カテゴリー: 売り場探訪 (1ページ / 6ページ)

スニーカーのSTEPは圧倒的な安さ

早いもので、今年ももう10月である。年内も残り3か月を切った。
来年は年男である。黒沢年雄ではない。

年が明けると、36歳の年男と言いたいところだが、48歳の年男で、次の年男は還暦である。
もう人生の終わりが近いことを痛感するばかりだ。

10月にもなっていうことではないが、今年はユニクロ以外で靴を買っていなかった。
今年買ったのが、ユニクロUのキャンバススリッポン2足である。

白と黒を1足ずつ買った。990円に値下がりしたときに買った。

今秋冬もこのキャンバススリッポンは継続されるので、また990円に下がったら買いたい。
形は昨年に発売したキャンバススリッポンの方が美しいが、インソールのクッション性は今年の方が上だ。
長時間着用して歩いたり立ち仕事をしてもまあまあ耐えられるレベルにある。

そんな状況だったが、ついに久しぶりにユニクロ以外で靴を買った。

もちろんスニーカーである。
革靴は冠婚葬祭以外には足が痛いので履かない。その冠婚葬祭でさえ、最近は「革靴っぽい黒いスニーカー」を履いている。(笑)

つい最近、国が仕事時のスニーカー着用を許可したが、わざわざ行政がそんな指導をせずとも、快適性を考えたらとっくにスニーカーは着用されている。とくにファッションに疎い上司なら、昨年発売されたユニクロUのキャンバススリッポン黒なら、スーツやビジカジルックに着用していてもそれがスニーカーかどうかすら見極められないだろう。

さて、今回買ったのは、そんな「疑似革靴」ではなくリーボックのフューリーライトである。

実は交流のある四元亮平氏と池田篤也氏がリーボックのポンプフューリーを履いている。
四元氏はほとんどポンプフューリーを履いている姿しか見たことがない。

池田氏はこれまでワークブーツとかスペルガのスニーカーなどを履いていたが先日お会いするとポンプフューリーになっていた。

感想を尋ねると「なかなか良い」とのことだったので、じゃあ自分でも試してみようかと思い立ったのが、9月の中旬のことだった。

で、ウェブと実店舗で調べるとポンプフューリーは高い。安くても1万円くらいはする。
5000円くらいに値下がりしているものがない。

で、いろいろ調べるとポンプフューリーの簡易版みたいなフューリーライトがあった。
定価は1万円くらいで、探すと値下がり品もある。

完全に同じではないが、アッパーのデザインは似ている。
ポンプフューリーにはない靴紐があるが、これは単なる飾りに過ぎない。
ソールは少しライトの方が薄いだろうか。それでも通常のスニーカーとしては十分な厚みがある。

リーボックの公式サイトでは、廃番カラーが税込みで5140円に値下がりしていたから、目星を付けていた。

先日、スニーカーのSTEPを通りがかると、サイトで見た廃カラーが4色、3990円で売られていた。
これは安いとそのときにサイズが残っていた2色を買った。

STEPは今時珍しくデジタルのメンバーズカードやアプリがない。
スタンプを押すカードなのだが、2足目5%オフ、3足目10%オフという割引がある。
これを使って、2足目を5%オフしてもらったので、2足合計で税込み8400円という破格値で買えた。

買ったのは紺とグレー。黒と迷彩柄は合うサイズが売り切れていた。

これ以前に、ABCマートで一度試着したのだが、そのときは27・5センチで履けた。
しかし、今回のは、アッパーの素材が異なり伸びにくいのか、28・0センチでキッチリだった。

履いてみた感想は、クッション性が高くて足が疲れにくい。ただ、履き口のかかと部分が見た目よりも意外に高くて、アキレス腱あたりの皮膚が擦れる。

長めの靴下を履くか、履き口の生地がダレるまで我慢するかのどちらかを選ばねばならない。それ以外は不満はない。

それにしてもSTEPは安い。
ABCマートが安売りをやめたからなおさら安さが際立つ。ほんの3年くらい前まではABCマートにも3900円とか2900円に値下がりしたスニーカーがふんだんにあったのに、最近はそういう激安品がなくなってしまった。だからABCマートでは買わなくなった。

STEPも時期によっては品揃えが微妙なときがあるが、それでも2000円〜3900円に値下がりした各ブランドのスニーカーは常備されている。

あとはそのスニーカーのデザインや色が気に入るか、サイズが合うかの問題だけである。

STEPが低価格を維持し続ける間は、STEPの値下がり品一択で買おうと思う。

それにしても、今回、もう少し履き慣らしてフューリーライトが良いと感じれば、今後はさらにフューリーライトの値下がり品を揃えようと思う。

ポンプフューリーは高くて手を出すのに勇気が要るから、いずれ金持ちになったら買ってみたいと思っている。しかし、金持ちになるのは夢で終わってしまいそうな気がしてならない。

可能性は低いが、金持ちになったらポンプフューリーの一番安い商品(それでも1万円は越える)を買ってみたいと思う。

NOTEを更新しました⇓
「数字だけ」を見て失敗したアパレル経営者たちの事例
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洋服は安くても売れにくい

 ここのところパソコンの調子が悪くて、今日もなかなか起動せずにブログ更新がこんな時間になってしまった。

アパレル関係者と話すと、「安い物しか売れない」という意見がよく聞こえてくる。

しかし、その「安い物」もそんなに必ずしも好調なわけではない。

先日、また天神橋筋商店街で顔見知りのバッタ屋のニイちゃんと立ち話をした。
いわく「9月は厳しかった」とのことで、「月間売上高が200万円に届かなかった」と意気消沈していた。

また、その近所の他のバッタ屋も100円とか300円とかの超低価格衣料品ばかりだが、好調な日なら10万円を越える売上高があるが、不調な日は7万円程度に終わることもあるという。

9月の衣料品消費が全般的にはどうだかわからないが、「安い物」でも簡単には売れないのが今の状況といえる。

バッタ屋の聖地ともいえる天神橋筋商店街には低価格衣料品店が軒を連ねている。
59円に下がったスカートや99円のジーンズ、190円の日本製の綿カーディガンなど驚きのプライスが掃いて捨てるほどある。

ここで買った服を1000円か1500円でメルカリで販売すれば結構美味しい商売になるのではないかと思う。
また、500円くらいの工賃で再加工(刺繍、ワッペン付けやリメイクなど)を施して、これを3000円くらいでメルカリで売っても良いのではないかと思う。

