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ウィキペディアに「ジャヴァがファンドに売却される予定」て書かれているけど本当なのかな~?(後日追記あり)

少し前から伊藤忠商事が子会社のジャヴァホールディングスを売却するという噂がチラホラあった。

売却先は投資ファンドのエンデバー・ユナイテッドだという。
製造業から飲食、アパレルまで手広く買っており、飲食だとピザハットを買収したし、アパレルだとパレモや花菱縫製を買収した。

現在のところまだ発表されておらず、譲渡は4月1日付だといわれている。
にもかかわらず、ウィキペディアのジャヴァグループのページにはすでに

その伊藤忠もついにJAVAグループを投資ファンドであるエンデバーユナイテッドに2018年に友好的M&Aされる(あるいは売渡し)予定である



https://ja.wikipedia.org/wiki/ジャヴァグループ

 

と書かれてある。
これは本当なのかなー???(棒)

で、今回の売却の噂についてはさまざまな意見がある。
しかし、個人的に注目したのが、ジャヴァの某OBの声だ。

そのOBによると、

今回の売却は好影響を及ぼすと見ています。

という。

なぜなら、

3~4年前に50代以上の社員をリストラしましたが、実は不十分で、今でもジャヴァホールディングスの社員構成比率は50代以上が50%以上を占めています。これを大リストラするならジャヴァは好転するのではないかと思っています。

とのことだ。
さらに突っ込んで聞くと、

50代以上の給与が高止まりしているので、若手はその割を食ってこれまで昇給が非常に低かった。リストラが行われて若手が昇給するようになれば、若手の士気は高まるのではないでしょうか。

ということで、なるほどそういう効果は期待できそうだ。

しかし、ウィキペディアに書かれているだけで事実はどうなるのか、依然不明だ。(棒)

さて、仮にこれが事実だとして後日発表されたとすると、アパレル業界はまた大きな衝撃に見舞われるだろう。
アパレルの再編はまだまだ進む。

これに限らず、さまざまな買収、売却の噂が絶えない。
それも著名な会社ばかりだ。

先日、商業界に「アパレル業界でM&Aが加速するワケ」というようなタイトルの記事が掲載されたものの、まったく「ワケ」が書かれておらず、読後おもわず「なんじゃこりゃー」と叫んでしまったが、事実を羅列するだけでもM&Aの多さがわかる。

現在耳にしている噂だけを列挙すると、

・投資ファンドに買われた某社だが、早くもその投資ファンドが手放したがっている
・中国資本に買われた某社だが、中国資本も手放したがっている
・大手セレクトショップが身売りを検討している
・大手チェーン店が某社に身売りを持ちかけたが、あっけなく断られた

まあ、ざっとこんな感じで、それが事実になるのかどうかはわからないが、これほどまでに身売りを検討している大手があるということで、逆にファンドや異業種はアパレル業界に乗り込んだものの、思うような結果が出せずに早々に再売却を検討していることも珍しくないということだ。

一方で、ニトリやドン・キホーテのような異業種はアパレル業界に可能性を見出して進出を計画している。

ニトリのアパレル進出宣言は話題となったが、その後の具体的な進展をまったく聞かないので、ZOZOSUITと同じだろうかと思わずにはいられない。

ZOZOSUITとプライベートブランド「ZOZO」は期待感ばかりが先行して、実物はなんだか拍子抜けする程度のもので、この辺りが異業種のアパレル参入の限界なのかもしれないとも個人的には感じている。

それよりも国内アパレルが脅威に感じなくてはならないのは、ゾゾなんかよりもAmazonのプライベートブランドになるだろう。
このAmazonに関しても、先ごろ、米本社、東京、シンガポールの幹部が大阪市中央区・本町の会社を買収するために会議が開かれていたという噂があり、大阪市本町といえば繊維街だから、PBウェアのための下準備ではないかと推測してしまう。

先日、掲載された週間SPA!にアパレル業界は今後どのようになると思うか?
と尋ねられたので、「大手がますます巨大化して、さまざまなブランドや企業を傘下におさめると思う」と答えた。

大手は自前でブランドを開発する必要がなく、現在、身売りを考えている大手チェーンや大手セレクトを買収すれば簡単に新ブランドを獲得できる。
現に、某大手企業が先日、M&Aに関する説明会を開催し、顔見知りの新進ベンチャーブランドも話を聞きに行ったという。
その際、彼らは「うちはもう自前で新規ブランドを開発しない。今までから同じようなブランドばかり立ち上げてきたから。それよりもまったくテイストやジャンルの違うブランドや会社を買収する。貴社もその候補に入っています」と言われたとのことだ。

高度経済成長期やバブル期にはさまざまなアパレル企業がベンチャー的に立ち上がり、ビッグブランドに成長した。
その後の、90年代半ばの裏原宿ブームはその最期の名残ともいえる。しかし、結局、裏原宿ブランドはどれもビッグにならず、ベイシングエイプも香港企業に買収された。

バブル期や裏原宿ブーム期に一部の業界人が期待した「これからは大手ではなく小型の個性派ブランドがどんどん生まれて、ファッション業界は多様化する」というようなビジョンは、単なる美しい幻想に過ぎなかったということになる。
アパレル業界は今後さらに再編が進み、大手企業や投資ファンド、外資が次々に有名ブランドをM&Aしていくことになるだろう。

我が国も欧米のように、「ブランドを立ち上げて育てて大手資本に売ってそれが人生の上がり」というようなスタイルが定着していくことになるのではないかと思う。

と、このブログをアップした数時間後正式発表があった。

3月31日追記

伊藤忠が神戸の名門アパレル、ジャヴァHDを投資会社に売却
https://www.wwdjapan.com/593477

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5年後ダメになっているアパレルを3つ挙げてみたよ
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ストライプデパートメントの事業計画が控えめであることは正しい

ストライプインターナショナルとソフトバンクが提携し、合弁会社ストライプデパートメントを設立し、ECモールを開設した。
これに対して様々な意見があるが、個人的にはピンと来ない。
いつも眉唾で見ている経済系インフルエンサーやスタートアップ界隈も賛否両論に分かれている。

期待している人たちには申し訳ないが、彼らの目論見ほどは広がらないのではないかと見ている。

「日本一のファッションECデパートに」ストライプとソフトバンクの合弁会社がF2層向けオンラインモール開設
https://www.fashionsnap.com/article/2018-02-15/stripe-department/

ターゲットはF2と分類される35歳~49歳の女性で、百貨店ブランドをそろえる。

スタート時は、百貨店で取り扱いがある「ビューティフルピープル(beautiful people)」「タロウ ホリウチ(TARO HORIUCHI)」「アキラ ナカ(AKIRA NAKA)」といった国内ブランドや、三越伊勢丹のプライベートブランドなど約600ブランドのアイテム計6万点以上をラインナップ。

とのことで、

アパレルと雑貨が6対4、今後はスポーツアパレルや美容・健康分野を増やし、セレクトショップや海外のハイブランドの出店も視野に入れている。基本的に委託販売で、物流は外注。客単価は1万5,000円を想定し、取扱高の目標は初年度16億円、3年後に100億円。事業計画として、取り扱い3000ブランド、購入顧客数300万人、1000億円の取扱高を目指す。

としている。

百貨店ブランドや百貨店価格帯を扱うECというのはたしかにあまりなかったから、挑戦してみる価値はあると思う。
しかし、なかなか上手く行かないのではないかと思う。
実際に、事業計画もそれほど大きくない。
初年度の取扱高は16億円と抑えているし、3年後の取扱高も100億円と控えめだ。

