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株価下落が続くTOKYOBASE

このところ、TOKYOBASEの株価の下落が続いている。
本日も小幅だが下落基調で推移しており、4300円を割り込んだ水準での上下となっている。
直近の株価からもう2000円くらいは優に下がってしまっている。

まだ記憶に新しい缶ビール接客の翌日ですらほとんど株価が下落しなかったのに、どうしたことだろうと思って、株式売買のサイトを眺めていたところ、その理由として先日行われた第2四半期決算が原因だと分析されていた。
昔でいうところの中間決算である。

TOKYOBASEの2018年2月期の第2四半期決算(非連結)、昔でいうと2017年8月中間決算は、

売上高55億5000万円(対前期比53・7%増)
営業利益6億6300万円(同91・7%増)
経常利益6億6300万円(同91・0%増)
当期利益4億5700万円(同96・8%増)

となっており、金額としては小規模ながらも大幅増収増益となった。

これでどうして株価の下落が始まったのだろうか。

株式売買サイトでのフィスコの分析によると、営業利益が91・7%増と大幅に増えているにもかかわらず、通期決算の業績見通しを据え置いたことが原因だとされている。

通期の業績見通しは、前期決算からずっと据え置かれたままである。
まあ、今の世の中、何があるかがわからないから不確実要素は排除しておこうということは理解できる。

通期の業績見通しは

売上高124億600万円(同32・6%増)
営業利益17億5700万円(同36・1%増)
経常利益17億5700万円(同38・8%増)
当期利益12億1200万円(同41・6%増)

とずっと据え置かれたままになっている。
投資家はここが不安、不満だと感じたということになる。

3年くらい前から株式売買を自分でも少しやってみたりチャートを眺めたりするようになったが、投資家の考え方というのはちょっと理解できないことがある。
あとは大口の投資家によって株価はある程度動かされる部分もある。

今回の下落続きはちょっと理解できない部分もあるが、投資家の理屈はこういうことだろう。

「上半期で91%増の利益をあげておきながら、通期業績を据え置いたということは下半期はよほど儲からないと経営陣は考えているのではないか」

というものだろう。

まあ、なるほどそういう見方もあるのかと思う。

実際に下半期の業績予想を見ると、営業利益は前期比で15・9%増だが、金額的には1.5億円しか伸びていない。
金額ベースでいうと、2017年2月期下半期の営業利益は9億4400万円で、2018年2月期下半期の営業利益は10億9400万円である。
ちなみに売上高は19・3%増で11億円ほど伸びている。

投資家からすると、売上高の増えた金額に比べて営業利益の増えた金額は少ないんじゃないのか?ということだろう。
11億円の増収で1・5億円の増益だからだ。

それにしても解せないのは、この連続株価下落をメディアも衣料品業界もほとんど話題にしないことだ。
株価が上がれば「時価総額〇〇円突破」と華々しく報道するにもかかわらずだ。今回の下落の下げ幅は大きいし、下落日数も長い。
本日だって、午後はわからないが今のところは下落が続いている。

なぜこれほどのビッグニュースを話題にしないのか理解に苦しむ。
しかも日経平均が空前の15連騰している最中での連続下落である。これは相当に重症ではないか。

これこそが本物の「忖度」ではないのか。

TOKYOBASEは我が国アパレルの中で数少ない成長企業である。規模的には100億円未満と小規模なので「成長期待企業」と訂正しておこうか。

成長期待企業だから、悪状況はなるべく触れないでおこうと、メディアも衣料品業界も悪質な「忖度」をしているのではないか。
しかし、事実は事実として報道すべきであるし、話題にすべきである。
それができないなら、報道なんてやめてしまえば良い。

それにこういう「忖度」は衣料品業界にとってもTOKYOBASEにとっても良い結果は何一つ生まない。

個人的には業界人がもてはやすほど、TOKYOBASEのビジネスモデルが新しいとは思わない。
むしろ、昔のやり方をそのまま忠実に実行しているようにしか見えない。

先日、炎上した缶ビール接客を抜きにしても、以前からここの接客態度は「馴れ馴れしい」「ため口が不快」という声が多く聞かれた。
もちろん、全販売員がそうでないことはいうまでもないが、「99%に嫌われても良いから1%に好かれろ」という経営陣の思想がそういう販売員をむしろ奨励していた。

店側が客を選ぶというスクリーニングの意味もあることは理解するが、その馴れ馴れしさによる親近感の作り方は、斬新というよりはむしろ古さを感じる。
古くでいえば、バブル期に夜霧に消えたハウスマヌカンだし、新しいところで言っても90年代のマルキューのカリスマ店員であり、裏原宿のショップ店員のやり方である。

また、仕入れ主体の品ぞろえは昔の専門店、草創期のセレクトショップのスタイルだし、「原価率50%」を喧伝して「お値打ち感」を訴えるのは、「良い物を割安で」というダイエーやユニクロの思想の延長線上に位置する。
決して、反ユニクロではなくユニクロ応用版というところである。

さらにさかのぼれば、現金掛け値なしの三井の越後屋(現:三越)の売り方といえる。

基本に忠実であることが効果的である場合も多い。そのことは理解しているが、行き詰ったアパレルビジネスに風穴を開けるような「全く目新しい手法」ではない。むしろ、昔からあるやり方をそのままやっているから逆に目立っているだけなのではないかと思う。

スキニーパンツ、ワイドパンツ全盛の今、70年代のベルボトムやラッパズボンを穿くと異様に目立つというのと同じである。

今後の株価の動きに対しては当たり前だが二通りの見方がある。
今の株価は割高で3000円くらいが適正だという見方と、今は割安で6000円くらいに上がるという二通りである。
次世代のスターが欲しい衣料品業界やメディアは割安だと判断するのだろうが、個人的には3000円くらいとは言わないが、幾分か割高だと感じる。

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シャツ専門アパレル各社の生き残りと消滅を回顧する
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自社企画商品の増加でテイストが薄まったセレクトショップ

 今日の佐藤正臣さんのブログにこんな一節がある。

”オリジナル商品(自社企画)等の商品構成比を上げ、買い付け等の他社の比率を下げ、顧客に見合った品揃えにする”

こういう宣言をする大手セレクトショップが多いが、はっきり言ってこれは偽善的な建前にすぎない。
本音は「利益率の低い仕入れ商品を減らして、利益率の高い自社企画商品を増やして、うちの利益率を高めるよ」というものにすぎない。
もっとも、この建前にも少しばかりの事実も含まれていて、近年、卸売りメーカーも売れ行き不振から、以前のように商品を山積みにしておらず、在庫を極力持たない体制になっている。
このため、セレクト側が追加を欲しがっても、対応できないことは珍しくない。また効率化のため品番数を減らしているメーカーも多い。
そうなると、補充が効かず商品バリエーションも少ないということになり、セレクト側としては自社の顧客に見合った品ぞろえや補充ができにくいため、自社企画商品比率を引き上げざるを得ないという部分もある。

