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EC売上高においてZOZO比率の高い企業と低い企業 ~ZOZOに依存している企業と離脱可能な企業~

アパレル業界は猫も杓子もネット通販という感じになっており、その中でもアパレル製品に関してのみ影響力が強いとされるのがスタートトゥデイの運営するECモール「ZOZOTOWN」である。

水面下では有力ブランドがゾゾ離れを画策しているといわれるが、果たしてそういう有力ブランドのECにおけるゾゾ比率はどの程度なのか。
それをまとめてくれたお役立ちNOTEがある。

「業界の美肌プリンス」の異名を欲しいままにする深地雅也さんがまとめてくれているので紹介する。

大手アパレルのEC売上におけるZOZO比率をまとめてみた
https://note.mu/fukaji/n/n4888917d9f0c

ユナイテッドアローズ、パルグループ、ベイクルーズ、アダストリアホールディングス、オンワード樫山、トウキョウベースの6社のゾゾ比率をまとめている。

本文記事を読んでもらえればわかるが、決算書類に書かれてあることをもとにしてゾゾ比率を算出している。
算出というほどのことではなく、各社はゾゾ比率がどれくらいかを自社で発表している。

まず、ユナイテッドアローズ。

ユナイテッドアローズのZOZO売上構成比は全体の57%。232億円の57%ですから正確な売上は132億円。2017年と比較すると、EC全体が202億円でZOZO売上構成比が60%で121億円。まとめたものが下記になります。

   2017年3月期 2018年3月期
EC全体    202億円   232億円
ZOZO売上   121億円   132億円
自社EC売上  40億円    54億円
ZOZO比率    60%     57%

となっている。

また

ユナイテッドアローズのECはスタートトゥデイがフルフィルメントを担当していますから、自社ECが伸びてもスタートトゥデイに恩恵があります。

とのことで、ユナイテッドアローズはゾゾへの依存度が少し高すぎるといえる。

続いてパルグループである。

パルは先日、公開されてましたのですぐわかります。

EC全体   110億2100万円
ZOZO売上 71億8300万円
自社売上   19億8700万円
ZOZO比率    65%

となっており、自社運営のサイト「パルクローゼット」の売上高は微々たるものだということがわかる。
ここもゾゾ依存度が高すぎる。

3番目はベイクルーズ。

2017年末の記事ではその当時の数字が、

EC全体   275億円
ZOZO売上 107億円 ※ZOZO比率39%から逆算
自社売上   137億円
ZOZO比率    39%

とのことで、ここはゾゾ比率を下げることに成功している。

アダストリアもゾゾ比率は比較的低い。

EC全体    333億円
自社売上   172億円
ZOZO比率  48%以下

アダストリアは自社ECサイトのドットエスティがあり、こちらはなかなか健闘している。
ドットエスティは4000円以上で送料が無料となるため、何万円買おうが送料200円が必要なZOZOTOWNで買うよりもお得だから、アダストリアの商品をネットで買う際には必ずドットエスティで買っている。
ここもゾゾ比率は今後さらに下がると見ている。

オンワード樫山もゾゾ比率は低い。

EC全体    203億円
自社     152億円 ※自社比率75%から逆算
ZOZO比率   25%以下

オンワード樫山の主力ブランドは23区にしろ組曲にしろ、40代以上が主力客層となっており、30代前半がメイン顧客のZOZOTOWNとは最初から親和性が低い。
このため、今後もオンワード樫山のゾゾ比率は高まらないまま推移するだろう。
オンワード樫山にとってはゾゾはほとんど必要ではないと思う。

最後のトウキョウベースは反対にゾゾ依存度がもっとも高い。
個人的には高すぎて逆に危険ではないかとさえ思う。

EC全体    49億7000万円
ZOZO比率    86%
自社比率    14%以下

自社ECはほとんど売れていないに等しい。

スタートトゥデイとトウキョウベースは経営者のタイプがビッグマウス同士で似ていると感じる。
似ている者同士は同族嫌悪になるか、べったりになるかのどちらかなので、この場合は後者なのではないかと見ている。
いくら馬が合うといっても、ここまで他社に依存しているのは危険極まりないと思うのだが。

ざっと深地さんのNOTEを引用抜粋してきたが、今後、ゾゾ離脱が早期に可能な企業はこの6社のうち、ベイクルーズとオンワード樫山とアダストリアホールディングスだろう。そこにストライプデパートメントを立ち上げたストライプインターナショナルも加わる。
この4社はすぐにでもゾゾ離脱が可能なので、今後何かのきっかけがあればゾゾを離脱してもまったく不思議ではない。
とくにオンワード樫山はZOZOTOWNの必要性をまったく感じてないのではないかと見ているがどうだろうか?

逆にゾゾと心中しかねないのがトウキョウベースであり、自社比率14%というのは危険水域に達しているのではないか。
パルグループも同様であり、ちょっと自社サイトの力が弱すぎる。

離脱する腹積もりはあるが、なかなか踏ん切りがつかないのがユナイテッドアローズではないか。

トウキョウベースやパルほどは依存していないが、離脱するには依存度が高すぎる。
ユナイテッドアローズは今後どうするのだろうか?
自社ECサイトを強化するのか、このままゾゾ比率を50~40%くらいで維持するのか。
どちらの方向を選ぶのだろうか。
ちょっと注目して観察してみたいと思う。

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原料と直結した数少ないアパレル製品の一つがジーンズ ~エドウインはどうなる?~
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オンワード樫山の商品はAmazonでも買える。

スタートトゥデイの「中期経営計画」と「新ゾゾスーツ」に対する疑問

4月28日からゴールデンウィークの連休が始まった。
連休に入る直前の27日夕方、株式市場が終わった直後くらいに、スタートトゥデイから「ゾゾスーツの失敗と新ゾゾスーツ」「中期経営計画」の2つが発表されたが、個人的にはどちらも疑問しか感じない内容だった。

まず、ゾゾスーツの失敗と新ゾゾスーツだが、生産に至ることができずに新方式でのゾゾスーツを発表した。

スタートトゥデイ、“ZOZOSUIT”生産失敗で約40億円の損失を計上
https://www.wwdjapan.com/607378

体型を採寸できるスーツとして注目を浴びたゾゾスーツだったが結局は量産化できずに終わった。
旧ゾゾスーツは、着用してスマホと連動させることで一瞬で体型が採寸できるという触れ込みで、ここに未来性を感じた人が多く、その人々から高く評価された。
昨年10月末に発表されたものの、年が明けてもほんの一部の人間にしか配布されておらず、いわば掛け声だけの「幻」の状態が4月まで続いていた。

どうなっているのかという声も多数上がっていたが、2月にはスタートトゥデイは別のアイデアを3億円で買ったという報道があった。

「ゾゾスーツ」超えるアイデア 3億円で買い取り
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26992020W8A210C1000000/

この時点で複数の業界人からは「これは先に発表されて動きがないゾゾスーツを諦めて、こちらに乗り換えるつもりだろう」という指摘が出ていたが、まさしくその通りの展開になった。

旧ゾゾスーツを申し込んだ人はもれなく、新ゾゾスーツに替えて送付されるとのことだが、この対応は個人的には疑問だ。
まず、旧ゾゾスーツの量産失敗、もしくは量産断念を先にアナウンスすべきではないのか。
それを4月末まで隠しておいて、いきなり「新ゾゾスーツに替えて送付します」というのはちょっといただけない。

今回は、販促戦略もあって無料送付だったから、各人に金銭的被害は発生していないが、通常買い物をした場合なら、その商品がなければ先にそれを説明する。そのうえで、代替品を用意すると説明する。
いきなり、代替品のアナウンスと同時に量産断念をアナウンスするのはどうかと思う。

