カテゴリー: ネット通販 (1ページ / 7ページ)

ポイントを使った値引きがこれだけ広まっているのに「プロパー消化率」にこだわる意味がわからない

今年から某プリンスの押し付けでマーケティングの授業を受け持つことになったのだが、実は昨年からこれも某プリンスの押し付けで、計数管理の授業を受け持っている。
とはいえ、こちらも計数管理なんて素人だし、これまでの決算会見だとかの聞きかじりをつなぎ合わせてなんとかやっている。

計数管理の教科書には必ず「プロパー(定価)販売」が出てきて、それに関連して「プロパー消化率」という言葉が出てくる。

アパレル・繊維業界の俗語では「プロパー」にはもう一つ「生え抜き」という意味がある。
アパレル・繊維業界は中途採用や同業他社への移籍が多い業界なので、どんな企業も生え抜き組と移籍組が混在している。
その「生え抜き社員」を指して「プロパー社員」ということもある。

まあ、それは置いておいて。

定価販売というのは、店やブランドにとって利益を確保する最大の手段である。
定価で販売できればかなりの粗利益が確保できる。
だからどれだけ定価で販売できるかが重要であり、それを測定する指標としてプロパー消化率がある。

理論上ではそれはわかる。
値引きせずに定価で売るのが最大の利益をもたらす。
だからプロパー消化率を高めるというのも意味はわかる。

ところが、自身の消費行動を振り返ってみたとき、この「プロパー消化率」なる指標は、現代社会ではほとんど使えないのではないかと思ってしまう。

これはなにも2018年現在のことではなく、少なくとも2000年頃に各社がこぞってポイントカードを導入したときから、ほとんど使えなくなってしまったといえる。

少なくとも15年くらい前からは計測できなくなっているのではないかと思う。

例えば、先日、趣味のガンプラでリアルグレード(RG)「トールギス」という機種を購入した。
定価は税込みで2700円だ。

武装とバックパックが未完成なRGトールギスの本体

購入を考えるルートはいくつもある。
1つは近所のジョーシン、次はAmazon、その次が駿河屋の通販サイト、ヨドバシカメラドットコムあたりだ。
この中から最も割引率の高いところで買うのが当方である。

だいたいどこも2100~2000円くらいまで値引きされている。

Amazonはその当時は1930円くらいまで値引きされていたが、プライム会員ではないから2000円未満は送料が必要になってしまうからAmazonは除外だ。

残りはだいたい同じくらいの値段だが、ジョーシンとヨドバシは1000円分くらいのポイントがたまっている。
ポイントを使えば1000円ちょっとで買える。支払い総額を抑制する目的ならそのどちらかを選ぶのがもっとも理にかなっている。

ジョーシンはわざわざ自転車で20分もかけて出かけるのがめんどくさい。
となると、選択肢はヨドバシカメラドットコムということになる。

いくら安くてもヨドバシカメラドットコムは送料無料だ。
41円の消しゴムを買っても送料無料だ。

持っていたポイントをすべて使って1095円で購入した。
なんという安さ。

これはガンダムのプラモデルに限らず、洋服でも同じではないか。
当方は少し値引きされていたガンプラにポイントを使ったが、値引きされていない定価の洋服にポイントを使って安く買ったり、場合によっては無料にしたりすることがある。

他の皆さんも同様だろう。
メンバーズカードを提示して、ポイントが貯まれば、そのポイントを使って定価の服を安く買ったり、タダにしたりできる。
この場合のプロパー消化率はどう測定するのだろうか。
表示は定価販売でも場合によっては無料進呈になってしまっている。

2015年以降はメンバーズカードがスマホのアプリに置き換わった。

アプリにポイントが貯まる。
ポイントシステムは各ブランドによって異なる。
例えば、アダストリアの各ブランドは貯まったポイントはいくらからでも使える。10ポイントしかたまってなくてもそれを全部使える。
一方、ジーユーは最低でも100ポイントを貯めないと100円割引クーポンに交換できない。

ライトオンのメンバーズカードはアダストリア方式で貯まったポイント分だけ使える。

Amazonも貯まった分だけすぐにポイントが使えるし、Yahoo!ショッピングも同様だ。

こうなると、帳簿上プロパーで販売していても実質はポイントで値引きされているというケースは珍しくないだろうと推測できる。

そして、そのブランドの愛好者であればあるほどポイントは貯まりやすく、実質的に値引き販売を繰り返すことになっている。
だってそうだろう。例えば、ライトオンの太い顧客だとするとたくさん買うからそれだけたくさんポイントが貯まる。
それを使ってまた買うわけでその分値引き販売されているが、またポイントは貯まる。

それの繰り返しになる。

こうなるとプロパー消化率なんて指標は一体どうやって測定するのかということになる。

そしてロイヤルカスタマーになればなるほど、ポイントは貯まりやすく、その分値引き販売を繰り返していることになる。
もちろん、セール品にポイントを使ってさらに安く買うという当方のような人間も存在するだろうが、ロイヤルカスタマーは定価でも購入しているはずで、そのロイヤルカスタマーは常に定価品をポイントで値引き購入しているということになる。

ポイントカードが出現する前の時代ならプロパー消化率なる指標も測定できただろうが、ポイントカード出現後はプロパー販売なる指標はほとんど意味がなくなってしまったのではないか。
そしてポイントカードが出現したのはここ1,2年のことではなく、すでに15年くらい前から存在しており、現在はそれがアプリに置き換わってますます各ブランドに広がっている。

ポイントカード草創期はまだしも定着化した10年くらい前からはプロパー消化率という指標はほとんど意味をなさなくなったということになる。

にもかかわらず「プロパー消化率65%を目指せ」なんていう業界誌もあるのだが、この人たちはポイントカードやポイントアプリを一切使っていないのだろうか。
一切のポイントカードやアプリを絶滅させないことにはプロパー消化率なんて高まるはずもなく、むしろロイヤルカスタマーを作れば作るほどポイントによる値引き販売は増える一方になる。

意味をなさなくなった「プロパー消化率」にこだわるのは愚かしい行為であり、それよりも投資と同様に迅速に損切りをする方が重要である。死筋になる前に少しずつ値引きして消化率を高めて現金化するという手法こそが現在に則しているのではないか。

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RGトールギスをどうぞ。

ZOZOSUITがサイズ計測を正確にできない理由

泰山鳴動して鼠一匹。
サイズ計測システムのゾゾスーツに関してはこの言葉がぴったりではないかと思う。

着用して数秒で自分のサイズが計測できるという触れ込みだったが、何のことはない。
勝手に仕様を変更して数秒どころか何回も計測しないといけないシステムになった。

当方は元から興味がないので最初のゾゾスーツも今回のレモンスカッシュの缶みたいなデザインのゾゾスーツも取り寄せるつもりは毛頭ないが、今回のレモンスカッシュ版ゾゾスーツはどうも計測数値に大幅な誤差が生じるようだ。

誤差については、例えばコンサルタントの河合拓さんや人気ブロガーのMB氏が報告しておられる。

ZOZOスーツを信じたら適合サイズは28インチなのに32インチのパンツが届いた話。

ZOZOスーツを信じたら適合サイズは28インチなのに32インチのパンツが届いた話。

 

 

https://ameblo.jp/takukawai/entry-12375339847.html

 

本当にウエストのユルユルは気になります。
究極のフィットといっても、まあ、店頭で試着する以上には決してならないなと。店頭であれば、ここまで強いテーパードやウエストがるゆいデニムは買わなかったと思います

とのことで、ツイッターを見ているとそのほかにも多くの人が実寸よりも大きいサイズだと測定されているようだ。

MB氏の場合はかなりひどく、28インチと32インチは2インチ刻みのサイズ感なら2サイズオーバーということになるが、通常のジーンズブランドのように1インチ刻みだと4サイズも大きいことになる。
1インチの差はだいたい2・5~3センチくらいであるから、相当に大きいことになる。

もちろん、自分のサイズを正しく知ってもらおうというゾゾの取り組み自体には一定の評価をするが、このシステムは現時点では実用レベルにないのではないかと思う。

で、どうしてここまでの誤差が生じるのかということになるが、それに対して明確な答えを出している・出せている著名「有識者」は当方が見る限りいない。
当方は実物を触ってもいないから、なおさらわからない。

