カテゴリー: 告知

オールユアーズの直営店兼事務所のプレオープンに参加してきた話

クラウドファンディングでファッションのジャンルで1800万円を集めて記録を作ったオールユアーズが、4月27日、東京の世田谷区池尻2‐15‐8に直営店舗兼事務所をグランドオープンする。
1階が店舗兼ショールーム、2階が商談スペース、3階が事務所となっており、4月23日に関係者を集めてのプレオープンがあった。

そのプレオープンに「ぜひに」と呼ばれたので、「東京まで行くのはめんどくせえな~」と思いながらも、せっかくなので参加した。

大阪での仕事を終えて、23日の午後8時半ごろに現場に到着した。
東京の土地勘はほとんどないので、池尻大橋がどんな場所なのかあまり知らなかったが、オールユアーズがオープンする場所は住宅街である。それもマンションなどはなく、ほとんどが一軒家という地域で、オールユアーズの建物も一軒家を改装したものだという。

ようやく到着してから30分ほどすると、縫製工場の担当者や生地メーカーの担当者ら6~7人くらいが挨拶を終え、飲みに行き始めたが、そのとき、「南さんも一緒に行きましょうよ」と誘われ、初対面だったにもかかわらず同行することになってしまった。
プレオープンの滞在時間はわずか30分で終了してしまった。

気を取り直して、翌日24日の午後に再度オールユアーズを訪問した。

オールユアーズの外観

せっかく東京くんだりまで来たので、今後の展望とか店舗の方向性などを聞いておかないと、単に飲み会に参加しただけになってしまう。

オールユアーズの頭脳ともいえる企画担当者の原康人さんにいつもの雑談形式であれこれ質問してみた。
基本的に「服だけを売ることは難しい」という認識で当方とはかねてより一致している。

念願の事務所兼ショップの解説ということだが、どんな方策を考えているのか?と尋ねてみた。

そうすると原さんは、

「我々の服がクラウドファンディングで売れたといっても、さらに何億円も服を売ることは難しい。特にブランド立ち上げから注力してきた卸売りで売上高を拡大するのは相当に難しい」

と指摘する。
たしかに現在の専門店は、売れ行き不振から極度に仕入れ枚数を減らしている店舗が多く、ジャンルを問わず専門店への卸売りではどのブランドも売上高を拡大しにくい状況にある。

そこで「服だけではなく、体験も売る」ことを目指す。

今年夏から秋口くらいの時期に、1階の店舗部分に何台かのミシンを設置することを考えているという。
ミシンを設置することで、まず、サンプル品や1型20枚程度の超小ロット商品を店内で縫製してしまう。

縫製している風景が見られるということで、来店客へのデモンストレーションにもなるし、10枚~20枚程度の商品を店内で製造することで小回りの利く商品追加が可能になる。

そのうえで、オールユアーズは、このミシンを有料で希望者に店内で貸して、自分で洋服を縫製するという体験をしてもらうことを構想しているという。
これが「体験も売る」ということの一つだ。

また、一つの商品を縫製せずに型紙・生地・付属(ボタンやリベット、ファスナーなど)を一まとめのパッケージにして、それを買ったお客に、店内のミシンを使ってそれを組み立ててもらうという売り方も構想している。

今回のショップオープンにあたって、店内の工事を手伝う権利をクラウドファンディングで販売したところ、7人くらいの購入者があったのだという。
当方からするとわざわざカネを払って、他人の店舗作りの工事を手伝うなんて意味がわからない。
手伝ったんだからバイト代をもらっても当然だと思うのだが。(笑)

