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三越伊勢丹とルミネの「セール後ろ倒し」が失敗したのは当然

三越伊勢丹が来年1月の冬バーゲンは、他の商業施設に歩調を合わせて1月4日からにするということで、適切な判断だといえる。

大西洋・前社長が「セール後ろ倒し」を言い始めたが、個人的にこれは最大の失策だったと思っている。
「定価販売できる時期を長く」という気持ちと狙いはわからないではないが、時流にあまりにも逆行しすぎていた。
逆行していてもその意見が業界のスタンダードになることもあるが、セール後ろ倒し派はそのスタンダード化にも失敗して、敗退してしまったといえる。

三越伊勢丹、「冬セール」6年ぶり前倒しの衝撃
今冬は1月4日、同業他社と歩調合わせる
http://toyokeizai.net/articles/-/200578

一体何が衝撃なのかよくわからない。

大西・前社長に同調したルミネが昨年からセール開始時期を元に戻しているのには呆れ果てた。
相変わらず、ルミネは口先だけの綺麗事ばかりである。

ただそのルミネも、冬のセールに関しては昨年から通常時期に戻している。

ルミネは常に上っ面の綺麗事しか言っていない。

ところで、今年は昨年よりもインターネット通販を積極的に利用してみた。
昨年までは、ほぼガンダムのプラモデルとパソコン回りの備品をインターネット通販で買うのみだったが、今年は服や靴も買ってみた。
また、Amazon以外にAmazonのマーケットプレイスや、Yahoo!ショッピングへの出店者ページ、アダストリアなどの通販サイトも「利用するつもり」でじっくりと見てみた。

登録していたライトオンやジーンズメイトなどのメルマガも一通りは目を通すようにしてみた。
また、フェイスブックなどに出てくるドゥクラッセの広告ページも念入りに見てみた。

そうすると、さまざまな通販サイトが今秋なら11月から頻繁に値引きセールや投げ売りセールを行っていることがわかった。
また検索をすると、セールはやっていないものの、定価自体が驚くほど安い商品も数多くある。
さらにバッタ屋的に在庫品を低価格で販売しているサイトもある。

今年11月初旬にiPhoneを機種変更した。
それまで使っていた6Sから7に変更した。
その際に、丸2年間使用したスマホカバーを廃棄して、新しいスマホカバーをネットで探したが、148円送料無料とか198円送料無料というのを発見して、それを購入した。

現在は148円送料無料のを使っていて、予備として198円送料無料のも購入した。
これであと2年間は安泰である。

また、すでに11月中旬からアダストリアはネット通販で先行セールを開催しているし、シークレットセールも開催している。
ライトオンは12月8日の金曜日からネットだけで日替わりの投げ売りセールを開催している。
一昨年からの在庫品と思われる丸八ダウンが12月9日の土曜日は1日間限定で4900円にまで値引きされていた。

こういうことがインターネット上ではあちこちで起きている。
安い商品が欲しい人は当然インターネットで買うようになる。

以前にこのブログでインターネット通販利用者が予想よりも少ないだろうということを書いたが、それでもジワジワとは増えてきているし、ネット検索を使う人の比率は圧倒的に高いから、実店舗での定価販売期間をいくら引き延ばしたところで、売れるようにはなりにくい。

なぜなら、インターネット検索で低価格をいくらでも見つけられるし、買わないまでも目当てのブランドが低価格販売していることも見えてしまうからだ。

大西・前社長もルミネの社長も、業界のセール後ろ倒し論者もインターネットで買い物をしていないのではないかと思う。
もしくはインターネットで商品ページやブランドページを見ていないのではないか。

我が国の「セール後ろ倒し」論者には、フランスやイタリアが実店舗でのバーゲン開始時期や値引き率を政府が規制している状態を羨ましいと感じる人が多いようだ。
しかし、フランスやイタリアでも状況は同じで、インターネット販売はそのセール規制に引っかからないといわれている。

そうなると状況は我が国とさして変わらない。

結局実店舗でセール開始時期をいくら遅くしようと、インターネットで安く売られていれば、そちらを買うようになる。
また、三越伊勢丹やルミネがバーゲン開始時期を10日やそこらを後ろ倒しにしたところで、実際の「定価販売期間」なんてほとんど伸びない。たかだか10日ほど伸びたところで何が変わったのだろうか?
やるなら1か月とか2か月くらい後ろ倒しにしないと何の効果もない。

しかし、衣料品が売れていない状況下で三越伊勢丹もルミネも1か月や2か月も後ろ倒しにはできない。
それだけの体力がない。

また、ルミネはインターネット上では今年も11月から早々に値引き販売をしており、何を言っているのかと呆れ果てる。
実店舗にはセール後ろ倒しをいい、インターネット上では前倒しで売る。
そんな二枚舌みたいな施策でだれが納得するというのだろうか。

三越伊勢丹とルミネの「セール後ろ倒し」政策は敗れるべくして敗れたとしか言いようがない。

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三越伊勢丹HDが「ケイタマルヤマ」を手放す理由とは?
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3年間で12店舗に急成長した在庫処分店ドゥーラックがウェブサイトを開設 

今日は告知を。
3年前から手伝っている在庫処分店「ドゥーラック」がついに公式サイトをオープンさせた。

http://doluck.jp/

通称「バッタ屋」といわれる在庫処分店で、もっとも知名度が高いのは大阪に本社を構えるショーイチだろう。

どうしてここを手伝うようになったのかというと、ツイッターで知り合ってそこから交流させてもらっている方からのご紹介で、手伝うようになった。
手伝うと言っても、たいそうなことをしたのではなくて、単に店舗にヘルプの販売員として入っただけのことである。
2014年7月に天神橋筋店がオープンする際に手伝うようになったので、天神橋筋店でヘルプ販売員に入った。

その当時は3~4店舗くらいしかなくて、自宅からの距離的に一番入りやすかったのが天神橋筋店だったので、そのまま天神橋筋店に時々入るようになった。

一時期は人が足りないとかで月の半分くらい入ったことがあり、さすがに体がきつかった。
44歳(当時)の初老の体に連日の立ち仕事はほんとうにきつく最終回のウルトラセブンくらいに体力を消耗していた。

その一方で、おかげで天神橋筋商店街をじっくりと観察できる機会に恵まれた。
以前から交流のあったショーイチのおかげで外野からは「バッタ屋」という業態のことは知っていたが、内部のことを知る機会が得られたのはなかなかに貴重だった。

実際にこのブログで過去に何度か天神橋筋商店街のことを取り上げた。

それが今年に入って、店舗数が12店舗にまで拡大しており、もうすぐ13店舗目がオープンするという。
3年間で10店舗くらい増えている勘定になる。

けっこうな急成長だといえ、最近は洋服不況だから正規店ではこれほどの急成長できるブランドは大資本を除いてはあまりない。
この時期に急成長できるのはなかなか稀有な例だといえる。

