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庶民向け商品での「本物追求」が販売不振を招く

冷たい雨が降ったりやんだりしていた金曜日。

いつものスニーカーのSTEPを覗いた。
スポーツブランドのスニーカー類はここが現在は業界最安値ではないかと思う。
ABCマートは一昨年くらいから露骨に値上げしており、いまだにABCマートが売れている理由がわからない。
同じ品物ならスニーカーのSTEPの方が断然に安い。
もしくはYahoo!ショッピングで探すか。

そこにはベージュのリーボックのクラッシックタイプのスニーカーが3990円に値下げされて並べられていた。

これはなかなかいいな、と思って見ていたら、販売員が声をかけてきた。

「これ本革なんですよ。ほかにも黒とか紺もあるんですがそちらは合皮なんです。お買い得ですよ」。

たしかにお買い得である。
本革でしかもデザインも悪くない。3990円なら破格値だ。

一口にベージュといってもいろんな色がある。

例えていうなら、エンダースキーマみたいな感じだ。

エンダースキーマのスニーカー
http://www.arknets.co.jp/category/ABC_1041/A3_MIP_06.html

値段と材質を聞いて俄然、購買意欲が頭をもたげてきた。
当方の購買意欲は値段で大きく左右される。

どんなに「良い物」でも1万円を越えるものには購買意欲はわかない。
5000円以下に値下げされると購買意欲がわく。

だから6万円もするエンダースキーマはどんなに力説されようともちっとも買おうとは思わない。

どうしよう、買おうと思えば買えるが・・・・。

しばらく逡巡していたが、ふと「本革」という部分に引っかった。
ちょうど雨がシトシトと降っていた。

黒とか濃い茶なら水に濡れても乾かしてクリームを塗れば大丈夫だが、ベージュだと乾かしても染みが残る。
そういうときは全体を水に漬けてから乾かせばある程度解消されるのだが、黒とか濃い茶の本革に比べてメンテナンスがめんどくさい。
おまけに汚れも見えやすい。
白とかベージュなどの淡色は汚れと水の染みに弱い。

灰色の空から落ちてくる雨を見ながらそんなことを考えていた。

よし、心残りではあるが、めんどくさがりの当方としては買わないでおこう。
そう結論付けてスニーカーのSTEPを後にした。
販売員さんごめんなさい。

で、歩きながら内心で疑問が次々にわいてきた。

なぜ、リーボックはベージュだけ本革にしたのだろう?
黒や紺と同じように合皮にすべきだったのではないか?
ベージュだけ本革で作ったから売れ残ってSTEPでたたき売られているのではないか?
だとしたらリーボックの商品計画は失敗ではないか?

などなど。

繊維・アパレル・ファッション業界にはいまだに「本物信仰」が根強く残っている。
「本物は良い」「本物は評価してもらえる」「本物は売れる」と。
だが果たしてそれは本当だろうか?

現に「本物の革」のベージュのリーボックは売れ残って3990円でたたき売られているではないか。

もちろん、本物を評価する客層は存在する。
それは富裕層に限られているといえる。
富裕層向けの商品なら、ある程度「本物」を追求してもそれなりの値段で売れるだろう。

しかし、リーボックのスニーカーのような、低価格品ではないが大衆向け商品で「本物」にこだわることは却って営業不振の原因にもなりかねないのではないか。

大衆向けにはイージーケア性・イージーメンテナンス性が大前提として求められるのではないか。
同じベージュのスニーカーでも合皮なら間違いなく買っていた。
もしかしたら合皮なら値下げされずとも売れていたかもしれない。

話は少し逸れるが、11月29日から12月4日まで阪急百貨店うめだ本店10階で恒例の生地販売会「テキスタイル・マルシェ」を開催した。
さまざまな種類の生地があるので、当然、通常の洗濯には適さない生地もある。
しかし、「洗濯機でザブザブ洗えないと嫌」と言って、購入しないお客は予想以上に多かった。

百貨店とはいえ、大阪の百貨店は阪急に限らず天神橋筋商店街で値切ってるような富裕層でない客も多く来るから、いわゆる庶民がほとんどで、この庶民はイージーケア性や洗濯性をことのほか重視する。
いくら風合いが良かろうと手間暇かけて製造加工しようと、そんなところに価値は見出さない。

まず第1はイージーケア性で、風合いの良さやモノづくりへのこだわりはその次の価値である。

そういえば、先日、こんなお客もいた。
「最近、ウールのセーターの暖かさを再認識した。でも最近はあまりウールのセーターが売られていなくなった。どうしてですか?」と尋ねたお客がいた。

マジレスすると、

1、ウールの値段が高くなって低価格ブランドではコストが合わなくなった
2、ウールは洗濯や保管の手間がめんどくさくて避けられるようになった

理由はこの二つである。
もちろん、それを説明したところ納得してお買い上げいただいた。

「本物」のウールよりもお手軽なアクリルセーターの方が庶民には好まれやすい。
アクリルセーターは洗濯も保管も楽ちんで、虫に食われて穴が開くこともない。

こうして見ると、大衆向けの低価格~中価格帯を企画製造販売している企業が「本物の良さ」なんてことを追求するのは営業方針としておかしいということになる。

もちろん「本物」を知ることは大事だし、それは否定しない。
しかし、それは富裕層向け商品で追求すれば良いのであって、庶民向けの商品でそれを追求することは、単に販売不振を招くだけで何の利益もない。

国内の繊維・アパレル・小売り企業が低迷する理由はさまざまあるが、この「本物信仰」が自社の客層と適合していないというのも一つの理由ではないか。本物を追求したければ富裕層向けの商品を開発してはどうか。
庶民は過剰な本物なんて求めておらず、それよりもイージーケア性・機能性を求めている。
そんな客層に本物を売るのは至難の業だし、売れたところで無用なクレームを引き起こすだけではないか。

本物が売りたければ富裕層向けの商品を開発すべきで、庶民向け商品で「本物」を追求する必要はまるでない。

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10年後の30代には選ばれない大手アパレル各社のブランド

ファッション専門学校生はもちろん衣料品が好きで、それをしたくて入学している人が多い。

個人的には「好きを仕事に」というのは全面的に賛成はしない。
好きといっても、「ファッション衣料を買って着るのが好き」と「ファッション衣料を作ったり売ったりするのが好き」では意味が異なり、前者が好きな人はファッション衣料業界に入るべきではないと思っている。

それならモデルを目指したり、ファッション評論家を目指すべきだと思う。
それこそ、焼き肉を食べることが好きな人が焼き肉屋に就職するのが良いとは思えない。

まあ、それはさておき。

学生は一般人に比べてファッションや衣料品への興味が高いことだけは間違いない。

そういう学生たちでさえ、アパレル業界人が思っているよりもずっとアパレル企業名やブランド名を知らない。
アパレル業界人は繊研新聞やWWDに任せていないで、自ら生の声を取りに行ってはどうか?すさまじい衝撃を受けるだろう。

