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「大手セレクトショップ」という日本独特の奇態~アメリカンラグシーの撤退から~

先日、サザビーリーグが展開するセレクトショップ、アメリカンラグシーの日本撤退が発表された。店舗数がこのところ極端に減っていたからさもありなんとしか思わなかった。
サザビーリーグは以前にもセレクトショップ、アンドエーを閉鎖していて「セレクトショップ」を長続きさせることは難しいということが改めて認識されたのではないかと思う。

アメリカンラグシーは2008年の売上高をピークに相次いで店舗を閉鎖しており、現在では全国に5店舗を展開するのみとなっていた。アンドエーの末路とほぼ同じような状態だった。

先日、Yahoo!ジャパンにこんな記事が掲載された。

サザビーリーグが「アメリカンラグ シー」事業から撤退、セレクト業態が抱える構造的課題が浮き彫りに
https://news.yahoo.co.jp/byline/kumimatsushita/20180415-00084027/

これは当方の旧知の松下記者が書いたものだが、記事中にこんな一文がある。

現在、セレクトショップといわれる多くのブランド・ストアでも、オリジナル比率は50%近くまで高まっているところが多い。セレクトショップでもある程度の規模を確保し、価格競争力のある商品を企画・生産できるだけの調達プラットフォームが必要不可欠な時代に突入しているといえる。

とのことで、松下記者は控えめに「オリジナル比率は50%近く」と書いているが、実際のところ、ユナイテッドアローズやビームスなどの大手セレクトショップのオリジナル商品比率は7割から8割くらいになっている。ただし、7割と言っても、こと衣料品に限ればオリジナル比率は8割~9割にもなっている。じゃあどうして1割~2割くらい構成比率が下がるのかというと、バッグや靴がオリジナル比率を下げているからだ。

洋服は業界全体での製造インフラが整っているから、カネさえ支払えばいくらでもオリジナル品が作れるようになっている。しかし、靴やバッグは専門性が高いために、洋服に比べるとそう簡単にオリジナル品は作りにくい。だから必然的に他ブランドからの仕入れ品が増えざるを得ない。このためオリジナル品比率が洋服よりも低くなってしまう。

本来は、いろいろなブランドから仕入れてきた商品を集めたのがセレクトショップだが、事業を拡大するには、収益性の面や商品デリバリーの面から考えると、オリジナル商品比率を高めざるを得ないのが実態である。

例えば、5000円の商品を他ブランドから仕入れたとする。現在の国内の仕入れの慣習からすると、2700円くらいだろう。店側の儲けは2300円くらいしかない。ところが、同じ5000円でも自社が企画して製造を委託したオリジナル商品の場合は1700円くらいで製造できるから、儲けが3300円になる。オリジナル商品の方が明らかに利益率が高いく儲けが多い。

また、仕入れ品だと「欲しいときに追加発注しても商品がなくなっている」という可能性が高い。メーカー側はなるべく早く売り切りたいから、商品を多めには作らない。よほど売れに売れているなら追加生産するが、ポテンヒットやシングルヒットくらいの当たりでは追加生産はしない。その結果、店が追加発注しても生産せず、商品が入荷しないということも珍しくないから、仕入れ品のみでは店作りが難しくなってしまう。期初は商品がキチンと並んでいるが、期中になると棚やラックがスカスカということにもなり得る。

だからセレクトショップ各社は業績を拡大するにつれて段々とオリジナル商品比率を高めていった。大手セレクトショップの内情はすでに「ほぼSPA(製造小売り)」化してしまっている。
実は売上高500億円や1000億円を越えるような大手セレクトショップという「不思議な」業態が存在するのは日本だけである。欧米のセレクトショップは、仕入れ品のみを頑なに守っているので大規模な業容拡大をしていない。していないというよりできないのである。

つい先年、閉鎖が話題となったパリの有名セレクトショップ「コレット」だが、多店舗化していない。今回閉鎖が決定したアメリカンラグシーもアメリカ本国では多店舗化していない。一時期多店舗化を志向したものの失敗しており、個店に戻っている。そもそも「セレクト」というコンセプトで多店舗展開することは不可能に近いといえる。理由は、上に挙げたように、利益率が低く儲けにくいから大規模な投資につなげにくいということと、仕入れ品のみでは店作りが困難だからということの2つが挙げられる。
大手セレクトショップなる業態が林立しているのは日本独特の奇観だといえる。

大手セレクトショップ各社が「ほぼSPA」と化したしまった現在、弊害も徐々に現れ始めている。オリジナル商品の各社の同質化である。自社企画製品といっても、元来が小売店であるセレクトショップ各社にはデザイナーもパタンナーもいない。必然的に、そういう専門の会社に商品の製造をデザインから委託する。平たくいえば丸投げしているのである。

そうすると専門の会社はいくつものセレクトショップやSPAブランドの商品作りを手掛けているから、自然とそれらの商品は似てしまう。
出来上がった商品はどれも似ているから、それを並べた店頭は似てしまうのは当たり前である。こうして同質化が起きると、消費者が購入する動機は低価格ということになる。同じ商品・似たような商品なら人は誰でも安い方で買う。いずれ、大手セレクトショップ各社も否応なく価格競争に巻き込まれることになると考えられる。

今回のアメリカンラグシーの日本撤退からもわかるように長年にわたって、他社ブランドの仕入れだけで収益性を維持し、店作りをすることは困難を極める作業である。かといって、安易にオリジナル比率を高めてしまっては同質化が進んでしまう。これがアメリカンラグシーとアンドエーが苦戦に転じた背景で、他の大手セレクトショップも表面化していないだけで同様の課題を抱えている。

2000年ごろから国内ファッション業界を牽引してきた日本独自の「大手セレクトショップ」という不思議な業態もそろそろ曲がり角に差し掛かっているのではないだろうか?何事も盛者必衰だし無限成長することはできない。

そしてこれらの課題の解決方法を誤れば、2015年ごろから一気に経営不振に陥った大手アパレル各社と同じような結末を迎えてしまう可能性もある。

衣料品ビジネスで儲け続けることの難しさを改めて感じる。

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さらばアメリカンラグシー

被服への月額平均支出額は1万円強。これを踏まえて各ブランドは在り方を考えてみては?

今日は出張中ということもあり、いつもより手短に。

何事も自分一人の感覚だけでやって成功できるのはほんの一握りの「本物の天才」しかいない。

やっぱり世間相場についてのデータを持ったうえで、それに沿うのか、それを裏切るのかを考えながらやらなくては凡人は成功しない。
世の中のほとんどは当方も含めて凡人なのだから、世間相場のデータを持つことが前提となる。

低価格化に苦しむ我が国のアパレル業界だが、それでも実際のところは、洋服の平均購買額はどれくらいなのだろうか。
それを把握してビジネスに当たっているブランドは少ないと感じる。

総務省の家計調査報告書によると2016年度は月額平均で被服代への支出は10,878円だった。
1年間では12倍すると13万536円となる。

世間相場の平均では年間13万円強しか服を買わないということになる。

となると、各ブランドは個々人の年間13万円の予算の中からどれだけ分捕るのかということになる。
早い話が13万円の予算の分捕り合戦ということだ。

極端な言い方をすれば、あるブランドが、5万円の服を買ってもらったら使える予算は残り8万円になってしまう。

一方、ユニクロやジーユー、無印良品などの低価格ブランドを除いて、ちょっとしたブランドなら商品単価は1万円を越えている。
ブランド側からすると「1万円の服なんてそんなに高くもない」と考えているだろうが、買う側からすると1万円というのは月額の支出平均額であり、立派に高額品ということになる。

ここに業界と世間相場のギャップがある。

世間相場に合わせようとすると低価格ブランド志向ということになるが、かつての大手総合アパレルは散々それで失敗してきた。
ワールドしかりオンワードしかりファイブフォックスしかりイトキンしかりだ。
逆に今更、そこへ進出しようとしている周回遅れが三陽商会だ。

低価格ゾーンはそこで激しい競争がある。
物性の品質ではユニクロ、無印良品が抜きんでており、トレンド商品では現在のところジーユーが抜きんでている。
単に安いだけでは売れないことはハニーズ、フォーエバー21の不振を見れば明らかだろう。

比較的アジャストがうまかったのはユナイテッドアローズのコーエンということになる。

各ブランドは平均購買価格よりも高額な商品を売ろうとしているということを認識して、商品企画・売り方・見せ方・販促方法を考える必要があるのではないか。

月額1万円の予算しか持っていない人にどうやって1万5000円の商品を売るか?

