カテゴリー: 新商品発表 (1ページ / 3ページ)

ナインオクロックのオーダーTシャツが開始されたので試してみた

どこもかしこもオーダーばやりで、猫も杓子もオーダーという状況になっていて、笑えるのだが、単純なパターンオーダースーツなら百貨店の催事で26800円でできてしまう。
催事の既製品スーツならなんと10800円で、イトーヨーカドーやら西友の自社スーツ並みである。

昔は百貨店催事のスーツは2着48000円とか1着20000円くらいだったのが、ここまで値下がりしているとは驚きである。

というのは、昨日たまたま阪急百貨店うめだ本店9階の催事場を覗いたところ、既製品スーツとパターンオーダーの催事をやっていた。
価格は既製品スーツが10800円~、パターンオーダーが26800円~、でもちろんそれ以上の価格帯もあるが、一番人が集まっていたのはやっぱり10800円と26800円だった。

 

パッと見たところ、10800円はウインドーペンの柄が合っていなかったりするが、全体的なシルエットはトレンドを押さえていて、ちゃんと着こなせばブランド物と見分けがつかない。
昔の百貨店催事のスーツはオッサンぽいモサっとした商品が多かったが、逆に今ではそういうオッサンスーツを探す方が難しくなっている。

26800円のパターンオーダーは生地が展示されていたがインビスタの機能素材「クールマックス」混の生地があり、ちょっと興味をひかれた。

10800円の麻100%スーツは買っても良いかなあと思う。
もうちょっと熟考して買いに行こうと思う。

百貨店のパターンオーダーが26800円にまで値下がりしているのも驚きで、わざわざ計測がめんどくさいZOZOSUITを着て、ZOZOの自称「フルオーダー」スーツを39900円で買う必要があるのか本当に疑問に思う。

定価30000円で、指定した場所までフィッターが出向いてきて採寸してくれて、次からはそのデータをスマホで入力して買える上に、最速1週間で完成する「カシヤマ・ザ・スマートテーラー」の方がずっと便利だし、ずっと革命的ではないかと思う。

ところで、先日、久しぶりに立ち上げを手伝ったTシャツブランド「ナインオクロック」の香取さんから連絡をもらった。

このTシャツブランドも短納期オーダーを開始したので試してもらいたいとのことだ。
もちろん、パターンオーダーである。

https://9oclock.co.jp/ordermade/

ついでにいうと、ZOZOが自社PB第1弾として発売したTシャツとジーンズだが、発表当初は「フルオーダー」と言っていたくせに、今ではサイトに「パターンオーダー」と書いてある。なぜ最初からパターンオーダーだと言わないのだろうか。詐欺すれすれではないかと思う。

Tシャツなんて生地が横に3センチくらいは優に伸びるから、そもそも「フルオーダー」なんて大げさなものは必要ないのは明白である。
ジーンズだって、いくらスキニーだ細身だといったところで、元が作業服のカジュアルパンツで、ストレッチ素材を使用していれば数センチくらいは伸びるので「フルオーダー」なんて大げさなシステムは端から必要ではない。

そういうところがZOZOの嫌いなところである。

で、早速ナインオクロックを試してみた。

2枚やってみたのだが、1枚は2年前にサンプルでもらったのと同じスムース素材、もう一枚は通常のTシャツに多い天竺素材を選んだ。

スムースはVネックのLLサイズ、天竺は深クルーネックのLサイズを選んだ。

当方は顔がデカいうえに首が短いからなるべくすっきり見えるようにネックの開きが深めのものをいつも選ぶようにしている。
ナインオクロックのオーダーはネックの深さと着丈の長さが2センチ刻みで選べるから、両方ともネックを2センチ深めにした。

いただいたサンプルは着丈が短かったので、両方とも2センチ長くした。
着丈が短いとふとした拍子にオッサンの汚いヘソが見えてしまう。オッサンの汚いヘソなんて誰も見たくないだろうし、当方もわざわざ見せたくはないので、着丈は長めにした。

注文してから2週間~3週間くらいして到着した。

サイトには最速3日、最長30日とある。

選んだ色はVネックが薄グレー、深クルーネックは紺。

 

両方とも着用してみた。また洗濯後、2年前にもらったサンプルと比較してみた。

着丈を2センチ長くしてみて正解だった。
オッサンのヘソは無事に守られた。

ネックを深くしたのも短い首が少しスッキリ見えるような気がする。

生地に関してはスムースはつるっとして肌触りは良いが、汗っかきには不安がある。
その点天竺はガッシリしていて多汗なオッサンにも安心感がある。

2年前のサンプルと比較してみたのだが、身幅は2年前のLサイズと、今回のLサイズ・LLサイズとも同じだ。
だからLLサイズといえどもそれほど身幅にゆとりがあるわけではない。

下が紺のLサイズ

下が薄グレーのLLサイズ

 

 

比較してみて気が付いたのだが、2年前の方が肩幅が広い。
LLサイズですら肩幅が2年前よりも狭く、Lサイズだと一層狭くなっている。

下が紺のLサイズ。肩幅が2年前より狭くなっている

下が薄グレーのLLサイズ。肩幅は2年前のLサイズの方が大きい

 

 

スタイリッシュには見えるが、もしかすると身幅を広げる機能を設置した方が支持が増えるのではないかと思う。

オッサンになると薄い生地はちょっと不安がある。
透けてしまわないかとか、汗だくになったら濡れ方がヤバイとか。

某メーカーの同年配の男性も「30番手で編まれたTシャツは薄くて不安。オッサンは20番手で編んでくれると安心できる」と語っておられ、その場で激しく共感してしまった。

ナインオクロックもオッサンは、今回から新たに展開されている少し厚めの天竺の方が支持されやすいのではないかと思う。

今後どのようにシステムや生産体制、商品企画をブラッシュアップされるのかに期待したい。

【告知】8月24日にあのマサ佐藤(佐藤正臣)氏と有料トークショーを開催します。
ぜひともご参加を。詳細は以下のURLで。
https://eventon.jp/13683/

 

 

 

NOTEの有料記事を更新~♪
トウキョウベースの香港店は活況なのか?売上高から入店客数を類推してみた
https://note.mu/minami_mitsuhiro/n/n78d0021044a2

あと、インスタグラムもやってま~す♪
https://www.instagram.com/minamimitsuhiro

昨年9月下旬にブログの仕様を変えて、更新通知が届かなくなった方がおられると思いますので、お手数ですが、新たにRSS登録をお願いします

縫製工場が自社オリジナル商品開発に挑戦

先日、三重県の縫製工場、近藤ソウイングの近藤社長にお会いした。
お会いしたというより、近藤社長がわざわざ会いに来てくださったという方が正しい。

一部を除いては国内の縫製工場はなかなか厳しい状況にある。

先日も某ブランドからTシャツの縫製依頼があったそうだが、工賃の安さに驚いたという。
そのブランドのTシャツは店頭販売価格12600円だそうで、1メートル1000円以上の割合に高い生地を使っている。
しかし、半袖Tシャツだと用尺は1メートルくらい、場合によっては1メートル未満の80センチほどしか使わないから、高額生地を使っても、製造コストは増えにくい。

仮に1メートル1500円の生地を使ったとしても、1枚あたりの生地値は最大でも1500円にしかならない。

にもかかわらず、提示された縫製工賃は1枚600円だったという。
それほどに一般的には縫製工賃は低い。

そんなわけで、一部のブランド化に成功した縫製工場以外は、なかなか縫製を請け負うだけでは儲かりにくい構造となっている。

週刊誌の調査で、「今後賃金が上昇する職業」の1位が縫製士だったという報道があったが、それは今までの賃金が低すぎたから上がらざるを得ないという側面もある。

そこで今回、工場オリジナルのアロハシャツをクラウドファンディングで製造することを決めた。
これだ。

残存率2%の国内縫製工場が作る、新感覚のアロハシャツを届けたい!

https://readyfor.jp/projects/Aloch

この商品のミソは、個人的には国内縫製工場云々というよりも、ポリエステル100%のジャージ生地で作られたアロハシャツというところにあると思っている。

1枚ブルーベースのサンプルをいただいてしまったので、早速着用してみた。

サンプルの合繊ジャージ素材のアロハシャツ

 