取扱高というのは、出店テナントの売れた総額で、ストライプデパートメントはそこから手数料やら出店料をもらうという形になっている。
取扱高が16億円というのは、初年度の出店ブランドすべて合わせた売上高が16億円ということで、商品単価の高さや出店ブランド数から考えるとそれほど大きな数字とは言えない。

むしろ、かなり控えめに見積もっているといえ、ストライプデパートメント側もかなり慎重である。当方としてもこれくらいが妥当で、もしかしたらこの見積もりを下回るのではないかとも思っている。

そもそも衣料品をEC、ネット通販で買う人は業界人やスタートアップ界隈が想像しているより少ない。
先日アップした当方のブログでもそれをまとめている。

ファッション性が高くて高価格な服はインターネット通販では売れにくい

・1年に1回以下服をECで購入する人が8・6%
・直近の1年間は購入していない人が13・5%
・インターネットで服を買わない人が36・0%

という数字になっており、合計すると58%強にもなる。
いかにインターネットで服を買う人が少ないかである。

で、インターネットで服を買う場合、

・試着したことがあったり、以前に買ったことがあってサイズ感がわかっている
・生地を触ったことがある

この2点をクリアできない限りは高額な洋服は売れにくい。

先日の記事でも紹介したが、圧倒的に利用されているのはユニクロ(22%)で、それにニッセン、セシール、ベルメゾン、ゾゾ(それぞれ9%ずつ)と続く。
どれも低価格帯の商品を扱っているところばかりだ。

唯一ゾゾだけは違う印象があるが、ゾゾも近年はウィゴーやタカキュー、ジーンズメイトなどの低価格ブランドの出店が相次いでおり、低価格帯の商品量が増えている。
ゾゾの利用者(9%)の何割かはこれらを利用しているのではないかと見ている。

インターネットで購入される衣料品の主力は、サイズ感が厳密ではないTシャツ類・カットソー類・セーター類となり、あとは肌着や靴下となり、これもブラジャーやガードル、コルセットなどのファンデーションは除いてサイズ感が厳密ではない。
オッサンがワイシャツの下に着る肌着Tシャツなんて1センチや2センチ小さかろうが大きかろうが大した障害ではない。
靴下だって同じことだ。1センチ小さいからといってさほどの弊害はない。

こう考えるとストライプデパートメントが狙っている百貨店価格帯の衣服がそう簡単には売れるのかと疑問に感じる。
恐らくは売れないだろう。だから取扱量が控えめに16億円となっているのではないか。

またターゲット層としているF2層がそれほどネットで高額衣料品を買うかどうかも怪しい。
当方はほとんど買わないと見ている。

もちろん、ユニクロやらニッセン、セシール、ベルメゾンなんかの低価格品は買うだろうが、試着もせずに生地も触らずに1万円を越える服をネットで買う人がそれほど多いとは考えられない。

返品・交換のめんどくささを考えると、触ったこともない衣料品をインターネット通販で買う場合は、「もし合わなかったら捨てても惜しくない」という値段帯に限られるといえる。

この辺りを冷静に考えて、初年度取扱高(くどいようだが売上高ではない)を16億円と控えめに設定しているのではないかと思う。
新しい物好きのスタートアップ界隈ですら否定論が散見されるのはこの辺りを踏まえてで、無条件にワクテカしているスタートアップ界隈はよほどに無邪気な性質なのだろう。英語でいうところのnaiveである。

また、ストライプデパートメントの集客もなかなか難しい。
そもそも知名度がない。
凋落しているとはいえ、ニッセン、セシール、ベルメゾンがゾゾと同率で利用されているのは、以前からカタログ通販としての知名度が強固だからだ。
またカタログを利用していた人たちの中にもインターネット利用へ乗り換えた人も多いだろう。

そのどちらもストライプにはない。

さらにいえば「ストライプ」という社名・ショップ名とF2層もミスマッチである。
ストライプインターナショナルといえば、アースミュージック&エコロジーやイーハイフンワールドギャラリーなどのブランドが知られており、圧倒的に10代・20代前半の若い女性層(F1層)での知名度が高い。
当然、社名に対するイメージも若い女性層と密接にリンクしており、F2層とはマッチしない。
F2層の人で、ストライプという社名を聞いて自分たち向けの衣服を販売しているとイメージする人がどれほどいるだろうか。
恐らくほとんどいないのではないかと思う。

「あ~、若い女の子向けね」と思う人がほとんどだろう。

となると、社名・ショップ名に「ストライプ」の冠を付けてF2層を狙うというのは得策ではない。

ある知り合いが「ソフバンデパートメントという名前の方がよかったんじゃないですかね?」と言ったが、ソフバンではあまりにダサいが、ストライプを冠する必要性はまるでなかったと思う。

ソフバンとストライプでSSデパートメントか何かの店名の方がよかったのではないか。

そんなわけで、ストライプデパートメントが爆発的に売れるということは考えにくく、ストライプインターナショナルが展開するメチャカリ同様に少数安定的な売れ行きで推移するのではないかと思う。

市場を開拓するにはさまざまな挑戦が必要となり、今回も貴重な挑戦だとは思うが、これは嚆矢に過ぎず、すぐさま成功をおさめられるような事業プランではない。
目標に掲げている取扱高1000億円に到達するには相当に長い期間が必要となるだろう。

NOTEを更新~♪
プライベートブランド「ZOZO」の生産システムは、現時点では「完全オーダーメイド」ではない
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ファッション性が高くて高価格な服はインターネット通販では売れにくい

相も変わらずアパレル業界人もメディア業界人も経済系インフルエンサーもインターネット通販比率を高めることが、アパレル復活のための最有力な手段だと信じているが本当だろうか。

インターネットで服「も」売れる時代にはなったが、インターネットで服「を」買いたいという志向ではないと見ている。
ファッション専門学校生に聞いてもインターネットで買う物は圧倒的に服以外が多い。
雑貨、日用品、アクセサリー、消耗品、本などなどだ。当方はそこにガンダムのプラモデルが加わる。

インターネットで服を買いづらい理由は

1、サイズ感がわからない
採寸データの明示だけではシルエットは類推できない。採寸データはあくまでも数値で数値さえ合えばサイズが合うというものではない

2、素材感がわからない
その素材が薄いのか厚いのか、固いのか柔らかいのか、伸縮率がどれくらいかは触ってみないとわからない

この2つだと思う。
サイズの不安を払拭しようとしているZOZOTOWNの取り組みは流石だと思うが、素材感までは解決できない。バーチャル触感みたいな技術が開発されない限りはこれを払拭する手立てはない。

で、統計データではインターネット市場が伸びているとはいえ、それは服も含めての市場規模であり、インターネットでも買いやすい雑貨、日用品、消耗品、部品、家電などが多分に含まれていることを忘れてはいけない。
「インターネットなら服が売れる」論者はそこを考慮していないのではないかとさえ思う。

ファッション通販サイトに関する最新のアンケート結果がある。

【ファッション通販サイトに関するアンケート調査】
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000557.000007815.html

ZOZOにばかり目を奪われ、ユニクロはネット通販比率が低いからダメとか言ってた連中は息をしているのか?という結果になっている。

まず、購入頻度だが

◆インターネットでの衣料品の購入頻度
直近1年間にインターネットで衣料品を購入した人は5割、男性4割強、女性6割です。購入頻度は、「3~4ヶ月に1回程度」「半年に1回程度」がボリュームゾーンとなっています。



とのことで、購入頻度はそれほど高くない。
毎月ネットで服を買う奴なんてごくわずかのマニアに過ぎない。
マニアを基準に語るからアパレル業界は不振業界になっている。これはネット通販に限らずである。

そして「インターネットで服は購入しない」という人も36%存在する。

 

◆衣料品を購入した通販サイト
直近1年間に衣料品をインターネットで購入した人のうち、ファッション通販サイトでの購入者は8割です。提示した選択肢の中では、「ユニクロ」が22.0%、「ニッセン」「セシールオンラインショップ」「ベルメゾンネット」「ゾゾタウン」が各9%台となっています。

「ショッピングモールサイト(楽天市場、Yahoo!ショッピング、Amazonなど)」での購入者は5割弱、30・40代で比率が高い傾向です

とのことで、業界的・インフルエンサー的見地からすると圧倒的に注目度が高いはずのZOZOはユニクロの利用率の半分以下で、苦戦が伝えられるニッセン、セシールあたりとまったく同率となっている。
ZOZOを利用している人は決してマスカスタマーではないということがわかる。

ユニクロは圧倒的に利用率が高い。「ユニクロはネット比率が低いのが弱点」論者は息をしているのだろうか?

