カテゴリー: 新商品発表

エアリズムを凌駕したグンゼYGカットオフのコスパと技術力の高さ

 トータル展開での商品の機能性の高さとそれに反比例した割安感においては、ユニクロの優位性は疑いようがないが、単品アイテムで見るとユニクロを上回る商品が業界にはまだまだある。

浅学非才な当方がそのすべてを網羅することはできないが、知っている範囲でいうなら、フットカバーは無印良品とグンゼが圧倒的に高品質で低価格である。
フットカバーは脱げやすいの問題点であり、昨年にジーユー、ユニクロともに買って試したが、履いていないのと同じではないかと思うほどに脱げやすかった。

無印良品、グンゼは価格はユニクロとほぼ同じ3足990円(グンゼはAmazonならもっと安くなるときがある。当方は3足560円くらいで買った)だが、圧倒的に脱げにくい。

また白シャツの下に着ても透けにくい切りっぱなしの肌着では、グンゼのYGカットオフがユニクロのエアリズムシームレスよりも優れていて、定価は同じ1500円だ。

さて、そのグンゼの2018春夏展示会を見た。
メンズ肌着、レディース肌着、パジャマ、靴下の4事業部合同の総合展示会である。

レディース肌着についてもなかなか面白い商品はあるが、当方が、女性の肌着のことを書くとなんだかやいやらしいような気がするので書かない。
業界新聞記者時代は、レディース肌着担当だったこともあるので、その時は仕事としてブラジャーが云々とかショーツがナンタラとか書いていたが、今はよほど仕事の依頼でもない限りレディースのランジェリーファンデーションは書かない。

メンズ肌着では、圧倒的な機能性と低価格が実現されていたので、そちらを紹介したい。

当方が注目するのは、やっぱりYGカットオフである。
そういえば、ユニクロのエアリズムシームレスは「シームレス(縫い目がない)」と名乗っているのに、YGカットオフよりも縫い目が多いことは以前にこのブログで書いた。

品番によって価格は異なるが、年間定番の半袖商品は今春夏は1500円で販売していたが、これを2018年はなんと200円値下げして1300円にする。

「低価格競争ガー」なんていう声も聞こえてきそうだが、ここは素直に感心しておきたい。

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(1300円に値下げされるYGカットオフの定番品)

YGカットオフの特徴は、品番によって多少含有率が異なるが、綿40~55%程度とカットオフ(切りっぱなし)でありながら、綿の含有率がかなり高い点にある。

ユニクロのエアリズムシームレスはナイロンが84%・ポリウレタンが16%で合繊のみの組成である。

50歳以上のオッサンが持つ「綿素材信仰」は当方は少ない方だが、それでもナイロン84%と綿55%なら、綿55%の方を選んでしまう。

綿の高混率のカットオフ素材を製造できる特許を取得しているのはグンゼのみで、このほかには違う工程を特許取得したトリンプがあるくらいで、トリンプは綿35%混前後の商品を展開している。

YGカットオフでは、新商品として、無縫製モデルを打ち出している。
こちらはさすがに高くて2000円となっている。

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グンゼはレディース肌着の「キレイラボ」では何年か前から無縫製肌着を出していたが、その技術をメンズに導入したものである。

キレイラボもYGも無縫製とはいうものの、ホールガーメントセーターのような一体成型ではない。
YGカットオフでいうと、本体に袖を取り付けるのだが、それを縫製ではなく接着している。

もともと、YGカットオフは本体と袖を取り付ける部分だけにしか縫い目がなかった。
これを縫製ではなく接着で取り付けるようにしたということで、言葉の定義的に「無縫製」「シームレス」だといえる。

いっそのこと「ゼロシーム」とでも名乗ってはどうか?
商標登録がどうなっているのか知らんけど。

こんな感じで、単品アイテムならユニクロよりも高品質・高機能で価格が安いという商品が業界にはまだまだ存在するはずだ。

今さら、トータル展開ではユニクロには勝てないし、かといって「ユニクロより少し高い(1000~2000円くらい)けどファッション性は云々」なんていうのも中途半端すぎて消費者には響かない。

あとは伝え方であり、広報・宣伝・販促の手法を見直すことだろう。
良い物を作っただけでは売れないし、タレントを使えば必ず売れるというものでもない。
ましてやファッション雑誌やファッションイベントに乗っかっただけでは絶対に売れない。

グンゼも含めて、各アイテムでユニクロを越える高品質低価格商品を持っているメーカー、ブランドはそこを見直すことが課題であり急務である。

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鎌倉シャツのビジネスモデルが秀逸なポイントを考えてみた
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オールユアーズのクラウドファンディング第3弾商品とその売り方について

 先日、新進気鋭のカジュアルアパレル、オールユアーズの原康人さんにお会いしたのは、新商品の内容を尋ねるためだった。

オールユアーズはこれまで機能性素材を使用しながらも、よくある「産地とのコラボ」や「製造加工業とのコラボ」を打ち出してこなかったが、昨日から発売になった新商品は、産地とのコラボを打ち出している。

そして、オールユアーズとしては今後は様々な産地とのコラボを手掛けたいとのことで、希望する産地は連絡してみてはどうか?

今回は「身にまとう毛布」というキャッチフレーズで、いわゆる「毛布」の技術を利用した生地をカーディガン、パーカ、ダッフルコートの3型に仕上げている。

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そして、その「毛布」の技術を応用した生地を加工しているのが、毛布産地として有名?な大阪府の泉大津である。

ほんの少しでも産地をかじったことのある人なら泉大津がタオル、毛織、毛布、ニットなどの産地であることは知っているが、産地なんて無縁のファッション畑の人ならそんなことは全然知らないだろう。

泉大津に限らず、日本の各産地というのは、産地の中の人が思っているよりも知名度が低い。
それを読み違えると、ビジネスに多大な支障をきたすので、できるだけ客観的に自身を判断してもらいたい。

さて、今回の生地は、いわゆるニット(編地)で、製造地は和歌山だ。
表が綿、裏にウールが出るようになったプレーティング編みである。
プレーティング編みとは何ぞやというと、表と裏で別の素材が出てくる編地である。
今回なら表は綿で裏はウールである。

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(上が表、下が裏面)

ファッションブロガーMB氏がグローバルワークの吸水速乾Tシャツを絶賛していたことがあるが、あれもプレーティング編みで、表地は綿で裏面はポリエステルだった。

プレーティング編みというのはそういう技術である。

この和歌山産地で編んだ生地を、泉大津の藤井若宮製絨で起毛加工を施し、毛布状に仕上げている。
藤井若宮製絨は染色・整理加工などを手掛ける泉大津の老舗業者で、かつて一度2006年ごろに民事再生法を申請したが、今でも存続できているのは何よりといえる。

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さて、この毛布生地を使ったトップス3型がキャンプファイヤーのクラウドファンディングに出品されている。

https://camp-fire.jp/projects/view/42749

9月4日に出品されたばかりなのに、目標金額100万円をたった1日でほとんど到達している。
9月5日の朝時点ですでに86万1000円を集めているから驚きである。

オールユアーズは連続24か月クラウドファンディングというプロジェクトを仕掛けており、今回の毛布は第3弾となる。
第1弾、第2弾ともに目標金額を達成したが、とくに第2弾は集めた金額がとてつもなく大きかった。