当方は非常に汗かきなので、夏は苦手である。
できれば冷房の効いた部屋から出ずにすごしたいほどだ。

綿のTシャツやポロシャツは好きだが、ずっと汗で濡れていて不快な感触が長時間続く。

このアロハシャツは、ポリエステル糸を編んでジャージ素材にしている。
ポリエステルには元々、吸水性はない。
だが、近年は毛細管現象を利用して、吸水性を付与したポリエステル素材が数多くある。

昔、全く吸水性のないポリエステル100%のシャツを着たことがあるが、レインコートを着ているみたいに汗だくになった。

最近はそういうポリエステル生地はほとんど見かけなくなった。
このアロハシャツも吸水性はそれなりにあるし、乾くのも早い。
汗をかいていても肌への接触は少なくサラサラしている。

おまけに編み生地なので伸縮性があって動きやすい。

このクラウドファンディングはめでたく、すでに目標を達成している。

商品として見た場合には、改良する点もいくつかあるように思える。
まず、「柄」がこれで良いのかどうかである。

やはり専門のグラフィックデザイナーを起用してそれなりに考えられた柄を使用すべきではないかと思う。

次に「形」である。

伸縮性のある編み生地だからだろうか、割合にタイトなシルエットで着丈は短めである。
この「形」が果たして良いのかどうか。
個人的にはあと何センチかは着丈を長くしても良いのではないかと思う。

あと、身幅にももう2センチくらいゆとりを持たせた方が良いのではないかと思うが、このあたりは個人の好みの問題である。

それよりもポリエステル100%のジャージ生地という部分を評価している。

近藤ソウイングとしては、初のオリジナル商品ということでクラウドファンディングに挑戦したわけだが、一先ず達成できて可能性は広がったといえる。

これをオリジナル製品として今後拡散するなら、柄・形はもう一度見直しなり改良を加えてみる必要があるのではないかと思うが、初めての挑戦だから、まず成功させ、そこから徐々に改良に取り組むという進み方で良いと思う。

縫製工場が純然たる縫製の請負だけではなかなか収益性は高まりにくい。
工賃を上げるか、請け負う数量を増やすか、のどちらかしかないが、現在の低価格化する衣料品では工賃を上げることは難しい。
かといって、国内工場に大量発注が舞い込むことも考えづらい。

出来得るやり方としては、工賃を少しだけ上げつつ、自社オリジナル製品を販売してプラスアルファを狙うというのがもっとも現実的ではないか。

とはいえ、オリジナル製品は開発するにもそれなりの試行錯誤があるし、発売したからといって確実に売れるとは限らない。
それなりのリスクはある。

昔のように、高い工賃の仕事が大量に舞い込むようになるなんてことは国内縫製工場には起こらない。

そういう点では今回は、幸先の良い上々のスタートが切れたということになる。

工場の新たな収益の一つにするには、商品自体のブラッシュアップと安定的な販売が必要不可欠になる。
期待して今後の流れを見守りたいと思う。

NOTEの有料記事を更新~♪
トウキョウベースの香港店は活況なのか?売上高から入店客数を類推してみた
https://note.mu/minami_mitsuhiro/n/n78d0021044a2

あと、インスタグラムもやってま~す♪
https://www.instagram.com/minamimitsuhiro

昨年9月下旬にブログの仕様を変えて、更新通知が届かなくなった方がおられると思いますので、お手数ですが、新たにRSS登録をお願いします

 

日常的に広めたいなら和服も変化する必要がある

先日、こんな記事を読んでなかなか良い取り組みだと思った。

洋服感覚で楽しむ”セットアップ”キモノ「レ・モン」がデビュー、京友禅と西陣織の老舗企業がタッグ

https://www.fashionsnap.com/article/2018-06-18/lesmondes-debut/

ジャケットとロングスカートの上下に分けた”二部式着物”で、最後に簡易帯で仕上げるというこれまでにないスタイルを考案し、洋服感覚で着物を楽しめるようにしたという。

スタイリングはセットアップだけではなく、柄を組み合わせるなどのアレンジも楽しめる。

ロングスカートにはファスナーを備えており、着付けは約5分で行うことができる。簡易帯はカルタ結びや兵児帯(へこおび)など5型で、ファーベルトも揃える。生地には京友禅や西陣織の伝統技術は用いずにポリエステルなど洋服に使われる素材を使用しているため、自宅での洗濯が可能。また、ジャケットが2万8,000円〜、ロングスカートが1万8,000円〜、簡易帯が9,800円〜と手に取りやすい価格を実現するなど、呉服業界の課題となっていた部分を解決した。

とのことだ。

ちょっと文面で意味のわからない箇所があるが、概ねこの商品には賛同する。

当方は着物を着たことがない。
多分、今後も棺桶に入るとき以外は着ないと思う。

着物を着ない理由は

1、商品価格が高い
2、自分では着付けができず、着るたびにお金を取られる
3、正絹の着物は洗濯・保管・メンテナンスがめんどくさい

である。

1,2,3の理由どれもが当方にとっては重要で優先順位は付けがたい。
しかし、1は清水の舞台から飛び降りたつもりで10万円前後なら買えなくもない。(パソコンを買ったと思えば)
3は頑張れば何とかできるかもしれない。まあ、年に2回以上は洗濯も保管メンテナンスもやりたくないが。

2は致命的だ。
自分一人では着れなくて、着るのには有料で手伝ってもらわなくてはならない。
おまけに時間がかかる。

こんな不便な服を着ようとは思わない。

少なくともこの3点を改良しない限りは、着物のマス化なんて絶対に起きないと断言できる。

なぜなら、現在の洋服はこの3点を軽々とクリアしてしまっているからだ。
今の着物のままならマスには広がらない。

SNSを始めてから、着物を着ない当方になぜだか、和装関係の人とのつながりがけっこうできてしまった。

和装の衰退を憂う方が多く、それを食い止める手段の一つとして「着物の日常着化」とか「着物のマス化」に言及されることも多い。

じゃあ、具体的どのようにそれに取り組むかということになると、意見はバラバラで、当方のうがった見方かもしれないが、「今の着物のままで何とかマスに広がらないか」と考えている人が多いように見えてしまう。
どのような願望を持とうがそれは個人の自由だが、あまりにも現状と離れた願望は成就することは難しい。

もちろん、「晴れの日」向けの着物は今のままで良いと思う。当方はそれでも着ないが。
式典・会合・記念日、そういう「ハレの日」に着る着物は今のままでも着る人は存在し続ける。

しかし、多くの人が目指す「日常着化」という点は、現状維持の商品では解決できない。
そんなめんどくさい服を日常的に着る人なんてよほどの変わり者か変態である。
そして変わり者も変態も絶対的に人口が少ない。
少数の人間にしか支持されない商品が日常着化することなんて絶対にあり得ない。

日常着化を目指すなら、日常着にふさわしい商品を開発し、何なら、今の着物の形や形状を変える必要がある。
「俺たちは変わらないけど大勢に広まってほしい」なんてそんな虫の良い話はない。

実際、洋服だって時代を経るごとに形状が変わってきて現在に至っている。
形状はほぼ変化がなくなったが、今度は使用素材が変わってきている。
機能性素材の広まりはそれを表している。

いまだにフランス革命以前みたいに、長ズボンの上に「キュロット」と呼ばれる半ズボンを重ね穿きしている人なんて存在しない。
フランス革命を経て「サン・キュロット(半ズボンなし)」の服装が一般化したのである。

マーケティングの基本に4P戦略というのがある。

商品(product)
価格(price)
販売場所(place)
販売促進・告知(promotion)

である。
こんなものは業界にいる多くの人が基礎知識として有しているはずで、じゃあ、今の着物はこの4P戦略に則っているかどうかを考えてみればすぐにわかるのではないかと思う。

商品的にはめんどくさいし、価格は高い。
promotionの手法も微妙だ。

4つのうち3つまでが則っていない。少なくとも「商品」と「価格」の2つは則っていないとなると、売れるはずがないということになぜ気が付かないのかと不思議でならない。

日ごろから尊敬する和装関係の染色作家、仁平幸春さんはこんな記事を書いておられる。

衣服の変容は日本だけじゃないわけで。。。https://note.mu/yukiharu_nihei/n/n420922ab4732

 