そんな中でゾゾスーツの測定に大幅な誤差が生じる理由でもっとも正しいと思われる推測をご紹介したい。
謎のツイッタラー明石屋万吉さんと、サンプル製作を行うmariさんの一連の会話である。

とどめはこちらである。

恐らく、水玉の部分を計測することで着用者のサイズを計測するシステムなのだと推測されるが、ここで言われているように、生地が激しく伸び縮みするから水玉の柄もそれにつれて伸び縮みする。(当たり前)
水玉が伸びればその分計測されるから、大きめのサイズだと認知されてしまうのではないか。

おまけに生地がポリウレタン11%ということは相当に伸びる。通常のストレッチジーンズがポリウレタン5%くらいだから、それの2倍を含有しているからそれだけでもかなり伸びるということがわかる。
ユニクロのエアリズムシームレスがポリウレタン14%で、ジーユーのスーパーストレッチドライスーツもポリウレタン14%であの伸縮性だから11%だとそれに近い伸縮性があるということもわかる。

ちなみにエアリズムシームレスとスーパーストレッチドライスーツは両方とも同じポリウレタン14%だが、経編生地と平織り生地なので、着用した時の伸縮性は異なる。経編のエアリズムの方が伸縮性がある。
当たり前のことだが綿100%でさえ、編み生地は織り生地よりも伸縮性が高い。そこにポリウレタンが配合されれば格段に伸びは大きくなる。ゾゾスーツが編み生地だった場合は相当に伸縮するということが推測される。

そして、水玉の位置は着用するごとに何ミリかずつ変わる。

この2つの理由で計測数値に大幅な誤差が生じると考えられる。
ここを修正しない限り、ゾゾスーツの計測数値はいつまで経っても正しくならないだろう。

これは完全な推測だが、本来は最初に発表されたゾゾスーツの方が正しい数値が計測できたのだろうと思う。
なぜなら着用するごとに水玉の位置も変わらなければ、水玉が伸びることもない。

しかし、量産化するには何かの問題点があったのだろう。
問題がなければ契約は解消されずに、水玉柄の新ゾゾスーツも登場していない。

量産化するにあたってネックとなったのは、製造コストが高すぎたのか、それとも素材や仕様が量産に不向きだったのか。
はたまた権利関係で合意できなかったのか。

そのうちのどれかか、もしくは全部が理由だったのだろう。

もちろん、徐々にゾゾ側も改良・改善するだろうが、今ようやく配送が始まったところだから、改良が加えられるのはもう少し先のことになるだろう。

ゾゾスーツが改良される前に、他の企業からさらに正確で簡単なサイズ計測システムがリリースされるのではないかと思う。

そして、サイズ測定がここまで甘い状況なのに、Tシャツやジーンズよりもサイズ精度を要求されるボタンダウンシャツをリリースするゾゾは一体なにを考えているのだろうと不思議でならない。

Tシャツの編み生地は2センチくらい普通に伸びるし、ジーンズはウエストが2センチや3センチ大きくてもダボっと穿けばいい。
しかし、ボタンダウンシャツは首回りが1センチずれると不格好になってしまう。
首回り39センチの男が首回り40センチのシャツを着た時点で「大きすぎて不格好」になってしまうのである。

シャツ、スーツはそれこそゾゾが掲げながら現時点では達成されていない「ミリ単位の精度」がある程度求められるジャンルである。

テクノロジー系ミーハーはそれでもゾゾスーツを賞賛するのだろうが、当方はゾゾのボタンダウンシャツは現時点では勇み足ではないかと思う。

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Eコマースはアパレルブランドの起死回生の切り札ではない

製造加工業者にかかわらず、小規模個店などでもいまだに「インターネット通販への過剰信仰」が見られる。

先日、アパレルメーカーの社長と雑談したところ、取引のある縫製工場の社長が「インターネット通販を開始すればすぐさま売れると勘違いして困っている」という話があった。
最近は、工場がブランドを立ち上げることも流行しているが、実店舗・ネットを問わず売れるブランドは一握りで、その他大勢のブランドは知ってもらうことさえできずにいるのが現状である。

また、最近では新しい販路としてクラウドファンディングが注目されている。
オールユアーズのようなクラウドファンディング強者も現れ、付き合いのあるナインオクロックも連戦連勝ではないが、クラウドファンディングには比較的強い方だといえる。

こういう動きを見て、無責任に「クラウドファンディングしたらええねん」と勧めるコンサル?みたいな人も多くいる。

しかし、冷静になってマクアケでもキャンプファイヤーでも覗いてみればいい。
衣料品類、繊維製品のクラウドファンディングは山のように掲載されているが、達成しているブランドの方が数少ない。
その多くは未達で終わっている。

ネットでの情報発信をしていないブランドがいきなりクラウドファンディングしても成功率は低い。
ネット通販とて同じである。
集客できなければ、1円も売れない。

アパレル業界・繊維業界は本当にこういう「売れるツールに乗っかる」ことが大好きである。
それで今まで売れてきたから仕方がない。

高度経済成長期からバブル期にかけては百貨店に出店していればそれなりに売れた。
DCブームのころはそれに乗っかって類似ブランドを立ち上げればそのおこぼれに預かれた。

90年代後半からは郊外型ショッピングセンターに乗っかって出店していればそれなりに売れた。

メディア戦略なんてまるで理解していなくてもファッション雑誌の言うことに乗っかって広告とタイアップ記事を掲載していればそれなりに反応はあった。

しかし、ネット通販もクラウドファンディングもそうではない。
単にサイトを構築・公開しただけでは集客はできないし、物は売れない。支持もされない。
そこを理解していない人は業界には多いし、それを煽る無責任なコンサルタントやウェブ業者も数多くいる。
また、知識がないくせにそれを煽る無責任な同業他社も多い。

ネット通販を救世主かのように持ち上げるコンサルタントやメディア関係者も多いが、実際のところ集客するのに一苦労だし、集客できたところで売上高を拡大するためには、値引き販売が常態化しているのが現実である。

このところ仲良くしていただいているコンサルタントの河合拓さんがこんなブログを上げておられる。

https://ameblo.jp/takukawai/entry-12380916640.html

日経新聞の「アマゾンの風圧、日本株にも 百貨店2~4割安」という記事を受けてのことだが、Amazonだけでなく、ZOZOTOWNだってYahoo!ショッピングだって楽天だって有名な通販サイトはすべからく安売りで集客しているのである。

自身の著書である「ブランドで競争する技術」(ダイヤモンド社)から引用して

第七章 コンサルタントに踊らされた人々

 「私自身が実際に経験した話を紹介しよう。(中略)そこで、幾人かのeコマースの「コンサルタント」と会い、彼らの提案をきいた。彼らの提案の中で私が最も驚いたのは、「eコマース」と「リアル店舗」は食い合いをしない、という話だった。(中略)彼らは、一つのデータを提示し、eコマースに参入しても、リアル店舗の売り上げは落ちない、ということをあらゆる角度から説明し始める。そこで、彼らは「一刻も早くサイトを立ち上げなさいと経営者を焚きつける」

とある。
別に今となってはコンサルだけではなく、無責任な同業他社も数多い。
そして、以下が引用のキモだと思う。


「しかし、よく考えてみれば、日本でビジネスをしている以上、まったく新しい消費者が増えるようなことはなく、消費全体のの数はむしろ減っており、一人あたりの支出も減っている。新しい消費が増えるなどということはない(中略)それでは、食い合わない理由はどこにあるのか。それは、日本のブランドの二つの特徴が関係している。一つは、日本のブランドの多くは、ブランドとして確立していないため、特定の顧客を囲い込むほどのパワーをもっておらず、多くのファッション・ブランドは消費者からみればコモディティ化していること。もう一つは旧態化したチャネルから新しいチャネルに消費者が購買を移行しているということだ。(中略)したがって、勝っているブランドは食い合いを逃れ、逆に負けているブランドから消費を奪う。(中略)こうした構造を分析もせず、「リアル店舗に影響をあたえませんから」といって、負けているブランドの起死回生の一発として、eコマースを耳元でささやくコンサルの提案がいかに危険かおわかりだろうか」

