カテゴリー: 商品比較 (1ページ / 5ページ)

安くて良い商品があればそちらが売れるのは当たり前 服もその一つにすぎない

先日、ある有名なコンサルタント氏と飲みながら雑談をした。
コンサルタント氏は7月から大阪での仕事が増えたそうで、そこからお会いする回数が増えた。

で、まあ、いろいろと雑談をするといっても、趣味も生活レベルも当方とは異なるので、必然的に話題は衣料品業界のことになってしまう。

衣料品業界についての見方は比較的一致する。

で、同じ50代前後という世代だから昔からの衣料品業界の記憶もある程度合致していて、有益な意見交換ができるので、こちらとしてはいつも楽しい時間を過ごさせてもらっている。

で、やっぱり現況の衣料品業界においては、国内とアジア圏ではユニクロ、世界的にはZARAの2ブランドが勝ち組となっているという見方も一致するところである。

低価格なユニクロと、比較的低価格なZARAをはじめとする低価格衣料品が国内外で支持されている理由は、やはり「低価格衣料品がマシになったから」というところに帰結する。
もちろん、可処分所得の伸び悩みとか所得の減少傾向とかそういう背景はあるにせよ、20年前・30年前に比べると、低価格衣料品ブランドはかなりマシになっている。
品質的にもそうだし、見た目(デザイン、シルエット、色柄)もマシになっている。

20年前のジャスコやイズミヤで売っていた1900円のTシャツはひどくダサかった。
美濃屋のコンバースTシャツは比較的マシだったが、それ以外は見た目のおかしなTシャツが多かった。
だから、20年前の当方の世代は、ある意味で「仕方なしに」高いブランドで高いTシャツを買っていた。

スーツしかり、ジーンズしかり、セーターしかり、である。

しかし、ユニクロやZARAに象徴されるような低価格ブランドがマシになり、それに引きずられるように、小マシな低価格ブランドが増えれば、「そちらで買った方がいいや」と思う消費者が多数出現してしまうことは自然な流れだといえる。

衣料品業界関係者やファッション好きはこれを差して「あんな安物は邪道だ」とか「消費者の感性が退化している」とかいうが、それは自分達が「ファッション好き」「衣料品好き」だからである。

こだわりのない人からすると、衣料品はユニクロやジーユー、ZARAで十分なのである。

そして、他分野を見渡すと、どの分野でも同じことが世界的に起きている。

コンサルタント氏は、衣料品と自動車がお好きで、使用するブランドにはこだわっておられる。
スーツはイタリアブランドだし、自動車はドイツ車である。それでもTシャツはユニクロで買っておられるのだから、ユニクロのコスパの高さがうかがい知れるのだが。

そんなコンサルタント氏でも家具やインテリアにはあまりこだわりがないのでニトリで十分なのだという。

しかし、インテリア関係者や家具業界人からすると「ニトリなんて」という声があるが、家具に対してこだわりのない人からすると安くて見た目も品質もそれほど悪くないニトリの家具で十分なのである。
当方なんて、もう10年以上家具なんて買ったことがないが、もし今後買いなおすことがあるなら迷わずニトリにする。
安いが少し感度を求める人はIKEAがお好きなようだが、買って帰って組み立てるのがめんどくさい。小さな棚くらいなら組み立てるが、大きな家具になるとそんなめんどくさいことはしたくない。
だったら最初から組み立ててくれてて安いニトリの方が良い。

またコンサルタント氏は眼鏡にはこだわりがなくJINSを愛用しておられる。
当方も眼鏡にはこだわりがなく、JINSでもZOFFでもオンデーズでも構わない。
当方はJINSの眼鏡をすでに3本所有している。

レンズ込みで5900円くらいから買えて、しかもフレームのデザインは多彩だ。
よほど困った症状の人を除いて通常の近視程度ならJINS、ZOFF、オンデーズあたりで十分だ。

だが、眼鏡の愛好家は違うだろう。
999.9だ、金子眼鏡店だ、アランミクリだ、という高額のブランドを押すだろう。

もちろん、違いは相応にあるとはいえ、JINSあたりの眼鏡を見て「見るからに安かろう悪かろうな商品だ」と思う人はいない。
なら、眼鏡に格別のこだわりのある「趣味人」を除いてはそれで十分だという人が増えることはまったく当たり前である。

自動車だって腕時計だって飲食店だって同じだ。

それぞれの分野で、それを趣味や職業にしている人はこだわりがあるだろうが、それ以外の人はそれほどこだわりがない。
昔は安物=粗悪品だったが、今では、安物は必ずしも粗悪品ではなくなっている。
品質スペックは安物でもそれなりに高い。
あとは見た目の良さとか使い勝手の良さとかが注目点になるが、それもそれなりに良くなっているから、趣味や職業ではない人からするとそれで十分だということになる。

そしてそういう人が、世界的に「マス」なのである。

スイス製の高級腕時計は数多くあるが、機能スペックはそれほど高くない物が多い。
反対に日本のシチズンやセイコー、カシオのデジタル時計の方が機能スペックは高い上に、価格は安い。
腕時計にこだわりがない当方からすると、なぜ、わざわざ性能的に劣っているスイス製の腕時計を高値で買う必要があるのかわからない。

1万円くらいのシチズンやセイコーやカシオで十分じゃないかと思う。
これで見た目のデザインが変てこなら買わないが、今はデザインだってそれなりにマシだから、だったら腕時計ファンじゃない人からするとそっちでイイやということになる。

当方が使っている2本の腕時計は両方ともカシオの太陽電池デジタル10気圧防水で、Amazonで3500円、4500円で買った。
2本合わせても8000円である。

Amazonで4500円で買ったカシオの太陽電池腕時計

 

 

自動車だってこだわる人はドイツ車だ、イタリア車だ、と言っているが、こだわらない人からすると、スズキとかダイハツの今のグレードアップされた軽自動車で十分だろう。性能スペックは決して低くないし、見た目だって昔の軽自動車に比べるとはるかにマシになっている。
当方はそうだ。

飲食店だって、こだわればキリがないが、こだわりのない当方は鳥貴族とかサイゼリヤで十分である。

結局、衣料品も同じことで、こだわっているのは「趣味」だからであり、そういう趣味人はマスではない。どの分野でも同じだ。

洋服にこだわっている「趣味人」だって、生活スタイルすべてにこだわっているという人はかなり少ないだろう。
興味のない分野はいわゆる「大衆向けブランド」で満足しているのではないか。
それに全分野にこだわろうと思えば、恐ろしいほどに金がかかるから、平均収入の少ないアパレル業界人では物理的に全分野にこだわることは不可能である。少なくとも当方の収入では不可能だ。

自動車や飲食にこだわらない人がいるように、衣料品に格別のこだわりのない人が少なからずいるのは何の不思議もないし、衣料品もそういうさまざまな商品の一つに過ぎないということである。

それを理解できない業界人が多いからいまだに「品質スペックガー」とか「おしゃれガー」と叫んでみても大衆に見向きもされないのではないか。

とはいえ、性能スペックが劣っていながらも「趣味人」に選ばれる高級ブランドというのはどの分野にもある。
自動車しかり腕時計しかり洋服しかり家電しかりである。

そういう方向を目指さないとユニクロとZARA以外のブランドは生き残れないのではないかと思う。

とはいえ、そういう「ブランド化」がどんなブランドでも成功できるわけではないし、そんなものが多数存在できるほど、世界の市場の容量は大きくない。(欧米中国を含めてもだ)

それができた少数のブランドだけが、価格競争やスペック競争に巻き込まれずに生き残ることができるだろう。

そして、衣料品業界人やファッション好きが主張するところの「こだわり」とは、所詮は「趣味人の蘊蓄や造詣」に過ぎないということを自覚しないと、マス層の嗜好性とはますます乖離するだけのことである。

当方は、外野で眺めているだけである。

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ジーンズメーカーとジーンズショップの変遷と苦戦低迷する理由
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カシオの優れもの太陽電池腕時計タフソーラーをどうぞ~