利益率を高めたいという目的が8割、品ぞろえと補充のためというのが2割というところが、セレクト側の実態ではないかと思う。

自社企画商品比率を高めることが必ずしも成功するとは限らない。
仕入れ商品は良くも悪くもメーカーの個性が強いから、それを減らすと店の個性が弱まるということがある。
一方、セレクトの自社企画商品は完全にOEM/ODMメーカー任せだから、きわめて他店と同質化する可能性が高い。
そうなると、個性が消えて同質化した店ということになる。

関西人からすると昔から親しんできた「チャオパニック」の失速は好例といえるのではないか。

パルHD「チャオパニック」「コロニー2139」の再建急ぐ
https://www.wwdjapan.com/496685

「チャオパニック」は同社の主力ブランドだが、今期(18年2月期)は派生業態の「CPCM」を含めて10億円の赤字になる見通し。14年にスタートした「コロニー2139」は将来的に売上高400億円の目標を掲げる戦略ブランドだが、出店は5店舗にとどまり、いまだ赤字が続く。

とある。

チャオパニックはパルの顔ともいえる代表ブランドである。
関西の洋服専門店から有力セレクトショップ・SPAチェーンに成長したパルを牽引したブランドともいえる。

当方が初めてチャオパニックを目にしたのは95年の天王寺MIO(現:MIO本館)オープン時だった。
6階にかなり広い坪数がとられている。
当時は、ドミンゴやジョンブル、リーなどのジーンズブランドと仕入れトップスが豊富にあり、この仕事をしていなかったので取材をしたわけではないが、体感的には仕入れ品が5割前後あったのではないかと思う。

2005年あたりから如実に自社企画製品比率が増えた。
ドミンゴもジョンブルももうない。リーは少しある。
トップス類のほとんどは見たところOEM/ODMメーカーによる自社企画製品だ。

実際に、当方が多少の交流がある企業の中でも3~4社はパルのOEMを手掛けている。
当方が知らない先も含めると相当に多いだろう。

2005年あたりから、チャオパニックの存在感というかテイストは薄れ始めてきたと感じる。
買わないまでもそれまでは品ぞろえを見ることを目的に6階には定期的に足を運んだが、2005年以降はその回数が減り、2010年以降はほとんど訪れなくなった。見る理由がほとんどなくなったからだ。

2010年ごろになると、チャオパニックのショッピングセンター向け低価格帯ライン「チャオパニックティピー」と商品の区別がつかなくなってきた。逆に2014年ごろまではチャオパニックティピーのほうが、「お!値段以上」という商品が多かったと感じる。
そのティピーも3年ほど前から露出と存在感が急落していると感じる。去年と今年はティピーで買った商品はない。

パル社内でもこのままではマズイと感じているようで(実際に幹部からそういう声を聴いた)、それを挽回するためにCPCMを開始したが、まだそこまでの効果は出ていないといえる。

鳴り物入りでデビューしたコロニー2139だが、ほとんど目にしたことがないと思っていたら、5店舗しかないわけだから見なくても当然である。これで400億円規模に成長させるのはほぼ不可能ではないかと思う。

そもそも現在のパルに400億円規模のブランドは存在しない。
社内史上初めてとなる挑戦だが、なかなか厳しい。

一般的にセレクトショップは「濃い」イメージを与えて、一般人向けに徐々にテイストを薄めていくという手法を使う。
セレクトショップンに限らずブランドはだいたいどれもそういうやり方になる。
濃いイメージを好むのはアーリーアダプターとかイノベーターとか言われるような変態的なごく一部に過ぎず、マスはその濃いイメージを持った薄い商品を好む。これは洋服に限らずすべての商品がそうだろう。

しかし、残念なことに現在のマスは、薄くなったチャオパニックしか知らない。
薄くなってもう15年以上になるからだ。

もう一度、イメージを濃くする強烈な取り組みが必要だと思うが果して可能だろうか。
決算帳簿上での利益率改善は比較的容易にできるかもしれないが、それだけでは根本的な解決にはならないといえる。

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オンワードのメンズへの施策はわかりにくい

物事が進みすぎると、かえって古典的なことが目新しいと感じるようになるらしい。

洋服の歴史は、オーダーメイドがもともとのスタイルで、第二次大戦前後に既製服が誕生した。
現在、洋服とは店で売っているものという認識だが、その昔の衣料品雑誌には、型紙が付録としてついていた。
今の若い人たちはそれを知らないから「オーダーメイドが新しい」なんて思ってしまうようで、ちょっと笑えて来る。
ちょうど、テレビ番組が生放送オンリーから録画編集されるようになり、一回転して生放送に新鮮さが感じられるようなものである。

そういえば、何年か前のキムタクのドラマで最終回のラストシーンを生放送するという企画があったが、これなんて、テレビ放送草創期のやり方で、当時のテレビドラマは舞台と同じですべて生放送されていた。

それが逆に新鮮に映るのだから何ともおかしなものである。

オンワード、オーダーメイドスーツの新ブランド「KASHIYAMA the Smart Tailor」の展開を開始
https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP459482_V01C17A0000000/

このニュースを解説している授業を見学させてもらったが、学生たちがオーダースーツを「新しいビジネス」として認識していることに驚いた。

実態は新興だった既製服ビジネスが行き詰まりを見せて、原点回帰しているに過ぎないのだが、人間の認識なんていつの時代もそんなものでしかない。

ところで、このニュースを拝読して、やっぱりオンワードの施策は何かズレているなあと感じた。
とくにメンズ関係はオンワードがその分野に弱いということもあるのか、ズレて迷走しているように見える。

先日、この話題を取り上げた。

オンワード樫山のちょっとちぐはぐな取り組み「THE T.I.E」

オンワード樫山が10月20日、シャツに特化したEC専売の新ブランド「THE T.I.E」をローンチする。

とのことだが、シャツブランドのブランド名がなぜ「THE T.I.E」なのか?
ネクタイブランドならわかる。ネクタイをメインにしながらシャツも売るよというスタイルならわかる。
しかし、シャツに特化していて「THE T.I.E」というブランド名を付けた意図はまったく理解できない。
たとえて言うなら、ハンバーグ専門店「オムレツハウス」をオープンするようなものではないか。

今回の取り組みもオンワード以外の会社なら、ふーん、で済むのだが、疑問を感じるのは、オンワードは実は今年秋冬からオーダースーツの新ブランドを立ち上げているのである。

オンワード、オーダースーツの新ブランド 若者向け
https://www.nikkei.com/article/DGXLZO17335350V00C17A6TJ2000/

オンワード樫山 紳士向けイージーオーダースーツの新ブランドを2017年秋冬シーズンから立ち上げる。「モーダムジュール」というブランド名で、30代前後の若者をターゲットとする。税別5万円台からを想定しており、オーダーながら手ごろな価格に抑えた。全国の百貨店などで販売

とある。

発表されたのが今年6月で、立ち上がりは今秋である。
立ち上がったばかりのこの「モーダムジュール」とは別にまた、オーダースーツブランドを立ち上げる意味がどれほどあるのだろうか?
やるならば、この「モーダムジュール」を拡販するか、ブランド名をリンクさせてやったほうがはるかにわかりやすいのではないか。
なんだか社内の仕事を増やすための仕事にしか見えないのは当方がひねくれているからだろうか。

それにもっといえば、オンワードには知名度がいまいち低いもの、昔から展開しているスーツブランド「五大陸」もある。
こちらはこちらで放置されっぱなしなのだが、もっと連携するほうが良いのではないか。