思い返せば、30年くらい前、当方は17歳で、両親は40代だったが、そのころの両親や親戚の間ではよくこんな会話があった。
当方の親族だけではなく、世の中の大人はほぼ同じ意見だったと記憶している。

例えば、1000円くらいに値下がりした服があったら、「安いからもう一枚色柄違いで買っておこう」という意見が多かった。
当方の両親にしたって本当に別の色柄がもう一枚欲しかったわけではない。
ただ、貧乏性なので、安いからもう一枚買っておこうかという程度の行動だった。

そうやって買った服はだいたいが、2,3回着た程度でタンスの肥やしになってしまう。
とくに無理やりに選んだ色柄はそうなる。

だから、この当時は「値下げすれば確実に売れた」のだが、今はそんなことはない。

理由としては、低価格品があふれているだけでなく、ブランドの値下げ品・投げ売り品も溢れている。何も焦って買う必要はない。
また、各個人がタンスの肥やしを多数抱えている。はっきり言ってしまえば、半年や1年間くらいは服を1枚も買わずに過ごせるくらいだろう。

30年前はまだまだタンスの肥やしが少なかった。だから「飢餓感」「渇望感」があったが、今そんな人はほとんどいない。
「洋服でも買おうか」というのは単なる趣味の世界になっている。
能動的に買うとしたら、靴下や肌着など消耗品が破損したときくらいだろう。

また、トレンド変化が遅いというか、さまざまなテイストが並立共存できる環境にもあるから、新トレンドに飛びつく必要もない。
5年くらい前に買った服なんて余裕で着用できるし、着ていてもおかしいと思われることもない。

最近ではバブル期のファッションがリバイバルしているから、下手をすると、父親や母親からその当時の服をもらって、それを着用しても違和感はない。

バブル期のファッションが復活したことで、現在タブー視されるファッションテイストはなくなったといえる。
そうなると、古着だろうが、10年前に買った服だろうが、何を着ていても不正解はない。

ビッグシルエットからタイトシルエットまで何でもありだし、そのミックス形態もありということになる。

例えば、ワイドパンツがトレンドになっているが、かといってスキニーパンツが絶滅したわけではない。
ユニクロだってジーユーだっていまだにスキニーパンツは主力商品の一つとして売り場に並んでいる。

ハイウエストパンツがトレンドになってもローライズパンツが消滅したわけではない。
いまだにローライズパンツはベーシックアイテムの一つとして存在している。

ブーツカットが流行れば、全員がブーツカットになったような時代とはまったく違ったファッション傾向になっている。

ビッグトレンドが本当に生まれにくくなっており、そういう点でもさらに洋服は売れにくい。

そうなると、たとえ「安い物」でも売れにくくなる。
190円のカーディガンでも飛ぶように売れるとはいかなくなっている。

これが今の状況であり、もう「価格訴求だけ」「ファッション性だけ」「トレンド性だけ」では消費者は買わない。
190円カーディガンでも99円ジーンズでもそんなに先を争って買う必要はないということになる。

アパレル業界人が消費者の行動を理解できないのは、いまだに「安ければ売れる」「物が良ければ売れる」という間違った価格神話や物作り神話を信仰しているからだといえる。

その神話は発展途上国や物の供給量が需要に追い付いていない国では信仰の対象になるが、タンス在庫があふれてファッションテイストが多様化した成熟国にあっては、まったく信仰の対象とはならないことを認識すべきではないか。

当方も含めた業界のベテランや、「洋服大好き」な業界人では、こういう社会環境におそらく対応できないだろう。
従来の文脈で服が売れてほしいという気持ちは当方にもどこかにはあるが、そういう文脈で売れるようになることは今後、未来永劫ないだろう。熱狂的な消費行動を体験したければ新興国へ行くほかないのではないか。

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ジーンズメイトには新ブランド投入ではなく抜本的な改革が必要

 先日、ジーンズメイトの新自社ブランド「メイト」を売り場で見た。
その感想は「決して悪くない」である。

メンズでいうと、ジーンズ、ボタンダウンシャツ、ジャケットというラインナップで、今後、さらに新型も投入されるのではないかと思う。
素材を触ってみたが、まあ、それなりに悪くはない。

試着してみたわけではないが、マネキンに着せている感じをみると、シルエットやサイズ感も悪くはない。
認知されれば(これが難しいのだが)、それなりに売れるのではないかと思う。

ジーンズは、最近増えているハイストレッチデニム生地が採用されており、かなり伸縮性が高い。
穿いてみれば快適なのだろうとは思う。

ジーンズメイトの新ブランド「メイト」のジーンズ
http://www.jeansmate.co.jp/brand/mate/

しかし、懸念・疑問も山のようにある。

まず、商品のテイストを見ると、男性は30代・40代をターゲットにしていると感じられる。
そうなると、何年か前から発売していた自社ブランド「ブルースタンダード」と重なる。

ブルースタンダードのターゲットは37・5歳だ。
「メイト」と同じである。自社ブランド同士が競合することになる。
売上高が低下しているジーンズメイトにあって、自社ブランド同士が競合して食い合うことは決して良い状況ではない。

また、テイストも似ており、メイトはベーシックなトラッドカジュアルであり、ブルースタンダードも同じである。
売上高が100億円を割り込んだジーンズメイトにあって、同じターゲットで、同じテイストの自社ブランドが2つも必要だろうか。
当方は2つも必要ないと思う。

そのあたりを意識してか、ブルースタンダードはブランドロゴを変え、商品テイストもやや若向きに変わったように感じるが、売上高が縮小し続けているジーンズメイトに2つのメイン自社ブランドが並立する意味があるとは思えない。

どちらか1つを廃止すべきか、まったく異なるテイストに変える必要があるのではないか。

次に、「メイト」を並べる店頭の印象だが、これが従来の店づくりと変わっていない。
内装、什器、他の商品群、ともに従来と変わっていない。

そうするとどうなるかというと、中高生向けの店にオッサン向け商品が並んでいるという状態がまるで解消されていないということになる。

これはブルースタンダードが開始されたときからまったく解消されていないジーンズメイト最大の課題である。
いくら素材が良かろうが、テイストが良かろうが、店舗と商品がミスマッチなら売れるはずもない。