この夏、値下げされて買ったTシャツはユニクロばかり

昨夜遅くから急に湿度が下がって涼しくなった。
今年の夏は7月は超猛暑が続き、8月に入ってもときどき猛暑ではなくなるものの、猛暑の日が多かった。
関西では8月14日から急に夕立やゲリラ豪雨が増え、気温はマシになったが、その分、湿度が高かった。
それが昨夜遅くから湿度が下がり、今朝は久しぶりに涼しさを感じている。

もうええかげんに夏終わってほしい。というか、夏のない国に住みたい。
当方はそれほど暑さと湿度の高さが嫌いだ。

9月に入ってから気温がどう推移するのかはわからないが、例年、関西はなんだかんだ言って、10月の半ばまでは夏日が続く。
もちろん、10月になると朝夕は涼しくなるが日中は30度近い。
昨年は10月14日ごろまで半袖で過ごしていた記憶があるが、何年か前は10月20日まで半袖で過ごしていた。

だから、当方は体感気温に合わせると、まだ夏物の半袖を買ってもいまだと2か月くらいは着られる。
そしてこの時期になると半袖の夏物は最終処分価格まで下がる。
毎年、8月下旬から9月上旬にかけて最終処分投げ売り価格になった半袖を買っている。

物は考えようで、「季節先取りをしたい」と思って、新入荷する秋物を定価で買うのもそれはそれでありだし、体感気温に応じて最終処分投げ売りの半袖を買うのもありだと思う。

とはいえ、もうよほどのびっくり投げ売り価格でもない限り、半袖Tシャツは買わないだろう。

昨日も少し書いたが、毎年、6~8月にかけて半袖Tシャツを何枚か買っている。
もちろん、定価では買わない。値下がり品の中から選んで買っているのだが、その年によって集中的に買うブランドが異なる。

昨年の夏はライトオンの値下がりTシャツばかり買っていた。
今年はユニクロの値下がりTシャツばかり買っている。買った枚数の8割くらいはユニクロで、それ以外にジーユーで3枚、ジーンズメイトで2枚という内訳である。

もちろん値下がり品ばかりである。

ユニクロでも通常のユニクロTシャツは一枚も買っていない。買ったのは、デザイナーコラボの値下げ品ばかりである。

アンダーソン、トーマス・マイヤー、ユニクロUの3ラインで、実際に買って何度か着用してみると、あきらかに通常のユニクロTシャツよりも使用している素材のクオリティが高い。

3ラインとも生地が通常ラインよりも肉厚である。
アンダーソンやトーマス・マイヤーのTシャツは店頭で見ている限りは「テロっ」とした生地に見えているが、意外にしっかりした編地で少し生地に厚みがある。

トーマス・マイヤーのスーピマコットンプリントTシャツを買ったが、通常ラインのスーピマコットンTシャツよりも肉厚な生地になっている。

定価はいずれも1990円~1500円くらいで、定価でも十分にコスパが高いのだが、990~790円の投げ売り価格になると、もう、どんなブランドも追随できないほどのコスパの高さになる。

というわけで、今年の夏はユニクロのデザイナーコラボラインのTシャツばかり買ってしまったというわけである。

あ、あと、ボーダー柄ばかり買っているが、Tシャツって無地、ボーダー柄、プリントの3種類しかなく、柄物好きは必然的にボーダー柄Tシャツが増えることになる。

まず、6月にアンダーソンコラボのボーダー柄Tシャツを買った。
左右で切り替えてアシンメトリーな柄になっている変わり種Tシャツである。
これは990円に値下がりした時点で2枚買ったが、今は500円に値下がりしている。

細番手で編まれたしっとりした天竺だが、想像していたよりも厚みがある。
シルエットは少しゆったりで、当方でもMで十分にゆとりがある。

オレンジ×白が一番不人気色だが、着る人の容姿を選ぶので当然の結果といえる。
容姿が良くない当方は、白×紺、黄色×ブルーを買った。500円に下がってもオレンジは買わない。

次に買ったのが、ユニクロUのブロックカラーTシャツである。
990円に値下がりしたので何の気なしに買った。
ブロックカラーと言っても、袖口のリブの色が違うだけである。

たまたま目についた「黒×白」を買った。
これも滑らかな表面感なのに分厚い天竺でできており、かなりずっしりとした重さがある。
この素材感で990円に値下がりしたのは値打ちものだということで、「紺×マスタード」も買った。

あと「グリーン×白」は迷っているうちになくなり、「茶褐色×ピンク」は不人気カラーで、早々に790円に値下がりし、今は500円になっているが茶褐色は嫌いなので絶対に買わない。

店によっては「黒×白」が余っており、790円に値下げされている。

シルエットはこれもビッグシルエットで、当方でもMサイズで十分である。
790円なら「黒×白」は絶対にお買い得だ。

そして7月末に衝動買いしたアンダーソンコラボのカモメ柄Tシャツ。これは790円に値下がりしていたので買った。
各店舗に少しずつ残っているだけで、ボーダー柄よりも店頭残量が少ないし、値下げ幅は小さい。
ボーダー柄よりも人気商品だったということで、長い間990円でがんばっていたが7月末にようやく790円に値下がりした。
Lサイズを買ったのだが、ワンサイズ大きめだった。Mサイズで十分だった。

これも一見、生地が薄そうに見えるが、しっかりした厚みがあり表面感も滑らかで、この手の生地を使っているブランドは中価格帯でもあまりない。それほどの生地のクオリティだと思う。

8月頭に990円に値下がりして、実験的に買ったのがトーマス・マイヤーのヤシの木プリントのスーピマコットンTシャツ。
これはビッグシルエットではなく、レギュラーサイズ。Mサイズで当方はジャストサイズになる。
これもそこら辺の高級ブランド並みの生地の品質がある。

で、お盆前に買ったのがユニクロUのボーダーTシャツ3枚だ。
長い間1290円からまったく下がらなかったのがようやく990円に値下がりした。

これも厚手でビッグサイズである。生地は厚みがあるのは前記の商品と同じだが、表面感はざらざらしている。
昔のアメリカの厚手Tシャツみたいな感じで、好き嫌いはあるだろうが、これも990円に値下がりしたなら、値打ちのある生地といえる。

そんなに欲しくはないけど試しに買ってみたのが、このレゲエカラーのマルチボーダーで、同じ生地のデザイン違いのボーダーも買ってみた。

その一つが昨日書いた、送料無料で到着した黒×白である。
これはラグランスリーブで、レゲエカラーよりも身幅が広いような気がする。Mサイズでも大きすぎるくらいでもしかしたらSサイズでも良かったのかもしれない。
それほどにゆったりしている。

なぜか送料無料で買えたボーダーTシャツ990円

で、同じ品番の白×マスタードも買った。

これは不人気カラーのようで、どの店舗を覗いてもけっこうな枚数が残っている。
しかし、白ベースの着やすい色合いだと思うので、なぜ不人気品番なのかわからない。
もしかしたらそうそうに790円に値下がりするかもしれない。

あと、この品番は袖と身頃の柄合わせが精密であるところがすごいと思う。
ボーダー柄が直角に合わさっている。柄としてはいささか単純だが、この値段でこの柄合わせをできるブランドはほとんどない。
この辺りもユニクロのすごさではないかと思う。

結局、3か月間で9枚もユニクロでTシャツを買ったが、どれも品質の高さが際立った。
4900円くらいまでのTシャツブランドですら、太刀打ちできないのではないかと思う。
ますます、そこら辺のアパレルとユニクロの格差は広がるばかりだということを改めて感じた。

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カシヤマ・ザ・スマートテーラーの出張採寸を見学した話

先日、カシヤマ・ザ・スマートテーラーの出張採寸を見学した。
オンワード樫山が開始した低価格パターンオーダースーツで、今は地域限定だが、採寸師が出張採寸してくれるというサービスだ。

