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低価格代替品の新規参入はこれからも絶対になくならない ~高機能で3400円という驚きの低価格保温サンダル「SUBU」~

洋服・ファッション用品の単価下落を食い止めようと、トゥルーコストだとか情緒に訴えようとする試みがあちこちで見られるが、所詮は、業界人の業界人による業界人のための自己中キャンペーンに過ぎないと見ている。
単価が下がって困るのは業界人の都合だけでしかない。

むしろ、異業種からの新規参入者は終わることがなく、彼らはまだまだ低価格代替品を繰り出してくる。
ドン・キホーテの低価格自社ブランドやダイソーの繊維製品はその一つといえるだろうし、発表だけでその後さっぱり動きが見えないニトリのアパレル参入もそれの大規模なものだといえる。
新規参入者から見れば、アパレル業界の価格は高額だと見えるし、既存ブランドから掠め取れる部分も多いと見えているのだろう。

先日、合同展示会MAG(マグ)で見かけた冬用保温野外サンダル「SUBU(スブ)」も異業種参入組の低価格代替品の一つだといえる。

雑貨卸のイデアポートという会社のオリジナル商品である。

SUBUの2018年秋冬モデル

キルティングのアッパー素材にはテフロン加工が施してあり、中には起毛した生地が貼られている。
クッションインソールは4層でかなりクッション性があり、スニーカーソールの靴底を貼り合わせるのではなく、縫い合わせている。

当方は長らく、冬用のサンダルとして今は廃版になったクロックスの中に起毛素材を貼ったサンダルを履いている。
こちらはEVAの一体成型なので雨でも浸水することはない。
クッション性もまずまずだが極上というほどでもなく、アッパーのソフトさにはややかける。

7年くらい前に買ったクロックス

もう7年ほど前に買ったのだが、当時3800円ほどしたと記憶している。

展示会場でSUBUを試着させてもらったが、クロックスのこれと比べて格段にクッション性が良く、アッパーも柔らかい。
おまけにかかと部分がないにもかかわらずホールド感がある。
小走りくらいならできそうな感じがする。

昨年末くらいに、防水のリラックスシューズを探していたら、ノースフェイスのヌプシが良いと教えてもらった。
形状はクロックスやSUBUと似ている。アッパーは防水キルティングで内貼りも暖かいという。
Amazonと価格コムで安い値段を探すとだいたい8000~1万円くらいで売られていた。まれに7000円台に値下がりする時もあった。

具体的にはこれである。

結局、迷いに迷って購入を見送った。

驚くべきはSUBUの価格である。
この品質でなんと店頭価格3400円で、当時のクロックスよりも安いくらいだ。
思わず「安っ」と声を挙げると、イデアポートの方が「うちは雑貨屋への卸がメインだったので、以前はもっと安い値段だったんですよ」と説明してくれた。

昨年の店頭価格はなんと2950円でこれでも今秋冬モデルからは、セレクトショップからの要望で値上げしたという。
安さと高品質が相まって、昨年秋冬は2か月で5万足の受注があったといい、今秋冬モデルも4月下旬のオーダー締め切り時には昨年以上の受注数が見込まれているという。

そう、雑貨業界は基本的に店頭販売価格が安い。
ダイソーしかりドンキしかり、フライングタイガーしかり、パル最大のブランド「スリーコインズ」しかり、である。

1000円もあれば、最低でも数点は買えるというのが雑貨業界の平均価格である。

イデアポートはこのSUBUに関してはセレクトショップや洋服専門店へ卸売りをしているが、2000円台の高機能サンダルはこちらの業界では異様に安いと受け取られ、値上げ申請が相次いだという。
そりゃそうだ。3400円でも安いのに2950円なら当方なら2足まとめて色違いで買ってしまう。

今秋冬は6色展開で、新商品としてはアッパーにコーデュラを採用したものがあり、こちらは6800円だという。
セレクトショップあたりだと6800円でも十分に安いだろう。

ファッソニスタどもは2950円や3400円の商品を小ばかにするが、一度店頭で販売してみてはどうか。
3000円前後という商品は販売員の側からするとひどく美味しい。
3000円前後なら大抵誰でもが月に1度くらいは買える。だからこのSUBUだって色違いで何足か買う人がいるし、そうなることは当然だといえる。

しかもこれを3人の人が1日で買ってくれれば、売上高は1万円になる。
1日9人の購入で3万円弱。有名店や人通りの多い店なら1日9人に3000円を売るのは難しくない。
高機能で3000円の商品なら絶対に売れる。
それで毎日、3万円弱の売上高のかさ上げができる。

販売員や店長にとっては美味しい商品だということがわかるだろう。

一日の売上高が6万円と9万円では大きく異なる。

自分で販売員や店長をやったことがないファッソニスタやザ・業界人はこの3万円のかさ上げの意味がわからないだろう。
だから、消費者から支持されないのである。

1日に9万円が売れるようになれば、1か月で270万円の売上高が稼げる。
年間で3240万円の売上高になる。

人気店・有名店と気取ってはいても、1日に9万円、1か月に270万円未満の売上高の店は掃いて捨てるほどある。
ファッソン業界なんて所詮は、見栄張りの栄養失調者みたいなところがある。

このSUBUも新規参入者の低価格代替品といえ、旧業界人がいくら規制しようと、情緒に訴えかけようと、この手の新規参入者はなくなることはないし、彼らによる高機能低価格代替品の提案もなくなることはない。

彼らに負けないためには、情緒に訴えたわけのわからんキャンペーンをやることではなく、しっかりと自社のブランドを確立すべきで、低価格ではないがそれでも「欲しい」と思わせることを考えるべきであり、これまで旧業界人はそこを考えなさ過ぎたということでしかない。
あまりにも情緒、マインドに訴えかけるのは新興宗教臭くなるためかえって逆効果でしかない。

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5年後ダメになっているアパレルを3つ挙げてみたよ
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こちらからもSUBUは買えるよ。

腰ゴムなしのボクサーブリーフは画期的新商品

通常のファッション衣類よりもスポーツウェア、肌着、ワーキングユニフォームあたりは如実に進歩とかテクノロジーが感じられて一般人でもわかりやすい。

わかりやすいから当方は通常のファッション衣類よりもこのジャンルの話の方が好きだ。

通常のファッション衣類は曖昧模糊としたことが多すぎる。
おまけにそれを伝える言葉も意味不明なルー大柴みたいなのが多い。例えばこれだ。

今回の取り組みは、ファッションコンシャスな層のエモーションに訴求し、プレシャスなエクスペリエンスを提供するための取り組みと言えると思います。

ルー大柴の言葉をテープ起こししたのかと思うがどうやら違うようだ。

なぜ、感情という立派な日本語があるのにエモーションなんて使うのだろうか。
特徴的な体験と言えばわかりやすいのにプレシャスクスペリエンスと使う意味はなんなのだろうか。

ミーとトゥギャザーしようぜ!