しかし、そういう「カネを払ってまで物作りに参加したい」という嗜好のある人もいるということだ。
当方には理解できないが。

そういう嗜好のある人も少なからずいるから、店内のミシンを有料で使って、商品を自分で組み立てて(縫製して)みたいという人もそれなりにいるだろう。

現在、商品そのもので差別化することは非常に難しい状況にある。

一昔前までは「生地ガー」とか「縫製ガー」とか「生産地ガー」というだけである程度の差別化が可能だったが、今はそれで差別化することはほとんど不可能になっている。
2005年くらいまでは百貨店に並ぶ服と、低価格ブランドに並ぶ服では生地のクオリティが如実に異なったが、今ではほとんど格差がなくなっている。縫製仕様にしても同様だし、生産地にしても同じだ。
日本製なら高く売れるかというとそうではない。すでに低価格の日本製だって珍しくない。
無印良品の3足990円の脱げにくいフットカバーはその低価格にもかかわらず日本製である。

となると、商品を製造しているところが店舗内で見られたり、プラモデルみたいに商品キットを購入して、店舗内のミシンを使って自分で組み立てることができるというサービスを付加した方が差別化しやすい。

よくファッションビルや百貨店が手垢にまみれた「コト販売」をスローガンに掲げているが、休憩ゾーンを広くしたりトイレを綺麗にしたりすることにとどまっていて、それのどこがコトを売っているのか?と不思議でならないが、オールユアーズの構想する売り方はまさしくコト販売といえるだろう。

原さんは、

「ぼくたちは、今後どういう方向性を取ろうかと会議をしました。このまま売上高を伸ばさず小さなニッチブランドでいるのか、それとも売上高を拡大するのか。その結果、売上高の拡大を目指すことになりました。売上高の拡大といっても、今の大手ブランドみたいに何十億円とか何百億円になれるとは思っていませんが。(笑)しかし、服だけを売っていては売上高を拡大できる世の中ではありません。そこでそういう体験も売ることで売上高の拡大を目指します」

という。

店舗にミシンを導入して、それを使えることをサービスとして販売する。
この売り方にどのような反響があるのか、ちょっと期待して見守りたいと思う。

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心斎橋筋商店街がドラッグストア街に変貌した理由とこれまでの変遷の推移
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オールユアーズの商品はAmazonでも売ってるよ~。

ニュースリリースを流すだけでは不十分な広報活動

ニュースリリースとパブリックリレーションズは似ているがまったく異なる。

先日、あるメーカーの会議でちょっと驚いた。
いわゆるPR業者がパブリックリレーションズの提案をしていた。
平たくいえば、企業の持っている美点を深堀りしてニュース化するという作業の提案である。

今、オッサンの涙腺を毎週日曜日に崩壊させているドラマ「陸王」を例にとってみよう。

創業100何年の足袋メーカー「こはぜ屋」は売り上げ不振に苦しんでいる。
さて、ここが採るべき広報戦略としえては、いろいろなことが考えられる。

1、創業100何年の歴史を語る
2、足袋の縫製現場をレポートする
3、ほんの1センチほどのヒビ割れも検品で見逃さない「こはぜ屋」品質
4、ランニングシューズ「陸王」の完成秘話

などなどということになる。

これを読み物的な記事化してもらい、メディアに掲載してもらうことがパブリックリレーションズである。
そのためにはメディアに対して「案内状」を送付して、記事化したいという興味を持ってもらう。

案内状にはメディアが興味を持ってくれそうな事実を紹介する。
掲載するもしないもメディアの自由だから、こちらの意図が当たるときもあれば外れるときもある。

確実に掲載したいなら、広告掲載料を支払おう。

PR業者はこういうことを提案したのだが、メーカーは大手のはずなのに、こういう知識がなかったのか、「当社からも逐一、プレスリリースをメディアに発信しています」と答えた。

はっきり言ってこの会話はまったくかみ合っていないのだ。

プレスリリースもいわゆる案内状だが、事実をお知らせするくらいの内容であり、パブリックリレーションズよりも情緒への訴えかけは弱い。
もちろんやらないよりはやった方がずっと良いのだが、プレスリリースを長年送付し続けてそれでも効果がないから、それとは別のプロモーションをする必要がある。
だから提案しているのに、「プレスリリースを逐一発信しています」では答えにはなっていない。