ショーイチの場合、ネットや海外、卸売りなどがメイン販路となるが、ドゥーラックは一部に卸売りはあるかもしれないがメインの販路は直営店という違いがある。

謙虚?であまり自社のウェブサイトでも露出しない今堀陽次社長は実は当方より2つか3つ年下である。
今後、整備しなくてはならないことは社内に山ほどあるとは思うが、短期間のうちにここまで急成長させた手腕は「やり手」と評して良いのではないかと思う。
50歳手前にもなってこんな有様の当方にくらべると、最近の年下は優秀な人が多いと痛感する。

現在取り扱っている主な商品は大手通販各社の在庫品である。
あと、珍しいがセシールの公式アウトレット店「セシールアウトレット」も1店舗、千林商店街で運営している。

それ以外ではスポットとして倒産した「CHU XXX(チュウ)」ブランドが入荷したこともあるし、最近だとANAPの商品も入荷したことがある。その時々によって在庫を買う機会があれば、大手通販各社以外の商品も仕入れているという感じである。

不良在庫で困っているメーカーやブランド、不当返品で困っている工場はやり手の今堀陽次社長に連絡してみてはどうだろうか?

現在のところ、本社が京都で店舗は大阪、京都、兵庫と関西圏での展開となっている。

ところで、今回のウェブサイト立ち上げは、やっぱり最低限でも「名刺代わり」のウェブサイトは必要だという事例だといえる。
ウェブ通販の利用者は、以前にもこのブログで紹介したように、業界人が期待するほど多くはない可能性が高い。しかし、ものごとを調べるのは圧倒的にネット検索である。

ネットで検索して引っかからなければその時点で選択の対象とはならない。

また当方が、これまでいくつか在庫で困っているブランドやメーカーを紹介したことがあるが、その際常に尋ねられるのは会社概要がわかるサイトはあるのかということだった。

「どこに店があるのか?」
「本社はどこか?」
「過去の販売事例は?」
「どんな店?」
「連絡先は?」

などがウェブサイトがあれば、一気に解決できる。
「このURLにアクセスしてください」といえば済む。

ところが、サイトがないと、いちいちそのために資料を作ったり、口頭で長々と説明しなくてはならない。
説明するほうも労力と時間が必要だが、聞く方も労力と時間が必要になる。

知り合いのフリーランスのディレクターが3年くらいまえに自分の「ホームページ」を開設した。
理由は、初めて会う人すべてから「過去実績のわかるホームページはないの?」と尋ねられたからだ。
ネット通販は利用しなくてもそれほどにネット検索は利用されているのである。

ウェブサイトを開設せずに「最近は問い合わせがめっきり減った」と嘆いている企業が繊維業界には山のようにある。
問い合わせが減った理由はさまざま考えられるが、衣料品不況で売れ行きが悪いからということ以外に、その企業がウェブサイトを開設していないからという理由もある。

問い合わる相手はウェブ検索で調べており、そしてウェブ検索に引っかかってこないような業者にわざわざ連絡することはない。
ウェブ検索で引っかかった業者に連絡をすれば事足りるのである。

企業には名刺代わりのウェブサイトは必須だといえ、それを開設したくない・開設できないという企業は市場から淘汰されても自業自得としか言いようがない。

何はともあれ、長年携わったドゥーラックのウェブサイトが開設されたことはひとまず良かったと思う。

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若者に存在すら知られていないベネトン ブランドが忘れ去られる速さ

以前にも書いたが、月に何度かファッション専門学校で講義をすることがある。
まあ、めんどくさいことも多いが、10代後半から20代前半の若者の意見を聞くことができて、非常に勉強になる。
若者論をぶち上げるつもりは毛頭なくて、自分たちの若い頃と同じ部分もあるし、まったく違っていて驚かされることもある。
時代が変わって、生活様式も変わっているので違っている部分があってもそれは当然で、25年前とまったく変わらないのであれば、そちらの方が逆に驚異的である。

先日、講義の中で「ベネトン」というブランドについてチラっと触れた。
反応がいまいちだったので、「ベネトンって知ってる?」と尋ねてみたが、10人強いる学生の全員が「知らない」と答えて驚かされた。

現在、ベネトンの商品を買っている人は少ないのではないかと思うが、30代以上の業界人で、ベネトンの名前を知らない人はほとんどいないだろう。

2010年ごろに買ったベネトンのセーター。2700円くらいに値下がりしていた。

 

ベネトンは近年、国内の店舗網を減らし続けてきた。

2000年頃から国内に積極出店していた大型路面店もほとんど閉店してしまった。
心斎橋店は2011年に閉店しているし、表参道店は2014年で閉店している。
梅田店も閉店して、その後はヨドバシカメラ梅田店内に中規模店として移転している。
(現在ではアウトレット店となっているらしい)

たとえば、18歳の若者がいたとして、この人がファッションに興味を持ち出したのは、早くても12~13歳くらいだろう。
遅ければ、15~16歳くらいだろう。

そうなると、6年前にはベネトンのメガストアが閉店し始めており、2年前にはベネトンメガストアのほとんどの店舗(2014年当時は熊本店を除く全店閉鎖)が閉鎖してしまっており、ファッションに興味を持った時点では、彼らにとってベネトンはこの世に存在していないに等しいブランドになっていたといえる。

だから彼らがベネトンというブランドをまったく認知していなかったとしても何の不思議もない。

さらにいえば、ベネトンの公式サイトを見ても店舗数がめっきり減っている。

東京には1店舗、愛知県には5店舗、関西には京都1店舗と大阪の八尾に1店舗しかない。
そうなると、関西の若者だけでなく、東京の若者にだって認知されていないという可能性が極めて高いと考えられる。

そして、ウェブ上でもベネトンに関するニュースはほとんど流れてこないし、SNS上でもベネトンの情報が流れてくることもない。

こうなると、若い人が「知らない」というのは極めて当然である。

単にベネトンをdisりたいのではなく、露出が減るとたった5年くらいで忘れ去られたブランドになり果てるというこことが言いたいのである。
これは各ブランドが気を付けなくてはならないと思うのだが、一般消費者が忘れる速度は驚くほど速い。
店舗数が激減してウェブ上でも見かけなくなればその存在なんて5年くらいで忘れ去られてしまう。ベネトンが好例ではないか。

じゃあ、忘れ去られないためにはどうすれば良いのかというと、財務的に店舗数が維持できなくなったら、圧倒的にウェブ上での情報発信をするほかない。
そうしないと、実際の日常でも見かけない上にネットでも見かけなくなるからあっという間に忘れ去られてしまう。

いささか状況は異なるが、9月下旬にTOKYOBASEの飲酒接客が炎上したが、たった2か月後の現在、すっかり話題は沈静化している。
一般消費者の忘れる速さというのはこれほど速い。

これを逆に考えると、店舗数も情報発信も激減したブランドが忘れ去られる速度はどれほど速いのかということがわかるのではないか。

はっきり言って、今の状態から国内でベネトンのブランドイメージを回復させることは至難の業である。
レノマパリスが何をやってもブランドイメージを回復させられないことや話題に取り上げられないことを鑑みれば、一目瞭然だろう。