ここを解消せずして、いくら「モノヅクリガー」と叫んでみたところでそんなものは、供給側の自己満足でしかない。
ライザップの手腕もあまり当てにならないのではないかと思う。

また、価格設定も微妙だと感じる。

ジーンズが4990~6990円なのだが、ユニクロよりは高い。
決して高すぎるとは思わないが、すごく価格訴求力があるわけでもない。
わざわざ、ユニクロではなくここで買う意味が感じられない。

もちろん、製造工程や商品の完成度からして、この価格設定が不当だとは思わないし、ジーンズメイト側も相当に努力しているとは思うが、ユニクロの3990円ジーンズではなく、ここで買う意味を感じられないという消費者は相当多いのではないかと思う。

そこを覆す説得力を今度どれだけ高められるかである。
これはかなりハードルが高い。

また、売り場全体で見たときに、いかにも中高生向けというデザインで価格も激安な商品があふれている中で、このテイスト、この価格ではブルースタンダード同様にかなり浮いていて、割高に見えるという逆効果もある。

シンボリックな新商品を開発するよりも、店舗内装・什器の変更、他の仕入れ商品のマーチャンダイジングの変更こそが、ジーンズメイトの急務である。
ここを放置したままで、新商品を開発・投入するというのは、典型的な物作り脳で、これまでのアパレル業界の悪癖そのものである。

今春くらいからジーンズメイトの店頭はかなり商品量が減っている。
以前だと圧迫感があるくらいに商品が陳列されていたが、これがだいぶと間引かれて、逆に店頭はえらくスペースが空いているようにさえ感じられる。

経済誌や業界紙では、第1四半期決算でわずかながら黒字転換したため、ライザップの経営手腕を持ち上げているが、この微細な黒字転換は商品の仕入れ量・製造量を抑え、店頭在庫を圧縮したことによるものでしかない。
逆に営業利益率は前期よりも低下している。

小手先で改善しただけで、根本的問題は何も解決していないとさえいえる。

目新しさが何もない新ブランド「メイト」を投入した程度では戦局は変わらない。
先日、ライザップはグンゼと提携して、着用しているだけでバイタルデータがわかる機能性ウェアを発表した。
例えば、こういう画期的な機能性商品を投入するくらいのインパクトがないと、新商品投入という手段では局面は打破できない。
いっそのこと、グンゼが開発したこの機能性衣料をライザップ傘下のジーンズメイトで販売してみてはどうか。

従来のアパレル的な新ブランド投入よりもよほど、効果が期待できるのではないか。

ジーンズメイトが上昇基調に転じるには、「メイト」投入のみでは厳しく、店作りから含めた抜本的な改革がなされない限りは不可能に近いと言わざるを得ない。

今後の施策を見守りたい。

NOTEを更新しました⇓
「原価率50%」商法はナンセンスでしかない
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ルクアイーレの地下1階をユニクロとジーユーが2分割

 9月15日に大阪梅田のルクアイーレ地下1階にユニクロとジーユーがオープンした。

こう書くと、地下1階に2店舗が入ったと感じるが、実際は地下1階フロアはユニクロとジーユーで2分割されたのである。

この2店舗以外は、カフェが1店舗、小規模な生活雑貨店「ナチュラルキッチン アンド」が1店舗あるだけで、地下1階は実質的にはファーストリテイリングの占有フロアといえる。
2店舗合わせて約1000坪の広さがある。

ルクアイーレの地下1階フロアガイド
3がユニクロで4がジーユー

ちなみに地下1階にあった店舗はほとんど撤退し、オリエンタルトラフィックは他のフロアに移転し、三崎商事のゲラルディーニは撤退した。

これで、JR大阪駅周辺のユニクロ大型店は4店舗目となった。

大丸梅田店、ヨドバシカメラ梅田店、それから茶屋町の路面店である。

これに対して、「他の3店舗は苦戦するのではないか」という声がネット上では聞かれたが、それは現場を見ていない空想でしかないといえるだろう。

オープン当日の夜、8時過ぎにこのルクアイーレ店を見に行った。
ユニクロ店舗なんて腐るほど見ているし、夏秋の端境期でどうしても買いたい商品なんてないから、本当に雰囲気を見に行ったのである。

実際に見に行って驚いた。
地下1階のユニクロ、ジーユーは満員なのである。

はっきり言って、オープン当日に満員になる意味がわからない。
他のファッションブランドなら、希少性だとか物珍しさとかそういうことがあって、「長らく行きたかったが地元に店がなかったからオープン当日に足を運んだ」なんていうファンがいるのは当たり前だが、ユニクロなんて各都心にも複数店舗があり、自宅の近所にも職場の近くにも店がある。

多くの人にとっても、腐るほど見ている店舗だ。
ジーユーはまだユニクロほどの店数はないが、それでも大幅に増えて、都心にも地元にもあることは珍しくない。

また、オープン記念で、ルクアイーレ店だけの珍しい洋服が売っているわけでもない。
特に価値あるノベルティが多数配布されたわけでもない。

なぜ、オープン当日のしかも閉店まであと40分ほどしかない時間帯に満員になるほどに客が足を運ぶのか理解に苦しむ。

当日、ヨドバシカメラ店と大丸梅田店は足を運べなかったが、この後、茶屋町の路面店に移動した。
時刻は8時半前である。
閉店まであと30分強。

にもかかわらず、どんどん入店していくし、外から見えるエスカレーターはどの階層にも人が乗っている。

あと30分ほどしかないのに、これだけ入店するのかと驚かされた。

この日より1か月前のお盆ごろにヨドバシカメラ梅田店7階のユニクロにも足を運んだことがあるが、そのときは、それなりの客入りでにぎわっていた。
決して閑散とはしておらず、レジにも10人くらいは並んでいた。

閑散としていたのは同じフロアのコムサイズムである。
なるほど閉店セールになってしまうはずだと納得した。

ヨドバシカメラ店が今後苦戦するかというとそれはちょっと考えにくい。

というのは、JR大阪駅とついにヨドバシカメラが陸橋でつながったし、現在はグランフロント大阪とも陸橋でつながろうとしている。

つながっていない状態でもそれなりに集客していたヨドバシカメラだから、陸橋がつながればさらに集客は増えるといえる。
7階のユニクロに足を運ぶ人も減ることはないと思う。

大丸梅田店のユニクロの売り場には最近立ち寄っていないので何とも言えないが、大きく売上高を落とすことはないのではないか。

これだけの大型店4店舗がそれぞれ徒歩数分内に共存しているユニクロへの支持というのは、ちょっと想像を絶する。

もはや、そこら辺の旧態依然としたアパレル大手が束になっても勝てない。
そこまで支持される大手アパレルがあるのか?そこまで支持されるブランドを所有しているのか?