生産コストは1着1000円で、費用は広告宣伝費に計上するという。発表会ではデモンストレーションを実施したが、音声にしたがって全身の撮影をするため、旧型に比べると計測にかなりの時間がかかるようだ。

着ただけで採寸できるのではなく、着てそれを音声に従ってカメラで撮影して採寸するという新ゾゾスーツがすごく性能が良いという擁護記事がさっそく書かれているようだが、フェイスブックの書き込みでは「使いにくい」「採寸が正しいのかどうかわからない」という書き込みもあり、一概に擁護派のいうようなメリットばかりではないと考えられる。

また、中期経営計画だが、ちょっと実現は困難なのではないかと思う。
株価対策のために盛ったのだろうか。

ゾゾ初の中期計画、2年後に商品取扱高5000億円突破、PBは3年で2000億円へ
https://www.wwdjapan.com/605521

19年3月期決算では商品取扱高が前期比33.1%増の3600億円、売上高が同49.3%増の1470億円、営業利益が同22.4%増の400億円、純利益が同38.9%増の280億円を見込む。PB事業の売り上げ目標は200億円。2年後の20年3月期には商品取扱高5080億円、21年3月期には7150億円、営業利益900億円を目指す。

今期のPB売上高は135億〜225億円を見込む。6月にはカジュアルシャツやデニムなど3型を追加する予定で、今後フルオーダーのビジネススーツ、ドレスシャツ、ワンピースを計画する。7月以降は世界72カ国でも販売を開始し、2年目にはグローバルで売上高800億円、3年目には2000億円を目指す。

とあり、取扱高5000億円の目標はともかくとして、自社企画ブランド「ゾゾ」の初年度売上高200億円、3年目2000億円という数字と、新ゾゾスーツの今期は600万〜1000万個の発送予定はちょっと盛りすぎた数字で実現性に乏しいと感じる。

これを端的に深地雅也さんがまとめている。

https://note.mu/fukaji/n/n9ff1ca89028d

 

 

(ゾゾの)昨年度のアクティブ会員が5,112,861人。ゲスト会員が2,110,366人。トータルで年間購入者数が7,223,227人。アクティブ会員の定義は年間1回以上購入なので僕はアクティブ会員に属していますから、少なくとも既に主要な会員500万人にリーチしている情報で100万件の発注数。SUIT発表のタイミングで新規登録した人もいるかとは思っていましたが、昨年度からトータルで17450人しか購入者数が増えていませんし、むしろゲスト購入者数は減少しています。ZOZOSUIT購入者はカウントしていないのかもしれませんが特に記載はありません。

とのことで、ゾゾスーツ購入者はカウントしていないのかもしれないが、アクティブ会員とゲスト購入者を合わせたトータル利用者数は1年間で1万7450人しか増えていない。
個人的な考えでいえば、ゾゾの会員数はほぼ極大値に近づいていると思う。ファッションやファッションテックに興味のある人はとっくに会員になるかゲスト購入者になっているだろう。当方のようにゾゾが嫌いな人はいくらもてはやされてもこれからも利用しないだろう。
ましてやファッションやファッションテックに興味のある人はマスの中では少数派である。逆に興味のないマス層が今後、服しか売っていないゾゾで積極的に買い物をするとは考えられない。
服に興味のないマス層は、服以外の商材が豊富なAmazonやYahoo!ショッピング、楽天あたりで買い物をする。
みんながみんな服に興味があると思ったら大間違いだ。当方だってこの仕事をしていなかったら服なんか買わずにもっとガンプラを買っている。

だからゾゾの会員数とゲスト購入者はここから大きくは伸びにくいと考えられる。

そんな状況で新ゾゾスーツ600万枚配布はちょっと難しいといわねばならない。

仮に今の発注数である100万件が6月中に届いたとして、残りの500万件はどのタイミングでお届けするのでしょうか。

という疑問がすべてを物語っている。

また自社企画ブランド「ゾゾ」の売上高も同様にかなり難しい数字を出していると見ている。

ユニクロのTシャツ・ジーンズ売上の何%売れば、どのくらいの売上になるかの指標が書かれています。ユニクロのヒートテックですら初年度150万枚。1枚1200円のZOZOのTシャツが仮に150万枚売れても18億円です。ユニクロのジーンズは毎年1000万枚以上販売しているようですが、仮にその10%販売出来ても100万枚×3800円なので38億円です。


とある。ゾゾはこれからジーンズとTシャツ以外にも商品の種類を増やすと発表しているが、それを入れても初年度200億円というのは難しい。5月1日現在、まだ売り物は1200円のTシャツと3800円のジーンズしかない。ゾゾがいうようにフルオーダーのスーツ、ドレスシャツ、ワンピースなどの新商品を投入したって、あと10か月でどれほどの売上高が見込めるのだろうか。
そしてあと10か月となった5月1日現在もまだ新商品の具体的な発表はなされていないし、もちろん投入もされていない。

一般的に考えて、1200円のTシャツが150万枚も売れることはないし、3800円のジーンズが100万本売れることはない。

また、この自社企画ブランドが3年後2000億円というのも眉唾物だ。個人的には「言うだけはタダ」ではないかと見ている。

年間売上高2000億円というと現在のジーユーと同等ということになる。
またアダストリアホールディングス全体の売上高と同等ということになる。

マス層にそこまで知られていないゾゾタウン、さらに自社企画ブランド「ゾゾ」がマス層にも知られているジーユー、アダストリアに匹敵する売上高をたった3年で作るのは至難の業である。
ファーストリテイリングという強力な後ろ盾があったジーユーだって方向転換してから年商2000億円に達するまで7年間もかかっている。

「ゾゾは世界に向けて売るから達成できる」という人もいるだろうが、世界こそそんなに簡単ではないのではないか。
中国にはすでにアリババやタオバオなどの巨大ECがあるし、高級ゾーンでは欧米のネッタポルテがある。
ここにウィゴーやらジーンズメイトやらタカキューなんかの低価格ブランドが増加したゾゾが新規参入してそこまで世界から支持を受けるとは当方は到底考えられない。

一気に生産枚数や配送数を増やしたり、一気に流入者を増やしたりできるような「魔法」はこの世には存在しない。
そしてゾゾはそんな「魔法」を持ち合わせてはいないと当方は見ている。
「魔法」に期待している人はさぞかし天真爛漫・純粋無垢なのだろうと思う。

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心斎橋筋商店街がドラッグストア街に変貌した理由とこれまでの変遷の推移
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ライトオンとマックハウスが解決すべきそれぞれの課題とは

ジーンズ専門店チェーンの大手3社といえば、ライトオン、マックハウス、ジーンズメイトでしたが、すでに売上高100億円を下回ってしまったジーンズメイトが大手と呼ぶに相応しいのかどうかは大いに疑問を感じる。
しかし、全国展開しているのはその3社だから一先ずその枠組みは残しておこうと思う。

ユニクロに客を奪われたのは大手総合スーパーよりもこれらジーンズ専門店チェーンではないかと思う。

ジーンズメイトのことは散々書いてきたから、今回は先日、決算が発表されたライトオンとマックハウスについて考えてみたい。

ライトオンの2018年8月期中間決算は

売上高397億9000万円(前期比7・1%減)
営業利益9億3800万円(同302・1%増)
経常利益9億2200万円(同306・2%増)
当期利益4億1600万円