よく、「行政は縦割りだ」と業界の人は批判するが、この社内体制は行政に負けず劣らずの「縦割り」ではないのか。

年代層を分けて、モーダムジュールを立ち上げたのは、まあ良しとして、それなら今回立ち上げるブランドを五大陸と紐づけるほうが良いのではないかと思う。

今回のブランドは、全国13店舗で展開する「Sebiro&co.,」をリニューアルしてブランド名も変えるという取り組みなのだが、それならなおさら「五大陸」と関連付けたほうが良いのではないかと思う。
もしくは、知名度があまり高くない「五大陸」のブランド名を変更して新ブランドと関連付けるか。

かつて大手アパレル各社が売り場欲しさに似たようなテイストの新ブランドを次々と立ち上げてブランド名ばかりをやたらと増やしてきたが、その悪癖はいまだに続いているようである。
しかもメンズが弱いオンワードだからなおさら、その「昔の手法」に頼ろうとするのだろうか。

旧大手アパレル各社の直近の取り組みを見ていると、ちょっとやそっとでは回復できないと思うし、消費者に与えるインパクトも弱くしかもわかりにくい。
はっきり言ってオンワードのメンズに対する施策は傍から見ていてわかりにくい。

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フォーエバー21の存在感は日本市場でめっきりなくなった

 小売業が他国で成功するには現地に適合させたローカル化が不可欠である。
ローカル化に失敗すれば、いくら世界規模の会社であっても撤退を余儀なくされる。
その代表例は日本におけるカルフールとテスコの撤退劇である。

この度、フォーエバー21の原宿旗艦店が10月15日に閉店した。

「フォーエバー21」原宿店を閉鎖 日本1号店として2009年開店
https://www.wwdjapan.com/493914

ちょうど昨日に閉店したというわけだが、この数年はフォーエバー21の存在感は日本国内でめっきりと薄まっていたと感じる。

記事中にもあるように、

今年に入り、ダイバーシティ東京プラザのお台場店、ららぽーとTOKYO BAY内の船橋店などを相次いで閉鎖

しており、それまでの閉店がアウトレット関連がほとんどであったことを考えると、伸び悩みというよりは失速だと感じられる。

フォーエバー21の店舗外観

フォーエバー21の存在感がなくなった最大の要因は、ジーユーをはじめとする国内ファストファッション勢の拡によるものだといえる。
初上陸した2009年ごろは、ジーユーがまだ低迷していた時期で、ジーユーはその後、ファストトレンド路線に切り替え、2017年8月期には、営業減益したとはいえ、売上高1990億円にまで成長した。

ウィゴーも今年は苦戦傾向だと耳にするが、売上高200億円を越えるまでに成長しているし、アーバンリサーチは2009年以降に低価格ブランド「センスオブプレイス」を開始している。

国内においてフォーエバー21の存在価値はほとんどなくなったといえる。
今年に入ってからの相次ぐ閉店はそれを証明しているのではないか。

グローバル低価格ブランドはそれぞれ特徴がある。

ZARA=値段はちょっと高め、欧州テイストのデザイン性、生地品質はまあまあ
H&M=値段安め、カジュアルテイスト、生地品質は良くない
ユニクロ=値段は中間、シンプルベーシック 生地品質は良い
(あくまでも低価格ゾーンの中での生地品質)

という具合で、フォーエバー21と競合するのは国内ではジーユーであり、値段は同等だが、使用生地や縫製仕様はジーユーのほうが上であるから、わざわざフォーエバー21を買おうという日本人は減ることはあっても増えることはない。
対ウィゴーしかり、対スピンズしかり、対センスオブプレイスしかりである。

現にフォーエバー21は今年に入っての閉店で展開店舗数が20店を下回っている。

当方が20歳くらいの若者だったとして、「わざわざフォーエバー21で買おう」とは考えない。

他のZARA、H&Mの2つのグローバル低価格ブランドに比べて、そもそもフォーエバー21は日本にローカライズできていないとも感じる。
ZARA、H&Mともに日本支社があるが、フォーエバー21は公式ウェブサイトでもそのあたりの存在は極めてあいまいにしか書かれていない。
販売業者として合同会社 FOREVER21 JAPAN RETAILの名前と連絡先(東京都千代田区麹町4丁目1番地)が書かれているが、形態が支社なのか子会社なのかフランチャイズなのか単なる契約者なのかがわからない。

2013年に大阪・道頓堀店をオープンした際には取材したが、まだ日本支社ないし日本での連絡先は明示されていなかった。
そのときに「フォーエバー21というブランドは日本にローカライズさせる気があまりないのだな」と感じたが、その後のブランドのやり方を見ているとまさにその通りだったといえる。

これは日本企業が海外進出した際によく失敗してきたやり方と同じなのだが、欧米企業だって韓国企業だって中国企業だって日本で同じことをやらかす。

ZARAとH&Mはその点明瞭だ。
両社とも日本支社があり、ZARAなんて世界各国の拠点が支社なのか子会社なのかフランチャイズなのかがわかるようになっている。
日本は支社、ドバイはフランチャイズ、台北は子会社となっている。

この2社に比べるとフォーエバー21は情報開示が少ないと感じる。

グローバル低価格ブランドといえどもローカライズに失敗すると撤退を余儀なくされるのは、先ごろのトップショップの日本撤退が好例である。トップショップは本国直轄ではなく、国内企業に運営を任せていたが、その国内企業のやり方はグローバル低価格という利点をすべて消し去ったやり方で、長所をまったく引き出すことができなかった。これはひとえに本社と国内運営会社の意思疎通ができていなかったためだろう。

今回のフォーエバー21もトップショップに通じる部分を感じる。
本社はどこまで日本国内の現状を把握しているのだろうか。

またその国の中で市場がなくなればオールドネイビーのように撤退することもある。
オールドネイビーは本国では好調で、本体のGAPに代わって成長ブランドとみなされているが、日本ではむしろGAPが残ってオールドネイビーが撤退してしまった。
これは、本国のようにオールドネイビーの低価格とGAPが日本で続けてきた投げ売り価格が共喰いしたためだと個人的には見ている。

一部からは「オールドネイビーにはGAPにないデザイン商品があった」という声もあるが、そんなものはノイジーマイノリティの寝言に過ぎず、大部分は価格が同じでデザインもほとんど同じと見えていた。だから両方は必要なかったということだったのではないか。

フォーエバー21は対応を誤ると今後、日本撤退に追い込まれることもあるのではないか。

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「増減率」だけで論じる経済系の愚かしさ

 9月下旬にこのブログの仕様をライブドアブログからワードプレスへ変えた。(正確には変えてもらった)
ドメインは同じでURLも同じだが、基本的にシステムはまったく違うのでそれまでのRSSが役に立たなくなってしまっている。
もし、以前に登録されていた方がおられたら、お手数をかけてしまうが再度登録しなおしていただきたい。

さて、経済系メディアやアナリストと呼ばれる人たちの記事や指摘には参考になる部分も多数含まれているが、「数字のマジック」に踊らされすぎではないかと感じられることのほうが多い。

