MENU

南充浩 オフィシャルブログ

製造加工業

工場を刷新するも当面は増産しない「水沢ダウン」

2023年4月11日 製造加工業 1

現代の衣料品は基本的に「化学」であり「工業製品」である。もちろん、中には「アート」であるものがあっても構わないが、そちらは少数派でありマニアの世界であるということを再認識する必要がある。 「キラキラ」だろうが「ファッションへの情熱」だろうが、そういう曖昧模糊としたものを形にし、ある程度の数量を量産してくれる工場は化学と工業で成り立っている。 人には得手不得手

工場は素人にも分かりやすい効能で技術を説明してみてはどうか?

2023年4月6日 製造加工業 1

久しぶりに1泊で岡山・児島の産地企業を回らせてもらった。 2019年に東京出張をして以来の宿泊出張なので、4年ぶりになる。この4年間で身体のジジイ化が一層進行してひどく疲れてしまたった。児島は「デニムの街」と言われるが織布はショーワの1社しかない。生地染め染色工場は堀江染工だけになっていて、あとは洗い加工場とか整理加工場なので、実際のところは児島は「デニムの

生産の経済ロットを達成しながら希少性も維持できそうな売り方を考えてみた話

2023年3月30日 製造加工業 0

業界メディア上でも報じられないことも多いが、ここ何年間かでオリジナルブランドを開始したという国内工場は結構ある。業界メディアで盛んに報じられる人気企業(個人の人気者も含む)の新ブランドでさえ、華々しい報じられ方に反して内情は火の車というところも珍しくない。 で、国内工場というのは一部を除くと資本力が小さいから大手企業のようにローラー作戦で資本投下ができるわけ

製造原価率の高低だけが衣料品の評価基準にはならないという話

2023年3月8日 製造加工業 0

先日、久しぶりにアパレルの原価率が云々という話題をSNSで見た。 個人的には衣料品に限らず粗悪な安物を高く売ることはどうかと思う部分もある。しかし、できるだけ安く作ったものをできるだけ高く売るというのも商売の鉄則であり、その商品やサービスが購入者から喜ばれて役立っていれば何の問題も無いこともまた事実である。   2月10日にユニクロUの春夏物が店頭

続・アパレルOEM事業が儲かりにくくなった理由

2023年2月20日 製造加工業 2

先日のOEM屋が儲かりにくくなったというブログに恐らくはOEM関係者ではないかと思われる匿名の方からリアルなコメントをいただいたので改めて、儲かりにくくなった理由を考えてみたい。 改めて断っておくが、当方の思いつく理由を述べているがそれが全てではなく、当方の知らない理由や当方の目にはそれほど重要とは映らない理由も複雑に絡み合っている。 また、あらゆることを余

アパレルOEM事業が儲かりにくくなった理由

2023年2月14日 製造加工業 4

現在、一部のブランド、特に工場や製造関係が立ち上げた「ファクトリーブランド(それに類する物も含む)」を除いて、「OEM屋」無しでは洋服の企画製造が成り立たなくなっているというのが実態である。 逆に、本来は「ファクトリーブランド(同)」のはずなのに、OEM屋に仕事を依頼するブランドすらある。 この状況だけを聞くと「OEM屋はウハウハだろう」と思われがちだが、O

洗い加工の豊和が進める自動化・機械化(今回は画像あり)

2022年12月14日 製造加工業 2

今回、児島で久しぶりに洗い加工の豊和さんにも訪問させていただいた。 昨年秋に人口知能(Ai)搭載のシェービングロボットを導入されたのでその後の経緯を伺うためである。   洗い加工場の豊和が新たに「自動シェービングマシン」を開発したので見学してきた話(ただし画像は無い)   昨年秋の段階では4台が稼働し始めたということだったが、今回伺うと、

国内製造スペースがアパレル間で凄まじい奪い合いになっているという話

2022年12月13日 製造加工業 1

先日、久しぶりに児島に行ってきた。 洗い加工場や縫製、織布、地元のジーンズメーカーなどの近況を聞くことができた。昨年から国内工場の生産ラインが満杯になっていて、「サンプル生産さえできないブランドもある」という。 理由はこれまでの中国のゼロコロナ政策による相次ぐロックダウンによる工場停止である。また東南アジアの工場もこれまでロックダウンによる工場停止が相次いで

アパレル受注生産をやればやるほど残糸と残布は増え続けるという話

2022年12月7日 製造加工業 1

我が国の生活環境はかなり快適に清潔に保たれている。それには日々、業務として下支えをしてくれている人たちがいるおかげである。とはいえ、彼らもまた生活者だからその恩恵を生活面では享受しているといえる。 両親が死んでから毎月、要らない物を不燃物ゴミとして出しているが、めちゃくちゃにボロボロになった物なんかも放り込んでいるわけだが、処理してくれる人は大変だろうなあと

販売数量の少ないアパレルブランドが差別化素材を手に入れることは難しいという話

2022年12月2日 製造加工業 3

既製服というのは基本的に自動車やパソコン、スマホと同じく工業製品である。もちろん、重工業品と軽工業品の違いはあるが、量産の基本的な仕組みは同じである。 その基本的な仕組みとは何かというと、量産するには「多ければ多いほど良い」ということである。 生産数量が多ければ多いほど1枚当たりの製造コストは下がるし、使用する素材のクオリティを上げても製造コストに吸収しやす

南充浩 オフィシャルブログ

南充浩 オフィシャルブログ