8月末までに2か月間で集めた金額はなんと1800万円強で、クラウドファンディング史上ファッション分野での集めた金額の最大額となっている。

https://camp-fire.jp/projects/view/34653

今回の第3弾の金額の集まり具合も前回の勢いをそのまま引き継いでいるといえる。

第2弾と比べると話題になることが少なかった第1弾の「色落ちしないブラックパンツ」だが、それでも目標金額は優に達成している。

この調子が続くなら、12商品すべてで目標金額を達成することができそうだ。

原さんとの雑談は少し前のブログに一部を利用した。

アパレルブランドの「小売店向け展示会」は意味がなくなりつつある
http://minamimitsuhiro.info/archives/4827762.html

である。

ここで言われているように、小売店向け展示会を開催しても、販売不振でビビっている小売店はほとんどオーダーを出さない。
ならば、展示会を廃止して新商品はクラウドファンディングで発表してしまえということで、クラウドファンディングで売れていれば、ビビっている小売店も安心してオーダーしてくるからである。

何とも情けない話ではあるが。

さて、オールユアーズの商品が売れている要因は何かというと、それは「わかりやすさ」である。

クラウドファンディングに登場した商品を例に出そう。

第1弾は「色落ちしないブラックパンツ」
第2弾は「着心地が良くてイージーケアなセットアップ」

である。

種明かしをすると、二つの商品で使用されている生地はまったく同じである。
組成はポリエステル100%。

この純ポリエステルの生地には、様々な機能がある。
まず、吸水速乾、そして軽量、ストレッチ性である。
この吸水速乾機能だけをフィーチャーして「ファストパス」という商品群をオールユアーズはすでに発売している。

ファストパスのキャッチフレーズは「真冬でも部屋干し3時間で乾燥する」であり、その他の軽量やらストレッチ性は一切謳っていない。

軽量はポリエステル本来の機能性で、実はそんなに特筆すべき機能ではない。
ポリエステルは基本的に軽いのである。
またストレッチ性は、現在では着心地のためにはマストな機能で特別なことはない。

それでもこれを謳おうと思えば謳えるが、あえて「吸水速乾」一つに絞った。

今度は、「色落ちしないブラックパンツ」を見てみよう。
素材は全くファストパスと同じだ。だから吸水速乾性も軽量性もストレッチ性もある。

しかし、それは全く謳わない。

そのとき謳っているのは「色落ちしない」ということだけである。
綿主体のブラックパンツは、かならず色落ちする。
デニムみたいに白っぽく色落ちするのではなく、綿主体のカツラギやサテン素材は、赤褐色に色落ちする。ブラックのはずが少しチョコレートっぽい茶色になる。
こうなったら、そのズボンは寿命だといえる。

ところが、ポリエステルはこの商品に使われている素材に限らず、基本的にほとんど色落ちしない。

だから、それのみを謳っている。
実は何の特別な機能でもなく、ポリエステルが本来持っている機能にすぎない。

よくある産地ブランドやファクトリーブランド、モノづくり神話系ブランドだと、

「ドコソコで栽培された綿花を紡いで作ったナンタラという糸を使い、〇〇産地で織りあげた(編んだ)〇〇という生地に、××という染色を施し、さらに▽▽という加工も施して〇〇な風合いに仕上げました」

とか

「この商品には、吸水速乾だけでなく、消臭、防汚、撥水、ストレッチ性、軽量性、防シワ、UVカットなど様々な機能性がてんこ盛りです」

とか

そういう打ち出しが多い。
多いというか99%のブランドがこれだ。

しかし、そんなものは実は消費者にはほとんど響いていない。
響いていたら産地ブランドやファクトリーブランド、モノづくり神話系ブランドはもっと売れているだろう。

「ナンタラ織りシャツ」とか「ナンタラ編みニット」がもっと売れているはずだ。

形態安定で爆発的に売れたワイシャツはその後、機能性を毎年1つずつ付加していき、最終的には7つくらいの機能性(防臭、防汚、UVカット、ビタミンC、マイナスイオンなど)を持っていたが、今、店頭に並んでいるワイシャツの多くは形態安定のみがほとんどで、あってもそこに防臭か防汚が付けられているだけで、機能性をてんこ盛りにしてもそんなものは何のセールスポイントにもならないことが証明されている。

製造工程の詳細すぎる説明も、てんこ盛りの機能性も販促には実際のところほとんど必要なくて、わかりやすい切り口が1つだけあれば良いのである。

もし、他のアパレルがオールユアーズに見習う部分があるとするなら、そこである。

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洋服以外の商材に活路を求めた縫製工場

 カジュアルパンツのOEM生産を請け負っている友人から「今年に入って製造地を国内から中国へ再度移転した」との報告があった。

理由の1つとして夏場から円高傾向が進んだことが挙げられる。
現在はトランプ次期大統領の就任が決まって再び110円越えの円安基調へ変わっている。

また、日本の縫製工場よりも中国の工場の方が使い勝手が良いこともある。
大ロットの受注がアセアン諸国へ移ったため、中国国内の縫製工場はかなり小ロット対応も積極的に行うようになっている。
さらに、副資材の手配や取り付けなども一貫生産で中国では行える。

国内の縫製工場は分業体制が確立されているため、ボタンやリベット、ファスナーなどの副資材の手配は、ブランド側が行わなくてはならないし、取り付けはそれぞれ別の専門の工場へ送らねばならない。

そういう諸々の要素によって、縫製の多くは再び中国へ戻りつつある。
11月から円安基調が加速したが、だからといって再び国内工場へ受注が戻ることは考えにくい。
機能性、機動性、利便性の上で中国工場が国内工場を上回っている場合が多いからだ。

そんな中、三重県の縫製工場、近藤ソウイングの近藤喜成社長と久しぶりにお会いした。

近藤ソウイングは受注はそれなりにあるそうだが、付き合いのある縫製工場の多くが閑散としており、1年前の活況は見られない状況にあるという。理由は多くの注文が中国工場へ戻ったからだ。

いやはや厳しい状況である。

その際、近藤社長が「新製品のサンプルだ」と言って、「指ヨガ手袋」をいただいた。

自力ではできないほどキツイ状態になるが、左右の手のそれぞれの人差し指と小指を内側に曲げずにくっ付けると、体の柔軟性が増すのだそうだ。
これは近藤社長が勝手に言っているのではなく、カイロプラクティクの小平芳弘さんの提案だそうだ。
この手袋の考案者もその小平芳弘さんである。

言葉ではわかりにくいので実際に手袋をはめてみるとこんな感じである。
人差し指と小指が縫い付けられており、強制的にくっつけさせられる形になっている。

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これを30分はめると肩こりや腰痛などが緩和されるという。

いやー、それは単なるプラシーボ効果じゃないのか?