と減収ながら大幅増益となった。
理由は前年の利益額が悪すぎたからだ。

マックハウスの2018年2月期決算は

売上高308億5200万円(同8・5%減)
営業利益2億1600万円(同64・9%減)
経常利益2億6400万円(同61・3%減)
当期損失2億2400万円

と減収大幅減益に終わった。

ライトオンは中間決算、マックハウスは本決算ということで一概には並べられないので、ライトオンの通期見通しも書いておこう。

売上高770億円(同3・8%減)
営業利益12億円
経常利益11憶5000万円
当期利益1億5000万円

となっており、黒字転換を見通すものの、売上高はさらに低下しており、800億円を下回る見通しとなっている。

マックハウスも売上高500億円はとっくの昔に割り込んでおり、このままでは300億円台も維持できるかどうか怪しい。
すでに売上高100億円を割り込んで久しいジーンズメイトと合わせて3社ともにピーク時の売上高まで回復させることは至難の業といえるだろう。

ライトオンは今更、52週MDを持ち込もうとしているようだが、かつてのワールドが編み出した52週MDをいまだに信奉している者が業界には多数いるが、その後のワールドの経営不振を見れば、結果は一目瞭然ではないかと思う。
なぜ、失敗した会社の手法をいまだに持ち込みたがる企業が後を絶たないのか不思議でならない。

ジーンズメイトも含めてキャッシュフローは潤沢であり、バランスシートも重くないと経済各紙は指摘するが、それは「倒産しないという保証」に過ぎず、売り上げ回復や業績回復の手段とはなり得ない。

なぜなら、金を潤沢に持っていることと、売れ行きが回復することはイコールではないからだ。
潤沢な資金があるから、売れる商品を開発できる可能性がある、売れる売り方を見出せる可能性がある、売れる販促ができる可能性がある、ということに過ぎない。

カネは使ってこそ初めて効果を発揮するのであって、金庫に眠っている間は何の効果も発揮しない。
せいぜいが倒産しないというお守りになるくらいだ。

その潤沢な資金を使って、商品開発、売り方の刷新、効果的な販促ができなければ、企業はジリ貧となっていく。

ジーンズ専門店チェーン3社の課題は資金繰りではなく、品ぞろえ・店構え・販促・売り方にあるのではないかと思う。

まず、ライトオンだが、ショッピングセンターに入店している他社ブランドと見比べると店構えが完全に違う。
この差異が良いのか悪いのかを精査すべきで52週MDの導入なんぞで業績は上向かない。

例えば、ショッピングセンターの他社ブランドと比べると、ユニクロやグローバルワーク、コーエン、ジーユーあたりは、床や柱が白く近未来的な店作りとなっている。
商品の積み上げ量も少なく、店舗には圧迫感がない。
ユニクロは商品を積み上げているが、不思議なことに圧迫感はない。
ジーユーはスタート当初は商品を積み上げすぎて圧迫感のある店作りだったが2011年頃から解消された。

それに比べるとライトオンは、従来型のワーキングやアメリカンカジュアル色の強い土臭さの漂う内装となっている。
また商品の積み上げ量が多く先に挙げた店舗に比べて見通しが悪く、得も言われぬ圧迫感がある。

先に挙げた店舗の後追いをすることが良いとは決して思わないが、そのあたりを比較して要素を取り入れることを考えても良いのではないかと思う。

ライトオンが今、真剣に考えるべきはこれまで通りの土臭い店作りを続けるのか、それともやめるのかである。
一概に後追いする必要はないので、これを「ブランド色」として追求するのか、それとも方向転換するのか、幾分か緩和してアレンジするのか、経営陣はそれを考えるべきで本社を原宿に移すことなんていうのはどうでも良いことである。

マックハウスの問題点は、都心一等地に店があまりにも少ないことにある。
大阪府内だと堺市駅前と吹田駅前にあるのを知っているくらいだ。
だから、必然的に都会に住んでいる人には著しく知名度が低い。
ちなみに週に1度講義に通っている大阪市内のファッション専門学校の生徒は誰もマックハウスを知らない。
それほどの知名度の低さであることを自覚した方が良い。

また店作りが非常にチープ感溢れている。
これではいくら商品が良かろうと客を引き付けることはできない。
チープさでいえば20年前のユニクロか、今のしまむら並みといえる。

ユニクロの後追いみたいな新業態も始めているが、それは単なるユニクロの劣化コピーに過ぎず、ユニクロをやめてでもそこで買いたいと思わせる物がなければ、単なる二番煎じに過ぎない。
それならまだ謎の中国ブランド「メイソウ」の方がはるかに売り方・見せ方が上手いといえる。

ジーンズメイトは自社ブランド「ブルースタンダード」「メイト」が20代後半~35歳くらいをターゲットにしているにもかかわらず、店の内装やその他の品ぞろえが中学生向けになっていることが問題である。自社ブランドと店があまりにもミスマッチに過ぎる。
これを解消しない限り自社ブランドが売れることは見込めないだろう。

3社とも中には良い商品もある。しかし、今の売り方・店構えではその商品が見えにくい。
それを自覚して解消する方法を考えるべきで、52週MDの導入とか、ユニクロの後追い店舗とか、ユニ辞め社員を登用するとか、そういう小手先の対処療法ではまったく結果を出せないだろう。

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ライトオンのお買い得品

ジーユーの伸び悩みはトレンドの多様化が原因 現状のままで売上高1兆円を達成することは不可能

業界紙記者時代ほどにはアパレルや生地問屋の展示会を多数回ってはいないが、それでも幸いなことに何社かはいまだに展示会案内をいただくので、時間が合う限りは見て回るようにしている。

バブル崩壊後から洋服不振が始まったとはいえ、90年代や2000年代前半はそれでもアパレルにとってはまだやりやすい環境だったのではないかと今にして思う。

バーバリーブルーレーベルのチェック柄ミニスカートが売れに売れて「アムラー」という言葉が流行ったのが97年、ビンテージジーンズブームで2万円~3万円のレプリカジーンズが売れたのは96~98年、ローライズジーンズが売れたのが2000年ごろ、神戸エレガンスブームが2005年、インポートプレミアムジーンズブームが2005~2007年といった具合だ。

2008年のスキニージーンズブームを最後にこういう単品による大量販売は見られなくなる。

2015年頃のジーユーのガウチョパンツブームが例外的といえる。
ただし、個人的にはジーユーを含んだガウチョブームは2008年までのものとは傾向が少し異なると見ている。

ガウチョはガウチョという形(シルエット)のみが支持されただけで、色・柄・素材・テイストに関しては何の統一性もなかった。
それまではスキニージーンズにしろ、アムラーにしろ、素材や色・柄、テイストは画一的だった。
ガウチョの場合は、ポリエステル素材でもデニム素材でもレーヨン素材でもなんでもありだ。また、色・柄もなんでもありだ。
無地あり、細ストライプあり、チェックありだし、色も黒・白・ベージュ・紺・グレー・ボルドー・マスタードと何色でも構わない。

テイストもナチュラルカジュアルもあればオフィスカジュアルもある。エレガンスフェミニンもある。

だからジーユーでも構わなかったということになる。
また、ブームを牽引したトップブランドもない。

それまでのブームは最終的に廉価版が発売されてマスに普及するが、まず先端層が食いつくトップブランドがあった。

アムラーならバーバリーブルーレーベルだし、神戸エレガンスならビッキーでありクイーンズコートであり、プレミアムジーンズならセブンやらヤヌーク、といった具合だ。

しかし、ガウチョブームにはそれがない。
だからジーユーで十分だったと考えられる。

おまけにテイストは様々だから一人の女性が複数本買う必要があり、そのためジーユーでのまとめ買いが起こり、結果として100万本売れた考えられる。

基本的にスキニージーンズブーム以降は、ガウチョを除いてビッグトレンドが存在しない。
とくにこの3年間は本当に消費者の嗜好は多様化しており、トレンド傾向も多様化している。