当方でもユニクロのネット通販を利用するが、それ以外のブランドはほとんどネット通販で買わない。
理由は、先ほどの2点をユニクロがクリアしているからだ。
全国800店以上あり、自宅近所にも職場近所にも、また乗換駅近所にもユニクロはあり、そこで一度は試着したり生地を触ったりしているからだ。店に寄る時間がないときはネットで注文をする。

他のブランドの利用率が低い(例:ユナイテッドアローズ1・9%)のは、店数が少なくユニクロほど気軽に試着しに店に入れないからだろう。
ユナイテッドアローズでユニクロのように気軽に入店して試着することも生地を触ることも難しい。
消費者の大嫌いな販売員が絶対に近づいてきて会話をしなくてはならない。
そんなめんどくさい思いまでして服なんて誰も試着したくない。

さらにいえば、ユナイテッドアローズの服はユニクロほど安くない。
試着せず、生地を触らずに「試し」で買うにはハードルが高い。
もちろん、返品交換はできるかもしれないが、送料がかかったり再梱包して集荷をお願いするめんどくささがある。
今年の1月に2度Amazonでサイズが合わなくて返品したことをこのブログで書いたが、送料無料とはいえ、再梱包と集荷のめんどくささは感じた。次からその作業はしたくない。
だからサイズがわからない服は通販では買わない。

またファッション単独サイトよりもAmazonや楽天、Yahoo!での買い物が多い。
これは取りも直さず、衣料品をネットで買いたいという人がそこまで多くないということで、衣料品以外が豊富にそろっているその3サイトに訪問者が集中しているということである。

購入品目にもそれが表れている。

◆インターネットで購入した衣料品
直近1年間にインターネットで購入した衣料品は、「下着、インナー」「Tシャツ、カットソー、ポロシャツ」「パンツ、ズボン、スラックス」が購入者の3~4割です。男性20~40代では「Tシャツ、カットソー、ポロシャツ」が最も多く、「ニット、セーター、カーディガン」は女性で比率が高くなっています。

とのことで、サイズ感が多少違っていても伸縮するから着やすいTシャツ、カットソー、セーター、肌着類が多い。
パンツが上位にあることが以外だが、これは

1、昨今イージーパンツ系が流行している
2、昨今ワイドシルエットが流行している

この2点が理由ではないかと思う。
イージーパンツ系はウエストがゴムや紐になっているので、通常のパンツよりもサイズが厳密ではない。
また、ワイドパンツが流行していて、太ももやヒップのサイズも緩い。
これが以前のようなタイトシルエットしかない状態だったらここまで上位に来たかどうか。

サイズ感とフィット感が重視されるスーツやビジネスコート、ドレスシャツはまったく姿を見せていない。
当たり前で、ZOZOSUITが最も必要とされるのはTシャツやジーンズなどではなく、これらのアイテムに対してだろうと思う。
あとは5ミリの違いでも履けなくなる「靴」というアイテムにも最も必要とされる。
Tシャツやカットソーなんて1センチや2センチなんてどうとでも伸び縮みするからまったく不要だ。

回答者のコメントも非常にためになるので以下に貼り付けておく。

◆衣料品を購入する通販サイトの不満点・改善してほしい点 (全1,942件)
・自分から検索しないと出てこないので、何となくのイメージで探したい時には不向き。(男性28歳)
・サイズ感がわからないので、試着できるようなシステムがあれば嬉しい(特に靴)。またズボンなどは裾上げなんかもできればバッチリ。(男性35歳)
・品切れ中の商品を出品欄に載せないでほしい。(男性36歳)
・金額が小額だと送料と合わせてあまりお得な金額にならず購入を断念する事がある。(男性48歳)
・選んで服の上下の組み合わせなど提案してほしい。(女性22歳)
・着用モデルが外人だと逆にイメージしづらい。イメージしやすいように一般人に近い体型の人をモデルに使ってほしい。(女性31歳)
・モデルが着ていない服は、丈の長さがわかりにくいので、モデルの身長と共に着ていてほしい。同じカットが多いものもあるので、後ろ姿などもみられるとわかりやすい。(女性40歳)
・詳しく調べなくても商品の在庫がわかるようにして欲しい。(女性58歳)

となっており、「見た目の綺麗さ」とか「見た目のかっこよさ」だけを追求したサイトでなんて到底服は買えないということである。
外人モデルというよりも、ステージ向けモデルは体型が一般人と違いすぎて「イメージ写真」には適しているかもしれないが、購入してもらうページには不要である。
例えば、冨永愛さんの全身像が映っていて、一般人がその体型を見て参考になるだろうか。まったくならないだろう。
男性だって同じで購入ページに阿部寛さんが映っていて参考になるわけがない。阿部寛さんの身長は190センチもある。

この結果を見ると、ファッション業界人が期待するほど服は売れてないし、ZOZOの利用率も高くない。
逆に経済系インフルエンサーの指摘するユニクロ危機論も的外れにもほどがある。

ファッション性が高く、高価格な服はインターネットでは売れにくい。

これを前提として組み立てないと、またぞろアパレル業界は苦戦を強いられることは間違いない。
まあ、考えが浅くて自意識過剰な人が多いアパレル業界人がこの事実を直視するのは難しいのだろうけど。

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ZOZOSUITによってユニクロは終わる?いや、終わらないよ(後編)

さて昨日の続きを。

ZOZOSUITによってユニクロは終わる?いや、終わらないよ
http://minamimitsuhiro.info/archives/1964.html

ZOZOSUITの登場に浮かれるのはご勝手だが、「ユニクロ終わる」ってのは違うかなと。
たしかに、このシステムはIT系・アパレル系はだれもが夢想したと思うが、資金のことが念頭にあって実際にだれも実現にはこぎつけなかった。
これを実現化したことだけでもやはりスタートトゥデイはすごいとは思う。

しかし、スタートトゥデイを持ち上げすぎるのはどうかとも思う。

ユニクロに限らず、個人情報を積み上げている企業は意外に多い。
ニッセンや千趣会などの通販大手なんて何十年にも渡って莫大な個人情報を積み上げている。
ただ、好調なベルーナを除く不振大手通販各社はその情報の分析が甘くて生かし切れていないのである。

スタートトゥデイが今後、新規投入するプライベートブランド「ゾゾ」について考えてみよう。

今回のスーツで採寸したデータをゾゾの製造に生かして、「究極のフィット感」を実現するそうだが、テイストがベーシックカジュアルであること以外、何も発表されていない。
このため、現時点で商品について外野がワーワー言っていてもまったく意味がない。