筆者はこの手の健康グッズはあまり信用しないので、即座に疑った。

筆者は肩こりがひどく、首、背中、腰も常に重だるい。
ちょうど社長とお会いしたときは、首の左側がひきつったように痛い上に、腰が10日以上痛かった。

だまされるつもりでこの手袋を30分はめてみた。
何がどうなったかはわからない。
べつにどこか体の部位に刺激を感じたわけではないが、30分が過ぎたころから、首と腰の痛みがマシになってきた。

これには驚いた。

社長と別れてから、夜、もう一度はめてしばらくすごした。
翌朝はさらに体全体のだるさが緩和されている。

そこから毎日、30分くらい手袋をはめるようにしているが、以前より肩こりがマシになっているように感じる。

近藤社長は、「もう洋服の縫製の注文は目に見えて増えることは考えにくい。それよりもこういうアイデア商材を新たに取り組む方が生き残れる可能性が高いのではないか」と話しておられ、本当にその通りではないかと思った。

筆者のようなド素人から見ると、形が変なだけの単なる手袋ではないかと思うのだが、実はミリ単位にまで注意を払って縫製しているという。だから少しズレただけで不良品になるため、不良品比率はかなり高いそうだ。

縫製工場の新しい取り組みとしては成功する可能性は低くはないのではないかと思う。
さっそく近藤社長は販売サイトまで立ち上げておられる。

http://www.wis5455.com/

洋服の販売不振はピークを迎えており、事態が好転することは今後もほとんど望めない。
もう「トレンド提案」だとか「アクセントカラーの提案」だとかそんな小手先だけでは洋服の売上高が回復することはありえない。

製造加工業の自立化も以前からいわれているが、商況が極度に悪い洋服という商品で、自立化を目指すのは並大抵ではない。

だとすると、こういうアイデアグッズ的、健康グッズ的な商材からスタートする方が理に適っているのかもしれない。近藤ソウイングという縫製工場が自立化を開始したのだが、そのとっかかりとしてはこういうやり方もありなのではないか。




イオンリテールは新レディースブランド「ムーディラ」で何を目指したのかよく分からない

 イオンリテールが9月10日にヤングレディースの新ブランド「ムーディラ」を渋谷109に出店した。

店舗をまだ見ていないので、店に関する感想を述べることはできない。

ただ、このブランドは何を目指しているのかが皆目わからない。
大手総合スーパー各社の衣料品は苦戦を続けているから、それに対してのイメージ向上だったり、新販路開拓が目的だと想像できるのだが、果してそれが実現できるかどうかは非常に怪しいと個人的には見ている。

大手流通企業がテナントとして他社商業施設に出店するという例は、三越伊勢丹の先例がある。
イセタンミラーや今年3月に改装を終えた大名古屋ビルヂングに初出店したイセタンハウスなどである。
凋落し続ける百貨店が、自主編集した商材を他社商業施設内でテナントとして販売するというやり方である。
基幹である百貨店事業において、既存店の売上高を増やすことも、百貨店の新店オープンをすることもかなり難しい。そう簡単に既存店の売上高が増やせるのならとっくに増やせている。

また目ぼしい立地にはすでにほとんど百貨店が出店しており、現在出店のない地域というのはもともとが売上高が見込めない。こういう状況で新たに百貨店を出店することは事実上不可能である。

となると、他社商業施設内にテナント出店をすることで会社としての売上高を増やすことは理に適っている。

イオンリテールのこのブランド出店も他社商業施設内にテナント出店することで会社としての売上高を増やそうという狙いは当然あるだろう。
まったくの推測だが三越伊勢丹のそういう動きにヒントを得た部分もあるのではないかと思う。

しかし、イオンリテールのやり方には現段階において疑問点しか残らない。

まず、イオンリテール本体の衣料品のイメージ向上が果たしてこのやり方で実現可能なのかどうかという点である。

イセタンミラーやイセタンハウスに倣うなら、イオンやイオンリテールという名称はどこかに残さねばならない。
トップバリュでも良いだろう。
「イオン ムーディラ」とか「ムーディラBYトップバリュ」とかが理想である。

だが、プレスリリースを読む限りにおいて「ムーディラ」というブランドがそういう表記をされているのを見たことがない。

おそらく先日オープンしたショップでもそういう表記がされていないのではないかと考えられる。

そうすると、一般消費者に対してムーディラとイオンの関係はまったく伝わらないということになる。
イオン側からすれば「プレスリリースを配布して、メディアも記事を書いているから多くの消費者に伝わった」と考えていると思うが、それはまったくの幻想にすぎない。

そんな告知記事なんてほとんどの消費者は気にも留めていない。
読んでいるのはメディア関係者と業界関係者くらいだろう。

仮にムーディラが大ヒットしたとして(可能性は極めて低いと思うが)、この展開方法では、ムーディラというブランドをイオンやイオンリテールとリンクさせて認識する消費者はほとんどゼロに近いと推測される。

じゃあ、このブランドを開始したのは何のためだろうということになる。

今後の新規ビジネスを想定して新たなノウハウを蓄積するために自社が苦手とするファッションブランドを開始したとも考えられるが、売上高は別として収益性が激烈に悪化しているイオンリテールに、失敗することが高確率で見込めるような新規ビジネスに投資できるほどの資金的余裕があるとは思えない。

逆に「イオン ムーディラ」とか「ムーディラBYトップバリュ」と表示したとすると、これはまたファッションブランドとしては売りづらくなる。
昨今では「イオンモールはファッショントレンドをけん引している」なんて言説もあるが、田舎のファッショントレンドをけん引しているのはイオンモールに入店するテナントブランドであって、決して「イオンモールそのもの」がトレンドをけん引しているのではない。
イオンモールに入店しているテナント店に対してファッションイメージを抱く消費者はいるだろうが、「イオンモールそのもの」にファッションイメージを抱く消費者は極めて少ない。

イオンのイメージ付けがファッションブランドに対しては逆効果になると考えたから、あえて「ムーディラ」のみの表記にしたのではないか。

となると、ムーディラが売れようと売れまいとイオンやイオンリテールに対するイメージ向上にはあまり役に立たないということになる。

じゃあ、一体何のためのブランド開発なのかとますますわからなくなる。

ムーディラ自体はどうかというと、ルック画像を見るにおいては「極めてフツー」という感想しかない。
平均とか標準とかいう表現しかできない。

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(ムーディラの商品画像)

「気まぐれな女の子の心を掴む、おしゃれでラフなスタイル“Girl’s street style”」をテーマに、スニーカーを軸としたストリートスタイルのファッション。

コアターゲットは23~25歳の女性。

2018年を目途に駅前のターミナルビルやファッションビルを中心に15店舗の出店を目指す。

アイテム数は、アパレルや雑貨(シューズを含む)約110アイテムで、
価格帯(税込)はトップスが2,149円~7,549円、ワンピースは5,389円~7,549円、デニムは税込7,549円~11,869円、アウターが7,549円~15,109円など。

とのことだが、ルック画像を見る限りにおいては、23~25歳向け女性より下の年代がターゲットに見える。
大学生向けブランドではないかと思う。

23~25歳という年代は、もう就職している。
昨今は女性の方が就職内定率が高いからほとんどの女性が企業に就職していると考えられる。

そうした女性がこんな「ストリートカジュアル」を好んで着るだろうか。
間違いなくこの服装は多くの会社でNGである。

ストリートファンの女性ももちろん存在するだろうが、着用頻度は学生時代に比べて極めて低くなる。
週に2日着るか着ないかだろう。
そんな着用頻度が低い服を頻繁に購入する23~25歳女性がどれほど存在するのか。
独身で可処分所得が多いとはいえ、初任給は20万円前後であるから、都心で暮らしているならそこまでゆとりはない。