大雑把にわけて、かつての大手アパレルと現在の大手アパレルを比較してみる。

かつての大手

ワールド
オンワード樫山
三陽商会
ファイブフォックス
イトキン
TSIホールディングス

現在の大手

ファーストリテイリング
しまむら
アダストリアホールディングス
ストライプインターナショナル
マッシュスタイルラボ
ユナイテッドアローズ

など

ということになるが、前者の「かつての大手」は圧倒的に知られていない。
これは自分の身の回りのファッション専門学校生20人くらいの結果である。
しかし、単年度の結果ではなく、ここ3年間くらい共通しての結果だから、それなりに普遍的だと考えられる。

かつての大手は社名はまったく知られていない。
ブランド名も知られていない。

オンワード樫山の主力である組曲、23区、ICBは壊滅的に知られていない。
ワールド、イトキンも同様だ。
三陽商会は以前ライセンス生産していた「バーバリー」のみ知られている。
SPAの走りとしてかつては一世を風靡したファイブフォックスのコムサシリーズもほとんど知られていない。
まれに「あ、名前を聞いたことがある」という学生が1人か2人いる程度だ。
TSIホールディングスは社名はもちろん知られていないが、傘下のナノユニバースとローズバッドは知られている。

ざっとこんな感じだ。

ちなみに「現在の大手」でも社名を知らない学生は多い。
例外は基幹ブランド名と社名が同じであるユナイテッドアローズとしまむらくらいだろう。

しかし、それぞれのブランド名は認知している。
ユニクロ、ジーユー、スナイデル、アースミュージック&エコロジー、ローリーズファームなどはしっかりと認識している。

この結果を見ていつも衝撃を受ける。まあ、3年目にもなると慣れたが。
逆にアパレル業界人はこの結果を見て何も感じないのだろうか?
何も感じないならますます衰退ブランドは衰退するだろう。

若い人たちの所得は減っているもしくは伸び悩んでいるから、高価格品は売れにくい。
そうなると低価格品では競争力のない「かつての大手」は中高年向けのブランドに特化することになる。
それがさらに若い人たちへの知名度を低めている。

3年くらい前まではアルバイトの時給も低く、学生は高い服を買えなかったが、去年や今年はアルバイト時給がかなり高くなっていて、ユニクロやすき屋で月に20日間くらいシフトに入っている学生の所得は驚くほど高くなっている。
20万円とか25万円くらいの収入があるらしく、懐寒しな当方もユニクロかすき家でバイトした方が良いのではないかと真剣に考えるほどである。
業界の食い詰めているオッサンたちはユニクロとかすき家で月に20日間くらいアルバイトした方が良いのではないかとも思う。

そんなだから今の学生は買おうと思えば、超高級ブランドは無理としても百貨店価格帯くらいなら買えなくもなくなっている。

となると、「かつての大手」が年配層に偏重している状態が正しいとは言えなくなりつつあるのではないか。

逆にいえば、これほど企業名はさておき、ブランド名すら認知されていない状態では10年後の30代・40代が「かつての大手」が擁するブランドを選ぶ可能性はほとんどゼロだろう。

今の若者が10年後に30代・40代になったときに選ぶのは、今親しんでいるブランドか、今親しんでいるブランドの上級ブランドということになる。おわかりだろうか?

ユニクロでは飽き足らなくなったらセオリーを買う。決して23区とか組曲とかアンタイトルは買わない。
なぜなら、それらには全く親しみがないから。

メンズでも同様だろう。
バーバリーは買うが、クレストブリッジは買わない。

そうなると、どうなるかというと「かつての大手」の業績はますます厳しくなる。
先細りしかない。
オンワード樫山はそういうリスクを避けるために食の分野に進出しようとしているが、オンワードマルシェもイギリスに出店した手打ち蕎麦屋も唐突な印象しか受けない。
ネット通販のグルメサイトであるオンワードマルシェはまだしも、手打ち蕎麦屋はまったくオンワードのイメージとはつながらない。
かつてジャヴァグループ(現ジャヴァコーポレーション)が神戸本社の1階にうどん屋を開設して運営していたが、それと同じくらい唐突なイメージだ。ちなみにそのうどん屋のスタッフもジャヴァの社員だったと聞いている。

今の20代も10年後には30代になる。
中高年偏重の大手アパレルのさらなる凋落は予想するよりもずっと早く訪れるのではないか。

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ZOZOSUITによってユニクロは終わる?いや、終わらないよ(後編)

さて昨日の続きを。

ZOZOSUITによってユニクロは終わる?いや、終わらないよ
http://minamimitsuhiro.info/archives/1964.html

ZOZOSUITの登場に浮かれるのはご勝手だが、「ユニクロ終わる」ってのは違うかなと。
たしかに、このシステムはIT系・アパレル系はだれもが夢想したと思うが、資金のことが念頭にあって実際にだれも実現にはこぎつけなかった。
これを実現化したことだけでもやはりスタートトゥデイはすごいとは思う。

しかし、スタートトゥデイを持ち上げすぎるのはどうかとも思う。

ユニクロに限らず、個人情報を積み上げている企業は意外に多い。
ニッセンや千趣会などの通販大手なんて何十年にも渡って莫大な個人情報を積み上げている。
ただ、好調なベルーナを除く不振大手通販各社はその情報の分析が甘くて生かし切れていないのである。

スタートトゥデイが今後、新規投入するプライベートブランド「ゾゾ」について考えてみよう。

今回のスーツで採寸したデータをゾゾの製造に生かして、「究極のフィット感」を実現するそうだが、テイストがベーシックカジュアルであること以外、何も発表されていない。
このため、現時点で商品について外野がワーワー言っていてもまったく意味がない。

それと、採寸によって「洋服はオーダーメイドに回帰する」なんてぶち上げている人もいるが、「ゾゾ」ブランドに関しては、オーダーメイドは当てはまらないと思う。

オーダーメイドをぶち上げている人はフルオーダーをイメージしていると思うのだが、現時点で分かっていることから推測すると、それはありえず、パターンオーダーになるのではないかと考えられる。

なぜ、フルオーダーでないかというとそれは「ベーシックカジュアル」とされている時点で超高価格はあり得ない。
それこそユニクロで買えるテイストの物を超高価格にしたって意味がない。
もちろんユニクロほどの低価格にはならないだろうが、そこにある程度近しい価格にしようとするならフルオーダーでは無理だ。
例えば、ジーンズの最高価格は1万9000円までだろう。2万円を越えるようなジーンズはおいそれとは売れない。理想を言うなら、15000円未満だと思う。
となると、バカ高くなるフルオーダーは使えない。

パターンオーダーになると、ツープライススーツショップですでにスーツ28000~38000円で作れる量産システムが確立されているので、ある程度の価格帯に抑え込むことが可能になっている。