売り場担当者からは「スカートが好調」との声も聞こえるが、一口にスカートと言ったって、色も柄も素材もシルエットもテイストも多種多様である。
デニムスカートもあれば、ポリエステルのスカートもある。フレアスカートもある。タイトスカートもあるし、ナチュラルアメカジテイストもあればセクシーテイスト、フェミニンテイストもある。

かつてのように「タイトミニスカート」という具合に決め打ちするわけにはいかない。

展示会をいくつか回ってもアパレルメーカーも生地問屋も「多様化するトレンドにそれぞれ対応するしかない」と口をそろえるのが印象的である。

こうなると、トレンド対応型のブランドは収益を伸ばすのは厳しい。
さらなる多品種小ロットでの対応を迫られるから、製造コストがかさみ、在庫処分の値引き販売が増えざるを得ない。
しかも売上高は容易に伸びない。

ジーユーの伸び悩みも同じ原因ではないかと個人的には見ている。

ジーユー、じわり復活でも満足できない理由
「売上高1兆円」を目指すが、ハードルは高い
https://toyokeizai.net/articles/-/216532

この記事だが、今のままのジーユーなら売上高1兆円はまず無理だろう。期待している方がアホなんじゃないかと思う。

ジーユーの第二四半期の業績は

2月期上期決算は、売上収益1058億円(前年同期比8.3%増)、営業利益91億円(同23.3%増)。防寒アイテムが少なく十分に需要を取り込めなかったため、既存店売上高は前年同期をやや下回ったが、新規出店が寄与して増収となった。値引き処分も減り、利益は大幅に改善した。

とあるが、トレンド対応型とはいえ、ガウチョのように100万本単位で売れる商品が見当たらない状況下ではジーユー、ひいてはファーストリテイリングの強みは思うようには発揮できない。
多品種小ロット化すると、その他大勢のアパレルブランドと同じ構造になってしまうからだ。
お得意の大量発注による製造原価引き下げもそれほどはできなくなる。
とはいえ、製造を担当する商社に取られる手数料の%は他ブランドに比べて格段に低いのだが。(笑)

ジーユーが悪いというよりは、トレンドの多様化という状況ではやむを得ない。

それでも店頭を見ていると、ジーユーの今春夏物は昨年春夏物に比べて随分と良い商品が増えたと感じる。
商品企画はがんばっているといえるが、売上高が稼げるビッグトレンドが存在しない。

ベーシックアイテム・機能アイテムを核とするユニクロとは顧客層やビジネスモデルが根本から異なる。

ところで、この「売上高1兆円構想」というのは、現状のジーユーでは達成不可能だろう。
まず、ジーユーの展開店舗はほぼ国内のみである。
正確には358店舗(2017年8月期末)だが海外店舗は14店舗しかない。
現状では96%が国内店舗だといえる。

国内店舗のみで1兆円を達成するのは不可能だろう。
王者・ユニクロだって国内売上高はいまだに8000億円台である。

しかも、多様化したトレンド対応ブランドということになると、売上高を急激に伸ばすことは難しい。

それができるのだったら、そういうビジネスモデルを構築してきたワールドやオンワード樫山がとっくに1兆円企業になっているだろうが、現状彼らとて3000億円弱で止まったままである。

1兆円達成ができるとしたら、海外に大量出店した暁ということになるだろう。
というか、それしか達成できる方法はない。

現状のジーユーを見ながら「1兆円構想の達成は可能か」なんて論じたってまったくの無駄でしかない。
ジーユーの1兆円構想が現実味を帯びることはまだまだ先の話で、それまでは単なるビジョンを掲げているとして流しておくのが正解だろう。

NOTEの有料記事を更新~♪
5年後ダメになっているアパレルを3つ挙げてみたよ
https://note.mu/minami_mitsuhiro/n/nebd50266b6df

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値下げ販売で収益を圧迫したのは実店舗じゃなくてECサイトでは? ~アダストリアの場合~

アダストリアホールディングスの2018年2月期連結が発表された。

売上高2227億8700万円(対前期比9・4%増)
営業利益50億500万円(同66・4%減)
経常利益54億2800万円(同64・1%減)
当期利益8億6300万円(同92・5%減)

と増収ながら大幅減益に終わった。

大幅減益の理由については、各メディアで、

また、頻繁なセールの実施や、客のニーズをとらえきれなかった商品の在庫消化のための値下げ販売を推し進めたことで、売上総利益率は54.2%と2.1ポイント悪化した。

https://www.wwdjapan.com/595815

などと伝えられている。
これについてはその通りだろうと思う。
実際に店頭を見ていると、頻繁に値下げセールが開催されており、現に今の春物だってすでに50%オフにまで値下げされており、この値下げ販売は「終わった話」などではなく、現在も進行形の話であり、これが収益悪化の原因なら2019年2月期の収益だって悪化したままになるのではないかとすら思う。

趣味で店頭を見る際、レディースには興味がないので見ない。
アダストリアの場合、メンズのレイジブルーとグローバルワークの店頭を見た感想でいえば、値引きは2017年度だけに行われたものではなく、毎年頻繁に行われていた。
2016年秋冬物でも、ウール系のコートは2016年末にすでに40~50%オフにまで下げられていた。

この2ブランドに関しては防寒アウターが割安になるというのが、個人的な評価である。

一方、同じWWDの記事でも

EC売上高は同17.3%増の333億円と順調に推移した。

と報道されており、他メディアでもだいたい似たような論調が主流だが、アダストリアのECを定点観測していると容易にわかることだが、ECでの値引きはリアル店舗とは比べ物にならないほどに凄まじい。

リアル店舗ではやらない「タイムセール」も頻繁に行われている。
値下げで収益を圧迫しているのはリアル店舗よりも各紙が「好調」と報じているECの方ではないのかとさえ思う。

例えば、2016年秋冬商品も、ECサイトのドットエスティを見ている限りにおいては多数在庫を抱えている。
それが2017年12月にはいきなり当時の店頭価格の半額以下で販売される。
もう店頭にはない2017年秋冬物だってECでなら今でも買える。
しかも値下げされたままだ。

多くの2017年秋冬アイテムは半額から6割程度にまで値下げされている。
今年秋に備えて買うなら今がお買い得だろう。もっとも今年秋にはさらに値下げされる可能性も十分に高いが。

そんな中でなぜかレイジブルーのウール混のチェスターフィールドコートだけは頑なに16%オフでとどまったままだ。
よほど製造原価が高かったのだろうか。それ以上は値下げしたくないというのがありありと伝わってくる。

一方、昨年12月から頻繁にドットエスティでは数日間の「タイムセール」が行われている。
例えば、50%オフされている商品があったとして、数日間だけはそこからさらに20~30%オフくらいになる。
しかもそれが毎月とか月に2回とかの頻繁なペースで行われており、早速2018年春物のタイムセールも行われた。

値引き販売で収益を圧迫しているのはリアル店舗ではなく、ECの方ではないのか。

ここを見ないとアダストリアの値引きの本質は見えないだろう。

その一方で、ECサイトの使い方としては上手いと思う。
某ワールドのようになんでもかんでもすぐにアウトレットストアの「ネクストドア」に放り込むというのは乱暴に過ぎてお話にならない。
あんたらの会社ごとネクストドアに放り込んだらどうかと思ってしまう。(笑)

リアルなアウトレットストアを大規模に展開すれば、どうしてもそちらと見比べて正規店のイメージダウンにつながる可能性がある。
また、シーズン遅れ商品や昨年の売れ残り商品はアウトレットでもなかなか売り切りづらい。