出店場所が都心ターミナルなのだから、ターゲットも当然都心近郊に住んでいる女性と考えるべきだろう。
そうすると、そもそもターゲット設定と商品のテイストがミスマッチなのではないかと思う。

価格はイオンのトップバリュよりも1ランク上という感じに見える。
決して高すぎるとは思わないが、リーズナブルだとも思わない。
価格で言えば、他の109ブランドと横並びだろうと思うから特別に価格競争力があるわけではない。

商品のデザインが特徴があるかと言われると、さっきも書いたように「極めてフツー」としか言いようがない。

となると、強烈なアンチも発生しない代わりに強烈な支持者も生まれにくい特徴のないブランドということになる。

それに凋落しきっている渋谷109へに第1号店を出店するというのもなんだか微妙な選択である。
「ファッション=若い女性=渋谷109」というステレオタイプな発想はいかにも脂ギッシュなオッサン的である。
華麗なる加齢臭が漂うほどオッサン的だ。

独自のファッションブランドを開発したいという意欲は理解できるが、イオンに限らず大手総合スーパーはこれまでの開発手法と固定概念を見直すべきではないか。そうでなくては、100年やってもファッションブランド開発なんて成功しない。




白いズボンでも透けにくいグンゼYGは女性向けを作ったら大ヒットするのでは?

 今日は小ネタを。

先日、グンゼの2017年春夏展示会にお邪魔した。
毎回、肌着、靴下、ストッキング、パジャマと盛りだくさんである。

今回、これはアイデア商品だと思ったのがあった。
グンゼYGカットオフのパンツである。ズボンではなく、肌着のパンツである。

サンプルでいただいたトップスはこの夏重宝した。
薄手の丸編み生地でありながら、袖口、首回り、裾とすべて切りっぱなしで段差がない。
段差がないからワイシャツの下に着ていても透けにくくクールビズに最適である。
しかも綿素材が主体なので、合繊主体のエアリズムに嫌悪感のある中高年にはピッタリではないかと思う。

筆者はフリーランスになってから冠婚葬祭以外ほとんどワイシャツを着用しないので、Tシャツの下に重ねたのだが、生地が薄いのでTシャツの下に重ねるのにも重宝した。

それのパンツ版である。

で、ディスプレイを見てなるほどと思ったのだが、白いズボンの下に着用すると透けにくいのでこういう需要はあるのではないかと思った。

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(白いズボンでも透けにくいグンゼYGカットオフのベージュのロングパンツ)

昨今、好き嫌いは別として(こう書かないと、クールビズはダサいって言ってくるめんどくさい業界関係者がいるからね)、クールビズが定着している。
夏場の白っぽい綿パンはクールビズの定番でもある。

またカジュアルシーンでもホワイトジーンズも含めて白いズボンはここ数シーズンで定番化している。

白いズボンは清潔感があって、涼しげなイメージがあるが、一つ問題がある。
下着が透けやすい。
とくに昨今はコスト削減の影響からか生地が薄くなっていてただでさえ透けやすい白いズボンがさらに透けやすくなっている。

オッサンの肌着パンツが透けてて、それを見て嬉しく思う人間はほとんどいない。
透けるというのは不思議なもので、肌着パンツのまま歩いているよりもいやらしく見えてしまう。(笑)
15年位前なら、ブリーフ派のおっさんが少なからず世間を闊歩しており、白ズボンのお尻にブリーフのラインをくっきりと浮かび上がらせていて、今のボクサーブリーフが透けているよりもダサく見えていたが、現在はブリーフ派のオッサンはほとんど消滅しており、その分、まだ透けていてもマシに感じる。

が、まあ、オッサンに限らず野郎の肌着パンツなんて透けないに越したことはない。

そういうわけでこのグンゼYGカットオフの肌着パンツは、透けにくいから白ズボンスタイルに最適ではないかと思う。

で、会場で商品を見ていてふと思ったのだが、これは男性用だが、もしかしたら女性用に改良したほうが売れるのではないかと。

白ズボンが定番化しているのはレディースも同様だ。
さらに白スカートも定番化している。

で、レディースのズボンの方がメンズよりも生地が薄い場合が多い。
これは女性の方が、男性よりも柔らかくて軽い生地を好むことが多いからなのだそうで、それは白ズボンにも適応されている。
レディースに比べれば肉厚感のあるメンズの白ズボンですら肌着のパンツは透けやすいのに、それよりも薄いレディースの白ズボンは透けないわけがない。

実際に街で少しゆっくりと見てみるといい。

白ズボンを穿いた女性の体感では8割くらいは下着のパンツが透けている。(当社調べ)
最近、性欲の減退も著しいし、女性肌着のファッションショーなんかも見慣れてるから、それでムラムラしたりはしないが、あんまりスケスケなのもナントカならないのかと思ってしまう。

白スカートになるとさらに生地が薄い場合がある。
中にペチコートがついていたとしても結構スケスケの場合があって、本人はこれを気付いているのかと不安になることがある。たまに注意してあげようかと思ったこともあったが、そんなことをしたら確実に変態認定されてしまうので黙っていた。

このグンゼYGカットオフのベージュを女性用に改良すれば、そういう「スケスケおパンツ事件」は随分と減るのではないかと思う。
もちろんメンズにも重宝されるとは思うが、レディースの方が需要は大きいのではないか。

グンゼYGカットオフベージュの女性版肌着パンツを開発すれば、大ヒット商品になりそうな気がする。




ブルーウェイブランドが今秋から正式に復活

 昨年6月に倒産したブルーワークスカンパニーが展開していた国産ジーンズブランド「ブルーウェイ」と国産スラックスブランド「コントライバンス」の復活が正式に決定した。

昨年倒産したブルーウェイのブランドが復活
https://www.wwdjapan.com/fashion/2016/08/16/00021246.html


といっても、ブルーワークスカンパニーという会社が復活するわけではない。
元ブルーワークスカンパニーの社員が商標権を取得して、今後は企画製造・販売を行うということである。

元ブルーワークスカンパニーの中田直樹氏が、かつての得意先からブランド消滅を惜しむ声を受けて、新会社はね(東京)を設立し社長に就任。今年6月から「コントライバンス」のテスト販売を開始していた。今後は同ブランドの企画・製造、および「ブルーウェイ」の関東地区での卸売りを営業代行として行う。また、元同社の営業部長であり、両ブランドの商標を所有する山本聖人氏は、新会社じんくら(広島)を立ち上げ、西日本で卸売りを担当する。

という経緯だ。

実は今年の6月くらいから「ブルーウェイ」の新商品が出回っているという情報を耳にしていた。
正式に復活したという報せは受け取っていなかったので、おかしいな?と思いながら、もうすぐ正式にブランドが復活するのではないかと推測していた。

もともと昨年6月に倒産したブルーワークスカンパニーだが、その後、同業の何社かが商標獲得に手を挙げたという噂を耳にしていた。
その中の三備地区の某量販店向けカジュアルパンツメーカーがもっとも商標取得に熱心だとも聞いていた。