それにZOZOTOWN出店ブランドの中には高価格帯カジュアルを扱っているところも多く、そこと競合させることは考えにくい。
あくまでも出店ブランドとコーディネイトが可能で隙間を埋めるようなベーシックカジュアルになると考えた方が間違いがないのではないか。

どうもフルオーダーとパターンオーダー(セミオーダー、イージーオーダー)をごっちゃに考えている人が多すぎるのではないか。
一般消費者ならそれは仕方がないが、業界人がその違いと価格差を理解していないのはいかがなものだろうか。

また、サイズを測定して「究極のフィット感を実現」というけれども、カジュアル服にそこまでの「フィット感」が必要だろうか。
究極にフィットさせるとレオタードになってしまうが、そういうフィット感をカジュアルに求める人は数少ない。
手足の丈の長い短いという問題は解決されるだろうが、その部分以外では既存の他社カジュアルブランドをすべて駆逐することは考えにくい。1センチの身幅の狭い広いはどうでもよいと考える人が多いのではないか。

究極のフィット感が求められるのはレオタードと競泳用水着くらいだろう。

逆に現在トレンドのルーズフィットの場合、フィット感は必要ない。

個人的に興味があるのが、採寸した体型データをもとにして、どの程度のサイズ感にアレンジするのかである。
レオタードみたいにピチピチにする必要はなく、データをもとにしてどれくらいのゆとりを衣服に持たせるようにアレンジするのかという問題は簡単なようで意外に難しい。
逆にレオタードを作る方が簡単だろう。データに合わせてぴったりさせれば済むのだから。

データをもとに2センチゆとりを作るのか3センチにするのか。
ルーズフィットなら何センチのゆとりを持たせるのか。

ここの決断はかなり難しいのではないかと外野からは推測する。

どのような決断を下したシルエットが提示されるのか興味は尽きない。

また、繰り返しになる部分もあるが、ファッションにはさまざまなテイストがある。
アメカジ、モード、トラッド、フェミニン、などなどだ。

このすべてのジャンルを「ゾゾ」ブランドが網羅できるはずもないし、するとは到底思えないので、市場すべてを「ゾゾ」が占有してしまう可能性は限りなくゼロに近い。
大真面目にそれを考えている人は、たった6兆円で売却されたモンサントが「世界征服をする」と考えている人と同じくらいナンセンスだ。
たった6兆円で世界征服できるなら、もっと早くにいろんな国が買収していただろう。

となると、ゾゾはベーシックカジュアルとプラスアルファを販売しながら、ゾゾタウンへの出店ブランドに体型データを供与して、そのブランドが製品開発に生かすというのが最も現実的な予想ではないか。
出店していなくても、ビジネスとしてユニクロや無印良品などに体型データを販売することも考えられる。
また肌着メーカーやスポーツウェアメーカーにデータを販売することもあるだろう。

さらには前澤社長は「靴の開発に向けたサイズデータ収集を始める」と言及しており、衣料品よりも5ミリのサイズの違いにシビアな靴というジャンルにこそ、この採寸データシステムは相応しい。
洋服はサイズが5ミリや1センチ違っても着られるが、靴は5ミリ違えば足さえ入れられない。

そうなると、このシステムで究極のフィット感が求められるのは服ではなく靴である。
究極のフィット感が得られる靴なら興味はある。

よほど特殊な固い素材でもない限り洋服はそこまでシビアにサイズは求められない。とくにカジュアルは。

以上のように考えると、ゾゾブランドのベーシックカジュアル衣料品は、現在の市場を壊して占有してしまうほどの商品ではなく、現在あるうちのワンオブゼムとして消費者の選択肢の一つになるのではないか。
また当然、今回のニュースですでにデータを所有している大手通販各社やユニクロ、パターンオーダースーツブランドはさらに研究を深めるだろうから、ある程度の全体のレベルアップも見込める。

話題性によって市場を活性化する可能性はあっても、ゾゾが占有してしまい現在の実店舗はすべて終わるというのは、ちょっと考えにくい。
一般消費者やタレントならそういう予想に酔っても良いが、自称も含めて業界の専門家が浮かれてしまうのはどうかと思う。まさに消費者と専門家(自称も含めて)の差が無くなりつつあるとしかいえない。
今回のZOZOSUIT騒動ではそのことが露呈したのではないか。

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ZOZOSUITによってユニクロは終わる?いや、終わらないよ

今、業界で話題なのがZOZOSUITだろう。
これについてはZOZOが開発するプライベートブランド「ゾゾ」の詳細が何一つ明らかになっていないにもかかわらず、空想・妄想織り交ぜて盛り上がっている。

「ゾゾ」ブランドはベーシックカジュアルであるということ以外、ラインナップも価格帯も初年度販売目標も何も発表されていない。
だから現時点ではどんなに優れた推測でも推測の域を出ず、妄想のから騒ぎというふうにしか見えない。

さて、ZOZOSUITだが、着用することで瞬時に体のデータを計測するという優れもので、これはたしかに革命的といえる。
しかも希望者には無料で配布するとのことだから、話題が沸騰するのも当然である。

しかし、先走りすぎている人も多くいるように見え、なんだか勝手に一人で泣いたり騒いだり、意味のわからないポエムを書いたりで、なんとかならんのかなと思う。

ZOZOSUITの考察についてもっとも賛成するのがこのブログである。

ZOZO SUITが「マーケティング」「コンテンツ」「マネタイズ」の全ての要素を揃えた最強のフリーミアムになる可能性の理由
http://ryoheiyotsumoto.com/zozosuit/

このZOZO SUITがどれぐらいの数がばらまかれているのか?はわかりませんが
ZOZOがこのデータを手に入れることで
今まで誰も揃えたことがなかった「3つ」の個人情報を揃えることが可能になります。

1、名前、生年月日、性別、住所、それに購入金額や決済使用カードから予想される「収入という個人情報」
2、ファッション的な観点の趣味趣向。という「個人インサイト情報」
3、体のサイズ。という「身体的個人情報」
この3つのデータを膨大に持ってる企業は未だかつて無いんじゃないでしょうか?

それこそ学校で身体測定やってるお国ぐらい。
この意味わかりますか?