「ファッションでは俺たちに一日の長がある」と自負してきただろうが、それとても、ルメールとコラボした「ユニクロU」と「イネス・ド・ラ・フレサンジュ」とのコラボラインに加え、JWアンダーソンとのコラボラインも始まる。

従来のベーシック、トラッドなユニクロ商品に満足できなかった層も取り込みかねないラインナップをそろえつつある。

最近国内ではH&Mが不振になりつつあるといわれている。
H&Mの商品デザインが奇抜だとか商品品質が低いだとかそういう理由はあるにせよ、最大の理由はユニクロとジーユーが我が国市場を押さえているからではないのか。

ベーシック、トラッドはユニクロ
質は落ちるが安いトレンド品はジーユー

で、ある程度は事足りる。

コレクションブランド的なデザイン性の服はZARAで事足りる、となると、H&Mの入る隙間はほとんどない。
フォーエバー21はもっと存在スペースがないだろう。

ユニクロが伸び悩みだとか凋落傾向にあるだとか、昨対の増減のみで語る記事が増えているが、これほどの支持を受けているユニクロの国内基盤はむしろ鉄壁で1年や2年でどうこうなることは考えにくい。

9月15日、夜8時すぎのルクアイーレ地下1階でユニクロのすごさをまざまざと見せつけられた。

noteを更新しました。⇓

ユニクロより優れた商品は確実に存在する
https://note.mu/minami_mitsuhiro/n/n42506aa8f0fe

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今夏の半袖Tシャツの出来はライトオンの圧勝だった

 今年7月は1枚も半袖Tシャツを買わなかった。
すでにタンス在庫が多数あるのと、価格的にあまり値下がりしていなかったこととの両方の理由がある。

8月になって3枚買った。
今日から9月に入ったが、関西は例年だと10月半ばまで暑いので、もう一段値下がりした半袖Tシャツを2~3枚程度買ってみようかと思う。

もとより高額店には出入りしておらず、低価格店のみの店頭巡回の感想だが、メンズの半袖Tシャツに限っていえば、ユニクロ頼みになる必要もなかったというのが今年の感想である。

【ジーユー】

第3四半期決算が、減益となったジーユーだが、今春夏のメンズ商品は全般的にあまり良いとは言えない。デザインがいまいちだから、今までの「安かろうそれなりだろう」というブランドに逆戻りしたように見える。

これでは売れなくて減益になって当然ではないかと思う。

【ユニクロ】

ユニクロだが、ポケット付きビッグシルエットTシャツのVネックが790円に値下がりしていてお買い得である。ビッグシルエットが気にならない方は790円でなら買うべきである。

通常ラインとは異なり、比較的太番手の糸を使ってしっかりした編地でできている。
今夏のユニクロのTシャツで個人的に合格点に達しているのは、このポケット付きビッグシルエットTシャツのみである。

あとの通常のグラフィックTシャツは、グラフィックがいまいちダサいことに加えて、生地が頼りない。それなりに太い番手の糸で編んでいるのだが、ハリがないというか、ヘニャっとしているというか、そんな感じである。

2011年に綿花が史上最高値を記録し、2012年から2年間くらいは、ユニクロをはじめとして全ブランドで綿花の含有率を下げた製品が増えて、生地のクオリティが著しく劣化した。

ポリエステル混も多かったし、綿100%でも生地がペラペラになった。

そこからの影響がまだ残っているのかもしれないが、ユニクロの通常ラインのグラフィックTシャツは生地のコシがないという感じが続いていて、これはいわゆる「目付を軽くした」ということなのだろうと見ている。

だから990円に値下がりしてもそんなもんだろうと思うし、買うのなら590円とか500円に下がってからでないと嫌だ。

ユニクロの半袖Tシャツに関しての個人的評価は以上だ。
買うとしたらポケット付きビッグシルエットTシャツの値下がり品くらいで、通常のグラフィック半袖Tシャツは500円程度に値下がりしたのを1枚買うかどうかである。多分買わない可能性が高い。

【ライトオン】

個人的に今夏、もっともよかったと思ったのがライトオンの半袖Tシャツだ。
自社ブランド「バックナンバー」の商品だ。
ここでは2枚買った。もちろん値下がり品だ。

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切り替えTシャツを2枚買ったのだが、これいずれも別色の生地を3枚、5枚とパッチワーク的に縫っている。

しかも生地はそれなりに「目付が重い」ようで、密度を感じる。
おまけに汗ジミ防止加工も施されている。

定価1990円も十分にコスパが高いが1490円に値下がりしているのだから、かなりコスパが高い。

また、縫製に手間がかかるためか、このデザインはユニクロには並んでいないから、ライトオンとしての差別化もできている。

もちろん、生地の組み合わせパターンはきちんとマニュアル化されているが、それでも通常のTシャツを縫うよりも縫製の手間がかかる。
また、生地のロス率も通常のTシャツよりも高い。

なるべくロスが出ないように生地の組み合わせ方は考えられていると思うが、それでもロスはゼロではない。絶対に捨てるしかない切れ端が生まれる。

この2つのコストアップ要素を抱えながら定価1990円、値引き後1490円というコストパフォーマンスの高さは素直にすごいと思う。

そのほか、レインスプーナーとライセンス契約したプリントTシャツが990円に値下がりしていたり、カリフォルニアコットンの厚手生地Tシャツが990円に値下がりしていたりと、Tシャツのお買い得感はライトオンがジーユー、ユニクロに勝っていると感じる。

しかも1490円の切り替えTシャツは2枚で2500円、990円Tシャツは2枚で1500円とまとめ買いの値引きが半端ではない。

しかし、逆にライトオンはTシャツのバリエーションが多すぎてわかりにくくなっていることと、その商品の良さ、お買い得感があまり消費者に上手く伝えられていないところに永遠の課題がある。