まったくの第三者的立場から見ると、その某社は旧ブルーウェイの本社とも近隣にある上に、主力商材は1900~4900円の量販店向けの低価格カジュアルパンツであることから、7900円以上の高価格帯のブルーウェイの商品を扱うには打ってつけだった。
自社の主力商品とまったく被らないから住み分けしやすく、新販路獲得もしやすい。
部外者としてはその某社で決まりだろうと勝手に思い込んでいたが、元社員が商標を獲得するというのは予想外だった。

しかし、心情的に考えれば、商標に愛着を持っていた元従業員が獲得するほうがしっくりとくる。

今後の商況がどうなるかはわからないが、ブランドにとっては一番良い結果だったのではないかと思う。

ただ、正式に復活したといっても、商品の供給過多な状況下において、売れ行きが易々と伸びる可能性は低い。
コツコツと小さい売上高を積み重ねるという売り方になると見たほうが良いだろう。

今回、復活発表に先立って、株式会社はねの中田社長から「コントライバンス」のトラウザーをサンプルでいただいた。
濃紺ストレッチデニム素材とカラーストレッチピケ素材があったのだが、ストレッチデニム素材を送っていただいた。

サイズはL(32インチ)を選んで正解だった。
ストレッチ素材ということもあって、ウエストはおそらくM(30インチ)でも合ったのではないかと思う。
なぜなら少し伸びるからだ。

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しかし、筆者の太ももとふくらはぎは太い。
Lでも意外にピタっとするが、Mならレオタード状態になってしまっただろう。

太短い脚のおっさんがシルエットを露わにするのは、他人が見て気持ちの良いものではないだろう。
筆者自身もわざわざそんなものを他人に露出したいとは思わない。

デニム素材だが、表面はフラットで変な凹凸感はない。
中田社長に聞くと「通常のデニム生地なので洗濯を繰り返すうちに色落ちする」そうだが、わざわざ説明せねば、洋服に詳しい人以外はこれがデニム生地だとはわからないだろう。
それほどにフラットな表面感である。

組成は綿98%・ポリウレタン2%だが、表示から予想するよりもストレッチ性は高いように感じる。

丈は8分丈で今風である。

デニム生地特有のズッシリ感もなく、むしろ、合繊が含まれているかと思うくらいに軽さがある。

いわゆるオフィスカジュアルにも着用が可能だ。

今後、色落ちするとどういう見え方になるのか穿き込んで実験してみたいと思う。

ウェブサイトでも通販が開始されているので気になる人はこちらを見てもらいたい。

http://contrivance.jp

さて、ブルーウェイの歴史について検索してみたがウェブ上では出てこない。
そこで昭和63年発行の古い業界誌を引っ張り出してみると、創業は昭和24年とあるから、1949年になる。

ここからは推測だが、この時期に日本では国産ジーンズは誕生していない。
日本で国産ジーンズが作られるようになったのは1960年代以降である。
それに際して、作業服メーカーや学生服メーカーがジーンズメーカーに転身している。
ブルーウェイも創業当時はそういう被服を扱っていたのだろう。

その後、93年にインポートブランドを扱う関連会社としてブルーワークスカンパニーが設立される。
ジーンズチェーン店が相次いで倒産するなどして、ブルーウェイの業績が年々低下し、2012年にブルーワークスカンパニーがブルーウェイを吸収する形で事業を継続した。
しかし、その後も業績の悪化は止まらず2015年6月にブルーワークスカンパニーも倒産した。

それにしても昔はもっとたくさんのジーンズメーカーがあった。
ちょっとページを繰ってみると、フジタツ、ドット、大石貿易、日本ハーフ、サンダイヤアパレル、帝人ワオなどの社名が並んでいる。

各社の年商を見ると最低でも10億円を越えている。
ジーンズをやっていれば儲かった時代だったというわけだ。

作りさえすれば売れていたのが70年代と80年代だった。
一転したのが90年代後半からで、現在の状況に至る。

仮に75年に創業したメーカーがあったとして、不況が押し寄せたのは97年ごろだから、優に22年間の猶予があったといえる。
前半の15年はイケイケドンドンだったとして、残り7年間で社内体制を一新することはできなかったのだろうかと部外者としては疑問に感じる。

しかし、筆者がもし75年当時の社員だったとして、97年に不況が押し寄せても「変わらなければ生き残れない」などとは考えられなかっただろう。
当然経営者も同じだっただろう。

その結果、2000年に入る前に多くのジーンズメーカーが淘汰され、2000年代になってもまだ淘汰が進んだ。

先ごろ、WWDで恒例のジーンズ特集号が発売されたが、ナショナルブランドのジーンズメーカーとして掲載されているのはエドウインとリーバイ・ストラウス・ジャパンだけである。
あとは年配の人なら耳にしたことがないようなインポートブランドやSPAブランドばかりである。

筆者が業界紙でジーンズ関係を担当したのが98年だから、たった18年でガラっと様変わりしたということになる。

ブルーウェイブランドの復活とともに改めて「昭和は遠くになりにけり」だと感じた。



国産Tシャツブランド「ナインオクロック」は「お!値段以上」を実現できるか?

 さて、今日は気分を変えて。

昨日、午後9時に国産Tシャツブランド「ナインオクロック」が正式スタートとなり、同時に直営通販サイトも稼働開始した。

http://9oclock.co.jp/

価格は3500円(税抜き)で、これが高いか妥当かは意見の分かれるところだろう。
オープンに先立って、サンプル品が送られてきた。
60番手のスムース素材だが、光沢があり、ちょっとしっとりとした触感がある。
おそらくシルケット加工か何かを施しているのではないかと思う。
縫製は岩手県久慈市のアクティブという工場が担当している。

形はややタイトで、46歳のオッサンはLサイズでピタっとした感じになる。

これを開始したのは香取正博さんという若い衆なのだが、彼はアパレル勤務経験がない。
もちろん繊維素材メーカー勤務の経験もない。

元オーナー美容師で、都内で2店舗を経営していたが売却して、Tシャツを作って売りたいと思い立ったそうだ。
繊維業界に対して明るい展望をまるで持てない筆者からすると「その選択はどうなん?」と首をかしげざるを得ない。
その香取さんと出会ったのはちょうど1年前である。
昨年5月の東京テキスタイル・マルシェ会場にひょっこり現れた。

「Tシャツ作りたいけどどうすればいいんですかね?」というすさまじくバックリとした質問を投げかけてきた。
一応、縫製工場はこの時点で岩手県の久慈市に目星をつけているようだったが、生地の仕入れ先をまるで知らなかった。

東京マルシェの会期が終わって、丸編み(Tシャツの生地は基本的に丸編みという編み方)生地に強い生地問屋を何社か紹介した。

最初は丸編み生地工場を紹介しようかと思ったが、工場はあくまでも工場でさまざま種類の生地を備蓄しているわけではない。むしろ、「こんな生地がほしい」というのが明確でないときは、さまざまな生地を備蓄している問屋のほうが選びやすい。
工場と直接やる場合は「〇番の糸を使ってこんな風に編んでほしい」というのが明確にあるときだけである。

