カテゴリー: ネット通販 (1ページ / 3ページ)

三越伊勢丹とルミネの「セール後ろ倒し」が失敗したのは当然

三越伊勢丹が来年1月の冬バーゲンは、他の商業施設に歩調を合わせて1月4日からにするということで、適切な判断だといえる。

大西洋・前社長が「セール後ろ倒し」を言い始めたが、個人的にこれは最大の失策だったと思っている。
「定価販売できる時期を長く」という気持ちと狙いはわからないではないが、時流にあまりにも逆行しすぎていた。
逆行していてもその意見が業界のスタンダードになることもあるが、セール後ろ倒し派はそのスタンダード化にも失敗して、敗退してしまったといえる。

三越伊勢丹、「冬セール」6年ぶり前倒しの衝撃
今冬は1月4日、同業他社と歩調合わせる
http://toyokeizai.net/articles/-/200578

一体何が衝撃なのかよくわからない。

大西・前社長に同調したルミネが昨年からセール開始時期を元に戻しているのには呆れ果てた。
相変わらず、ルミネは口先だけの綺麗事ばかりである。

ただそのルミネも、冬のセールに関しては昨年から通常時期に戻している。

ルミネは常に上っ面の綺麗事しか言っていない。

ところで、今年は昨年よりもインターネット通販を積極的に利用してみた。
昨年までは、ほぼガンダムのプラモデルとパソコン回りの備品をインターネット通販で買うのみだったが、今年は服や靴も買ってみた。
また、Amazon以外にAmazonのマーケットプレイスや、Yahoo!ショッピングへの出店者ページ、アダストリアなどの通販サイトも「利用するつもり」でじっくりと見てみた。

登録していたライトオンやジーンズメイトなどのメルマガも一通りは目を通すようにしてみた。
また、フェイスブックなどに出てくるドゥクラッセの広告ページも念入りに見てみた。

そうすると、さまざまな通販サイトが今秋なら11月から頻繁に値引きセールや投げ売りセールを行っていることがわかった。
また検索をすると、セールはやっていないものの、定価自体が驚くほど安い商品も数多くある。
さらにバッタ屋的に在庫品を低価格で販売しているサイトもある。

今年11月初旬にiPhoneを機種変更した。
それまで使っていた6Sから7に変更した。
その際に、丸2年間使用したスマホカバーを廃棄して、新しいスマホカバーをネットで探したが、148円送料無料とか198円送料無料というのを発見して、それを購入した。

現在は148円送料無料のを使っていて、予備として198円送料無料のも購入した。
これであと2年間は安泰である。

また、すでに11月中旬からアダストリアはネット通販で先行セールを開催しているし、シークレットセールも開催している。
ライトオンは12月8日の金曜日からネットだけで日替わりの投げ売りセールを開催している。
一昨年からの在庫品と思われる丸八ダウンが12月9日の土曜日は1日間限定で4900円にまで値引きされていた。

こういうことがインターネット上ではあちこちで起きている。
安い商品が欲しい人は当然インターネットで買うようになる。

以前にこのブログでインターネット通販利用者が予想よりも少ないだろうということを書いたが、それでもジワジワとは増えてきているし、ネット検索を使う人の比率は圧倒的に高いから、実店舗での定価販売期間をいくら引き延ばしたところで、売れるようにはなりにくい。

なぜなら、インターネット検索で低価格をいくらでも見つけられるし、買わないまでも目当てのブランドが低価格販売していることも見えてしまうからだ。

大西・前社長もルミネの社長も、業界のセール後ろ倒し論者もインターネットで買い物をしていないのではないかと思う。
もしくはインターネットで商品ページやブランドページを見ていないのではないか。

我が国の「セール後ろ倒し」論者には、フランスやイタリアが実店舗でのバーゲン開始時期や値引き率を政府が規制している状態を羨ましいと感じる人が多いようだ。
しかし、フランスやイタリアでも状況は同じで、インターネット販売はそのセール規制に引っかからないといわれている。