というのとほとんど変わらない。
この手の人間で溢れかえっているからファッション衣類・カジュアル衣類はめんどくさくてアホらしい。

今秋冬物のメンズ肌着で注目を集めそうなのが、腰ゴムなしのボクサーブリーフである。
先日、カイタックファミリーの今秋冬向け展示会に出向いたところ、さっそく、腰ゴムなしのボクサーブリーフが展示されていた。

通常、ボクサーブリーフに限らず、男物のパンツは腰にゴムを入れることで位置を保持する。
ゴムがなければ簡単にズレ落ちる。

ボクサーブリーフは生地に伸縮性があるが、それとてもそれほど強力ではない。
ためしに通常のボクサーブリーフの腰ゴムの部分を切除してみればいい。
普通に穿ける代物ではなくなる。

しかし、腰ゴムにも欠点はあって、窮屈感があるだとか肌に型が残るだとかそういうところだ。
じゃあ、邪魔なら腰ゴムを廃止すれば良いかというとそうではない。そのほかの生地全体に保持力を持たせなくてはならないから、生地の開発が必要不可欠となる。

今回、腰ゴムなしのボクサーブリーフが完成したということは、そういう生地の開発に成功したということで、この技術の進歩はわかりやすい。
今まで一点で支えていた腰ゴムがなくなったということは、ブリーフ全体での保持力があるということになる。

念のために手持ちのボクサーブリーフの画像と見比べてほしい。
人様にお見せするのに、50歳手前のオッサンが穿き古したボクサーブリーフでは話にならないし、場合によっては公害にもなるから、以前に買って未使用のボクサーブリーフの画像を貼り付けてみる。

腰ゴムの部分がバッサリとなくなっていることがお分かりいただけるだろう。

で、たった一社の商品を見ただけで「大流行しそう」なんて言うのは冷静さに欠けるが、実はこれと同じ商品は他社からもちょうど今秋冬に向けて展示会に出品されていた。
大手肌着メーカーのG社だ。情報解禁が7月なので珍しく伏字にしておく。

カイタックファミリーもG社も販路は量販店なので、早くて7月末、遅くても9月ごろからは腰ゴムなしのボクサーブリーフが一斉に量販店の売り場を埋め尽くすことになる。

見た目は大きくは変わらないが、生地は違っていて、カイタックファミリーはナイロン・ポリウレタンの経編(たてあみ)生地を使用する。G社は丸編み生地を使用する。

恐らく、ユニクロも今秋物か来春以降に追随することになると考えられる。
カテゴリーはエアリズムになるだろう。エアリズムシームレスの新商品という形で追随するのではないかと思う。

丸編みのG社と経編のカイタックファミリー、どちらの商品がどう違うのか、1枚ずつ買って穿き比べて確かめたいと思う。
一応、念のために断っておくと、着用している画像を掲載する気はまったくない。
まあ、掲載されると思った人はいないと思うが。(笑)

それにしても実際の着用感はどうなのかと思う。
トランクスにしろブリーフにしろボクサーブリーフにしろ、今まで絶対に腰ゴムは存在した。
腰ゴムの締め付けはもう第二の皮膚というほどに馴染んでいる。これをなくすということはどういう着用感なのか想像は難しい。

「穿いていないようだ」という表現になるのかもしれないが、実際にフルチンでズボンを穿いたことがないからその感覚は想像しづらい。
そんな変態プレイはしたことがない。

当たり前に存在した腰ゴムをなくしたというところが、この商品は画期的だといえる。
それだけに、もし着用感が良ければ大ヒットするのではないかと思う。
カイタックファミリーもG社も量販店向けだから、価格もそれほど高くない。
1枚990円~1500円程度におさまるだろう。

3枚990円とか、4枚690円とかそういうボクサーブリーフから比べると高いが、驚くほど高額ではない。
普通に働いていれば1シーズンに2~3枚くらいは買える。

そういう「手ごろ価格」だから着用感次第では爆発的ヒットが望めるのではないかと思う。

上手くいけば3~4年間くらいの人気商品になる可能性もあるが、問題はそれを越えてしまったらどう売るのかということになる。
そのころにはもっと安い追随品も出てきているだろうし、カイタックファミリーやG社よりも宣伝巧者が人気を博するようになっているだろう。

薄生地保温肌着やノンワイヤーブラ、ステテコと同じような運命をたどることは間違いない。

各社は今、発売することに必死だろうが、一段落ついたらその後のこともぼんやりとでも考え始めた方が良いのではないか。
これまでのヒット商品と同じ道をたどることは目に見えている。値崩れや新規参入は防ぎようがないが、それを踏まえた上で自社の付加価値いかに高めて、いかに伝えるか、それを考えておかないと数年後にはまた今までと同じことを繰り返すだけになる。

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「知名度主義」の人材起用がアパレル業界を低迷させている
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キャラクター肌着・パジャマも強いのがカイタックファミリーの特徴

スポーツ向け素材を使用した機能性スーツはメンズスーツの主流になる

ファッション初心者で顔も体型も残念な人がいたら、男性なら間違いなくスーツを着ることをお勧めする。
世のビジネスマンを見てもわかるようにスーツがめちゃくちゃ似合ってないオッサンはいない。
どんなにブサだろうとデブだろうとスーツを着ていれば「ひどくダサく」は見えない。

これがネルシャツだとかトレーナーだとかパーカだとか純カジュアル服を着るともうだめだ。
すごくかっこ悪い。
だから会社でのスーツ姿はそんなに悪くないのに、休日にカジュアル服で会うとひどくモサっとした感じになる人が多い。

スーツはある意味で「完成された形」となっているため、今後も大きくは形は変わらないだろう。
もちろん、トレンドによって細くなったり太くなったりVゾーンが狭くなったりはあるだろうけど、大きく姿を変えることは考えにくい。

しかし、今後はスーツの使用素材が大きく変わり、カジュアルシーンでの着用が増えるのではないかと思う。

普段、スーツを着用しないのでどんなに上質な商品を見ても「買いたい」とは思わない。
ところが、昨年の秋口だったと記憶しているが、雑誌を読んでいて「このスーツは一度試してみたいなあ」と思う商品があった。
オンリーの「トラベラーズシリーズ」だ。

いわゆる、出張・旅行に適したシワになりにくいスーツである。
オンリーの2017秋冬商品はウール100%素材となっているが、個人的にここに不満がある。
もちろん、従来からのスーツファンはここが良いと判断するだろうということは承知の上だ。

シワになりやすいというウールの特性を克服した点はすごいと思うが、ウールは虫に食われるという欠点がある。
保管にはかなり気を遣う。
その部分でのイージーケア性は低い。

だから、最近、注目しているのは合繊機能素材を使用した高機能スーツである。

先日、小島健輔さんが、ミズノが発表した「ムーブスーツ」を取り上げておられたが、これはポリエステル100%でストレッチ性・洗濯性・防汚性・耐久性がある。
価格も28000円とツープライススーツ並みの低価格となっている。
もともとは野球ユニフォーム用に開発した素材なのだそうだ。

そのほか類似商品は、ビームスやユナイテッドアローズなどの各人気セレクトショップでも発売されており、ポケッタブル性やら撥水性やらが加味されている商品もある。

上質なウール素材の高級スーツというのは見ているとなるほどカッコイイと思うが、そのメンテナンスのめんどくささを考えると、買おうという気にはなかなかならない。

余談だが、ある高級靴関係者によると、芸能関係の富裕層ですら最近は何十万円という高価格スーツをあまり仕立てなくなったそうだ。10万円前後の既製服を買って、何年間か着古して買い替えるという消費サイクルなのだそうだ。
富裕層もある意味でコスパ志向となっており、何十万円もするスーツを気を使いながらメンテナンスするのは面倒だと考えているようで、10万円前後のスーツを何年間か使い倒す方がコスパが良いと考えているらしい。

当方がウールスーツに対して感じる「めんどくささ」と通じる部分があるように感じる。

シルエットやら形を試してみてからでないとなんとも言えないが、ミズノのムーブスーツは28000円という買いやすい価格なので一度購入してみたいと思っている。
ビームスやらユナイテッドアローズの商品もさほど高くはなく38000円くらいだから、こちらも試してみたいと感じている。

これらの「高機能素材」ではないが、イージーケア性に特化したのがジーユーのカットソースーツで、当方も昨年秋に2着購入してみた。
黒とライトグレーである。
当方の体格だと通常のジーユーのジャケットはLになる。
ところがLだと手が長く、当方は手が短いので袖丈はMサイズの方が合う。

ジーユーのカットソースーツのジャケット

ジーユーは布帛素材のカジュアルスーツも発売しているが、こちらだと当方はLサイズを買わねばならないが、カジュアルジャケットなら問題はないがスーツで手が長いというのは致命的である。
いくら安くても買わない。くだらんこだわりなのだが。