どうも筆者のところに来るまでに何社かにはバックリとした質問を投げかけて断られた様子だったが、当然といえば当然だろう。

生地問屋各社で何種類もの生地を見せてもらったがなかなか決まらない。
というか香取さんが決められないのである。

筆者は基本的に薄い生地のTシャツは嫌いで分厚い生地のTシャツが好きである。
理由は汗かきなので夏だと薄地のTシャツはすぐボトボトになる。
だから夏に着るのは分厚い生地のTシャツにしている。薄地のTシャツは汗をかかない季節にシャツやニットの下に着ている。

しかし彼は割合に薄地のTシャツを好む。
ただ、ベルシュカあたりで販売されているあまりにも薄すぎる生地はいやだそうで、そのあたりのこだわりは本人の語彙力の乏しさもあって周りの人間にはなかなか伝わらなかった。

でそんな感じでグダグダしたまま11月になった。

正直なところ、この企画は流れるのかなあ?と思っていたが、11月に訪ねたところで「とりあえず気になる生地をいくつか選んでそれをサンプルに仕上げてみましょう。生地だけ見ててもわからないですよ」といわれ、なるほどそうだということで、サンプル縫製に入ってやっと動き始めた。

その後、彼はわざわざ縫製工場のある岩手県久慈市に引っ越してしまったので、今年に入ってからは会っていない。昨年の11月のサンプル縫製からそのあとどのようにして今の生地を選定したのかは詳細を聞けていない。

で、ネット通販用のサイトだがこれも当初の予定から遅れに遅れてしまって、傍から見ていてどうなることかと心配したが何とかオープンにこぎつけた。

サンプルが入っていた箱はこんな箱である。

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白と黒のVネックを1枚ずつ送ってもらった。

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白だけを洗濯して天日干ししてみたが、縦はほとんど縮まないが横幅はだいたい3センチほど縮む。
どんなTシャツでも洗濯して乾燥させれば、縮むのでこれは当たり前である。
ただ、縮み方にもさまざまあり、縦横ともに縮むTシャツもあるが、この「ナインオクロック」は縦にはあまり縮まないようだ。

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そうそう、ブランド名の「ナインオクロック」だがその由来は、久慈産=クジ=9時=9’oclockというわけである。

そんな感じでようやく始まったブランドだがこれからどうなるのか予断を許さない。

彼の取り組みを一連サポートしてみて、いわばど素人ですらお金さえ払えばオリジナル商品が作れるという業界インフラの整備され具合に改めて驚いた。
ブランドを展開するには、シーズンごと・年間通じての商品計画が必要である。
これをマーチャンダイジングと呼ぶがこれがまともでないと「ブランド」として商品は売れにくい。
もちろん筆者も彼もマーチャンダイジング担当者(マーチャンダイザー)として仕事をしたことがないから、シーズンごと・通年でのマーチャンダイジングは組めない。

しかし、単品だけでよければ、業界の製造インフラは極度に整備されているため、ど素人でも製造することが可能なのである。

これは今に始まったことではなく、すでに2000年ごろには今とほぼ変わらない業界インフラが整備されていた。
2003年の時点ですでに、ある倒産したカジュアルメーカーのベテラン社長は「業界には製造インフラが極度に整備されているから誰でもすぐに物が作れる。この参入障壁の低さがこの業界の特徴だ」と話しておられたくらいである。

業界の製造インフラが整った理由は、政府や行政が整えたわけでもなく、大手の有志が理想を掲げて整備したわけでもない。
倒産やリストラ、独立が繰り返され、そういった人々が自衛のためにOEM/ODM企業を立ち上げた結果である。
いわば自然発生的に業界に製造インフラが整った。

単品を作るだけで良ければ、ど素人にだって簡単にできてしまう。
しかも品質は通常のメーカー品と変わらない。

じゃあ仮にも「ブランド」を名乗っていたら、それと同じレベルだと消費者から支持されないのは明白だろう。
ど素人の単品作りでは到底追いつけないブランドの強みとは何か?
そこを忘れて製造インフラに丸投げ依存しているから、現在のブランドの凋落があるのではないか。
製造インフラに丸投げ依存して原価率を下げることしか考えていない「ブランド」が凋落するのは何の不思議もない。




アウトドアっぽくない撥水ジャケットに注目

 さまざまな評価はあるだろうが、個人的には素材の上質感を謳うよりは機能性を謳ったほうが需要が多いのではないかと思う。

今春夏で注目が多いと感じるのは、撥水・防水機能である。
今まで撥水・防水機能というと、ゴアテックスという素材ブランドに代表されるように本格的なアウトドアブランドが多かった。
山などで急な雨に降られたケースを想定して、それをブルゾンなどに使用するブランドが多く、日常着ではあまり取り入れられてこなかった。

しかし、よく考えてみれば日常着でもそういう機能がついていれば便利だ。

とくにバッグや靴は便利である。
ほんの15年前くらいまでは、雨用の靴というとゴムの長靴ぐらいしか存在しなかった。
そういえば、筆者の祖父はまだ現役当時、雨の日は背広に長靴を履いて出社していたが、最近そういう姿のサラリーマンは見かけない。
スーツとゴム長靴というコーディネイトはいつごろから消えてしまったのだろうか。

筆者の父もそういう服装で通勤していた時期があったと記憶している。

ご存知の方がおられたらお知らせいただきたい。

それはさておき。

10年位前からレディースではおしゃれな長靴が増えた。
それによってレディースではさまざまなデザインのレインシューズがリーズナブルな価格で登場している。

メンズのビジネスシューズだと2万円超の防水シューズは少数のブランドから発売されていたが、リーズナブルな価格の商品はいまだに安っぽい表情をしている。
あとはアウトドアブランドの防水ブーツくらいしかなく、リーズナブルな価格でスニーカーとかカジュアルシューズでの防水機能付きというのはなかなかなかった。
それがようやく5年ほど前からちらほらと表れてきた。

今度、スペルガが防水機能スニーカーを発売する。
これを買ってみたいと思う。

バッグだが、自転車で最寄り駅まで通う人間にとっては防水機能は必須である。
傘をさしていてもバッグはずぶ濡れになる。
中の本や書類が濡れるのはちょっとつらい。

そんなわけで4月と5月で防水リュックを1つずつ買った。
出張用に45リットルのナイキを、日常使いとして24リットルのホットスタイルを。

次にほしいのが撥水・防水ジャケットである。
これまではアウトドアブランドの商品しかなく、アウトドアブランドはともすると街中では着辛いデザインが多かった。
それと防水ジャケットというといわゆるレインコートだが、筆者は中学生時代にレインコートを着用したことがあるが、通気性が悪く秋冬は良いが、夏場はサウナみたいになってしまった。
これがあるので今まで防水ジャケットは着用したくなかった。

防水しながら湿度を逃がすゴアテックス素材ならそういう悩みを解決してくれることはわかっていたが、これを使った製品はかなり価格が高い。
5万円を超えるような商品も珍しくないし、低価格品には使われていない。

防水または撥水機能があって透湿機能があって値段が安くて街中でも着やすいデザインの商品があればよかったのだが、これまではそういう商品をあまり見かけなかった。

が、今春夏はそういう商品がいろんなブランドから発売されており、撥水・防水ジャケットの需要が高まっていると感じる。逆にそれくらいしか消費者が注目するような機能を見つけられなかったということだろうか。