こういう齟齬が実はアパレル業界では珍しくない。

今、業界で注目されている企業やブランド、好調とされている企業やブランドの多くはこういうことに長けている。
反対の企業やブランドはいくら売り上げ規模が大きかろうが、いくら名門だろうが、この手のことにはまるで疎い。
ど素人同然といえる。

つい最近でもっとも成功したパブリックリレーションズの一つはトランクホテルだろう。

トランクホテルの新規オープンに際して、藤原ヒロシ氏にインタビューするという企画だが、藤原ヒロシ氏の返答がトランクホテル側の売りを全否定していて、まったく話がかみ合っていなくて思わず笑ってしまう内容だ。

それがバズフィードに転載され、そこから文字通りウェブ上でバズった。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000025317.html

原文は上で、笑えるバズフィードはこちらだ。

https://www.buzzfeed.com/jp/narumi/sugoi-taidan?utm_term=.ekavkggY3V#.rn9WoggQXV

ニュース化・読み物化するというのはその原文のような記事にすることである。
プレスリリースを送付して「はい、おしまい」というものではない。

最近ちっとも名前を聞かないなあというブランドやアパレル企業はこの作業がまるでできていない場合が多い。
そして、若年層への知名度が極端に低下しきってしまう。
このブログでも何度か書いたことがあるベネトンやらワールドやらファイブフォックスやらはその典型例といえる。

このトランクホテルの記事化に立ち会った業者に手短ではあるが話を聞く機会がたまたまあった。

その業者によると藤原ヒロシ氏のかみ合っていない返答は、台本で用意されたものではなく、氏の天然だという。

「横で聞いてて冷や冷やしましたよ」というのがその業者の回顧である。

で、記事化するとまったくかみ合っていないから先ほどの原文のようなとぼけた記事にならざるを得ない。

その業者はトランクホテル側に「どうします?この記事のままで大丈夫ですか?」と尋ねたところ、意外にもホテル側から「これでいきましょう」という答えが返ってきたらしい。

そのときは「これはかなり分の悪い賭けだ」と感じたそうだが、それが逆にウケて、バズフィードに転載された。
そのおかげで、レセプションパーティーは予定を大幅に越える人数が来客したというし、しばらくの間、メディアから取材の申し込みがひっきりなしだったともいう。

まさに「虎穴に入らずんば虎子を得ず」である。
絵に描いたようなハイリスクハイリターンとなった。

ここまでの冒険は保守的なアパレルでは難しいだろうが、しかし、これに近いような活動をしなくてはならないということは、認識すべきである。業界新聞やらファッション雑誌に「何となく」プレスリリースを送りっぱなしで何とかなる時代では最早ない。

ニュースをいかに作るか、いかにニュース化を促すか、そういう取り組みが広報として必要とされている。
自社でできないならそういう業者と組めば良い。

20年前・30年前の広報・販促手法をそのまま踏襲していては現状は絶対に打破できない。
そもそもその手法が有効なら、企業やブランドは今のような体たらくには落ちていないだろう。
その手法が通用しなくなったから企業やブランドは不振を極めていたり極端に知名度が下がっていたりしているのである。

その現状を変えたいなら、失敗に終わった過去の手法は捨て去るべきで、失敗に終わった手法を後生大事に守ったところで、成功に転じることは絶対にない。成功に転じられるならとっくの昔に状況は好転している。
その現実を直視する必要がある。

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専業ジーンズメーカーは決して新しいことに取り組まなかったわけではない
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3年間で12店舗に急成長した在庫処分店ドゥーラックがウェブサイトを開設 

今日は告知を。
3年前から手伝っている在庫処分店「ドゥーラック」がついに公式サイトをオープンさせた。

http://doluck.jp/

通称「バッタ屋」といわれる在庫処分店で、もっとも知名度が高いのは大阪に本社を構えるショーイチだろう。

どうしてここを手伝うようになったのかというと、ツイッターで知り合ってそこから交流させてもらっている方からのご紹介で、手伝うようになった。
手伝うと言っても、たいそうなことをしたのではなくて、単に店舗にヘルプの販売員として入っただけのことである。
2014年7月に天神橋筋店がオープンする際に手伝うようになったので、天神橋筋店でヘルプ販売員に入った。