これが各ブランドが真剣に考えるべき案件である。

いろいろなブランドの展示会に顔を出していると、まだまだ各ブランドからは「まともな服を買おうと思ったら1万円くらいは普通に払うでしょ」というふうに思っていると感じる。

ところが1万円の服を売るということは、その人の月額予算を根こそぎ奪ってしまうと考えないといけないのではないかと思う。
そうしていかに「根こそぎ奪う」のかを考えないと収奪計画は成功しない。

日本人は、高い服が売れにくくなったのは日本特有の問題だと考えている節があるが、実際のところ欧米でも同じ傾向で、むしろファストファッションのビッグブランドが欧米から生まれているのがその最たる証拠である。
需要のないところにビジネス的成功はあり得ない。

ZARAにしろ、H&Mにしろ、発祥はヨーロッパだ。
GAP、オールドネイビーの発祥はアメリカだ。

ということは、欧米にはそういう低価格衣料品の大きな需要があったということだ。
それも日本よりもはるかに以前から。

もう、「なんとなくトレンドだから」とか「なんとなくかわいいから」とか「なんとなくかっこよさげだから」とか、そんなあやふやな理由で高額な衣料品は売れにくいと考えた方が、さまざまな戦略を誤らないだろう。

それでも会社の構造上、ブランドの構造上、自分の嗜好上、高い服を売らなくてはならないというブランドや企業は数多い。
じゃあ、高くても買ってもらえるためには何が必要か、どうすべきか、を真剣に考える必要がある。

もちろん、今回書いていることは単なるデータ上だけのことなので、実際のところは高額品愛好者もいれば、好きな物なら高くても買うという人もいる。
世の中の平均値なんて上と下を足して割っているだけだから、もっと上のランクの人もいるし、月額1万円未満しか服を買わない人もいる。

その中で、富裕層を狙うという戦略もありだが、富裕層を狙うなら富裕層の刺さる施策が必要だ。
中間層を狙うなら、この月額1万円という平均値を強く意識しなくてはならない。

まあ、わざわざ、1万円未満の下層階級をターゲットにしたいと考える人はほとんどいないだろうが。

消費者の低価格志向が如実になってから各社・各ブランドは富裕層を狙うと宣言し始めた。
これは東京コレクションに出品しているような若手デザイナーズブランドも同じだ。

しかし、そうなった場合、競合するのは欧米のラグジュアリーブランドということになる。
ラグジュアリーブランドを上回る「何か」がないと富裕層は取り込めない。
それを真剣に考えているブランドはあまりないと感じる。特に若手デザイナーズブランドは、当方が接した範囲ではその思いがとりわけ薄いと感じる。(接していない人でそうではない人もおられるだろうけど)

当方の独断と偏見だが、若手デザイナーズブランドこそ、ラグジュアリーブランドには品質面・ステイタス性・販促の巧みさでは太刀打ちできないのではないかと感じる。
まだ、ファクトリーブランドや大手ブランドの方がキャッチアップが可能なのではないかと見ている。極めて難しい作業だろうが。

この辺りをもう一度冷静に考えてみてはどうか。

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ライトオンとマックハウスが解決すべきそれぞれの課題とは

ジーンズ専門店チェーンの大手3社といえば、ライトオン、マックハウス、ジーンズメイトでしたが、すでに売上高100億円を下回ってしまったジーンズメイトが大手と呼ぶに相応しいのかどうかは大いに疑問を感じる。
しかし、全国展開しているのはその3社だから一先ずその枠組みは残しておこうと思う。

ユニクロに客を奪われたのは大手総合スーパーよりもこれらジーンズ専門店チェーンではないかと思う。

ジーンズメイトのことは散々書いてきたから、今回は先日、決算が発表されたライトオンとマックハウスについて考えてみたい。

ライトオンの2018年8月期中間決算は

売上高397億9000万円(前期比7・1%減)
営業利益9億3800万円(同302・1%増)
経常利益9億2200万円(同306・2%増)
当期利益4億1600万円

と減収ながら大幅増益となった。
理由は前年の利益額が悪すぎたからだ。

マックハウスの2018年2月期決算は

売上高308億5200万円(同8・5%減)
営業利益2億1600万円(同64・9%減)
経常利益2億6400万円(同61・3%減)
当期損失2億2400万円

と減収大幅減益に終わった。

ライトオンは中間決算、マックハウスは本決算ということで一概には並べられないので、ライトオンの通期見通しも書いておこう。

売上高770億円(同3・8%減)
営業利益12億円
経常利益11憶5000万円
当期利益1億5000万円

となっており、黒字転換を見通すものの、売上高はさらに低下しており、800億円を下回る見通しとなっている。

マックハウスも売上高500億円はとっくの昔に割り込んでおり、このままでは300億円台も維持できるかどうか怪しい。
すでに売上高100億円を割り込んで久しいジーンズメイトと合わせて3社ともにピーク時の売上高まで回復させることは至難の業といえるだろう。

ライトオンは今更、52週MDを持ち込もうとしているようだが、かつてのワールドが編み出した52週MDをいまだに信奉している者が業界には多数いるが、その後のワールドの経営不振を見れば、結果は一目瞭然ではないかと思う。
なぜ、失敗した会社の手法をいまだに持ち込みたがる企業が後を絶たないのか不思議でならない。

ジーンズメイトも含めてキャッシュフローは潤沢であり、バランスシートも重くないと経済各紙は指摘するが、それは「倒産しないという保証」に過ぎず、売り上げ回復や業績回復の手段とはなり得ない。

なぜなら、金を潤沢に持っていることと、売れ行きが回復することはイコールではないからだ。
潤沢な資金があるから、売れる商品を開発できる可能性がある、売れる売り方を見出せる可能性がある、売れる販促ができる可能性がある、ということに過ぎない。

カネは使ってこそ初めて効果を発揮するのであって、金庫に眠っている間は何の効果も発揮しない。
せいぜいが倒産しないというお守りになるくらいだ。

その潤沢な資金を使って、商品開発、売り方の刷新、効果的な販促ができなければ、企業はジリ貧となっていく。

ジーンズ専門店チェーン3社の課題は資金繰りではなく、品ぞろえ・店構え・販促・売り方にあるのではないかと思う。

まず、ライトオンだが、ショッピングセンターに入店している他社ブランドと見比べると店構えが完全に違う。
この差異が良いのか悪いのかを精査すべきで52週MDの導入なんぞで業績は上向かない。

例えば、ショッピングセンターの他社ブランドと比べると、ユニクロやグローバルワーク、コーエン、ジーユーあたりは、床や柱が白く近未来的な店作りとなっている。
商品の積み上げ量も少なく、店舗には圧迫感がない。
ユニクロは商品を積み上げているが、不思議なことに圧迫感はない。
ジーユーはスタート当初は商品を積み上げすぎて圧迫感のある店作りだったが2011年頃から解消された。