バリエーションの多さ、お買い得感を上手く消費者に伝える方法がいつまで経っても確立できない。

話は少しそれるが、消費者はお買い得商品を良く見分けていると思う。

このライトオンの切り替えTシャツは1490円に値下がりしたとたんにかなり激しく売れてしまい、あっという間に特定のカラーとサイズが品切れになっていた。
あべのキューズモール店とヨドバシカメラ梅田店の両方を探したが、品切れになったカラーとサイズが多かった。

定価の間はほとんど動かなかったにもかかわらず(店頭定点観測による個人的見解)、500円値下がりしたとたんに、品切れになってしまったことに、消費者のお買い得品を見分ける力はかなりのものだと感心した次第だ。

下手なアパレルのバイヤーやら、無能な企画担当者よりも的確にお買い得品を見抜いているのではないかとさえ感じる。

無印良品では、太番手ボーダー柄Tシャツを1枚買った。
これも30%引きになったとたんにほぼ完売してしまった。

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やっぱり、消費者はアパレルのそこら辺の無能なバイヤーよりも目利きができると感じる。

まあ、そんなわけで9月に買うとするならライトオンの990円Tシャツを2~3枚買って、ユニクロで値下がりしたポケット付きビッグシルエットTシャツを1枚買うくらいだろう。

noteで有料記事を始めてみました~。

鎌倉シャツのビジネスモデルが秀逸なポイントを考えてみた
https://note.mu/minami_mitsuhiro/n/na76c612e6d37

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「安い」ということさえ消費者に伝えられていないアパレルブランド

 お盆休み中は久しぶりに梅田のヨドバシカメラに行った。

最近、衣料品はあべのキューズモールでほとんど買っているし、備品やガンプラはネットで買うことが増えたので、本当にわざわざ梅田のヨドバシカメラに行くことがなくなった。

7階の「ビューティフルライフ コムサイズム」へ行くと、「閉店セール」の貼り紙があり、ほとんどの商品が投げ売りされていた。

この「閉店」が改装などの「一時的閉店」なのか、それとも「完全閉店」なのか貼り紙だけではわからないが、もし仮に、「完全閉店」なのだとしたらなかなか感慨深い物がある。

ヨドバシカメラ梅田店のオープン時には、ビルの半分がコムサだったからだ。
オープン10年後にその半分はなくなり、7階の一画に残るのみとなったが、それすらなくなるのだとすると、完全にオープン時の体制とは別離することになる。

世の中は常に変転する。

毎年この時期は、夏のセール品が各店で投げ売りされる段階に入っているので、当方はこの時期に夏服を買うことが多かった。

とくにコムサは70%オフとか700円とかにまで投げ売りされるから5枚くらいまとめて買うこともあった。

しかし、今年の夏は、もう腐るほど持っている洋服を買い足す気はさらさらなく、どうしてもガンプラやらほかの備品・雑貨類に興味が集中した。

で、何とはなしに、7階をグルリと回ったのだが、コムサのセール品はまだまだ豊富に残っていたから、欲しい人は行ってまとめ買いすると良いのではないかと思う。

ヨドバシカメラ梅田店の7階には両端に分かれているが、ユニクロとコムサが入店している。

この日のこのタイミングだけのことかもしれないが、入店客数には明確な差があった。
ユニクロはにぎわっていたが、コムサはそこまでではなかった。
今の運営企業の状況を明示しているようで興味深い光景だった。

並んでいる商品の「見え方」もいつの間にかユニクロとコムサでさほど大差がなくなっている。

例えば、この紫のチェック柄のボタンダウンシャツ。
違いを挙げれば、ユニクロはチェック柄が細かく、紫が赤みがかっていて、コムサはチェック柄がやや大きく、紫は青みが強い。
「見た目」の違いはここくらいで、付け加えるなら、コムサは、ボタンの縫い糸の色が違うということもある。

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(ユニクロの商品)

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(コムサの商品)

神は細部に宿るという言葉もあるくらい、衣料品に細部は重要だ。
またメンズアイテムは細部の違いによって成り立っている要素も強い。

しかし、だ。個人的にはこれくらいの違いなら、50歳手前のオッサンにとっては「どうでも良い」ように感じられる。

もし、当方がどちらかを買えと言われたら、迷わず値段の安い方を買う。ブランド名は関係ない。

昨今のアパレル不振の原因の一つに、低価格ブランドとアパレルブランドの商品の見た目がほとんど変わらなくなったことが挙げられるが、この2つの商品はそれを象徴しているといえる。

では、どちらの商品が安いだろうか?

ユニクロは定価2990円の1000円引きで1990円に値下がりしている。
コムサは定価5500円だが、70%オフなので1650円になっている。

コムサの方が340円も安い。

もし、当方がどちらかを買うなら、コムサのシャツを買う。

一般的にはユニクロには「安い」というイメージがあるが、実際はそうでもない場合もある。
例えばコムサのセール品の方が安かったりする。

しかし、売れ行きや入店客数はまったく違う。ユニクロと圧倒的に差がある。
ユニクロではまとめ買いが見られるが、コムサも含めた通常のアパレルブランドでは投げ売りセールでもそれほどのまとめ買いは見られない。

それはなぜか?
コムサも含めた通常のアパレルブランドが「安い」ということを消費者に伝えられていないからだ。
消費者は「安い」ということを認識していないし、アパレルブランドは消費者に「安いという価値」を伝達できていない。

自社のブランドの価値を消費者に伝える必要がある。
ブランドの価値はさまざまで、「安い」ということも価値の一つである。
じゃあ、その「安さ」を伝えなければ、そのブランドは消費者にとって何の価値もないブランドということになってしまう。お分かりだろうか?