一方で、無節操なセレクトショップコラボを多発して露出を圧倒的に増やしたチャンピオンがそれなりに人気ブランドとなっていることは、これの逆バージョンではないかと思う。
チャンピオンなんて、30代半ば以上の人にとっては、部活のときの練習着とか体操着というイメージしかない。
あの目玉みたいな「Cマーク」もなんだかダサく思える。

しかし、今のファッション好きはあの「Cマーク」のデカいロゴのTシャツやスエットを得意気に着ている。
おっさんからすれば部活の練習着かと思ってしまうのだが、市場の価値観は変化するものである。

広く知られなくてもしっかりと顧客に密着してビジネスを行えば良いという意見もあるだろうが、今の中高年層の支持者はいずれこの世からいなくなる。人間は誰でも確実に死ぬからだ。

そうなると、若い世代に知られていないということは、ブランドとしては致命的な欠点だといえる。
いずれ今の顧客が死に絶えてしまうと、新しい世代には顧客がいないということになってしまう。

そのあたりを考えると、企業やブランドが永続的に続くためには、比率は別として若い層へのアプローチは絶やすべきではないと思う。

知られていないのは存在しないのも同然なのである。

それにしてもベネトンの知名度がここまで低くなっているというのは衝撃的だったし、まさしくゼネレーションギャップそのものだといえる。

他のアパレル企業・アパレルブランドもご注意を。

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百貨店がSPA化できない理由

百貨店の自主企画商品は過去に何度も挑戦されているが、なかなか成功しない。

https://senken.co.jp/posts/mete-171128

大手百貨店が拡大した自主商品開発は、何をもたらしたのだろうか。先行した三越伊勢丹、そごう・西武は拡大路線から一転し、この一年で整理・縮小して収益重視を徹底する。

とのことである。

そもそもなぜ百貨店がSPA化を目指したのかというと、昨年夏にインタビューした三越伊勢丹HDの大西洋・元社長は次のような意味のことを語っていた。

「大手アパレル各社が業績不振によって大規模な生産調整を行った。その結果、商品供給量が減り、都心旗艦店は別として地方の小型店にまで商品が供給できなくなり、売り場が埋まらなくなった」

売り場にスペースを開けるわけにはいかないから、例えば近鉄百貨店あべのハルカス本店ウイング館のように、「お客様なんたらカウンター」みたいなものを設置するというのも一つの手だが、「なんたらカウンター」ばかりの売り場になるのも極めて不格好である。
そうなると、量の多寡は別として、自主企画商品を開発するほかない。

また大西・元社長は、売り場を埋めること以外にも、現在の「洋服小売業」ではこれ以上の成長が望めないから、「卸売業」にも進出したいという考えがあり、自主企画商品を他社へ卸したがっていた。
伊勢丹の婦人靴PB「ナンバー21」は他社にも卸売りを行っているので、この考えのモデルケースだといえる。

一方、そごう西武が自主企画商品を強化した理由は、「売り場が埋まらない」というところは共通だと思えるが、卸売業への進出ではなかったと思う。
そごう西武は大手百貨店グループの中でもっとも決算内容が悪い。
しかも残念ながら現在のステイタス性も低い。

そういう百貨店が卸売業なんて模索するはずもなく、開発の理由は収益性を高めるためだろうと考えられる。
自主企画商品は安値で売っても利幅が大きい。この開発に成功すれば、理論上は利益面は大きく改善できる。
それが最大の眼目だったのではないかと個人的には見ている。

しかし、両社とも自主企画商品の開発はすんなりとは行っていない。
三越伊勢丹には「ナンバー21」という成功事例はあるものの、後続商品が表れていない。
そごう西武のリミテッドエディションは空振りが続いている。

先の記事では失敗の原因について

要因の一つは、生産から販売までのサプライチェーンを構築できなかったことだ。産地の構造や素材、縫製など物作りを理解せずに、生産、納期管理は取引先任せだった。買い取りでありながらも返品や未引き取りが横行し、在庫を抱えて撤退を余儀なくされた。



と指摘しているが、原因はこれだけではない。

そもそも百貨店には商品企画・商品デザインのノウハウがない。
大手セレクトショップ各社も同じだが、彼らには優秀なベンダーと優秀な企画屋がバックに付いている。
百貨店各社にそれはない。
だから「企画」が失敗する。

生産管理のノウハウもないだろう。

またマーチャンダイジングのノウハウも持っていないのではないかと推測される。
マーチャンダイジングは日本語では「商品計画」と訳されるが、商品の計画だけを立案していれば良いというものではない。
在庫の管理、利益の管理、天候や社会情勢への柔軟な対応が求められる。

今の百貨店平場で「真の意味」でのマーチャンダイジングができている店があるだろうか。
当方の知る限りにおいてはない。

管理できているとしたら、商品の投入時期と、帳簿上の利益率の確認程度だろう。
商品の投入時期はこれまでの小売業の慣例に従っていることが多く、お盆明けに秋物の本格立ち上げ、10月21日に防寒アウター投入という具合で、これは20年以上前からまったく変わっていない。

「販売員付き消化仕入れ」という仕組みにドップリ漬かりすぎて、そういうマーチャンダイジングは長らく手掛けてこなかった。年配社員ができないものを新人に教えることはできないから、百貨店の新人がこれを身に着けられる機会は永遠にない。

サプライチェーンなんて今の百貨店に構築できるはずもないし、構築できたところで、企画やマーチャンダイジングのノウハウがまったくないのだから、どっちにしろ在庫の山が積みあがったという結果は変わらない。

逆にサプライチェーンを構築できれば売れていたと考えているのなら、その発想そのもののナンセンスさに驚く。
工場のおっさんと同列の考え方である。

企画が良くない商品をいくらたくさん作ったって売れるはずもない。
また真の意味での商品計画が機能していなければ、売れるはずもない。

そごう西武のリミテッドエディションが成功しない理由は、「カール・ラガーフェルド」などの超一流デザイナーとのコラボが原因ではないのか。
最近、百貨店に限らず「コラボ」流行りだが、成功するコラボと失敗するコラボがある。
その相違点はなんだろう。失敗するコラボには確実に共通点があると思うのだが、いずれ別の機会で考えてみたい。

ただ、そごう西武のコラボの場合、今の日本の消費者にとって、欧米の超一流デザイナーとのコラボというのはそんなに魅力的に映らないのではないか。自分たちの日々の暮らしとまったくかけ離れた印象を与えているのではないかと思う。

あくまでも仮説だが、そういう超一流デザイナーとのコラボよりも、例えば「上質なレザーを30000円で」とか「モンゴル奥地から取り寄せた高品質カシミヤを3万円で」とかそういう「高品質・割安感」商品の方が、今の消費者には響くのではないかと思う。
いかがだろうか?