しかし、ECサイトなら話は別だ。

リアルなアウトレットストアとは異なり、誰でも見られるというわけでもない。
その存在を知らない人は見つけようもない。ウェブの苦手な人は一生見つけることはできない。

シーズン遅れ品や昨年度の在庫を値引き販売していたところでイメージもあまり悪化しない。
むしろ、ネットで買う場合こういう格安品を探すことが醍醐味となっている部分もある。

リアル店舗と異なり、陳列場所の広さにも制限はないから、売れ残りの格安品をいくらでも表示できる。

このように見ると、アダストリアのECサイト「ドットエスティ」の使い方は他ブランドよりも上手いと思う。
さらに頻繁なタイムセールで消化を高めている。

逆にちょっと笑ってしまうこともドットエスティではある。

お気に入りに登録したアイテムが残り少なくなると「残りわずかです」というお知らせメールと、その商品が再入荷したら「再入荷しました」メールが送られてくる。
これはこれで非常に便利な機能なのだが、ときどき「残りわずかです」というメールが送られてきた10分後くらいに「再入荷しました」というメールが送られてくることがある。

これには笑うしかなく、単なるマッチポンプではないのか。

そもそも10分後に再入荷することもわからないのかということにもなるし、10分後に再入荷させるくらいならあらかじめ数量を積んどけよって話でもある。

まあ、もしかしたら、現在、スタートアップ界隈の騒ぎ屋連中がワーワー言っているAI(人工知能)のなせる技かもしれないが、数十年後はどこまで進化しているのかわからないが、現状はこの程度だとするとAIに職を奪われるということはあり得ないといえる。

まあ、なんにせよ、アダストリアのブランドを安値で買いたいという人がいたら、もっともお勧めできるのはECサイトのドットエスティである。リアル店舗で買うよりも格段に安い。返品不可だったり試着できないという不便があったりするが、コストパフォーマンスを狙うならこちらで買う方が圧倒的にお得だといえる。

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こんなの見つけた。なんだこれ?

しまむらの成長が今後しばらくは停滞しそうな理由

しまむらが2018年2月期連結を発表した。

売上高5651億200万円(前期比0・1%減)、営業利益428億9600万円(同12・1%減)、経常利益439億2000万円(同12・3%減)、当期利益297億1700万円(同9・6%減)と微減収大幅減益に終わった。

大幅減収といっても、ゴミ屑みたいな業績の企業が多いアパレル業界にあってはかなり優良だし、黒字はびくともしていない。
ただ、従来の「しまむらファン」みたいな人らからすると結果が不満だということになる。
多くの記事で指摘され、しまむら自身も認めているように、テレビCMは失敗だった。
効果がない割に、宣伝広告費が10億円ほど増えて利益を圧迫したのはこのテレビCMが大きな原因だろう。

元来、アパレルやアパレルブランドのテレビCMというのは難しい。

ユニクロの場合は、そのシーズンに積んで売るアイテムがいくつか決まっているから、それを流せば良いのでテレビCMは割合に簡単である。
例えば、古くは「フリース」。
淡々とこれだけを流せば事足りる。
エアリズム、ヒートテック、ウルトラライトダウン、すべて同じだ。

ユニクロは、そのシーズンに強力にプッシュしたいアイテムが1つ必ずある。
それをテレビCMで流せば良いから、非常にテレビCMとは親和性の高いブランドといえる。

テレビCMはウェブの記事やウェブサイトのように、文字で読んだり、自分で興味のある部分をクリックして読むなんてことはできない。
映像が30秒から1分間流れるだけで、その間にどれだけ視聴者にわかりやすく、伝えたいことを伝えるかが勝負になる。

ただし、映像は流れ去るものだから、録画でない限り、ウェブのように「ちょっと待って今の聞き取れなかったからもう一度リピートする」なんてことはできない。

だから、ユニクロの売り方はテレビCMに適している。
フリース、エアリズム、ヒートテック、ウルトラライトダウン、暖パン、などなど1アイテムにフォーカスして製作することができるからだ。

一方、しまむらもそうだが通常のアパレルはテレビCMとの親和性は低く、テレビCMは作りにくい。
なぜなら、多品種小ロットな上に、来月も同じ商品を売っているとは限らないからだ。むしろ売っていないことの方が多い。

そうなると、1アイテムにフォーカスしたテレビCMを製作することは難しく、畢竟、ブランドや企業のイメージCMみたいなものにしかならない。

だからアパレルのテレビCMは以前はほとんどなく、企業イメージCMが時折流れるくらいだった。
アパレルがテレビCMに積極的になったのは2009年ごろからで、クロスカンパニー(当時社名)のアースミュージック&エコロジーのテレビCMが大ヒットしたからである。

今までのイメージCMと何ら変わりはなかったが、違っていたのは消費者の環境である。そう、インターネットが完全に普及した。

宮崎あおいさんが、「ヒマラヤほどの~♪」と歌って、最後にブランド名を言うだけのテレビCMで、これだけを見ればなんのこっちゃ意味わからんという話だが、インターネットで検索することでこれがブランド名だということがわかり、大ヒットした。

アパレル業界は常に成功者の後追い体質だからクロスカンパニーがヒットすれば、我も我もとテレビCMを流すようになった。
その後、クロスカンパニーも同じ作りのCMを何度か流しているが、そちらはそこまでヒットしなかった。
同じものを何度も見せられても飽きるだけだから当然の結果といえる。

元来、多品種小ロットで売り切り御免型のしまむらは、1アイテムにフォーカスしたテレビCMを作りにくい事業構造だといえるし、今更、テレビCMを流し始めるという究極の後追いが成功するはずもなかった。
テレビCMの失敗は必然だったといえる。

ところで、金融系の人たちはなぜ、しまむらがさらに成長できると思っているのだろうか?不思議でならない。

しまむらのこれまでのビジネスモデルではこの辺りが成長の限界点だと思えるのだが。

以前にも書いたが店舗数を大幅に増やすには、最早、大都市都心しか立地が残されていない。ここに出店するには高い土地代・家賃が必要となりローコストオペレーションのしまむらでは厳しい上に、店作り・ディスプレイが今のチープ感漂うままでは、競合他社ブランドには勝てない。

また、ビジネスモデルの転換がそうそう上手く行くとも思えない。

2016年秋から発売した「裏地あったかパンツ」は100万本を販売したというが、それはしまむらお得意の「メーカーからの仕入れ」ではなく、自社企画商品だった。
自社企画商品を100万本も作るということは、ユニクロの大量生産・大量販売型のビジネスモデルだといえる。
しまむらはこれまで、不良在庫品などを安く仕入れて、それを販売することで「多品種小ロット売り切れ御免」のビジネスモデルを確立してきた。そしてそれが、面白いとして支持を集めてきた。

この路線を変更するということになる。

さらに、しまむらは自社企画ブランド「CLOSSHI(クロッシー)」を開始しており、近いうちに、商品構成比を40%にまで引き上げることを発表している。
これは取りも直さず、ユニクロ型ビジネスモデルの大幅導入ということになる。

しまむらに限らず、どんな企業やブランドでもビジネスモデルを大幅に転換する際には混乱・低迷・停滞は避けられない。
上手く行けば再上昇するが、上手く行かない場合は逆に凋落してしまう。
どうなるかは経営陣次第・運次第でしかない。上手く行かない可能性もある。

そんなわけで、しまむらは現在、難しい立場に立たされているといえ、再成長軌道に乗るには今後5年間くらいは必要になると見ている。

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ジーンズメイトの業績は本当に急回復しているのか?