しかし、採寸やパターンは同じだと思われるが、カットソースーツだと生地の伸縮性が高いので、Mサイズでも着用が可能だった。
実際に店頭で試着して試してみた。

そこで黒とライトグレーを買った。
素材はレーヨン・ナイロン・ポリウレタンでいわゆるTシャツ類と同じカットソー素材である。
取り立てて高機能性は付加されてないが、素材本来の機能としてシワになりにくく、伸縮性が高い。

価格は裾上げが300円ずつプラスされて(計600円)、2着合計で11800円(税込み)ほどだった。
ジャケットが3490円に、パンツが1690円に値下がりした時に買ったからだ。

これだと、家庭の洗濯機で洗濯もできるし、ウールよりも虫に食われにくい。
おまけにニット素材なのでソフトで伸縮性がある。

惜しむらくは、紺の出来があまり良くなくて買わなかったが、今春物は少し値上がりしているが65番色の紺が出来が良いのでこちらを買ってみようかと考えている。

以前、そこそこ知名度のある経済系インフルエンサーが「ジーユーのカットソースーツで政府諮問会議に出席できるか」みたいなことを実験していたが、何を意味の分からんことをいっているのかと思った。

恐らく、彼は「カットソー素材というカジュアルな素材なのに大丈夫か?」という恐れがあったのだと思うが、形がスーツなのだから別に素材で叱責されることはない。
それにそもそも政府関係者が一目見ただけでその素材がウール布帛か合繊ニットかなんて判別できるはずもない。
スーツとはウール布帛に限るなんてそんな規則はどこにも存在しない。
それを恐れるなら夏用の綿スーツやら麻スーツもタブーになってしまう。

このエピソードは、一般人の衣服に対する理解度がこれほど低いということと、メンズのスーツに対する規律の厳しさを裏付けるといえるのではないか。

結果からいうと全く問題なかったそうだ。(当たり前だ)

このジーユーのカットソースーツはトラベラーズシリーズ、トラベルスーツ、ムーブスーツなどの高機能・リラックス性・イージーケア性スーツにつながる商品開発の流れだと当方は見ている。

これらのスーツはいずれ、スーツ市場の主要商品へと躍り出ると見ている。
なぜなら、すべてにおいて「楽」であるということは、圧倒的に大多数に受け入れられやすいからだ。

例えば、デニム村の人々からは散々邪道扱いされてきたが、ストレッチ混デニム生地はいまや綿100%デニム生地よりも多く、衣服に使用されている。理由は消費者が支持しているからだ。
なぜ支持しているかというと着用していて楽だからだ。

いくら「表面の凹凸感ガー」とか「たて落ち感ガー」と叫んでみたところで、綿100%の固くて重くて分厚いデニム生地でできた服なんて一部のマニア以外はノーサンキューだ。
それよりも伸縮性があって動きやすい方が良い。

ツイードだって同じだ。
本来の固くて重いツイードでできたジャケットなんて一部のマニアしか好んでいない。多くの人は軽くて動きやすい現代版のツイード生地を支持する。

そうなると、スーツも同じになる。
これまでは生地の見え方がウール布帛と合繊素材では差があったが、技術の進歩によって、見え方があまり変わらなくなってきているから、何も我慢してウール布帛生地のスーツを着る必要はない。
それよりも動きやすくてイージーケア性に富んだスーツの方が支持を受けるだろう。

おまけに現在もウール素材の高騰は続いており、今後は合繊や代替素材の使用が増えるだろうから、この手の機能性素材スーツも増えるだろう。

そして、これらのイージーケアスーツはいずれ、カジュアルシーンに多く取り入れられるのではないかと思う。
今のウール布帛生地だとカジュアルに使うには生地の傷みや汚れをどうしても気にしてしまう。

しかし、洗濯機でザブザブ洗えて、ストレッチ性が高いなら、例えばカジュアルシーンで、スーツの上下にTシャツを合わせることもハードルが下がる。(襟部分の汚れが気にならなくなるから)
また重ね着にも適しているからジャケットの下にパーカを着てみたり、Gジャンを着ることもよりやりやすくなる。

これらの商品は大いに支持を集めると考えられるし、カジュアルシーンでのスーツの着用のハードルを下げるのではないだろうか。

本来のスーツマニアからすると邪道かもしれないが、個人的にはジーユーのカットソースーツ、ムーブスーツに大いに期待したい。
マニアの嗜好がマス層に受け入れられることはない。
マニアの嗜好をマス層に押し付けてきたから衣料品業界は凋落したし、ソッポを向かれているのではないのか。

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プライベートブランド「ZOZO」の生産システムは、現時点では「完全オーダーメイド」ではない
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怪しさと矛盾点が際立つプライベートブランド「ゾゾ」の発表

ようやく、延び延びになっていたZOZOTOWNのプライベートブランド「ZOZO」の一端が発表になった。
どんな商品なのかなと一応興味を持って外野から眺めていたが、第1弾はTシャツ(1200円)とジーンズ(3800円)だと判明し、正直期待外れだと感じた。

価格面でいうと、ユニクロに合わせてきたという感じだが、体型測定スーツ「ZOZOSUIT」で得られることになるであろう26万人の膨大な体型データを使ってTシャツを作る必要があるのかと正直疑問しか感じない。

某人気ブランドの中の人が言っていた「ZOZO社員は本気でユニクロと競合する気でいる」というのは価格設定を見ると、本当だったのだとわかる。ただし、値段が同じくらいだからユニクロと同等には売れない。それなら、今頃イオンもイトーヨーカドーもジーンズメイトももっと衣料品が売れている。

ZOZOSUITが発表されたときには随分と熱狂があったが、発送が延び延びになり、有名人と一部顧客にしか届いていない状況にあり、身の回りでも「発注したけど遅いからもう興味が薄れた」という人もちらほら現れている。

ZOZOSUITの報道や熱狂には違和感があり、その違和感は今でもあるのだが、例えばこういう見出しの記事については本当に疑問しか感じない。

一つ断っておくと、ZOZOSUITのような開発は続けるべきだし、全否定するのはナンセンスだが、逆に持ち上げすぎるのもどうかと思う。

「ミリ単位の精度求めた」ZOZOSUITの体型計測データが生み出すスタートトゥデイの新展開
http://jp.techcrunch.com/2018/01/31/zozo-maezawa-kanayama/

この「ミリ単位の精度」っていうのがちょっとどうかと思う。
例えば、今回発表されたTシャツだ。

Tシャツは、ニット生地で綿100%組成であろうが、生地の構造上伸縮性がある。
5ミリくらいは普通に伸び縮みするから、はっきり言って「ミリ単位の精度」なんてものはTシャツには必要ない。
さらにいえば、縫製する段階で普通に1ミリくらいはズレや誤差がある。
逆にミリ単位の精度で縫製できる工員なんてほとんどいない。

これはセーターでも同じで、5ミリや1センチは伸縮性が生地自体にあるし、縫製やリンキングの段階で1ミリくらいは普通にズレる。

いくらミリ単位でデータを調整しても実際の製造工程では1ミリや2ミリは確実にズレるから無駄である。

こういう発言をする人やこういう記事を書く人は衣料品を精密機器か何かと勘違いしているのではないか。
こういう発言や記事が独り歩きして、ミリ単位の服なんていうユニコーンやグリフォンみたいな奇妙な空想の産物が生まれる。

逆に、そういう「ミリ単位」という発表をある程度信用していたからTシャツという選択には首を傾げてしまう。
ミリ単位が売り物になるのは例えば、スーツ、ワイシャツ、ビジネス用コートなど、である。
こちらは1ミリ・2ミリの精度なんて意味がないが、5ミリや1センチは重要な差になる。