例えば、昨年までの「ライトオン復活、ユニクロ低迷」という論調や「しまむら復活、ユニクロ低迷」という論調である。
その期の「%表示」のみに従えばそういう論調になることは理解しているが、実際の金額や一昨年対比した場合、この論調はもろくも崩れてしまう。

それが今年になって証明され始めており、ライトオンは赤字転落してしまったし、しまむらも業績は伸び悩んでおり、今年9月度単月の業績だけをもって「しまむら苦戦、ユニクロ好調」なんていう浅はかな記事を書いてしまうアナリストすら存在する。
しかもそのアナリストの肩書は「ベテランアナリストで、海外(主に欧米)での業務経験も豊富」だから驚いてしまう。

アパレル企業の経営者もピンキリで、ひどく短絡的な人も珍しくないが、優秀で冷静な方も数多く存在する。
年度決算という近視眼的な視点ではなく、3年後~5年後、少なくとも再来年までを考慮して中長期的に取り組む経営者もいる。

先日、久しぶりにお会いできた経営者も後者に属する。
30億円規模のカジュアルメーカーだが、直近の決算内容をお聞きすると、卸売り事業は前年割れ、直営店とネット通販が伸びたということで、卸売り事業の前年割れは計画通りだったという。

この規模のメーカーなので当然、株式公開はしておらず、単年度の業績によって株主から責められることはない。

トップとしては、卸売りという事業そのものが伸びにくい状況となっているため、減収を織り込み済みというのは、賢明な見通しといえる。

しかし、仮にこのメーカーを取り上げて「卸売り事業減収により、今後の業績に懸念」という記事を書こうと思えば書ける。
とくに%表示による増減率の「数字のマジック」に踊らされる性質の人なら迷わずそう書くだろう。

だが、その指摘は正しいのだろうか?

アパレル業界において、卸売りという事業そのものが伸びにくくなっている。
理由はさまざまあるが、最大の理由は、卸売り先の減少である。

小規模・零細の個人経営専門店は次々に廃業・倒産している。
また、中規模の専門店チェーンは徐々に自主企画製品(PB)比率を徐々に高めている。

さらに大手有力チェーン店、大手セレクトショップチェーンは完全にPBが主体に切り替わっている。

こう見ると、卸売り先が減ることはあっても増えることはないことがわかる。
この状況下では卸売り事業が減少することは当然といえる。

卸売り事業しかない企業であれば、これをいかに維持するか・伸ばすかということが至上命題になるが、このメーカーは直営店とネット通販というほかの事業を持っている。環境が厳しい卸売り事業を自然減に任せて、その分、直営店とネット通販を伸ばすという考え方は、きわめて当然だといえる。

経済系の指摘は、このメーカーに対し「そうは言っても卸売り事業が縮小するのは問題だ、今後に懸念を感じる」と言っているようなものに過ぎない。

昨日、2017年8月期のファーストリテイリングの決算が発表された。
内容では過去最高実績となる増収増益だった。

しかし、件の経済系はやはりというか、なんとかの一つ覚えというか「それでも物足りない」と指摘するので笑ってしまった。

1、国内ユニクロ事業が6・4%営業減益
2、EC事業が売り上げ構成比6%にとどまった

この2点である。本当に増減比率しか見ていないことが丸わかりだ。

国内ユニクロ事業の営業利益は6・4%といえども959億円もある。ちなみに件の経済記者は国内ユニクロの売上高の伸びにも物足りなさがあると書いていたが、それは前年比1・4%増にとどまったことを受けている。が、売上高は8107億円もあり、この金額でさらに上積みできてしまっている時点で、通常のアパレル企業とはまったく販売力が異なっている。まさに異次元レベルの伸び率といえる。1%でも80億円で、今時、80億円規模のアパレルはおいそれとは誕生できない。

また、経済系の大好きなEC事業だが、売り上げ構成比6%である理由は、全売上高の分母が大きすぎるからで、伸び率は前年比15・6%もある。
国内ユニクロに含まれるEC売上高は487億5300万円に拡大しており、衣料品ブランド単体のEC売上額は断トツの1位である。
500億円規模のアパレル企業といえば、業界では大手の範疇に入る。

これらを指して「%表示の増減」のみで「物足りなさを感じる」と書いてしまえるところがなんとも驚くほかない。
この手の人たちはおそらく、洋服を販売するという実務経験が乏しい、またはまったくないのではないかと思う。

1年でも2年でも洋服販売に従事したことがあれば、この金額がどれほどすさまじいか容易に理解できる。
また、従事経験がなくとも、8000億円のブランドが1%(80億円)売上高を伸ばすことと、10億円程度のブランドが20%(2億円)売上高を伸ばすことの困難さは全く異なるということは容易に想像できるはずだ。

個人的には「想像力を~」と主張する輩は全く好むところではないが、それこそ想像力が欠如しているのではないか。

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「数字だけ」を見て失敗したアパレル経営者たちの事例
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ジーンズメイトには新ブランド投入ではなく抜本的な改革が必要

 先日、ジーンズメイトの新自社ブランド「メイト」を売り場で見た。
その感想は「決して悪くない」である。

メンズでいうと、ジーンズ、ボタンダウンシャツ、ジャケットというラインナップで、今後、さらに新型も投入されるのではないかと思う。
素材を触ってみたが、まあ、それなりに悪くはない。

試着してみたわけではないが、マネキンに着せている感じをみると、シルエットやサイズ感も悪くはない。
認知されれば(これが難しいのだが)、それなりに売れるのではないかと思う。

ジーンズは、最近増えているハイストレッチデニム生地が採用されており、かなり伸縮性が高い。
穿いてみれば快適なのだろうとは思う。

ジーンズメイトの新ブランド「メイト」のジーンズ
http://www.jeansmate.co.jp/brand/mate/

しかし、懸念・疑問も山のようにある。

まず、商品のテイストを見ると、男性は30代・40代をターゲットにしていると感じられる。
そうなると、何年か前から発売していた自社ブランド「ブルースタンダード」と重なる。

ブルースタンダードのターゲットは37・5歳だ。
「メイト」と同じである。自社ブランド同士が競合することになる。
売上高が低下しているジーンズメイトにあって、自社ブランド同士が競合して食い合うことは決して良い状況ではない。

また、テイストも似ており、メイトはベーシックなトラッドカジュアルであり、ブルースタンダードも同じである。
売上高が100億円を割り込んだジーンズメイトにあって、同じターゲットで、同じテイストの自社ブランドが2つも必要だろうか。
当方は2つも必要ないと思う。

そのあたりを意識してか、ブルースタンダードはブランドロゴを変え、商品テイストもやや若向きに変わったように感じるが、売上高が縮小し続けているジーンズメイトに2つのメイン自社ブランドが並立する意味があるとは思えない。

どちらか1つを廃止すべきか、まったく異なるテイストに変える必要があるのではないか。

次に、「メイト」を並べる店頭の印象だが、これが従来の店づくりと変わっていない。
内装、什器、他の商品群、ともに従来と変わっていない。

そうするとどうなるかというと、中高生向けの店にオッサン向け商品が並んでいるという状態がまるで解消されていないということになる。

これはブルースタンダードが開始されたときからまったく解消されていないジーンズメイト最大の課題である。
いくら素材が良かろうが、テイストが良かろうが、店舗と商品がミスマッチなら売れるはずもない。