アパレルの総合小売EC(売り場編集)で集めた「顧客データ(リスト)」を使って、
全く新しいマネタイズ方法が可能になるデータをZOZO SUITで手に入れている。
しかも、本来なら「お金」渡して手に入れたい情報を「無料で勝手に向こうから定期的に送ってきてくれる」
ZOZO SUITを無料で提供するフリーミアムでフロントエンド商材として提供し、
今まで誰も手に入れる事ができなかった種類の膨大な量の個人情報を手にする。
カンの良い人ならわかるともいますが、

このデータを持つ事だけで、別に「洋服」を売らなくても十分儲かるネタなんですよ。
洋服売るのは「おまけ」でもいけるぐらい。笑
そのぐらいこの「個人情報」は誰も持っていない情報なんですよ。
しかも、これが定期的に個人のデータが更新されて蓄積していくなんて継続性ある稼働率としたら、、、
あらゆる業界の「ホスト側」としてSTART TODAYは君臨するでしょうね。

との見方で、これが今回のZOZOの真の目的だといえる。

もうすでにZOZTOWNは生年月日、住所、性別などの膨大な個人情報をすでに持っている。
あんまりピンと来ていない人が世の中多いみたいだが、この個人情報というのは貴重なデータで、今まで企業はこれをわざわざカネを払って買っていたのである。

ネットで「個人情報を登録してくれたらもれなく10ポイント進呈」とか「1000円進呈」とかやっているが、だれも親切として見ず知らずの他人に10ポイントとか1000円とかを恵んでやりたいわけではない。
それはそれだけのカネを払ってでも手に入れたいデータなのである。

ZOZOはそういう個人情報に加えて何万人か分の体型データまで入手してしまう。
通常ならその体型データは企業がカネを払って購入するところだが、今回は向こうから無料で送ってきてくれるのである。

そこまでの個人情報をZOZOが握ってしまうのはなんとも不気味だと個人的には感じる。
だからもともとZOZOでは買い物をしたことがなかったし、今回のZOZOSUITは申し込まない。
しかし、それに乗ってみるという選択も理解できる。
以上のことが分かっていて乗るならそれは立派な選択だが、理解せずに乗るのは疑問を感じる。
情弱は他人の養分にされるだけの存在としか言いようがない。

それはさておき。

今回の件で、「ユニクロ終わった」とか言っている人がいるが、それは少々早計ではないか。
ユニクロは終わらない。
すでにユニクロもオーダージャケットやオーダースーツによってある程度の体型データを集めている。
おまけにネット売上高は450億円もあり、あの単価でその総額を売るためにはどれほどの人間がユニクロのオンラインストアで買っているかである。
その膨大な数の個人情報がすでに蓄積されている。

それらのデータをユニクロが今後さらに精度を高めて利用することは十分に考えられる。

また、ユニクロが本当にZOZOを脅威だと思えば買収したり、業務提携や資本提携をするだろう。それだけの資本力は持っている。
ZOZOからデータを購入することもあるだろう。

さらにいえば、ZOZOが衣料品業界にある種々のテイストすべてを自社製品で網羅することはできない。
網羅できない(しない)テイストのブランドは確実に生き残る。

旧型アパレルが終わるのではないかと思うが、カネを支払ってそういうデータをZOZOから購入すれば終わることもない。

あと「ゾゾ」ブランドのPB商品についても考えてみたい。
どうも早とちりでフィーバーしすぎている人が多い気がする。

ちょっと長くなってきたので、続きは次回にしたい。

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はるやま商事がビッグサイズ専門メーカーのマンチェスを買収した理由とは

はるやま商事が岐阜のビッグサイズメンズ専門メーカーのマンチェスを買収し子会社化した。

マンチェスといっても知らない人は本当に知らないだろうが、昭和27年創業の老舗メンズビッグサイズ専門のメーカーで最近では自社子会社でネット通販も手掛けていた。

実ははるか昔、18年くらい前に一度、今はなき岐阜ファッションフェア(GFF)というイベントの取材のついでに訪問したこともあるのだが、その際どんな話を聞いたのかも忘れてしまった。
こちらも駆け出しの記者でおそらくろくな質問もできていなかっただろう。

そこから、時が流れて2010年くらいにマンチェスの岐阜本社を訪問したことがある。
この時は、当時手伝っていたOEM会社の社長と同行した。
記憶の中にあるマンチェスの建物とはずいぶん変わっていて、かなり近代化されていた。
立派な本社ビルだった。
もしかしたら当方の昔の記憶が間違っているのかもしれない。

はるやま/ビッグサイズを強化、既製服製造販売「マンチェス」子会社化
https://ryutsuu.biz/strategy/j111633.html

このマンチェスをOEM会社に紹介してくれた業界の大ベテランがおられたのだが、最近は連絡がない。
年齢的にももうかなりご高齢になられている。
たまに「果たしてご存命だろうか」とふと思うことがある。

まあ、それはさておき。ニュースの内容を見てみよう。

はるやまホールディングスは11月15日、既製服製造販売の「マンチェス」と「ミッド・インターナショナル」の株式を取得し、子会社化すると発表した。
はるやまグループは、2006年10月からビッグサイズの衣料品を販売する「フォーエル事業」を展開しており、10月末現在、96店を運営している。
マンチェスは大きいサイズの衣料品などの製造、販売(卸売)を、ミッド・インターナショナルはマンチェスが製造する商品などのインターネットなどによる通信販売を、それぞれ主要事業としている。

とある。
この流通ニュースには書かれていないが、ミッド・インターナショナルはマンチェスの子会社で、マンチェスが企画製造したビッグサイズのメンズ服をインターネットで販売する会社である。
両社合わせての売上高は19億円と日経新聞は伝えている。

金額的にはそれほど大した額ではないが、ビッグサイズ専門メーカーを傘下に加えたというのは、はるやまにとってはかなり効果的である。

まず、地味ながらマンチェスには他社にないノウハウがある。
それは、スーツからカジュアルまで数多くのブランドのビッグサイズをマンチェスは手掛けているが、そのビッグサイズの型紙(パターン)は独自のもので、逆にライセンス供与先がそのパターンを使用することもある。

それに手掛けているブランドは数多く、錚々たるラインナップだ。
ミッド・インターナショナルのサイトを見てみよう。

https://www.bigsize.co.jp/brand/

アディダス、リーバイス、エドウイン、ナイキ、ラコステ、ディッキーズなどなど。

2L~8Lくらいまでのサイズを展開している。
2Lくらいまではどこのブランドも自社で企画製造しているが、4L以上となるとちょっと手掛けていない。
それをマンチェスは企画製造してきた。

2Lくらいまでのパターンのグレーディングでは4L以上になるとサイズバランスがおかしくなる。
ウエストを巨大化させるのに比例して裾幅まで広げれば、袴みたいなズボンになってしまう。
それを「ハカマックス(笑)」とでも名付けて売れば良いかもしれないが、まあ、普通には売れない。
普通に売ろうと思うなら、裾幅は少し狭めにしなくてはならない。
このグレーディングのノウハウをマンチェスは持っている。
だから先に挙げた錚々たるブランドでもマンチェスのノウハウを逆に採用することもある。

このノウハウを手に入れられたことははるやま商事にとってはかなり有効な武器になる。

また、記事でも書かれているように、ビッグサイズは利用者数が少ない割には囲い込みがしやすい。

体験例でいうと、6Lくらいまでレディース服をそろえているバッタ屋が天神橋筋商店街にある。
3Lくらいまでなら通常ブランドでも扱っているが、4L 以上になると扱いがない。