それと、採寸によって「洋服はオーダーメイドに回帰する」なんてぶち上げている人もいるが、「ゾゾ」ブランドに関しては、オーダーメイドは当てはまらないと思う。

オーダーメイドをぶち上げている人はフルオーダーをイメージしていると思うのだが、現時点で分かっていることから推測すると、それはありえず、パターンオーダーになるのではないかと考えられる。

なぜ、フルオーダーでないかというとそれは「ベーシックカジュアル」とされている時点で超高価格はあり得ない。
それこそユニクロで買えるテイストの物を超高価格にしたって意味がない。
もちろんユニクロほどの低価格にはならないだろうが、そこにある程度近しい価格にしようとするならフルオーダーでは無理だ。
例えば、ジーンズの最高価格は1万9000円までだろう。2万円を越えるようなジーンズはおいそれとは売れない。理想を言うなら、15000円未満だと思う。
となると、バカ高くなるフルオーダーは使えない。

パターンオーダーになると、ツープライススーツショップですでにスーツ28000~38000円で作れる量産システムが確立されているので、ある程度の価格帯に抑え込むことが可能になっている。

それにZOZOTOWN出店ブランドの中には高価格帯カジュアルを扱っているところも多く、そこと競合させることは考えにくい。
あくまでも出店ブランドとコーディネイトが可能で隙間を埋めるようなベーシックカジュアルになると考えた方が間違いがないのではないか。

どうもフルオーダーとパターンオーダー(セミオーダー、イージーオーダー)をごっちゃに考えている人が多すぎるのではないか。
一般消費者ならそれは仕方がないが、業界人がその違いと価格差を理解していないのはいかがなものだろうか。

また、サイズを測定して「究極のフィット感を実現」というけれども、カジュアル服にそこまでの「フィット感」が必要だろうか。
究極にフィットさせるとレオタードになってしまうが、そういうフィット感をカジュアルに求める人は数少ない。
手足の丈の長い短いという問題は解決されるだろうが、その部分以外では既存の他社カジュアルブランドをすべて駆逐することは考えにくい。1センチの身幅の狭い広いはどうでもよいと考える人が多いのではないか。

究極のフィット感が求められるのはレオタードと競泳用水着くらいだろう。

逆に現在トレンドのルーズフィットの場合、フィット感は必要ない。

個人的に興味があるのが、採寸した体型データをもとにして、どの程度のサイズ感にアレンジするのかである。
レオタードみたいにピチピチにする必要はなく、データをもとにしてどれくらいのゆとりを衣服に持たせるようにアレンジするのかという問題は簡単なようで意外に難しい。
逆にレオタードを作る方が簡単だろう。データに合わせてぴったりさせれば済むのだから。

データをもとに2センチゆとりを作るのか3センチにするのか。
ルーズフィットなら何センチのゆとりを持たせるのか。

ここの決断はかなり難しいのではないかと外野からは推測する。

どのような決断を下したシルエットが提示されるのか興味は尽きない。

また、繰り返しになる部分もあるが、ファッションにはさまざまなテイストがある。
アメカジ、モード、トラッド、フェミニン、などなどだ。

このすべてのジャンルを「ゾゾ」ブランドが網羅できるはずもないし、するとは到底思えないので、市場すべてを「ゾゾ」が占有してしまう可能性は限りなくゼロに近い。
大真面目にそれを考えている人は、たった6兆円で売却されたモンサントが「世界征服をする」と考えている人と同じくらいナンセンスだ。
たった6兆円で世界征服できるなら、もっと早くにいろんな国が買収していただろう。

となると、ゾゾはベーシックカジュアルとプラスアルファを販売しながら、ゾゾタウンへの出店ブランドに体型データを供与して、そのブランドが製品開発に生かすというのが最も現実的な予想ではないか。
出店していなくても、ビジネスとしてユニクロや無印良品などに体型データを販売することも考えられる。
また肌着メーカーやスポーツウェアメーカーにデータを販売することもあるだろう。

さらには前澤社長は「靴の開発に向けたサイズデータ収集を始める」と言及しており、衣料品よりも5ミリのサイズの違いにシビアな靴というジャンルにこそ、この採寸データシステムは相応しい。
洋服はサイズが5ミリや1センチ違っても着られるが、靴は5ミリ違えば足さえ入れられない。

そうなると、このシステムで究極のフィット感が求められるのは服ではなく靴である。
究極のフィット感が得られる靴なら興味はある。

よほど特殊な固い素材でもない限り洋服はそこまでシビアにサイズは求められない。とくにカジュアルは。

以上のように考えると、ゾゾブランドのベーシックカジュアル衣料品は、現在の市場を壊して占有してしまうほどの商品ではなく、現在あるうちのワンオブゼムとして消費者の選択肢の一つになるのではないか。
また当然、今回のニュースですでにデータを所有している大手通販各社やユニクロ、パターンオーダースーツブランドはさらに研究を深めるだろうから、ある程度の全体のレベルアップも見込める。

話題性によって市場を活性化する可能性はあっても、ゾゾが占有してしまい現在の実店舗はすべて終わるというのは、ちょっと考えにくい。
一般消費者やタレントならそういう予想に酔っても良いが、自称も含めて業界の専門家が浮かれてしまうのはどうかと思う。まさに消費者と専門家(自称も含めて)の差が無くなりつつあるとしかいえない。
今回のZOZOSUIT騒動ではそのことが露呈したのではないか。

NOTEを更新~♪
三越伊勢丹HDが「ケイタマルヤマ」を手放す理由とは?
https://note.mu/minami_mitsuhiro/n/n06274a064cba

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ZOZOSUITによってユニクロは終わる?いや、終わらないよ

今、業界で話題なのがZOZOSUITだろう。
これについてはZOZOが開発するプライベートブランド「ゾゾ」の詳細が何一つ明らかになっていないにもかかわらず、空想・妄想織り交ぜて盛り上がっている。

「ゾゾ」ブランドはベーシックカジュアルであるということ以外、ラインナップも価格帯も初年度販売目標も何も発表されていない。
だから現時点ではどんなに優れた推測でも推測の域を出ず、妄想のから騒ぎというふうにしか見えない。

さて、ZOZOSUITだが、着用することで瞬時に体のデータを計測するという優れもので、これはたしかに革命的といえる。
しかも希望者には無料で配布するとのことだから、話題が沸騰するのも当然である。

しかし、先走りすぎている人も多くいるように見え、なんだか勝手に一人で泣いたり騒いだり、意味のわからないポエムを書いたりで、なんとかならんのかなと思う。

ZOZOSUITの考察についてもっとも賛成するのがこのブログである。

ZOZO SUITが「マーケティング」「コンテンツ」「マネタイズ」の全ての要素を揃えた最強のフリーミアムになる可能性の理由
http://ryoheiyotsumoto.com/zozosuit/

このZOZO SUITがどれぐらいの数がばらまかれているのか?はわかりませんが
ZOZOがこのデータを手に入れることで
今まで誰も揃えたことがなかった「3つ」の個人情報を揃えることが可能になります。

1、名前、生年月日、性別、住所、それに購入金額や決済使用カードから予想される「収入という個人情報」
2、ファッション的な観点の趣味趣向。という「個人インサイト情報」
3、体のサイズ。という「身体的個人情報」
この3つのデータを膨大に持ってる企業は未だかつて無いんじゃないでしょうか?

それこそ学校で身体測定やってるお国ぐらい。
この意味わかりますか?