ここを解消せずして、いくら「モノヅクリガー」と叫んでみたところでそんなものは、供給側の自己満足でしかない。
ライザップの手腕もあまり当てにならないのではないかと思う。

また、価格設定も微妙だと感じる。

ジーンズが4990~6990円なのだが、ユニクロよりは高い。
決して高すぎるとは思わないが、すごく価格訴求力があるわけでもない。
わざわざ、ユニクロではなくここで買う意味が感じられない。

もちろん、製造工程や商品の完成度からして、この価格設定が不当だとは思わないし、ジーンズメイト側も相当に努力しているとは思うが、ユニクロの3990円ジーンズではなく、ここで買う意味を感じられないという消費者は相当多いのではないかと思う。

そこを覆す説得力を今度どれだけ高められるかである。
これはかなりハードルが高い。

また、売り場全体で見たときに、いかにも中高生向けというデザインで価格も激安な商品があふれている中で、このテイスト、この価格ではブルースタンダード同様にかなり浮いていて、割高に見えるという逆効果もある。

シンボリックな新商品を開発するよりも、店舗内装・什器の変更、他の仕入れ商品のマーチャンダイジングの変更こそが、ジーンズメイトの急務である。
ここを放置したままで、新商品を開発・投入するというのは、典型的な物作り脳で、これまでのアパレル業界の悪癖そのものである。

今春くらいからジーンズメイトの店頭はかなり商品量が減っている。
以前だと圧迫感があるくらいに商品が陳列されていたが、これがだいぶと間引かれて、逆に店頭はえらくスペースが空いているようにさえ感じられる。

経済誌や業界紙では、第1四半期決算でわずかながら黒字転換したため、ライザップの経営手腕を持ち上げているが、この微細な黒字転換は商品の仕入れ量・製造量を抑え、店頭在庫を圧縮したことによるものでしかない。
逆に営業利益率は前期よりも低下している。

小手先で改善しただけで、根本的問題は何も解決していないとさえいえる。

目新しさが何もない新ブランド「メイト」を投入した程度では戦局は変わらない。
先日、ライザップはグンゼと提携して、着用しているだけでバイタルデータがわかる機能性ウェアを発表した。
例えば、こういう画期的な機能性商品を投入するくらいのインパクトがないと、新商品投入という手段では局面は打破できない。
いっそのこと、グンゼが開発したこの機能性衣料をライザップ傘下のジーンズメイトで販売してみてはどうか。

従来のアパレル的な新ブランド投入よりもよほど、効果が期待できるのではないか。

ジーンズメイトが上昇基調に転じるには、「メイト」投入のみでは厳しく、店作りから含めた抜本的な改革がなされない限りは不可能に近いと言わざるを得ない。

今後の施策を見守りたい。

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販売政策と商品の値下げから見たライトオンの赤字転落

 最近、こまめにチェックしていなかったのだが、ライトオンの既存店売上高が悪いことに気が付いた。

9月度は既存店売上高が前年比11%減である。で、久しぶりにライトオンの月次売上高の推移をまとめてみようと思っていたら、決算発表があった。(笑)
月次が悪いから決算も当然悪い。

売上高が800億2800万円(対前期比7・4%減)
営業損失が28億4900万円
経常損失が28億8800万円
当期損失が44億2100万円

という減収大幅赤字に転落している。

ちなみに2016年8月期は

営業利益37億3300万円
経常利益36億7700万円
当期利益17億5400万円

だったから、すさまじい減収赤字転落である。

昨年度までは、経済誌や業界紙はこぞって「増収増益でライトオン復活」とはやし立てていたが、途端に一変してしまったわけだ。
経済誌や業界紙の分析、見通しがいかに当てにならないかがよくわかる。

店頭を定期的に見ている当方の感想からすると、月次の苦戦、決算の悪化は予想外だった。
なぜなら、店頭に並んでいる商品そのものは、実は2016年度よりも2017年度の方が良いものが多いからだ。

正直なところ、2016年度はほとんどライトオンで買い物をしていない。
しかし、2016年12月からはライトオンで再び定期的に買い始めた。

なぜなら、商品自体も良くなったし、何よりも投げ売りともいうべき破格値の割引が増えたからだ。
物と割引、この二つがそろわないと当方はなかなか買わない。正確には「買えない」だろうか。(笑)
ライトオンが好調だった2016年度は、物もイマイチだったし、割引率が小さかったから買う物がなかった。

それが、2016年9月以降は、物も良くなったし何より割引率が大きくなった。

けれども冷静に考えてみると、割引率が大きくなったから利益が悪化して赤字転落したともいえる。
ライトオンは過去も随分と決算の悪い時期が続いたが、その間は、当方はけっこうライトオンで頻繁に買っていた。
逆に決算が好転した2015年度、2016年度はほとんどライトオンでは買い物をしなかった。

ということは、当方が買うようになるということは、物自体の出来はさておき、売れなくて在庫がダブついているから投げ売りが行われるということであり、買わないということは投げ売りをせずともプロパーかそれに近い価格で商品が売れているということになる。

いやはや。当方はライトオンにとっては逆バロメーターかもしれない。

それはさておき。

2017年度の月次売上報告を見ると、ほとんどの月で既存店も全店も前年割れを起こしている。
前年をクリアしたのは、2017年11月だけだ。
あと、前年並みといえるのは、2017年5月と8月のみだ。

http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid=1515514

5月は全店売上高が97・2%、8月は全店売上高が99・7%だ。
また既存店も5月は92・0%、8月は97・7%だ。

これ以外の月はすべて10%以上売上高を減らしている。

ちなみにファッションに熱心な人にはあまりライトオンは注目されていないが、実は全国に510店舗強もある。
かなりの店数だといえ、それなりに有力な販売店だといえる。

月次で気になるのは、客単価はほとんど減っておらず、逆に増えている月もあるのに、11月、5月、8月以外が大幅な減収になっているのは、客数が大幅に減っているところである。

前年並みとか数%減の月もあるが、25%減とか15%減という月もある。総じて、客数は減少傾向である。

小売店で気を付けなくてはならないのは、大幅な客数の減少である。
ここで出されている客数は来店客数ではなく、買い上げ客数である。買い上げ客数が大幅に減少しているということは消費者が離れているということになる。

小売店としてはけっこう厳しい状況にあるといえる。
月次報告から浮かび上がるライトオンの状況は、客単価は現状維持から上昇基調にあるが、客数は大幅減が続いている。そのため、売上高が低下しているということになる。

また、赤字転落の要因は、在庫処分のために値下げ販売をしたことで利益を削ったとライトオン自身が認めている。たしかに2015年度・2016年度は値引き販売が少なかった。当方が買わなかったくらいだ。

じゃあ、どんな商品が好調だったのかと問われると、当方は答えられない。ちょっと思い当たらない。

逆に、当時からライトオンの好調な決算は「見せかけだ」という指摘が業界にはあった。
それはどういうことかというと、1つは値引き販売をしないから利益がかさ上げされているというものである。