良く「日本人は日本の伝統的民族衣服であるキモノを着ない」という言われ方をされますが、それは事実でしょうか?
事実は「衣服の変容は日本だけが特殊なのではなく、全世界的に同じように変わった」という事ではないでしょうか?
私は、日本だけが特殊で日本だけが西洋かぶれして和服を捨ててしまった、という論調はおかしいと思っています。
上記のように、どの国でも、同じような変化があったのです

とあり、仁平さんの意見に禿しく激しく賛同する。

結局のところ、日常生活においては衣服に限らず、利便性の高い物が支持され、不便な物は淘汰されてしまう。
仁平さんが記事中で指摘されているように「不便な燐寸(マッチ)」は「便利な100円ライター」に駆逐されてしまう。
物好きな変態が「マッチの方が風情があるのにぃぃぃ」と叫んだところで、そんな不便な物を多くの人は使わないのである。

もし、本当に「着物の日常着化」を目指す人がいるなら、今回登場した「レ・モン」のような商品をもっと開発して市場に投入すべきだろう。

あと、紹介した記事の中で1か所どうしても意味が分からない部分があるので蛇足ながら紹介する。

6月11日には恵比寿にショールームを開設。若者を中心に幅広い年代の人が楽しめる”東京発”のブランドとして打ち出し、将来的には海外展開を視野に入れているという。

なぜわざわざ「東京発」にする必要があるのかちょっと当方には理解できない。
着物で京都の会社が開発してそこに京都府が参加したのなら「京都発」で良いのではないかと思う。
個人的には京都という土地は好きではないが、国内の他地域からもブランドイメージが高く、海外からも評価されている。「京都発」の方がわかりやすいのではないかと思うのだがどうだろうか。

NOTEの有料記事を更新~♪
ジーンズの洗い加工はレーザー光線で行う時代
https://note.mu/minami_mitsuhiro/n/na09a16d24294

あと、インスタグラムもやってま~す♪
https://www.instagram.com/minamimitsuhiro

昨年9月下旬にブログの仕様を変えて、更新通知が届かなくなった方がおられると思いますので、お手数ですが、新たにRSS登録をお願いします

こんなセパレート着物もあるでよ。

オールユアーズの直営店兼事務所のプレオープンに参加してきた話

クラウドファンディングでファッションのジャンルで1800万円を集めて記録を作ったオールユアーズが、4月27日、東京の世田谷区池尻2‐15‐8に直営店舗兼事務所をグランドオープンする。
1階が店舗兼ショールーム、2階が商談スペース、3階が事務所となっており、4月23日に関係者を集めてのプレオープンがあった。

そのプレオープンに「ぜひに」と呼ばれたので、「東京まで行くのはめんどくせえな~」と思いながらも、せっかくなので参加した。

大阪での仕事を終えて、23日の午後8時半ごろに現場に到着した。
東京の土地勘はほとんどないので、池尻大橋がどんな場所なのかあまり知らなかったが、オールユアーズがオープンする場所は住宅街である。それもマンションなどはなく、ほとんどが一軒家という地域で、オールユアーズの建物も一軒家を改装したものだという。

ようやく到着してから30分ほどすると、縫製工場の担当者や生地メーカーの担当者ら6~7人くらいが挨拶を終え、飲みに行き始めたが、そのとき、「南さんも一緒に行きましょうよ」と誘われ、初対面だったにもかかわらず同行することになってしまった。
プレオープンの滞在時間はわずか30分で終了してしまった。

気を取り直して、翌日24日の午後に再度オールユアーズを訪問した。

オールユアーズの外観

せっかく東京くんだりまで来たので、今後の展望とか店舗の方向性などを聞いておかないと、単に飲み会に参加しただけになってしまう。

オールユアーズの頭脳ともいえる企画担当者の原康人さんにいつもの雑談形式であれこれ質問してみた。
基本的に「服だけを売ることは難しい」という認識で当方とはかねてより一致している。

念願の事務所兼ショップの解説ということだが、どんな方策を考えているのか?と尋ねてみた。

そうすると原さんは、

「我々の服がクラウドファンディングで売れたといっても、さらに何億円も服を売ることは難しい。特にブランド立ち上げから注力してきた卸売りで売上高を拡大するのは相当に難しい」

と指摘する。
たしかに現在の専門店は、売れ行き不振から極度に仕入れ枚数を減らしている店舗が多く、ジャンルを問わず専門店への卸売りではどのブランドも売上高を拡大しにくい状況にある。

そこで「服だけではなく、体験も売る」ことを目指す。

今年夏から秋口くらいの時期に、1階の店舗部分に何台かのミシンを設置することを考えているという。
ミシンを設置することで、まず、サンプル品や1型20枚程度の超小ロット商品を店内で縫製してしまう。

縫製している風景が見られるということで、来店客へのデモンストレーションにもなるし、10枚~20枚程度の商品を店内で製造することで小回りの利く商品追加が可能になる。

そのうえで、オールユアーズは、このミシンを有料で希望者に店内で貸して、自分で洋服を縫製するという体験をしてもらうことを構想しているという。
これが「体験も売る」ということの一つだ。

また、一つの商品を縫製せずに型紙・生地・付属(ボタンやリベット、ファスナーなど)を一まとめのパッケージにして、それを買ったお客に、店内のミシンを使ってそれを組み立ててもらうという売り方も構想している。

今回のショップオープンにあたって、店内の工事を手伝う権利をクラウドファンディングで販売したところ、7人くらいの購入者があったのだという。
当方からするとわざわざカネを払って、他人の店舗作りの工事を手伝うなんて意味がわからない。
手伝ったんだからバイト代をもらっても当然だと思うのだが。(笑)

しかし、そういう「カネを払ってまで物作りに参加したい」という嗜好のある人もいるということだ。
当方には理解できないが。

そういう嗜好のある人も少なからずいるから、店内のミシンを有料で使って、商品を自分で組み立てて(縫製して)みたいという人もそれなりにいるだろう。

現在、商品そのもので差別化することは非常に難しい状況にある。

一昔前までは「生地ガー」とか「縫製ガー」とか「生産地ガー」というだけである程度の差別化が可能だったが、今はそれで差別化することはほとんど不可能になっている。
2005年くらいまでは百貨店に並ぶ服と、低価格ブランドに並ぶ服では生地のクオリティが如実に異なったが、今ではほとんど格差がなくなっている。縫製仕様にしても同様だし、生産地にしても同じだ。
日本製なら高く売れるかというとそうではない。すでに低価格の日本製だって珍しくない。
無印良品の3足990円の脱げにくいフットカバーはその低価格にもかかわらず日本製である。

となると、商品を製造しているところが店舗内で見られたり、プラモデルみたいに商品キットを購入して、店舗内のミシンを使って自分で組み立てることができるというサービスを付加した方が差別化しやすい。

よくファッションビルや百貨店が手垢にまみれた「コト販売」をスローガンに掲げているが、休憩ゾーンを広くしたりトイレを綺麗にしたりすることにとどまっていて、それのどこがコトを売っているのか?と不思議でならないが、オールユアーズの構想する売り方はまさしくコト販売といえるだろう。

原さんは、

「ぼくたちは、今後どういう方向性を取ろうかと会議をしました。このまま売上高を伸ばさず小さなニッチブランドでいるのか、それとも売上高を拡大するのか。その結果、売上高の拡大を目指すことになりました。売上高の拡大といっても、今の大手ブランドみたいに何十億円とか何百億円になれるとは思っていませんが。(笑)しかし、服だけを売っていては売上高を拡大できる世の中ではありません。そこでそういう体験も売ることで売上高の拡大を目指します」

という。

店舗にミシンを導入して、それを使えることをサービスとして販売する。
この売り方にどのような反響があるのか、ちょっと期待して見守りたいと思う。

NOTEの有料記事を更新~♪
心斎橋筋商店街がドラッグストア街に変貌した理由とこれまでの変遷の推移
https://note.mu/minami_mitsuhiro/n/n2eb0ac5ccb54

あと、インスタグラムもやってま~す♪
https://www.instagram.com/minamimitsuhiro

昨年9月下旬にブログの仕様を変えて、更新通知が届かなくなった方がおられると思いますので、お手数ですが、新たにRSS登録をお願いします

オールユアーズの商品はAmazonでも売ってるよ~。

お手頃価格でみんながファッションを楽しめるならそれが最高だろ

金曜日にユニクロとJWアンダーソンコラボの2018夏物が発売された。
メンズのアシンメトリーボーダー柄Tシャツは意外に生地が分厚く、原材料費にカネかかってんなあという感想だ。
あと、スタンドカラーのロング丈シャツは値下がりしたら買いたいと思った。