ワイシャツの首回りが1センチ変わればフィット感も見た目も大きく変わる。
昔のソフトスーツは別としてスーツだって1センチの差で大きくシルエットが変わる。

Tシャツやセーターの着心地にミリ単位の精度はまったく必要ないのに、それを選んでしまうところが拍子抜けというか期待外れだった。

またワイドシルエットの商品もミリ単位では着心地は左右されない。

おわかりだろうか?ガウチョパンツやそれのフルレングス版ワイドパンツなんて1ミリや2ミリ細かろうが太かろうが着心地には全く関係ない。
今春にジーユーから発売されているリーバイスセカンドの完コピジージャンだってダボっとした古臭いシルエットだから1ミリ違ったところでまったく着心地には影響しない。

ミリ単位の精度が求められるのは先に挙げたスーツ、ワイシャツ類とタイトシルエットが売り物のカジュアル商品に限られる。それだって実際のところ1ミリや2ミリ程度は誤差があるし縫製段階でズレる。
これが現実の洋服である。

しかし、ZOZOSUITによる採寸がまったく無駄とは思っていない。
むしろ、着心地よりもそのデータを使って「より美しいシルエット」「よりスマートに見えるシルエット」作りに取り組むべきである。

今回の会見の記事はこちらがコンパクトにまとめられている。

“ZOZOSUIT”到着は最大8カ月の遅延も、PB発表で前澤社長が決算会見に登場
https://www.wwdjapan.com/515448

最大8か月の遅延って、今年の8月ごろ届くということだから、はっきり言ってますます興味は薄れる。
忘れたころに届くことになって「ああ、そんなのも頼んでいたっけなあ」という感じになるだろう。

今回、前澤友作・社長は

「注目すべきは値段。メディアにはいろんな予測記事が出ていたが、期待を上回るというか下回るというか、Tシャツが税込1200円、デニムは税込3800円で販売する。過剰に在庫を積み上げるつもりはない。オーダーメードに近い受発注生産を行うことで、価格を下げられた」とコメント。

と話しているが、オーダーメードに近い受注生産だから価格が安いというところがちょっと意味不明だ。
恐らく、在庫を持たずにその都度生産するから、在庫処分での投げ売りが無くなるからその分販売定価を下げたということなのだろうが、その都度縫製する方が普通は縫製工賃は高くなる。
極端な話、一挙に100枚縫製した方が、1枚ずつその都度縫製するよりも工賃はずっと安くなる。
逆に1枚とか2枚しか縫わないサンプル縫製の工賃は最低でも5000円とか1万円くらいはする。
どう考えてもシステムに矛盾がある。
しかも生地は、専用生地ならどこかの問屋が備蓄しているとしか考えられず、専用生地でないなら、市場に流通している「在り物」の定番
生地をその都度購入することになる。
「在り物」の定番生地ならはっきり言ってユニクロにはまったく生地の値打ちではかなわないが、そのことは理解しているのだろうか?

また

ヤマト運輸の配送運賃変更による経費15億円やPB業務委託の13億5000万円などのコストが発生したにもかかわらず、増収増益を記録した。

という箇所があるが、やはりPB製造にはOEMやODMを使っているということだろうか。
たしか、工場なんかも買ったというような記事も読んだ記憶があるが、PB業務委託13・5億円ということは製造も委託していると考えられ、それはとりもなおさずOEM・ODMを使用したということになる。

なんだか生産システムも製造も矛盾だらけの内容だが、ますます実態の見えない怪しげなプロジェクトだとしか感じられなくなっている。
各メディアの記事の書き方が悪いのか、説明した方の説明が悪いのかわからないが、その結果、怪しさと矛盾点だけが際立ってしまっている。

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大手広告代理店を使って残念な結果を甘受する残念な国内アパレル 企業
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IZREELが雑貨に特化してZOZOTOWNに出店した理由

先日、イズリール(IZREEL)というブランドから「展示会に来てください」とお誘いいただいた。
高倉一浩さんというデザイナーが展開しておられるデザイナーズブランドで、なぜだかわからないが随分と前からフェイスブックでお友達になっている。

こちらからは滅多に友達申請をしないので、向こうから申請していただいた。
こんなデザイナーズファッションとは無縁なオッサンと友達になっても何の得にもならないと思うのだが。

で、今回はZOZOTOWNに12月21日から出店するのでそのお披露目を兼ねた展示会だという。

まあ、招待をいただいたので重い腰を上げて東京まで行った。

正直にいうと、ZOZOTOWNへの出店というのは、あまりピンと来ていなかった。
というのも、ZOZOTOWNの知名度が高くなりすぎて、忘れ去られたような大衆向けブランドまでが、今では藁にも縋る思いで出店するケースが増えたからだ。
ジーンズメイトやタカキューが今更出店してどれほどの効果があるのか疑問で仕方がない。
すでにZOZOTOWN内には何千ものブランドが出店しており、知名度の低いブランドが後発で出店しても埋没してしまうのがオチだからだ。

よほど売り方や見せ方を工夫しなくては、「単に出店しました」ではだれにも注目してもらえない。

一方、ZOZOTOWNに先行出店していた有名ブランドは、売上高が前年減になる場合も増えている。
その理由は、客数が変わらないのに、割引クーポン発行やら先行値引きやらで、購買単価が下落しているからだ。
ZOZOTOWNの成長は目を見張るものがあるが、以前にもこのブログで紹介したように、ネットで買い物をする人の比率はまだまだ低く、特にファッションに興味がありブランド好きな顧客はすでにほとんどがZOZOTOWNに囲い込まれている。
そうなると、新規客が爆発的に増えることは考えにくい上に、ネット通販の特性として何らかの安売りが最大の集客手法だから、購買単価が下落するのは当然の結果である。

某有名ブランドの中の人は、「今後は各有名ブランドにZOZOTOWN離れが始まり、自社通販サイトの強化に取り組むだろう」と推測している。

これについてはまた後日、別に考えてみたい。

そんな状況だから、今更ZOZOTOWNへの出店が得策ではないと感じていた。

会場について高倉さんから直接説明を受けると、考えが変わった。
やっぱり直接尋ねることも重要だ。

今回のZOZOTOWN出店について

「いかに埋没しないかを考えました」

という。

販売するアイテムは、扇子・ネクタイ・蝶ネクタイ・カマーバンド・キャップ(俗に野球帽というやつ)に限定している。
全アイテムを共通の生地で製造する。
ポリエステル100%のコンピュータージャカード織り生地で、すべてのアイテムを製造する。

とくに目玉は扇子で、「Tokyo sense」と銘打つ。
もちろん扇子とセンスを引っかけていることは言うまでもない。

扇子はポケットチーフと専用ケースをセットにし、それをボックスに入れて13000円で販売。その他アイテムはそれぞれ単品で8000円で販売する。

イズリールの商品群

小物雑貨に特化したのは、「数多く出店しているトータルブランドに埋没しないため」(高倉さん)だという。
さらにキャップは例外としてもネクタイ、蝶ネクタイ、カマーバンドをメインアイテムにしたことについては、「ZOZOTOWNはカジュアルブランドの出店が多く、フォーマルアイテムが少ないので、これも埋没しにくいと考えた」とのこと。

キャップがメインアイテムにあることは、ご自分が帽子好きだからということ以外に、このイズリールというブランドが「フォーマル+カジュアル」をコンセプトとしているため、もっとも手軽にストリート感を表現できるからだ。
おまけに季節やトレンドに左右されにくい定番アイテムとして息長く売れるということもある。

柄数は全11柄で、毎月新柄を1つ加える。
一方、不人気柄は売り切れたらその時点で販売を中止する。

この「売り方」はなかなか工夫されているといえる。
昨今は、異様なネット通販礼賛で、「とりあえずEC(ビールかよ)」とか、何も考えずに「何となくクリスタルEC」というようなアホなブランドが多い中で、自身のブランドの知名度の低さ(大手に比べれば)を認識した上で独自性を打ち出している。