それに比べるとライトオンは、従来型のワーキングやアメリカンカジュアル色の強い土臭さの漂う内装となっている。
また商品の積み上げ量が多く先に挙げた店舗に比べて見通しが悪く、得も言われぬ圧迫感がある。

先に挙げた店舗の後追いをすることが良いとは決して思わないが、そのあたりを比較して要素を取り入れることを考えても良いのではないかと思う。

ライトオンが今、真剣に考えるべきはこれまで通りの土臭い店作りを続けるのか、それともやめるのかである。
一概に後追いする必要はないので、これを「ブランド色」として追求するのか、それとも方向転換するのか、幾分か緩和してアレンジするのか、経営陣はそれを考えるべきで本社を原宿に移すことなんていうのはどうでも良いことである。

マックハウスの問題点は、都心一等地に店があまりにも少ないことにある。
大阪府内だと堺市駅前と吹田駅前にあるのを知っているくらいだ。
だから、必然的に都会に住んでいる人には著しく知名度が低い。
ちなみに週に1度講義に通っている大阪市内のファッション専門学校の生徒は誰もマックハウスを知らない。
それほどの知名度の低さであることを自覚した方が良い。

また店作りが非常にチープ感溢れている。
これではいくら商品が良かろうと客を引き付けることはできない。
チープさでいえば20年前のユニクロか、今のしまむら並みといえる。

ユニクロの後追いみたいな新業態も始めているが、それは単なるユニクロの劣化コピーに過ぎず、ユニクロをやめてでもそこで買いたいと思わせる物がなければ、単なる二番煎じに過ぎない。
それならまだ謎の中国ブランド「メイソウ」の方がはるかに売り方・見せ方が上手いといえる。

ジーンズメイトは自社ブランド「ブルースタンダード」「メイト」が20代後半~35歳くらいをターゲットにしているにもかかわらず、店の内装やその他の品ぞろえが中学生向けになっていることが問題である。自社ブランドと店があまりにもミスマッチに過ぎる。
これを解消しない限り自社ブランドが売れることは見込めないだろう。

3社とも中には良い商品もある。しかし、今の売り方・店構えではその商品が見えにくい。
それを自覚して解消する方法を考えるべきで、52週MDの導入とか、ユニクロの後追い店舗とか、ユニ辞め社員を登用するとか、そういう小手先の対処療法ではまったく結果を出せないだろう。

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ライトオンのお買い得品

お手頃価格でみんながファッションを楽しめるならそれが最高だろ

金曜日にユニクロとJWアンダーソンコラボの2018夏物が発売された。
メンズのアシンメトリーボーダー柄Tシャツは意外に生地が分厚く、原材料費にカネかかってんなあという感想だ。
あと、スタンドカラーのロング丈シャツは値下がりしたら買いたいと思った。

せっかくなので、390円のボーダー柄靴下を2足買った。

試しに買ったユニクロアンダーソンのボーダー柄靴下

全部で6色くらいあったが、黄色のボーダーとマルチカラーのボーダーを選んだ。

まだ試し履きしていないのでレビューはまたの機会にしたい。
靴下というのは意外にコーディネイトでも重要になる。
特に、ズボン丈が短めな近年は、靴下が目立ちやすい。
これが2005年頃の裾を引きずるようなブーツカットブームの時なら靴下なんてコーディネイトに必要なかった。
なぜなら靴を脱いで座敷にでも上がらない限り、靴下なんて見えないからだ。

しかし、今はズボン丈が短めだから靴下は常に見えている。
それゆえに、靴下がコーディネイトの要となることが増えた。
極力目立たない黒無地や紺無地にするもよし、派手な色柄でアクセントにするもよしだ。

何色かあったがこの2色を選んだ理由は、赤のボーダーは今春に無印良品で200円に値下がりした靴下を買っていたからだ。
無印では200円に値下がりした赤ボーダーとグリーボーダーを1足ずつ買った。

200円に値下がりして買った無印良品のボーダー柄靴下

 

こちらはすでに履いているが、履き心地は極めて良い。綿素材で薄すぎず分厚すぎずである。

通常値下がりした靴下は安物臭い生地が多いが、これが200円に値下がりしているのがすごいと思う。

また、ユニクロアンダーソンのボーダー靴下も390円でこの配色の商品が買えるのがすごいと思う。

現代は、「安くて見映えの良い商品」で溢れていると思う。
自分が若い頃の25年くらい前を考えるとなんとも消費者の立場とすれば羨ましい時代だといえる。

ところが、衣料品業界には「低価格衣料品の出現は許せない」と息巻く既得権益者が数多くいる。
この手の人間は幅広い年代にいるのだが、中でも中高年のこの論者はこれまでさんざん高い服で儲けてきた既得権益者である場合がほとんどだ。
反対に年若いこの論者は、単なるイシキタカイ系か、自分のブランドが売れないことへの八つ当たりをしているか、のどちらかといえる。

まあ、たかが服なんで、だれもがそれぞれ自由な意見を持っていれば良いと思うのだが、個人的には「見映えの良い低価格品」が出るのは自然の流れであるとともに、それなりに好ましいことだと思っている。

理由は誰もがファッション品に手を出しやすくなるし、誰もが安値でファッションを楽しめるからだ。

先日、ユニクロとコラボをするジョナサン・アンダーソン(JWアンダーソン)氏のインタビューが各媒体に掲載された。
一番まともな感じのインタビューを掲載したのが繊研新聞だと思う。

ジョナサン・アンダーソンに聞く、ユニクロと組む理由
https://senken.co.jp/posts/uniqlo-jwanderson-interview-180412

この中でアンダーソン氏は低価格衣料品についてこう語っている。

ユニクロとの協業は、グローバルなプロジェクトということもあるけれど、何より僕自身がファッションの民主化の流れを信じているから。自分のブランドは小さいけれど、とても高い商品もある。でも本来、服は排他的なものではなくて、誰でも手にできる包括的な存在であるべき。

とのことでこの意見には個人的に賛成する。

そもそも、これまでのファッションは「選民思想」に近いもので覆われていた。
バカ高くて、よくわからないロジックのブランドの服をありがたがって着ている人たちだけがファッションエリートで、それを買わない・買えない大衆はダサいという一種の選民思想だ。
しかし、笑えることにこのファッションエリート(笑)たちの多くは、自分の食費や生活費を切り詰めてまでそういうブランドの服を買っていたのである。
ところが、ダサい大衆の方が、衣以外の生活は豊かだったりするのだから笑わせてくれる。

外野にいるオッサンたる自分としてはそれがすごくカッコイイとは25年前から到底思えなかった。
けれども当時は「ファッション業界ってそういうところだよね。だから嫌い」というあきらめもあった。

それよりも、食費や他の雑費もそこそこに支出して、その残った範囲内で見映えのする服を買えることの方が豊かな暮らしではないのかとずっと思ってきたし、今もそう思っている。

例えばユニクロアンダーソンやユニクロUなんていうのは、誰しもが買いやすい値段で、しかも品質・見映えともに悪くない。
そりゃ、中には「なんだこりゃ?」という色柄の商品もあるが、そんなのは他社ブランドだって同じである。
こちらの好みに合う物もあれば合わない物もある。当たり前の話だ。

それから、素人へのファッション指南で人気を博しているMB氏がしまむらグループのアベイルとコラボ商品を発売したがその際、ブログでこんな意見を述べておられる。

アウターが1980円!?MBとアベイルが奇跡のコラボレーション!!