せっかくなので、390円のボーダー柄靴下を2足買った。

試しに買ったユニクロアンダーソンのボーダー柄靴下

全部で6色くらいあったが、黄色のボーダーとマルチカラーのボーダーを選んだ。

まだ試し履きしていないのでレビューはまたの機会にしたい。
靴下というのは意外にコーディネイトでも重要になる。
特に、ズボン丈が短めな近年は、靴下が目立ちやすい。
これが2005年頃の裾を引きずるようなブーツカットブームの時なら靴下なんてコーディネイトに必要なかった。
なぜなら靴を脱いで座敷にでも上がらない限り、靴下なんて見えないからだ。

しかし、今はズボン丈が短めだから靴下は常に見えている。
それゆえに、靴下がコーディネイトの要となることが増えた。
極力目立たない黒無地や紺無地にするもよし、派手な色柄でアクセントにするもよしだ。

何色かあったがこの2色を選んだ理由は、赤のボーダーは今春に無印良品で200円に値下がりした靴下を買っていたからだ。
無印では200円に値下がりした赤ボーダーとグリーボーダーを1足ずつ買った。

200円に値下がりして買った無印良品のボーダー柄靴下

 

こちらはすでに履いているが、履き心地は極めて良い。綿素材で薄すぎず分厚すぎずである。

通常値下がりした靴下は安物臭い生地が多いが、これが200円に値下がりしているのがすごいと思う。

また、ユニクロアンダーソンのボーダー靴下も390円でこの配色の商品が買えるのがすごいと思う。

現代は、「安くて見映えの良い商品」で溢れていると思う。
自分が若い頃の25年くらい前を考えるとなんとも消費者の立場とすれば羨ましい時代だといえる。

ところが、衣料品業界には「低価格衣料品の出現は許せない」と息巻く既得権益者が数多くいる。
この手の人間は幅広い年代にいるのだが、中でも中高年のこの論者はこれまでさんざん高い服で儲けてきた既得権益者である場合がほとんどだ。
反対に年若いこの論者は、単なるイシキタカイ系か、自分のブランドが売れないことへの八つ当たりをしているか、のどちらかといえる。

まあ、たかが服なんで、だれもがそれぞれ自由な意見を持っていれば良いと思うのだが、個人的には「見映えの良い低価格品」が出るのは自然の流れであるとともに、それなりに好ましいことだと思っている。

理由は誰もがファッション品に手を出しやすくなるし、誰もが安値でファッションを楽しめるからだ。

先日、ユニクロとコラボをするジョナサン・アンダーソン(JWアンダーソン)氏のインタビューが各媒体に掲載された。
一番まともな感じのインタビューを掲載したのが繊研新聞だと思う。

ジョナサン・アンダーソンに聞く、ユニクロと組む理由
https://senken.co.jp/posts/uniqlo-jwanderson-interview-180412

この中でアンダーソン氏は低価格衣料品についてこう語っている。

ユニクロとの協業は、グローバルなプロジェクトということもあるけれど、何より僕自身がファッションの民主化の流れを信じているから。自分のブランドは小さいけれど、とても高い商品もある。でも本来、服は排他的なものではなくて、誰でも手にできる包括的な存在であるべき。

とのことでこの意見には個人的に賛成する。

そもそも、これまでのファッションは「選民思想」に近いもので覆われていた。
バカ高くて、よくわからないロジックのブランドの服をありがたがって着ている人たちだけがファッションエリートで、それを買わない・買えない大衆はダサいという一種の選民思想だ。
しかし、笑えることにこのファッションエリート(笑)たちの多くは、自分の食費や生活費を切り詰めてまでそういうブランドの服を買っていたのである。
ところが、ダサい大衆の方が、衣以外の生活は豊かだったりするのだから笑わせてくれる。

外野にいるオッサンたる自分としてはそれがすごくカッコイイとは25年前から到底思えなかった。
けれども当時は「ファッション業界ってそういうところだよね。だから嫌い」というあきらめもあった。

それよりも、食費や他の雑費もそこそこに支出して、その残った範囲内で見映えのする服を買えることの方が豊かな暮らしではないのかとずっと思ってきたし、今もそう思っている。

例えばユニクロアンダーソンやユニクロUなんていうのは、誰しもが買いやすい値段で、しかも品質・見映えともに悪くない。
そりゃ、中には「なんだこりゃ?」という色柄の商品もあるが、そんなのは他社ブランドだって同じである。
こちらの好みに合う物もあれば合わない物もある。当たり前の話だ。

それから、素人へのファッション指南で人気を博しているMB氏がしまむらグループのアベイルとコラボ商品を発売したがその際、ブログでこんな意見を述べておられる。

アウターが1980円!?MBとアベイルが奇跡のコラボレーション!!

私は「おしゃれを手が届かないもの」にしたくありません。
「誰でもいつでもどこでも、法則さえ知れば自由に楽しめる」のがおしゃれです。
生まれ持った感覚もセンスも必要ない、
お金も時間も必要ない、
おしゃれは今までファッション雑誌やアパレルの世界で長く語られてきたような閉鎖的で限定的なものでは決してありません。知れば誰もが簡単に楽しむことができるものです。

そしてお金も感度も必要ないからこそ、もっと多くの人にこのファッションの楽しさを知ってもらいたい。

とのことで、アーバンリサーチやアダム・エ・ロペなどの有名セレクトショップとコラボをさまざましているにもかかわらず、アベイルなんていう低価格チェーン店とMB氏がコラボをする理由だ。

先ほどのアンダーソン氏とほぼ同じと言える。

この10年間ほど見てきて、「安物の服は許せない~」という人の多くは既得権益者である場合が多く、特に中高年層はほとんどが既得権益者である。その既得権益が破壊されているからなおさら声高に叫んでいるに過ぎないと当方は見ており、その声に耳を傾ける価値はないと思っている。

ユニクロUやアンダーソンコラボを見て「ファッションを殺す気か」と叫んだ年配の方がおられたが、そんなことでファッションは殺されなくて、殺されるのはご自分たちの既得権益に過ぎない。実にくだらない。

ときどき、アフリカのオシャレな人集団「サプール」が話題になるが、オシャレな人を特別視するほどにアフリカは貧しくてファッション衣料品が出回っていないともいえるのではないか。反対に日本や欧米で低価格トレンドブランドが生まれ、多くの人がオシャレを楽しんでいるのは、それだけ社会全体が豊かだともいえる。

今後、ますますファッションの垣根は低くなっていき、そのうちにこれまであったような特殊でクソみたいな「選民思想」は雲散霧消してしまうものだと期待している。

NOTEの有料記事を更新~♪
心斎橋筋商店街がドラッグストア街に変貌した理由とこれまでの変遷の推移
https://note.mu/minami_mitsuhiro/n/n2eb0ac5ccb54

あと、インスタグラムもやってま~す♪
https://www.instagram.com/minamimitsuhiro

昨年9月下旬にブログの仕様を変えて、更新通知が届かなくなった方がおられると思いますので、お手数ですが、新たにRSS登録をお願いします

JWアンダーソンの本体ラインはこんな感じだよ~

低価格代替品の新規参入はこれからも絶対になくならない ~高機能で3400円という驚きの低価格保温サンダル「SUBU」~

洋服・ファッション用品の単価下落を食い止めようと、トゥルーコストだとか情緒に訴えようとする試みがあちこちで見られるが、所詮は、業界人の業界人による業界人のための自己中キャンペーンに過ぎないと見ている。
単価が下がって困るのは業界人の都合だけでしかない。

むしろ、異業種からの新規参入者は終わることがなく、彼らはまだまだ低価格代替品を繰り出してくる。
ドン・キホーテの低価格自社ブランドやダイソーの繊維製品はその一つといえるだろうし、発表だけでその後さっぱり動きが見えないニトリのアパレル参入もそれの大規模なものだといえる。
新規参入者から見れば、アパレル業界の価格は高額だと見えるし、既存ブランドから掠め取れる部分も多いと見えているのだろう。