その当時は3~4店舗くらいしかなくて、自宅からの距離的に一番入りやすかったのが天神橋筋店だったので、そのまま天神橋筋店に時々入るようになった。

一時期は人が足りないとかで月の半分くらい入ったことがあり、さすがに体がきつかった。
44歳(当時)の初老の体に連日の立ち仕事はほんとうにきつく最終回のウルトラセブンくらいに体力を消耗していた。

その一方で、おかげで天神橋筋商店街をじっくりと観察できる機会に恵まれた。
以前から交流のあったショーイチのおかげで外野からは「バッタ屋」という業態のことは知っていたが、内部のことを知る機会が得られたのはなかなかに貴重だった。

実際にこのブログで過去に何度か天神橋筋商店街のことを取り上げた。

それが今年に入って、店舗数が12店舗にまで拡大しており、もうすぐ13店舗目がオープンするという。
3年間で10店舗くらい増えている勘定になる。

けっこうな急成長だといえ、最近は洋服不況だから正規店ではこれほどの急成長できるブランドは大資本を除いてはあまりない。
この時期に急成長できるのはなかなか稀有な例だといえる。

ショーイチの場合、ネットや海外、卸売りなどがメイン販路となるが、ドゥーラックは一部に卸売りはあるかもしれないがメインの販路は直営店という違いがある。

謙虚?であまり自社のウェブサイトでも露出しない今堀陽次社長は実は当方より2つか3つ年下である。
今後、整備しなくてはならないことは社内に山ほどあるとは思うが、短期間のうちにここまで急成長させた手腕は「やり手」と評して良いのではないかと思う。
50歳手前にもなってこんな有様の当方にくらべると、最近の年下は優秀な人が多いと痛感する。

現在取り扱っている主な商品は大手通販各社の在庫品である。
あと、珍しいがセシールの公式アウトレット店「セシールアウトレット」も1店舗、千林商店街で運営している。

それ以外ではスポットとして倒産した「CHU XXX(チュウ)」ブランドが入荷したこともあるし、最近だとANAPの商品も入荷したことがある。その時々によって在庫を買う機会があれば、大手通販各社以外の商品も仕入れているという感じである。

不良在庫で困っているメーカーやブランド、不当返品で困っている工場はやり手の今堀陽次社長に連絡してみてはどうだろうか?

現在のところ、本社が京都で店舗は大阪、京都、兵庫と関西圏での展開となっている。

ところで、今回のウェブサイト立ち上げは、やっぱり最低限でも「名刺代わり」のウェブサイトは必要だという事例だといえる。
ウェブ通販の利用者は、以前にもこのブログで紹介したように、業界人が期待するほど多くはない可能性が高い。しかし、ものごとを調べるのは圧倒的にネット検索である。

ネットで検索して引っかからなければその時点で選択の対象とはならない。

また当方が、これまでいくつか在庫で困っているブランドやメーカーを紹介したことがあるが、その際常に尋ねられるのは会社概要がわかるサイトはあるのかということだった。

「どこに店があるのか?」
「本社はどこか?」
「過去の販売事例は?」
「どんな店?」
「連絡先は?」

などがウェブサイトがあれば、一気に解決できる。
「このURLにアクセスしてください」といえば済む。

ところが、サイトがないと、いちいちそのために資料を作ったり、口頭で長々と説明しなくてはならない。
説明するほうも労力と時間が必要だが、聞く方も労力と時間が必要になる。

知り合いのフリーランスのディレクターが3年くらいまえに自分の「ホームページ」を開設した。
理由は、初めて会う人すべてから「過去実績のわかるホームページはないの?」と尋ねられたからだ。
ネット通販は利用しなくてもそれほどにネット検索は利用されているのである。

ウェブサイトを開設せずに「最近は問い合わせがめっきり減った」と嘆いている企業が繊維業界には山のようにある。
問い合わせが減った理由はさまざま考えられるが、衣料品不況で売れ行きが悪いからということ以外に、その企業がウェブサイトを開設していないからという理由もある。