ビッグビジネスになるかどうかは判断の分かれる部分で、個人的にはビッグビジネスにはならないと思うが、少数のスタッフが食べていけるくらいには成功するのではないかと思う。
ZOZOTOWNはまったく使わないが、総合アイテムブランドが乱立する中で、単品雑貨に特化したブランドというのは目立ちやすいし、コンセプトやテイストがはっきりしている分、消費者にはわかりやすいだろう。

知名度の低い低価格の総合アイテムカジュアルブランドよりはよほど埋没しにくい。

2018年1月1日からは、イズリールが得意とするオーダータキシードもZOZOTOWNで受注を開始するという。

2018年元旦からZOZOTOWNで販売されるオーダーフォーマル

こちらは高額だが、従来から行っているオーダーサービスをネットにも出店するだけなので、リスクは少ない。
すごくたくさん売れることはないと思うが、従来の活動のプラスアルファの売上高くらいは望めるのではないかと思う。

なかなか興味深い「売り方」を見せていただいた。

NOTEを更新~♪
専業ジーンズメーカーは決して新しいことに取り組まなかったわけではない
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ZOZOSUITによってユニクロは終わる?いや、終わらないよ(後編)

さて昨日の続きを。

ZOZOSUITによってユニクロは終わる?いや、終わらないよ
http://minamimitsuhiro.info/archives/1964.html

ZOZOSUITの登場に浮かれるのはご勝手だが、「ユニクロ終わる」ってのは違うかなと。
たしかに、このシステムはIT系・アパレル系はだれもが夢想したと思うが、資金のことが念頭にあって実際にだれも実現にはこぎつけなかった。
これを実現化したことだけでもやはりスタートトゥデイはすごいとは思う。

しかし、スタートトゥデイを持ち上げすぎるのはどうかとも思う。

ユニクロに限らず、個人情報を積み上げている企業は意外に多い。
ニッセンや千趣会などの通販大手なんて何十年にも渡って莫大な個人情報を積み上げている。
ただ、好調なベルーナを除く不振大手通販各社はその情報の分析が甘くて生かし切れていないのである。

スタートトゥデイが今後、新規投入するプライベートブランド「ゾゾ」について考えてみよう。

今回のスーツで採寸したデータをゾゾの製造に生かして、「究極のフィット感」を実現するそうだが、テイストがベーシックカジュアルであること以外、何も発表されていない。
このため、現時点で商品について外野がワーワー言っていてもまったく意味がない。

それと、採寸によって「洋服はオーダーメイドに回帰する」なんてぶち上げている人もいるが、「ゾゾ」ブランドに関しては、オーダーメイドは当てはまらないと思う。

オーダーメイドをぶち上げている人はフルオーダーをイメージしていると思うのだが、現時点で分かっていることから推測すると、それはありえず、パターンオーダーになるのではないかと考えられる。

なぜ、フルオーダーでないかというとそれは「ベーシックカジュアル」とされている時点で超高価格はあり得ない。
それこそユニクロで買えるテイストの物を超高価格にしたって意味がない。
もちろんユニクロほどの低価格にはならないだろうが、そこにある程度近しい価格にしようとするならフルオーダーでは無理だ。
例えば、ジーンズの最高価格は1万9000円までだろう。2万円を越えるようなジーンズはおいそれとは売れない。理想を言うなら、15000円未満だと思う。
となると、バカ高くなるフルオーダーは使えない。

パターンオーダーになると、ツープライススーツショップですでにスーツ28000~38000円で作れる量産システムが確立されているので、ある程度の価格帯に抑え込むことが可能になっている。

それにZOZOTOWN出店ブランドの中には高価格帯カジュアルを扱っているところも多く、そこと競合させることは考えにくい。
あくまでも出店ブランドとコーディネイトが可能で隙間を埋めるようなベーシックカジュアルになると考えた方が間違いがないのではないか。

どうもフルオーダーとパターンオーダー(セミオーダー、イージーオーダー)をごっちゃに考えている人が多すぎるのではないか。
一般消費者ならそれは仕方がないが、業界人がその違いと価格差を理解していないのはいかがなものだろうか。

また、サイズを測定して「究極のフィット感を実現」というけれども、カジュアル服にそこまでの「フィット感」が必要だろうか。
究極にフィットさせるとレオタードになってしまうが、そういうフィット感をカジュアルに求める人は数少ない。
手足の丈の長い短いという問題は解決されるだろうが、その部分以外では既存の他社カジュアルブランドをすべて駆逐することは考えにくい。1センチの身幅の狭い広いはどうでもよいと考える人が多いのではないか。

究極のフィット感が求められるのはレオタードと競泳用水着くらいだろう。

逆に現在トレンドのルーズフィットの場合、フィット感は必要ない。

個人的に興味があるのが、採寸した体型データをもとにして、どの程度のサイズ感にアレンジするのかである。
レオタードみたいにピチピチにする必要はなく、データをもとにしてどれくらいのゆとりを衣服に持たせるようにアレンジするのかという問題は簡単なようで意外に難しい。
逆にレオタードを作る方が簡単だろう。データに合わせてぴったりさせれば済むのだから。

データをもとに2センチゆとりを作るのか3センチにするのか。
ルーズフィットなら何センチのゆとりを持たせるのか。

ここの決断はかなり難しいのではないかと外野からは推測する。

どのような決断を下したシルエットが提示されるのか興味は尽きない。

また、繰り返しになる部分もあるが、ファッションにはさまざまなテイストがある。
アメカジ、モード、トラッド、フェミニン、などなどだ。

このすべてのジャンルを「ゾゾ」ブランドが網羅できるはずもないし、するとは到底思えないので、市場すべてを「ゾゾ」が占有してしまう可能性は限りなくゼロに近い。
大真面目にそれを考えている人は、たった6兆円で売却されたモンサントが「世界征服をする」と考えている人と同じくらいナンセンスだ。
たった6兆円で世界征服できるなら、もっと早くにいろんな国が買収していただろう。

となると、ゾゾはベーシックカジュアルとプラスアルファを販売しながら、ゾゾタウンへの出店ブランドに体型データを供与して、そのブランドが製品開発に生かすというのが最も現実的な予想ではないか。
出店していなくても、ビジネスとしてユニクロや無印良品などに体型データを販売することも考えられる。
また肌着メーカーやスポーツウェアメーカーにデータを販売することもあるだろう。

さらには前澤社長は「靴の開発に向けたサイズデータ収集を始める」と言及しており、衣料品よりも5ミリのサイズの違いにシビアな靴というジャンルにこそ、この採寸データシステムは相応しい。
洋服はサイズが5ミリや1センチ違っても着られるが、靴は5ミリ違えば足さえ入れられない。

そうなると、このシステムで究極のフィット感が求められるのは服ではなく靴である。
究極のフィット感が得られる靴なら興味はある。

よほど特殊な固い素材でもない限り洋服はそこまでシビアにサイズは求められない。とくにカジュアルは。

以上のように考えると、ゾゾブランドのベーシックカジュアル衣料品は、現在の市場を壊して占有してしまうほどの商品ではなく、現在あるうちのワンオブゼムとして消費者の選択肢の一つになるのではないか。
また当然、今回のニュースですでにデータを所有している大手通販各社やユニクロ、パターンオーダースーツブランドはさらに研究を深めるだろうから、ある程度の全体のレベルアップも見込める。

話題性によって市場を活性化する可能性はあっても、ゾゾが占有してしまい現在の実店舗はすべて終わるというのは、ちょっと考えにくい。
一般消費者やタレントならそういう予想に酔っても良いが、自称も含めて業界の専門家が浮かれてしまうのはどうかと思う。まさに消費者と専門家(自称も含めて)の差が無くなりつつあるとしかいえない。
今回のZOZOSUIT騒動ではそのことが露呈したのではないか。