先日、合同展示会MAG(マグ)で見かけた冬用保温野外サンダル「SUBU(スブ)」も異業種参入組の低価格代替品の一つだといえる。

雑貨卸のイデアポートという会社のオリジナル商品である。

SUBUの2018年秋冬モデル

キルティングのアッパー素材にはテフロン加工が施してあり、中には起毛した生地が貼られている。
クッションインソールは4層でかなりクッション性があり、スニーカーソールの靴底を貼り合わせるのではなく、縫い合わせている。

当方は長らく、冬用のサンダルとして今は廃版になったクロックスの中に起毛素材を貼ったサンダルを履いている。
こちらはEVAの一体成型なので雨でも浸水することはない。
クッション性もまずまずだが極上というほどでもなく、アッパーのソフトさにはややかける。

7年くらい前に買ったクロックス

もう7年ほど前に買ったのだが、当時3800円ほどしたと記憶している。

展示会場でSUBUを試着させてもらったが、クロックスのこれと比べて格段にクッション性が良く、アッパーも柔らかい。
おまけにかかと部分がないにもかかわらずホールド感がある。
小走りくらいならできそうな感じがする。

昨年末くらいに、防水のリラックスシューズを探していたら、ノースフェイスのヌプシが良いと教えてもらった。
形状はクロックスやSUBUと似ている。アッパーは防水キルティングで内貼りも暖かいという。
Amazonと価格コムで安い値段を探すとだいたい8000~1万円くらいで売られていた。まれに7000円台に値下がりする時もあった。

具体的にはこれである。

結局、迷いに迷って購入を見送った。

驚くべきはSUBUの価格である。
この品質でなんと店頭価格3400円で、当時のクロックスよりも安いくらいだ。
思わず「安っ」と声を挙げると、イデアポートの方が「うちは雑貨屋への卸がメインだったので、以前はもっと安い値段だったんですよ」と説明してくれた。

昨年の店頭価格はなんと2950円でこれでも今秋冬モデルからは、セレクトショップからの要望で値上げしたという。
安さと高品質が相まって、昨年秋冬は2か月で5万足の受注があったといい、今秋冬モデルも4月下旬のオーダー締め切り時には昨年以上の受注数が見込まれているという。

そう、雑貨業界は基本的に店頭販売価格が安い。
ダイソーしかりドンキしかり、フライングタイガーしかり、パル最大のブランド「スリーコインズ」しかり、である。

1000円もあれば、最低でも数点は買えるというのが雑貨業界の平均価格である。

イデアポートはこのSUBUに関してはセレクトショップや洋服専門店へ卸売りをしているが、2000円台の高機能サンダルはこちらの業界では異様に安いと受け取られ、値上げ申請が相次いだという。
そりゃそうだ。3400円でも安いのに2950円なら当方なら2足まとめて色違いで買ってしまう。

今秋冬は6色展開で、新商品としてはアッパーにコーデュラを採用したものがあり、こちらは6800円だという。
セレクトショップあたりだと6800円でも十分に安いだろう。

ファッソニスタどもは2950円や3400円の商品を小ばかにするが、一度店頭で販売してみてはどうか。
3000円前後という商品は販売員の側からするとひどく美味しい。
3000円前後なら大抵誰でもが月に1度くらいは買える。だからこのSUBUだって色違いで何足か買う人がいるし、そうなることは当然だといえる。

しかもこれを3人の人が1日で買ってくれれば、売上高は1万円になる。
1日9人の購入で3万円弱。有名店や人通りの多い店なら1日9人に3000円を売るのは難しくない。
高機能で3000円の商品なら絶対に売れる。
それで毎日、3万円弱の売上高のかさ上げができる。

販売員や店長にとっては美味しい商品だということがわかるだろう。

一日の売上高が6万円と9万円では大きく異なる。

自分で販売員や店長をやったことがないファッソニスタやザ・業界人はこの3万円のかさ上げの意味がわからないだろう。
だから、消費者から支持されないのである。

1日に9万円が売れるようになれば、1か月で270万円の売上高が稼げる。
年間で3240万円の売上高になる。

人気店・有名店と気取ってはいても、1日に9万円、1か月に270万円未満の売上高の店は掃いて捨てるほどある。
ファッソン業界なんて所詮は、見栄張りの栄養失調者みたいなところがある。

このSUBUも新規参入者の低価格代替品といえ、旧業界人がいくら規制しようと、情緒に訴えかけようと、この手の新規参入者はなくなることはないし、彼らによる高機能低価格代替品の提案もなくなることはない。

彼らに負けないためには、情緒に訴えたわけのわからんキャンペーンをやることではなく、しっかりと自社のブランドを確立すべきで、低価格ではないがそれでも「欲しい」と思わせることを考えるべきであり、これまで旧業界人はそこを考えなさ過ぎたということでしかない。
あまりにも情緒、マインドに訴えかけるのは新興宗教臭くなるためかえって逆効果でしかない。

NOTEの有料記事を更新~♪
5年後ダメになっているアパレルを3つ挙げてみたよ
https://note.mu/minami_mitsuhiro/n/nebd50266b6df

あと、インスタグラムもやってま~す♪
https://www.instagram.com/minamimitsuhiro

昨年9月下旬にブログの仕様を変えて、更新通知が届かなくなった方がおられると思いますので、お手数ですが、新たにRSS登録をお願いします

こちらからもSUBUは買えるよ。

腰ゴムなしのボクサーブリーフは画期的新商品

通常のファッション衣類よりもスポーツウェア、肌着、ワーキングユニフォームあたりは如実に進歩とかテクノロジーが感じられて一般人でもわかりやすい。

わかりやすいから当方は通常のファッション衣類よりもこのジャンルの話の方が好きだ。

通常のファッション衣類は曖昧模糊としたことが多すぎる。
おまけにそれを伝える言葉も意味不明なルー大柴みたいなのが多い。例えばこれだ。

今回の取り組みは、ファッションコンシャスな層のエモーションに訴求し、プレシャスなエクスペリエンスを提供するための取り組みと言えると思います。

ルー大柴の言葉をテープ起こししたのかと思うがどうやら違うようだ。

なぜ、感情という立派な日本語があるのにエモーションなんて使うのだろうか。
特徴的な体験と言えばわかりやすいのにプレシャスクスペリエンスと使う意味はなんなのだろうか。

ミーとトゥギャザーしようぜ!

というのとほとんど変わらない。
この手の人間で溢れかえっているからファッション衣類・カジュアル衣類はめんどくさくてアホらしい。

今秋冬物のメンズ肌着で注目を集めそうなのが、腰ゴムなしのボクサーブリーフである。
先日、カイタックファミリーの今秋冬向け展示会に出向いたところ、さっそく、腰ゴムなしのボクサーブリーフが展示されていた。

通常、ボクサーブリーフに限らず、男物のパンツは腰にゴムを入れることで位置を保持する。
ゴムがなければ簡単にズレ落ちる。

ボクサーブリーフは生地に伸縮性があるが、それとてもそれほど強力ではない。
ためしに通常のボクサーブリーフの腰ゴムの部分を切除してみればいい。
普通に穿ける代物ではなくなる。

しかし、腰ゴムにも欠点はあって、窮屈感があるだとか肌に型が残るだとかそういうところだ。
じゃあ、邪魔なら腰ゴムを廃止すれば良いかというとそうではない。そのほかの生地全体に保持力を持たせなくてはならないから、生地の開発が必要不可欠となる。

今回、腰ゴムなしのボクサーブリーフが完成したということは、そういう生地の開発に成功したということで、この技術の進歩はわかりやすい。
今まで一点で支えていた腰ゴムがなくなったということは、ブリーフ全体での保持力があるということになる。

念のために手持ちのボクサーブリーフの画像と見比べてほしい。
人様にお見せするのに、50歳手前のオッサンが穿き古したボクサーブリーフでは話にならないし、場合によっては公害にもなるから、以前に買って未使用のボクサーブリーフの画像を貼り付けてみる。

腰ゴムの部分がバッサリとなくなっていることがお分かりいただけるだろう。

で、たった一社の商品を見ただけで「大流行しそう」なんて言うのは冷静さに欠けるが、実はこれと同じ商品は他社からもちょうど今秋冬に向けて展示会に出品されていた。
大手肌着メーカーのG社だ。情報解禁が7月なので珍しく伏字にしておく。