それにしても先ほどの一節にはもう一つ驚くべき箇所がある。
「買い取りでありながらも返品や未引き取りが横行し」という部分である。
これは明らかに法令違反だ。
下請け法違反で摘発されるべき案件だ。

これが事実だとしたら百貨店は法令違反集団だといえる。

それにしても、衣料品に関してはイオンやイトーヨーカドーなどの大型量販店も自主開発商品は上手く行っていない。
百貨店も量販店も無理に衣料品にこだわり続ける必要はないのではないか。

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ZOZOSUITによってユニクロは終わる?いや、終わらないよ(後編)

さて昨日の続きを。

ZOZOSUITによってユニクロは終わる?いや、終わらないよ
http://minamimitsuhiro.info/archives/1964.html

ZOZOSUITの登場に浮かれるのはご勝手だが、「ユニクロ終わる」ってのは違うかなと。
たしかに、このシステムはIT系・アパレル系はだれもが夢想したと思うが、資金のことが念頭にあって実際にだれも実現にはこぎつけなかった。
これを実現化したことだけでもやはりスタートトゥデイはすごいとは思う。

しかし、スタートトゥデイを持ち上げすぎるのはどうかとも思う。

ユニクロに限らず、個人情報を積み上げている企業は意外に多い。
ニッセンや千趣会などの通販大手なんて何十年にも渡って莫大な個人情報を積み上げている。
ただ、好調なベルーナを除く不振大手通販各社はその情報の分析が甘くて生かし切れていないのである。

スタートトゥデイが今後、新規投入するプライベートブランド「ゾゾ」について考えてみよう。

今回のスーツで採寸したデータをゾゾの製造に生かして、「究極のフィット感」を実現するそうだが、テイストがベーシックカジュアルであること以外、何も発表されていない。
このため、現時点で商品について外野がワーワー言っていてもまったく意味がない。

それと、採寸によって「洋服はオーダーメイドに回帰する」なんてぶち上げている人もいるが、「ゾゾ」ブランドに関しては、オーダーメイドは当てはまらないと思う。

オーダーメイドをぶち上げている人はフルオーダーをイメージしていると思うのだが、現時点で分かっていることから推測すると、それはありえず、パターンオーダーになるのではないかと考えられる。

なぜ、フルオーダーでないかというとそれは「ベーシックカジュアル」とされている時点で超高価格はあり得ない。
それこそユニクロで買えるテイストの物を超高価格にしたって意味がない。
もちろんユニクロほどの低価格にはならないだろうが、そこにある程度近しい価格にしようとするならフルオーダーでは無理だ。
例えば、ジーンズの最高価格は1万9000円までだろう。2万円を越えるようなジーンズはおいそれとは売れない。理想を言うなら、15000円未満だと思う。
となると、バカ高くなるフルオーダーは使えない。

パターンオーダーになると、ツープライススーツショップですでにスーツ28000~38000円で作れる量産システムが確立されているので、ある程度の価格帯に抑え込むことが可能になっている。

それにZOZOTOWN出店ブランドの中には高価格帯カジュアルを扱っているところも多く、そこと競合させることは考えにくい。
あくまでも出店ブランドとコーディネイトが可能で隙間を埋めるようなベーシックカジュアルになると考えた方が間違いがないのではないか。

どうもフルオーダーとパターンオーダー(セミオーダー、イージーオーダー)をごっちゃに考えている人が多すぎるのではないか。
一般消費者ならそれは仕方がないが、業界人がその違いと価格差を理解していないのはいかがなものだろうか。

また、サイズを測定して「究極のフィット感を実現」というけれども、カジュアル服にそこまでの「フィット感」が必要だろうか。
究極にフィットさせるとレオタードになってしまうが、そういうフィット感をカジュアルに求める人は数少ない。
手足の丈の長い短いという問題は解決されるだろうが、その部分以外では既存の他社カジュアルブランドをすべて駆逐することは考えにくい。1センチの身幅の狭い広いはどうでもよいと考える人が多いのではないか。

究極のフィット感が求められるのはレオタードと競泳用水着くらいだろう。

逆に現在トレンドのルーズフィットの場合、フィット感は必要ない。

個人的に興味があるのが、採寸した体型データをもとにして、どの程度のサイズ感にアレンジするのかである。
レオタードみたいにピチピチにする必要はなく、データをもとにしてどれくらいのゆとりを衣服に持たせるようにアレンジするのかという問題は簡単なようで意外に難しい。
逆にレオタードを作る方が簡単だろう。データに合わせてぴったりさせれば済むのだから。

データをもとに2センチゆとりを作るのか3センチにするのか。
ルーズフィットなら何センチのゆとりを持たせるのか。

ここの決断はかなり難しいのではないかと外野からは推測する。

どのような決断を下したシルエットが提示されるのか興味は尽きない。

また、繰り返しになる部分もあるが、ファッションにはさまざまなテイストがある。
アメカジ、モード、トラッド、フェミニン、などなどだ。

このすべてのジャンルを「ゾゾ」ブランドが網羅できるはずもないし、するとは到底思えないので、市場すべてを「ゾゾ」が占有してしまう可能性は限りなくゼロに近い。
大真面目にそれを考えている人は、たった6兆円で売却されたモンサントが「世界征服をする」と考えている人と同じくらいナンセンスだ。
たった6兆円で世界征服できるなら、もっと早くにいろんな国が買収していただろう。

となると、ゾゾはベーシックカジュアルとプラスアルファを販売しながら、ゾゾタウンへの出店ブランドに体型データを供与して、そのブランドが製品開発に生かすというのが最も現実的な予想ではないか。
出店していなくても、ビジネスとしてユニクロや無印良品などに体型データを販売することも考えられる。
また肌着メーカーやスポーツウェアメーカーにデータを販売することもあるだろう。

さらには前澤社長は「靴の開発に向けたサイズデータ収集を始める」と言及しており、衣料品よりも5ミリのサイズの違いにシビアな靴というジャンルにこそ、この採寸データシステムは相応しい。
洋服はサイズが5ミリや1センチ違っても着られるが、靴は5ミリ違えば足さえ入れられない。

そうなると、このシステムで究極のフィット感が求められるのは服ではなく靴である。
究極のフィット感が得られる靴なら興味はある。

よほど特殊な固い素材でもない限り洋服はそこまでシビアにサイズは求められない。とくにカジュアルは。

以上のように考えると、ゾゾブランドのベーシックカジュアル衣料品は、現在の市場を壊して占有してしまうほどの商品ではなく、現在あるうちのワンオブゼムとして消費者の選択肢の一つになるのではないか。
また当然、今回のニュースですでにデータを所有している大手通販各社やユニクロ、パターンオーダースーツブランドはさらに研究を深めるだろうから、ある程度の全体のレベルアップも見込める。