ジーンズメイトの決算見通しが発表されてから、一部に業績が急回復しているという見方があるが果たして本当だろうか。

結論から言ってしまうと、急回復には程遠く、底打ち・下げ止まりが見えてきたというのが実態である。
ジーンズメイトは先月に、2018年3月期の業績予想を下方修正している。

下方修正した業績予想は、

売上高95億9000万円
営業損失5億5000万円
経常損失8億4300万円
当期損失11億3000万円

であり、すべての数値予想を下方修正している。
2017年度業績では売上高91億円だったからそれよりも増えていて業績回復していると判断する人もいるが、それは早計にすぎる。

今回の決算は決算期変更のために13か月の変則決算で、2017年度決算よりも1か月分売上高は増える。
前年の売上高91億円を12か月で割って平均すると、1か月あたり平均で7億6000万円弱という売上高があることになる。
91億円に7・6億円を足すと98・6億円になるから、2018年3月期の売上高95億9000万円はこれを下回っていることがわかる。

逆に2018年3月期の95・9億円を13か月で割ると、1か月あたりの平均売上高は7・37億円となり、前年を下回っていることがわかる。

もちろん、1年間平均的に毎月売れることはないし、売れる月と売れない月の落差はあるが、2018年3月期の変則売上高が昨年を下回るペースで推移しているといえる。
しかも黒字化するとしていた各利益はすべて赤字に修正されている。

当期損失は本業以外の要素で左右されるから置いておくとして、営業・経常が黒字化できなかったことは決して本業が順調ではないということになる。

今回の下方修正だけ見ても決して急回復とは言えず、底打ちが見えてきたとしか言えない。

一方、既存店売上高の昨対比は昨年9月から大幅に改善している。

9月度が119.2
10月度が114.9
11月度が100.6
12月度が113.2
1月度が112.3
2月度が123.9

となっていて11月度を除いて大幅に既存店売上高が「昨年よりも」伸びている。
一方、11月度は昨年トントンでおさまっている。

しかし、その前期(2017年2月期)の月次を見てみよう。

9月度が91.3
10月度が100.0
11月度が110.8
12月度が95.6
1月度が87.2
2月度が100.5

となっている。
前年が悪すぎたから今期伸びただけといえる。
それが証拠に今11月度は前年トントンだが、昨11月度は対前期比10%増となっており、それを維持したに過ぎない。
今2月度だけは昨2月度より大幅に伸びており、2月からジワリと回復の兆しは出ているのかもしれないが、2月度だけをもってして「急回復」というのはいささか持ち上げすぎというものだろう。

ちなみにさらに前期(2016年2月期)の月次は

9月度が102.6
10月度が103.9
11月度が94.8
12月度が94.1
1月度が96.6
2月度が94.3

となっている。
2月度を除いては前々期と比べても今期の既存店売上高はそれほど伸びていないことがわかる。

要するにこれまで下がり続けてきた月次既存店売上高もようやく下げ止まりとなったというだけのことで、2月から、もしかすると復調の兆しが出てきたのかもしれないというのが正確な実情だろう。

さて、ジーンズメイトは昨年廃止した24時間営業を4月7日までの春休み期間に限定して、池袋本店と蒲田店の2店舗で復活させることを発表したが、これは苦し紛れの方策としか当方には思えない。
これしか既存店売上高を伸ばす方法が現状では見当たらないのだろうと思う。

営業時間を延ばせば光熱費や人件費は増えて経費は増えるが、単純に売上高だけは増える。
極めて即効性のある施策が営業時間の延長である。

この24時間営業の期間限定・店舗限定の復活というのはそれ以外の何物でもないと思うが、今後、中長期的な成長エンジンにはなり得ないだろう。

なぜなら、この深夜市場(ナイトマーケット)には強力なライバルとしてドン・キホーテがある。
ドンキは24時間営業ではないが深夜12時を越えて営業をしており、ナイトマーケットの開拓者でもある。
ドンキは食品や日用雑貨、飲料、コスメなどその場ですぐに欲しい物が深夜まで売っている。

しかし、ジーンズメイトが売っているのは服だけだ。
深夜に服が欲しくなる人と、食品や飲料が欲しくなる人のどちらが多いだろうか?
圧倒的に後者ではないか。
「寝る前に小腹が空いた」「寝る前にのどが渇いた」という人は珍しくないが、「寝る前に服が欲しくなった」という人は極めて珍しく、場合によってはその嗜好性は変態ともいえる。

さらに春休み限定ということは、ターゲット層は学生ということになり、しかもあまり素行のよろしくない学生ということになるが、そういう層が支持するのは圧倒的にドンキだろう。
10年前のドンキなら服はそれほど売っていなかったが、今のドンキは違う。服も豊富に売っているしジーンズメイトを越える売上高100億円という自社企画商品まで置いている。

この手のターゲット層が深夜に服を買うことがあったとして、ジーンズメイトではなく、食品や飲料のついでにドンキで買うことは火を見るより明らかだ。

ジーンズメイトの24時間営業復活はあまり業績を左右するようなものにはならないと考えるのが正しいだろう。

現在のさまざまな施策や店頭を見ていると、ジーンズメイトが3月以降ジワジワと復調することはあっても、急回復することはおおよそ考えにくい。
ライザップはそんな魔法は持ち合わせていないということをもうそろそろ認識してはどうか。

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今のジーンズメイトにはこんな商品が並んでるよ。

意味もなく品番数を増やす愚かしさ

何でもある店は何もない店といわれる。
イオンやイトーヨーカドー、ユニーなどGMSと呼ばれる大型スーパー各社は、品ぞろえの幅を広げることでそういう店になり、消費者の支持を失っている。
消費者からの支持を回復するためにさらに品ぞろえを豊富にするという愚を犯し続け、悪循環スパイラルに陥っている。

「支持を得たいから、どんな客でも捕まえたいから、あらゆる商品をそろえる」というのは愚の骨頂といえる。
佐藤正臣氏も次のようにツイートしておられる。

まあ、GMSに限らずヘボアパレル各社はこの愚を犯し続けているのだが。

逆にカテゴリーは増えたものの、ユニクロは品番数はそれほど増やしていない。
品番数を絞って国内8000億円の売上高が稼げるのだから、なぜ各社はそれを真似しないのか理解に苦しむ。
もちろん、品ぞろえの少なさを真似してもダメだ。そこに至るまでのマーケティングから絞り込むまでの作業工程を真似する必要があるのだが。

大手通販各社もGMSと同じ愚を犯し続けている。
東洋経済オンラインでは「ベルメゾン」の千趣会の大不振を伝えているが、同じ「品ぞろえだけを増やし続けた」という失敗をやらかしている。

大赤字!通販「ベルメゾン」が苦戦する理由
迷走の千趣会、ファンド出資でどうなるのか
http://toyokeizai.net/articles/-/211273

売り上げ増加に向けて取り扱うカテゴリを広げ、商品数を増やしたのだ。たとえば、衣料品では「どのお客さんにもリーチしようと考えた」(千趣会)という。

結果、2012年から5年で商品型数は73%も増加。実際、ベルメゾンのサイトを見れば、食器棚をとっても、素材やデザイン、棚の数などが微妙に違う商品がずらりと出てくる。同時に、企画から製造、販売まで行うSPA型を志向したものの、SPAをやることが目的化してしまい、気が付けばSPAに適さないような商品まで作るようになっていったという。

とのことでアホの見本である。

どの客にもアプローチしたくなる気持ちはわかるが、衣料品でいえば老人と若者が同じ店で買うのは、現在ではユニクロくらいしかない。
まあ、無印良品もそれに近いだろうか。

どの客にもアプローチするということはユニクロか無印良品に並ぶ大衆ブランドに成長する必要がある。
いくら、知名度があるとはいえ、ベルメゾンも千趣会もその段階にたどり着いていない。