とある。

要するに、日本のブランドの多く(百貨店とかファッションビルに出店しているブランド全部)は「ブランド」として強固ではないから、コモディティ化しやすい。その結果、低価格ブランドと比較されて購買されない。

また、これらのブランドの多くが「ネット通販はまったく新しい消費者を連れてくる」と勘違いしているが、実際のところは消費者の数は変わらないからこれまで店舗で買っていた人や他社のブランドを買っていた人がネットにやってくるだけである。
アパレル小売の市場規模は変わらず、どこで買うかという買い先が変化しているだけに過ぎないということである。

ネット通販はリアル店舗に確実に影響を与える。
同じ物がネットで安く売られていれば誰だってネットで買う。
ZOZOTOWNで割引クーポンが配布されていれば誰だってそれを使って安く買う。
だからZOZOTOWNに出店しているブランドの客単価は前年比20%減で落ち続けているのである。

これらのことを理解した上で、ネット通販に乗り出すならそれはそれで構わないが、これを理解せずに「地上の楽園」を夢見てネット通販に参入するのは完全なる愚か者である。

河合さんのブログには「この本の内容は古いと批判されることもある」と書かれているが、これは具体的な手段を論じているのではなく、ネット通販の根本的な構造を論じているわけだから古いも新しいもない。根本的な構造を理解せずに表層の上下動だけで判断を下す輩がいかにアパレル業界・繊維業界に多いかということの証明である。

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引用された河合さんの著書はこれね。

ネット通販が流行れば流行るほど衣料品デフレは進む

衣料品業界には安易なインターネット通販救世主論があるように感じるが、実際のところ、インターネット通販の行き着く先は低価格競争にしかならない。

楽天は3月、6月、9月、12月の年に4回、楽天スーパーセールを開催している。
開催日は確定していないが、開催月は毎年変わらない。

Amazonは頻繁にタイムセールを開催しているし、タイムセール抜きでも商品の価格が上下動を繰り返し、驚くほど値下げされる瞬間もある。
Yahoo!ショッピングも値下げもあれば、割引きクーポンを配布することも多い。

ジーユーの通販サイトだって「オンライン限定割引品」がときどき出現するし、アダストリアホールディングスの「ドットエスティ」も在庫過多な商品はタイムセールを繰り返している。

どうしてこういうことになるかというと、実店舗の場合、そんなに数は多くないかもしれないが、店長や販売員に惹かれて安くもないのにその店で購入するという場合があるが、インターネット通販の場合は、そこには魅力的な店長も店員も存在しない。
ひたすら画面で商品画像とスペック、価格を見比べるだけである。

集客の手段に「値引き販売」「安売り」が占める割合は実店舗よりも大きくならざるを得ない。

ジーユーやユニクロのように自社ECサイトのみでしか販売していないなら、値引き販売せずとも集客はある程度可能になる。
なぜなら、その商品はそのサイトに行かなければ買えないからだ。

ところが、AmazonにもZOZOにもYahoo!にも楽天にも出店・出品しているブランドはどうだろうか。
客はそれらすべてを見比べて一番安く売っているサイトで購入する。
あとは、それに付随するサービスの良し悪しで決める。
例えば「返品無料」だとか「送料無料」だとかそういうサービスである。

スタートアップ界隈やイシキタカイ系には、信者ともいえるZOZOファンがいるのだが、残念ながらすでにZOZOも安売りサイトの1つと化している。

1、ウィゴーやジーンズメイトなどの低価格ブランドの出店が増えている
2、割引きクーポン券の乱発
3、頻繁なセールの開催

がその理由である。

この結果、某有名ブランドの担当者によると「ZOZOの買い上げ客単価は前年比20%減で推移している」という。
また、別の有名ブランド担当者によると「最近、ZOZOの担当者は『割引クーポンを何枚発行できますか?』としか言わなくなった」ともいう。

先日も5月17日から23日にかけて大安売り大会「ZOZOウィーク」が開催されたばかりだ。
ゴールデンウィークが終わると衣料品は途端に売上高が下がることが多いが、それにしても5月17日の時点で「最大90%オフ」の安売りは破格である。

 

しかも「本気のZOZO」とまで書かれており、じゃあ、これまでは本気じゃなかったのか?と思わず突っ込まずにはいられない。

ZOZOの安売りサイト化は、周知されつつあり、公認会計士のブログにも登場する。

第2回 3415TOKYO BASE株主総会レポート2018.5.25
http://www.bcjosaka.com/entry/2018/05/26/015947

トウキョウベースの株主総会でも以下のような質疑応答があったことが触れられている。

ZOZOのマーケットが低価格傾向になっており、クーポンを利用した安売り競争でどこも利益が取れなくなっている。ZOZOで安い商品を出していたがやめた。ZOZOの中で予約の先行受注というやり方で質を高めたい。マーケットインにはまらずプロダクトアウトでやりたい。

とのことで、ZOZO依存比率が86%と異様に高いトウキョウベースですらこの認識を持っているということである。

このブログの論調はトウキョウベースに対して好意的だが、一連の質疑応答に関しては首を傾げざるを得ない返答が多いので、また後日別途考えてみたいと思う。

ニューズピックスというサイトに集う人々はZOZO信者率が驚くほど高く、一種異様な空間を作り上げており、ZOZOと楽天を比べることはナンセンスみたいな風潮が流れているが果たしてそうだろうか。

最早、同レベルの低価格商品が並んでいる現在、楽天とZOZOはそれなりに購買層がかぶりつつあるのではないかと思う。
そして、以前にこのブログで紹介したように、今の高校生・大学生にとっては服を買うサイトは親ぐるみで幼少期から慣れ親しんだAmazonと楽天だということを忘れてはならない。

数年前のZOZOは高感度・高価格ブランドの集うファッション専用サイトだったかもしれないが、今はショップリストあたりと同等の低価格ブランドサイトへと急速に変貌しつつある。

低価格衣料が強い楽天やブランド品の割引が強いAmazonと競合する立場にある。
そして、「服しか売っていない」ZOZOと「服も売っている」Amazon・楽天とを比べた場合、どちらが集客しやすいかというのは一目瞭然だろう。圧倒的にAmazon・楽天である。

ティッシュ、トイレットペーパー、水、洗剤などの日用消耗品や、キャンプ道具や釣り竿などの趣味の用品、ガンプラやゲームソフト、ゲーム機などをAmazonや楽天で買ったついでに服も買うという人の方が圧倒的に多い。

そして楽天はともかくとして、Amazonは急速にブランド品を強化しており、ユナイテッドアローズもビームスもアーバンリサーチもZOZOに行かずともAmazonでも買える。

インターネット通販が隆盛を誇れば誇るほど、衣料品のデフレ傾向はさらに進む。
ZOZOですらすでに低価格サイト化しているのが現状である。

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暇つぶしに楽天の本でもどうぞ。

団塊世代が定年退職を迎えて10年が過ぎるのに、今頃危機感をにじませているスーツ大手4社幹部の甘さ

5月27日までジーユーの安売りがあった。

そこで、奮発してスーパーストレッチドライスーツのオリーブグリーンを買った。
定価4990円のジャケットが3490円に、定価2490円のパンツが1990円に値下がりしたからだ。
総額で1500円値引きされたことになる。
さらに100円割引クーポンを使って、消費税込み5810円だった。5000円以上は送料無料なのでオンラインで買って自宅に送付してもらった。

この同じ商品でベージュを4月にも購入している。

残るはネイビーだけだが、3490円+1990円になったら来月以降に買おうと思っているが、同様の商品がドゥクラッセのECでも販売されており、こちらは定価14900円が9490円(税抜き)に値下げされている。
色バリエーションもジーユーとまったく同じで、ベージュ、オリーブ、ネイビーの3色だから、この3色は今年夏の注目カラーなのだろうと思う。ただし、こちらのベージュはもっと白っぽい。黄色味が強いジーユーのベージュとは異なる。