話題性によって市場を活性化する可能性はあっても、ゾゾが占有してしまい現在の実店舗はすべて終わるというのは、ちょっと考えにくい。
一般消費者やタレントならそういう予想に酔っても良いが、自称も含めて業界の専門家が浮かれてしまうのはどうかと思う。まさに消費者と専門家(自称も含めて)の差が無くなりつつあるとしかいえない。
今回のZOZOSUIT騒動ではそのことが露呈したのではないか。

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ZOZOSUITによってユニクロは終わる?いや、終わらないよ

今、業界で話題なのがZOZOSUITだろう。
これについてはZOZOが開発するプライベートブランド「ゾゾ」の詳細が何一つ明らかになっていないにもかかわらず、空想・妄想織り交ぜて盛り上がっている。

「ゾゾ」ブランドはベーシックカジュアルであるということ以外、ラインナップも価格帯も初年度販売目標も何も発表されていない。
だから現時点ではどんなに優れた推測でも推測の域を出ず、妄想のから騒ぎというふうにしか見えない。

さて、ZOZOSUITだが、着用することで瞬時に体のデータを計測するという優れもので、これはたしかに革命的といえる。
しかも希望者には無料で配布するとのことだから、話題が沸騰するのも当然である。

しかし、先走りすぎている人も多くいるように見え、なんだか勝手に一人で泣いたり騒いだり、意味のわからないポエムを書いたりで、なんとかならんのかなと思う。

ZOZOSUITの考察についてもっとも賛成するのがこのブログである。

ZOZO SUITが「マーケティング」「コンテンツ」「マネタイズ」の全ての要素を揃えた最強のフリーミアムになる可能性の理由
http://ryoheiyotsumoto.com/zozosuit/

このZOZO SUITがどれぐらいの数がばらまかれているのか?はわかりませんが
ZOZOがこのデータを手に入れることで
今まで誰も揃えたことがなかった「3つ」の個人情報を揃えることが可能になります。

1、名前、生年月日、性別、住所、それに購入金額や決済使用カードから予想される「収入という個人情報」
2、ファッション的な観点の趣味趣向。という「個人インサイト情報」
3、体のサイズ。という「身体的個人情報」
この3つのデータを膨大に持ってる企業は未だかつて無いんじゃないでしょうか?

それこそ学校で身体測定やってるお国ぐらい。
この意味わかりますか?

アパレルの総合小売EC(売り場編集)で集めた「顧客データ(リスト)」を使って、
全く新しいマネタイズ方法が可能になるデータをZOZO SUITで手に入れている。
しかも、本来なら「お金」渡して手に入れたい情報を「無料で勝手に向こうから定期的に送ってきてくれる」
ZOZO SUITを無料で提供するフリーミアムでフロントエンド商材として提供し、
今まで誰も手に入れる事ができなかった種類の膨大な量の個人情報を手にする。
カンの良い人ならわかるともいますが、

このデータを持つ事だけで、別に「洋服」を売らなくても十分儲かるネタなんですよ。
洋服売るのは「おまけ」でもいけるぐらい。笑
そのぐらいこの「個人情報」は誰も持っていない情報なんですよ。
しかも、これが定期的に個人のデータが更新されて蓄積していくなんて継続性ある稼働率としたら、、、
あらゆる業界の「ホスト側」としてSTART TODAYは君臨するでしょうね。

との見方で、これが今回のZOZOの真の目的だといえる。

もうすでにZOZTOWNは生年月日、住所、性別などの膨大な個人情報をすでに持っている。
あんまりピンと来ていない人が世の中多いみたいだが、この個人情報というのは貴重なデータで、今まで企業はこれをわざわざカネを払って買っていたのである。

ネットで「個人情報を登録してくれたらもれなく10ポイント進呈」とか「1000円進呈」とかやっているが、だれも親切として見ず知らずの他人に10ポイントとか1000円とかを恵んでやりたいわけではない。
それはそれだけのカネを払ってでも手に入れたいデータなのである。

ZOZOはそういう個人情報に加えて何万人か分の体型データまで入手してしまう。
通常ならその体型データは企業がカネを払って購入するところだが、今回は向こうから無料で送ってきてくれるのである。

そこまでの個人情報をZOZOが握ってしまうのはなんとも不気味だと個人的には感じる。
だからもともとZOZOでは買い物をしたことがなかったし、今回のZOZOSUITは申し込まない。
しかし、それに乗ってみるという選択も理解できる。
以上のことが分かっていて乗るならそれは立派な選択だが、理解せずに乗るのは疑問を感じる。
情弱は他人の養分にされるだけの存在としか言いようがない。

それはさておき。

今回の件で、「ユニクロ終わった」とか言っている人がいるが、それは少々早計ではないか。
ユニクロは終わらない。
すでにユニクロもオーダージャケットやオーダースーツによってある程度の体型データを集めている。
おまけにネット売上高は450億円もあり、あの単価でその総額を売るためにはどれほどの人間がユニクロのオンラインストアで買っているかである。
その膨大な数の個人情報がすでに蓄積されている。

それらのデータをユニクロが今後さらに精度を高めて利用することは十分に考えられる。

また、ユニクロが本当にZOZOを脅威だと思えば買収したり、業務提携や資本提携をするだろう。それだけの資本力は持っている。
ZOZOからデータを購入することもあるだろう。

さらにいえば、ZOZOが衣料品業界にある種々のテイストすべてを自社製品で網羅することはできない。
網羅できない(しない)テイストのブランドは確実に生き残る。

旧型アパレルが終わるのではないかと思うが、カネを支払ってそういうデータをZOZOから購入すれば終わることもない。

あと「ゾゾ」ブランドのPB商品についても考えてみたい。
どうも早とちりでフィーバーしすぎている人が多い気がする。

ちょっと長くなってきたので、続きは次回にしたい。

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はるやま商事がビッグサイズ専門メーカーのマンチェスを買収した理由とは

はるやま商事が岐阜のビッグサイズメンズ専門メーカーのマンチェスを買収し子会社化した。

マンチェスといっても知らない人は本当に知らないだろうが、昭和27年創業の老舗メンズビッグサイズ専門のメーカーで最近では自社子会社でネット通販も手掛けていた。

実ははるか昔、18年くらい前に一度、今はなき岐阜ファッションフェア(GFF)というイベントの取材のついでに訪問したこともあるのだが、その際どんな話を聞いたのかも忘れてしまった。
こちらも駆け出しの記者でおそらくろくな質問もできていなかっただろう。

そこから、時が流れて2010年くらいにマンチェスの岐阜本社を訪問したことがある。
この時は、当時手伝っていたOEM会社の社長と同行した。
記憶の中にあるマンチェスの建物とはずいぶん変わっていて、かなり近代化されていた。
立派な本社ビルだった。
もしかしたら当方の昔の記憶が間違っているのかもしれない。

はるやま/ビッグサイズを強化、既製服製造販売「マンチェス」子会社化
https://ryutsuu.biz/strategy/j111633.html

このマンチェスをOEM会社に紹介してくれた業界の大ベテランがおられたのだが、最近は連絡がない。
年齢的にももうかなりご高齢になられている。
たまに「果たしてご存命だろうか」とふと思うことがある。