だから、ビッグサイズが売っている店には顧客化し、定期的に足を運んでくれることになる。
また、チマチマと毎日1枚買うのではなく、買うときは数点以上のまとめ買いをしてくれる。

レディースに比べてメンズは服を買わないが、それでも同様の消費傾向だろうと推測される。
日々高回転にはならないかもしれないが、まとめ買い比率と固定客化の確率はかなり高くなる。
そうすると、定期的で確実な売上高が見込めることになる。

個人の家計でも不定期に100万円収入があるよりも毎月10万円ずつ収入がある方が生活設計しやすい。
企業も店も同じことだ。

はるやま商事はすでに11年前からビッグサイズ専門店を展開しているが、マンチェスを手に入れたことで企画製造のノウハウはさらに磨きがかかり、取り扱いブランドラインナップも増える。
さらにいえば、固定客も増える見込みが高く、はるやま商事にとっては最良の買い物だったといえるのではないか。

はるやま商事は近年、ブランド買収を盛んに行っているが、廃止ブランドの引き取り専門店みたいになっており、トランスコンチネンツしかりイーブスしかりテットオムしかり、で果たしてこれらのブランドラインナップがはるやまに必要だったのかどうかと首を傾げることが多かった。
しかし、今回の買収ははるやま商事の近年の買収の中では最も適切だと言えるのではないか。

知名度は高くないが優れたノウハウを持っているマンチェスに目を付けたところも慧眼だったといえる。

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我が国が中国工場へ再投資する必要はない

中国工場に関する不思議な記事を読んだ。

https://senken.co.jp/posts/view-171116

記事というよりはコラムだ。
短いので全文を引用したい。

日本向けが中心の中国のニット工場が「利益が出ない。工場をやめたい」と言ってきた。昨年まで200人規模の工場だったが、現在、合理化を進め人を減らしている。設立して20年、これまでなら20周年記念パーティーなどを考えたはずだ。今、残る職人たちが出資し経営を続けるかどうかを話し合っている。
中国人の工員は4年間勤めると長い方だという。いい職場があればすぐに転職してしまう。工員は育たず職人にまで至っていない。高度な機械が揃っていても使いこなす力がなければ宝の持ち腐れだ。
日本の小規模専門商社やニットメーカーが中国生産を見直し、不良品発生率が低く、CSR(企業の社会的責任)の仕組みが整う工場に切り替えようとしている。

とある。
これはその通りで、中国では繊維関係の工場に工員が集まらなくなっている。
当方が付き合っている国内企業何社もが口をそろえている中国生産の問題点だ。

理由は中国の経済発展である。
経済発展すると、中国に限らず繊維の製造加工業なんていう業種で働かずとももっと儲かる産業があちこちにできる。
重化学工業しかり、IT業しかり、金融業しかりだ。
経済発展前は繊維の製造加工業でもやらないと仕方がなかったが、他の儲かる産業が増えればそこで働いた方が、効率的である。

当然、かつての欧米諸国もそうだったし我が国も、今の中国もそうなっている。
いずれ、アセアン諸国やインドもそうなるだろう。

また、10年前くらいの中国工場にすれば、我が国との取引はあまり美味しいものではすでになくなっていた。
中国は世界の工場として欧米ブランドの生産を請け負っていたが、それに比べると多品種小ロットでうまみが無かったからだ。
おまけに品質に対する注文はうるさい。

欧米ブランドなら1型1000枚、1万枚が当たり前の発注数だが、我が国アパレルは1型50枚、100枚くらいの発注数しかない。
こんなめんどくさい仕事を受けたがらないのは当然である。

最近では中国リスクに備えて、生産をアセアンに切り替える日本企業も増えた。
大ロットはアセアンでという仕組みが出来上がっており、必然的に仕事が減った中国工場が小ロット生産を受け入れることも増えた。
1型100枚で製造を請け負う中国工場も珍しくはなくなっている。

このコラムの前半部分はそういう状況を説明しており、それはその通りだ。
今後、中国工場の廃業や倒産はますます増えるし、工員を確保するのはますます難しくなる。

意味がわからないのは後半である。

日本市場は多品種小ロット短サイクル、ある程度高品質で安価であることが要求される。かつて香港や韓国が生産基地だったが、中国本土に替わられ今はその姿は無い。中国は日本に近く、中国の中小工場も国際認証取得などブランド化ができれば香港、韓国の轍(てつ)を踏まずに済むと思える。日本は経験と教訓を生かし改めて中国生産に再投資する機会かもしれない。



字数が限られているコラムなので、言葉足らずになった部分はあるのだろうが、なぜ今更我が国が中国工場へ再投資する必要があるのだろうか。まったく理解不能な主張である。
この記者は中国人の回し者だろうか。

そもそも、中国で工員が集まらないのは、中国人と中国社会の問題であって、中国人自身がやりたがらない仕事にどうして我が国が再投資する必要があるのだろうか。
また、工員にならないという選択をしたのは中国人自身であり、その判断は他国者がどうこうできるものではない。

さらにいうと、最近ではアセアンの工場が増えているが、その工場の経営者は本土を見捨てた中国人だったり韓国人だったりするケースが多い。ベトナム、ラオス、カンボジアには中国人経営者の工場が多くある。
本土での製造加工をあきらめたのは、ほかならぬ中国人経営者であり、そのあきらめた工場にどうして我が国が再投資する必要があるのか。

我が国企業は我が国の利益を最優先すべきである。

今、日本が投資すべきはアセアン工場、インド工場と国内工場である。

アセアンやインドで小ロット生産は現時点では不可能だから、国内工場を強化すべきであろう。
国内でも工員は集まりにくいから、少人数でも運営できるように限りなく全自動に近い省力化を目指すのが正しい方向性といえる。
個人的には製造加工も機械によって全自動すべきだと思っているが、全自動は不可能なので極力人手が要らないように機械化するのが理想といえる。
またこれは、人手が集まらない中国工場に対しても同じで、それは中国人経営者が機械化を進めるのが正しく、中国人経営者がやらないなら我が国が肩代わりする必要はない。

一方、あと20年以内になくなってしまう繊維の製造加工技術が国内にはたくさんある。

これをどうするかは大きな課題で中国工場に人手が集まらないことなど些末な問題でしかない。
なくなってしまう技術を保存・維持するために投資すべきだとは思うが、なくなってしまっても構わないとして放置するのもそれはそれで一つの選択肢である。

本来であれば業界新聞はこの部分に対して問題を投げかけるべきであり、どうでもよい他国の工場への再投資を呼びかけるというのはまったく意味がないし筋が外れている。
アメリカ、ヨーロッパでも繊維の製造加工業は減っている。欧米工場に対して再投資を呼びかけずに中国のみに呼びかけるのはどういう意味があるのか。なぜそれほど中国に思い入れがあるのか理解できない。
我が国にとっては中国も欧米も等しく外国でしかない。