いつもの深地雅也さんが予約をしたというので早速、見に行った。

その顛末はすでに深地さんがまとめている。よければご一読を。

KASHIYAMA the Smart Tailorの出張採寸が超便利な件

https://note.mu/fukaji/n/nf1604735f624

横で見学していた限りにおいては、通常のパターンオーダーの採寸と各種オプションで、極めて標準的なサービスに見えた。

当方も12年くらい前に一度、オンリーでパターンオーダースーツを作ってみたことがある。
また、先日は大手生地ブランドからの依頼で、東京と大阪のテーラーでパターンオーダースーツづくりの取材をした。

それらと比較してみても、まあ標準的なサービスだといえる。

ただ、パターンオーダーにつきものの基準となる「ゲージ服」の着用はなかった。
カシヤマのショップでなら「ゲージ服」を着用しての採寸もあるのではないかと思う。

価格はジャケットとパンツで

ウール50%・ポリエステル50%生地が3万円
ウール100%国産生地が4万円
インポート生地が5万円

となっている。

各種のオプションは

・袖口のボタンの数
・切羽にするかどうか
・裏地の色
・ベント(ノーベントかセンターベントかサイドベンツか)
・ジャケットの両脇のポケットの形
・胸ポケットの形
・パンツのタック(ノータックかワンタックかツータックか)
・ボタンの色と材質

くらいになる。

で、スーツはこれまであまり着たことがなかった深地さんを横で観察していたのだが、これらの各種オプションを選ぶのがちょっとめんどくさそうだったのが印象的だった。

スーツの好きな人、スーツに慣れている人なら、これらのオプションは標準的で、それを選ぶことが「楽しい」と感じる。
決してこのオプションは多すぎるとは思わない。

しかし、慣れない人にとっては、これらのオプションを選ぶことはけっこう面倒に感じる場合があるということを初めて知った。

もしかすると、スーツ慣れしていない人やスーツに詳しくない人に対しては、もっと提案機能を持たせた方が顧客満足度が高くなるのではないかと思った。

来店した客を「スーツ慣れした人」か「スーツ慣れしていない人」か見分けるのがなかなか難しいが、何らかの方法で見分けて、それによってスーツ慣れしていない客にはもっと積極的に提案した方が良いのかもしれない。

カシヤマの採寸師の方は、決して投げっぱなしというわけではなかったが、お客の要望に合わせるというスタンスだった。
当方ならそういうスタンスの接客で十分なのだが、慣れていない人にとっては、逆にそちらがサジェスチョンしてほしいと思うようだった。

それとその時に採寸師の方からいろいろとお聞きしたことが興味深かったのが、おもにこのパターンオーダー事業の業績に関することだった。

中国の大連にすでに専用の縫製工場を作っており、第二工場ももうすぐ稼働し、第三工場も建設することが決まっているという。
最近のOEM丸投げアパレルの水準からすると1つでも工場を作るというのがすごいが、まあ1つくらいならわからないではない。
しかし、事業がスタートしたばかりでもう第三工場まで作ることが決まっているというのは、相当に売れ行きが好調なのだろう。

1日あたりの売れ行きを尋ねてみると、「だいたい毎日800着」だという。
これは予想外にすごい数字ではないか。

客単価3万円としても1日に3万×800着で2400万円の売上高になる。
1か月だと2400万円×30日で7億2000万円となる。

このペースで1年が経過したと仮定すると、7億2000万円×12か月で86億4000万円の売上高となる。

深地さんは、客単価4万円で計算しているが、4万円だとだいたい115億円強の売上高となる。

実際の売上高はこの86億と115億円の間ということになるのではないか。

しかし、それにしても事業開始と同時に縫製工場を作るというのは、さすがは老舗アパレルであるオンワード樫山だといえる。

もちろん老舗アパレルだってOEMやODMに丸投げするのは珍しくないが、このオーダースーツ事業に関しては、製造の段階から自社で用意しており、その力の入れ具合がわかる。
物作りをどうするかということを最初から考えるのは、さすがは老舗アパレルで、泥縄式に製造関係者を募集しているZOZOとは姿勢がまるで異なっている。

話は少し戻るが、スーツに慣れていない人・初心者をターゲットにした、「なるべく選ぶオプションが少ないパターンオーダー」というのも考えてみてはどうだろうか。

極言すれば「標準服」のサイズを修正するだけである。

そのキモとなる「標準服」のデザインやシルエットはよほど魅力的なものにする必要がある。
選ぶことに慣れていない人にとっては、選択肢を制限する、もしくは無くすことが最高のサービスになる。

逆説的だが、顧客サービスとは、たくさんの中から選ぶようにしてあげることばかりではないということである。

10何種類もシルエットが存在するジーンズ専業メーカーのジーンズよりも、4種類くらいしかシルエットのないユニクロや無印良品のジーンズの方が売れていることを考えてみても、選択肢を制限することが対象によっては、顧客サービスになり得るということがわかるのではないだろうか。

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8月1日から始まった、はるやまの新パターンオーダー、イージーセレクトもどうぞ
今度試してレポートしてみようかな?

低価格ブランドが売れているのは「価格」だけが評価されているのではない

インターネット、とりわけブログも含めたSNSが普及したことによっていろんな人が意見を発信することができるようになった。
デメリットもあるがメリットも大きく、当方もいろいろとデメリットを感じることもあったが、何とか生きていられるのもSNSの普及によるところが大きい。

で、様々なファッション業界人(あえて衣料品業界とはいわない)の発信を見ていると、「ズレ」てるなあと感じることが多い。

その多くはやっぱり自分たちの飯のタネに直結する「商品価格」のことである。
中には被害妄想ではないのかと思う人も少なからず見かけられて辟易させられる。

よくある論調として

「ユニクロなどの低価格ブランドが持て囃されているが、高い服を着ることで精神がウンタラカンタラ」(うざっ)

というものである。

もちろん、バブル崩壊以降の可処分所得の低下・伸び悩みによって、バブル期以前のような高価格な洋服が売れにくくなった。

バブル崩壊直後の93年とか94年には、このケチな当方でさえ、10万円のスーツが6万円に値引きされたのを買っていたのである。
その理由は、何度も書いているが、低価格店にそういうデザインのスーツがなかったからである。

もちろん当時は今より平均的な可処分所得は多かった。
しかし、似たように見える商品があったら間違いなくそちらで買っていた人は多かっただろう。

何度も書くが、93年当時に黒い無地のスーツは、DCブランド系の店にしか売ってなかったのである。
ロードサイドの青山、はるやまには黒無地スーツは略礼服しかなかった。

DCブランドならセールで6万円だが、もし、青山やはるやまに売っていたら定価でも3万~4万円くらいだっただろうし、バーゲンになればそこからさらに2割か3割は安くなっただろう。

だから、もし、当時、黒い無地のスーツが青山やはるやまにあればそちらで買うという人が多かっただろう。

ない物は買えないから、高いDCブランド系で買うしかない。
それだけのことだ。

これはスーツに限らず、Tシャツしかりジーンズしかりドレスしかりである。

元嫁は93年当時、今は亡きビバユーというサンエーインターナショナルのブランドの服を高値で買っていた。
生地はいわゆるスーツっぽいウールまたはウール混で、モスグリーンのロングベストだった。
モスグリーンというだけですでにイズミヤやジャスコには売ってなかったのだが、襟(ラペル)の形状が変わっていて、雲形定規で切り抜いたような丸いグニャグニャした形状をしていた。

グリーンでグニャグニャした形の襟のついたベストなので、当方は「昆布ベスト」と呼んでいた。

昆布ベストのイメージ画
自分で書いたので下手くそご容赦

 

そんな変な襟の形をしたベストはイズミヤにもジャスコにも売っていなかったから、それが欲しければ、高値でビバユーで買うしかなかった。
それだけのことだ。

上の論調のようなファッション業界人は、当方より若い人が多いが、20年前の売り場を見ていない、もしくは記憶が薄いからそういうことをいうのだろうが、ユニクロなり無印良品なりジーユーなり、その他低価格ブランドが売れているのは「価格」だけでは決してない。
百貨店納入ブランドが売れないのは、消費者の意識が低いからでは決してない。

今、黒い無地のスーツといった場合、素材や縫製の品質の良し悪しを除くと、どこでも買える。
ユニクロの「感動ジャケット」+「感動パンツ」だって黒無地のセットがあって、定価で1万円くらいで買える。