世の中に商品は山ほどあるし、服はタンス在庫に腐るほどある。
にも拘わらず、自社を選んでもらって買ってもらうには、理由付けが必要になる。

しかも、一昔前と異なり、低価格ブランドの洋服も見た目は「それなり」に良くなっている。

もう、見た目やブランドネームの違いだけで買ってくれる要素はほぼない。

じゃあ、価値を伝えなくては誰も買ってくれない。投げ売りセールで安いならその「安い」という価値を強烈にアピールする必要がある。

投げ売りセールにも拘わらず入店客数がそれほどでもないコムサには、「安さ」すら消費者に伝えきれていないアパレルブランドの悲哀を感じるほかない。

noteで有料記事を始めてみました。

三越伊勢丹とカルチュアコンビニエンスクラブの提携は何が目的だったのか?
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ミンティアは100均よりもコンビニの方が安い

 今日は本当にみみっちくてセコい話でも。
元来が甲斐性なしの貧乏人だから実態を晒すだけの話である。

100均(100円ショップ)を頻繁に利用するようになったのは、ここ2年くらいのことだ。
それまではほとんど100均を利用したことがなかった。

理由はさまざまある。
昔は都心に店があまりなかったというのもその1つだ。
わざわざ、たかが10円ほどを節約するためにその辺鄙な場所まで行く方が時間と労力と、場合によっては交通費の無駄である。
だから利用しなかった。

あとは、生活雑貨品、日用品にまったく無頓着なので、そういう物を買うことがなかった。
これは今もあまり変わらないが、たまに掃除用品を買うようになった。
とくに重曹とクエン酸は通常のスーパーでは見つけにくいので、100均で買うほかない。

あとは飲食物を買うようになった。
昔は、缶コーヒー、缶ジュースを飲むことが多かった。
もちろん、定価品ではなく、100円自販機とか100円以下自販機だが、おととしくらいから「水」を主に飲むようになって、それで都心に店も増えた100均で買うことが増えた。

あとは、もともと、たばこを吸わない代わりに、昔はガムを噛んでいた。
しかし、ガムは味がなくなったら捨てなくてはならないので面倒である。
そこで一昨年くらいから、ミンティアを買うようになった。

理由はフリスクよりも安いからであり、100均で買うことが増えた。

100均を利用するようになってだんだんと特徴が見えてきた。

掃除用品なんかは価格の割にクオリティが高い。
今年の年末もまたダイソーに掃除用品を買い出しに行かなくてはなるまい。

しかし、中には100均の方が高い商品もあることに気が付いた。

割引販売が基本となっている食品スーパーと比べるのはフェアではないので、定価販売が基本となるコンビニと比較すると高い商品が存在する。

気になったのは、飲食物である。

例えば、ペットボトル入りの「水」。
サントリーやらクリスタルゲイザーやらのナショナルブランドの飲料水だが、100均は決して安くない。

コンビニと値段があまり変わらないか、もしくは5円ほど高い場合がある。

「水」でもっともお得なのは、コンビニで売っているサントリーの天然水2リットルである。
コンビニでは、税込み100円で売られている。
食品スーパーですら、税込み100円強は珍しくない。
2リットルを持ち運ぶのはちょっと重いし邪魔だが、まあコスパは抜群だ。

500mlサイズでいうと、コンビニのウィルキンソン炭酸水は税込み100円か100円未満であり、これを買うのがもっともお得ではないかと思う。

100均の場合は、100円以下の商品はない。
500mlの水は税込み108円であり、コンビニより高い場合がある。

もっとも100均にはわけのわからないPBみたいな水もあり、これだと2本で100円とか3本100円で売られているから、低価格が好きな人はこれを買うべきだろう。

駄菓子類はあまり買わないのでわからないが、ミンティアは100均の方がコンビニよりも高い。

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100均は100円以下の商品はないから、ミンティアは税込み108円である。

一方、コンビニは税込みで108円よりも安い。
税抜き価格として90円台で表示されている。

ミンティアに関していえば、100均で買うよりもコンビニで買う方がお得である。

こんな風に見てみると、「圧倒的に安い」と思われている100均でもコンビニよりも高い商品もあるということに気が付く。

低価格店だからといって、すべてを「最低価格」にする必要もない。
数円のことだろうが、500mlのナショナルブランドの水やミンティアは、100均は利益を多めにとっているといえる。

こうした100均の価格設定は本当に巧妙で上手いと感じる。

翻って衣料品業界はどうか?
ほんの数年前まで安値を競っていた。
今でも競っているといえるが、数年前までは各社が「業界最安値」を目指していた。

それこそ、ジーユーが飛躍するきっかけとなった990円ジーンズを発表したとたん、量販店各社は980円、850円、790円と下のくぐり合いをした。
しかし、そういう1000円未満ジーンズが消費者から支持されたかというと、ジーユーを除くと総合スーパー各社の商品は支持されなかった。

今、1000円未満ジーンズは決して主力商品ではない。
ほとんど忘れ去られている商品といえる。

実際のところ、1000円未満ジーンズなら990円で十分で、850円で下をくぐったところで、わずか140円を浮かせたい消費者なんてほとんどいない。

140円とか200円程度の値下げなんて衣料品に関していえば、ほとんど効力がないといえる。

「激安」というイメージを強く訴求しながら、定価販売のコンビニよりも高い商品を混ぜて販売する100均に比べて、衣料品業界の考え方は稚拙だ。

こういう部分も衣料品業界が苦戦する一つの要因ではないかと、ミンティアを見ながら思った。

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「接客不要バッグ」が導入された店頭。ある平日夕方の印象

 先日からアーバンリサーチで「接客不要バッグ」が店頭に並べられた。

実際のところ、どんな感じなのか店頭を見に出かけた。
今回はその印象について。

7月上旬の平日の16時ごろに1度訪れただけなので、休日や平日夜はまた違った店頭になっているかもしれない。
もしそうならまた教えていただきたい。

心斎橋筋商店街のアーバンリサーチストアを訪れた平日の夕方だが、1階・2階・3階と回ってみたが、だれも「接客不要バッグ」を持っていなかった。
そのときの入店客数は合計で15人前後といったところだろうか。

この日のこの瞬間だけかもしれないが、全然持っていないというのはちょっと意外だった。

この「接客不要バッグ」ができた影響からなのか、以前よりも販売員の声が聞かれなくなっていた。
良いか悪いかは別にして通常だと、販売員は入ってきたお客を見かけたら「いらっしゃませ」とか「こんにちは~」とか声をかける。

また、良いか悪いかは別にして、声出しを行っている。
平日の昼間とか閑散期なんて、いくら店頭にBGMが流れていてもそれだけではなんだか寂しいものである。
だから活気づけるためにも「声出し」をする店は多い。

いらっしゃいませも声出しもその日のその瞬間はほとんどなかった。
店頭ではBGMが流れているだけ。

逆に変な静寂に包まれていたと感じた。

極端にいえば、販売員が「声出し」をしていないセルフ形式の店という印象である。
あれ?アーバンリサーチストアってこんな雰囲気の店だったっけ?というのが率直な感想である。