問い合わる相手はウェブ検索で調べており、そしてウェブ検索に引っかかってこないような業者にわざわざ連絡することはない。
ウェブ検索で引っかかった業者に連絡をすれば事足りるのである。

企業には名刺代わりのウェブサイトは必須だといえ、それを開設したくない・開設できないという企業は市場から淘汰されても自業自得としか言いようがない。

何はともあれ、長年携わったドゥーラックのウェブサイトが開設されたことはひとまず良かったと思う。

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三越伊勢丹HDが「ケイタマルヤマ」を手放す理由とは?
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スカパーの番組収録に参加してきた話

 個人的なことを告知するのもどうかと思ったし、自分の顔立ちが好きではないので、なるべく自分の写真や動画は見たくないのだが、3月5日放送のテレビ番組に出演してきた。

2月に収録は終えているのだが、自分の動画をモニターで映されてこちらからも見ることができるというのは、何とも奇妙なもので、やっぱり整形と植毛をすべきだったなあと自己嫌悪にかられるばかりだった。

地上派ではなく、スカパーの「モノクラーベ」という番組である。

https://www.bs-sptv.com/monokurabe/

お薦めはしないが、興味のある方は見ていただきたい。

数年前まで放送されていた「モノ比較」番組「ホコタテ」の類似番組である。
今回のお題は、スーツで、青山とアオキのウォッシャブルスーツの物性比較をしている。

昨年末くらいになぜか筆者に出演依頼があり、「スーツは専門ではない」とお答えしたのだが、繊維や生地に関することや基本的なことにコメントをくれれば良いというので、恐る恐る引き受けた次第である。

最初は、5分か10分くらい、別画面でコメントを流されるだけなのかと思ったら、スタジオでずっと座っていてもらいたいということで、なんだかえらいことになってきたなあと少し後悔した。

それにしても、メンズのスーツというのは奥が深く、ディティールやシルエット、素材、副資材に至るまで恐ろしく専門性が高い。
初歩の初歩くらいは知っているが、スーツの専門家とは比べるべくもない。

じゃあ、もう一度基本から勉強しなおそうということで、自分なりにいろいろと調べ直したが、やっぱり不安である。

でも引き受けた以上は、スタジオに行かなくてはならない。

そんな感じでスタジオに入った。
結果からいうと、そういう奥深い話は要求されず、青山とアオキのウォッシャブルスーツの耐久性実験の結果についてコメントを求められるくらいだったのでちょっと拍子抜けするとともに、安堵して収録を終えられた。

やれやれ。

それにしても、番組の収録というのはもっと細かいキチンとした台本があってそれに沿っているのかと思ったが、今回は非常に緩やかな台本しかなかった。
また、質問内容も事前に細かく決められるのかと思っていたが、ほとんどアドリブみたいな感じで質問を受け、当然こちらもほぼアドリブで返している。

今回の場合に限ったことなのかもしれないが、想像よりもはるかに緩やかな製作進行だった。

どうして筆者に依頼があったのかも尋ねたが、「両社にしがらみがなく、公平なジャッジをしてくれそう」という趣旨の返答をいただいたのだが、たしかにそれはそうだと苦笑するほかない。

メンズ衣料品の業界には格段に造形に深い方々がおられるが、多くは青山、AOKIどちらかの事業に携わっておられる。そういう立場ではなかなか言いにくい事柄もある。

筆者はどちらの事業にも何のかかわりもないからしがらみもない。
ああ、仕事のない悲しさよ。である。

出演しておきながらこんなことをいうのもアレだが、筆者はスカパーに加入していない。
もちろん正直にそれを伝えたところ、毎月第1日曜日はスカパーが無料視聴できる日なので、見ていただけますよとのことで、そんなキャンペーンがあることすら知らなかった。