私は「おしゃれを手が届かないもの」にしたくありません。
「誰でもいつでもどこでも、法則さえ知れば自由に楽しめる」のがおしゃれです。
生まれ持った感覚もセンスも必要ない、
お金も時間も必要ない、
おしゃれは今までファッション雑誌やアパレルの世界で長く語られてきたような閉鎖的で限定的なものでは決してありません。知れば誰もが簡単に楽しむことができるものです。

そしてお金も感度も必要ないからこそ、もっと多くの人にこのファッションの楽しさを知ってもらいたい。

とのことで、アーバンリサーチやアダム・エ・ロペなどの有名セレクトショップとコラボをさまざましているにもかかわらず、アベイルなんていう低価格チェーン店とMB氏がコラボをする理由だ。

先ほどのアンダーソン氏とほぼ同じと言える。

この10年間ほど見てきて、「安物の服は許せない~」という人の多くは既得権益者である場合が多く、特に中高年層はほとんどが既得権益者である。その既得権益が破壊されているからなおさら声高に叫んでいるに過ぎないと当方は見ており、その声に耳を傾ける価値はないと思っている。

ユニクロUやアンダーソンコラボを見て「ファッションを殺す気か」と叫んだ年配の方がおられたが、そんなことでファッションは殺されなくて、殺されるのはご自分たちの既得権益に過ぎない。実にくだらない。

ときどき、アフリカのオシャレな人集団「サプール」が話題になるが、オシャレな人を特別視するほどにアフリカは貧しくてファッション衣料品が出回っていないともいえるのではないか。反対に日本や欧米で低価格トレンドブランドが生まれ、多くの人がオシャレを楽しんでいるのは、それだけ社会全体が豊かだともいえる。

今後、ますますファッションの垣根は低くなっていき、そのうちにこれまであったような特殊でクソみたいな「選民思想」は雲散霧消してしまうものだと期待している。

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JWアンダーソンの本体ラインはこんな感じだよ~

ジーユーのカジュアルスーツは何がお得なのか?

最近、巷ではジーユーのスーツのコスパがすごいと話題になっており、当方も昨年秋からジーユーのスーツを4着買った。

昨年秋はジャケットが3990円、パンツが1990円だったと記憶しているが、今春はそれより値上がりしてジャケット4990円、パンツ2490円になっている。
もちろん、当方は定価では絶対に買わない。
昨年秋にカットソー素材の上下セットを黒とライトグレーを買った。
この時はジャケットが3490円、パンツが1690円に値下がりしていた。
しかし、裾上げで300円ずつ取られるのでパンツは値下がりしていないのと同じになった。

そして、今春に同じカットソースーツの明るいネイビーを買った。
こちらは1500円値上がりしたが、ジャケット3990円、パンツ1990円に値下がりしたときに買ったが結局、パンツは裾上げ300円が必要だった。

で、今度は夏向けのも買ってみようかと思って、ちょうど先週値下がりしたので、スーパーストレッチドライスーツを買ってみた。
こちらもジャケット3990円、パンツ1990円に期間限定値下がりし、さらに4月生まれということでオンラインで5000円以上の買い物で使える500円引きのクーポンが支給されたのでそれを使って500円引きでネットで購入した。

カットソースーツの組成はナイロン50%・レーヨン48%・ポリウレタン2%でストレッチ性があって、洗濯性もある。
これは生地が伸びるので、通常ならジャケットはLサイズだが、Mサイズを着ることができた。
パンツはLサイズであり、こういうバラバラで買えるところがジーユーのスーツの利点の1つといえる。

当方は身長の割に手が短いので、ジーユー、ユニクロだとMサイズがちょうどとなる。
しかし、ジーユーは細身に作られているので、Mサイズだと肩幅がピチピチになることが多い。
しかし、Lサイズを選ぶと手が長すぎる。
シャツやセーターなら袖が長くても構わないが、スーツだと袖が長いのはちょっとカッコ悪い。
そこで素材の組成にも助けられて、Mサイズを着ることができた。
伸縮性のない布帛素材なら絶対に無理だっただろう。

先日買ったスーパーストレッチドライスーツは、カットソースーツよりも薄手でまさに夏用だ。
組成はナイロン86%・ポリウレタン14%でこれはエアリズムシームレスと同じ配合である。

こちらはカットソースーツとはパターンが違うのかジャケットLサイズでパンツもLサイズを買った。
こちらのパンツはイージータイプということもあってか、カットソースーツのパンツよりも同じLサイズでちょっと大きめである。

これはベージュ、オリーブ、ネイビーの3色があったが、ベージュを買った。

ベージュのドライスーパーストレッチスーツ

 

オリーブを狙っているが、これは何となく売れ残って値下がりするように思うので、しばらく待ってみることにした。

さて、長々と書いてきたが、スーツとしてはツープライスや格安オーダーの方が値打ちがあるという意見もあるが、ジーユーのこれら商品、それからユニクロの類似商品はどこがお買い得かというと、カジュアルにも気兼ねなく使えるというところにあると思っている。

たしかにツープライスや格安オーダーのスーツは素材も良い。
以前に買ったスーパースーツストアのスーツはスーパー120という高級ウール素材が使われていた。
ジーユーの合繊スーツよりはよほど上質な素材である。
だからビジネススタイルのときはこちらの方が良いが、例えばTシャツやカットソーと合わせるときに激しく躊躇する。

なぜなら、シャツを着ていないから、首筋に直接ジャケットの襟が触れる。
そうするとかならずジャケットの襟の内側に皮脂が付いてしまう。

紺や黒などの濃い色なら皮脂も誤魔化せるが、ライトグレーやベージュなら皮脂が見えてしまう。

着るたびにクリーニングに出すのは費用的につらい。
となると、ツープライスや格安オーダースーツの素材がいくら上質でもかえってカジュアル着用をためらってしまうのが、貧乏性たる当方である。

一方、ジーユーのカットソースーツ、スーパーストレッチスーツならネットに放り込んで家庭洗濯できるから、Tシャツやカットソーとのコーディネイトも気兼ねなくできる。
さらにシャツとタイを合わせると、カジュアル化が進んでいる今なら、ビジネス・フォーマルとしても利用できる。

そういう意味で、ジーユーのスーツには「お得感」がある。

ジーユーがこの路線を選んだというのは非常に賢明だったと思う。
なぜなら、ツープライスや格安オーダーよろしく、ウール素材を選んでしまうと如実に生地の品質の良し悪しが問われる。
またフォーマルが前提となると、仕立ての良さだとか、細部の作りこみで競争しなくてはならなくなる。

しかし、カジュアル前提で異素材(合繊機能素材)ならそこまで厳しい目では見られない。
なんちゃってカジュアルスーツみたいな位置付けで利用してもらいやすい。

一見すると似たような商品かもしれないが、ビジネスが前提でカジュアルにも着用できるツープライススーツや格安オーダーと、カジュアルが前提でビジネスにも着用できるジーユーという違いあり、これは実は想像するよりも大きな差異といえる。

あと、余談だが、ジーユーのカットソースーツは何シーズンか前から、ファッション関係者以外でもそれなりに話題となっており、普段ファッションとは縁のなさそうなメディア関係者や経済関係者が注目をしていた。
その中の一人が内閣だか政府だかの会合にジーユーのカットソースーツを着て行ってバレないか?みたいな企画をやっていたが、はっきり言ってバレるはずがない。
触れば別だが、一見しただけで他人が着ている服の素材がわかるような人間はいない。とくにそういう政府や役所関係者には皆無だし、衣料品業界人だってそんな特技を持ち合わせている人はいない。