アパレルの総合小売EC(売り場編集)で集めた「顧客データ(リスト)」を使って、
全く新しいマネタイズ方法が可能になるデータをZOZO SUITで手に入れている。
しかも、本来なら「お金」渡して手に入れたい情報を「無料で勝手に向こうから定期的に送ってきてくれる」
ZOZO SUITを無料で提供するフリーミアムでフロントエンド商材として提供し、
今まで誰も手に入れる事ができなかった種類の膨大な量の個人情報を手にする。
カンの良い人ならわかるともいますが、

このデータを持つ事だけで、別に「洋服」を売らなくても十分儲かるネタなんですよ。
洋服売るのは「おまけ」でもいけるぐらい。笑
そのぐらいこの「個人情報」は誰も持っていない情報なんですよ。
しかも、これが定期的に個人のデータが更新されて蓄積していくなんて継続性ある稼働率としたら、、、
あらゆる業界の「ホスト側」としてSTART TODAYは君臨するでしょうね。

との見方で、これが今回のZOZOの真の目的だといえる。

もうすでにZOZTOWNは生年月日、住所、性別などの膨大な個人情報をすでに持っている。
あんまりピンと来ていない人が世の中多いみたいだが、この個人情報というのは貴重なデータで、今まで企業はこれをわざわざカネを払って買っていたのである。

ネットで「個人情報を登録してくれたらもれなく10ポイント進呈」とか「1000円進呈」とかやっているが、だれも親切として見ず知らずの他人に10ポイントとか1000円とかを恵んでやりたいわけではない。
それはそれだけのカネを払ってでも手に入れたいデータなのである。

ZOZOはそういう個人情報に加えて何万人か分の体型データまで入手してしまう。
通常ならその体型データは企業がカネを払って購入するところだが、今回は向こうから無料で送ってきてくれるのである。

そこまでの個人情報をZOZOが握ってしまうのはなんとも不気味だと個人的には感じる。
だからもともとZOZOでは買い物をしたことがなかったし、今回のZOZOSUITは申し込まない。
しかし、それに乗ってみるという選択も理解できる。
以上のことが分かっていて乗るならそれは立派な選択だが、理解せずに乗るのは疑問を感じる。
情弱は他人の養分にされるだけの存在としか言いようがない。

それはさておき。

今回の件で、「ユニクロ終わった」とか言っている人がいるが、それは少々早計ではないか。
ユニクロは終わらない。
すでにユニクロもオーダージャケットやオーダースーツによってある程度の体型データを集めている。
おまけにネット売上高は450億円もあり、あの単価でその総額を売るためにはどれほどの人間がユニクロのオンラインストアで買っているかである。
その膨大な数の個人情報がすでに蓄積されている。

それらのデータをユニクロが今後さらに精度を高めて利用することは十分に考えられる。

また、ユニクロが本当にZOZOを脅威だと思えば買収したり、業務提携や資本提携をするだろう。それだけの資本力は持っている。
ZOZOからデータを購入することもあるだろう。

さらにいえば、ZOZOが衣料品業界にある種々のテイストすべてを自社製品で網羅することはできない。
網羅できない(しない)テイストのブランドは確実に生き残る。

旧型アパレルが終わるのではないかと思うが、カネを支払ってそういうデータをZOZOから購入すれば終わることもない。

あと「ゾゾ」ブランドのPB商品についても考えてみたい。
どうも早とちりでフィーバーしすぎている人が多い気がする。

ちょっと長くなってきたので、続きは次回にしたい。

NOTEを更新~♪
三越伊勢丹HDが「ケイタマルヤマ」を手放す理由とは?
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9月下旬にブログの仕様を変えて、更新通知が届かなくなった方がおられると思いますので、お手数ですが、新たにRSS登録をお願いします。

株価下落が続くTOKYOBASE

このところ、TOKYOBASEの株価の下落が続いている。
本日も小幅だが下落基調で推移しており、4300円を割り込んだ水準での上下となっている。
直近の株価からもう2000円くらいは優に下がってしまっている。

まだ記憶に新しい缶ビール接客の翌日ですらほとんど株価が下落しなかったのに、どうしたことだろうと思って、株式売買のサイトを眺めていたところ、その理由として先日行われた第2四半期決算が原因だと分析されていた。
昔でいうところの中間決算である。

TOKYOBASEの2018年2月期の第2四半期決算(非連結)、昔でいうと2017年8月中間決算は、

売上高55億5000万円(対前期比53・7%増)
営業利益6億6300万円(同91・7%増)
経常利益6億6300万円(同91・0%増)
当期利益4億5700万円(同96・8%増)

となっており、金額としては小規模ながらも大幅増収増益となった。

これでどうして株価の下落が始まったのだろうか。

株式売買サイトでのフィスコの分析によると、営業利益が91・7%増と大幅に増えているにもかかわらず、通期決算の業績見通しを据え置いたことが原因だとされている。

通期の業績見通しは、前期決算からずっと据え置かれたままである。
まあ、今の世の中、何があるかがわからないから不確実要素は排除しておこうということは理解できる。

通期の業績見通しは

売上高124億600万円(同32・6%増)
営業利益17億5700万円(同36・1%増)
経常利益17億5700万円(同38・8%増)
当期利益12億1200万円(同41・6%増)

とずっと据え置かれたままになっている。
投資家はここが不安、不満だと感じたということになる。

3年くらい前から株式売買を自分でも少しやってみたりチャートを眺めたりするようになったが、投資家の考え方というのはちょっと理解できないことがある。
あとは大口の投資家によって株価はある程度動かされる部分もある。

今回の下落続きはちょっと理解できない部分もあるが、投資家の理屈はこういうことだろう。

「上半期で91%増の利益をあげておきながら、通期業績を据え置いたということは下半期はよほど儲からないと経営陣は考えているのではないか」

というものだろう。

まあ、なるほどそういう見方もあるのかと思う。

実際に下半期の業績予想を見ると、営業利益は前期比で15・9%増だが、金額的には1.5億円しか伸びていない。
金額ベースでいうと、2017年2月期下半期の営業利益は9億4400万円で、2018年2月期下半期の営業利益は10億9400万円である。
ちなみに売上高は19・3%増で11億円ほど伸びている。

投資家からすると、売上高の増えた金額に比べて営業利益の増えた金額は少ないんじゃないのか?ということだろう。
11億円の増収で1・5億円の増益だからだ。

それにしても解せないのは、この連続株価下落をメディアも衣料品業界もほとんど話題にしないことだ。
株価が上がれば「時価総額〇〇円突破」と華々しく報道するにもかかわらずだ。今回の下落の下げ幅は大きいし、下落日数も長い。
本日だって、午後はわからないが今のところは下落が続いている。

なぜこれほどのビッグニュースを話題にしないのか理解に苦しむ。
しかも日経平均が空前の15連騰している最中での連続下落である。これは相当に重症ではないか。

これこそが本物の「忖度」ではないのか。

TOKYOBASEは我が国アパレルの中で数少ない成長企業である。規模的には100億円未満と小規模なので「成長期待企業」と訂正しておこうか。

成長期待企業だから、悪状況はなるべく触れないでおこうと、メディアも衣料品業界も悪質な「忖度」をしているのではないか。
しかし、事実は事実として報道すべきであるし、話題にすべきである。
それができないなら、報道なんてやめてしまえば良い。