ジーユーの価格の2倍するが、最後のネイビーをジーユーにするか、奮発してドゥクラッセにするか目下悩んでいるところである。
悩みは根深い。ネブカドネザル。

のっけからカジュアルスーツの個人的注目商品を書いてみたのは、カッチリとしたお堅い職業以外、ジーユーやドゥクラッセのようなカジュアルスーツで十分というご時世になっている。
これらのスーツ類は定価でも7000~15000円くらいで、通常のウール生地・ウール混生地のビジネススーツの半額くらいの値段で買えてしまう。

しかもカジュアルシーンにも着用できて一挙両得であるから、よほどの制約がない限り、誰だってこの手のカジュアルスーツを買う。

これで影響を受けるのは、当然、従来型スーツを販売する低価格店ということになる。

スーツ販売が低迷、紳士服大手が抱える苦悩
大手4社の既存店は前年割れ、ユニクロも攻勢
https://toyokeizai.net/articles/-/222667

正直なところ2018年の今頃に何の寝言を言っているのかと思う。

従来型ビジネススーツが苦境に陥るのは、団塊世代の定年退職が始まる2007年にはすでに予見されていた。
60歳でそのまま定年リタイアできる人・したい人というのはどちらかというと少数派だからそこから定年延長されて10年が経過している。
当時60歳手前だった人は70歳手前になっているし、60代前半だった人は70代前半になっている。

当方の父親も今年74歳になるが、往年の酒の飲みすぎがたたったのかめっきりと老け込んでいる。
若々しい人も見かけるが、70歳前後になっては通常の会社勤務をすることは体力的に難しいと感じるから、団塊世代はほぼリタイアしきってしまったといえる。

スーツの需要が人口的に最大だった団塊世代が70歳リタイアしてしまうと、スーツの需要は嫌でも激減する。
仕事でもないのに、青山・アオキ・はるやま・コナカのスーツを着たいなんて人はほとんどいないからだ。

これを見越してスーツ大手4社(青山、アオキ、はるやま、コナカ)は女性スーツやメンズカジュアルをこの10年間で強化してきたはずだった。

にもかかわらず、直近の決算は悪い。
施策の方向性は間違っていないが、その効果は出ていないといえる。
一つには、これら4社のブランドステイタスが低いから「必要に迫られて買うスーツ」以外の需要は取り込めていないと考えられる。
カジュアル衣料というのは嗜好品の面が強いから、わざわざ「青山・アオキ・はるやま・コナカでカジュアルを買いたい」と考える男性はほとんどいない。まったくいないと言っても過言ではないだろう。

紳士服メーカー大手の青山商事、AOKIホールディングス、コナカ、はるやまホールディングスが発表した4月の既存店売上高は、4社とも前年同月比で2~4ポイント下回った。2017年度(コナカのみ2017年9月期、ほか3社は2018年3月期)決算は、青山とAOKIがわずかに営業増益だったが、年間累計での既存店売上高は4社そろって前年割れとなっている。

そして

各社は20代の就活生や新卒社員、50代以上の固定客の需要を取り込む一方、苦戦するのが30~40代への訴求だ。カジュアル化の波に加え、低価格志向やネット通販の広まりも、30~40代の顧客の囲い込みを難しくしている。

とのことだが、カジュアル化が進めば進むほどネームバリューやブランドステイタスのない4社が選ばれる可能性は低くなる。
「リーバイスが欲しい」と思う30代・40代男性はいるが、わざわざ「青山・アオキが欲しい」と思う30代・40代男性はまずいないからだ。

にもかかわらず

紳士服大手の幹部は「危機感が足りなかった。スーツ市場のパイが広がらない今、現状維持が精いっぱいだ」と率直に認める。

というのだから、よほどこれらの企業の幹部の頭の中身はよほど花畑だったのだろうと思う。すでに10年以上前の2007年に団塊世代の定年によるスーツ需要の激減が指摘されていたにもかかわらずだ。惰眠を貪るというのはこういう幹部のことを言うのである。

業界には根拠のないネット通販救世主論がまかり通っているが、従来型ビジネススーツはネット通販で買うのはなかなか難しい側面がある。
カジュアル服とは異なり、サイズがピッタリであることが求められるからだ。
どこぞのキャッチフレーズの「ミリ単位の精度」とやらがもっとも求められるのはメンズビジネスウェア(スーツとシャツ)である。生地自体が何センチも伸びるTシャツやセーターにミリ単位の精度なんてのは必要ないし掲げているだけ滑稽である。

アパレル市場のネット通販比率が約1割に達する一方、紳士服大手のネット販売比率は1~2%程度にとどまる。

とあるが、ジャストサイズのビジネススーツやビジネスシャツを買うなら試着や採寸ができないネット通販は不向きである。
実は、Amazonにはるやまが出品している。これがタイムセールでときどき激安になることがある。
スーツは9000円くらいにまで値下がりする。
今年の正月、9000円に値下がりしたはるやまのスーツをAmazonで見かけて購入してみた。

サイズ表に沿って自分のサイズを選んで、それが送られてきたのだが、試着してみるとズボンはピッタリなのにジャケットは肩幅がパンパンにキツくて腕が上がらない。これでは電車で吊り革もつかめない。
幸い「返品無料」だったので返品して事なきを得たが、カッチリとしたスーツをサイズ表だけを頼りに買うのは危険だと痛感した。
だからよほどの仕掛けがないことにはネット通販でカッチリとしたビジネススーツの売り上げ枚数が増えることはないだろう。

この記事はユニクロの脅威を説いているが、ユニクロよりもジーユーやドゥクラッセの方が実は脅威だと見ている。

いずれにせよ、青山・アオキ・はるやま・コナカのスーツ大手4社は今のままではさらに業績が低下し続ける。
ネット通販も不向きだし、ユニクロやジーユーが競合になっており、これらを打破する取り組みが求められているのだが、10年間も惰眠を貪ってきた4社の幹部が急速に目覚めるとは思えない。安定的需要を取り込むことは重要だが、それに胡坐をかき続けるとこうなるという見本ではないか。

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原料と直結した数少ないアパレル製品の一つがジーンズ ~エドウインはどうなる?~
https://note.mu/minami_mitsuhiro/n/n96317a6e146f

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こちらがAmazonで売っているはるやまの激安スーツ。現在8200円くらいでジーユー並み。(笑)

590円のTシャツをネットで買って、送料無料にするために店舗受け取りを選んだ話

インターネット通販は、やっぱり利便性が高い。
洋服の場合、サイズが合わないかもしれないとか、生地が思っていたよりも厚い(薄い)とか、そういう不具合が発生しやすいかもしれないが、店舗が開いていない早朝や深夜にも買えることや、電車やバスでの移動時間でも買えることなどを考えると、利便性が高いと言わざるを得なく、今後、縮小することは考えにくい。

ZOZOTOWNも含めてネット通販には値引き品、割引き品が多い。
しかし、せっかくの割安品を買っても、送料が必要となる場合があり、値引き分が相殺されてしまうことも多い。
逆に低価格品や投げ売り品だと送料を含めると高くなり、それをわざわざ購入する意味がなくなってしまうこともある。

もちろん低価格品でも送料無料というのがあり、一番のお勧めはヨドバシカメラドットコムである。
1円の商品を買っても送料は無料だ。

Amazonのプライム会員は年会費3900円を支払えば送料無料になるが、それを支払っていない場合は、2000円未満は送料が必要となる。
だから、当方は2000円未満の商品を単品で買う際はヨドバシカメラドットコムを利用する。

例えば、ガンダムのプラモデルに着色するペン「ガンダムマーカー」は1本200円くらいだったと記憶しているが、これをAmazonが180円に値下げしていても単体で買うと送料がかかって逆に割高になる。
そういう場合はヨドバシカメラドットコムで買う。

Yahoo!ショッピングには、40万店近い出店者があるが、時間のあるときに見比べてみると送料無料の出店者がけっこうある。
以前にiPhoneの画面に貼る保護シールを150円くらいで買ったが、送料無料だった。