それにスーツは「形」が大事なのであって素材はその次のポイントになる。
カットソー素材が異素材だからダメだというなら、綿スーツも麻スーツもダメだということになる。
じゃあ、ウール30%・ポリエステル70%の生地で作られたスーツはどうなんだ?ということにもなる。

ちなみに、某ファッション専門学校の卒業式でライトグレーのジーユーカットソースーツを着用した。

ジーユーのライトグレーのカットソースーツを着用してみた

 

シャツはベネトンで昔、2700円くらいに値下がりしていたもの、ニットタイは東京シャツの店で1000円で売られていた物だ。
合皮茶スエードのサイドゴアブーツは、ヤフーショッピングで2足8000円で買った物だ。
ベルトは2900円のスーツカンパニーの商品なので、合計で2万円くらいのコーディネイトとなる。

最近の低価格衣料品の見た目は決して悪くないから、サイズ感と色合わせさえ間違えなければそんなに変には見えない。

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心斎橋筋商店街がドラッグストア街に変貌した理由とこれまでの変遷の推移
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こんなのも試してみても良いかもしれない↓

「日本製というだけ」では高く売れないし、ウェブサイトを開設しただけではアクセスはない

最近はだいぶと少なくなったが、アパレル業界でよくある2つのパターンがある。

1、「日本製」なら高く売れる
2、ウェブサイトを開設したらすぐさま世界からアクセスがある

1については、2008年頃まではそういう傾向があったが、今は手ごろな価格の日本製衣料品も増えており、単に日本製というだけでは高価格では売れなくなっている。

先日、カイタックファミリーの2018秋冬展示会にお邪魔した。
カイタックファミリーは量販店向けの肌着・パジャマ、カジュアルウェアを企画生産しているメーカーである。
当然、低価格帯商品がメインとなるが、その中に今回の新製品として5900円の日本製ジーンズがあった。

カイタックファミリーの日本製ジーンズ5900円

カイタックグループは総社市に自社縫製工場を持っている。
当然、そこでは高価格帯のジーンズの縫製を行っていたのだが、そこで5900円のジーンズを新たに縫製するというわけだ。

何度か失敗しているが、ユニクロでも日本製ジーンズは7990~9990円くらいの価格帯が以前付けられていた。
無印良品でもだいたい同じ価格帯だ。

エドウインだって自社工場で日本製ジーンズを7500円くらいからで縫製している。

となると、カイタックファミリーの新商品は破格値ということになる。
これがすごく売れるかどうかはわからないし、クオリティを厳密に他社ブランドと比べるといろいろと優劣はあると思うが、こういう商品が出てくれば、「単に日本製というだけ」では高値では売れなくなる。

よく、この業界には「値段の下を潜るのはけしからん」という人がいるが、最低価格を業界で決めるのは独占禁止法違反になる。
それにそもそも値段を下げることが、もっとも効果的な販促の一つである。
野菜だって肉だって魚だって自動車だってパソコンだって、値段を下げれば売れやすくなる。

「けしからん」とか言ってる衣料品業界関係者だって自動車やパソコンが値下がりすれば買っている。
自分が値下がりする他業界の商品を買うのは良いけれど、自分の属する衣料品が値下がりするのはけしからんというのは単なるエゴでしかない。

そりゃだれだって安い方があればそちらで買う。これが自然の流れである。

これからは「単に日本製というだけ」の衣料品は絶対に高くは売れないし、手ごろ価格の日本製衣料はもっと増える。

高値で売りたいなら高値で売れるような売り方・見せ方・ブランド作りが必要になる。
それができなければ低価格日本製に負けるのみだ。

次にウェブサイトの大いなる勘違いだ。

ウェブサイトを開設しただけ、SNSのアカウントを作っただけで、「世界中からすぐさまアクセスがある」と思っている人がいまだに相当数いる。

彼らの理屈はこうだ。

インターネットは世界とつながっているから、開設すれば世界から見られる。

たしかに世界とつながっているが、世界とつながっているサイトが一体何十万・何百万あると思っているのだろうか。
世界とつながっているのは何もあんたのサイトだけではない。

こういう考え方の人は、よく大型商業施設に出店したり、大型展示会に出展するときに

「何万人もの人が来場するからうちも売れる」

と考える。
たしかに来場者が多い方が入店客が増える可能性は高い。
しかし、それはあくまでも「可能性にすぎない」し、入店した客が買うとは限らない。

例えば、東京ギフトショーは延べ10万人だか20万人の来場者があるが、この10万人全員が全ブースを覗くわけではない。
出展ブースが3000くらいあるから、当然、全ブースは覗けない。
10万人が来場しているのにほとんど覗かれないブースというのは確実に存在している。

大型商業施設でも同じだ。
何百万人来店しようがさっぱり覗かれない店も珍しくない。
それは店がわかりにくい場所にあったり、ディスプレイが魅力的でなかったり、店やブランドの知名度が低かったりという原因があるからだ。

インターネットも同じだ。

アクセスが不便だったり、ディスプレイが見にくかったり陳腐だったり、ブランドの知名度が低かったりすれば、訪れる人はほとんどいない。いくら世界とつながっていようが、そんなことは何の足しにもならない。

だからウェブサイトを開設してからどうやって誘導するかが今の課題となっている。
ウェブサイトを開設することは当たり前で、それはとりあえずスタート地点に着いただけということである。

ウェブサイトを開設したことはゴールでもないし中間地点でもない。

今日例示した二つのことを理解している人は増えたが、それでもときどきまだこの二つのことを理解していない人に出会うことがある。

そういうときは上記のことを割合に事細かに説明するのだが、なかなか理解してもらない。
結局のところ、人は自分が体験したことしか理解できない部分があるので、理解できない人には上の二つで苦戦することを体験してもらうことにしている。

どうせ言ってもわからないのだからということで、好きにしてもらう。
そこで開眼されればまた相談に乗るし、開眼されなければそのまま放置プレイということになる。

これがいつも相談を受けてのルーティンとなっている。

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ドラッグストアの市場規模が百貨店市場規模を9000億円も上回ったことを実感できる心斎橋筋商店街

昨年の3月に発表があったが、ドラッグストアの市場規模は6兆5000億円となり、百貨店の市場規模を越えた。
百貨店の市場規模は5兆9780億円まで下がっていた。
ドラッグストアの方が百貨店よりも5000億円も売上高が多いということになる。

https://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ15I8C_V10C17A3TI1000/

着物業界全体の売上高が3000億円弱なので、ドラッグストアと百貨店の市場規模の差は着物業界全体よりも大きいといえ、一昨年の時点でそれほどの大差がついてしまったといえる。

これは2016年度の業績で、2017年度業績ではさらにその差が拡大している。
百貨店はたしかに一部にインバウンド需要での売り上げ増があるが、一方で地方店や小型店の閉鎖が続いて店舗数は減っているからその分を差し引くと市場規模全体では良くて現状維持、悪くすると今後、さらに低下するということになるだろう。

一方のドラッグストアはまだまだ店舗数を増やしているから、昨年春に発表された6兆5000億円からさらに市場規模を拡大している。

実際に2017年度の市場規模を見てみよう。
まずは百貨店。

百貨店売上高、2年連続6兆円割れ
https://www.asahi.com/articles/ASL1R53H0L1RULFA02N.html

全国の百貨店の2017年の売上高は前年より0・4%減の5兆9532億円となり、2年連続で6兆円を下回った。

とのことだ。

一方、ドラッグストアの2017年売上高は激増している。

2017年ドラッグストア市場、5.5%増の6兆8504億円
http://www.syogyo.jp/news/2018/04/post_020814

2017年のドラッグストアの市場規模は、5.5%増の6兆8504億円と推計される。前年に続き、5%台の伸長率となった。
総店舗数は660店増の1万9534店と推計される。