25年前なら、低価格品は色や柄は同じでも形がおかしかったり、素材の表面感が違ったりしたが、今の低価格ブランドはそこもそれほど差はない。

だったら、服マニアや服オタクみたいな人以外はそちらで買うのが当然だろう。
6万円と1万円じゃ、見た目にほとんど差がなければ1万円の商品をマスは買う。

黒い無地のスーツに限らず、セーターしかりジーンズしかりである。
昔のイズミヤやジャスコの平場に並んでいた低価格ジーンズはクソダサかった。2010年ごろまでのユニクロのジーンズもクソダサかった。
それが細かい差異はあるにせよ、今ではほとんど見た目がジーンズブランドと変わらなくなっている。
それでいて値段は最低でも2倍はちがうのだから、安い方がマスに売れるのは当たり前である。

被害妄想丸出しの自称ファッションクラスタあたりは、消費者心理や世の中の風潮を責める前に、低価格ブランドと見た目の区別がつかない物しか作れなくなった百貨店アパレルを責めるべきである。

そして「価格」問題以前に、低価格品の見た目が良くなったことを飲み込まないと、売れる商品なんて永遠に作れない。
もう「日本製だから」とか「職人がナンタラ」とかそんなありきたりな文言だけでは高い衣料品なんて売れない。

昨日も取り上げたが、ブルーモンスタークロージングのジーンズは、カイハラのデニム生地を使って3000円台とか4000円台で発売している。

高い服が売りたいなら、「昆布ベスト」みたいに明らかに「見た目から違う服」を作り、それの値打ちを響くように伝える必要がある。
先日取り上げた6000円のデザインタンクトップが良い例である。

上手く見せて伝えることができれば、たかがタンクトップに6000円払う人が少なくとも毎月100人は存在する。
年間にすればのべ1200人が買うことになる。

下手をすると、半場不振にチビって安全パイばかりの百貨店ブランドよりも、ユニクロのデザイナーコラボの方がよほどデザイン性の高い服になっている。おまけに価格は安い。
左右で切り替えられたボーダー柄Tシャツなんていう「デザイン物」はユニクロにしかなかったりする。(今夏のアンダーソンコラボ)

990円に値下がりしたときに買ったユニクロアンダーソンのボーダー柄Tシャツ 今は500円に値下がりしている

商品を「価格」だけで切り取って、上から目線のピントの外れた啓蒙活動を行っているから、ファッション業界人は一般人から理解されないのである。
そういうピントの外れた啓蒙活動がカルト的な小規模集団になることはあってもカルトは所詮カルトでマスにはなれない。

それにしてももう一回、どこかのブランドで「昆布ベスト」発売しないかな。(笑)

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【告知】多数の要望があり、8月24日のマサ佐藤(佐藤正臣)氏とのトークショーを昼間から夜の飲み会へと変更しました。(笑)
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雲形定規をどうぞ~

今、ビバユーはバッグしかやってないね~

今後、マス化するスーツは「低価格パターンオーダー」ではなく「機能性カジュアルスーツ」では?

ZOZOの参入によってオーダースーツ(実際はパターンオーダー)が注目を集めているが、このブログで書いているように低価格パターンオーダースーツは何も去年や今年に始まったわけではない。

もう10年以上前から、青山、オンリー、はるやまなどの大手スーツ販売店各社が導入していた。
理由は2007年から始まる団塊世代の定年によるスーツ需要の激減に備えるためである。

各社の対応策は主に4つである。

1、レディーススーツの拡充
2、カジュアルウェアの拡充
3、低価格パターンオーダーの導入
4、異分野への進出

1はいわずもがなで理解いただけるだろう。
2は青山商事のリーバイスストアのフランチャイズ運営であったり、アメリカンイーグルの導入、はるやま商事のストララッジョ買収、イーブス買収、テットオム買収などである。

3は連日注目されている通りである。

4はAOKIのようにカラオケ店や結婚式場運営などのことを指す。

で、パターンオーダースーツに戻ると、この手のオーダースーツはたいがいはZOZOのオーダースーツの定価よりも安い。
だから購入しやすい。価格的に低価格既製服と変わらないのだから、既製服を買うくらいならパターンオーダーの方が良いという評価にもなりやすい。

当方だって3万円で既製服を買うならカシヤマ・ザ・スマートテーラーでパターンオーダー作るわということになる。

そうそう、深地プリンス雅也さんが先日、カシヤマ・ザ・スマートテーラーの出張採寸を受けてパターンオーダーでスーツを購入した。
採寸の様子を見学に行ってきたが、商品到着後NOTEでレポートするらしいので乞うご期待だ。

https://note.mu/fukaji

まあ、それはさておき。

とはいえ、各社のパターンオーダーが今後「スーツ」の中心商材になるかと言われると、当方はZOZOも含めてそうはならないと思っている。
もちろん需要はなくならないし、ある程度の売り上げ規模は維持し続けると思うが、マス層に広がり切るとまでは言えないのではないかと思っている。

なぜなら、どれほど低価格であろうと高品質であろうと、使用素材はウールが主体で、スーツそのものはビジネスまたはセミフォーマル用途である。

休日にまで着用したいかといわれると、なんだか気が進まない。
またウール素材なのでメンテナンスや保管がめんどくさい。洗濯も気を使う。

だから、当方は「スーツ」として今後マス層に広がり切るのは現行のパターンオーダーではなく、合繊素材や機能性素材を使用したカジュアルスーツ、カジュアルセットアップの類ではないかと思っている。

例えば、ユニクロの「感動ジャケット」+「感動パンツ」である。
上下定価で買っても1万円くらいで、値下げ品を買えば上下セットで5000円くらいで買える。
しかもストレッチ混の合繊素材で洗濯もできるし、保管もウールほどは気を使わない。

当方がジーユーで昨年の秋から合計6着も買った上下セットアップだ。
秋冬に買ったのはレーヨン・ポリエステルのカットソー素材のスーツで、今春夏買ったのはナイロン・ポリウレタン混のスーパーストレッチドライスーツである。

定価で7000円くらい、値下げの最安値では上下セットで3580円で買った。

ユニクロ、ジーユーはちょっとという人には有名セレクトショップ各社の商品もふんだんにある。

ナノユニバースやジャーナルスタンダードあたりでも合繊ストレッチ素材のスーツを定価2万円ほどで発売しており、セール価格だと1万円くらいにまで値下がりしている。

オッサン向けならドゥクラッセもある。
定価14900円でも安いが、セール価格は7990円で、一時期は7490円にまで下がっていた。
ポリエステル100%である。

ドゥクラッセのセットアップ。(同ブランドサイトから)

当方がどうしてこれらの方がマスに広がりやすいと考えているかというと、先ほども書いたが「ラクさ(着用感、保管、メンテナンス)」である。
それ以外には

1、低価格
2、カジュアル用途にも使いやすい

がある。

低価格パターンオーダーよりもまだ安い。サイズさえ合えばお買い得といえる。

が、それ以上に重宝するのが、カジュアル用途にも使えるである。
昨今はクールビズやカジュアル化でネクタイさえすればカジュアルスーツでもビジネスに着用できる。
カジュアル用途なのでもちろんカジュアルシーンには使えるし、上下分割でも使える。

現行のパターンオーダースーツはビジネス仕様なので、カジュアルにはちょっと使いにくい。
下手をすると服を持ってないから休日でもスーツを着ているオッサンに見えてしまう。

そうなると、カジュアルスーツの方が着用シーンが多く想定でき、着用回数も増える。
価格が安いからコストパフォーマンスが高い。

だから、こちらの方がマス層に広がるのではないかと思う。

もちろん、これらのカジュアルスーツ、機能性スーツがパターンオーダーを取り入れた場合は、販売価格は少し高くなってしまうが、さらに消費者の利便性が高まることは間違いない。

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ナノユニバースのカジュアルセットアップめちゃ値下がりしてる。5961円やて。