そうなると状況は我が国とさして変わらない。

結局実店舗でセール開始時期をいくら遅くしようと、インターネットで安く売られていれば、そちらを買うようになる。
また、三越伊勢丹やルミネがバーゲン開始時期を10日やそこらを後ろ倒しにしたところで、実際の「定価販売期間」なんてほとんど伸びない。たかだか10日ほど伸びたところで何が変わったのだろうか?
やるなら1か月とか2か月くらい後ろ倒しにしないと何の効果もない。

しかし、衣料品が売れていない状況下で三越伊勢丹もルミネも1か月や2か月も後ろ倒しにはできない。
それだけの体力がない。

また、ルミネはインターネット上では今年も11月から早々に値引き販売をしており、何を言っているのかと呆れ果てる。
実店舗にはセール後ろ倒しをいい、インターネット上では前倒しで売る。
そんな二枚舌みたいな施策でだれが納得するというのだろうか。

三越伊勢丹とルミネの「セール後ろ倒し」政策は敗れるべくして敗れたとしか言いようがない。

NOTEを更新~♪
三越伊勢丹HDが「ケイタマルヤマ」を手放す理由とは?
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無名ブランドはウェブサイトを開設しただけでは売れない

何度も書いているように、よほど強固な信念がない限りは、現在において企業もブランドもウェブサイトは必要不可欠である。
どんな不細工なサイトでもないよりはあった方が良い。
それが第1歩だが、2000年ごろのインターネット草創期ならいざ知らず、ウェブサイトを使って集客や物販を行うとすると、それ相応の工夫が必要となる。

しかし、繊維業界・アパレル業界はこの分野に極めて弱いから、多くの企業やブランドは「とりあえずウェブサイトを開設しましょう」という段階である。

一方で、すでにウェブサイト自体は有象無象がひしめき合っているし、通販サイトは乱立している。

何度も書いているようにYahoo!ショッピングだけで40万店くらいは出店しているし、店舗数が減少している楽天でも4万店の出店がある。
この2つだけで重複出店も含めて44万店もあり、よほどの工夫を凝らさないとその中に埋没してしまうことは間違いない。

ベタな例えをすると、脱サラして居酒屋を開店したとして、競合が44万店あれば、よほどの「何か」がないと消費者からは選ばれない。
無名の居酒屋が繁華街にオープンして、そこに初日からわざわざ来てくれる客がどれほど存在するか。
すでに常連になっている店に行くだろうし、常連になっている店がなければ有名店に行く。
無名の居酒屋が選ばれる理由は何一つない。

無名の企業が今、新規にウェブサイトを開設するということは、こういうことである。

これを忘れて、ウェブサイトを開設すれば即座に多くの人が流入すると思っている残念な人が繊維業界には多い。
それだけアレだとさぞかし人生は楽しいのだろうなと思う。

さて、このブログを9月下旬にワードプレスでリニューアルしてくれたのはスタイルピックスという会社なのだが、そのおかげもあってスタイルピックスとウェブサイトの仕事で絡むことが増えた。

http://style-picks.com/

トップページには同社の短髪の看板娘の動画が貼ってある。

で、ウェブサイト開設、ウェブサイトの運用というのを見ていると、「どのように呼び込むか」が重要だと改めて痛感させられる。

企業やブランドがウェブサイトを開設する理由はつまるところは、

物(サービス)を売りたい(平たくいうと金儲けがしたい)

であるが、そのためには

1、ファンを増やす必要がある
2、定期的にサイトを見に来てもらえる内容をアップし続ける

ことが必須になる。

そのためには、単に品物(サービス)だけを並べているだけでは、よほどの超有名ブランドでもない限り不可能であり、そのために各社はブログを更新し、動画やコーディネイト画像をアップしている。
いわゆるコンテンツを強化している。

価格優位性があるといわれているユニクロとジーユーでさえ、単純な商品の陳列だけを行っているのではない。
コーディネイト画像の更新やら、ちょっとキモいタッチの松浦弥太郎氏のコラム連載やら、タレントが語り掛けてくれる動画コンシェルジュだとかそういうことをやっている。
価格優位性があり圧倒的知名度がある、ユニクロとジーユーがこれほどの工夫を凝らして売っているのに、無名のブランドが何の工夫も凝らさずにどうして売れると思えるのだろうか?その考えがわからない。