とのことで、前年よりも5・5%増というと大したことがないと感じるかもしれないが、金額で見ると3500億円も増加しているということになり、まさに激増といえる。
アパレル業界に1社で3500億円もの売上高がある企業が一体何社あることか。

これで百貨店との売上高の差は9000億円も開いたということになり、2018年は、このままの調子を維持するならドラッグストアの市場規模は7兆円を越え、百貨店との売上高の差は1兆円を越えることになると考えられる。

百貨店との差は今後しばらくは開くばかりということになるだろう。

なぜ、唐突にドラッグストアの話をしたかというと、この伸びは大阪の心斎橋筋商店街を見ていても如実に痛感するからだ。
2015年ごろからジワジワと心斎橋筋商店街にドラッグストアが増え始めたが、気が付くと今ではファッションブランドショップはドラッグストアに駆逐されてしまっている。

今の心斎橋筋商店街はドラッグストアが軒を連ねている状態といえる。

これまでも何となく薄っすらと知覚していたが、はっきりと気付いたのは今年の初めだった。

ユニクロの北隣にあったZARAが閉店してドラッグストアの「ココカラファイン」が今春オープンした。
ZARAはこれよりも南にもう1店舗あったから、そこへの集約だといわれているが、「好調」と言われていたZARAの跡地にドラッグストアが入店するということは、ZARAよりもさらに好調だということにほかならない。

また2014年に大型路面店として商店街内にオープンしたジャーナルスタンダードが昨年夏ごろ突然閉店した。
その後、同じベイクルーズが自社のアウトレット品を販売するBCストックとして店舗運営していたが、これも半年くらいで閉店してしまった。
その跡地にオープンしたのは関西初出店のドラッグストア「ピュマージ」である。

通常、店舗が撤退する場合は、売り上げ不振や不採算である場合が多いが、販売員仲間によると採算についてはわからないながら、売上高自体は比較的好調だったとのことで、理由は売り上げ不振ではないということになる。

まさに謎の閉店である。

恐らくは家賃が大幅に値上げされたのではないかと推測され、その家賃でも支払えるくらいにドラッグストアの売上高は高いということになる。
そこら辺のアパレルブランドショップでは太刀打ちできないほどの売上高をドラッグストアは稼いでいるということになる。

ドラッグストアの市場規模が6兆5000億円を越えたのを改めて実感した。

関西以外にお住まいの方からすると心斎橋筋商店街は、「ファッションブランドショップの並ぶ商店街」というイメージが強いのではないかと思うが、実際は紆余曲折があってそうなったが、それがまた崩れており、今はドラッグストア商店街となっているといえる。

これを踏まえて有料noteを書いた。

心斎橋筋商店街がドラッグストア街に変貌した理由とこれまでの変遷の推移
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そして、この傾向は何も心斎橋筋商店街だけではない。
長堀通を挟んだ北側の本町へと続く商店街も同じで、ドラッグストアが続々とオープンしている。
こちらはもともとは問屋街で、心斎橋筋商店街ほどのブランドショップはもともと出店していなかった。
小型問屋が減った跡地にはバッタ屋や在庫処分店の出店があり、コンビニの出店も続いた。
2~3年前から徐々にドラッグストアが増え、今はドラッグストアとコンビニの商店街となっており、その隙間をバッタ屋が埋めているという感じである。

フェイスブック友達によると名古屋も似たような状況だという。
栄の一等地のオールドネイビー跡地やゼニア跡地はドラッグストアが出店しているそうだ。

ドラッグストアの成長を支えている一つには、インバウンド需要がある。
もっとはっきりと言ってしまえば中国人観光客のドラッグストアでの爆買いが支えている。

中国人の爆買いは終わったと言われているが、ドラッグストアでは今も続いている。

今のドラッグストアの売れ行きを見ていると、家主・地主にしろ、不動産屋にしろ、チンケなアパレルブランドショップを相手にするよりはドラッグストアを相手にした方がはるかに儲けが大きい。
単純に計算して、ドラッグストアはアパレルブランドショップよりもざっと5倍から10倍くらい売上高が大きいと思われる。

そりゃ、当方が家主や不動産屋でもチンケなアパレルショップなんぞ相手にするよりもドラッグストアを相手にしたくなる。

だれだって儲けが大きい相手と取り組みたい。

現在、アパレル小売の市場規模は9兆円台で年々さらに低下している。
10年後・20年後もドラッグストアの勢いは続いているかどうかはわからないが、ここ3年くらいは今の勢いは持続するだろう。
そうなると、アパレル小売市場規模とドラッグストア市場規模の差は限りなく小さくなるのではないかと思う。

アパレル小売市場規模がドラッグストア市場規模に肉薄されることになるのもかなり可能性が高いのではないか。

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月刊激流 2018年 01 月号〔ドラッグストア異業種侵攻業態の猛威〕 だってさ。

メルカリが支持されているのは経済的合理性と利便性。若者が古着好きだからではない

メルカリの浸透と古着の愛好は似て非なるものであると考えるのが適切だろう。

メルカリが意識調査 「若者の新品離れ」くっきり
https://senken.co.jp/posts/mercari-survey-2018

メルカリが調査したアンケート結果の記事だが、正直いうとこの見方には疑問しか感じない。

若者に限らず、要らなくなった服をメルカリで売る人・買う人が増えたのは、Q1のグラフでも1位になっている通り「価格メリット」があるからである。
買う人は、欲しかった服・買おうと思っていたけど売り切れた服が定価よりも安く買えるからというのが一番の理由だろう。

 

逆に売る人にもメルカリはメリットがある。

通常、不要になった服を古着屋に持っていくと、よほどのブランド物を除いては二束三文で買いたたかれる。
しかしメルカリだとその相場よりは高く売れる。

ちょうど昨年の今頃、ユニクロで買いそびれた薄手ワークジャケットの在庫状況を調べていて、メルカリに迷い込んだことがある。
そのジャケットは売り切れる手前はたしか990円くらいにまで値下がりしていたと記憶しているのだが、メルカリではなんと2000円くらいで出品されていた。
もちろん定価よりは安くなっていたが、店頭の最終販売価格に比べると高い。

これで最終取引が成立したかどうかまでは見ていなかったが、もし仮に成立するとしたら、そこら辺の古着屋に持ち込むよりはよほど売りがいがある。
ユニクロの古着なんて買い取り査定の対象にもならない。
だから、メルカリは買う方ばかりではなく売る方にも価格メリットがある。

メルカリの支持はいわば「経済的合理性」が最大の要因だと見ている。
ちなみに、口では「個性」を謳いながら、何の工夫もなく大手セレクトショップや大手SPAが他社の売れ筋追随をすることが「経済的合理性」では断じて無い。

このアンケートはまだ続くのだが、見て行けば見て行くほどに、「若者の新品離れくっきり」とは思えなくなる。
Q2では中古品の購入に抵抗感があるか?という問いに対して、「まったく抵抗感がない」と答えた20代は16・0%と一番多いが、とはいえ、30代でも7・5%いるし、50代に至っては10・5%もいる。
そもそも16%の人しか支持してない時点でそれほど「多数派」とはいえない。

Q3は中古品を買う機会が増えましたか?という問いだが、フリマアプリ利用者は「とても増えた」が13%、「やや増えた」が35%となっているが、フリマアプリ非利用者は「とても増えた」が2・6%、「やや増えた」が11・8%しかいない。
そもそも、フリマアプリ利用者と非利用者の割合が示されていない時点でアンケートとしてはあまり価値がない。