衣料品でよく利用する通販サイトは

1、ユニクロ
2、ドットエスティ(アダストリアの自社サイト)
3、ジーユー

で、それ以外はAmazonとYahoo!ショッピングで衣料品や靴などを買うことが多い。

個人的には最近、Yahoo!ショッピングで靴を買うことが増えたが、Amazonに掲載されていないお買い得靴がYahoo!ショッピングには多く掲載されている。

以前に買ったムーンスターの撥水加工レザーのサイドゴアブーツはYahoo!ショッピングで見つけた。
ちなみに雨の日に履いてみたところ、まったく浸水しなかった。

撥水加工が何年持つのかわからないが、とりあえずは優れものである。

さて、ユニクロ、ドットエスティ、ジーユーは自宅配送の場合、それぞれ5000円以上で送料無料(ユニクロとジーユー)、ドットエスティは4000円以上で無料となる。

ドットエスティの商品は割引が頻繁、タイムセールが頻繁といっても、ユニクロやジーユーよりも単価が高い場合が多く、4000円以上になりやすい。

一方、ユニクロの値引き品やジーユーの商品は単価が安いため、5000円以上にするのはなかなか難しい。
例えば500円に値下がりしたTシャツや990円に値下がりしたセーターを買いたい場合、送料450円を含めると値引き品を買う意味がなくなってしまう。

しかし、送料無料にするためにわざわざ5000円分も商品を買うのはもっと不合理である。

例えば、500円のTシャツを1枚だけ買って、送料450円と合わせると950円になる。
出費は950円で済む。

送料無料にするために5000円分買うと、出費は5000円になり、4050円も出費が増えることになる。
送料をケチって出費総額を増やすのはもっとも愚か者のすることである。

ちなみに、こういう人は意外に多い。

「1枚490円、3枚セットで990円」という売り方がよくある。

3枚買うと1枚当たりは330円になるからお得である。
しかし、気に入った商品がなかった場合、1枚で買う方がお得である。

1枚当たりを比較すると160円高いということになるが、要らない商品をわざわざ2枚足して990円にすると、出費総額は500円多くなる。
500円あれば、牛丼並盛を食べてまだ180~150円くらいおつりがくる。
そのおつりで缶ジュース1本飲んでもまだ何十円か残る。

それほどに500円の差は大きい。

しかも要らない商品が2枚付いてくるのだからゴミが2枚増えるのと同じで、500円多く支払ってゴミを2枚引き取ることになる。
いかに不合理かお分かりだろう。

けれども店頭では1枚490円に抵抗感を感じる人が意外に多い。
当方が販売員の場合は、気に入った物がなければ1枚だけ490円で買うことをお勧めするが、それでも納得できない様子だと「どうぞご勝手に」である。金を失うのは当方ではないからだ。

だから、無理やり5000円に合わせることはこれと同じでもっとも不合理・非効率な行動である。

かといって、500円に値下がりしたTシャツを送料450円支払って取り寄せるというのも何か割り切れないものがある。

そういうときには「店舗受け取り」を利用するのがもっとも賢明だ。
都市部に通勤・通学しておられる方なら、最寄り駅近辺や職場・学校への途中にユニクロやジーユーの店がある。
ネット通販で購入し、店舗受け取り(受け取り店舗はこちらから指定できる)にするなら、100円の商品を買っても送料は無料である。

現在、ジーユーが各種セールを行っており、サイトを見てみると、定価790円のワイドボーダー柄Tシャツが期間限定で590円に値下げされている。790円でも十分に安いが、590円は魅力的だ。
早速、店舗受け取りを試してみた。

590円のボーダー柄Tシャツを2枚(白×黒、白×紺)ネットで買った。


カード決済を押したが、その際、「店舗決済」というボタンもあった。

これで受け取り店舗を指定したところ、消費税込みで送料無料の1270円で買うことができた。
もちろんユニクロも同じシステムである。

無印良品はもっと送料無料の設定金額が高いが、店舗受け取りは送料無料だ。

今後、低価格品を単品で買うときは店舗受け取りにしようと思った。

が、さらに上には上がいて、先日、久しぶりにお会いした方は「ユニクロ・ジーユーは店舗受け取りで購入して、支払いを『店舗決済』にする」という。
これをすると、商品を店舗で受け取ってから店舗で支払いということになるため、実際の商品を見て、サイズや素材が思っていたのと違うとその場でキャンセルできるのである。

先に支払ってもユニクロ・ジーユーは返品ができるが、手続きが面倒くさい。
これだとその場でキャンセルができるから手続きはずっと楽である。

なるほど。これはまた一つ賢くなった。

販売する業者からするとたまったものではないが、買う側の利便性を追求するとそういう利用法もある。

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EC売上高においてZOZO比率の高い企業と低い企業 ~ZOZOに依存している企業と離脱可能な企業~

アパレル業界は猫も杓子もネット通販という感じになっており、その中でもアパレル製品に関してのみ影響力が強いとされるのがスタートトゥデイの運営するECモール「ZOZOTOWN」である。

水面下では有力ブランドがゾゾ離れを画策しているといわれるが、果たしてそういう有力ブランドのECにおけるゾゾ比率はどの程度なのか。
それをまとめてくれたお役立ちNOTEがある。

「業界の美肌プリンス」の異名を欲しいままにする深地雅也さんがまとめてくれているので紹介する。

大手アパレルのEC売上におけるZOZO比率をまとめてみた
https://note.mu/fukaji/n/n4888917d9f0c

ユナイテッドアローズ、パルグループ、ベイクルーズ、アダストリアホールディングス、オンワード樫山、トウキョウベースの6社のゾゾ比率をまとめている。

本文記事を読んでもらえればわかるが、決算書類に書かれてあることをもとにしてゾゾ比率を算出している。
算出というほどのことではなく、各社はゾゾ比率がどれくらいかを自社で発表している。

まず、ユナイテッドアローズ。

ユナイテッドアローズのZOZO売上構成比は全体の57%。232億円の57%ですから正確な売上は132億円。2017年と比較すると、EC全体が202億円でZOZO売上構成比が60%で121億円。まとめたものが下記になります。

   2017年3月期 2018年3月期
EC全体    202億円   232億円
ZOZO売上   121億円   132億円
自社EC売上  40億円    54億円
ZOZO比率    60%     57%

となっている。

また

ユナイテッドアローズのECはスタートトゥデイがフルフィルメントを担当していますから、自社ECが伸びてもスタートトゥデイに恩恵があります。

とのことで、ユナイテッドアローズはゾゾへの依存度が少し高すぎるといえる。

続いてパルグループである。

パルは先日、公開されてましたのですぐわかります。

EC全体   110億2100万円
ZOZO売上 71億8300万円
自社売上   19億8700万円
ZOZO比率    65%

となっており、自社運営のサイト「パルクローゼット」の売上高は微々たるものだということがわかる。
ここもゾゾ依存度が高すぎる。

3番目はベイクルーズ。

2017年末の記事ではその当時の数字が、

EC全体   275億円
ZOZO売上 107億円 ※ZOZO比率39%から逆算
自社売上   137億円
ZOZO比率    39%

とのことで、ここはゾゾ比率を下げることに成功している。

アダストリアもゾゾ比率は比較的低い。

EC全体    333億円
自社売上   172億円
ZOZO比率  48%以下

アダストリアは自社ECサイトのドットエスティがあり、こちらはなかなか健闘している。
ドットエスティは4000円以上で送料が無料となるため、何万円買おうが送料200円が必要なZOZOTOWNで買うよりもお得だから、アダストリアの商品をネットで買う際には必ずドットエスティで買っている。
ここもゾゾ比率は今後さらに下がると見ている。

オンワード樫山もゾゾ比率は低い。

EC全体    203億円
自社     152億円 ※自社比率75%から逆算
ZOZO比率   25%以下

オンワード樫山の主力ブランドは23区にしろ組曲にしろ、40代以上が主力客層となっており、30代前半がメイン顧客のZOZOTOWNとは最初から親和性が低い。
このため、今後もオンワード樫山のゾゾ比率は高まらないまま推移するだろう。
オンワード樫山にとってはゾゾはほとんど必要ではないと思う。

最後のトウキョウベースは反対にゾゾ依存度がもっとも高い。
個人的には高すぎて逆に危険ではないかとさえ思う。

EC全体    49億7000万円
ZOZO比率    86%
自社比率    14%以下

自社ECはほとんど売れていないに等しい。

スタートトゥデイとトウキョウベースは経営者のタイプがビッグマウス同士で似ていると感じる。
似ている者同士は同族嫌悪になるか、べったりになるかのどちらかなので、この場合は後者なのではないかと見ている。
いくら馬が合うといっても、ここまで他社に依存しているのは危険極まりないと思うのだが。

ざっと深地さんのNOTEを引用抜粋してきたが、今後、ゾゾ離脱が早期に可能な企業はこの6社のうち、ベイクルーズとオンワード樫山とアダストリアホールディングスだろう。そこにストライプデパートメントを立ち上げたストライプインターナショナルも加わる。
この4社はすぐにでもゾゾ離脱が可能なので、今後何かのきっかけがあればゾゾを離脱してもまったく不思議ではない。
とくにオンワード樫山はZOZOTOWNの必要性をまったく感じてないのではないかと見ているがどうだろうか?