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三越伊勢丹HDが「ケイタマルヤマ」を手放す理由とは?
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ZOZOSUITによってユニクロは終わる?いや、終わらないよ

今、業界で話題なのがZOZOSUITだろう。
これについてはZOZOが開発するプライベートブランド「ゾゾ」の詳細が何一つ明らかになっていないにもかかわらず、空想・妄想織り交ぜて盛り上がっている。

「ゾゾ」ブランドはベーシックカジュアルであるということ以外、ラインナップも価格帯も初年度販売目標も何も発表されていない。
だから現時点ではどんなに優れた推測でも推測の域を出ず、妄想のから騒ぎというふうにしか見えない。

さて、ZOZOSUITだが、着用することで瞬時に体のデータを計測するという優れもので、これはたしかに革命的といえる。
しかも希望者には無料で配布するとのことだから、話題が沸騰するのも当然である。

しかし、先走りすぎている人も多くいるように見え、なんだか勝手に一人で泣いたり騒いだり、意味のわからないポエムを書いたりで、なんとかならんのかなと思う。

ZOZOSUITの考察についてもっとも賛成するのがこのブログである。

ZOZO SUITが「マーケティング」「コンテンツ」「マネタイズ」の全ての要素を揃えた最強のフリーミアムになる可能性の理由
http://ryoheiyotsumoto.com/zozosuit/

このZOZO SUITがどれぐらいの数がばらまかれているのか?はわかりませんが
ZOZOがこのデータを手に入れることで
今まで誰も揃えたことがなかった「3つ」の個人情報を揃えることが可能になります。

1、名前、生年月日、性別、住所、それに購入金額や決済使用カードから予想される「収入という個人情報」
2、ファッション的な観点の趣味趣向。という「個人インサイト情報」
3、体のサイズ。という「身体的個人情報」
この3つのデータを膨大に持ってる企業は未だかつて無いんじゃないでしょうか?

それこそ学校で身体測定やってるお国ぐらい。
この意味わかりますか?

アパレルの総合小売EC(売り場編集)で集めた「顧客データ(リスト)」を使って、
全く新しいマネタイズ方法が可能になるデータをZOZO SUITで手に入れている。
しかも、本来なら「お金」渡して手に入れたい情報を「無料で勝手に向こうから定期的に送ってきてくれる」
ZOZO SUITを無料で提供するフリーミアムでフロントエンド商材として提供し、
今まで誰も手に入れる事ができなかった種類の膨大な量の個人情報を手にする。
カンの良い人ならわかるともいますが、

このデータを持つ事だけで、別に「洋服」を売らなくても十分儲かるネタなんですよ。
洋服売るのは「おまけ」でもいけるぐらい。笑
そのぐらいこの「個人情報」は誰も持っていない情報なんですよ。
しかも、これが定期的に個人のデータが更新されて蓄積していくなんて継続性ある稼働率としたら、、、
あらゆる業界の「ホスト側」としてSTART TODAYは君臨するでしょうね。

との見方で、これが今回のZOZOの真の目的だといえる。

もうすでにZOZTOWNは生年月日、住所、性別などの膨大な個人情報をすでに持っている。
あんまりピンと来ていない人が世の中多いみたいだが、この個人情報というのは貴重なデータで、今まで企業はこれをわざわざカネを払って買っていたのである。

ネットで「個人情報を登録してくれたらもれなく10ポイント進呈」とか「1000円進呈」とかやっているが、だれも親切として見ず知らずの他人に10ポイントとか1000円とかを恵んでやりたいわけではない。
それはそれだけのカネを払ってでも手に入れたいデータなのである。

ZOZOはそういう個人情報に加えて何万人か分の体型データまで入手してしまう。
通常ならその体型データは企業がカネを払って購入するところだが、今回は向こうから無料で送ってきてくれるのである。

そこまでの個人情報をZOZOが握ってしまうのはなんとも不気味だと個人的には感じる。
だからもともとZOZOでは買い物をしたことがなかったし、今回のZOZOSUITは申し込まない。
しかし、それに乗ってみるという選択も理解できる。
以上のことが分かっていて乗るならそれは立派な選択だが、理解せずに乗るのは疑問を感じる。
情弱は他人の養分にされるだけの存在としか言いようがない。

それはさておき。

今回の件で、「ユニクロ終わった」とか言っている人がいるが、それは少々早計ではないか。
ユニクロは終わらない。
すでにユニクロもオーダージャケットやオーダースーツによってある程度の体型データを集めている。
おまけにネット売上高は450億円もあり、あの単価でその総額を売るためにはどれほどの人間がユニクロのオンラインストアで買っているかである。
その膨大な数の個人情報がすでに蓄積されている。

それらのデータをユニクロが今後さらに精度を高めて利用することは十分に考えられる。

また、ユニクロが本当にZOZOを脅威だと思えば買収したり、業務提携や資本提携をするだろう。それだけの資本力は持っている。
ZOZOからデータを購入することもあるだろう。

さらにいえば、ZOZOが衣料品業界にある種々のテイストすべてを自社製品で網羅することはできない。
網羅できない(しない)テイストのブランドは確実に生き残る。

旧型アパレルが終わるのではないかと思うが、カネを支払ってそういうデータをZOZOから購入すれば終わることもない。

あと「ゾゾ」ブランドのPB商品についても考えてみたい。
どうも早とちりでフィーバーしすぎている人が多い気がする。

ちょっと長くなってきたので、続きは次回にしたい。

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画期的な方法で作られた耐久性の高いTシャツを見つけた

衣料品のバリエーションも行き着くところまで行き着いてしまったような感じがあるが、それでも目新しい商品というのは開発されるもので、その創意工夫には感心するしかない。

先日、ウェブで発見して感心したのがこのTシャツである。

BMCオリジナル メンズ半袖Tシャツ コーデュラ 日本製 東北支援/福島縫製工場
https://item.rakuten.co.jp/bmc-tokyo/bms13-14-15-set/

昨年からこのブログにバナー表示されているBMC(ブルーモンスタークロージング)だが、ジーンズやカジュアルパンツの新進ブランドとして認識していた。
定期的に商品の話も聞くが、おもにはジーンズを中心としたカジュアルパンツのことばかりで、Tシャツについてはノーマークだった。

それは、話を聞く当方の「ジーンズとカジュアルパンツ」という先入観があったからだし、話すほうのBMC側の話題の選び方もそちらに偏っていたからで、この辺り、当事者間の認識と他者から見ての客観的評価というのがいかに一致しにくいかということがよくわかる。

最近はどんな商品が出てるのかな?

と軽い気持ちで商品をウェブで見ていたら発見したのがこのTシャツだった。

Tシャツもそうだが、最近は洋服全般で「機能性」が求められることが増えた。
ただ、その機能性は各人の要望に応じて異なる。

ストレッチ性が欲しいという人もあれば、速乾性が欲しいという人もある。
また消臭機能が欲しい人もいるし、汗染み防止機能が欲しい人もいる。

要望される機能は様々あり、それに応じた商品がそれぞれ世間には流通している。

このTシャツは耐久性を高めることを目的として企画製造されている。
正直なところ、耐久性の高いTシャツを求める人がどれほどいるかはリサーチしたわけではないからわからない。
しかし、買って数か月でTシャツがダメになれば、がっかりする人は多いだろうから、2900円という手の届く価格であれば欲しくなる人もそれなりにいるのではないかと思う。

通常、Tシャツの耐久性を高めるには生地を分厚くする。
8オンス以上の分厚さにすればかなり耐久性は高くなる。
しかし、生地が厚くなりすぎて着心地が悪くなったり動きにくくなったりする。

ウェブだけでTシャツを販売する京都イージーも、「8オンスを越えるTシャツは普段着に適さない」と考えて7オンスのTシャツを上限にしている。

で、生地が薄いまま耐久性を高めるにはどうしたらよいのかということを考えて、BMCはコーデュラと綿を配合することを思い立った。
コーデュラというのは耐久性の強い素材で、リュックなどに盛んに使われている。

そのコーデュラと綿を配合することで5・6オンスという薄手生地でありながら耐久性を高めることに成功したという。
楽天のサイトで、髭の濃い長瀬智也みたいな顔をした人が語っているが、これがBMCの青野社長である。

当方が感心したのは、コーデュラという以前から知られた合繊を配合してTシャツの強度を高めるというアイデアである。
コーデュラは業界ではポピュラーな合繊で、その強度も知られている。

しかし、「Tシャツ=綿」みたいな固定観念が強すぎて、今まで当方が知る限りにおいてはこれを実現したブランドはなかった。
新商品開発というと「今まで誰も見たこともない商品を作ること」と思い込みがちだが、これだけあらゆる物が出そろった現在において、そんな画期的な商品はそうそう簡単には生まれない。

むしろ、これまでにある技術をどう組み合わせるかがカギになる。
iPhoneだってこれまでにあった技術の組み合わせである。

強度を高めるなら強度が高いコーデュラを配合すればいいじゃないの?