極端に言えば、利用者が10人、非利用者が990人ということだって考えられる。
ここまで母数が変われば、それぞれに含まれる比率を比較したところでまったく意味がない。

さらにいえば、フリマアプリ利用者だって「増えていない」と答えている人が51・4%もいる。
フリマアプリ利用者ですら「増えていない」という人が過半数を占めている。

この結果で「若者は古着を買う回数が増えた」と結論付けることはかなり無理がある。

そもそも我が国には古着愛好者がメルカリ登場以前から一定数量存在する。
古着を買うことにまったく抵抗感がないと答えた50代が10・5%もいることがその証拠といえる。

古着を買う人がいるのはメルカリとはあまり関係ないと考えた方が事実に即した施策を講じられるのではないかと思う。

20年くらい前に、ビンテージジーンズブームが起きた。

この当時、かつてのビンテージジーンズのレプリカを作って販売するレプリカメーカーが多数生まれた。
エヴィス、ドゥニーム、ダ・ルチザン、シュガーケーンなどなどだ。
しかし、その一方で「本物志向」も強まり、かつて生産されていたジーンズを古着で買うこともかなり流行した。
タレントの何某が、ン十万円で何十年前のリーバイスジーンズの古着を購入したというようなことはその一例といえる。

この当時の30代が今の50代であり、この当時の20代が今の40代である。
当然、だから50代は古着愛好家が多いし、40代だって「まったく抵抗がない」人が9・0%もいる。

さらにルーツをさかのぼれば、我が国にジーンズが流入したのは第二次世界大戦直後のことである。
敗戦した我が国に、アメリカからジーンズが輸入された。
輸入された当初のジーンズは新品ではなく、古着だったのである。

敗戦から何年間かはジーンズといえばアメリカの古着しかなかったというのが事実だ。

古着のジーンズは当然のことながら色落ちしていて、生地は柔らかくなっている。

日本のジーンズメーカー、製造加工業者が、色を落とす洗い加工や生地の柔らかさを追求したのは、日本人が最初に出会ったジーンズが古着だったからだという説があり、これは相当に正しいのではないかと思う。

国産ジーンズが作られ始めたのが1960年代初期になるが、このときにジーンズ製造に携わった人々は敗戦直後の古着ジーンズで育っていたからだ。

このように、歴史的事実に基づいて考えてみれば、70年前から日本人はすでに古着に親しんでいたといえるし、遅くとも20年前には古着がファッションアイテムの一つとして浸透したともいえる。

古着の愛好は何も今に始まったことではない。

メルカリのQ1の「商品を買う際に重視する点」に戻ろう。
表題の「新品であること」は5位になっていて、たしかにプライオリティは低い。
しかし、1位は「価格」2位は「品質・機能」3位は「信頼性」4位は「買い物しやすい場所」となっていて、どう見てもこれらは「経済的合理性」「利便性」が重視されているといえる。
新品か古着かなんて「経済的合理性」の前では重要な要素ではないと分析すべきではないか。

さらに進んで言えば、メルカリの支持される理由も「経済的合理性」「利便性」のみということになり、これがなくなればメルカリはたちどころに支持を失うと考えた方が良いだろう。

というか、メルカリは意図的に分析を捻じ曲げて「古着」を強調しているがそこに何のメリットがあったのだろうか?不思議でならない。

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5年後ダメになっているアパレルを3つ挙げてみたよ
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メルカリ関係本って怪しいタイトル多いわ。(笑)

あなたがWEB屋を胡散臭いと感じるのと同じ理由で、洋服屋も胡散臭く感じられている

先日、久しぶりに古くからの知り合いとお会いした。
古くからといっても知り合ってからまだ8年ほどにしかならない。

もちろん衣料品業界の人だが、その人がこんなことを言った。

「ウェブ業界やウェブのことはよくわからないから、その価格が適正なのかどうか判断できない」

と。

それゆえにその人は自分である程度ウェブを触れるように勉強した。
これについては良い面と悪い面の両方があると個人的には見ている。
何でも自分でできるということは良い面も多いが悪い面もある。

ウェブに関していうと、自分で触れるということはコスト削減もできるし、業者の嘘も見抜けるようになる。
一概にはいえないが、その反面として、ウェブデザインやウェブの活用についてはいくら詳しくなっても、プロではないからその分クオリティが落ちることが多い。

クオリティが低いにもかかわらず、なまじ自分で触れるから、余計に業者を信用しないという悪循環にも陥る。
くどいようだが一概には言えないのだが。

このウェブに関する感想については同意する人が多いだろう。

しかし、翻って考えてみれば、衣料品業界も同じなのである。
どうして高い服が売れなくなったか。
その理由は様々あり複合的に絡み合っているが、その中の一つには、「よくわからないからその価格が適正なのかどうか判断できない」というものが確実にある。

トップセラーを一緒にやっている四元亮平氏のブログにこんなエントリーがある。

アパレル販売員がいまだにお客さんから嫌われる理由が分かってないので教えてやる。
http://ryoheiyotsumoto.com/to-be-disliked/

相変わらずの四元節全開のタイトルで、ドSなオラオラ感満載である。
気の弱い当方はいつもびくびくしっぱなしだ。そう、例えていうなら、小さな物音にも敏感に反応してしまう野兎のように。

そんな野兎の感想は置いておいて、ここで書かれていることを要約すると、

「お客は洋服について知識を持っていないことが多いから、販売員のセールストークを胡散臭く感じる」

である。

一方服屋での「購買経験」は外食に比べると1/3しかなく、
圧倒的に売り手の情報量の方が多い
たとえ最終的に自分の判断で買ったとしても、帰って気に入らなければ
「相手の方がよく知ってるから騙しやがった!丸め込みやがった!」につながる。

と書かれていて、まあ、それは確かにそうだと思う。

続いて、不動産屋の事例が出されているが、自分自身の身に置き換えてみると、洋服を買う際にはさほど騙されることはない。
なぜなら、洋服については相応の知識が当方にもあるからだ。
多くの場合、販売員が言っていることは嘘がないと見抜ける。

しかし、不動産の場合どうだろうか。
家でもマンションでも土地でも構わないが、これに関してはまったく知識がない。
不動産屋の言っていることが嘘なのか本当なのかほとんど見抜けない。
しかも不動産の値段は安くても100万円くらいはする。
1万円なら失敗しても笑い話で済ませられるが、100万円では笑い話にできない。

だから不動産屋の意見を1度では信じられないし、何軒か問い合わせてすり合わせを行う。
それでも知識がないから騙されるときは騙されてしまう。

よく、家を建てる時は、

3軒くらい建てないと思い通りの家はできない

と言われるが、1軒目を建てるときはよくわからないままに建てる。
2軒目は前回の反省の上で建てる。それでも物覚えが悪い人はどこが悪かったかを覚えていないだろう。
だから3軒目でようやく経験を生かして、自分の理想が反映した家が建てられるというわけだ。

ちなみにこれは大工の視点ではなく、施主の視点である。蛇足ながら。

ウェブに関していえば、業者に騙されないようにするにはそれ相応の知識を身につけなくてはならない。
四元氏は例として外食や食品を挙げているが、外食する場合、食品を購入する場合、それほどくどくどしい説明は必要としない。
中には例外的にモンスタークレーマーみたいなのもいるが、多くの人はそこまで説明を求めない。