逆にゾゾと心中しかねないのがトウキョウベースであり、自社比率14%というのは危険水域に達しているのではないか。
パルグループも同様であり、ちょっと自社サイトの力が弱すぎる。

離脱する腹積もりはあるが、なかなか踏ん切りがつかないのがユナイテッドアローズではないか。

トウキョウベースやパルほどは依存していないが、離脱するには依存度が高すぎる。
ユナイテッドアローズは今後どうするのだろうか?
自社ECサイトを強化するのか、このままゾゾ比率を50~40%くらいで維持するのか。
どちらの方向を選ぶのだろうか。
ちょっと注目して観察してみたいと思う。

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オンワード樫山の商品はAmazonでも買える。

タイムセールと割引きクーポンが乱発されてるのに「プロパー消化率」にこだわる意味あるの?

かつてアパレルやファッションショップは、勘と度胸とどんぶり勘定(KDD)で経営されていた。
バブルが崩壊し、洋服が売れにくくなったころから数値管理が本格化した。
これまでみたいな野放し状態では売上高はもちろんのこと、利益が確保できなくなったからだ。

これはアパレルだけに限らず、例えば出版社なんかもそうだ。

領収書による経費管理もずさんで、申請すればするだけ接待費がもらえたなんて話もバブル期は珍しくなかった。
97年に山一証券や北海道拓殖銀行など大手金融機関が倒産し、にわかに不況感が強まってから、アパレルも出版社も経費の締め付けと数値管理が如実になった。

その結果、さまざまな指標が作られるようになったが、今では逆にその指標にこだわるがために意味不明な分析がなされている。

その一つに「プロパー消化率」というものがある。
今でも専門学校生向けの計数管理の教科書にも掲載されている。

プロパー消化率というのは、平たくいうと値引き販売せずにどれだけの商品が消化できたかという指標である。
これが高ければ高いほど利益が増えるというわけだ。

そしてどうしても売れきれない商品だけをセールで捌く。

これが計数管理の教科書に載っている図式だ。

しかし、それができたのはせいぜい2000年前ごろまでだろう。
このころまでは不況だとは言いながら、夏と冬の年二回のバーゲンセールしかなかった。
店やブランドの「創業〇周年記念セール」とか「上場記念セール」とかそういうイレギュラーは別として。

測定もしやすい。夏と冬のバーゲン時期以外は、店頭で売れた物はみな定価販売されているからだ。
夏と冬のバーゲン時期にはバーゲン品と少しだけの定価品が混在するが、定価品をセール品と間違えてカウントしたところで誤差の範囲内だ。
1月と7月、それも下旬の1週間~2週間だけがバーゲンで、あとの10か月はプロパー販売なのだから、カウントも管理も楽で数値も算出しやすい。

しかし、今はどうだろうか。
夏と冬のバーゲンのほか、12月にはプレセールがあるし、某ストライプインターナショナルのように毎日何度もタイムセールを繰り返す売り方も横行している。
正規のバーゲンとは関係なく、毎月のように値下げ販売をしているブランドも珍しくないし、GAPやユニクロのように常に店内に「セール品コーナー」があるブランドも多い。

これでどうやって「プロパー消化率」を測定しているのだろうか。

おまけにネット通販だと割引や値下げはさらに乱発されている。
アダストリアホールディングスのドットエスティでは、しょっちゅうタイムセールが行われる。
実店舗ではタイムセールを行わないアダストリアだが、自社直営ECサイトではしょっちゅうタイムセールが開催される。
定価で買う奴はアホじゃないかと思う。

業界の期待が過剰じゃないかと思うZOZOTOWNだって値引きクーポンの乱発で、買い上げ客単価は20%くらい下がっていると出店者は嘆いている。

ジーユーではオンライン限定割引が存在し、店頭では値下がりしていなくてもネット通販では期間限定で値下がりする商品がある。

これでどうやって「プロパー消化率」を測定しているのだろうか?
そういう指標を出す必要があるのだろうか?

ネット通販というのは、はっきりというと値下げした者勝ちで、商品を簡単に手元の端末で比較できるため、実店舗よりも値下げしないと集客できにくくなる。
「店員さんや店長さんの接客のファンで」なんていう人が実店舗にはいるが、ネット通販にはいない。
書いてある文言や写真が何であれ、商品が同じなら誰だって安い方で買う。

当方がガンプラ(ガンダムのプラモデル)を買う場合は、Amazonと価格コムで値段を比べてから一番安いところで買う。
Amazonが安い場合もあればヨドバシカメラの方が安い場合もある。
ガンプラに関していえば、Amazonよりも安いことが多いのが駿河屋である。
だから年に何度か駿河屋のネット通販で買っている。

Amazonはプライム会員ではないので2000円以下は送料が必要になるが、駿河屋は1300円以上で送料無料になる。
1250円のガンプラを買う場合は50~100円の商品を探し出して抱き合わせにして送料無料にしている。

これがネットでの商品の買い方だ。服だって同じだろう。

本日の繊研新聞でこんなコラムが紹介されている。
結論はあまり正しいとは思わないが導入部分が参考になる。

https://senken.co.jp/posts/mete-0510

「無印良品」「ユニクロ」が堅調だ。主力商品を「買いやすい」価格に抑え、客数が増えている。注目すべきは正価販売を重視し、値引きを抑えている点。かといって正価で押し通し、売れ残りを増やすのではない。動きが悪ければ値下げして売り切る。その素早い判断の積み重ねが利益を産む。

謎の「プロパー消化率」を過剰に信仰している人はよく考える必要があるのではないか。

最近のユニクロは値引きが減っている印象がある。しかし、見切った商品は恐ろしい価格で投げ売っている。
例えば、当方が興味もないのに投げ売り度合いに惹かれて買ったのが昨秋のJWアンダーソンコラボ商品だ。
キルティングコート1枚、セーター4枚、シャツ2枚、Tシャツ3枚を買った。
デザインもまずまず気に入っていたこともあるが、何よりも値段が格安でバッタ屋並みの価格だったからだ。

オバハンの横顔がプリントされた半袖Tシャツなんて500円に値下げされていたし、派手なレゲエカラーみたいなボーダー柄のファインメリノセーターは990円に値下げされていた。
魚柄のラムウールセーターを当方は1990円と1290円に値下げされて買ってしまったが、最終的に500円にまで値下げされている。

この見切りは凄まじい。
これだけ値引きしていてもユニクロは直近の第二四半期決算で過去最高収益をあげている。

となると、「プロパー消化率」とやらにこだわる必要性はほとんどないのではないかと思う。

最近、老眼に突入したローガン・佐藤正臣氏もブログでこう書いている。

http://blog.apparel-web.com/theme/consultant/author/fashion-soroban/911c3b7e-647c-4e8f-a656-2e7aeb2b920a

プロパーの日本語訳は、普遍的な・元来の等の意味があります。
にも関わらず、ディベロッパー側の10%オフ(ルミネ10%的なもの)で売れているものは、プロパーでカウントする。タイムセールは商品の売変自体はしていないのでプロパーに含める?OFF率10%以内はプロパー売りとする??等。定義自体がしづらく、その定義そのものをコロコロと変えられるものです。