カイタックファミリーもG社も販路は量販店なので、早くて7月末、遅くても9月ごろからは腰ゴムなしのボクサーブリーフが一斉に量販店の売り場を埋め尽くすことになる。

見た目は大きくは変わらないが、生地は違っていて、カイタックファミリーはナイロン・ポリウレタンの経編(たてあみ)生地を使用する。G社は丸編み生地を使用する。

恐らく、ユニクロも今秋物か来春以降に追随することになると考えられる。
カテゴリーはエアリズムになるだろう。エアリズムシームレスの新商品という形で追随するのではないかと思う。

丸編みのG社と経編のカイタックファミリー、どちらの商品がどう違うのか、1枚ずつ買って穿き比べて確かめたいと思う。
一応、念のために断っておくと、着用している画像を掲載する気はまったくない。
まあ、掲載されると思った人はいないと思うが。(笑)

それにしても実際の着用感はどうなのかと思う。
トランクスにしろブリーフにしろボクサーブリーフにしろ、今まで絶対に腰ゴムは存在した。
腰ゴムの締め付けはもう第二の皮膚というほどに馴染んでいる。これをなくすということはどういう着用感なのか想像は難しい。

「穿いていないようだ」という表現になるのかもしれないが、実際にフルチンでズボンを穿いたことがないからその感覚は想像しづらい。
そんな変態プレイはしたことがない。

当たり前に存在した腰ゴムをなくしたというところが、この商品は画期的だといえる。
それだけに、もし着用感が良ければ大ヒットするのではないかと思う。
カイタックファミリーもG社も量販店向けだから、価格もそれほど高くない。
1枚990円~1500円程度におさまるだろう。

3枚990円とか、4枚690円とかそういうボクサーブリーフから比べると高いが、驚くほど高額ではない。
普通に働いていれば1シーズンに2~3枚くらいは買える。

そういう「手ごろ価格」だから着用感次第では爆発的ヒットが望めるのではないかと思う。

上手くいけば3~4年間くらいの人気商品になる可能性もあるが、問題はそれを越えてしまったらどう売るのかということになる。
そのころにはもっと安い追随品も出てきているだろうし、カイタックファミリーやG社よりも宣伝巧者が人気を博するようになっているだろう。

薄生地保温肌着やノンワイヤーブラ、ステテコと同じような運命をたどることは間違いない。

各社は今、発売することに必死だろうが、一段落ついたらその後のこともぼんやりとでも考え始めた方が良いのではないか。
これまでのヒット商品と同じ道をたどることは目に見えている。値崩れや新規参入は防ぎようがないが、それを踏まえた上で自社の付加価値いかに高めて、いかに伝えるか、それを考えておかないと数年後にはまた今までと同じことを繰り返すだけになる。

NOTEの有料記事を更新~♪
「知名度主義」の人材起用がアパレル業界を低迷させている
https://note.mu/minami_mitsuhiro/n/n50ca3a6bf56c

あと、インスタグラムもやってま~す♪
https://www.instagram.com/minamimitsuhiro

昨年9月下旬にブログの仕様を変えて、更新通知が届かなくなった方がおられると思いますので、お手数ですが、新たにRSS登録をお願いします

キャラクター肌着・パジャマも強いのがカイタックファミリーの特徴

スポーツ向け素材を使用した機能性スーツはメンズスーツの主流になる

ファッション初心者で顔も体型も残念な人がいたら、男性なら間違いなくスーツを着ることをお勧めする。
世のビジネスマンを見てもわかるようにスーツがめちゃくちゃ似合ってないオッサンはいない。
どんなにブサだろうとデブだろうとスーツを着ていれば「ひどくダサく」は見えない。

これがネルシャツだとかトレーナーだとかパーカだとか純カジュアル服を着るともうだめだ。
すごくかっこ悪い。
だから会社でのスーツ姿はそんなに悪くないのに、休日にカジュアル服で会うとひどくモサっとした感じになる人が多い。

スーツはある意味で「完成された形」となっているため、今後も大きくは形は変わらないだろう。
もちろん、トレンドによって細くなったり太くなったりVゾーンが狭くなったりはあるだろうけど、大きく姿を変えることは考えにくい。

しかし、今後はスーツの使用素材が大きく変わり、カジュアルシーンでの着用が増えるのではないかと思う。

普段、スーツを着用しないのでどんなに上質な商品を見ても「買いたい」とは思わない。
ところが、昨年の秋口だったと記憶しているが、雑誌を読んでいて「このスーツは一度試してみたいなあ」と思う商品があった。
オンリーの「トラベラーズシリーズ」だ。

いわゆる、出張・旅行に適したシワになりにくいスーツである。
オンリーの2017秋冬商品はウール100%素材となっているが、個人的にここに不満がある。
もちろん、従来からのスーツファンはここが良いと判断するだろうということは承知の上だ。

シワになりやすいというウールの特性を克服した点はすごいと思うが、ウールは虫に食われるという欠点がある。
保管にはかなり気を遣う。
その部分でのイージーケア性は低い。

だから、最近、注目しているのは合繊機能素材を使用した高機能スーツである。

先日、小島健輔さんが、ミズノが発表した「ムーブスーツ」を取り上げておられたが、これはポリエステル100%でストレッチ性・洗濯性・防汚性・耐久性がある。
価格も28000円とツープライススーツ並みの低価格となっている。
もともとは野球ユニフォーム用に開発した素材なのだそうだ。

そのほか類似商品は、ビームスやユナイテッドアローズなどの各人気セレクトショップでも発売されており、ポケッタブル性やら撥水性やらが加味されている商品もある。

上質なウール素材の高級スーツというのは見ているとなるほどカッコイイと思うが、そのメンテナンスのめんどくささを考えると、買おうという気にはなかなかならない。

余談だが、ある高級靴関係者によると、芸能関係の富裕層ですら最近は何十万円という高価格スーツをあまり仕立てなくなったそうだ。10万円前後の既製服を買って、何年間か着古して買い替えるという消費サイクルなのだそうだ。
富裕層もある意味でコスパ志向となっており、何十万円もするスーツを気を使いながらメンテナンスするのは面倒だと考えているようで、10万円前後のスーツを何年間か使い倒す方がコスパが良いと考えているらしい。

当方がウールスーツに対して感じる「めんどくささ」と通じる部分があるように感じる。

シルエットやら形を試してみてからでないとなんとも言えないが、ミズノのムーブスーツは28000円という買いやすい価格なので一度購入してみたいと思っている。
ビームスやらユナイテッドアローズの商品もさほど高くはなく38000円くらいだから、こちらも試してみたいと感じている。

これらの「高機能素材」ではないが、イージーケア性に特化したのがジーユーのカットソースーツで、当方も昨年秋に2着購入してみた。
黒とライトグレーである。
当方の体格だと通常のジーユーのジャケットはLになる。
ところがLだと手が長く、当方は手が短いので袖丈はMサイズの方が合う。

ジーユーのカットソースーツのジャケット

ジーユーは布帛素材のカジュアルスーツも発売しているが、こちらだと当方はLサイズを買わねばならないが、カジュアルジャケットなら問題はないがスーツで手が長いというのは致命的である。
いくら安くても買わない。くだらんこだわりなのだが。

しかし、採寸やパターンは同じだと思われるが、カットソースーツだと生地の伸縮性が高いので、Mサイズでも着用が可能だった。
実際に店頭で試着して試してみた。

そこで黒とライトグレーを買った。
素材はレーヨン・ナイロン・ポリウレタンでいわゆるTシャツ類と同じカットソー素材である。
取り立てて高機能性は付加されてないが、素材本来の機能としてシワになりにくく、伸縮性が高い。

価格は裾上げが300円ずつプラスされて(計600円)、2着合計で11800円(税込み)ほどだった。
ジャケットが3490円に、パンツが1690円に値下がりした時に買ったからだ。

これだと、家庭の洗濯機で洗濯もできるし、ウールよりも虫に食われにくい。
おまけにニット素材なのでソフトで伸縮性がある。

惜しむらくは、紺の出来があまり良くなくて買わなかったが、今春物は少し値上がりしているが65番色の紺が出来が良いのでこちらを買ってみようかと考えている。

以前、そこそこ知名度のある経済系インフルエンサーが「ジーユーのカットソースーツで政府諮問会議に出席できるか」みたいなことを実験していたが、何を意味の分からんことをいっているのかと思った。