それに気が付いて、ブログをアップするブランドや企業も増えたが、個人的に「それでは効果が上がらない」と感じる事例は多数ある。
もちろん、ブログはやらないよりはやった方が良いことは前提であることは言うまでもない。

例えば、大手ではないジーンズブランドがあったとして、ブログにアップできる内容は様々ある。

ジーンズというアイテムの説明だけでも何回も書けるだろう。
それ以外にも、

ジーンズ業界について
デニム生地いついて
縫製について
洗い加工について
ジーンズファッションについて

などが考え付く。

これは他のジャンルのブランドでも同じだろう。
「ジーンズ」「デニム」をそれぞれのジャンルの商品や素材に置き換えれば良い。

いわば、これらはマクロな話。

自社のブランドや活動というミクロなことも不可欠で、問題はそれの書き口ではないかと思う。

「今朝も〇〇工場さんと打ち合わせで岡山に出張です。がんばります」程度な文字数なら、はっきり言って「ツイッターに書いていろよ」と思う。
また、自社の商品のセール情報しか書いていないならそれは折込チラシと同じで、ほとんどの場合が流される。

仮にも独自ブランドを名乗っているなら、商品の工夫した点や生産背景との取り組みがあるだろうから、それをキチンと書く必要があるのではないか。

1、商品デザインについて
2、使用した素材について
3、パターンなどで工夫した点について
4、製造を請け負ってくれている各工場について
5、個人的な考えについて

などである。

これらがないのであれば、エドウインかリーバイスの代理店でもやっていればいい。
おわかりいただけるだろうか?

もちろん、人間は綺麗ごとだけでは生きていない。むしろ綺麗ごとの方が少ない。
人間の生きている理由のほとんどは汚くて利己的な理由ばかりだと思っている。

「とりあえず手っ取り早く儲かりそうだからブランドをやってみた」とか、「理由はあまりなくて何となくブランドを始めてみた」とか、見聞きした範囲でいえばそういうことが数多くある。

まあ、それはそれで書けば良いだろうし、それでも業務としてやっていくうちに、独自に工夫を凝らしている部分が自然発生しているだろうから、それを書くべきである。

この辺りを整理してコンテンツを作れているブランド、作る気があるブランドは極めて少ないと感じる。
逆に批判はあっても、現在のウェブでの勝ち組ブランドはこの辺りを実行しているといえる。

あと、ウェブサイト開設・運用には確実にカネは要る。
最低限のカネは絶対的に必要である。
ときどき、いまだに「10万円くらいでサイトを作ってほしい」とか「3万円でサイトを作ってほしい」とかいうとぼけた人が繊維業界には山のようにいるが、100万円とか1000万円とかバカ高い金額は必要ないが、世間相場を知らないと話にもならない。

機械類なら何百万でもポンと支払う製造加工業者、酒を飲ませる店になら何十万円でも気軽に支払うアパレルメーカー経営者、自分の飲み食いになら毎日惜しげもなく散財する個人事業主などに限って、ウェブサイト製作に3万円とか5万円とかのあり得ない価格を提示するので呆れ果てることが多い。結局はそういうレベルの業界なのである。

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アパレル業界人が期待するほどネット通販は利用されていない

実店舗での洋服販売が不振なアパレル業界は「ネット通販こそ新たな楽園だ」とばかりにEC化比率を高めようとしている。
もちろん、実店舗にくらべるとネット通販はコストが安いから、これに成功すると利益額が増える可能性が極めて高い。
すでにインターネット環境もかなり整備されている。

「テレホーダイ」で毎晩11時からネットにつないでいた時代が懐かしい。
それ以外の時間でつなぐと通話料がバカ高かったからだ。

インターネット通販市場はこの10年間で5倍強にまで拡大しているから、洋服もネットでさらに売れるようになる。理論上はね。

しかし、実際のところインターネット通販を利用している人の割合は、アパレル業界の人が想像しているよりも低い。

例えばこんな報道がある。

実はネット通販の初心者だらけだった? ネット消費率17%からみるECビジネスの今後
https://netshop.impress.co.jp/node/4902