プロパーがもつ本来の言葉の意味で考えれば、売価変更していなくても「ポイントが多くつく」「カード割引」で商品を買える。と顧客が考えた自体で、(顧客の側から見れば)プロパーという言葉の本来持つ意味からかけ離れているのであり、プロパー消化とは言えません。この業界でいうプロパー消化率は、はっきり言ってしまえば「売価変更前消化率」であることが殆どです。

もちろん、値引きせずに売れる工夫は利益確保のためには必要だが、過剰にそれにこだわり不良在庫を抱えすぎて、期末にバッタ屋に二束三文で投げ売るよりも、ユニクロのように早めに見切って投げ売ってしまう方がはるかに利益率も高いし、損失も少なくて済む。

バーゲンセールとタイムセール、割引きクーポン、ポイント5倍デイが乱発されるご時世でプロパー消化率なんて過去の指標にこだわる意味はほとんどない。

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心斎橋筋商店街がドラッグストア街に変貌した理由とこれまでの変遷の推移
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「服しか売っていない」ZOZOTOWNの限界と、「服も売っている」Amazonや楽天への支持率の高さ

衣料品業界に何となく居続けているが、「趣味は衣料品だけです」という人はほとんど見たことがない。
仕事にしているくらいなので衣料品自体は好きな人ばかりだが、趣味はまた別にある。

それはキャンプだったりサーフィンだったり音楽鑑賞だったりする。

「趣味は衣料品のみ」という人は衣料品業界人といえども皆無に等しい。

そう考えると、「服だけしか売っていない」ZOZOTOWNは、「服も売っている」Amazonや楽天、Yahoo!ショッピングなどには到底勝てないことは明白である。

つい昨日、仕事を共にしている「業界の美肌プリンス」の名を欲しいままにする深地雅也さんとこんな話をした。

高校生20人くらいに向かってファッション専門学校の講義をしたそうだが、ネット通販について質問したところ、「ゾゾで買う」と言った学生は1人しかおらず、あとの残りはAmazon、楽天が多かったとのことだ。

もちろん、「身の周り調査」に過ぎないが、同じ経験は当方にもある。
18~22歳くらいまでのファッション専門学校生に尋ねてみると、ZOZOTOWNで買うと答える生徒は毎年ほとんどいない。

ZOZOTOWNの主要客層は20代半ばから30代後半の男女であり、それ以外の年代へのリーチは弱い。
主要客層の下の年代を取り込むか、さらに上の年代(40代以上)を取り込むかは、企業戦略の分かれ目でどちらが正解とも言えないが、ZOZOTOWNの場合は「ツケ払い」の開始という施策を見ても、下の年代の取り込みを選択したと思える。

しかし、現時点では下の年代の取り込みはほとんど奏功していないといえる。
その結果が、高校生・ファッション専門学校生がほとんどZOZOTOWNでは買っていない現状に現れているのではないか。

じゃあ、どうしてAmazonや楽天が高校生や専門学校生を取り込めたかというと、服以外の商品が豊富に売っているからだ。
というよりも服はおまけの付けたしで、本来は服以外の商品が主力だった。
Amazonが日本に上陸してからもう13年以上になる。
楽天がスタートして15年以上になる。

初期からのユーザーはもう40代・50代になっており、その人たちの子供は生まれたときからAmazonや楽天で商品を買われていることになる。

Amazonは当初は本の通販だったし、楽天も雑貨や家電などが主力だった。
両方とも服の販売は付けたしだったり後付けだったりする。

当然、初期からのユーザーは自分の子供が生まれても、その子供に本やおもちゃ、ゲーム機・ゲームソフトなどをAmazonや楽天で買い与えていただろう。全部ではないにせよ、相当数をAmazonや楽天で買い与えていると考えられる。
常にレイトマジョリティーに属する当方だって、長男が小学校6年生くらいのとき(今から10年くらい前)、日本の書店ではなかなか売っていないゲームの本が欲しいと言われ、初めてAmazonで購入した記憶がある。

小さい頃からAmazonや楽天に慣れ親しんでいる子供たちが高校生や専門学校生になったとき、今までまったく馴染みのないZOZOTOWNを選ぶか、小さい頃から慣れ親しんだAmazonや楽天を選ぶかは、明らかだろう。
そんな見ず知らずのサイトでは服なんて買わない。

おまけに楽天も服を売っているし、Amazonはここ数年で服も豊富に売っている。
じゃあ、今までゲーム機やおもちゃを買ったサイトでついでに服も買うようになるのは当たり前だ。

当方だって、サイズが思ったよりも小さかったので無料返品したが、今年の正月にはAmazonでコーエンのステンカラーコートを買ってみた。
決してZOZOTOWNではない。

当方がZOZOTOWNを利用しない理由は前澤友作社長の顔付き・顔立ちが嫌いなことと、何万円買おうが送料は200円かかるからだ。
Amazonなら2000円以上で送料無料になるし、ユニクロ・ジーユーサイトなら5000円以上で送料無料になる。
アダストリアホールディングスのドットエスティだと4000円以上で無料だ。
ヨドバシカメラドットコムなら1円の商品でも無料配送してくれる。

どちらがお得なのかは一目瞭然だ。

当方にとってZOZOTOWNはウェブ版のカタログ、リサーチ目的で閲覧するページに過ぎない。

Amazonだとパソコン回りの機器と趣味のガンプラを見たついでに服や靴、リュックなどを検索して価格を調べる。
お買い得品があればガンプラのついでに買う。

また、Yahoo!ショッピングも同じ理由で利用する。
Amazonよりも検索が当方にとって使いやすいし、Amazonにはないお買い得品もある。

先日もこのブログで紹介したが、ZOZOTOWNへの加入数はここ1年で1万7000人しか増えていない。

日本国内だけで考えると、ある程度「ファッションに興味のある人たち」という客層をZOZOTOWNは取り込み切ったのではないかと思う。
そして、ファッションに興味のある人たちというのは圧倒的に少数派である。

大多数の人、いわゆるマスはそこまでファッションには興味はない。もちろん、無関心ではないがすごく興味があるわけではない。

そういう人たちが「服しか売っていない」ZOZOTOWNに今後加入することは考えられない。
そういうマスの人たちは「服も売っている」Amazonや楽天、Yahoo!ショッピング、ヨドバシカメラドットコムあたりがすべて取り込んでしまうだろう。

ZOZOTOWNは海外に活路を見出すという意見もあるが、それも容易い道ではないと思う。
なぜなら、すでに各国には大手の衣料品通販サイトがあるからだ。
地元で名前の通ったサイトよりも海外からやってきた得体のしれないZOZOTOWNなるサイトでわざわざ服を買いたいと考える人がどれほどいるだろうか。

日本国内に置き換えてみたら良いだろう。
中国でも韓国でもインドでも構わないが、その国の有名衣料品通販サイトが上陸したとして、真っ先に飛びつく人は少ないだろう。
それよりは知名度があるZOZOTOWNで買う人が多いだろう。

それと同じことだ。

そんなわけで、今後はさらにAmazonは猛威を振るうだろうし、楽天やYahoo!ショッピングもなかなか侮れない底力を持っているといえる。
すでにこれらの「服も売っている」サイトは子供までを囲い込んでおり、全年代をしっかりとつかんでいるといえる。

服なんて所詮は生活で必要な物の一つに過ぎないし、そこに特化したZOZOTOWNの市場規模は当然小さくなる。業界人やインフルエンサーが思うほどには、大きな市場は決してつかめない。

ファッション業界人は認めたくないかもしれないが、ガンプラの横に服を並べて売っているAmazonや、塩昆布の詰め合わせの隣に服を並べて売っている楽天の方が一般人の嗜好にはるかに合っているということだ。
そしてマスに売るとはそういうことなのである。

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たまには楽天の本もどうぞ~

「単なる手段」を「目的」だと履き違えたゾゾスーツ狂騒曲

連休の合間なので、昨日に続いてゾゾスーツについて。

ゾゾスーツ自体は計測するための道具であり手段に過ぎないが、ゾゾスーツへの支持・話題性の高さは、この「手段」が評価されたためといえる。「目的」を果たすにはゾゾスーツである必要性すらない。
とくに旧ゾゾスーツは、スーツ自体に近未来性があり、「手段」自体が高評価された。もしくは、多くの支持者が錯覚を起こした。