パターン(型紙)によって同じ半袖開襟シャツでも見え方が全く異なる ~ユニクロとジーユーの半袖開襟シャツを比較~

同じ衣料品業界にいながら、各分野ごとの知識分断というのは凄まじいわけで、布帛(織物)に強い人はニット(編み物)に弱く、当然その逆もある。

当方は、織物は何となくわかるが、ニットになるとまるで分らない。

生地の構造自体が異なるし、それを製造する機械も異なる。

こういう分野が衣料品業界にはいろいろとあって、包括的な知識を持っている人はほとんどいないといえる。
反対にいえば、ほとんど何の知識がなくても自分のブランドを作れたり、オリジナルの洋服を作れたりするところが衣料品業界の良いところでもあり悪いところでもある。

衣料品業界を通じて、理解している人がもっとも少ないのがパターン(型紙)ではないかと思う。
当方もパターンについてはさっぱり知識がない。
知識量はゼロに等しい。

とはいえ、服の見え方やシルエットにもっとも重要な位置を占めるのも実はパターンだといえる。

よく「〇〇ブランドのTシャツは細身に見える」とか「〇〇ブランドのTシャツは太って見える」なんて言葉を聞くことがある。

いろいろなブランドの商品を買い比べてみると、やっぱりそれぞれ微妙に形が異なり、太って見えるTシャツもあれば、意外にスラっと細身に見えるTシャツもある。
Tシャツとかボタンダウンシャツなんてデザインとしては決まりきっているから、その見え方を大きく左右するのはパターンだといえる。

先日、開襟シャツを買ってみて、形や見え方が大きく異なることに気が付いた。(今更かよ)

一つはユニクロのユニクロUの今夏物のレーヨン混の半袖開襟シャツだ。
2990円が1990円に値下がりしたのを買った。

これは昨年も発売されて大人気で結局値下がりせずにほぼ完売したレーヨン混半袖開襟シャツの今年版だ。
生地は去年より少し薄くなった気がする。
好みにもよるだろうが、去年物の方がクオリティが高いような気がする。

もう一つは、ジーユーで買った麻混半袖開襟シャツだ。
790円に値下がりしていたので衝動的に買った。

今夏のジーユーの投げ売りぶりはすさまじく、190円・390円・590円・790円のオンパレードだ。
天神橋筋商店街のバッタ屋よりも安い。安い服が欲しい人はジーユーの投げ売り品を買うべきである。

着用感からいうと、ユニクロUは何となく細身に見える。
一方、ジーユーのはダボっと感がある。

しかし、比較してみると肩幅は変わらない。

その一方で、着丈、袖丈・袖幅、身幅は大きく異なる。

この違いで、同じ「無地開襟シャツ」といえども着用感と見た目が大きく異なる。
これはパターンの違いによって作り出されているといえる。

まず、ユニクロUの開襟シャツの特徴は

・着丈が長い
・袖丈が長い
・袖幅が狭い
・身幅が細い

である。

一方、ジーユーの開襟シャツの特徴は

・着丈が短い
・袖丈が短い
・袖幅が広い
・身幅が広い

である。

重ね合わせてみると一目瞭然だ。

一見するとまるで別サイズに思えるが、これで肩幅は同じなのである。

ユニクロUとジーユーの企画の考え方の違いがここに現れているといえる。

肩幅が同じでも着丈を長くして身幅を細くして袖幅を細くすれば、細身に見えやすい。
その逆にするとダボっとした見え方になる。

パターンをいじるだけでここまで同じ分野の商品が異なった見え方をするといえる。
それほどにパターンは重要だといえるが、これが専門担当者以外にはほとんど知られていない。

もちろん、どこぞのODM業者を使って、他商品から型紙を流用したという可能性だってあるが、それでも他商品は何らかの意図があって、そのパターンを使っているのだから、やっぱりパターンの重要性は高いといえる。

あとは、素材感による見え方の差も一部にはある。
レーヨン混の薄手で光沢のある生地はスラっと見えやすいし、麻混の粗野な表面感の生地はガッシリして見えやすい。

生地による見え方の変化というのも当然ある。

専門学校や衣料品業界ではとかく「デザイン」を重視して注目しがちだが、実はパターンの出来によってそのデザインが生かされたり殺されたりする。

専門学校でショーに登場する「作品」やコレクションショーに登場する「作品」のように奇抜なデザインを立体化して、着用可能にし、なおかつそれなりに美しく見えるようにしているのは、パターンなのである。

特にデザイン画なんて、ほとんどファッションイラストみたいなものも多いから、どうやって立体化するのか皆目わからない場合も多い。
それを立体化して着用を可能にできるのはパターンの力によるものなのである。

蛇足ながら、イラストの立体化ということに関しては、超合金などの玩具やプラモデルにも通じる。

アニメに登場するロボットを立体化する際は、かなり困難が伴う。
昔の超合金やガンダムのプラモデルはなんか段ボール箱を積み上げたような形だったが、今ではアニメ番組に登場したそのままに近い形になっている。
これも裏方の力だろう。

昔、読んだプラモデル雑誌(多分、モデルグラフィックスの別冊)で「〇〇先生のロボットデザイン画は、立体化すると正面と背面のラインがなかなかつながらず苦労した」とモデラーが語っていたが、パターンを作るパターナーもこんな苦労をしているのだろうと思う。

知識量ゼロのオッサンが思いつくままに書いてみたが、多少はパターンの重要性が伝わるだろうか?

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業績の明暗が表すユニクロとジーユーの値下げ方針の違い ~今春夏の店頭を見て~

今春物から、ユニクロとジーユーがそれぞれ異なった値下げの手法をとるようになった。

ユニクロは今春夏物から値下げパターンが変えた。
自動的・段階的値下げはこれまでと同じだが、その値下げ幅が小さくなった。
反面、同じ商品でも色柄によって値下げ幅が異なるようになった。

昨年冬物までは、自動的・段階的値下げされ、それまで同様、期末には驚くほどの安値になった。
それが今春物からはそこまで値下げされなくなった。

お気づきだろうか?

2990円のパンツはせいぜいが1990円までにしか値下げされない。
1290円に値下げされるのはよほど時間が経過してからになっている。

シャツしかり、アウター類しかりだ。

しかし、売れ行きが鈍いと思われる商品は容赦なく値下げされる。
アンダーソンとトーマス・マイヤーは値下げされている物が多いが、アンダーソンは昨年秋冬物に比べると値下げ幅が小さい。
昨年秋冬物でデビューとなったJWアンダーソンコラボだが、はっきりいって投げ売りされまくっていた。

ウールをふんだんに使ったセーター類は本来なら製造コストが高いからそこまでの値引きはされないはずなのに、「魚柄ラムウールセーター」は最終500円にまで値下げされていた。
また、フェアアイルモックネックセーターも990円にまで値下げされたし、カラフルボーダー柄のファインゲージセーターも990円に値下げされた。これらをいずれも当方は底値または底値に近い価格で買っており、全然アンダーソンなんて注目していなかったのに、昨年秋冬にユニクロで買った商品の中で最も多かったのがアンダーソンコラボになってしまった。

今春夏のアンダーソンも通常ラインに比べて値下げされている物が多いが、秋冬物ほど値下がりしていない。切り替えボーダー柄Tシャツだっていまだに990円で踏ん張っている。
ロング丈シャツは3990円が最終1990円に値下がりしたが、1990円になる前にほどんど完売となっている。

また、これまでユニクロは同一品番は同一価格で値下げされていたが、今春物から、同一品番でも動きの鈍い色柄だけが大幅に値下げされるようになった。
例えば、春先に綿セーターが何種類か投入されたが、薄手の家庭洗濯可能なセーターの中で赤とピンクが不人気だったのか、いきなり500円に値下げされた。他のカラーが990円でとどまっているにもかかわらずだ。当然、当方はその赤を500円で買った。

今夏のユニクロUのTシャツもそうだ。袖リブの色だけが本体と異なる「カラーブロックTシャツ」という品名の商品があるが、黒、グリーン、紺は990円でとどまっているのに対し、赤茶色だけが790円に値下げされているし、「ユニクロU」のボーダー柄Tシャツも同様で赤茶色とあせたピンクのボーダー柄だけが790円に早くも値下げされている。