それはなぜかというと、1日に3食食べてきた食という分野に関しては、それぞれがそれ相応の知識を蓄えているからだ。

経験と照らし合わせて、だいたいどれがどんな味がするかは容易に想像できる。
粒餡といえば、あんな味であんな食感だと多くの人が想像できる。
だから粒餡ですと説明されれば、ああそうですか、とすぐに納得する。

それに加えて食は衣料品より絶対的な価格が安いということもある。

一部の例外的な高級食を除けば、食材は衣料品よりも安い。
外食だって衣料品より安いものが多い。
2000円のランチといえば結構高級だが、2000円の服といえば安い部類に属する。
絶対的価格は多くの場合、食の方が安い。

だから、衣料品よりも気軽に試せる。

1着1万円の服を試すには勇気がいるが、1回1000円のランチなら気軽に試せるというわけだ。
だから食に関する知識は蓄積されやすく、衣料品に関する知識は蓄積されにくい。
だから衣料品に関する知識よりも不動産に関する知識の方が蓄積されにくいということになる。

四元氏は解決法として

お客さんの潜在的な意識の中にある「購買経験が少ないハンデで売手優位」を取り除いてあげない限り
「嫌われる」事への解決策にはならないんです。
僕はお客さんにいつも「自分が持っている情報」を1から10までを教えることを徹底しています。
同じ情報を共有できれば、たとえ多少失敗しても「自分が判断して買った」と
売手に嫌悪感を示すことも少なくなります。

とまとめている。

洋服の消費不振を嘆くなら、これを徹底するしかないんじゃないかと思う。
そしてメーカーや販促はこの知識差をどのように埋めるかを考えないと服は売れない。

いまだに勘違いしたアパレル業界人は多数いるが、

「カッコイイんです」「誰それタレントが愛用してます」「日本製ガー」「コダワリノ」

なんて念仏のように唱えていたって服は売れない。この手法が通用したのは2005年までだ。

業界を挙げて「ECが好調」と言われるが、まあ、それは単なる思い込みも含まれている場合も多いが、ネット通販が好調というのは、意外に画面上で、店頭販売員よりも文字と画像でキチンと説明できているからではないかとも思う。

これを認識したなら実店舗でもまだまだ戦いようはあると思うがどうだろうか。

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野兎の写真集でも観て癒されたい

大手アパレルだけではなくセレクトショップとSPAブランドも同質化している

かつての大手アパレルの各ブランドが限りなく同質化してしまっていることは多くの人が認めるところで、その理由については以前にもこのブログで書いた。

もう一度おさらいしておくと、

1、情報源が同じ
2、製造を商社に委託した。国内の商社は数えるほどしかなく、すべてのブランドがそれら少数の商社の手で作られるから必然的に似る
3、商品企画をOEM/ODM業者に丸投げした

この3つが渾然一体となって得も言われぬ同質化のハーモニーを生み出すのである。(美味しんぼ風に)

しかし、同質化しているのはワールド、オンワード樫山、ファイブフォックス、TSIホールディングス、イトキンなどの大手アパレルだけではない。
その後、隆盛を極めている大手セレクトショップやSPAブランドもすでに同質化している。

例えば、アダストリアの「ベイフロー」とアーバンリサーチの「サニーレーベル」なんてほとんど同じ店にしか見えない。
おそらく「ロンハーマン」の廉価版なのだと思うが、それにしても似すぎていて、当方では区別ができない。

どのセレクトショップに行っても、最近だとチャンピオンのTシャツ・スエット・帽子、ディッキーズのチノパンやジャケットが並んでいる。アダストリアのグローバルワークにまでディッキーズが今春並ぶようでは、ディッキーズももう国内では広がりきったといえる。
チャンピオンのTシャツ・スエット類の人気はオッサンにとっては理解不能だ。

あの「C」マークなんて昔の体操服か、部活の練習着のイメージ丸出しである。

セレクトだ、セレクトミックスのSPAだ、といったところで、所詮は同じ人気ブランドを各店で売っているだけである。
そうなると価格競争に入るから、各ブランドはそれを回避するために「別注」「コラボ」「ダブルネーム」を盛んに打ち出す。
盛んに打ち出すというよりは乱発、アホの一つ覚えというのが正確なる実態といえる。

チャンピオンと〇〇ブランドのコラボ、ダブルネーム、別注というわけだ。

これだとチャンピンの赤色は、〇〇でしか手に入らないから値崩れしないというのが、セレクトショップ、SPA側の理由だが、そもそもチャンピオンの「C」マーク、ディッキーズの「D」マークがどの店にも並ぶのだから、消費者から見るとどこもそれほど変わらないように見える。
ラベンハムだって同じだ。〇〇ならグレーがあるが、××は黒がある、とかその程度の差異しかない。

セレクト、SPAが同質化してしまった理由も大手アパレルの同質化とまったく同じである。

1、情報源が同じ(トレンドソースが同じ)
2、製造を大手商社に委託している
3、商品企画をOEM/ODMに丸投げしている

あと、もう一つ付け加えるとすると、

安全パイの人気ブランドに頼ろうとする

である。チャンピオン、ディッキーズへの依存はまさにこれの象徴といえる。

そしてこのあたりの商品はライトオン、ウィゴー、スピンズあたりまで並んでおり、普段、小規模ブランドには「バッティングが~」なんて圧力をかけているのに、よくもまあ自ら望んでバッティングをやりたがるものだと、そのダブルスタンダードぶりには唖然とするほかない。

そして彼らは滑稽なことに、チャンピオンやディッキーズが溢れ出すと、まったく違った商品を探すのではなく、それらに似ているけど知名度の低いブランドを探すのである。

要は「チャンピオンやディッキーズに似ているけど、まだ知られていない別のブランドですよ」という売り方をしたいのだが、客からすると「なんで似たような別の無名ブランドを買わねばならんのか?」ということになる。
それなら、チャンピオンやディッキーズで良いじゃないかということになる。

どうだろうか?当方ならそうなるが、業界の「感度高いファッソニスタさんたち」の理屈は違うのだろうか?

昔話をしてもたいていの場合は意味がないが、今回ばかりは例外的に昔の方がまだ矜持があったのではないかと思う。
もちろん人気ブランドはどこでも扱われていたが、店作りを差別化しようとする努力とか、無名ブランドを発掘しようとする努力は80年代・90年代の方があったのではないかと思う。

2005年以降は「〇〇で売れているあのブランドを導入したい」とか「〇〇で売れているのと同じ素材が欲しい」とか「現在人気の〇〇と似たような店舗設計にしたい」とかそんなことばかりで、自ら進んで同質化している。

先日、あるワーキングカジュアルブランドの展示会にお邪魔したが、滑り出しは上々だという。
その理由は「ディッキーズが広がりすぎたので、それに代わる同じようなテイストのブランドを各ショップが探しているから」だという。
各ショップはアホじゃないのか。

このサイクルをやっている限りは洋服は絶対に価格競争に陥る。

人は、同じ物や似たような物なら絶対に安い方で買うからだ。

当方は投げ売り商品しか買わないから、どんどん価格競争をやっていただいても構わない。その価格競争品のさらに投げ売りを買うだけのことだ。
しかし、業界のファッソニスタたちが価格競争をやめたいと思うのなら、このサイクルをどこかで断ち切らねばならないだろう。

結局は「口では個性」と言いながら、根底では「安全パイを求める」という業界人特有の心理が現在の同質化を生み出しているといえる。

価格競争に陥っているのは消費者のせいではなく、同質化で安心している業界自らが招いた結果であることを認識する必要がある。

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5年後ダメになっているアパレルを3つ挙げてみたよ
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この「C」ロゴはダサいと思うんだけどなあ。(笑)

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