そんな中途半端な立場のブランドが7割も型数を増やせば売れ残るに決まっている。

こだわりの工具なんかだと、ミリ単位で大きさの違う商品が必要だが、千趣会の食器棚にそこまでのこだわりは必要ない。
棚の数が微妙に違う食器棚なんて何種類もそろえる必要もない。
それこそマーチャンダイザーは何を考えているんだろうか。

売れ残れば投げ売るしかない。

大手通販各社の不振によって、バッタ屋業界には千趣会に限らず、各社からの不良在庫品が大量に出回っている。
天神橋筋商店街で何軒かのバッタ屋と話せば「うちもあそこの商品扱ってますよ~」と大手通販各社の社名がいくつも出てくる。
天神橋筋商店街だけでこの状況なのだから全国のバッタ屋にはどれほどの在庫が出回っているのかということになる。

大不振が続くニッセンも不思議な商品が多い。
型数は調べていないが「nissen」と書かれた下げ札のデザイン違い・色違いがやたら多い。
知っているだけで5種類か7種類くらいはある。
ブランド名が異なるなら下げ札をその都度変えることは理解できるが、「nissen」ブランドなのに何種類ものデザイン違いの下げ札を作る意味がまったく理解できない。
それこそコストの無駄遣いだろう。だから赤字続きなのではないか。

大量の顧客名簿を抱える大手通販各社(千趣会なら90万人)なので、本来ならマーケティングが得意なはずだが、各社ともにマーケティングがまったくできておらず、単に「住所・氏名・年齢のリスト」を90万人分抱えていたに過ぎないということだろう。

大手通販で好調なのはベルーナだけでそれ以外は不振に苦しんでいる。
アパレル商品の取り扱いをやめたスクロールが黒字回復したくらいだろうか。

今回、記事になった千趣会に限らず、ニッセン、セシールなどは何十万人分というビッグデータを抱えているにもかかわらず、これまで効果的なマーケティングがなされてこなかったということで、長く続く不振はそれを証明している。

ニッセンだってセブンアイとのシナジー効果はまるでなかったし、千趣会もJフロントとのシナジー効果はまるでなかった。
セブンアイもJフロントもカタログ通販を再生することはできなかったし、そのノウハウもなかったということである。

経営陣から現場まで意識と思考方法を変えないと大手通販各社の苦戦は当分終わることはないだろう。

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ベルメゾンのカタログをどうぞ。

ジーンズメイトの赤字継続は当然

ジーンズメイトが18年3月期決算の下方修正を発表した。
案の定だ。

これまで、売上高115億5000万円、営業利益3億円、経常利益3億300万円、当期利益4億円と発表してきたが、これを

売上高95億9000万円、営業損失5億5000万円、経常損失5億4000万円、当期損失7億3000万円とした。
見事な赤字継続である。

個人的にいえば、当初の見通しが甘すぎただけのことで、赤字継続には何の驚きもなく、むしろ当然だと感じる。

ジーンズメイトの発表によると

また重点販売商品と位置づけた新しい商品群の販売や新しいマーケティング 手法により新規顧客を獲得することを企図していたものの、計画値には届いておりません。

と売上高減少について述べている。
24時間販売の廃止での減少とも書かれているが、果たして24時間販売の売上高がどれほどあったのかは疑問である。
また、引用した部分については、新PB「メイト」の不発や他のPBの刷新が上手く行かなかったということを示している。

赤字については

今期計画は、商品回転率の向上と値引き率の抑制に取り組むことで売上総利益率を 50.0%(前 期比 5.3 ポイントの改善計画)としておりましたが、上述の通り売上が計画を下回り値下げ・値 引が徐々に増大していったことや、シーズン末の大幅値下げを伴う在庫処分が増加した事などに より、売上総利益率は 46.1%の見通しとなりました。

とのことで、要するに売れ行きが悪くて値引きセールをしたのでその分利益が削られたということである。
まあ、たしかにいくつかのお買い得品はあった。
先日、春に向けてPB「ブルースタンダード」のボートネックボーダー柄カットソーを買ったが、これは以前にも1490円に値下げされていたのが、ほぼ1年ぶりに店頭投入され990円に値下げされていた。持ち越し在庫である。
ただし、綿100%の生地は肉厚で、品質はそれなりに高く、定価は2990円である。
裾にスリットがないのがちょっと疑問な作りだが、それ以外に不満はない。
990円なら割安感がある。

リリースで述べている在庫処分セールとはこういう種類の商品を指している。
また先日、このブログで紹介したローゲージウールニットパーカも7990円が1990円にまで値下げされており、大変なお買い得品だった。

ジーンズメイトがライザップ傘下になって、変わった部分はあまり見えない。
唯一変わったのは、これまでよりも商品の店頭投入量が減ったところくらいしかない。

店頭と、店頭に並ぶ商品を見ていると、以前とはそんなに大きく変わっていない。
店作りも商品も変わらないなら、よほどの上手い販促・プロモーションがない限りは、業績が急回復することはない。
これはアパレルに限らずどの分野においても同じ理屈である。そしてジーンズメイトにはその「よほど上手い販促」は今に至るまで存在していなかったから、結果は火を見るよりも明らかだった。

にもかかわらず、メディア系著名人、経済系著名人などのいわゆるインフルエンサーはもろ手を挙げて「ライザップの手法」とやらを誉めそやした。
で、同じ人たちが今、800SKUという超細分化されたサイズピッチの既製服のZOZOを「完全オーダーメイド」だと誉めそやしているのである。この輩の評価はまったく当てにならない。

そもそもこれまでライザップは手あたり次第にアパレルを買いまくってきた。
そこに何か戦略があったとはとても思えず、瀧定大阪同様に場当たり的に買ったとしか見えない。
なぜなら、買ったアパレル各社に何ら共通項がない上に、買収後もまったく各社が連動する気配もない。
ジーンズメイトは1年にしかならないからまだしもそれ以外だと4~5年になる会社もあるのに、いまだに何も変わっていないし、それらが連動・連携する気配もいまだにない。

ライザップ傘下のアパレル各社を見てみよう。

・エンジェリーベ 2012年4月グループ入り
・馬里邑 2013年9月グループ入り
・アンティローザ 2014年5月グループ入り
・夢展望 2015年3月グループ入り
・三鈴 2016年4月グループ入り
・マルコ 2016年7月グループ入り
・ジーンズメイト2017年2月グループ入り
・堀田丸正2017年6月グループ入り

となっており、雑貨小売り系だと

・イデアインターナショナル 2013年9月グループ入り
・パスポート 2016年5月グループ入り

となっている。

2016年、2017年にグループ入りした各社はあまり変貌していなくても仕方がないと思うが、それ以外の会社はどうだろうか。あまり変貌していないことは問題ではないか。2015年にグループ入りしたネット通販の夢展望もそろそろ変貌が顕在化しないとちょっと今後の芽はないだろう。
また、それらの企業やブランドはまるでいまだに連携していない。
連携・連動できない傘下企業を増やしたところで意味はなく、ライザップは何のためにアパレルを買いあさっているのか理解に苦しむ。
優良企業を買うならまだしも優良でない物件が多く、本当にその目的はわからない。
単にメディア系・経済系インフルエンサーの期待値を上げるためだけとしか思えない。

ジーンズメイトに限らず、健康食品・スポーツジムのライザップがアパレルを買ったシナジー効果は全く現れないままに6年になろうとしている。
考えうるシナジー効果としては、健康食品・スポーツジムのライザップがプロデュース・ディレクションをしたというスタイルで、各ブランドから「単なる従来型衣料品」ではなく、「スタイルを美しく見せるパターン作りやカッティングに工夫を凝らしました」という触れ込みで新商品を投入することである。