こういう素直なやり方は一見すると簡単なことのようだが、実は固定観念やら業界の謎の風習やらに阻まれてなかなか挑戦しにくいのが現状である。

それに挑戦し、商品化したその取り組みには本当に感心させられる。

これと同じように感心させられたのが、オールユアーズの新商品、色落ちしないジーパン「パンジー」である。

https://camp-fire.jp/projects/view/51767

詳細は後日取材するとして、現段階で分かっているのは、ポリエステルだから色落ちしないということである。
ポリエステルは合繊の中でも強度が高く、洗濯を繰り返しても色落ちしにくい。
その特性を利用してデニム生地風の織物に仕上げて、それを洋服化した。

これまで「色落ちしにくいデニム」という挑戦はいくつかあった。
しかし、「デニム=綿」という固定観念に縛られて、ほとんどのブランドは綿100%もしくは綿主体素材でそれを実現しようとした。
だが、ポリエステルが色落ちしにくいのであればそれを使えばイイだけのことである。

業界人はおそらく「そんな合繊の塊はデニムじゃない」と反論するだろうが、そういうことに縛られているからジーンズ専業ブランドが売れなくなったのである。

デニム=綿、デニム=色落ち、という強固な固定観念に縛られてしまえば、その中だけでの競争になり、「どれだけ色落ちがしやすいか」とか「どれだけ綺麗に色落ちするか」というひどくミクロな競争に陥ってしまい、差別化することは難しくなる。
一般の消費者から見ればどれもほとんど同じにしか見えないし、ブランドごとの違いも判らなくなる。
だったら、3990円のユニクロや3980円の無印良品のジーンズでも構わないと考えるようになる。

BMCのコーデュラ配合Tシャツや、オールユアーズの色落ちしないパンジー、こういう固定観念にとらわれない商品開発こそが市場を活性化させる要因になり得る。

両ブランドには今後ともぜひとも頑張ってもらいたい。

あ、一つケチをつけるならやっぱり楽天は使いにくいと思う。
SNSでシェアをするのに、いちいち楽天IDを入力しなくてはならない。入力も面倒だが、それ以上に楽天に登録していない人はSNSで拡散もできないということになり、他のウェブショップやポータルサイトに比べるとひどく狭量といえる。
だから楽天は衰退し続けているのだろう。こんな不便なサイトの作りをしていては利用者も出展者も離れていくのが当然である。
このままだと楽天はもっと衰退するだろう。

NOTEを更新~♪
日本製デニム生地の現状をまとめてみた
https://note.mu/minami_mitsuhiro/n/nf1f2b20fc0b6

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エアリズムを凌駕したグンゼYGカットオフのコスパと技術力の高さ

 トータル展開での商品の機能性の高さとそれに反比例した割安感においては、ユニクロの優位性は疑いようがないが、単品アイテムで見るとユニクロを上回る商品が業界にはまだまだある。

浅学非才な当方がそのすべてを網羅することはできないが、知っている範囲でいうなら、フットカバーは無印良品とグンゼが圧倒的に高品質で低価格である。
フットカバーは脱げやすいの問題点であり、昨年にジーユー、ユニクロともに買って試したが、履いていないのと同じではないかと思うほどに脱げやすかった。

無印良品、グンゼは価格はユニクロとほぼ同じ3足990円(グンゼはAmazonならもっと安くなるときがある。当方は3足560円くらいで買った)だが、圧倒的に脱げにくい。

また白シャツの下に着ても透けにくい切りっぱなしの肌着では、グンゼのYGカットオフがユニクロのエアリズムシームレスよりも優れていて、定価は同じ1500円だ。

さて、そのグンゼの2018春夏展示会を見た。
メンズ肌着、レディース肌着、パジャマ、靴下の4事業部合同の総合展示会である。

レディース肌着についてもなかなか面白い商品はあるが、当方が、女性の肌着のことを書くとなんだかやいやらしいような気がするので書かない。
業界新聞記者時代は、レディース肌着担当だったこともあるので、その時は仕事としてブラジャーが云々とかショーツがナンタラとか書いていたが、今はよほど仕事の依頼でもない限りレディースのランジェリーファンデーションは書かない。

メンズ肌着では、圧倒的な機能性と低価格が実現されていたので、そちらを紹介したい。

当方が注目するのは、やっぱりYGカットオフである。
そういえば、ユニクロのエアリズムシームレスは「シームレス(縫い目がない)」と名乗っているのに、YGカットオフよりも縫い目が多いことは以前にこのブログで書いた。

品番によって価格は異なるが、年間定番の半袖商品は今春夏は1500円で販売していたが、これを2018年はなんと200円値下げして1300円にする。

「低価格競争ガー」なんていう声も聞こえてきそうだが、ここは素直に感心しておきたい。

IMG_3391

(1300円に値下げされるYGカットオフの定番品)

YGカットオフの特徴は、品番によって多少含有率が異なるが、綿40~55%程度とカットオフ(切りっぱなし)でありながら、綿の含有率がかなり高い点にある。

ユニクロのエアリズムシームレスはナイロンが84%・ポリウレタンが16%で合繊のみの組成である。

50歳以上のオッサンが持つ「綿素材信仰」は当方は少ない方だが、それでもナイロン84%と綿55%なら、綿55%の方を選んでしまう。

綿の高混率のカットオフ素材を製造できる特許を取得しているのはグンゼのみで、このほかには違う工程を特許取得したトリンプがあるくらいで、トリンプは綿35%混前後の商品を展開している。

YGカットオフでは、新商品として、無縫製モデルを打ち出している。
こちらはさすがに高くて2000円となっている。

IMG_3390

グンゼはレディース肌着の「キレイラボ」では何年か前から無縫製肌着を出していたが、その技術をメンズに導入したものである。

キレイラボもYGも無縫製とはいうものの、ホールガーメントセーターのような一体成型ではない。
YGカットオフでいうと、本体に袖を取り付けるのだが、それを縫製ではなく接着している。

もともと、YGカットオフは本体と袖を取り付ける部分だけにしか縫い目がなかった。
これを縫製ではなく接着で取り付けるようにしたということで、言葉の定義的に「無縫製」「シームレス」だといえる。

いっそのこと「ゼロシーム」とでも名乗ってはどうか?
商標登録がどうなっているのか知らんけど。

こんな感じで、単品アイテムならユニクロよりも高品質・高機能で価格が安いという商品が業界にはまだまだ存在するはずだ。

今さら、トータル展開ではユニクロには勝てないし、かといって「ユニクロより少し高い(1000~2000円くらい)けどファッション性は云々」なんていうのも中途半端すぎて消費者には響かない。

あとは伝え方であり、広報・宣伝・販促の手法を見直すことだろう。
良い物を作っただけでは売れないし、タレントを使えば必ず売れるというものでもない。
ましてやファッション雑誌やファッションイベントに乗っかっただけでは絶対に売れない。

グンゼも含めて、各アイテムでユニクロを越える高品質低価格商品を持っているメーカー、ブランドはそこを見直すことが課題であり急務である。

noteで有料記事を始めてみました~。

鎌倉シャツのビジネスモデルが秀逸なポイントを考えてみた
https://note.mu/minami_mitsuhiro/n/na76c612e6d37

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オールユアーズのクラウドファンディング第3弾商品とその売り方について

 先日、新進気鋭のカジュアルアパレル、オールユアーズの原康人さんにお会いしたのは、新商品の内容を尋ねるためだった。

オールユアーズはこれまで機能性素材を使用しながらも、よくある「産地とのコラボ」や「製造加工業とのコラボ」を打ち出してこなかったが、昨日から発売になった新商品は、産地とのコラボを打ち出している。

そして、オールユアーズとしては今後は様々な産地とのコラボを手掛けたいとのことで、希望する産地は連絡してみてはどうか?