その分、売れ残り在庫を少なからず抱えてしまった。決算では在庫は資産として計上されるというのは初歩的な知識で、見せかけの資産が増えていたということになる。
その証拠に2016年後半から前年以前の在庫を大幅に値引きして販売するというケースが頻発していた。
例えば、当方が買ったダウンジャケット類だ。

丸八真綿とコラボしたマルハチダウンジャケットだが、2015年冬に投入された。2016年1月の冬バーゲンでもほとんど値引き販売されなかった。これまでのライトオンを知る人間からすると珍しいなと感じた。1店舗あたり結構な枚数が投入されていたから、値引きなしであの枚数が売り切れたとは考えにくい。

しかし、2月後半には店頭から消えていたからおそらく倉庫へ格納したのだろうと推測していたら、2016年秋に昨年商品が再投入された。
やっぱり格納していたのだと確信した。

そして、12月ごろからは大幅値引きで売られ始めた。
定価13000円の商品が8900円くらいまで値引きされた。
その時に、当方は2015年冬に買いそびれていたダウンジャケットを1枚買った。

また年が明けて2017年1月になると、撥水機能のあるモッズコート風ダウンジャケットが5900円くらいに値引きして販売されていた。
たしか定価の6割引きくらいである。これも思わず買ってしまった。
結局このモッズダウンはヘビーローテーションとなり、今年3月まで随分と着用した。5900円のもとは十分にとった。

このように、持ち越した在庫の処分が、2016年後半からは頻繁に行われた。そういう意味で2015年度・2016年度の増益は単に在庫処分を延期させた産物でしかなかったといえる。

そして、業界で指摘されたもう一つの理由は、ライトオンも含めた各社が行っていた「2枚目半額セール」である。
1枚目は定価だが、2枚目は半額になるといういうあの売り方である。
これをやると、無理にでも2枚買う人が増えるが、その反面、2枚買った人はしばらく買わなくなる。
ジーンズでもTシャツでも良いのだが、何せ一挙に2枚手に入るのだから、そのアイテムに関してはしばらく買わなくても事足りる。
そうすると来店頻度も下がる。来店頻度が下がれば購入頻度も下がる。

ネット販売があるじゃないかという声が聞こえてきそうだが、隆盛を極めたといわれるネット販売だが、利用者数は25%強に過ぎない。
裏を返せば75%の人はネット販売を利用しないということになる。

だから、「2枚目半額セール」に対して「単なる需要の先食いに過ぎない」という指摘の声が当時からあった。

販売政策と店頭から見えてくる赤字の原因はこの二つだろう。
2017年度の赤字は、2015年度と2016年度で生み出されたもので、2015年度と2016年度の好調は赤字を先延ばししただけに過ぎなかったともいえる。

さて、ジーンズカジュアルチェーン大手はライトオンも含め、マックハウス、ジーンズメイトも厳しい。
マックハウスは売上高縮小を続けているし、ジーンズメイトは売上高100億円を割り込んだ。赤字続きを食い止めて黒字転換したとはいえ、単に仕入れ量と過剰在庫を減らしただけのことで、抜本的解決には至っていない。

ジーンズカジュアルチェーンの苦戦が続く理由は、ジーンズを基調としたカジュアルウェアという商品がユニクロをはじめとしてどこにでも売られているというところにある。
仮にユニクロがなくなってもローリーズファーム、ジーユー、無印良品、GAP、ウィゴーなどなどがあり、ジーンズというアイテムを基調としたカジュアルウェア、カジュアルスタイリングは扱っていないブランドがないほどに増えている。

そうなると、競争が激化するのは当然で、全社が共存共栄はあり得ない。一人当たりが年間に買うジーンズカジュアルは限られているから、それをどのブランドが占めるかという競争である。

今のままだと価格ではユニクロに勝てず、ファッション性や見せ方では他のSPAブランドに勝てないという状況にある。
ジーンズ業界お得意の「モノ作りガー」という売り方はあるが、それをやれば寄ってくるのはマス層ではなく、マニアみたいな少数派ばかりになる。

ユニクロをはじめとするSPA各社やセレクトショップに埋没しないためにはどうするのか?ライトオンも含めたジーンズカジュアルチェーン各社は真剣にその課題と向き合う必要がある。
残された時間はあまり多くはないと思うが、どうだろうか。

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ステュディオスは「フレンドリー」と「馴れ馴れしい」を混同しているのではないか?

もう、20年近く前になるだろうか。
店舗を開設したのはもっと昔になるはずだが、20年くらい前、関西のローカルバラエティ番組でちょくちょく採り上げられる女性肌着の店があった。
あんまり興味もないから記憶がおぼろげなのだが、船場センタービルに店舗があるのか、船場センタービルの近所に店舗があるのか失念したが、まあ、いわゆる本町界隈に店舗を構えていたはずだ。

価格が安いということで評判だったそうだが、もう一つの名物は、オーナー店主のおばちゃんが個性的だったということだ。
他人からはちょっと理解不能なおばちゃんのマイルールが存在し、それをお客にも徹底的に守らせる。
おばちゃんは「お前は俺の親戚のおばはんか?」というくらいのタメ口で、気に入らない客・マイルールを守らない客は容赦なく追い返した。

マイルールも「男性同伴で来店するな」とかなんかそういう意味不明のものばかりだった。

個人的にはこんなめんどくさくて、暑苦しいおばちゃんのいる店なんて行きたくないなあと思って見ていたが、それが魅力だといって、通っている女性も当時は多かったらしい。

その後、女性肌着も安くて良い品がたくさん販売されるようになったし、あのおばちゃんも相当な老齢だろうから、この店が今も存続しているのかどうかはわからない。ときどき、ふと思い出すことがある。

世間相場で考えればありえないような対応をする店でも、そこにコアなファンができることも多い。
だから、そういうやり方もありだとは思うが、そういう良くも悪くも「個性的な店」は多くの場合は個店であり、小規模チェーン店であり、非上場の私企業である。
いわゆる「公器」としての性質が強い上場企業ではこういうやり方はあり得ないし、到底許されるものではない。

ステュディオス店員が「ビール飲みながら接客していた」ツイッター投稿で炎上

https://www.fashionsnap.com/news/2017-09-25/studious-service/

これがSNS上をにぎわせている。
店舗のレセプションだったということで、閉店後にウェルカムドリンクを提供しながら、商品を見てもらうというイベントだった。
阪急メンズ館だってこれと似たようなイベントを毎年開催している。

しかし、店員側が一緒になって酒を飲みながら接客するというスタイルは見たことがない。

説明された状況によると、閉店後ということにもかかわらず閉店前にお客が入ってきたため、フライング気味にドリンク類を配布したとのことだが、お客に配布するのは理解できるが、何故そこで自分たちが一緒に飲むのか理解できない。
余りにも馴れ馴れしすぎるのではないか。販売員が自らをウェルカムしてどうするのか。

2000年までくらいの個店とか路面店なら正月にはときどき見られた風景だが、それこそ「公器」たる上場企業が商業施設内でやるというのは、2000年まででもなかなか見られる光景ではない。

ファッションスナップドットコムの記事は、ひどく好意的にまとめられている。
そんなに気を使う必要があるのかどうか疑問でしかないが。

同社はフレンドリーな接客に定評がある。昨年導入した「スーパースターセールス制度」という販売員の売上の10%を給与に還元する制度により年収700万円を得る販売員も在籍している。