ジーンズメイトでいうなら、ユニクロを辞めた人、しかも企画職でもなかった人を起用して、ユニクロと同じテイスト・同じターゲットで、ユニクロより価格の高いカジュアルウェアを作るなんて何の意味もなく、ユニクロに勝てるはずもない。
ユニクロに勝つ必要なんてないが、その商品では、ユニクロではなく、メイトを選んでもらう理由すらない。

それよりもライザップがプロデュースして、本当に美脚に見えるスキニーパンツだとか、細マッチョに見えるTシャツだとかそういう「価値作り」をすべきなのである。
ユニクロと同じ土俵でライザップが戦う必要性なんてまるでなく、むしろ自ら望んで負け戦に飛び込んでいるにすぎない。

しかし、ライザップがそこに向かわないということは、個人的にはライザップにはアパレル再生のノウハウが存在しないと見ている。

皮肉にもライザップとの提携でもっとも効果的な商品を開発したのは、傘下のアパレル・雑貨企業各社ではなく、ライセンス契約したに過ぎないグンゼである。
これなどはその最たる例である。

着るだけでバイタルデータを取得
グンゼ×RIZAPによる最先端衣料「筋電WEAR」が誕生

http://www.gunze.co.jp/corporate/news/2017/09/20170925002.html

これが本来、ライザップに期待されるアパレルブランドとのシナジー効果といえる。
ライセンス契約のグンゼ以外にその方向性を指し示せない限り、ライザップが傘下のアパレル企業を経営再建することは、ほぼ不可能に近いと当方は見ている。

NOTEを更新~♪
プライベートブランド「ZOZO」の生産システムは、現時点では「完全オーダーメイド」ではない
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ライトオンとジーンズメイトは赤字、アダストリアとしまむらは大幅減益に

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

昨年と言っても、まだほんの数日前のことに過ぎない(要するに年末)が、ライトオンの第1四半期決算が発表された。

2018年8月期の第1四半期決算は

売上高が173億7700万円(対前期比12・9%減)
営業損失4億1000万円
経常損失4億2000万円
当期損失4億3300万円

と大幅減収赤字に終わった。

むろん、まだ3か月が終わっただけの数字なので今後挽回することは十分に可能だが、厳しい結果が出たといえる。

以前から指摘されている不良在庫が引き続き店頭で見受けられることと、同社によると秋物の売れ行きが不調だったことがその原因に挙げられている。実際に店頭で見ると、一昨年の春夏物や秋冬物が投げ売り処分されていることが多く、相当に在庫を抱えていることが店頭から推察される。
余談だが、中には掘り出し物もあってそれが990円くらいで投げ売られているのだから、店頭回りはやめられない。
個人的に昨年秋にライトオンの店頭で見つけた掘り出し物(買わなかったが)は、アヴィレックスの綿厚手素材のミリタリージャケットでこれがなんと1900円くらいに値下げされて投げ売られていた。9割引きくらいの価格だ。
こういうお宝がライトオンの店頭投げ売り品には散見される。

続いて、ジーンズメイトの第3四半期決算も振るわない。

2018年3月期第3四半期決算は

売上高63億8800万円(対前期比4・8%減)
営業損失4億4700万円
経常損失4億4200万円
当期損失3億200万円

の減収赤字に終わった。
ジーンズメイトがライザップ傘下になって第1四半期決算だけは黒字回復したが、それ以降は前期同様に赤字が続いており、第1四半期の黒字回復は数字上のつじつま合わせに過ぎなかったとしか思えない。

通期では営業利益3億円、経常利益3億300万円、当期利益4億円を見込んでいるが、あと3か月でどうやって黒字転換させるのかまったく意味がわからない。見込むだけなら誰でもできる。
通期で3億円の黒字回復させるということは現在の4億円の赤字を補ってのことになるので、あと3か月間に7億円の黒字を作る必要がある。3か月間で7億円もの利益を稼げるような店頭にはとても見えない。

報告書には同社の取り組みが書かれてあるので抜粋して紹介しよう。
まず、このブログでも何度か紹介した汗染み防止加工「ゼロステイン」Tシャツは好調なようで前年比3倍強の17万枚を販売したとある。
たしかに性能的には申し分ないのでこれは納得がいく。

一方、プライベートブランドの売上比率が32%から37%へと高まったとあるが、それはプライベートブランドが大ヒットしたというよりは、ナショナルブランドを含む他社仕入れ製品の売れ行きが苦戦したため、自動的に売上比率が高まっただけではないのか?

晩秋以降のリーバイスジーンズ半額セールはすさまじかった。
6500円のリーバイスジーンズが3250円に値下げされて売られていた。
経営陣が変わっても変わらないジーンズメイトの値下げ販売手法のすさまじさと、6500円商品を販売するリーバイスの低価格戦略の両方に驚かされた。

また業界やメディアからは「好調」「勝ち組」と見なされていた企業の決算も厳しい。
まず、アダストリアホールディングスだ。ぶっちゃけていえば大幅減収である。

2018年2月期第3四半期の業績は、

売上高1632億6900万円(前年同期比9.6%増)
営業利益68億9000万円(49.5%減)
経常利益71億3800万円(47.6%減)
当期利益65億9400万円(41.0%減)

とほぼ利益が半減している。

アダストリアホールディングスの幹部のボーナス支給額が減額されたと伝え聞いたが、当然の措置といえる。

減益の理由は在庫処分を進めたためと報告書にあるが、同社の通販サイトであるドットSTを見ているとそれを感じ取れる。
ライトオンと同じで一昨年の秋冬物の在庫品が安値で販売されているからだ。
さすがに990円ほどの値引きはないが60%オフは珍しくない。サイズが合って気に入った色柄があるならお買い得だ。
特にベーシックなデザインのアイテムはこの際に買っておくとあと数年間くらいは着用可能だ。

また、しまむらの業績も芳しくない。大幅減収だ。

2018年2月期第3四半期決算は、

売上高4269億1200万円(前年同期比0.4%減)
営業利益350億8500万円(11.3%減)
経常利益359億6300万円(11.3%減)
当期利益239億7400万円(9.3%減

となった。

報告書には取り立てて大幅減収の要因は説明されていない。
もちろん赤字でもなく350億円もの利益を上げているので、それはそれで優秀だといえるが、通期で見込んでいる増益を達成できるかどうかはかなり怪しいのではないかと見ている。
あと3か月で増益に転換できるとはとても思えない。
増益は2期連続でストップするのではないだろうか。

以上の4社は、一昨年に「陰りが見えたユニクロ」に対して「勝ち組」とメディアで評された4社だが、メディアの見方がいかに甘いかということが証明されたのではないかと思う。

逆に2017年はユニクロの強さが改めて浮き彫りになった。

赤字のライトオン・ジーンズメイト、大幅減収とはいえ黒字のアダストリア・しまむらとは区別して考える必要はあるが、この業績ではどう見ても「勝ち組」には見えない。

「ユニクロに死角あり」みたいなピントのズレた記事が定期的に掲載されるが、ユニクロよりも例えばこの4社の方がよほど死角が多くて大きい。
4社以外のアパレルの死角の多さ・大きさなんていうのは言わずもがなだ。
「ユニクロ以外の死角」をまとめてみてはどうか。そちらの方がよほどアパレル業界のビジネスにとっては役立つのではないか。

メディアの読みが簡単に外れるのは結局、対前年の増減比率だけを見て論じているからで、%表示で減れば「苦戦」、%表示で増えれば「好調」「勝ち組」という単純に判別しているからであり、それに立脚しているアナリストやコンサルタントもことごとく同様の誤りをおかしてしまう。

2018年も引き続き、ユニクロ一強VSその他弱者連合というアパレル業界の構図が継続するだろう。

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ウィゴーの筆頭株主が4か月で変更に
https://note.mu/minami_mitsuhiro/n/na278bc65821b

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