本来、計測したいのなら、別にあれである必要性はさらさらなく、家族に巻き尺で測ってもらったって数値が正確ならなんら問題はない。

量産化の目途もたっていないのに、旧ゾゾスーツの発注を開始したのは明らかにスタートトゥデイの勇み足でしかない。

当方はスタートトゥデイが嫌いだから、送料200円ですら支払うのが嫌で、旧ゾゾスーツも新ゾゾスーツも申し込んでいないし、これからも申し込まない。ついでにゾゾで服は買わない。同じ値段なら他のモールかそのブランドの直営ECで買う。

特に2000円を越える商品ならAmazonで買えば送料無料だし、アダストリアのドットエスティなら4000円以上で送料無料だし、ユニクロ・GUなら5000円以上で送料無料だ。ついでにいうと、店舗受け取りにするとユニクロ・GUは5000円未満でも送料無料になる。

何万円買おうが送料200円が必要なゾゾタウンでは絶対に買わない。もちろん何万円分も服を買うカネは当方は持ち合わせていないが。

それはさておき。

旧ゾゾスーツを勇み足で受注開始をし、何の断りもなく量産を撤回したからには、いくら無料(送料200円)とはいえ、注文者が不満を漏らすのは極めて当たり前といえる。

この反応に対して、Lineからスタートトゥデイに移籍した某役員がツイッターで、

「ゾゾスーツは計測する道具に過ぎず、メジャーや定規と同じ。定規やメジャーのデザインにそんなにこだわる必要があるのか?」



というような意味のことをツイートしていたが、部外者が言うならまだしも、スタートトゥデイの中の人間がこれを言ってしまうのはどうかと思う。
スタートトゥデイと旧ゾゾスーツが支持されたのは、「単なる道具」が「目的」だと優良誤認された結果だからだ。
その優良誤認の恩恵を最大限に被った会社の人間が何を言っているのかとあきれるほかない。

決して「計測した結果」が評価されたのではなく、「計測する手段」が過剰評価されたに過ぎないといえる。本来なら、自動巻き尺でもエキナカ計測システムでもなんでもよかったのである。

今回は消費者を巻き込んでの大優良誤認大会になってしまったが、アパレル界隈・繊維業界界隈ではこういう「手段」と「目的」の履き違えはよくある。
今だと差し詰め、猫も杓子もネット通販・EC比率向上だろうか。
20年前だとクイックレスポンス対応(QR対応)だったし、52週MDだったし、SPA化だったし、10年前ならライフスタイル提案型ショップだった。
そのいずれもが、本来は「物を売るための道具にすぎない」にもかかわらず、そこに対応することが業界全体の「目的」だと誤認された。

物さえ売れれば別にQR対応も52週MDもSPA化もライフスタイル提案型ショップもネット通販も必要ない。

 

そういう根本的な原則を各社・各ブランドは見誤って、そういうシステム構築を目的化した結果が今のアパレル不振である。

コンサルタントの河合拓さんが、今回のゾゾスーツ騒動について触れておられる。

https://comemo.io/entries/7255

騒いでいる人の騒いでいる理由が不明。となりで火事が起きるとかけだしわっせと騒ぐ騒ぎ屋さん達。実は、SNSなどで大騒ぎしている人は、ZOZOで買うのはスーツで無く服だということを忘れているのではと思います。服を見たこともない、着たこともないのに、未来的なボディースーツのデザインだけをみて、ユニクロもこれで打撃を受ける。ZOZOは世界制覇をする、など、テクノロジーに騒いでいるのです。
巷で言われる、目的と手段の逆転ですね。おそらく、売られているのが、デニムとTシャツだということさえ知らないのではないでしょうか。PBを売るためにこのスーツを開発したのに、騒いでいる人はスーツについて騒いでいる。全く理解できない話しです。

とのことで、これは本当にゾゾスーツに限らず、日本の消費者・アパレル業界が常にこれまでおかし続けてきた「手段の目的化」と同じであり、スタートトゥデイへの消費者の支持も優良誤認の賜物であると当方は見ている。

さらにいうなら、旧ゾゾスーツ発表時に掲げた「ミリ単位の精度」も優良誤認を意図的に招くキャッチフレーズだったといえる。

一口に衣料品といっても、ミリ単位の精度を必要とされる商品と、まったく必要とされない商品がある。

生地の話でいうと、編み物(ニット、ジャージ)やストレッチ素材が入った織物は何センチ単位で伸縮するので、ミリ単位の精度なんて全く不要だ。
例えば、セーターやTシャツは普通に3センチくらいは伸縮性がある。だからサイズが少し小さくても着られるし、引っ張って伸ばし続ければ、伸びた状態にもなる。
自社企画ブランド「ゾゾ」でTシャツを販売しておきながら、「ミリ単位の精度」なんて言ってる時点で意味がおかしい。

ストレッチ素材が入った織物(布帛)も同じで3センチくらいは伸び縮みするから「ミリ単位の精度」なんて不要である。

身幅よりも着丈の長短には気を使う部分もあるが、あえて短めに着る・あえて長めに着るという着方もあるため、センチ単位の精度は必要になってもミリ単位の精度なんてものはまったく必要ではない。

以前にこのブログでも書いたが、縫製段階ですでに1~5ミリ程度の誤差は常に生じているのである。

もちろん、ミリ単位は大げさに過ぎても、1センチ単位での精度を求められる服もある。
例えば、メンズのワイシャツ、ビジネススーツ、メンズ・レディースの靴などである。

メンズのワイシャツの首回り・袖丈は1センチの違いで着こなしが大きく変わる。
首回り39センチではピチピチだが、40・5センチならジャストサイズ、41センチだと不格好ということは普通にある。
袖丈も同じで、あまりに長すぎるとおかしいし、短すぎてもおかしい。手首のラインの上下1~2センチくらいが誤差の範囲内だ。それを越えると不格好になる。

靴はもっとも精度が求められる。
表示サイズで5ミリ小さければ、足を入れることさえできない。

ゾゾスーツであってもなくても、これらの商品をECで売るためには計測システムが必要になるが、Tシャツやセーター、トレーナー類ではまったく必要ではない。

最後になるが、河合さんが提言しておられるが、「サイズ」にこだわりすぎる今の風潮も服にとってはおかしな状況であるといえる。

しかし、世の中はサイズの話題ばかりがフィーチャーされている。また、カスタム・オーダーの話しをすると、必ず暗黙的に論点が(なぜか)サイズの話になっている。

スタートトゥデイは「サイズを計測してカッコイイ着こなし感のサイズの黄金比を算出する」とぶち上げているが、その「黄金比」とやらはだれが決めるのか?

例えば、オーダースーツ屋は各部位のサイズを計測するが、その各部位のサイズを単純につなぎ合わせるというようなことはしない。
それを直線で結ぶのか、それとも曲線で結ぶのかを職人が決める。
大手アパレルならデザイナーやパタンナーが決める。
そこには数学的な数値だけではなく、それこそ美的センスも必要になる。(この言葉は嫌いだが)

かつてのエディ・スリマンのディオールオムはピチピチがカッコいいとされ、現在のヴェトモンはダボダボがカッコいいとされている。そのシルエットを提案したのはデザイナーのセンスであり、デザイナーの独断と偏見による決定である。
そして世間はそのどちらもを「カッコイイ」と見ており、画一的な基準は存在しない。

じゃあ、スタートトゥデイは誰が、「そのシルエットがカッコいい」と決めるのだろうか?

前澤友作社長がそこまでのセンスを発揮して独断と偏見でシルエットの基準を決めるのだろうか?個人的には彼が決めたのなら、その基準はちょっと受け入れがたい。一体、どれくらいの人が彼が決めた基準を甘受するのだろうか。当方はそれほど多くないと見ているがどうだろうか。

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心斎橋筋商店街がドラッグストア街に変貌した理由とこれまでの変遷の推移
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