放送終了してから後日、番組を収録したDVDを送ってきてくださるそうなのだが、記念として保管しておくが、自分の不細工な顔の動画を見ることはないと思う。
自分で自分が動いている姿を見るのは、精神衛生上良くない。

まあ、そんなわけで、今日はお気楽な告知でした。



Webサロン「TopSeller SALON」がオープンに向けて会員を募集

 今日は告知を一つ。
筆者も運営側に参加させてもらっている販売員のためのTopSeller.Styleが会員制のウェブサロンを9月5日にオープンすることになり、それに向けての仮会員募集が始まった。

詳細は以下をクリックして読んでいただきたい。

http://topseller.style/archives/413

以前にも書いたが、どうしてこの販売員のための集まりに筆者が参加させてもらおうと思ったのかというと、生地や糸の製造加工業者は同業者組合や全国規模の組合横断組織などがあり、その気になれば他社との交流が可能である。

またアパレルメーカーも意外に同業他社との交流はある。
某ブランドと某ブランドが案外仲良しで頻繁に交流があるなんていうのは別に珍しい事案ではない。

小売店のオーナーも他社との交流がある場合が多い。
〇〇店オーナーと××店オーナーは仲良しで毎日酒を一緒に呑んでいるなんていうのも珍しくない。

しかし、現場の販売員でそういう交流はあまりない。
せいぜい自店内での交流くらいであってもせいぜい近隣の店の販売員と少し会話をする程度である。
ファッション専門学校生の多くが販売員として就職してしまうという状況下(良い悪いは別にして)にあり、さらにはインターネット通販や人工知能の発達によって、販売員は不要といわれかねない可能性も高まってきた。
だから、販売員のスキルを高め、存在意義を確固たるものにする取り組みが必要なのではないかと思った次第だ。

ぶっちゃけ、販売員が不要になっても個人的には何の損害もないが、そういう機会さえ与えられないのはなんだか違う気がした。
おっさんの単なる偽善的気まぐれと言われても否定はできない。

業界の中では、販売員不要論が高まっている。
アホな接客をしたり、一々付きまとう販売員は不快だし、不要だと思う。
彼らの代わりに自販機かペッパー君を設置した方がよほど売上高は高まると思うし、その場でスマホからネット通販で同じ商品を買ったほうが気分が良い。

ジーンズを触っていたら「それデニムなんですよ」なんて声は別にかけて要らない。
デニム生地くらいは見たらわかる。
これが特殊なデニムなら声をかけて説明すべきだ。
「普通のデニムに見えますが、実は〇〇という糸が交織されています」というように。

仕事以外で別に赤の他人と雑談などしたくない。

だからこのままだと販売員の人件費は単なるコストとみなされて、ネット通販やロボットによる接客が主流になってしまうだろう。
販売という仕事にやりがいを持ち、それなりの結果を出し続けている販売員には自衛のための手段も必要ではないか。そんなふうにも思った。

いや、今日は本当に偽善的なことばかり書いていて我ながら落ち着きが悪い。

まあ、あと少しでこの難行苦行を終えたい。

しかし、銀行やみどりの窓口に行くと、ATMや自動発券機よりも、多くの人は対人窓口に並ぶ。
もし、本当に世の中の大多数の人が自動発券機やATMのほうが本当に便利だと思っていたら、ここまで対人カウンターには並ばないのではないか。
最近そんな風に感じる。

もちろん、洋服の販売と銀行やら鉄道の窓口は役割も異なるし、販売している商品も異なる。
だが、すべて機械で操作するよりも対人での応対のほうを何だかんだと言いながら、多くの人は評価しているのではないかと思う。

やっぱり、人間からの説明を聞いたほうが機械に表示される文字を読むよりも理解が速かったり深かったりする。

そういうことではないか。

だから販売員が一概に不要とは思わないし、そこに販売員の生きる道があるのではないかとも思う。

まあ、そんなわけでこのウェブサロンが販売員の自衛の一手段になるのではないかと思っている。
立ち上がったばかりなので今後どのように運営されるのか未知数な部分が多いが、役に立つ会に育ってほしいと思うし、そのためには筆者の乏しい知恵もいくつかは提案してみるつもりである。