恐らく、彼は「カットソー素材というカジュアルな素材なのに大丈夫か?」という恐れがあったのだと思うが、形がスーツなのだから別に素材で叱責されることはない。
それにそもそも政府関係者が一目見ただけでその素材がウール布帛か合繊ニットかなんて判別できるはずもない。
スーツとはウール布帛に限るなんてそんな規則はどこにも存在しない。
それを恐れるなら夏用の綿スーツやら麻スーツもタブーになってしまう。

このエピソードは、一般人の衣服に対する理解度がこれほど低いということと、メンズのスーツに対する規律の厳しさを裏付けるといえるのではないか。

結果からいうと全く問題なかったそうだ。(当たり前だ)

このジーユーのカットソースーツはトラベラーズシリーズ、トラベルスーツ、ムーブスーツなどの高機能・リラックス性・イージーケア性スーツにつながる商品開発の流れだと当方は見ている。

これらのスーツはいずれ、スーツ市場の主要商品へと躍り出ると見ている。
なぜなら、すべてにおいて「楽」であるということは、圧倒的に大多数に受け入れられやすいからだ。

例えば、デニム村の人々からは散々邪道扱いされてきたが、ストレッチ混デニム生地はいまや綿100%デニム生地よりも多く、衣服に使用されている。理由は消費者が支持しているからだ。
なぜ支持しているかというと着用していて楽だからだ。

いくら「表面の凹凸感ガー」とか「たて落ち感ガー」と叫んでみたところで、綿100%の固くて重くて分厚いデニム生地でできた服なんて一部のマニア以外はノーサンキューだ。
それよりも伸縮性があって動きやすい方が良い。

ツイードだって同じだ。
本来の固くて重いツイードでできたジャケットなんて一部のマニアしか好んでいない。多くの人は軽くて動きやすい現代版のツイード生地を支持する。

そうなると、スーツも同じになる。
これまでは生地の見え方がウール布帛と合繊素材では差があったが、技術の進歩によって、見え方があまり変わらなくなってきているから、何も我慢してウール布帛生地のスーツを着る必要はない。
それよりも動きやすくてイージーケア性に富んだスーツの方が支持を受けるだろう。

おまけに現在もウール素材の高騰は続いており、今後は合繊や代替素材の使用が増えるだろうから、この手の機能性素材スーツも増えるだろう。

そして、これらのイージーケアスーツはいずれ、カジュアルシーンに多く取り入れられるのではないかと思う。
今のウール布帛生地だとカジュアルに使うには生地の傷みや汚れをどうしても気にしてしまう。

しかし、洗濯機でザブザブ洗えて、ストレッチ性が高いなら、例えばカジュアルシーンで、スーツの上下にTシャツを合わせることもハードルが下がる。(襟部分の汚れが気にならなくなるから)
また重ね着にも適しているからジャケットの下にパーカを着てみたり、Gジャンを着ることもよりやりやすくなる。

これらの商品は大いに支持を集めると考えられるし、カジュアルシーンでのスーツの着用のハードルを下げるのではないだろうか。

本来のスーツマニアからすると邪道かもしれないが、個人的にはジーユーのカットソースーツ、ムーブスーツに大いに期待したい。
マニアの嗜好がマス層に受け入れられることはない。
マニアの嗜好をマス層に押し付けてきたから衣料品業界は凋落したし、ソッポを向かれているのではないのか。

NOTEを更新~♪
プライベートブランド「ZOZO」の生産システムは、現時点では「完全オーダーメイド」ではない
https://note.mu/minami_mitsuhiro/n/nc6e9da2bffeb

あと、インスタグラムもやってま~す♪
https://www.instagram.com/minamimitsuhiro

昨年9月下旬にブログの仕様を変えて、更新通知が届かなくなった方がおられると思いますので、お手数ですが、新たにRSS登録をお願いします

怪しさと矛盾点が際立つプライベートブランド「ゾゾ」の発表

ようやく、延び延びになっていたZOZOTOWNのプライベートブランド「ZOZO」の一端が発表になった。
どんな商品なのかなと一応興味を持って外野から眺めていたが、第1弾はTシャツ(1200円)とジーンズ(3800円)だと判明し、正直期待外れだと感じた。

価格面でいうと、ユニクロに合わせてきたという感じだが、体型測定スーツ「ZOZOSUIT」で得られることになるであろう26万人の膨大な体型データを使ってTシャツを作る必要があるのかと正直疑問しか感じない。

某人気ブランドの中の人が言っていた「ZOZO社員は本気でユニクロと競合する気でいる」というのは価格設定を見ると、本当だったのだとわかる。ただし、値段が同じくらいだからユニクロと同等には売れない。それなら、今頃イオンもイトーヨーカドーもジーンズメイトももっと衣料品が売れている。

ZOZOSUITが発表されたときには随分と熱狂があったが、発送が延び延びになり、有名人と一部顧客にしか届いていない状況にあり、身の回りでも「発注したけど遅いからもう興味が薄れた」という人もちらほら現れている。

ZOZOSUITの報道や熱狂には違和感があり、その違和感は今でもあるのだが、例えばこういう見出しの記事については本当に疑問しか感じない。

一つ断っておくと、ZOZOSUITのような開発は続けるべきだし、全否定するのはナンセンスだが、逆に持ち上げすぎるのもどうかと思う。

「ミリ単位の精度求めた」ZOZOSUITの体型計測データが生み出すスタートトゥデイの新展開
http://jp.techcrunch.com/2018/01/31/zozo-maezawa-kanayama/

この「ミリ単位の精度」っていうのがちょっとどうかと思う。
例えば、今回発表されたTシャツだ。

Tシャツは、ニット生地で綿100%組成であろうが、生地の構造上伸縮性がある。
5ミリくらいは普通に伸び縮みするから、はっきり言って「ミリ単位の精度」なんてものはTシャツには必要ない。
さらにいえば、縫製する段階で普通に1ミリくらいはズレや誤差がある。
逆にミリ単位の精度で縫製できる工員なんてほとんどいない。

これはセーターでも同じで、5ミリや1センチは伸縮性が生地自体にあるし、縫製やリンキングの段階で1ミリくらいは普通にズレる。

いくらミリ単位でデータを調整しても実際の製造工程では1ミリや2ミリは確実にズレるから無駄である。

こういう発言をする人やこういう記事を書く人は衣料品を精密機器か何かと勘違いしているのではないか。
こういう発言や記事が独り歩きして、ミリ単位の服なんていうユニコーンやグリフォンみたいな奇妙な空想の産物が生まれる。

逆に、そういう「ミリ単位」という発表をある程度信用していたからTシャツという選択には首を傾げてしまう。
ミリ単位が売り物になるのは例えば、スーツ、ワイシャツ、ビジネス用コートなど、である。
こちらは1ミリ・2ミリの精度なんて意味がないが、5ミリや1センチは重要な差になる。

ワイシャツの首回りが1センチ変わればフィット感も見た目も大きく変わる。
昔のソフトスーツは別としてスーツだって1センチの差で大きくシルエットが変わる。

Tシャツやセーターの着心地にミリ単位の精度はまったく必要ないのに、それを選んでしまうところが拍子抜けというか期待外れだった。

またワイドシルエットの商品もミリ単位では着心地は左右されない。

おわかりだろうか?ガウチョパンツやそれのフルレングス版ワイドパンツなんて1ミリや2ミリ細かろうが太かろうが着心地には全く関係ない。
今春にジーユーから発売されているリーバイスセカンドの完コピジージャンだってダボっとした古臭いシルエットだから1ミリ違ったところでまったく着心地には影響しない。

ミリ単位の精度が求められるのは先に挙げたスーツ、ワイシャツ類とタイトシルエットが売り物のカジュアル商品に限られる。それだって実際のところ1ミリや2ミリ程度は誤差があるし縫製段階でズレる。
これが現実の洋服である。

しかし、ZOZOSUITによる採寸がまったく無駄とは思っていない。
むしろ、着心地よりもそのデータを使って「より美しいシルエット」「よりスマートに見えるシルエット」作りに取り組むべきである。

今回の会見の記事はこちらがコンパクトにまとめられている。

“ZOZOSUIT”到着は最大8カ月の遅延も、PB発表で前澤社長が決算会見に登場
https://www.wwdjapan.com/515448

最大8か月の遅延って、今年の8月ごろ届くということだから、はっきり言ってますます興味は薄れる。
忘れたころに届くことになって「ああ、そんなのも頼んでいたっけなあ」という感じになるだろう。