との一文があるが、「フレンドリー」とはソフトに書きすぎているのではないかと感じる。

このビール問題が起きるより以前から、ステュディオスの接客態度が悪いというのは、SNSでは公然と指摘されていた。

「一見さんにでもタメ口で接客する」
「つきまといがひどい」
「態度がデカくてなれなれしい」
「押し売りされる」
「Lineを交換したら夜中でもセールの案内がバンバン送られてくる」

などなどだ。

もちろん、すべての販売員ではないが、こういう販売員が各店に少なからず在籍しているというのはいかがなものか。

これが、船場センタービルにある個店なら珍しい話ではない。
しかし、仮にも上場企業であるなら、こういうことを放置している経営者の常識を疑う。

「フレンドリー」と「馴れ馴れしい」「無礼」とは全く別物だということを販売員も経営者も認識する必要がある。

常々、「LVNHを目指す」とステュディオスを運営するトウキョウベースの経営者は公言しているが、LVMH傘下のどの店舗でそんな無礼な接客が行われているのだろうか。

接客スタイルは店舗ごとの裁量にある程度は任されているのだろうが、それにしてもビール事件の店舗だけではなく、他店でもそういう無礼で馴れ馴れしい接客スタイルがまかり通っているということは、各店の責任者やマネジメント層に人材が不足しているといえる。

また、記事中にもあるように

昨年導入した「スーパースターセールス制度」という販売員の売上の10%を給与に還元する制度により年収700万円を得る販売員も在籍している。

という成果主義が間違った方向で各店で発露しているのではないか?

売れば売るだけ収入が増えるから、お客と積極的にLineを交換してガツガツと頻繁に営業メッセージを送る。
それが良いというコアな少数のファンもいるのだろうが、大多数からすれば鬱陶しいことこの上ない。
出来の悪いキャバクラなのかというようなやり方である。

業界では「急成長に人材の育成が追いついていない」という噂も流れている。たしかに件の「馴れ馴れしい販売員」たちは到底育成されたとは言い難い。
今のままのやり方を放置していては、いずれトウキョウベース自体がもっと評判を落とすことになるだろう。

こういう売り方を良しと考えているなら、株式公開などせずに私企業であり続ければ良かったのである。

今回の炎上に関して同情的な声も一部では聞かれるが、もしステュディオスが「親しまれる」「愛される」系の店ならここまで炎上しなかったはずだ。ここまで炎上したということはいかに、そのガツガツとした販売姿勢が嫌われていたか、アンチを作っていたかということにほかならない。ここまで嫌われているブランドや企業がLVMHのようになるのは不可能に近いのではないかと思う。

景気の悪い話が続くアパレル業界にあって、好調が続くトウキョウベースを次世代スターに押し上げたいような雰囲気を感じるが、今のままの状態でスターに押し上げるのは、トウキョウベースにとっても業界にとっても不幸な結末を迎えることになる。

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低価格・高機能のカジュアルウェアでワークマンが実演する「小売りの輪」理論

ワーキングウェアナンバーワンのワークマンが、カジュアルシェアをさらに拡大するのは確実なことになるだろう。

先日、商品説明会が行われたようで、その様子が各メディアで報じられている。
もっともわかりやすい内容がファッションスナップドットコムなのでこれを引用する。

「目指すはアウトドアのファストファッション」仕事着のワークマンが増産&拡充で一般層に訴求
https://www.fashionsnap.com/news/2017-09-12/workman-outdoor-sports/

スポーツ、アウトドアへの拡販ということだが、その中の何割かは確実にカジュアルシーンで使用を狙っているのではないだろうか。

ランニング人口が増えている現状では、純然たるスポーツシーンでの着用はそれなりの割合を占めると考えられるが、アウトドア人口は一時期の山ガールブームも終息しており、純然たるアウトドアでの着用というよりはカジュアル用途での着用を期待しているのではないかと思う。

すでに一昨年あたりから、ネットではユニクロをはるかに超える低価格・高機能のワークマンの商品がカジュアル用途で注目されており、今後こちらの需要が激増するのではないかと考えられる。

一部完売する商品も出るなど反響を受け、今年は増産と共にラインナップを拡充。アウトドアおよびスポーツ向けの商品群は昨年30億円、今年は60億円を売り上げ、来期は100億円を突破する見込みで右肩上がりだ。

とのことだが、100億円突破というとジーンズメイトよりも売上高が大きいということになるし、ローカルカジュアルチェーンよりもはるかに大きいということになる。

ドン・キホーテのオリジナルカジュアルブランドも100億円に到達しており、いよいよ、中途半端なカジュアルチェーン店はドン・キホーテとワークマンに駆逐されることが現実になりそうだ。

また、ユニクロも今後はある程度は牙城を侵食されることになるだろう。

価格は専門ブランドと比べスポーツ系商品は1/3、アウトドア系商品は1/2で提供し、低価格に設定することで極力値引きや特売を行わず、数年間売り続けることができるためロスが生じずに粗利率35%での値付けが可能だという。「フィールドコア」の「驚くほど軽いSTRETCH」シリーズの防寒用ブルゾン(税込2,900円)は昨年10万着を売り上げ、今年は2倍となる20万着を目指し10月から販売を開始する。

とのことで、販売数量も百貨店やファッションビル内で展開するアパレルブランドとはケタ違いになりつつある。100枚だ50枚だとチマチマ生産している百貨店やファッションビル内のブランドはもはや、追いつけない水準の生産数量となっている。

ただ、記事の見出しについては疑問を感じる。ワークマンが「ファストファッション」を目指すのなら、トレンド要素を排除したベーシック商品を数年間売り続けることでコストダウンを図るという手法は、おかしいのではないか。

この手法はファストとは正反対の手法で、かつてのジーンズメーカーやユニクロと近い「売り減らし」構造だと読めるからだ。

単に「低価格」だけを指して何でもかんでも「ファスト」とまとめるのは、さまざまな定義が揺らぐもとであり、その一端をメディア自らが担っているという笑えない状況を作っているといえる。

さて、ワークマンは全国800店舗とはいえ、郊外が中心で都心に店舗が少ないのが弱点で、都心にも店舗が多いドン・キホーテとは事業構造が異なる。
郊外店主体ということでは、ワークマンはしまむらに近いといえる。

郊外での出店が近いうちに飽和状態を迎えたときに、しまむらとワークマンは都心進出をどうするのかという決断に迫られることになる。

また、圧倒的に男性需要が多いと考えられるワークマンは、女性客を伸ばすのかどうするのか、という決断にもそのうちに迫られることになる。

盤石のビジネスモデル、永遠に劣化しない事業構造は存在しない。

男性客向けの郊外店として特化するもよし、女性客を取り込んで都心進出を果たして一気にメガブランドを狙うもよし、正解・不正解はない。

どちらの道を選んでもそれなりに苦難はあるし、失敗する可能性もある。
それらを飲み込んでどういう結論を出すのかに注目したい。

それにしてもワークマンの躍進、注目度の向上を見ると、まさに「小売りの輪」理論だと感じる。

ジーンズメーカーやカジュアルメーカーからの仕入れ商品を販売していたジーンズカジュアルチェーン店や大型スーパーに対して、低価格で価格競争を仕掛けたユニクロが、市場の王者となった。これが2005年ごろまでの話だ。