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企業規模や販売数量を無視した「売れている」という報道の有害性

アパレル業界の人もそうだが、特にメディア業界の人に顕著なのが洋服に関しての「売れている」という基準である。

メディアの紋切り型としてはこうだ。

低価格品しか売れないと言われているが、一方で〇〇万円もする高額衣料が飛ぶように売れている。

というのが池井戸潤のドラマ並みに黄金のワンパターン化している。
しかし、この「売れている」という基準が何なのかはちょっとわからない。
数量で考えると「売れている」とはいっても圧倒的に少ない場合が多い。

例えば、高額にもかかわらず売れているのがデサントの水沢ダウンである。
8万~12万円くらいの価格帯だが、好調に推移している。
しかし、生産数量はフル稼働しても1万枚未満しかない。
これは設備が小規模なので設備投資なしではこれ以上の生産数量は不可能なのである。

この数量をどう見るかである。

ユニクロのウルトラライトダウンは言うに及ばず、他の低価格ダウン、中価格ダウンはもっと販売数量がある。

これなんかすごく数量的にはビミョウすぎる例ではないかと思うのが、繊研プラスに掲載されたインディマークというブランドのパンツだ。

「インディマーク」デニム調パンツがヒット 2千本超
https://senken.co.jp/posts/indimark-fleece-lining

聴いたことのないブランドだなあと思って記事を読むと、レッドペッパーのブランドとのことだ。
レッドペッパーといえば、刺繍がコテコテに入ったコテコテジーンズの代表として2005年ごろ局地的なブームとなった。
ブランド自体が無くなってしまった「トゥルーレリジョン」の系譜であれをさらにコテコテにしたブランドで、韓国ブランドである。
国内ブランドだとこの系譜にはクックジーンズがある。マイルドヤンキー御用達のテイストである。

見出しは2000本の大ヒットとあるが、どれだけの期間で2000本を売ったのかというと

今年5月からの販売数量は約2000本に達し、来年2月までに3000本の追加販売を見込んでいる。販路は専門店など。

とあり、今年5月からだと半年で2000本ということになる。
経済紙的観点からいうと、6か月で2000本を売れていると言ってしまっていいのか甚だ疑問を感じる。
1か月で300本強だ。価格は1万3800円だから上代ベースの金額で考えてもそれほど大した額ではない。

マックハウスあたりが発売する新商品はだいたい年間2万本とか3万本で計画される。
それと比べると半年で2000本というのはかなり少なく「売れている」と言えるのかどうか。

しかし、結局、「売れている・売れていない」というのはその会社なりブランドなりの売り上げ規模や販売計画に基づいて判断するのがもっとも適切だといえる。

デサントとして水沢ダウンが今の数量で売れていることに満足していればそれは「売れている」「好調」といえる。
レッドペッパーがインディマークのパンツを1年で5000本売れれば良しとしているならそれは「売れている」といえる。

売れている・売れていないというのは、5000本とか8000本で満足するのか、それともそれを通過点としてユニクロよろしく無限成長を目指すのかという企業姿勢・ブランド姿勢にも密接に関係する。

10万円のダウンジャケットはいくら頑張って販促したって、年間に10万枚も売れない。
10万枚を目指すなら値段は絶対に引き下げなくてはならない。

気仙沼ニットだって500枚以上は生産できない。
これを1万枚に増やそうと思うと作る人を増やして販売価格を引き下げなくてはならない。
15万円のセーターなんて買う人はそれほど多くないからだ。

しかし、ブランド側が今の数量で満足だというならそれはそれでありだ。
今の数量で満足して安定的な収益が確保できるならそれは一つのビジネスモデルであり、無限成長を目指すことばかりが正しいとは言えない。

メディアはこの部分を混同してしまっている。
特に経済紙・経済誌の見方はひどい。

1万枚未満の水沢ダウンを引き合いに出して「高額品が飛ぶように売れていますよ」なんて吹聴する。
それをまたちょっとアレな経営者が頭から信じて「高い商品なら売れるらしい」と言い出して、意味のわからないハイエンドモデル化してしまう。その結果、経営は極度に悪化する。場合によっては会社がつぶれてしまう。

今までそういうことがどれほどあったか。

高価格化するということは販売数量が少なくなるということだし、大規模な数量を狙うなら価格は引き下げなくてはならない。
そのどちらを狙うのもそれは経済活動の自由というものだが、高価格で大量に売れるということはほぼない。
インディマークの1万3800円くらいならやり方次第では何万枚か(10万枚は越えない)には達するだろうが、10万円の服が何万枚・何十万枚も売れるようにはならない。これが現実である。

販売数量の違い・販売目標の違い・ブランドのスタンスの違いを一緒にして、「10万円もする〇〇がバカ売れ(でも販売数量は3000枚くらい)」というような煽りは百害あって一利なしである。

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見た目では低価格品とブランド品の差がわかりにくくなってきた

頭頂部分の髪の毛が薄くなってきたので、7年くらい前からときどき帽子をかぶるようになった。
若いころから散髪屋では「つむじが二つあってそれぞれ逆回転だからどうしても頭頂部分の毛量が少なくなる」と言われてきたが、元妻にも頭頂部分の髪は薄いと言われていたので、「薄くなってきた」というのは単なる見栄で、元から頭頂部分は薄かったというのが実情である。

まあ、ハゲ自慢はこの辺で置いておいて、ベーシックな帽子を見て回ると、高額品と低価格品ではほとんど区別ができない。
デザイン性の高い帽子は別として、ベーシックな帽子はその違いはほとんどミクロだろうと思う。

先日、あるウェブ関連業者が、帽子メーカーのウェブサイトを構築するにあたって、帽子は低価格品と差別化する見せ方や伝え方が難しいと頭を悩ませていた。

洋服もそれはかなり難しくなってきたが、帽子は専門家でないとわからない部分がより多く、それだけに物での差別化は難しい側面がある。
また機能性の切り口でも衣服ほど切実ではない。極端にいえば何の機能性がなくてもあまり気にならない。

先日、インスタグラムで交流のあるシャレオツな繊維業界人がデニムにペンキを散らせた帽子をアップしていた。
かっこいいのだが、あれ?と思わず目を見張った。

実はこれと似たような帽子を当方も持っている。
2年くらい前に天神橋筋商店街で1080円(税込み)で買った。

これだ。

もちろん、差異はある。
シャレオツな人の帽子は同じデニム生地でもウォッシュ加工が施されて色が薄い。
ペンキはカラフルなのが3色散らしてある。

一方、当方の帽子は、ワンウォッシュのデニム生地なので濃紺である。
散らしているペンキは白と黒の2色である。

実はこの帽子はウォッシュをかけて薄いブルーにしたのと2色展開だったのだが、薄いブルーが似合わなくてこちらの濃紺を選んだという経緯がある。

天神橋筋商店街で1000円均一の名物の帽子屋で買った。
ここが扱う帽子は中折れ帽ならほぼ一つのパターンで作られているようだが、その分、素材や色柄のバリエーションが多く、選ぶ楽しみがある。ざっと店頭には中折れ帽だけで50種類くらいの色柄がある。