これと対照的なのが今夏のジーユーで、190円・390円・590円・790円というバッタ屋価格の商品が目白押しである。
はっきり言ってなまじのバッタ屋よりも安い商品が多い。
バッタ屋を越えたジーユーというのはなかなかすごい。

390円に値下げされていて、5月に買ったデニムの水玉プリントシャツ

 

 

キム・ジョーンズとのコラボアイテムなんてもうとっくに投げ売り価格で、カラーブロックセーター(冬向け素材)なんて今や390円である。ルイ・ヴィトン、ディオールなどのスーパーブランドを歴任したデザイナーの商品とは思えないバッタ屋価格となっている。

夏物に関してはユニクロよりもジーユーで買うことが増えた。
麻混の開襟シャツを790円で買ったし、先日、このブログでも紹介した切りっぱなしスキニージーンズも790円で買った。
ワイドボーダー柄Tシャツも590円になったときに3枚買った。

この安さを体験するとまともな店で服は買えなくなるほどの衝撃がある。

ユニクロとジーユーの値下げの違いを考察すると、ユニクロが以前よりもあまり値下がりしなくなった理由として、業界の製造関係からは「今春物から製造原価率を上げたから」だという声が聞こえる。それによると「製造原価率を5%上げてさらに品質を高めた。そのため、以前ほどの値下げはされなくなった」と言われている。それが正しいとするとユニクロの平均製造原価率は45%前後ということになり、あの数十万枚という量の多さで、その原価率の高さは驚異的といえる。
そこらの細かいロットしかないくせに「原価率50%ガー」とアホの一つ覚えのようにいっている某ブランドの商品とはまったく比べ物にならない。

一方、ここまで投げ売りするジーユーは恐らく在庫がダブついているのだろうと推察される。

さて、ユニクロとジーユーを擁するファーストリテイリングの2018年8月期第三四半期決算が発表された。
それによるとユニクロは増収増益であるものの、ジーユーは減益となった。特に3~5月は既存店売上高が前年を割り込み、大幅減益となっている。大幅減益となった理由は、在庫処分を進めた結果だ。

そしてジーユーは第4四半期も在庫処分を進めるため、粗利率が低下し、赤字幅が拡大すると見通している。

ジーユー/3~5月既存店売上減、春夏商品不振・在庫処分で赤字拡大

ジーユー/3~5月既存店売上減、春夏商品不振・在庫処分で赤字拡大

ジーユーの2018年8月期第3四半期の売上収益は1666億円(前年同期比6.4%増)、営業利益は150億円(1.7%増)と、増収増益になった。

一方、ジーユーの3~5月の既存店売上高は、減収となった。
春夏のキャンペーンで打ち出したマドラスチェックのボトムス、トップスや、ロングスカートなどの商品の販売が不振で、計画を大幅に下回った 。

売上が計画を大幅に下回ったため、値引きを早期に進めたことにより、3~5月の売上総利益率は前年同期比1.9ポイント低下し、また、売上高販管費率は同1.2ポイント上昇した。
営業利益は同20.0%の大幅な減益となった。

また、第4四半期は、シーズン末の在庫処分が増え、粗利益率が低下、赤字幅が拡大する見込みで、下期、通期ともに減益となることを予想している。

とのことである。
当方が喜んで買っている値下げ品はやはり在庫処分だったのである。

だいたい当方が喜んで投げ売り品を買うブランドは、その時、苦戦傾向にある場合が多い。
今年5月、6月のジーユーもそうだし、2017年のライトオンもそうだし、ジーンズメイトもそうだ。
だから当方が「これは破格値!」と紹介するブランドは概してその時点では不良在庫を抱えており、苦肉の策として投げ売りをしているということである。

ジーユーの春夏の店頭を見ると、たしかに商品のクオリティもデザインも良くなってるが、トレンドに偏重しすぎていると感じる。ベーシックアイテムが減った。そのあたりを当方が面白いと見ていてその投げ売り価格に魅力を感じているのだが、マス層のニーズとは少し異なっているといえる。

もちろん、ジーユーもそれに気が付いていて、夏物には無地のポロシャツとか無地のTシャツなんていうベーシック品も差し込まれているが、必然性のなさと売り場での見せ方の下手さが災いして全く売れずに590円の投げ売り価格となっている。

例えば、マーセライズドTシャツだ。今590円にまで値下がりしている。
無地で色展開も多く、通常ならもっと売れるはずだが、全商品がビニール袋に入れられている。
これは触られて汚れないようにという工夫とともに、マーセライズド加工された生地がテロっとしていて畳みにくいからではないかと思う。
マーセライズド加工とはシルケット加工とも呼ばれ、シルクみたいなソフト感と光沢感を綿に与える加工である。

そのため、ビニール袋に入ったままではその肌触りの良さはまったく実感されない。
なぜならビニール袋に入っているため触れないからだ。

いくらPOPで「マーセライズド加工」なんて書いたって意味がない。
それに一般消費者からすれば「マーセライズド加工」なんていわれたところで何のこっちゃでしかない。

完全に売り方・見せ方のミスである。

下期は、商品構成を見直し、防寒衣料、デニム、Tシャツ、ラウンジウエアといった実需商品の割合を増し、これらの実需商品の中にもジーユーらしいトレンドの要素を取り入れる。

とのことで増えすぎた品番数を絞り、ベーシックアイテムを強化するとのことだが、結局洋服屋というのはベーシック一辺倒でもダメだし、トレンド一辺倒でもダメだということで、ベーシックとトレンドのバランスをどう取るのかということが永遠の課題だといえる。
そしてそのバランスの取り方を誤ると今回のジーユーのようになるし、過去のユニクロの伸び悩みのようになってしまう。

それにしても、店頭の動きがそのままジーユーの3~5月の業績に反映されていたことには笑ってしまう。
店頭を見ていると、AIだ、POSだ、KPI指標だ、と難しいことを言わずとも、ある程度の売れ行きは推察できてしまう。店頭の動きをどれだけ正しく見るか、衣料品ビジネスはその一点にかかっており、それができていない人が多すぎるから「斜陽産業」と呼ばれるような事態に陥ってしまったといえるだろう。

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ZOZOのオーダースーツの価格は極めて平均的 ~ZOZOよりもお買い得なオーダースーツはこんなにある~

本日はちょっとお気楽に。

先日、ZOZOのオーダースーツが発表されたが、すごく安いという印象が世間で独り歩きしているが、実際のところはそんなに安くない。
今回はお試しで2万円台だが、定価は39,900円と発表されている。

業界の人ならだれでも知っている知識だが、オーダースーツには、大きく分けて3種類のオーダースーツがある。

基本的なことのおさらいをさらっと簡単にしておく。

1、パターンオーダー
2、イージーオーダー
3、フルオーダ

の3つがある。

パターンオーダーとは、基となるパターン(型紙)があり、それを体型に合わせて修正する。
標準仕様の服を着て、採寸し、それを基として各部を調節する。
現在の国内価格だと2万~5万円くらいでできる。ZOZOのオーダースーツは価格的にこれだ。

イージーオーダーとは、その人と似た体型の人用の型紙を修正して使う。これはパターンオーダーよりも少し高い。

フルオーダーとは採寸して、その人専用の型紙を作るところから始める。これは最低でも何十万円かはする。

だから、ZOZOが「フルオーダー」と言っているのは、完全に誤りで「パターンオーダー」が正しい。

で、市場には2万~4万円程度のパターンオーダーはあふれかえっており、取り立ててZOZOが割安ということもない。

付け加えておくと、素材の「スーパー110」というのは高級ウール素材だが、すでに10何年前のツープライススーツショップでも使われていた。数字が大きくなるごとに糸が細くなって高級素材となるが、「スーパー150」以上は細すぎて耐久性がなくなって、スーツ地としては実用に適さないと言われている。

ちなみに当方が12年前くらいに買ったスーパースーツストアのスーツにもすでに「スーパー110」が使われていた。
既製服なので19000円くらいだったと思う。

近年、団塊世代のリタイアとスーツのカジュアル化によって、スーツ販売各社は既製服スーツの売れ行きが鈍ってきた。
そのため、各種方策を繰り出してその穴埋めをしていたのだが、その方策の一つが低価格パターンオーダーの導入だった。