その王者ユニクロは、+J(ジル・サンダー氏とのコラボ)、UU(アンダーカバーとのコラボ)、ルメール、イネス、JWアンダーソンとブランドステイタスの向上を目的とした高付加価値路線に突入し始めた。

そうすると、今度は、ドン・キホーテやワークマンが、低価格・高機能を武器に、その牙城に侵入し始める。

まさしく「小売りの輪」理論だ。

ドン・キホーテやワークマンがこのまま成長を続けたと仮定すると、10年後か20年後には両者が今度は高付加価値ラインを導入し、そこに新たに低価格を武器にした新興企業が侵入し始めるだろう。

小売りの輪は永遠に循環し続ける。

これを見ると、人間の営みなんて意味があるのかと思ってしまうが、とりあえず自然死するまで生き続けたいなら、経済活動をやめるわけにはいかない。

反戦小説や反戦ドラマみたいに「虚しさを感じて、隠遁する」なんて行動をとることはできない。
現実から逃げて隠遁することが高潔な行動でもないし、賞賛されるべきふるまいでもない。

虚しかろうがなんだろうが、勝ち残らねば自然死を迎えるまで生き続けることはできない。

まあ、そんなわけで目の前で繰り広げられる「小売りの輪」理論の実演を楽しみながら眺めることにしたいと思う。

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アパレル業界は丸投げ体質か?
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イケアの売上高が日本で減少傾向にあるのは当たり前ではないか

 洋服は毎月何枚か趣味と実益を兼ねて買っているが、家具類は買ったことがない。
そういえば、もうかれこれ10年近く家具は買っていない。

もともと家具にはまったく興味がないし、今使っている物が壊れたら買い替えるだけで、買い足しやら買い直しは毛頭する気がない。

逆に、引っ越しなどの必要に迫られてもいないのに、頻繁に家具店に行く人の気持ちはまったくわからないし、家具を頻繁に買う人の気持ちもわからない。

そんな当方からするとニトリだ、イケアだ、と騒ぐ人々が理解できない。
ニトリは相変わらず出店ラッシュが続いておりますます巨大化する兆しを見せているが、イケアは最近ほとんど出店を聞かず、噂すらあまり聞こえてこなくなっている。

そんなことを考えていたら、東洋経済オンラインにイケア不振の記事が掲載された。

意外と不調?イケア・ジャパンの巻き返し策
8年ぶり大幅値下げでニトリ・無印を追う
http://toyokeizai.net/articles/-/186013

2016年度の売上高は前年よりも減少して、767億円におわったという。

華やかな説明会の陰で、イケア・ジャパンの業績は冴えない。親会社を含めて非上場のため開示されている情報は少ないが、決算公告によると売上成長は2014年度を境に鈍化。2016年度の売上高は767億円で、同社が2020年までの目標に掲げる「1500億円」には程遠い。

2006年に日本1号店を千葉県船橋市にオープンしてから10年以上が経つが、店舗数は熊本の小型店1店を含めても9店のみ。2018年度の出店計画も1店で、目標とする2020年までの全国14店体制達成には黄色信号が灯る。

売り上げと出店ペースが伸び悩む中、2013年度に87億円あった営業利益も、2016年度には5分の1未満の16億円まで激減した。営業利益率は2.2%で、イケアグループ全体の12.8%から大きく見劣りする。

とのことで、記事中で使用されているグラフによると、2016年度の売上高は明らかに2015年度よりも低下して、2014年度とほぼ同じであることがわかる。

また営業利益と純利益は、2015年度、2016年度はかなり低い。
グラフの目盛りから判断すると2015年度の営業利益は10億円程度、純利益も3億円程度だろう。
また2016年度の純利益も10億円程度だと推測される。

この原因を記事ではニトリに押されているためだと説明するが、それはまったくその通りではないか。

日本人の中にはイケアを知らない人も多数いるのではないか。
逆にいうとイケアを知っていたり、イケアに対して興味のある消費者はもう取り込み切ったのではないか。

家具にあまり興味のない人間からすると、イケアがあろうとなかろうとどうでもよい。あまり自分の生活に変化はない。

中には「イケアの家具はデザインが良い」という人もいるが、当方からすると、ニトリの家具だってそこそこデザインは良いし、他の店もそれなりのデザインの商品がそろっているので、デザインの優越性なんてほとんど理解できない。

おそらく、洋服に興味のない人もそういう感じなのだろうと思う。

洋服で「ユニクロのデザインは」とか「イタリア物は」と言っている人のほとんどは、実は「物」ではなくて「ブランド名」だけで判断しているにすぎないが、商品の見た目の差異なんてかなり小さくなっていて、本当に興味のある人か、本当の目利きでないと判別できない。

家具もそんな感じになっているように当方からは見える。

家具も洋服も、多くの消費者は「見た目がそこそこ、品質もそこそこで値段は安ければ良い」という志向だから、見た目と品質がそこそこで低価格のニトリは売れる。イケアも同じ範疇だが、ニトリがあればイケアは要らない。

あと、個人的にイケアを使いたくないと思うのは、買ってきた家具を組み立てるのがめんどくさいからだ。それならニトリやその他家具店で最初から組み立ててある商品を選ぶ。

洋服も売れにくくなっているが、家具は本来ならもっと売るのが難しい。

それこそ洋服なら1枚や2枚余計に買っても収納場所を確保するのは容易だ。
しかし、家具はそうはいかない。
椅子が安かったから1脚余計に買ってきたなんてことはできない。
通りがかったらソファーが安かったから衝動買いしたなんてことはちょっとできない。

そうすると、買い替え需要や買い足し需要は数年に1度あるかないかだから、洋服よりも日々販売することは難しいのではないかと思ってしまう。

洋服なら毎月複数ブランドを買うこともできるが、家具はそういうわけにもいかない。

1ブランドで買いそろえたら、最低でも数年間は他ブランドを買い足す必要がなくなる。

洋服の場合は複数ブランドが並立できるが、家具の場合はそれは難しいのではないかと思う。
ニトリとイケアが拮抗して並立するという事態は極めて起こりにくく、どちらかのシェアが大きくなれば、もう片方は小さいシェアを獲得して存続するしかない。

ニトリが圧倒的になれば、イケアの売り上げ規模が今以上に成長することはほぼ不可能に近いと個人的には見ている。

だからイケアが国内で伸び悩んでいることは何の不思議もない。

それにしてもニトリのおかげでグローバルインテリアブランドの本格上陸が阻止されているというのは、洋服でいえばユニクロ、ジーユーのおかげでグローバル低価格ブランドの本格上陸が阻止されているというのに似ていて興味深い。

運営側の不手際もあるがトップショップ、オールドネイビーは撤退、フォーエバー21は伸び悩んでいる。

わけのわからんグローバルブランドにわが物顔をされるよりは、ユニクロやニトリといった自国企業が君臨してくれている方が好ましいといえる。

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鎌倉シャツのビジネスモデルが秀逸なポイントを考えてみた
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