まあ、それはさておき。ニュースの内容を見てみよう。

はるやまホールディングスは11月15日、既製服製造販売の「マンチェス」と「ミッド・インターナショナル」の株式を取得し、子会社化すると発表した。
はるやまグループは、2006年10月からビッグサイズの衣料品を販売する「フォーエル事業」を展開しており、10月末現在、96店を運営している。
マンチェスは大きいサイズの衣料品などの製造、販売(卸売)を、ミッド・インターナショナルはマンチェスが製造する商品などのインターネットなどによる通信販売を、それぞれ主要事業としている。

とある。
この流通ニュースには書かれていないが、ミッド・インターナショナルはマンチェスの子会社で、マンチェスが企画製造したビッグサイズのメンズ服をインターネットで販売する会社である。
両社合わせての売上高は19億円と日経新聞は伝えている。

金額的にはそれほど大した額ではないが、ビッグサイズ専門メーカーを傘下に加えたというのは、はるやまにとってはかなり効果的である。

まず、地味ながらマンチェスには他社にないノウハウがある。
それは、スーツからカジュアルまで数多くのブランドのビッグサイズをマンチェスは手掛けているが、そのビッグサイズの型紙(パターン)は独自のもので、逆にライセンス供与先がそのパターンを使用することもある。

それに手掛けているブランドは数多く、錚々たるラインナップだ。
ミッド・インターナショナルのサイトを見てみよう。

https://www.bigsize.co.jp/brand/

アディダス、リーバイス、エドウイン、ナイキ、ラコステ、ディッキーズなどなど。

2L~8Lくらいまでのサイズを展開している。
2Lくらいまではどこのブランドも自社で企画製造しているが、4L以上となるとちょっと手掛けていない。
それをマンチェスは企画製造してきた。

2Lくらいまでのパターンのグレーディングでは4L以上になるとサイズバランスがおかしくなる。
ウエストを巨大化させるのに比例して裾幅まで広げれば、袴みたいなズボンになってしまう。
それを「ハカマックス(笑)」とでも名付けて売れば良いかもしれないが、まあ、普通には売れない。
普通に売ろうと思うなら、裾幅は少し狭めにしなくてはならない。
このグレーディングのノウハウをマンチェスは持っている。
だから先に挙げた錚々たるブランドでもマンチェスのノウハウを逆に採用することもある。

このノウハウを手に入れられたことははるやま商事にとってはかなり有効な武器になる。

また、記事でも書かれているように、ビッグサイズは利用者数が少ない割には囲い込みがしやすい。

体験例でいうと、6Lくらいまでレディース服をそろえているバッタ屋が天神橋筋商店街にある。
3Lくらいまでなら通常ブランドでも扱っているが、4L 以上になると扱いがない。

だから、ビッグサイズが売っている店には顧客化し、定期的に足を運んでくれることになる。
また、チマチマと毎日1枚買うのではなく、買うときは数点以上のまとめ買いをしてくれる。

レディースに比べてメンズは服を買わないが、それでも同様の消費傾向だろうと推測される。
日々高回転にはならないかもしれないが、まとめ買い比率と固定客化の確率はかなり高くなる。
そうすると、定期的で確実な売上高が見込めることになる。

個人の家計でも不定期に100万円収入があるよりも毎月10万円ずつ収入がある方が生活設計しやすい。
企業も店も同じことだ。

はるやま商事はすでに11年前からビッグサイズ専門店を展開しているが、マンチェスを手に入れたことで企画製造のノウハウはさらに磨きがかかり、取り扱いブランドラインナップも増える。
さらにいえば、固定客も増える見込みが高く、はるやま商事にとっては最良の買い物だったといえるのではないか。

はるやま商事は近年、ブランド買収を盛んに行っているが、廃止ブランドの引き取り専門店みたいになっており、トランスコンチネンツしかりイーブスしかりテットオムしかり、で果たしてこれらのブランドラインナップがはるやまに必要だったのかどうかと首を傾げることが多かった。
しかし、今回の買収ははるやま商事の近年の買収の中では最も適切だと言えるのではないか。

知名度は高くないが優れたノウハウを持っているマンチェスに目を付けたところも慧眼だったといえる。

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企業規模や販売数量を無視した「売れている」という報道の有害性

アパレル業界の人もそうだが、特にメディア業界の人に顕著なのが洋服に関しての「売れている」という基準である。

メディアの紋切り型としてはこうだ。

低価格品しか売れないと言われているが、一方で〇〇万円もする高額衣料が飛ぶように売れている。

というのが池井戸潤のドラマ並みに黄金のワンパターン化している。
しかし、この「売れている」という基準が何なのかはちょっとわからない。
数量で考えると「売れている」とはいっても圧倒的に少ない場合が多い。

例えば、高額にもかかわらず売れているのがデサントの水沢ダウンである。
8万~12万円くらいの価格帯だが、好調に推移している。
しかし、生産数量はフル稼働しても1万枚未満しかない。
これは設備が小規模なので設備投資なしではこれ以上の生産数量は不可能なのである。

この数量をどう見るかである。

ユニクロのウルトラライトダウンは言うに及ばず、他の低価格ダウン、中価格ダウンはもっと販売数量がある。

これなんかすごく数量的にはビミョウすぎる例ではないかと思うのが、繊研プラスに掲載されたインディマークというブランドのパンツだ。

「インディマーク」デニム調パンツがヒット 2千本超
https://senken.co.jp/posts/indimark-fleece-lining

聴いたことのないブランドだなあと思って記事を読むと、レッドペッパーのブランドとのことだ。
レッドペッパーといえば、刺繍がコテコテに入ったコテコテジーンズの代表として2005年ごろ局地的なブームとなった。
ブランド自体が無くなってしまった「トゥルーレリジョン」の系譜であれをさらにコテコテにしたブランドで、韓国ブランドである。
国内ブランドだとこの系譜にはクックジーンズがある。マイルドヤンキー御用達のテイストである。

見出しは2000本の大ヒットとあるが、どれだけの期間で2000本を売ったのかというと

今年5月からの販売数量は約2000本に達し、来年2月までに3000本の追加販売を見込んでいる。販路は専門店など。

とあり、今年5月からだと半年で2000本ということになる。
経済紙的観点からいうと、6か月で2000本を売れていると言ってしまっていいのか甚だ疑問を感じる。
1か月で300本強だ。価格は1万3800円だから上代ベースの金額で考えてもそれほど大した額ではない。

マックハウスあたりが発売する新商品はだいたい年間2万本とか3万本で計画される。
それと比べると半年で2000本というのはかなり少なく「売れている」と言えるのかどうか。