それにこういう「忖度」は衣料品業界にとってもTOKYOBASEにとっても良い結果は何一つ生まない。

個人的には業界人がもてはやすほど、TOKYOBASEのビジネスモデルが新しいとは思わない。
むしろ、昔のやり方をそのまま忠実に実行しているようにしか見えない。

先日、炎上した缶ビール接客を抜きにしても、以前からここの接客態度は「馴れ馴れしい」「ため口が不快」という声が多く聞かれた。
もちろん、全販売員がそうでないことはいうまでもないが、「99%に嫌われても良いから1%に好かれろ」という経営陣の思想がそういう販売員をむしろ奨励していた。

店側が客を選ぶというスクリーニングの意味もあることは理解するが、その馴れ馴れしさによる親近感の作り方は、斬新というよりはむしろ古さを感じる。
古くでいえば、バブル期に夜霧に消えたハウスマヌカンだし、新しいところで言っても90年代のマルキューのカリスマ店員であり、裏原宿のショップ店員のやり方である。

また、仕入れ主体の品ぞろえは昔の専門店、草創期のセレクトショップのスタイルだし、「原価率50%」を喧伝して「お値打ち感」を訴えるのは、「良い物を割安で」というダイエーやユニクロの思想の延長線上に位置する。
決して、反ユニクロではなくユニクロ応用版というところである。

さらにさかのぼれば、現金掛け値なしの三井の越後屋(現:三越)の売り方といえる。

基本に忠実であることが効果的である場合も多い。そのことは理解しているが、行き詰ったアパレルビジネスに風穴を開けるような「全く目新しい手法」ではない。むしろ、昔からあるやり方をそのままやっているから逆に目立っているだけなのではないかと思う。

スキニーパンツ、ワイドパンツ全盛の今、70年代のベルボトムやラッパズボンを穿くと異様に目立つというのと同じである。

今後の株価の動きに対しては当たり前だが二通りの見方がある。
今の株価は割高で3000円くらいが適正だという見方と、今は割安で6000円くらいに上がるという二通りである。
次世代のスターが欲しい衣料品業界やメディアは割安だと判断するのだろうが、個人的には3000円くらいとは言わないが、幾分か割高だと感じる。

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シャツ専門アパレル各社の生き残りと消滅を回顧する
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販売政策と商品の値下げから見たライトオンの赤字転落

 最近、こまめにチェックしていなかったのだが、ライトオンの既存店売上高が悪いことに気が付いた。

9月度は既存店売上高が前年比11%減である。で、久しぶりにライトオンの月次売上高の推移をまとめてみようと思っていたら、決算発表があった。(笑)
月次が悪いから決算も当然悪い。

売上高が800億2800万円(対前期比7・4%減)
営業損失が28億4900万円
経常損失が28億8800万円
当期損失が44億2100万円

という減収大幅赤字に転落している。

ちなみに2016年8月期は

営業利益37億3300万円
経常利益36億7700万円
当期利益17億5400万円

だったから、すさまじい減収赤字転落である。

昨年度までは、経済誌や業界紙はこぞって「増収増益でライトオン復活」とはやし立てていたが、途端に一変してしまったわけだ。
経済誌や業界紙の分析、見通しがいかに当てにならないかがよくわかる。

店頭を定期的に見ている当方の感想からすると、月次の苦戦、決算の悪化は予想外だった。
なぜなら、店頭に並んでいる商品そのものは、実は2016年度よりも2017年度の方が良いものが多いからだ。

正直なところ、2016年度はほとんどライトオンで買い物をしていない。
しかし、2016年12月からはライトオンで再び定期的に買い始めた。

なぜなら、商品自体も良くなったし、何よりも投げ売りともいうべき破格値の割引が増えたからだ。
物と割引、この二つがそろわないと当方はなかなか買わない。正確には「買えない」だろうか。(笑)
ライトオンが好調だった2016年度は、物もイマイチだったし、割引率が小さかったから買う物がなかった。

それが、2016年9月以降は、物も良くなったし何より割引率が大きくなった。

けれども冷静に考えてみると、割引率が大きくなったから利益が悪化して赤字転落したともいえる。
ライトオンは過去も随分と決算の悪い時期が続いたが、その間は、当方はけっこうライトオンで頻繁に買っていた。
逆に決算が好転した2015年度、2016年度はほとんどライトオンでは買い物をしなかった。

ということは、当方が買うようになるということは、物自体の出来はさておき、売れなくて在庫がダブついているから投げ売りが行われるということであり、買わないということは投げ売りをせずともプロパーかそれに近い価格で商品が売れているということになる。

いやはや。当方はライトオンにとっては逆バロメーターかもしれない。

それはさておき。

2017年度の月次売上報告を見ると、ほとんどの月で既存店も全店も前年割れを起こしている。
前年をクリアしたのは、2017年11月だけだ。
あと、前年並みといえるのは、2017年5月と8月のみだ。

http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid=1515514

5月は全店売上高が97・2%、8月は全店売上高が99・7%だ。
また既存店も5月は92・0%、8月は97・7%だ。

これ以外の月はすべて10%以上売上高を減らしている。

ちなみにファッションに熱心な人にはあまりライトオンは注目されていないが、実は全国に510店舗強もある。
かなりの店数だといえ、それなりに有力な販売店だといえる。

月次で気になるのは、客単価はほとんど減っておらず、逆に増えている月もあるのに、11月、5月、8月以外が大幅な減収になっているのは、客数が大幅に減っているところである。

前年並みとか数%減の月もあるが、25%減とか15%減という月もある。総じて、客数は減少傾向である。

小売店で気を付けなくてはならないのは、大幅な客数の減少である。
ここで出されている客数は来店客数ではなく、買い上げ客数である。買い上げ客数が大幅に減少しているということは消費者が離れているということになる。

小売店としてはけっこう厳しい状況にあるといえる。
月次報告から浮かび上がるライトオンの状況は、客単価は現状維持から上昇基調にあるが、客数は大幅減が続いている。そのため、売上高が低下しているということになる。

また、赤字転落の要因は、在庫処分のために値下げ販売をしたことで利益を削ったとライトオン自身が認めている。たしかに2015年度・2016年度は値引き販売が少なかった。当方が買わなかったくらいだ。

じゃあ、どんな商品が好調だったのかと問われると、当方は答えられない。ちょっと思い当たらない。

逆に、当時からライトオンの好調な決算は「見せかけだ」という指摘が業界にはあった。
それはどういうことかというと、1つは値引き販売をしないから利益がかさ上げされているというものである。

その分、売れ残り在庫を少なからず抱えてしまった。決算では在庫は資産として計上されるというのは初歩的な知識で、見せかけの資産が増えていたということになる。
その証拠に2016年後半から前年以前の在庫を大幅に値引きして販売するというケースが頻発していた。
例えば、当方が買ったダウンジャケット類だ。

丸八真綿とコラボしたマルハチダウンジャケットだが、2015年冬に投入された。2016年1月の冬バーゲンでもほとんど値引き販売されなかった。これまでのライトオンを知る人間からすると珍しいなと感じた。1店舗あたり結構な枚数が投入されていたから、値引きなしであの枚数が売り切れたとは考えにくい。

しかし、2月後半には店頭から消えていたからおそらく倉庫へ格納したのだろうと推測していたら、2016年秋に昨年商品が再投入された。
やっぱり格納していたのだと確信した。

そして、12月ごろからは大幅値引きで売られ始めた。
定価13000円の商品が8900円くらいまで値引きされた。
その時に、当方は2015年冬に買いそびれていたダウンジャケットを1枚買った。