今回は「身にまとう毛布」というキャッチフレーズで、いわゆる「毛布」の技術を利用した生地をカーディガン、パーカ、ダッフルコートの3型に仕上げている。

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そして、その「毛布」の技術を応用した生地を加工しているのが、毛布産地として有名?な大阪府の泉大津である。

ほんの少しでも産地をかじったことのある人なら泉大津がタオル、毛織、毛布、ニットなどの産地であることは知っているが、産地なんて無縁のファッション畑の人ならそんなことは全然知らないだろう。

泉大津に限らず、日本の各産地というのは、産地の中の人が思っているよりも知名度が低い。
それを読み違えると、ビジネスに多大な支障をきたすので、できるだけ客観的に自身を判断してもらいたい。

さて、今回の生地は、いわゆるニット(編地)で、製造地は和歌山だ。
表が綿、裏にウールが出るようになったプレーティング編みである。
プレーティング編みとは何ぞやというと、表と裏で別の素材が出てくる編地である。
今回なら表は綿で裏はウールである。

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(上が表、下が裏面)

ファッションブロガーMB氏がグローバルワークの吸水速乾Tシャツを絶賛していたことがあるが、あれもプレーティング編みで、表地は綿で裏面はポリエステルだった。

プレーティング編みというのはそういう技術である。

この和歌山産地で編んだ生地を、泉大津の藤井若宮製絨で起毛加工を施し、毛布状に仕上げている。
藤井若宮製絨は染色・整理加工などを手掛ける泉大津の老舗業者で、かつて一度2006年ごろに民事再生法を申請したが、今でも存続できているのは何よりといえる。

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さて、この毛布生地を使ったトップス3型がキャンプファイヤーのクラウドファンディングに出品されている。

https://camp-fire.jp/projects/view/42749

9月4日に出品されたばかりなのに、目標金額100万円をたった1日でほとんど到達している。
9月5日の朝時点ですでに86万1000円を集めているから驚きである。

オールユアーズは連続24か月クラウドファンディングというプロジェクトを仕掛けており、今回の毛布は第3弾となる。
第1弾、第2弾ともに目標金額を達成したが、とくに第2弾は集めた金額がとてつもなく大きかった。

8月末までに2か月間で集めた金額はなんと1800万円強で、クラウドファンディング史上ファッション分野での集めた金額の最大額となっている。

https://camp-fire.jp/projects/view/34653

今回の第3弾の金額の集まり具合も前回の勢いをそのまま引き継いでいるといえる。

第2弾と比べると話題になることが少なかった第1弾の「色落ちしないブラックパンツ」だが、それでも目標金額は優に達成している。

この調子が続くなら、12商品すべてで目標金額を達成することができそうだ。

原さんとの雑談は少し前のブログに一部を利用した。

アパレルブランドの「小売店向け展示会」は意味がなくなりつつある
http://minamimitsuhiro.info/archives/4827762.html

である。

ここで言われているように、小売店向け展示会を開催しても、販売不振でビビっている小売店はほとんどオーダーを出さない。
ならば、展示会を廃止して新商品はクラウドファンディングで発表してしまえということで、クラウドファンディングで売れていれば、ビビっている小売店も安心してオーダーしてくるからである。

何とも情けない話ではあるが。

さて、オールユアーズの商品が売れている要因は何かというと、それは「わかりやすさ」である。

クラウドファンディングに登場した商品を例に出そう。

第1弾は「色落ちしないブラックパンツ」
第2弾は「着心地が良くてイージーケアなセットアップ」

である。

種明かしをすると、二つの商品で使用されている生地はまったく同じである。
組成はポリエステル100%。

この純ポリエステルの生地には、様々な機能がある。
まず、吸水速乾、そして軽量、ストレッチ性である。
この吸水速乾機能だけをフィーチャーして「ファストパス」という商品群をオールユアーズはすでに発売している。

ファストパスのキャッチフレーズは「真冬でも部屋干し3時間で乾燥する」であり、その他の軽量やらストレッチ性は一切謳っていない。

軽量はポリエステル本来の機能性で、実はそんなに特筆すべき機能ではない。
ポリエステルは基本的に軽いのである。
またストレッチ性は、現在では着心地のためにはマストな機能で特別なことはない。

それでもこれを謳おうと思えば謳えるが、あえて「吸水速乾」一つに絞った。

今度は、「色落ちしないブラックパンツ」を見てみよう。
素材は全くファストパスと同じだ。だから吸水速乾性も軽量性もストレッチ性もある。

しかし、それは全く謳わない。

そのとき謳っているのは「色落ちしない」ということだけである。
綿主体のブラックパンツは、かならず色落ちする。
デニムみたいに白っぽく色落ちするのではなく、綿主体のカツラギやサテン素材は、赤褐色に色落ちする。ブラックのはずが少しチョコレートっぽい茶色になる。
こうなったら、そのズボンは寿命だといえる。

ところが、ポリエステルはこの商品に使われている素材に限らず、基本的にほとんど色落ちしない。

だから、それのみを謳っている。
実は何の特別な機能でもなく、ポリエステルが本来持っている機能にすぎない。

よくある産地ブランドやファクトリーブランド、モノづくり神話系ブランドだと、

「ドコソコで栽培された綿花を紡いで作ったナンタラという糸を使い、〇〇産地で織りあげた(編んだ)〇〇という生地に、××という染色を施し、さらに▽▽という加工も施して〇〇な風合いに仕上げました」

とか

「この商品には、吸水速乾だけでなく、消臭、防汚、撥水、ストレッチ性、軽量性、防シワ、UVカットなど様々な機能性がてんこ盛りです」

とか

そういう打ち出しが多い。
多いというか99%のブランドがこれだ。

しかし、そんなものは実は消費者にはほとんど響いていない。
響いていたら産地ブランドやファクトリーブランド、モノづくり神話系ブランドはもっと売れているだろう。

「ナンタラ織りシャツ」とか「ナンタラ編みニット」がもっと売れているはずだ。

形態安定で爆発的に売れたワイシャツはその後、機能性を毎年1つずつ付加していき、最終的には7つくらいの機能性(防臭、防汚、UVカット、ビタミンC、マイナスイオンなど)を持っていたが、今、店頭に並んでいるワイシャツの多くは形態安定のみがほとんどで、あってもそこに防臭か防汚が付けられているだけで、機能性をてんこ盛りにしてもそんなものは何のセールスポイントにもならないことが証明されている。

製造工程の詳細すぎる説明も、てんこ盛りの機能性も販促には実際のところほとんど必要なくて、わかりやすい切り口が1つだけあれば良いのである。

もし、他のアパレルがオールユアーズに見習う部分があるとするなら、そこである。

noteで有料記事を始めてみました~。

鎌倉シャツのビジネスモデルが秀逸なポイントを考えてみた
https://note.mu/minami_mitsuhiro/n/na76c612e6d37

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