今回、前澤友作・社長は

「注目すべきは値段。メディアにはいろんな予測記事が出ていたが、期待を上回るというか下回るというか、Tシャツが税込1200円、デニムは税込3800円で販売する。過剰に在庫を積み上げるつもりはない。オーダーメードに近い受発注生産を行うことで、価格を下げられた」とコメント。

と話しているが、オーダーメードに近い受注生産だから価格が安いというところがちょっと意味不明だ。
恐らく、在庫を持たずにその都度生産するから、在庫処分での投げ売りが無くなるからその分販売定価を下げたということなのだろうが、その都度縫製する方が普通は縫製工賃は高くなる。
極端な話、一挙に100枚縫製した方が、1枚ずつその都度縫製するよりも工賃はずっと安くなる。
逆に1枚とか2枚しか縫わないサンプル縫製の工賃は最低でも5000円とか1万円くらいはする。
どう考えてもシステムに矛盾がある。
しかも生地は、専用生地ならどこかの問屋が備蓄しているとしか考えられず、専用生地でないなら、市場に流通している「在り物」の定番
生地をその都度購入することになる。
「在り物」の定番生地ならはっきり言ってユニクロにはまったく生地の値打ちではかなわないが、そのことは理解しているのだろうか?

また

ヤマト運輸の配送運賃変更による経費15億円やPB業務委託の13億5000万円などのコストが発生したにもかかわらず、増収増益を記録した。

という箇所があるが、やはりPB製造にはOEMやODMを使っているということだろうか。
たしか、工場なんかも買ったというような記事も読んだ記憶があるが、PB業務委託13・5億円ということは製造も委託していると考えられ、それはとりもなおさずOEM・ODMを使用したということになる。

なんだか生産システムも製造も矛盾だらけの内容だが、ますます実態の見えない怪しげなプロジェクトだとしか感じられなくなっている。
各メディアの記事の書き方が悪いのか、説明した方の説明が悪いのかわからないが、その結果、怪しさと矛盾点だけが際立ってしまっている。

NOTEを更新~♪
大手広告代理店を使って残念な結果を甘受する残念な国内アパレル 企業
https://note.mu/minami_mitsuhiro/n/n9a5a776d532a

あと、インスタグラムもやってま~す♪
https://www.instagram.com/minamimitsuhiro

昨年9月下旬にブログの仕様を変えて、更新通知が届かなくなった方がおられると思いますので、お手数ですが、新たにRSS登録をお願いします

IZREELが雑貨に特化してZOZOTOWNに出店した理由

先日、イズリール(IZREEL)というブランドから「展示会に来てください」とお誘いいただいた。
高倉一浩さんというデザイナーが展開しておられるデザイナーズブランドで、なぜだかわからないが随分と前からフェイスブックでお友達になっている。

こちらからは滅多に友達申請をしないので、向こうから申請していただいた。
こんなデザイナーズファッションとは無縁なオッサンと友達になっても何の得にもならないと思うのだが。

で、今回はZOZOTOWNに12月21日から出店するのでそのお披露目を兼ねた展示会だという。

まあ、招待をいただいたので重い腰を上げて東京まで行った。

正直にいうと、ZOZOTOWNへの出店というのは、あまりピンと来ていなかった。
というのも、ZOZOTOWNの知名度が高くなりすぎて、忘れ去られたような大衆向けブランドまでが、今では藁にも縋る思いで出店するケースが増えたからだ。
ジーンズメイトやタカキューが今更出店してどれほどの効果があるのか疑問で仕方がない。
すでにZOZOTOWN内には何千ものブランドが出店しており、知名度の低いブランドが後発で出店しても埋没してしまうのがオチだからだ。

よほど売り方や見せ方を工夫しなくては、「単に出店しました」ではだれにも注目してもらえない。

一方、ZOZOTOWNに先行出店していた有名ブランドは、売上高が前年減になる場合も増えている。
その理由は、客数が変わらないのに、割引クーポン発行やら先行値引きやらで、購買単価が下落しているからだ。
ZOZOTOWNの成長は目を見張るものがあるが、以前にもこのブログで紹介したように、ネットで買い物をする人の比率はまだまだ低く、特にファッションに興味がありブランド好きな顧客はすでにほとんどがZOZOTOWNに囲い込まれている。
そうなると、新規客が爆発的に増えることは考えにくい上に、ネット通販の特性として何らかの安売りが最大の集客手法だから、購買単価が下落するのは当然の結果である。

某有名ブランドの中の人は、「今後は各有名ブランドにZOZOTOWN離れが始まり、自社通販サイトの強化に取り組むだろう」と推測している。

これについてはまた後日、別に考えてみたい。

そんな状況だから、今更ZOZOTOWNへの出店が得策ではないと感じていた。

会場について高倉さんから直接説明を受けると、考えが変わった。
やっぱり直接尋ねることも重要だ。

今回のZOZOTOWN出店について

「いかに埋没しないかを考えました」

という。

販売するアイテムは、扇子・ネクタイ・蝶ネクタイ・カマーバンド・キャップ(俗に野球帽というやつ)に限定している。
全アイテムを共通の生地で製造する。
ポリエステル100%のコンピュータージャカード織り生地で、すべてのアイテムを製造する。

とくに目玉は扇子で、「Tokyo sense」と銘打つ。
もちろん扇子とセンスを引っかけていることは言うまでもない。

扇子はポケットチーフと専用ケースをセットにし、それをボックスに入れて13000円で販売。その他アイテムはそれぞれ単品で8000円で販売する。

イズリールの商品群

小物雑貨に特化したのは、「数多く出店しているトータルブランドに埋没しないため」(高倉さん)だという。
さらにキャップは例外としてもネクタイ、蝶ネクタイ、カマーバンドをメインアイテムにしたことについては、「ZOZOTOWNはカジュアルブランドの出店が多く、フォーマルアイテムが少ないので、これも埋没しにくいと考えた」とのこと。

キャップがメインアイテムにあることは、ご自分が帽子好きだからということ以外に、このイズリールというブランドが「フォーマル+カジュアル」をコンセプトとしているため、もっとも手軽にストリート感を表現できるからだ。
おまけに季節やトレンドに左右されにくい定番アイテムとして息長く売れるということもある。

柄数は全11柄で、毎月新柄を1つ加える。
一方、不人気柄は売り切れたらその時点で販売を中止する。

この「売り方」はなかなか工夫されているといえる。
昨今は、異様なネット通販礼賛で、「とりあえずEC(ビールかよ)」とか、何も考えずに「何となくクリスタルEC」というようなアホなブランドが多い中で、自身のブランドの知名度の低さ(大手に比べれば)を認識した上で独自性を打ち出している。

ビッグビジネスになるかどうかは判断の分かれる部分で、個人的にはビッグビジネスにはならないと思うが、少数のスタッフが食べていけるくらいには成功するのではないかと思う。
ZOZOTOWNはまったく使わないが、総合アイテムブランドが乱立する中で、単品雑貨に特化したブランドというのは目立ちやすいし、コンセプトやテイストがはっきりしている分、消費者にはわかりやすいだろう。

知名度の低い低価格の総合アイテムカジュアルブランドよりはよほど埋没しにくい。

2018年1月1日からは、イズリールが得意とするオーダータキシードもZOZOTOWNで受注を開始するという。

2018年元旦からZOZOTOWNで販売されるオーダーフォーマル

こちらは高額だが、従来から行っているオーダーサービスをネットにも出店するだけなので、リスクは少ない。
すごくたくさん売れることはないと思うが、従来の活動のプラスアルファの売上高くらいは望めるのではないかと思う。

なかなか興味深い「売り方」を見せていただいた。

NOTEを更新~♪
専業ジーンズメーカーは決して新しいことに取り組まなかったわけではない
https://note.mu/minami_mitsuhiro/n/nd4bc9e30188b

あと、インスタグラムもやってま~す♪
https://www.instagram.com/minamimitsuhiro

9月下旬にブログの仕様を変えて、更新通知が届かなくなった方がおられると思いますので、お手数ですが、新たにRSS登録をお願いします。

1 / 3ページ

©Style Picks Co., Ltd.