しかし、結局、「売れている・売れていない」というのはその会社なりブランドなりの売り上げ規模や販売計画に基づいて判断するのがもっとも適切だといえる。

デサントとして水沢ダウンが今の数量で売れていることに満足していればそれは「売れている」「好調」といえる。
レッドペッパーがインディマークのパンツを1年で5000本売れれば良しとしているならそれは「売れている」といえる。

売れている・売れていないというのは、5000本とか8000本で満足するのか、それともそれを通過点としてユニクロよろしく無限成長を目指すのかという企業姿勢・ブランド姿勢にも密接に関係する。

10万円のダウンジャケットはいくら頑張って販促したって、年間に10万枚も売れない。
10万枚を目指すなら値段は絶対に引き下げなくてはならない。

気仙沼ニットだって500枚以上は生産できない。
これを1万枚に増やそうと思うと作る人を増やして販売価格を引き下げなくてはならない。
15万円のセーターなんて買う人はそれほど多くないからだ。

しかし、ブランド側が今の数量で満足だというならそれはそれでありだ。
今の数量で満足して安定的な収益が確保できるならそれは一つのビジネスモデルであり、無限成長を目指すことばかりが正しいとは言えない。

メディアはこの部分を混同してしまっている。
特に経済紙・経済誌の見方はひどい。

1万枚未満の水沢ダウンを引き合いに出して「高額品が飛ぶように売れていますよ」なんて吹聴する。
それをまたちょっとアレな経営者が頭から信じて「高い商品なら売れるらしい」と言い出して、意味のわからないハイエンドモデル化してしまう。その結果、経営は極度に悪化する。場合によっては会社がつぶれてしまう。

今までそういうことがどれほどあったか。

高価格化するということは販売数量が少なくなるということだし、大規模な数量を狙うなら価格は引き下げなくてはならない。
そのどちらを狙うのもそれは経済活動の自由というものだが、高価格で大量に売れるということはほぼない。
インディマークの1万3800円くらいならやり方次第では何万枚か(10万枚は越えない)には達するだろうが、10万円の服が何万枚・何十万枚も売れるようにはならない。これが現実である。

販売数量の違い・販売目標の違い・ブランドのスタンスの違いを一緒にして、「10万円もする〇〇がバカ売れ(でも販売数量は3000枚くらい)」というような煽りは百害あって一利なしである。

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洋服への関心が薄れているのに、洋服売り場が多いから百貨店が苦戦するのは当然

先日、久しぶりに会ったアパレル業界の人と雑談していたら、最近、キャンプをはじめたとのこと。
当方が子供のころ、子供会とか学校で夏休みにキャンプがあったが、嫌で嫌でしょうがなかった。
簡易宿舎みたいなところに泊まるのは、暑いし蚊に刺されて眠れないし、汗だくになったのに風呂にも入れずに気持ち悪いし。
地面にテントを張る方はもっと不快だった。
地面が固くて寝にくいし、暑くて虫が多くて。

そんなわけで当方は今でも真夏のアウトドアは嫌いだし、キャンプは嫌いなままだ。
真夏はクーラーの効いた部屋でのんびりして、夜になったら布団で寝るのが一番である。

しかし、最近はグランピングなる言葉ができていて、ほとんどホテルに近い環境で宿泊することが可能になっている。
まあ、これなら機会があれば参加してみてもいいかなと少しは思うようになった。

身の回りのアパレル業界でもキャンプ愛好家はけっこう多いが、話を聞いてみるといわゆる「グランピング」の人がほとんどで、あと、関西大学探検部OBから教えてもらったが、真夏に野宿はしないそうだ。野宿は春と秋が最適だとのことである。

で、そのグランピング用品の値段を聞くと、驚くほど高い。
3万円や5万円は当たり前、10万円や20万円でも高すぎるとはいわれない。
そういう道具を平気でみんな買っている。

当方だってがっしりとしたノートパソコンが7万円なら「安いな」と思って買ってしまう。

ところが、洋服だとどうだ?
物にもよるが、どんなに高品質でも5万円の商品をポンと買う人はなかなかいない。
当方も2万円くらいまでなら、よほど欲しい服なら買うがそれ以上はちょっと買わないし、所得的にも買えない。

最近だと自転車を趣味にしている人も多いが、10万円くらいの自転車は普通に買っているし、道具類も洋服ほど安くはない。
当方は2万円くらいのママチャリを長年愛用しているが、逆に5000円くらいの自転車だと安すぎて不安になる。

そういう状況を考えると、業界の人も含めて洋服への関心が2000年以降は薄まっているといえる。
趣味は多様化しており、その趣味には少なくとも洋服よりはカネをかけている。

しかし、洋服への関心はゼロにはなっていない。現に下がったとはいえ、国内のアパレル市場規模は9兆円強もある。

ただ、キャンプ用品や自転車用品、釣道具などに比べて、洋服の場合は価格の高低が機能の高低とは結び付いていないので、「見た目が同じ」なら低価格の物でも構わないというふうに考えられがちになる。

実際のところ洋服の低価格代替品は見た目の良さは向上しており、それらだけで身を固めてもほとんど問題はなくなっている。

さて、先日、週刊現代から「百貨店が苦戦しているのはなぜか?」という取材を受けたが、上に書いたことが原因の1つといえる。
そういう状況下にありながら、百貨店の売り場構成は今でも過度に洋服に集中している。

婦人服、婦人ファッション用品のフロアがだいたい3~5層くらいある。
メンズが1フロアか2フロア、子供服が1フロアあり、場合によっては、欧米ラグジュアリーブランドのフロアが1フロアか2フロアある。

これ以外は化粧品と食品で、あとは申し訳程度に呉服やリビングのフロアがある程度に過ぎない。

洋服への関心が薄まっているのに、洋服の売り場が7割から8割も占めていては、そりゃ売上高が低下するのは当然である。
逆に百貨店でも食品と化粧品の売上高は好調だ。

大丸東京店は好調店舗として知られているが、牽引しているのは地下1階と地上1階の食品売り場で、地上1階も食品売り場にしたことが好調の要因だと指摘されている。
また、伊勢丹新宿本店でも地下1階の食品売り場は好調で、今年春に電撃解任された大西洋・前社長も昨年夏の時点で「ファッションは停滞気味だが食品は好調です。ただ、ファッションの伊勢丹なのでファッションが評価されないのは複雑ですが」と述べていた。

最近のファッション専門学校生は百貨店で洋服を買わない。
しかし、その中にも化粧品は百貨店で買っているという生徒はいる。
専門学校生からして百貨店への評価基準は「化粧品>洋服」なのである。

こういう消費動向なのに過度に洋服に偏重した売り場を維持している百貨店の売上高が回復するはずがない。
さらに滑稽なのが、洋服を回復させるために無駄な労力と金を投入し続けているところである。
魚のいない場所に餌を巻き続けているようなものだ。

80年代以降、百貨店は洋服の売り場を増やし続けた。
2000年頃まではそれが効率的だったからだ。
しかし、状況が変わって今はその「選択と集中」に苦しめられている。
アホみたいに液晶テレビに「選択と集中」しすぎて経営破綻したシャープと同じ轍を踏んでいる。