乏しい知恵が湧いてこなかったら「ゴメンネ」と謝るほかない。

売れる販売員が絶対言わない接客の言葉
平山枝美
日本実業出版社
2015-11-20


販売員のための情報・交流の場「TOP SELLER . STYLE」が始まる

 今日は告知なので興味のない方は読み飛ばしてもらいたい。

繊維・ファッション業界といわれるが、繊維業界とファッション業界はひどく異なる。
まあ、それは置いておいて、素材を川上、アパレルメーカーを川中、小売店を川下と呼びならわしてきた。

川上には紡績、合繊メーカー、織布工場、染色加工場、整理加工場、ニッターなどが属する。
ここはけっこう縦・横のつながりがあって、協同組合みたいなものもあるし、勉強会的な集まりもある。

川中のアパレルメーカーも協同組合もあるし、経営者同士は意外に仲良しで情報交換という名の飲み会なんかも行われている。

川下の小売店でも経営陣は意外に他社との交流がある。
たまには飲み会か勉強会かわからないような会合もある。

しかし、川下の販売員にはそういう集まりがあまりない。
もちろん協同組合なんてものはない。

販売員は一般的にあまり報われにくい仕事として認識されている。
筆者も販売員上がりだ。そんなにカッコイイ一流店ではなく、イズミヤという量販店の子会社で1900円くらいの安物の洋服を販売していた。

小泉アパレル、ヤギ、タキヒヨー、美濃屋、水甚といった量販店メーカーの商品を扱っていた。

販売員はやっぱり当時から報われない職種だった。
本部の方が偉いし、売れない商品ばかり仕入れるくせにバイヤーはなんだか偉そうだったし、経営陣は根拠もなく前年比10%増の売上予算を毎月押し付けてくるし、何だこりゃって感じだった。

記者になって人気ショップの販売員と触れ合う機会が増えた。
やっぱり彼らも報われない。
意外に給料は安いし、その上、自店での買い物で毎月支払いに追われている。
量販店系の店なら単価も安いが、人気ショップになると1枚ン万円の洋服ばかりだ。
それを毎月何枚も買っているからそりゃ支払いは苦しい。

某有名セレクトショップの店員なんて毎月15万円くらい支払いがある人もいる。

おまけに洋服はどんどん売れにくくなっているし、2005年くらいからインターネット通販が台頭し始めた。
昨年あたりからこれまでネット通販に冷淡だった有名ブランドまでが目の色を変えて参入しようとしている。
現金な奴らめ。

インターネット通販が盛り上がって、大手アパレルは大量閉店を打ち出している。
ワールドとオンワード樫山とイトキンとTSIと三陽商会とを合わせたらおそらく2000店くらいは軽く閉鎖しているはずだ。

当然そこにいた販売員の多くは解雇または契約終了ということになる。

これからは人工知能も発達するし、販売員はますます不要の存在になる。

筆者だって実際に、へたくそなわけのわからん接客をする販売員よりも、ペッパー君か自動販売機を相手にしたほうが服を買いやすいと感じる。

まあ、そんな散々な販売員という職業だが、それでもそれが好きでやりたいという人も少数だがいるはずである。
一部には本当に「売るプロ」という人もいるだろう。

これからますます淘汰される販売員という職業をスキルアップするために

TOP SELLER . STYLE

という情報提供の場が設けられることになった。
サイトはこんな感じだ。

http://topseller.style/

今まで、現場販売員のための交流・勉強の場というものは設けられなかったので、これは画期的な取り組みではないかと思う。

もちろん、筆者は主宰ではない。
主宰グループはみな筆者よりも若い。
若者に交じって、画期的な取り組みだと思った46歳のオッサンは、このたび協力させてもらうことになった。

今後、どのように展開していくのか楽しみにしている。
メンバーの一人として今後もちょくちょくと活動の告知をしていきたいと思う。

興味のある方はぜひ覗いてみてもらいたい。


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