筆者は貧乏暇しかないので、平日昼間にたまに地元の西友に行く。
食料品売り場は別として、衣料品フロアは閑散たるものだ。

売り場の広さの割には販売員が少ないから声出しもしていない。
BGMが淡々と流れているだけだ。

その雰囲気に近いと感じた。

今回の「接客不要バッグ」には賛否両論がある。
物事はなんでも賛否両論だから、それが正常な反応といえるのだが、賛成派の声が多かった割には、利用している人は少ないのではないか。

もし、全営業日を通して少ないのなら、その理由は、「買うつもりがなくても、わざわざバッグを持たなければならないという矛盾」にあるのではないかと思う。

販売員に声をかけられるのが苦手という人は多い。
苦手ではないが今日は声をかけてほしくないという場合もある。
それはどんなときかというと、買うつもりがなくて下調べに来たときである。

いくら、熱心に接客されてもこっちは買うつもりがないのだから、なんだか申し訳なくなる。
筆者はそういう場合、正直に申告するようにしている。
「今日は買うつもりがなくて見に来ました」と。

今日は買うつもりがないという人も少なくないのではないかと思う。
で、そういう人が逆に「接客不要の目印」としてショッピングバッグを持たねばならないというのは、なんだかちょっと滑稽に感じる。

買うつもりがないから接客してほしくない。だから目印にショッピングバッグを持つ。

冷静に考えるとクスっと笑えて来ないだろうか?

さらにいえば、販売員は、そういう制度ができたため、持っていない人に対しても声をかけづらくなってしまっているのではないかと、店内が静寂な理由についても思ってしまう。

アーバンリサーチのプレスリリースにもあったように、今回の導入はあくまでも「実験的」ということで、今後、廃止になったり、今とは違う形に変化したりすることもあるのだろうと思うが、この日に限っては、導入は逆効果になっているのではないかという感想を持った。

ただ、西友のようなセルフ形式の販売を行うには、アーバンリサーチの店頭に並んでいる商品の価格は高すぎる。
ユニクロや無印良品のような低価格店もセルフ販売形式だが、それらの店には商品を説明するPOPが付けられている。また商品の下げ札にも商品説明が書いてある。

しかし、アーバンリサーチの店頭にはユニクロ・無印形式の商品説明が書かれたPOPは皆無だ。
また商品の下げ札に商品説明が書いてあるわけでもない。

それでいて価格はユニクロ・無印の何倍もするのだから、これはかなり売れにくい・売りにくいのではないか。
そんな高い商品をほとんど説明も聞かずに買う消費者が一体どれほど存在するのだろうか。

アーバンリサーチがセルフ販売形式に移行しようと、やっぱり「接客不要」を廃止しようと、無関係の筆者はどちらでも良い。

だが、セルフ形式に近付けるなら売り方・説明の仕方もユニクロ・無印に近付けるべきだし、そうすることが嫌なら、従来通りの接客スタイルを取り入れることは不可欠となる。

現在は過渡期だと思うが、今後どのような販売スタイルを目指すのか、しばらく観察してみたい。

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いつの間にかブランド終了していた「パンツワールド」

 先日、ふと思い出して、「パンツワールド」を検索したところ、ブランド自体が終了していた。
ブランドが終了するということは、売上高が厳しく不採算だったということである。

この「パンツワールド」というのは、ハニーズが開発した新業態で、メンズとレディースの低価格カジュアルパンツ専門ショップで、2013年春からスタートした。

終了したのがいつ頃なのかはっきり知らないが、2017年7月に検索したところブランドとして存在していなかったので、長くても4年間、短ければもっと早い時期にブランドが終了していたと考えられる。

中心価格帯は1900円で、チノパンのようなカジュアルパンツが主体の品ぞろえだった。
もちろん、ハニーズなのですべて自社企画商品であり、ここで展開していた商品はミャンマーの自家工場で製造されたものだとメディアでは伝えられていた。

実は興味があって、2013年春には実際に店頭も見に出かけた。

当時、大阪では、「なんばwalk」という地下商店街に新店をオープンしていた。

目測では20坪未満の店に、メンズとレディースのチノパンが並べられていた。
中心価格帯は1900円だが、1900円を下回る価格のパンツもあった。

当時の印象だけでいうと、売れるのはかなり難しそうだという印象だった。

なぜなら、チノパン、それに類した綿パンしか品ぞろえがなく、定期的に買うには難しいと感じた。
また、カラーチノパンなどもあったが、当時並べられていたカラーはトーンや色彩がビミョーなものが多く、購買意欲をまるでそそらなかった。

低価格ブランドについては、賛否両論あるが、売れている低価格ブランドのほとんどは、

「値段の割に商品が良い」「値段の割にファッション性が高い」

というものだが、残念ながらパンツワールドの商品にそれらは感じられなかった。
お値段通りという感じで、これなら大型スーパーの平場に並んでいるカジュアルパンツとあまり変わらないというのが当時の印象だった。

また、通常、パンツ類はトップスに比べて購買頻度・購買枚数が少ない。
店からすると回転率が低い。

どこのショップで習ったのか忘れたが「トップス3枚~4枚に対して、パンツは1枚の割合で消費者は所有する」という法則があるらしい。

これは各人の所有する洋服で考えてみても当たらずといえども遠からずではないか?

となると、パンツ専門店での購買頻度・来店頻度はトップス売り場を併設している店に比べると必ず低くなる。

おまけに1900円前後という低価格だから、当然利益額は小さい。

購買頻度が低く、1人あたりの購買枚数が少ないのだから、全店舗・ブランド全体での売上高も低くなるし、営業利益額も低くなる。

そうなれば、大阪・難波の地下商店街での家賃さえ支払うことが厳しかったのではないかと考えられる。

難波だけでなく、他の都心の繁華街に出店した店舗はすべて同じだったのではないか。

ハニーズは年間100店舗ペースで出店し、中期的には400店舗体制にすることが目標だと、2013年当時には報道されているが、いずれも当然のことながら未達に終わった。

それにしても、2010年代で「パンツワールド」という屋号は、かなりダサいと感じる。
実は先日、ある専門学校でパンツワールドのことを紹介したところ、学生たちが「クスっ」と笑った。
たしかに、声に出して発音してみると本当にダサい。