35年くらい前の百貨店の売り場は薄ぼんやりとしか覚えていないが、洋服のフロアは今よりも少なかった。
家電やら自転車やら仏壇やら玩具の売り場があった。

80年代からファッションが盛り上がって、そちらの方が収益が高いから洋服偏重を強めて行っただけのことで、洋服偏重は伝統でも何でもない。

重要文化財でも国宝でもなく、百貨店なんて所詮は「単なる売り場」に過ぎないんだから、消費動向に応じて売り場編成を変えれば済む話だ。
売上高を増やして収益性を高めたいなら、今の消費動向に合わせた売り場構成にすれば良い。
早い話が、洋服売り場を減らして、グランピング用品だの高級釣り具だの高級自転車だのの売り場を作れば良いだけのことではないか。
売れ行きは別として蔦屋家電よろしく、高感度家電を集めた売り場や高級カメラ売り場なんていうのも作れば良いのではないか。

洋服そのものへの関心が薄れているのに、さらに「洋服強化」とか「洋服復活」なんて何を言っているのか意味がわからない。
80年代の残滓としての「洋服」にこだわり続けているうちは、百貨店の復活なんていうのは絶対にあり得ない。

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寡占化が進む国内アパレル市場での勝ちパターンとは?

一昨日くらいからやたらとリツイートされたツイートがある。

理由は判明した。
かねてより親交してもらっている短パン社長こと奥ノ谷圭祐さんが、自分のブログにそのツイートを貼り付けてくれたからだ。

ご存知のようにツイッターは140字という制限があるので、こういう書き方しかできないのだが、個人的には極めて当たり前のことを改めて書いただけであり、逆に多くの人が何をそんなに驚いているのかと不思議でならない。

もちろん、異業種の人からすると「初めて知った」という事柄かもしれないのでそれは理解できるが、理解できないのは、衣料品業界にいる人までが「初めて知った」みたいな反応をすることである。

自分が仕事をしている業界の大勢をどうして知らないのか?知らないままで何年間も仕事ができる業界って逆に緩くてパラダイスじゃね?

なんて思ってしまう。
ちょっと冷静に考えてみたいのだが、ユニクロとジーユーのこの2ブランドだけで、国内売上高は1兆円強になる。

ツイートは文字制限があるので省略しているが、しまむらには「しまむら」以外に「アベイル」などのいくつかの違う屋号の業態がある。
それを全部合わせたしまむら全社の売上高が5400億円になるということである。

正しくは、ユニクロとジーユーの2ブランドとしまむら1社の国内売上高を合計すると1兆5400億円強になり、国内のアパレル小売市場規模が9兆円強なのでその6分の1を占めるということになる。

いずれにしてもとてつもない売上高規模だが、ここを踏まえて考えないと、単純なモノづくり論とかありきたりの販売論では話にならないということが言いたかった。

かつてワールドやらオンワード樫山やらの業績が堅調なころはそれぞれ3000億円くらいの売上高があった。
2005年ごろまではバブル崩壊不況と言われながらも、今から考えるとまだファッションに活気があった。
以前にも書いたが、レーヨンジーンズブームもビンテージジーンズブームもエアマックス95ブームもバーバリーブルーレーベルのアムラーブームも全部90年代のことである。

ファッション分野に毎年大ヒット商品が生まれていた90年代の豊かさ

国内のアパレル小売市場規模も10兆円を越えていた。

仮に10兆円だったとして、ワールドとオンワード樫山の売上高合計は6000億円ほどしかなく、市場規模の6%程度の占有率しかなかった。
90年代に働いていた者の回顧としては、それでも「大手の寡占化はすさまじいな」と感じていた。
70年代や80年代のように(伝聞しただけ)マンションメーカーが巨大企業へ成長するなんてことは、この当時でもほとんどなくなっていた。

それが今はどうだろうか。この当時とは比べ物にならないほどの寡占化が進んでいる。
ファーストリテイリングの2ブランド(ユニクロとジーユー)としまむらの2社で国内市場の17%ほどを占めている。
今後さらに⓵2社の売上高が伸びるか、⓶国内市場規模が下がるか、このどちらかになると考えられるので国内占有率はさらに高まり、近い将来20%を占めることになるだろう。

こういう状況にありながら、古株業界人からはいまだにユニクロ否定論やしまむら否定論が聞こえてくる。
何も年配業界人からだけではない。販売枚数が極小で採算ベースにすら乗っていない若手からも聞こえてくる。
そういう若手は単に年齢が若いだけで思考が業界老人と同じである。

何を言っているのかと思う。

マスは大手2社に任せて、少人数にしっかり売るという考え方のブランドやアパレルは成長すると思う。
売り上げ規模が成長しないまでも収益は確保できるだろう。

「マスが間違っている」と声高に吠える弱小ブランドは思考自体が化石化しているので遠からず市場から退場することになるだろう。

弱小ブランドが無くなっても困る人はわずかしかいないが、この2社が無くなれば困る人は何十万人もいる。

ところで逆説的だが、衣料品というのは価格の高低に関係なく必需品でありながら嗜好品の側面があり、ユニクロだけ・ジーユーだけ・しまむらだけでは多くの人は満足できない。
たまには違うブランドや違うデザインの服も着てみたくなる。

そういう意味ではこの2社だけが残っても日本国民は困るのである。

だから、その他のアパレルやブランドにも活路はある。
その活路は論者によってそれぞれ違うと思うが、個人的に思いつくのは、トータルアイテムでは勝ち目がないから、何か1つか2つだけの得意アイテムに集中することで存在感が発揮できるのではないかと考える。

その好例は、鎌倉シャツであり、モンクレールだろう。

それぞれビジネスシャツやダウンジャケットに特化している。
鎌倉シャツは5000円くらいの価格でまあ大衆的だが、モンクレールは10万円を越える価格でハイブランド化している。
モノづくりがしっかりしていることが前提だが、それ以外のプロモーションや売り方などに工夫を凝らしたことで一般消費者に広く認知させることができた。

ほかにも特化すれば存在感を発揮できる分野やブランドはあるのではないかと思う。
問題はそれらを「モノづくり」「商品デザイン」のみの観点でやろうとするから売れないのではないか。

もちろん、モノづくりや商品デザインは重要だが、それだけでは購買意欲を掻き立てることはできない。
よくあるのが、商品のスペックや製造方法のみをクローズアップしすぎて、大衆からソッポを向かれてしまうことだ。
産地ブランドや製造業ブランドにはこうした例が掃いて捨てるほどある。

そのあたりを再度検証しなおしてみてはどうか。

それにしても、正しい数値データを持たずに商売ができているアパレル業界の緩さを改めて知ることができた。
正しい対策をとるには正しい数値を把握することが必要不可欠だ。それを欠いているのだから、業界全体が不振になったことは何の不思議もない。

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知名度だけに胡坐をかいたタレントブランドは売れない
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