さて、この2つを見比べてみてどうだろうか?
もちろん、差異はあるが、同じ品番の色違いと言っても多くの人にはわからないだろう。

シャレオツな人の帽子はおそらく、彼の持っているブランド群から想像すると、当方の帽子の5倍~10倍くらいの値段だったと推測されるが、ほとんどの人はその値段差が一見しただけではわからないだろう。

逆にいうと、1000円均一(税抜き)の帽子のデザイン性はここまで向上しているといえる。

当方が見るところ洋服だってこれに近いことが起きている。
先日、モノトーン好きでロックテイスト好きな業界人がロック風なTシャツを着ていた。
いつも、それなりに値段のするブランドを着ているので、またどこぞのブランドTシャツだろうと思って見ていたら、実は「ジーユーで買った」という。

詳細に見れば、高額品との差があちこちにあるのだろうと思うが、一見しただけではそのTシャツがジーユーの商品かブランド品かはほとんど判別できない。
ジーユーのTシャツによほど身バレするような特徴的なプリントでも施されていないとわからない。

それほどに衣料品や服飾雑貨における低価格品と高額品の差異は極小化している。

こうなると、製造面やデザインだけでは差別化しにくい。
それを無理やりに差別化しようとすると、「生地ガー」とか「縫製ガー」とか「何ミリの仕様ガー」というミクロな部分をクローズアップするほかない。
しかし、そういうミクロな部分は、多くを占めるマス層にとってはほとんどどうでも良い部分である。

別に見た目がほとんど一緒なら、生地の組成が少々違おうが、縫製が1ミリずれてようが、多くの人にとってはどうでも良くて、安い方を買う。

「物なんてなんでも一緒」とまでは言わないが、低価格代替品を選ぶ人が増えるというのは、当然の流れといえる。

だから売り方や見せ方が重要になる。これは致し方ない。
作ることも重要で手抜きすることは論外だが、一定の品質なら、作ることだけでは低価格代替品と差別化できにくいことは動かしようもない事実である。

それをいくら嘆いても、業界の製造インフラが30年前に戻るわけもなく、金さえ払えばど素人だってそこそこに見栄えがするオリジナル商品が作れるという状況は今後さらに進化することはあっても、退化することはない。

そう考えると、今後は売り方・見せ方という「形のないもの」に対しての取り組みがさらに重要になるわけで、「形のないもの」への出費を極端に嫌う旧態依然とした姿勢の崩さない業者はさらに市場から淘汰されることは間違いない。

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知名度だけに胡坐をかいたタレントブランドは売れない
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ノームコアについて納得できる説明を読んだ

少し前まで「トレンド」として話題になっていた「ノームコア」だが、衣料品業界にいる人間の解説はさっぱり意味がわからなかった。
何人に尋ねても意味の分からない答えが返ってくる。もしかしたら説明している当人たちも意味がわかっていなかったのではないかと思う。

「究極の普通」って何なんだよ(笑)。
一部のブランドを除いて90%のブランドは「普通の服」を販売している。
じゃあ、すでに自分も含めてほとんどの人間はノームコアじゃないか。
全身ユニクロで固めりゃいいんじゃね?意味わかんネー。

無地の洋服がノームコアだと解説する人もいた。
よっぽど変な柄は別として、ストライプとかボーダーとかチェックとか伝統的な柄でさえだめなのか?
白Tシャツとジーンズしかダメならみんなが90年代の吉田栄作みたいな服装をせねばならないのか?
じゃあ、別にそんな意味不明なトレンドなんてどうでもいいから当方はボーダー柄のTシャツを着るよ。

まあ、そんな感じである。
そのトレンドの何がかっこいいのかすら理解不能だった。
よって、当方はノームコアなんてどうでもよくて、興味の対象外として終わった。

で、当方は興味の対象外だからどうでもよかったのだが、どうやら「トレンド」としてのノームコアは終了していたようだ。
そんな中、ノームコアの解説で納得できるものを見つけてやっと腑に落ちた。

全世界で間違い続けられたまま終わった「ノームコア」の説明
https://togetter.com/li/1163351

である。ちょっと長いが納得のいく解説である。

要するにノームコアというのは概念とか哲学であり、黒無地のタートルネックセーターとかリーバイス501だとかグレーのニューバランスだとかそういうアイテムやコーディネイトに落とし込むものではないということだ。

オーガニックコットンと似ていると感じる。
オーガニックコットンも元来は、そのコットン自体に価値やら機能性やらがあるわけではなく、無農薬・無肥料で綿花を栽培するという社会活動である。それがいつの間にか、有機栽培された綿花に価値やら機能性やらがあるように誤認されている。

大体、そもそもが「何を着るか」にこだわらないのがノームコアなわけで、「ノームコアなアイテム」を話題しちゃったらハナからその哲学に反するわけで、もう支離滅裂じゃないですか。

http://www.newsweekjapan.jp/sasaki/2015/07/post_1.php

そしてこう結論づけるのだ。「かつて個性というのは、自分のやり方で人生を切り開いて行く自由への旅だった。しかしそれによって私たちは孤独になっただけだ。ノームコアはそうではなく、他人との違いを追求するのではない新たな自由を求める。自分だけが特別ではないということに解放感をもち、そこに順応することが共同体への帰属なのである。だからノームコアは、より平和的な生き方への道のりなのだ」

この辺りがもっとも象徴的だろう。

あー、実にめんどくさい。(笑)
こういう哲学とか概念とかは個人的には本当に大嫌いである。

このまとめにもあるように、スティーブ・ジョブズの着こなしによって「無地でなければ~」と誤解され、サードウェーブやらと混同され「上質な暮らし」と誤解されるに至った。それって「ロハス」と間違えてないか?