ビューティ&ユースでは18000円くらいで防水ジャケットが売っている。
しかもテイラードタイプだから街中でも着やすいし、ビジネスでも着用できる。
ほかに3万円台のもあるし、もっと高いのもある。

18000円のがほしいとも思うが買えないので、さらに低価格代替品を探してみた。

あった。
ライトオンに6900円でテイラードタイプのがある。
帝人フロンティアの機能素材だそうだ。そうタグに書いてある。

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(ライトオンの通販ページの画像1)

同じ素材でデザイン違いでコートタイプとM65タイプの2型がある。
こちらは両方とも7900円である。

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(ライトオンの通販ページの画像2)

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(ライトオンの通販ページの画像3)

透湿機能もついている。
しかし、筆者は極力低価格で買うことを目指しているから、これが値下がりするまで待つつもりでいる。
3割引きくらいになったら買おうとテイラードタイプのを買おうかと思う。
半額に下がるまでには売り切れるというのが個人的な予想だ。

かわりに同じライトオンで1900円の撥水パーカを買った。
黒と紺の2種類があるが、黒はオンラインショップではすでに売り切れである。

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なんだか知らないブランド名を書いたタグがつけられているが、製造元は岐阜のメンズカジュアルメーカー水甚である。
だいたい量販店系のところに卸売りをしている老舗である。
同業他社には岐阜武というメーカーもある。
量販店やメンズカジュアルチェーン店を両社とも得意先としている。

昔はもっと野暮ったいいかにも量販店系のデザインの商品が多かったが最近では随分と見た目はマシな商品が増えている。
そういう意味では進歩しているといえる。

ポリエステル100%で、撥水、透湿機能がある。
防水ではないので大量の雨だと濡れる。

ユニクロのポケッタブルパーカと同じような素材感だが、こちらは新価格で3990円である。
旧価格なら4990円だ。撥水機能があるとはいえ、ちょっと高額すぎる。
これなら水甚のこれを買ったほうがずっとお得感がある。

素材名はダルシャインとタグに書いてあるが、素材メーカーの名前はない。
決して「だる社員」ではない。筆者もサラリーマン時代は相当に「だる社員」だったが、そういう社員は世の中掃いて捨てるほど存在する。

で、気になってちょっと尋ねてみた。

関係者から寄せられた答えは、水甚が決めた名称で、基布自体は中国製だそうだ。
中国で作られた機能素材に日本のメーカーが自社用の名称を与えたということだろう。

国内の素材メーカーが開発した機能素材が全般的に優秀だと考えているが、簡単な機能素材であればもはや中国でも開発できるようになっている。圧倒的な機能差があれば別だが、ほとんど差がないような場合は価格が安い中国製が選ばれるということである。
単なるスペックだけでの打ち出しならいつかは負ける可能性もある。
国内素材メーカーはその部分に注意が必要だろう。

まあ、そんなわけで「だる社員」ならぬダルシャインのパーカを購入して着用してみたのだが、なるほど35年ほど前に着用したレインコートよりは蒸れが少ない。たしかに透湿機能はある。
お買い得商品の一つと言って差し支えないと思う。

それにしても便利な時代になったものである。低価格で機能商品が手に入り、しかもデザインも悪くはない。

衣料品ブランドに限らず各分野の商品はこういう競争を強いられており、それが嫌だというなら違う売り方を模索するほかない。



新鮮で割安感のある商品は売れる

 衣類が売れにくいといわれているが、目新しくて値ごろ感のある商品はやはり売れる。
ただ、筆者も含めた多くの人は「テイスト」だとか「風合い」だとかの目新しさについては理解がしづらい。

「このテイストは斬新」なんて雑誌やテレビで言われたところで、それに大枚をはたいて買わねばならない価値を見出しにくい。
「テイスト」やら「トレンド」しか目新しい物を提供できないから衣類、とくにファッション衣料は売れにくいのではないかと思う。そういう「テイスト」やら「トレンド」やらの目新しさこそがファッション衣料の価値だから、仕方がないことなのではあるが。

目新しさでわかりやすいのが「機能性」だと思う。

ユニクロがかつてヒートテックで大ヒットを飛ばしたのは「機能性」と「価格の割安感」だった。

肌着メーカーを取材していると、一昨年の秋冬くらいから、この保温肌着類の売れ行きが目に見えて鈍ってきたという。2015年の秋冬は暖冬傾向も相まってさらに保温肌着類は苦戦した。

メディアが「苦戦」なんて報じるとまるで一枚も売れていないかのように感じてしまうことがあるが、そんなことはない。実際に保温肌着は一定の枚数は売れる。ただし前年を大幅に越えるような状況ではないということである。
例えば、ユニクロの店頭で見ていても秋冬になると必ず毎日何枚かはヒートテックが売れる。
もうたくさん持っているだろうと思うのに、一人で複数枚を買う人もいる。

保温肌着の売上高が伸びなかった代わりに好調だったと言われるのが、保温ズボンであろう。
ユニクロの防風ジーンズやエドウインの保温ジーンズの類である。

先日、カイタックファミリーの展示会にお邪魔した際にも、量販店向けのレディース保温ジーンズ類が好調で、2016秋冬向けも多数のオーダーが入っているそうだ。

東洋経済オンラインに

しまむら、V字回復の理由は「値上げ」にあった
http://toyokeizai.net/articles/-/112480

という記事が掲載されているが、この「値上げ商品」とは3900円の裏地付の保温ズボンだと報じられている。
先日のカイタックファミリーの量販店向け商材もちょうど同じ価格帯である。

一方、エドウインで尋ねてみると、7900~9000円くらいの専門店向け保温ジーンズは好調だったが、一部チェーン店向けに企画製造している4900円商品は不調だったという。

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(エドウインの専門店向け保温ジーンズ)

4900円商品が不調だった理由はおそらく、その下をくぐる3900円、2900円ラインの他社製品が充実したためではないかと考えられる。

ジーンズ、カジュアルパンツという商品群で見ると、6900円以上が専門店向け商品とされ、それ以下は量販店向け商品とされている。
量販店には1900円、2900円、3900円、4900円、5900円の価格帯があるが、メインとなるのは1900~3900円で、よほどの「何か」がないと4900円、5900円はあまり量は売れない。
なぜならこのくらいの価格帯になるとSPAブランドや一部専門店でも販売されており、そちらの方がブランドステイタスが高いからだ。

今までエドウインの4900円保温ズボンは、「機能性」という「何か」があったわけが、他社からほぼ同じような機能性のある2900円、3900円商品が登場すると、人は同じような物なら安い方で買うから、そちらに流れたと考えられる。

東洋経済の記事は、しまむらの回復を値上げにあると指摘しているわけだが、それは半分正しく、もう半分は保温ズボンという新ヒット商品を見つけたからではないかと思う。
しまむらほどの規模になると販売数量が劇的に伸びることはよほどの事件がない限りはありえない。数量が変わらない状況で売上高を伸ばそうと考えるなら価格を上げるしかない。
3900円に上げたことが正解だったのではなく、「3900円で保温ズボンという新ヒットアイテムを販売した」ことが正解だったといえる。

