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南充浩 オフィシャルブログ

製造加工業

繊維製品で今以上の小ロット生産を求められても対応できる機械が無いという話

2023年6月7日 製造加工業 1

4月上旬から5月連休明けにかけて、久しぶりに岡山、児島、福山の各種工場を回らせてもらった。洗い加工場、整理加工場、染色加工場である。 今回、特に染色加工場についてなのだが、洗い加工場に比べて、導入されている機械設備がかなり大きい。洗い加工場の機械設備はどちらかというと小さい。 これは洗い加工場の出自が関係していると考えられる。ジーンズの洗い加工が原点であるた

衣料品OEM生産において大手商社の存在意義が薄れているような気がする

2023年5月12日 製造加工業 1

国内のアパレル企業・SPAブランド・大手セレクトショップのオリジナル商品の製造を支えていて、場合によっては企画自体も支えているのがOEM屋(ODM含む)という業態である。これがあるから、ド素人のインフルエンサー、ド素人のタレントが簡単にオリジナル衣料品ブランド、オリジナル衣料品を企画製造できてしまう。 ただ、一口にOEM屋(ODM含む)と言っても、その出身は

アパレルOEM業者の淘汰は今後さらに激しさを増す

2023年5月11日 経営破綻 0

コロナ禍が始まって丸三年が経過し、四年目に突入している。22年後半から行動されたことからされたことから経済は回復しつつある。 この3年間でアパレル企業の倒産はいくつもあったが、ここにきて、コロナ融資の返済期限が来たこともあるのか、23年になってからアパレル企業の倒産のペースが増えていると感じる。 このところの倒産傾向を見ていると、アパレル企業よりもOEM関係

反毛(はんもう)で作られた素材の品質が劣化するのは当たり前という話

2023年4月28日 製造加工業 0

「反毛(はんもう)」というリサイクル技術がある。 戦前・戦後直後には結構な軒数の「反毛屋」があったと聞くが、高度経済成長、バブル経済を経てだいぶと減ってしまったと言われている。 それが、近年作られたサステナブルブームによって再注目され始めた感じがする。とは言っても、反毛屋の軒数が増加に転じることはあり得ないだろうが。   反毛というのは、不要になっ

素材と洋服の製造に中間業者が欠かせない理由

2023年4月20日 製造加工業 0

D2Cだかインフルエンサーブランドだかで「中間業者を飛ばしました」というフレーズを金科玉条のごとく振りかざしているケースが多いと感じる。 しかし、基本的には糸・生地・洋服という工程は多段階に分かれているので、全てを直接ブランド側がやり取りしてコントロールすることはほぼ不可能に近い。もちろん、そちらの方面に詳しいスタッフを抱えているブランドもあるが、経験上は業

繊維の製造加工業とメディアの認識の食い違い

2023年4月14日 製造加工業 0

アパレルブランドの展示会やイベントで、デザイナーや企画担当者、スタイリストなどの話を聞く機会はそれなりに多くあったのだが、彼・彼女らが「このコーディネイトがイケてるんですよ」という理由を説明されてもイマイチ理解できないことがままあった。 当方は彼・彼女らほどにはファッションに興味が無いし、センスも無い。熱意だって怪しい。マス層の大多数が「カッコイイ」と評価す

繊維の製造加工場は可能な部分はできるだけ機械化・全自動化を進めるべき

2023年4月13日 製造加工業 4

少し以前、何の気無しに見ていたYouTubeに「金属削り工場」の動画がサジェスチョンされたので、ついでに視聴してみた。 改めて検索してみたが出てこないので、当方の記憶を基に文字で説明するが、拙い文章力なので恐らくは伝わりにくいことをお許しいただきたい。 金属の塊をワイングラスの脚のように細長く削り出すという作業なのだが、これが人間の手でないと不可能なのだとい

工場を刷新するも当面は増産しない「水沢ダウン」

2023年4月11日 製造加工業 1

現代の衣料品は基本的に「化学」であり「工業製品」である。もちろん、中には「アート」であるものがあっても構わないが、そちらは少数派でありマニアの世界であるということを再認識する必要がある。 「キラキラ」だろうが「ファッションへの情熱」だろうが、そういう曖昧模糊としたものを形にし、ある程度の数量を量産してくれる工場は化学と工業で成り立っている。 人には得手不得手

工場は素人にも分かりやすい効能で技術を説明してみてはどうか?

2023年4月6日 製造加工業 1

久しぶりに1泊で岡山・児島の産地企業を回らせてもらった。 2019年に東京出張をして以来の宿泊出張なので、4年ぶりになる。この4年間で身体のジジイ化が一層進行してひどく疲れてしまたった。児島は「デニムの街」と言われるが織布はショーワの1社しかない。生地染め染色工場は堀江染工だけになっていて、あとは洗い加工場とか整理加工場なので、実際のところは児島は「デニムの

生産の経済ロットを達成しながら希少性も維持できそうな売り方を考えてみた話

2023年3月30日 製造加工業 0

業界メディア上でも報じられないことも多いが、ここ何年間かでオリジナルブランドを開始したという国内工場は結構ある。業界メディアで盛んに報じられる人気企業(個人の人気者も含む)の新ブランドでさえ、華々しい報じられ方に反して内情は火の車というところも珍しくない。 で、国内工場というのは一部を除くと資本力が小さいから大手企業のようにローラー作戦で資本投下ができるわけ

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