また年が明けて2017年1月になると、撥水機能のあるモッズコート風ダウンジャケットが5900円くらいに値引きして販売されていた。
たしか定価の6割引きくらいである。これも思わず買ってしまった。
結局このモッズダウンはヘビーローテーションとなり、今年3月まで随分と着用した。5900円のもとは十分にとった。

このように、持ち越した在庫の処分が、2016年後半からは頻繁に行われた。そういう意味で2015年度・2016年度の増益は単に在庫処分を延期させた産物でしかなかったといえる。

そして、業界で指摘されたもう一つの理由は、ライトオンも含めた各社が行っていた「2枚目半額セール」である。
1枚目は定価だが、2枚目は半額になるといういうあの売り方である。
これをやると、無理にでも2枚買う人が増えるが、その反面、2枚買った人はしばらく買わなくなる。
ジーンズでもTシャツでも良いのだが、何せ一挙に2枚手に入るのだから、そのアイテムに関してはしばらく買わなくても事足りる。
そうすると来店頻度も下がる。来店頻度が下がれば購入頻度も下がる。

ネット販売があるじゃないかという声が聞こえてきそうだが、隆盛を極めたといわれるネット販売だが、利用者数は25%強に過ぎない。
裏を返せば75%の人はネット販売を利用しないということになる。

だから、「2枚目半額セール」に対して「単なる需要の先食いに過ぎない」という指摘の声が当時からあった。

販売政策と店頭から見えてくる赤字の原因はこの二つだろう。
2017年度の赤字は、2015年度と2016年度で生み出されたもので、2015年度と2016年度の好調は赤字を先延ばししただけに過ぎなかったともいえる。

さて、ジーンズカジュアルチェーン大手はライトオンも含め、マックハウス、ジーンズメイトも厳しい。
マックハウスは売上高縮小を続けているし、ジーンズメイトは売上高100億円を割り込んだ。赤字続きを食い止めて黒字転換したとはいえ、単に仕入れ量と過剰在庫を減らしただけのことで、抜本的解決には至っていない。

ジーンズカジュアルチェーンの苦戦が続く理由は、ジーンズを基調としたカジュアルウェアという商品がユニクロをはじめとしてどこにでも売られているというところにある。
仮にユニクロがなくなってもローリーズファーム、ジーユー、無印良品、GAP、ウィゴーなどなどがあり、ジーンズというアイテムを基調としたカジュアルウェア、カジュアルスタイリングは扱っていないブランドがないほどに増えている。

そうなると、競争が激化するのは当然で、全社が共存共栄はあり得ない。一人当たりが年間に買うジーンズカジュアルは限られているから、それをどのブランドが占めるかという競争である。

今のままだと価格ではユニクロに勝てず、ファッション性や見せ方では他のSPAブランドに勝てないという状況にある。
ジーンズ業界お得意の「モノ作りガー」という売り方はあるが、それをやれば寄ってくるのはマス層ではなく、マニアみたいな少数派ばかりになる。

ユニクロをはじめとするSPA各社やセレクトショップに埋没しないためにはどうするのか?ライトオンも含めたジーンズカジュアルチェーン各社は真剣にその課題と向き合う必要がある。
残された時間はあまり多くはないと思うが、どうだろうか。

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「原価率50%」商法はナンセンスでしかない
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ネット売上高の増加も実店舗売上高の減少をカバーできなかったユナイテッドアローズの5月度売上概況

 ユナイテッドアローズの5月度売り上げ概況が公表されたが厳しい結果だったといえる。

全社売上高は対前期比4・2%減に終わった。
これだけなら「単に苦戦傾向だったのだな」という話だが、全社売上高の中に含まれているネット通販全店合計売上高は対前期比32・5%増と大幅に増えている。

ネット通販が32・5%も伸びているのに、全店売上高は4・2%減に終わっているということは実店舗売上高がどれだけ低かったのかということになる。

ちなみにアウトレット売上高も対前期比12・7%増となっているから、いかに正規実店舗の売上高が低かったかがわかる。

ネット通販が32・5%増、アウトレットが12・7%と伸びているにもかかわらず、全店売上高は4・2%減なのだから、2つのことが浮かび上がる。

1、正規実店舗の苦戦
2、ネット通販、アウトレットの売上高の小ささ

である。

また5月度は小売全店客数も対前期比3・2%減だから、相当に厳しかったといえる。

4月度も傾向は同じで、ネット通販合計が23・9%増にもかかわらず、全店売上高は1・3%減に終わっている。

ユナイテッドアローズの2017年3月期単体の決算では、ネット通販売上高は202億円、アウトレット売上高は170億円となっている。

このときもネット通販売上高は対前期比で39億円伸びているのに対して、小売(実店舗売上高)は3億1700万円縮小している。アウトレットは3億2900万円増えている。

アウトレットの増加を実店舗売上高の減少で相殺して、ネット通販だけが増えているということになる。

昨今、トレンドに流されやすいアパレル業界の経営方針は、「ネット通販強化」「ネット販売比率向上」を金科玉条のように振りかざして、全員で右へならえを繰り広げているが、これの実現は比較的容易である。

アパレル製品のネット通販売上高は各社とも元が低いので、売上高を伸ばすことは比較的たやすい。
例えば、1000万円の売上高を1500万円に伸ばすことは比較的たやすいが、500億円の売上高を600億円に伸ばすことはかなり難しい。

アパレルブランドの中でもっともネット通販売上高が大きいのがユニクロで、400億円超ある。
当たり前だが他のアパレルブランドのネット通販売上高はこれよりも小さい。

金額自体が小さいものを伸ばすのは比較的簡単だから、各ブランドのネット売上高はしばらくの間は伸び続けるのは当たり前の話である。

また、そうなると自然とネット通販比率は上がるし、ユナイテッドアローズに限らず実店舗売上高は下がるだろうから、ネット通販比率はさらに上昇することになる。

帳簿上の目標はすぐに達成できるだろうが、内実は各社・各ブランドともボロボロになってしまっているという事例は今後珍しいことではなくなるのではないかと思われる。

アメリカではすでに商業施設も含めた大閉店ラッシュが訪れているが、この要因の一つはネット通販の増加と反比例した実店舗売上高の激減だといわれている。

昨年前半ごろまでわが国で「オムニチャネルがー」と叫んでいたオムニチャネラーたちは、おそらくこういう事態を想定していなかったのではないかと勝手に推察している。

実店舗売上高は現状維持ないしは微減で、ネット売上高の大幅増加で、ブランド全体は微増ないし激増という未来図を「口だけオムニチャネラー」たちは思い描いていたのではないか?