このまとめで嘆いておられるように、ミーハーなファッション業界人に消費されてしまったというのが実情である。

個人的にはこの「トレンド」に興味を持たなくてよかったと思う。
元来、こういう思想とか社会活動とかそういうのは大嫌いだからだ。
逆にこれに飛びつこうと思ったファッション業界人の気が知れない。あほなのだろう。

解説にもあるように、今でも揶揄される大学生の量産型ファッションは立派にノームコアである。
そのファッションテイストやジャンルにかかわらず、集団に溶け込む着こなしはすべてノームコアだといえる。
だからベーシックな服装だけがノームコアではないということだ。

コスプレイベントでそれに参加するためにコスプレするのもノームコアだし、セクシー系の愛好集団に入ってセクシー系の洋服を着るのもノームコアだし、ヤンキー集団に入ってヤンキーファッションに身を固めるのもノームコアだということになる。

ファッショントレンドでもなんでもなく、きわめて日常的で、解説にもあるようにほとんどの日本人が自然に体得していることである。

それをやれトレンドだ、やれ哲学だ、やれ概念だ、と何をめんどくさいことを言っているのかと思う。

それにしてもこの説明はお見事である。
多分実際にお会いして、交流すると極めて気が合わないと思うが、この論考は敬服するほかない。

個人的には、洋服なんてそこそこ安くて、そこそこカッコヨク見えて、機能性があればそれが最上だと思う。
わけのわからんブランドネームも要らないし、哲学も概念も社会活動も個人的には要らない。
そうなると、ユニクロか無印良品あたりがbestに近い存在になり、あとはライトオンとかジーユーとかウィゴー、ジーンズメイトあたりを組み合わせれば済む。

そういえば、つい先日、某ラグジュアリーブランドの販売員(もちろん男性)を連れてユニクロに行ったところ、1990円に期間限定値引きされていたワイドフィットチノにいたく満足してお買い上げになった。
オリーブグリーンのカラーを選んだのだが、試着してみて、「これスゴイですね。それでこの価格なら買いですよ」と感激しておられた。

「すべての物に大した違いはない」とまでは思わないが、大半以上の「物」というのはこの程度の差異しかないということだと思う。
そんなわけで、ノームコアについてのモヤモヤが晴れたのでスッキリした。
これから死ぬまでその方面には触らないでおこうと思う。

余談だが、Amazonでノームコアを検索すると、「ノームコアセンス」というブランドが出てくる。このネーミングはかつて発見した「ディーゼルパワー」に勝るとも劣らない。(笑)
あとナノユニバースにも「クライド ノームコア」というスニーカーがあるのも発見した。
ファッション業界がノームコアを解釈するとこうなるという見本ではないか。(笑)

 

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若手デザイナーが海外を目指すのは、大手セレクトショップが仕入れないから

個人的にコレクションショーにはまったく興味がないが、それでも何度かは業務上必要に迫られて東京や大阪でコレクションショーの取材をしたことがある。
それでも通常のアパレルブランドの取材よりもずいぶんと当方にとってはあまり面白みは感じなかった。
今ではほとんどコレクションショーは取材しないし、記事にもしない。当方の意欲も能力もない上に現在の仕事上ではだれからも必要とされていないからだ。

ちなみに、東京コレクションと東京ガールズコレクションを混同している人を時々見かけるが両者はまったくの別物である。しかし、当方は両方に等しく興味がない。

そういえば最後に東京コレクションを見たのはもう8年くらい前になる。多分、東京に限らずコレクションショーを今後わざわざ見ることはないと思う。

東京ファッションウイークは誰の為のもの?
https://www.fashionsnap.com/the-posts/2017-10-24/kurino2018ss/

という問題提起記事が掲載された。
半分くらい、特に後半はそれなりに同意だ。

一昨年あたりから報道を介して取り組みを見ていても何か変わってきているような印象を受ける。
今後、何か期待できるのかもしれないとは思う。何かはわからないけど。

一方、前半は賛同できない。
日本のメディアにファッション批評・批判が育っていないことはその通りだが、そういう風土を作り上げてきたのは記事を書いたご自身も含めた世代の人々ではないのか。何を今更wwww。こういうのをネットスラングで「大草原」「草不可避」というのだろう。

国内の繊維・ファッション・アパレル業界というのは批評されることを極度に嫌う。
ファッションブランドも紡績・合繊メーカーも同じだ。

業界紙時代に、某合繊メーカーが批判記事を書いた記者に激しく詰め寄っているのも見たことがあるし、自身も何度か某ブランドから抗議を受けたこともある。こちらが主観を混ぜた記事を書いたのならまだわかるが、アンケート結果に対しての抗議だったので、何を言っているのかとしか思えない。

批判・批評されることが嫌で、アパレル企業各社は業界新聞やファッション雑誌とズブズブの関係を作ってきた。
今は幾分風潮が変わっているもしれないが、まあ、まだそれは続いている。
ファッション雑誌の対談で、司会する編集者とインタビューされる人が「この間の野球対戦は盛り上がったね。キャッキャウフフ」なんて言いあっているくらいズブズブでなあなあであるから、批判・批評なんていうのは起きるはずもない。

また、今の大御所とされるデザイナーがファッションジャーナリストから批判・批評されることを良しとしてきただろうか。

例えば、仮に、今、コシノヒロコや山本耀司のコレクションがひどい物だったと仮定して、それを批評・批判できるメディアがあるのか?
また大御所デザイナーはそれを許すのだろうか?
ないだろう。

過去40年も50年もそういう業界体質を作ってきた世代の人に「批評が足りない」とか言われたところで、それこそネットスラングの「おまいう」「ブーメラン」である。

また、前半には、若手デザイナー(40代も含めて)は国内より海外での発表やビジネスに注力しているという内容の箇所もあるが、それも当たり前ではないか。
国内でデザイナーズブランドを渾身の力を込めて展開したところで、それを仕入れてくれる大手セレクトショップなんてほとんどない。
ご自身が創業からかかわってこられたユナイテッドアローズだってそのうちの1社だ。

国内では大口卸先が見込めないから、ビジネス先を求めて海外へ行く。至極当たり前のことだ。
日本人には舶来コンプレックスみたいなものが色濃いから、海外、とくに欧米で高い評価を受けたブランドは後追いで逆輸入される。
近年、業界人がこぞって褒めちぎる「サカイ」だって国内より海外での活躍によって評価を高めたといえる。

そういう光景を見れば、若手デザイナーはさらに海外へ活躍の場を求めるのは当然である。

若手デザイナーを海外に追いやっている理由の一つが、大手セレクトショップ各社のこれまでの不見識である。

今回の記事の指摘は正論ではあるが、ではどうしてこれまで社内でその正論を貫かなかったのか、自身が創業に携わった会社をそういう方向へ導けなかったのか。この辺りはまったく謎だ。

この記事を40代以下(もちろん40代を含む)のデザイナーやライターが書くのなら、無条件に賛同するが、この年代のしかも、業界の中心に長らく立ってこられた方が今更それを言うのかと、驚きあきれるほかない。

最近、メディアでは繊維・ファッション・アパレル業界に対してのシビアな記事が掲載される。
それ自体には賛同するが、「識者」として登場する方々がほとんど同じラインナップでしかも50代以上の年配層がほとんどだ。
はっきり言って「その人選に問題あり」だと思う。
それらの方々は、長らく業界の中心に立って牽引してきた人ばかりだ。
で、何を今更他人事のように業界や市場を批判・批評しているのか。

そこまで見通せているのなら、なぜ、自社・自組織でもっと力を尽くさないのかと不思議でならない。
無責任極まりない言説といえる。

自分らがこれまでできなかった・今もできていないことを棚に上げてよく言えるものだと思う。

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