ユニクロは今春から再び値下げ傾向になっているが、昨年12月・今年1月の苦戦?(他のアパレルに比べると苦戦ではないと思うが)の原因が値上げだと考えられることから、価格政策を批判する記事が相次いだが、ユニクロがさらに売上高を伸ばそうと考えるなら値上げがもっとも正しい選択肢の一つであることは間違いがない。
それが消費者に受け入れられるかどうかが問題ではあるが、「値上げ=悪」ではない。

それはさておき。

ヒートテックをはじめ、各社の保温肌着を腐るほど持っている消費者は、今後、保温肌着をまとめ買いすることは考えられない。せいぜい2,3枚を毎シーズン買い替えるだけだろう。最早、現在の低価格保温肌着は買い替え需要しか存在しない。
今後、画期的な新機能やら新素材が出てくれば別だが、従来品のアップデート版では爆発的に売れることは考えられない。

そういう消費者がいまだに所有していなかったのが、保温ズボンであろう。
この商品は2016秋冬も売れるだろうし、2017秋冬も売れるのではないか。とくに量販店価格帯の商品は。
量販店価格なら3900円が主戦場となり、4900円で売るためにはあっと驚くような「何か」が必要となる。

しまむら、カイタックファミリーの商品が売れたのは、手持ちが少ない新鮮な商品だった上に、価格帯に割安感があったからだ。

しかも各社の保温ズボンの見た目は向上している。
通常のジーンズ、カジュアルパンツ類とほとんど見分けがつかない。
シルエットも通常のスキニーと変わらず細身を実現できている。

やはり、「新鮮で割安感のある商品」は売れるのである。
ただ、業界人の考える「新鮮さ」と一般消費者が求める「新鮮さ」が乖離しているのが、昨今の状況であり、これが衣料品不振の原因の一つではないかと思う。




オッサンが着用すると間違いなくダサく見える最新アイテム

 今から20~30年くらい前、亡母がテレビを見ながらこんなことをよく言っていた。
「私らが若いころに流行った服がまた流行している。私らはあれの何が良いのかよくわからん」と。

今年46歳のなる初老の筆者も最近のファッション傾向を見ていて、同じ気持ちになる。
確実に年老いていることを実感する。
とくに3年くらい前からバブル期のファッションがリバイバルするようになってそう感じるようになった。

今から20~30年くらい前のファッションが断続的にリバイバルしている。
例えばクラッチバッグ。どうしてもバブル期にオヤジ連中が小脇に抱えていたセカンドバッグに見えてしまう。
若い人が抱えていると新鮮に見えるが、30代半ば以上の男性が抱えていると、25年前の商品を引っ張り出してきたように見える。

そう、バブル期前後のリバイバル商品は今のオヤジ世代が身に着けると危険である。
一部の例外的オヤジを除いて、9割くらいのオヤジはバブル期そのままの風情になってしまう。

先月から断続的に今秋冬向け展示会にお邪魔している。
業界紙記者時代とは異なり、体系立てて訪問できるわけではないので、お付き合いのあるブランドをいくつか覗かせてもらうという形になる。

そうすると、そこでは筆者が20代に見たアイテムがリバイバルされていることが多くて驚かされる。
とくに今秋冬向けアイテムはその傾向が強い。

今回はオッサンが着用すると間違いなくダサく見えるアイテムをいくつか紹介したい。

懐かしのジーンズブランド「リベルト」の復活。
以前、エドウインが企画生産していた「リベルト」が久しぶり(たぶん10年ぶりくらい)に復活する。
今回は、エドウイングループのリー・ジャパンが企画生産し、ドリームワークスが卸売り営業を担当する。
以前の常見時代のエドウインなら考えられない他社との役割分担で、このあたりは伊藤忠商事効果なのかもしれない。

今回、展示会で見たところ2品番だけだったのだが、「アイダホ」という品番のデニム生地を見て驚いた。
ちょうどバブル期に各社で良く使われていた表面感の生地である。
これをワンウォッシュと懐かしのストーンウォッシュの2色で展開する。

縦落ち感のないワンウォッシュと、全体的にのっぺりと色が薄くなるあの懐かしのストーンウォッシュである。

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(縦落ち感のないワンウォッシュ)

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(懐かしのストーンウォッシュ)

このストーンウォッシュを見ていたら、ジーンズのポケットの中からよく丸っこい軽石が出てきたことが思い出される。

96年ごろから始まったビンテージジーンズブームから縦落ち感が重視され、ところどころに大きな節(フシ)のあるスラブヤーンがデニム生地に使われるようになったがそれ以前のデニム生地はこういう顔をしていた。
ヒゲ加工が生まれたのもビンテージジーンズブームから。
それ以前は全体的にのっぺりと色を落としていた。

それを再現している。しかし、今回は表面感は同じでストレッチ混である。

これは若い人たちには新鮮ではないかと思うが、オヤジが穿くとダメである。
絶対にバブル期そのままの姿になる。
バブル期のコスプレがしたい人はぜひとも挑戦してみてほしい。

次はアルファインダストリーのアイテムである。

まずスカジャン。
襟なしアイテムの人気からMA-1が復活し、その派生でスカジャンに注目が集まっている。
個人的にはスカジャンというアイテムは好きじゃなく、これが似合っている日本人男性は老若ほとんどいないと感じる。相当に顔面と体型偏差値が高くないと似合わない。
それでも若い人の着用は何となく許せるが、オッサンが着ると大概は目も当てられない。
若いころのヤンチャ(笑)ぶりを自慢する老ヤンキーにしか見えない。

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これはリバーシブルで、裏返すとMA-1としても着用できるお得アイテムだ。
筆者は絶対に試さないが、興味のある人は試してもらいたい。

ここ8年間くらいズボンのシルエットはタイトが主流だが、トレンド最先端としてワイドシルエットが注目されている。しかし勘違いしてはいけないのは、マス層は依然としてタイトシルエットで、先端層がワイドを注目しているという点である。
そこでこんなダボっとしたカーゴパンツが打ち出された。

オッサンがこれを穿いたら間違いなく作業員に見える。
超イケてるオッサンがかろうじて刑事ドラマ「相棒」に登場していた亀山薫に見える程度で、筆者も含めたそこらへんのオッサンは間違いなく作業員に見える。

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亀山薫はダボっとしたカーゴパンツにアルファインダストリーのトップスを合わせていたから、亀山薫のコスプレをしたい人にはちょうど良いかもしれない。

これにレザーのライダースジャケットを合わせると懐かしのチーマー風情が出来上がる。
髪型もサラサラロン毛にすればかなり再現度は高い。
オッサンが年老いた元チーマーになってみるのも面白いかもしれない。筆者は絶対にしないが、笑いは取れるだろう。

オッサンが多少なりとも「イケてる」風に見えるためには、ちょっと綺麗目にまとめる方が無難だ。
パンツは細身で全身をトラッドテイストとかアイビー・プレッピーテイストにまとめる。
これで高感度は少しは上昇する。
下手に全身アメカジとかイタカジにまとめると元ヤンキーとか水商売好きのイタイオッサンに見えてしまう。

「相棒」オリジナル・サウンドトラック(通常盤)
TVサントラ
エイベックスイオ
2008-10-22


杉下右京の密室 (朝日文庫)
碇 卯人
朝日新聞出版
2016-03-07


相棒 season 1 DVD-BOX
水谷豊
ワーナー・ホーム・ビデオ
2006-11-03


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