文字で書くよりもダサく感じる。

文字で書いてても十分にダサいのだが。

反面、わかりやすい。
一発で「パンツ」の店だなとわかる。

わかりやすいが、低価格パンツ専門店というのは、それこそ需要自体が少なかったのではないかと思う。

パンツの購買枚数の少なさ・購買頻度の低さ・所有枚数の少なさを考えるとわかるが、それ以上に、低価格カジュアルパンツというのは、他の低価格ブランドに内包されている。
逆に他の低価格ブランドだと同じ売り場にトップスが並べられているので、コーディネイトが組みやすいから、単品売り場よりも売れやすくなる。

このほかに感じたことは、あまりにもメディアに登場しなさ過ぎた。
これでは知名度も高まらない。

そもそもハニーズという会社自体が取材嫌いなのかあまり報道されない。
せっかくミャンマーに自社縫製工場を作ったのに、ひどい場合だと、業界の人でも知らないことがある。

縫製工場を所有した「真のSPAブランド」なのだから、ハニーズはもっとそのことをアピールしても良いのではないかと思う。

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大衆は洋服のことなんてそんな詳しく知らないし興味もない

 今日はお気楽に。

断続的にバッタ屋の店頭に立っていると、業界の人が想像する以上に、洋服の根本的なことを理解していない消費者は数多くいることに気付かされる。

そういう意味では、消費者教育が必要なのではないかと思う。

バッタ店頭で出会った仰天する質問をいくつか挙げてみる。

1、「Mサイズってどれくらいのサイズ?」という質問

おおー、最早なんと答えて良いのかわからない。
中間くらい・・・?としか言いようがない。

これと類似の質問で、

「9号サイズって何?」というのもある。

この質問はいずれも推定40~50代女性から発せられるもので、この人たちは少なくとも40年間くらいは何を目安に洋服を買ってきたのだろうと不思議でならないが、こういう人は本当に多い。

2、自分が何サイズの服を着ているのか知らない人

これも多い。
今自分が着用している服のサイズを「知らない」と言い切る大阪のオバハン多数。
え?どうやってその服を買ったの?どうやってその服を選んだの?

3、〇〇%引きの計算ができない人

これは以前にもこのブログで書いたが、本当に業界人が想像するよりはるかに多い。
30%オフとか70%オフとか表示するのは、店側・販売員側からすれば、最大限分かりやすく表示しているつもりだが、実際の店頭では、「これ何円になりますか?」と尋ねる人はかなり多い。
体感だと5割近いのではないかと思う。

最初のころは、「暗算するのがめんどくさいのだな」と思っていたが、どうやら本当に計算のやり方自体が分かっていないようだ。

言うまでもないが、〇〇%という表記は百分率に基づいており、百分率の計算は小学校で習う。
〇〇割引きは割合でこれも小学校で習う。

そのどちらも計算できない、理解していないという人は本当に多い。
この人たちはスーパーなどの食料品の割引表示をどう理解して購入しているのだろうか?

それでも社会生活は可能ということだ。やれやろだぜ。

4、洋服の名称がまるで理解されていない。

業界内で通じる共通の名称がある。
そんな大げさなことではないが、デニムパンツやジーンズといえば、業界内の人なら共通のイメージができる。

しかし、そういう基本的な名称すら知らない人は数多い。
ましてや、業界が「売らんがために」改称した名称なんて「誰も知らんがな」状態である。

盛り袖とかなんとか名称を新しく作るのは結構だが、そんなものは大多数にはほとんど浸透していないということを肝に銘じるべきである。

例えば、長袖・半袖・袖無しがある。
これをカタカナにすればロングスリーブ・ショートスリーブ(ハーフスリーブ)・ノースリーブとなる。

カタカナ語はまず理解していない。
長袖・半袖・袖無しですら、理解していない人も珍しくない。

つい先日、こんな人がいた。(推定50代女性)

「ランニングシャツみたいなワンピース」を連呼していた。
お気付きだろうか、これはノースリーブワンピースのことである。

ノースリーブという名称がわからないのは納得の範囲内だ。
しかし、「袖無し」という言葉すら出てこないのはちょっと衝撃的だった。

「かわいい」雰囲気を醸し出す「ノースリーブワンピース」という名称だが、「ランニングシャツみたいなワンピース」といわれると途端に、裸の大将が着ていたランニングシャツの丈が長くなったような画像が頭に浮かぶ。
かわいいも雰囲気もへったくれもない。
おにぎりでも持たせてやりたい。

5、女性物と男性物の区別ができない男性(推定40代以上)

Tシャツだとかジーンズだとか、そういうユニセックスデザインの商品はあって、それの男女の区別ができないのは理解できる。
それらはXLあたりを選べば男性でも着用できるからだ。

しかし、ワンピースやスカートが所狭しと並べられている店に入ってきて、何十分か物色してようやく、「この店は女性物の店ですか?」と気が付く中高年男性は本当に多い。

え?外から見てもすぐにわかると思うのだが?

男性は業界人が想像している以上に洋服に触れていないし、興味がない人が多い。
だからダメなんだと、某伊藤忠商事の社長のようなことは言わないし、言う気もない。
あの人が他人にダメ出しできるほどオシャレとも全然思わない。

就職した男性の中には結構な割合で、職場の制服(スーツも含む)かパジャマ類(Tシャツセットアップやスエット上下を含む)しか持っていないという人がいる。
平日は朝から制服を着こんで出勤し、それで勤務し、制服で帰宅する。帰宅後は入浴してパジャマ類を着て寝る。
土日は終日、スエット上下で過ごす。もしくは休日用の服が3枚くらいある。

そういう生活を過ごしてそれに不自由を感じていない男性は少なくない。
それを20年くらい繰り返すと、メンズ店とレディース店の区別ができなくなるのだろう。

しかし、そういう生活をする人の気持ちもわかる。
土日の週2回しか着用しない物にそんなにお金をかける必要もないし、毎年買い替える必要もない。
3枚か4枚を着まわせば済むという考え方は合理的で賛成できる。

自分がもし普通の会社に入っていたなら、そういう生活を送っていたと思う。

思いつくままに挙げてみたが、こういう人は本当に多い。
そしてこういう人々こそがサイレントマジョリティーである。

マスに売りたければ、こういうサイレントマジョリティーを如何にして教育し、惹きつけるかが課題になるが、それができているブランドは数少ない。
だから不振ブランドが多いのである。

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誰がアパレルを殺すのか
杉原 淳一
日経BP社
2017-05-25


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