しかし、いくら目新しい売り場・売り先が増えても、大衆の可処分所得が増えなければ、どこかほかの売り場での買い物を減らすだけのことである。
これは我が国だけのことではなく、アメリカ人も同じ傾向だったといえる。

ネット通販が増えた分、実店舗での買い物を減らしたというのがアメリカ社会の現在だし、ユナイテッドアローズの4月度・5月度売り上げ概況を見ているとそれと同じ状況であることがわかる。

今後、各社・各ブランドのネット通販売上高は増え続けるだろうが、それに反比例して実店舗売上高は減り続けるだろう。

アメリカと同じくらいの規模で起きるのかどうかはわからないが、商業施設も含めての大閉店ラッシュは近い将来起きると考えられる。
ワールドやイトキン、TSIなどの閉店ラッシュ、地方小型百貨店の閉店ラッシュを見ていると、もうすでに起こり始めているのではないかとも思う。

ネット通販売上高が増えてみんなハッピー.。゚+.(・∀・)゚+.゚

なんて、そんなおいしい話は日本にもアメリカにも存在していない。

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誰がアパレルを殺すのか
杉原 淳一
日経BP社
2017-05-25


ボブソンが再々スタート。ただし成功は容易ではなさそう

 昨日、こんなニュースが上がった。
なかなか思い切ったことをしたと思う。

ボブソンが「ウェア ボブソン」としてリスタート、ファーストシーズンはデザイナーにSISE松井征心起用
http://www.fashionsnap.com/news/2016-03-10/wear-bobson/

1971年創業のデニムブランド「ボブソン(Bobson)」が「ウェア ボブソン(WHEIR Bobson)」として生まれ変わる。ファーストシーズンとなる2016-17年秋冬コレクションは、デザイナーに「シセ(SISE)」の松井征心、加工監修にドクターデニムホンザワの本澤裕治を起用。デザイン性とボブソンならではのクオリティを両立させた新ブランドとして出発する。

とある。

倒産からの再スタートしたボブソンだが、従来型のジーンズメーカーとしてはそれほど大きな売上高にはならなかった。
販路もそれほど増えなかった。

それを踏まえての再々スタートで、商品内容をガラリと変えたのだろう。

このニュースだけで先行きを占うことは難しい。
販路も商品価格も売上高目標も現時点では皆目わからないからだ。
ただ、発表された商品写真を見ると、販路はジーンズ関連ではなく、いわゆるファッショナブル路線を目指すのではないかと思われる。
価格も高価格帯になるだろう。
ジーンズも1万円前後ではなくなるのではないか。

起用したデザイナーの経歴からしても、大手総合アパレルと同等の路線ではなく、デザイナーズブランドに近い方向性を模索しているのではないかと推測される。

個人的な意見である。
ビジネスマンでもバイヤーでもデベロッパーでもない外野としては、面白い試みだとは思う。
ジーンズブランドからデザイナーズブランドテイストのトータル化に成功した例は国内にはない。
成功すれば稀有な例として一つのモデルになるだろう。

その一方で、この路線で成功するのはかなり難しいのではないかと思う。
過去に成功した例がないということは、成功できない理由がいくつも隠されているのだと思う。
従来の社内スタッフではこの路線を営業、販売することは無理である。
人間の能力はそんなに多様でない。ジーンズ畑の多くの営業、販売にとってこの路線は苦手分野である。
ということは、また新たな営業、販売のスタッフが必要になる。
正攻法でそれを確保するならけっこうなコストがかかる。

商品価格と売上高目標も気になる。

このテイストで高価格なら市場規模はそれほど大きくない。
必然的に売上高目標も小さくならざるを得ない。
このテイストでジーンズの価格が2万円を越えるようだと、売上高は5億円~10億円が限界ではないか。
よほどの「何か」がないと20億円とか50億円にまで成長することは難しい。

そこを経営者が理解しているのかどうか。
記事では不明だし、筆者は面識がないから類推することはできない。

しかし、現在の状況下において、従来型のジーンズブランドとして復活することもまた難しい。

ナショナルブランド(NB)としてはエドウインとリーバイスで十分である。
再スタートしたボブソンが目指した低価格~中価格帯もSPAブランドや、NBが凋落してから伸張した量販店系メーカーで十分である。

ならば高価格帯という選択肢もあるが、高額プレミアムジーンズブームは過ぎているし、そのゾーンにはアメリカやヨーロッパからのインポートブランドやビンテージ系ブランドが根強いファンを獲得している。

今回の路線変更はこうしたことを踏まえたものだと考えられる。

けれども、意地の悪い見方をすると、トータルファッション路線はジーンズ分野以上に競合が多い。
今回発表した商品群で低価格はあり得ないから考慮はしないが、たとえばファッションビルや百貨店に出店している国内アパレルとの競合は、ジーンズ分野での競合以上に厳しい。
それらアパレルは販促、告知にも以前よりは減ったとはいえ、ふんだんに費用を投入している。
後発ブランドがそれと伍することは難航することが予想される。

また欧米資本のラグジュアリー系ブランドはさらに難敵である。

そう考えると、ボブソンの新路線も苦戦が予想される。

販路、価格帯、売上高目標、社内陣容が明らかになり、筆者の苦戦予想が覆ることを期待したい。




イトキンがインテグラル社の傘下に

 今回は結論がなく、速報という形を採らせてもらう。

イトキンのスポンサーに、インテグラル社が決定したと製造関係者筋から聞かされた。
配布された挨拶状も見せていただいた。

実は、昨年末ごろからイトキンの経営悪化を伝える噂が多かった。
中でも深刻だと感じたのは、1月末で資金ショートするという噂だった。

銀行関係者でもなんでもないし、非上場企業なのでその決算書を見ることはできないから真偽のほどはわからない。
しかし、業界の噂というのは、当たらずとも遠からずという場合が多い。
おそらくかなりの苦境にあったのではないかと推測される。

スポンサーが決まったということは当面の資金問題はこれで解消したということになる。

挨拶状を読んだ限りでは、今後どういう体制になってどういう指針を示すのかは定かではない。
まったく触れられていない。

それらは、大手メディアのこれからの報道に任せることにしたい。

さっそく朝日新聞でも第一報が報道されている。

イトキン、ファンド傘下へ 「a.v.v」ブランドなど
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160210-00000003-asahi-bus_all

アパレル大手のイトキンが、経営再建のため投資ファンドのインテグラル(東京)の傘下に入ることが9日わかった。事業はそのまま続ける。10日にも公表される予定だ。
インテグラルがイトキンの株式の大半を、数十億円で取得する見通しだ。

関係者によると、インテグラルがイトキンの第三者割当増資を引き受ける。ほかにも既存の株主からも株式を買い取る。

とある。
おそらく創業家からもかなりの株式を買い取るのではないかと推測している。

インテグラル社は一般的にスカイマークの再建にかかわった会社という認識が強いようだ。
しかし、ヨウジヤマモトやバッグメーカーのシカタの経営にも参画している。
また、佐山氏はワールドが2005年にMBOで上場廃止した際にもかかわっている。

いろいろとアパレル業界には縁があるといえる。

今後、どのようなイトキンの再建策を打ち出すのか注目したい。
おそらくドラスティックなコスト削減案を矢継ぎ早に提示するのではないかと個人的に見ているのだが、どうなることやら。

アパレルというのは、商品力と販売力のほかに、経済学の観点がなければ成功しない。
この3つがそろって初めて万全の体制ができる。
しかし、筆者も含めてこの3つすべてを網羅できる人間が業界には少ない。

多くは商品を作ることと、売ること、この2つのどちらかに注力してしまう。
注力してしまうというより元からそのどちらかにしか興味がないという方が正しいだろうか。

だから販促のセミナーに参加した感想に「作り手目線も必要だと思う」なんてピントの外れたことを書き込むのである。

販促セミナーは、販売促進のためのセミナーである。
そこで「作り手目線」を強調したところで意味がなく、逆に、ちゃんと話を聞いていたのかと疑問に感じる。

作り手目線の感想は、製造セミナーでたっぷり述べるべきだろう。

そして経済に明るい人は逆に商品のことには疎い場合が多い。
3つともにそろった人はなかなかお目にかかれない。
そういう人が増えればアパレル業界は持ち直すのだろうなあと思うが、そんな優秀な人材がわざわざ疲弊しつくしたこの業界に入ってくるとは思えない。
入ってくるとしたらその人はよほど変わり者だろう。

まあ、そんなわけでアパレル業界は今後もなかなか浮上しないだろう。

近年のイトキンはその3つともができていなかったように感じる。
新体制となるイトキンはどのような施策を打ち出すのか注目したい。




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