そのほかの方策は、レディースビジネススーツ類の拡充、カジュアルウェアの拡充である。

まとめると

1、低価格パターンオーダーの導入
2、レディースビジネスウェアの拡充
3、カジュアルウェアの拡充

がスーツ販売各社の2007年以降の方策である。

だから、39900円程度のパターンオーダーなんて実際は珍しくもなんともない。
世間にはもっと安いパターンオーダーが実は溢れている。

今回は各社の低価格パターンオーダーを見てみよう。

〇まずは関西ローカルチェーン店のツキムラ

http://www.tukimura.com/

1着28,800円、3着50,000円という安さ。これだけですでにZOZOより破格に安い。

 

〇次にかつて「ザ・スーパースーツストア」でツープライス業態を開発したオンリー

https://only.co.jp/

1着28,000円、2着38,000円という破格値。2着作ってもZOZOより1900円も安い。
1900円あればジーユーで590円のTシャツが3枚買えてしまう。

 

〇エフワン かつては既製スーツを販売していたが、経営破綻して縫製工場グッドヒルの子会社になってからオーダー専門店へと変わった

https://www.f-one.co.jp/

1着29,800円でここは纏めオーダーはやっていない。

 

〇最近店舗数を増やしたグローバルスタイル

https://www.global-style.jp/

1着38,000円だが2着で47,000円という値引きスタイル。

 

〇大手ツープライススーツショップの「スーツカンパニー」の派生形態「ユニバーサルランゲージ」

https://www.uktsc.com/custom-order/

1着39,000円、2着49,000円という安さ。

 

〇最近始まったオンワード樫山の新業態「カシヤマ・ザ・スマートテーラー」

https://kashiyama1927.jp/

1着30,000円(税抜き)が最低価格。

とざっと駆け足で見てきたが、ZOZOのオーダースーツの価格がどれほど「平均点」なのかということがわかるだろう。
39,900円のオーダースーツなんて珍しくもなんともない。

また、一度作ったら採寸データは残るから、リピートするのも簡単で、IT化が進んでいるから、パソコンやスマホからデータを自分で入力して買えるというサービスも別に珍しくない。現に「カシヤマ・ザ・スマートテーラー」は指定した場所にフィッターが出張してきて採寸してくれるだけでなく、2着目からはスマホからもオーダーできるし、最速で1週間で完成するから、ZOZOのサービスが霞んで見える。

逆にあんなに12回もクルクル回らねばならない上に、採寸に誤差が生じやすい水玉模様のZOZOSUITよりもプロのフィッターに出張してきてもらった方が手軽だし信頼できる。

こうして見ると、ZOZOよりも価格競争力もあり、サービスも優れているオーダースーツは業界には掃いて捨てるほどある。
ZOZOが上手いのは現時点ではイメージ戦略だけということができる。

それにしてもメディアはこういう競争力のあるブランドを紹介せずに何をイメージ優先のZOZOばかり紹介しているのか。
偏向報道と叩かれても当然の報いといえる。

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1000円未満でコスパの高い服が買えてしまうジーユーの今夏商品の破壊力

今日はお気楽に。

アパレルブランドを店頭で見ていると、そのシーズンごとに商品の出来栄えが変わるので面白い。
すごく良いシーズンとすごくイマイチなシーズンがある。
ずっと連続して出来栄えの良い商品を出し続けるブランドなんてないから、結局は、出来栄えの悪い商品を出す数が少ないブランドが消費者から支持され続けているといえる。

今春夏だと、ジーユーの商品が出来栄え、価格の安さともに群を抜いていると思う。
昨年春夏、一昨年秋冬のメンズ商品はそれほど大した出来栄えでもなく、「安かろうダサかろう」を絵に描いたような出来栄えで、ほとんど商品を買わなかった。

昨年秋冬からちょっと商品の出来栄えが改善されたように見える。

昨年秋冬には、カットソースーツを2着買った。
同シーズンのダウンジャケットの出来栄えも悪くはなかったが、似合わなかったので買うのをやめた。
肉厚すぎて、顔がデカくて首の短い当方が着ると単なる太ったオッサンに見えたので買わなかった。

今春にはまた、カットソースーツを買った。

ちょっと見直し始めたのは、リーバイスセカンドをコピーしたGジャン(定価2990円)を発売したころからだ。
ウェブサイトの画像を見て「オ!」と思って、店頭に行って現物を見た。
色によって出来栄えにばらつきがあったが、デニムの濃紺ワンウォッシュと、加工デニムの薄ブルーはなかなかの出来栄えで、これで2990円は安いと感じた。

それ以外にも春物のカジュアルでは、畦クルーボーダー柄セーターなんかも出来栄えが良くなっており、素材のチープ感も払拭されていた。

5月の中旬から関西ではにわかに気温が上がり半袖生活が始まった。
半袖のTシャツ、ポロシャツなんて腐るほど持っているが、それでも毎年何枚か買ってしまうのは底辺でも衣料品業界にいる人間の病気みたいなもんだろうと思う。

半袖の商品というのは、どのブランドでも定価が安い。
とくにTシャツは安い。少し名前の通ったブランドでも3900円も出せば買える。
だから、低価格ブランドはより一層安くせざるを得ない。

そんな中で安さで群を抜き、その割に品質がマシなのがジーユーで、グローバルファストファッション各社と比べると、比べ物にならないほど優れている。
そりゃH&Mなんか客が入らなくなるわけだ。

今夏のジーユーのTシャツ類、ポロシャツ類のコスパの高さは他を寄せ付けないと感じる。

個人的に一番評価しているのが、ワイドボーダー柄Tシャツで、定価790円でも十分に安いが、これが期間限定で590円に値下がりする。
ゴールデンウィーク明けに590円に値下がりした際に、紺×白と黒×白の2枚を買った。

合計で税込み1270円をネット通販で店舗受け取りにして買った。

宅配だと5000円未満は送料が取られるが、店舗受け取りにすると何百円の商品でも送料は無料になる。

このワイドボーダー柄Tシャツは、いまのところ全6色あり、

グレー×白
ピンク×白
ミントグリーン×白
マスタード×白
紺×白
黒×白

がある。

店舗で受け取って着用してみると、一昨年のワイドボーダー柄Tシャツよりもサイズ感が大きくなっていて、生地に厚みがある。
一昨年はもっとピタっとしたサイズ感だったが、今夏は少しゆったりしている。
華奢な体格ではないオッサンにはこちらの方が着やすい。

生地は綿100%天竺というのは変わらないが、一昨年のは薄かったが今年は少し肉厚になっている。
密度は低いと感じるので、糸の番手を変えたのではないかと思う。

あまりにも良かったので、先日、また590円に期間限定値下がりした際にマスタード×白も買った。

ジーユーで590円に値下がりしたときに買った黒×白のワイドボーダー柄Tシャツ

 

590円に値下がりした時にかったマスタード×白

 

 

猛暑になってきたので、汗染みが目立つ色は避けたいから、グレーとピンクは買わず、もう一度期間限定値下げされたらミントグリーン×白も買いたいと思う。

スーパーストレッチドライスーツも3着目を買った。

4月下旬に期間限定値下がりした際にベージュを買い、5月下旬に期間限定値下がりした際にオリーブグリーンを買った。
残るはネイビーだけだったのだが、これはよほど安くならなければ買わないでおこうと思っていた。

ところが、先日、期間限定でジャケット1990円・パンツ1290円にまで値下がりしたので、ネイビーも買ってしまった。
合計3580円である。

今夏のジーユーの安さはこれだけではない。
カジュアル半袖シャツ各種が期間限定で790円~990円にたびたび値下がりする。

細かな仕様だったりサイズ感だったりは疑問を感じる部分もあるが、この値段なら買っても損はしないという出来栄えだ。
しかも同じ価格帯の他ブランドと比べると使用している生地は抜群に良い。

