(以降OEMに統一する)   小規模OEM業者の生き残りも厳しい状況

国内アパレル企業の商品廃棄が世間のイメージよりも格段に少ない理由

2022年1月17日 トレンド 0

海外(主に欧米諸国)でのアパレル商品廃棄が問題になるたび、メディアや一部のコンサルからは「我が国のアパレルもー」という論調が煽り気味に流布されるのだが、統計と当方の肌感覚では国内アパレルの商品廃棄は、15年前や20年前はどうだったかわからないが、2008年のリーマンショックを契機に激減したと感じる。 以前にもご紹介した環境省の2020年の統計データを再掲する

国内衣料品生産を増やすという大手アパレルの「正論」は実現不可能に近い

2021年12月24日 製造加工業 1

少し前に大手総合アパレルが国内生産比率を大幅に高めるという報道に対して実現不可能ではないか?とこのブログで書いた。 その考えは今も変わっていない。 大手アパレルの国内増産計画は「画に描いた餅」ではないのか? – 南充浩 オフィシャルブログ (minamimitsuhiro.info)   以前から、比較的製造加工業者の知り合いが多い方だと思っている

すでに「何でもサステナブル」な状態の繊維・衣料品業界

2021年12月13日 トレンド 0

以前にも書いたが、当方は環境に配慮したり公害が出ないようにすることは必要不可欠だと考えているが、行き過ぎた環境配慮や、現在の技術レベルでは実現不可能なことを今すぐ実現しようとすることには全く賛同していない。   【ファッションとサステイナビリティー】ファッション企業の調達実態調査 97%が環境・社会配慮品を販売 | 繊研新聞 (senken.co.

「ナンタラ率」という「数字をもてあそぶ輩」にご用心

2021年12月7日 誰がアパレルを殺すのか 0

目安となる数値とは便利なものではあるが、使い方や読み方を誤るととんでもない結論が導き出される。 また、意図的に人を騙すために数値を使う詐欺師もいる。 さらにいうと、なんだか分かったような雰囲気作りのために数値を使用する詐欺師もいる。 例えば、数年間の売上高の推移とか、営業利益額の推移というグラフは「事実」なので非常に有効な資料だといえる。しかし、増減率の推移

繊維・衣料品業界の初歩的な常識を消費者はほとんど知らない

2021年11月25日 売り場探訪 2

我々の社会は極度に高度化かつ細分化されており、全ての分野を深く知ることは不可能である。 せいぜいが、自分と関わり合いのある業界の何分の一かを知れれば大したものだといえる。 そんなわけで、一般大衆と各業界との齟齬は開くばかりだと感じる。 繊維・衣料品分野も同様だが、食料品と同等に、毎日欠かさず触る物だから一般大衆にも必要以上に馴染みができてしまい、却って関係が

それってどこが「エコ」なの?

2021年9月29日 トレンド 3

環境に配慮することは必要で、公害垂れ流しが良いとは全く思わない。 1970年生まれの当方の子供の頃は、日本全国に公害が溢れていた。小学生時代は夏になると毎日「光化学スモッグ」警報が発令されていた。 あれを見ない小学生の夏は無かったのではないかと思う。 それ以外にも河川の水質汚染も深刻だったし、琵琶湖では毎年夏には赤潮とか青潮とかカビとか発生し、琵琶湖から水を

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