そんな中、6月末、裾が切りっぱなしになったアンクル丈スキニージーンズが790円に期間限定値下がりしているのを見て、思わず店頭に行った。
濃紺ワンウォッシュ、ブルーケミカルウォッシュ、黒カツラギ、黒デニムケミカルウォッシュなどのカラー展開があった。

ケミカルはオッサンにはどうかと思って濃紺デニムワンウォッシュのLサイズを試着してみるとピッタリだったので買ってしまった。完全なる衝動買いである。

790円に値下がりしたときに買った切りっぱなしスキニージーンズ

 

 

 

定価は2490円、それが1990円に値下がりして、さらに3日間の期間限定で790円に値下げされていたのである。
綿99%・ポリウレタン1%の組成で、12オンス弱くらいのストレッチデニム生地。

裾は切りっぱなしだが、隠しステッチが施されてあり、必要以上にはほつれ難くなっている。

裾に入れられたほつれ止めステッチ

 

 

これは定価の2490円でも安いと思う。他の2990円以下のスキニージーンズと比べると格段に品質が高い。

商品説明を読んでみると、「日本を拠点に世界的に活躍する澁谷忠臣氏とコラボした」と書いてある。
澁谷忠臣氏って誰?全然知らない。
で、この人とコラボしたパンツがこのスキニー以外にもワイドジーンズ、ワイドチノなんかが通販サイト上にはあって、同タイミングで全部790円に期間限定値下げされていた。

コラボアイテムを容赦なく値下げするファーストリテイリングはすごいなと思う。
キム・ジョーンズとのコラボ商品なんて390円~990円にまで値下げされていて、定価(とは言っても3990円くらいだけど)で買った人は息をしているのかと思ってしまう。

ユニクロも、アンダーソン、ユニクロU、トーマス・マイヤーの不人気品番を容赦なく値下げしている。
アンダーソンの切り替えボーダー柄Tシャツは990円だし、ユニクロUのレンガ茶色の無地Tシャツ、ボーダー柄Tシャツなんて790円に値下がりしている。トーマス・マイヤーのビーチサンダルも今では1290円だ。

ともあれ、今夏のジーユーのメンズカジュアルはお買い得品が目白押しで、ジーユーの価格と品質に慣れると、他のブランドの商品が恐ろしく高いと感じてしまう。30%オフで1900円くらいに値下がりした他ブランドのTシャツが高く感じられて買えなくなっている。

もっと高くて高品質なブランドは数多くあるが、この価格でこの品質を実現しているジーユーはすごいと思う。
昨年秋冬から商品企画の体制が変わったのだろうか?

今回買ったワイドボーダー柄Tシャツと切りっぱなしスキニーはこの値段なら文句のつけようがない。
他ブランドはもっと違う戦い方を考えた方が良いだろう。

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なんだかよくわからないメンバーでの柳井会長の対談が掲載された雑誌をどうぞ

無印良品の記事からわかるインフルエンサー の言葉のいい加減さ

経済系インフルエンサーとか著名コンサルタントとかいう人の言説を見ていると、「この人本当に売り場で商品を見たことがあるのかな?」と感じることがある。

例えば、先日流れてきたこの記事。

UMS主義者、かく語りき――衣のユニクロ、住の無印良品、食のサイゼリヤ
http://bunshun.jp/articles/-/7665

この人はユニクロ、無印良品、サイゼリヤを衣食住のそれぞれの分野で評価している。
個人的には、そこの好みは同じである。
ただ、当方は住、インテリアにはほとんど興味がないので、まったく買わない。
この3つのブランドはたしかに低価格・高品質を地で行っていて、低価格で良い商品が手に入る。

だから主張していることの8割方は賛同できる。

しかし、賛同できない部分もある。
出だしのApple製品がナンタラでイヤホンの音質がドウタラでという部分は当方にとってはどうでもいい。
当方は音楽にはまったく興味がないし、その微細な音質の違いなどもっとどうでもいい。
どうでもいいことで1ページ目は終わっている。

疑問を感じる箇所は2つだ。

まず、3ページ目の無印良品についてだ。ここがはっきり言って最大に疑問を感じる。

無印良品のデザインに飽きがこないのは、それが独自の基準で練り上げられているからだ。それが証拠に、無印良品の家具や生活雑貨はほとんどが超ロングセラーで、デザインの変更は滅多にない。本当に良いものをつくれば、あとから新製品を出す必要はそもそもない。

この箇所は疑問で、そこまで無印愛を語っているのに、この人は商品を見ていないのではないかと感じられる。
もしくは見ているのだろうけど、ほとんど記憶していないかのどちらかではないか。

ここに、的確な突っ込みがあった。ご紹介しよう。

まず、これ。

続いて核心を突いたこのツイート。

もうこれが答えである。

無印良品は頻繁に商品のデザインや仕様をマイナーチェンジするし、新商品も発売し続けている。
これが事実である。

インテリア商品に関しては比較できるほど見ていないので、衣料品で考えてみようか。
衣料品に限っていえば、毎年商品のデザインや仕様、素材が変えられている。
デザインの変更が滅多にないと見えるのなら、それは商品を見ていないか、昨年の商品を記憶していないかのどちらかでしかない。

例えば、昨日のブログで紹介した「脱げにくいフットカバー」。
昨年はミディアムグレーがあって、それを購入した。しかし今年はミディアムグレーは廃版となっており、再販されていない。
もっといえば一昨年の同商品とは履き口のゴムと編み方が異なっている。一昨年の同商品の方が履き口が伸びやすい。
それを昨年改良しており、今年はそれを引き継いだ設計となっている。

また、14年前の冬に買ったウールのカーディガンと、13年前に買ったウールのカーディガンは一見すると同じシリーズだが、サイズ感や生地の厚さが異なっていた。

14年前の冬にウールのカーディガンを買った。
ベージュの丸首カーディガンで前身ごろの左右に紺色のアーガイルチェック柄があった。

実はこれはVネックもあり、そちらも本当は欲しかったのである。
Vネックはミディアムグレーを買うつもりだったが、金がなかったのでベージュの丸首だけを買った。

そして、翌年、Vネックのミディアムグレーを買った。一見すると同じだが、なんか違う。

まず身幅のサイズが違う。
ベージュの丸首はほぼジャストサイズ(細すぎず大きすぎず)だが、グレーのV首は今でいうオーバーサイズっぽいゆとりがあった。

あれ?おかしいな。

生地の厚さはベージュの方が厚く、グレーは意外に薄かった。

結果としては似て非なる商品だったといえる。
無印良品の衣料品は毎年こんな感じでマイナーチェンジされていて、同じ物を買うことは二度とはできない。

これは毎年の商品をきちんと把握していれば容易にわかることで、無印愛を語りながら、それを把握していないというところに疑問を感じる。

また傾向は異なるがこの部分も疑問だ。

デフレ真っ盛りの頃に取りざたされた、ひたすら低価格を追求する商売とは一線を画している。安さだけではアジアでは通用しない。

この3ブランドがアジアや中国で好調なことに触れた部分だが、「安さだけではアジアでは通用しない」という書き口に違和感がある。
安さだけで通用しない国は日本が最右翼である。
だから安さを売りにしたオールドネイビーは売れずに撤退したし、安さだけしか取り柄のないフォーエバー21はジリジリと店舗数を減らし続けている。

97年、98年の価格破壊ブームの時に170円スニーカーを発売して注目を集めた靴のヒラキがビッグブランドに成長できなかったのも同じである。

安さしか取り柄がなかった韓国のビッグブランド「MIXXO」「SPAO」はあえなく日本から姿を消した。

そうそう、フランスのカルフールも日本から撤退してしまっている。

経済系インフルエンサーや著名コンサルタントの多くは、戦略論や概論はさすがだと唸らされるが、商品や商品価格に踏み込んだ場合、首を傾げたくなるような記述がある。

結局のところ、この手の人はそれほど熱心に商品を見比べていないし、商品にはそれほど興味はないのだろう。
そのあたりは起用する企業やブランドが人の用途を使い分けるべきだろう。

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ジーンズの洗い加工はレーザー光線で行う時代
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