「ネットライフ1万人調査」の5年間の結果をまとめてある。

この数値を見て最初に驚かされたのは、総消費額全体に占めるネット消費率が、5年前と比較しても“ほぼ横ばい”という点です。14%~17%と数値の変動がほとんどありません。

とのことである。
しかし、この調査だとネットの市場規模が伸びているのに、使用金額が横ばいであることは整合性が取れない。
この記事の筆者もそこに疑問を抱いている。

まず、1つの大きな問題は「ネットで1年間買い物をした金額を正確に答えられる人はいない」という点です。

ネットにさほど関わっていない一般の消費者は、私たちが想像するよりもずっと、ネット通販に対して距離を置いているのではないかと思います。

事実、ネットライフ1万人調査では年齢の人口分布にあわせて調査を行っているため、比較的ネットに不慣れな高齢者に調査結果が偏ってしまうところがあります。その結果が15%前後という低いネット消費率につながっていると考えられます。しかし、見方を変えれば、ネット通販に不慣れな人は、世の中にまだまだ多く存在しているとも言えます。

 

とのことである。

また、総務省の昨年のネットショッピングの調査によると、

二人以上の世帯におけるネットショッピングを利用した世帯の割合は、家計消費状況 調査が始まった 2002 年は 5.3%でしたが、2015年には 27.6%と 5.2 倍となっています。



http://www.stat.go.jp/data/joukyou/topics/pdf/topi920.pdf

とのことで、たしかに急増はしているが、利用した世帯はたった28%しかなく、のこり72%の世帯はネットショッピングを利用していない。

この2つの調査にはもちろん誤差は含まれるだろうが、その誤差を差し引いたところで少なくとも60%以上の世帯ではネットショッピングを利用していないと考えて間違いはないだろう。

また別の調査もあって、先の記事内でも触れられているのだが、

総務省の調査では、2年前の時点で「全年代で7割以上の人がネットショッピングの経験者」と発表されていますが、ネットショッピングを「したことがある」のと「よくしている」とでは、状況が大きく変わってきます。つまり、EC市場1.35倍の成長率の中には、ネット通販のヘビーユーザーが買い物した数よりも、年に数回しかネット通販を利用しない不慣れな人の数の方が圧倒的に多く存在しているとも考えられるのです。

とのことで、年に1回か2回くらいは使ったことがある人は7割になるが、頻繁に利用している人となると、やっぱり20~30%程度になると考える方が実情に沿っているといえる。

さらにいえば、ここでいうネットショッピングは洋服だけではなく、家電や家具、日用消耗品、本、ガンダムのプラモデル、食品などが含まれており、それの総額市場が16兆円くらいだということに留意する必要があるのではないか。
ネット通販市場規模が15兆円とか16兆円と言われているが、そこに含まれている洋服の売上高はどれほどあるのか。
おそらく業界が思っているよりも低いのではないかと考えられる。

個人的な行動をさらすので恐縮だが、当方は3年くらい前から毎月1つか2つの商材をネットで買うようになった。
2014年以前にはネットで買った商品なんて1つあるか2つあるかで、そのうちの1つは8年くらい前に、うちの長男が大型書店にも売っていないマニアックな本を欲しがったので、Amazonで取り寄せた。あともう一つは5年前くらいに価格コムでノートパソコンを買った。記憶にあるのはこの2つで、それ以外は2014年以前にはネットで買い物をしたことがない。

現在、もっとも頻繁に利用するネット通販は断トツでAmazonである。
次にYahoo!ショッピングとヨドバシカメラドットコムである。
洋服も買ったことがあるが、ユニクロとジーユーのみだ。今月、例外的にAmazonで5999円のレザージャケットを買ったのと、今夏にAmazonグンゼのYGカットオフ肌着とボディワイルドのフットカバーを買ったくらいだ。

当方がネットで買うのは、

1、ガンダムのプラモデル(毎月1個くらい)
2、スマホアクセサリー(スマホカバー、画面の保護シート)
3、生活雑貨(布団カバーなど)
4、パソコン回りの商品(プリンターのインクなど)
5、リュック

がほとんどで、例外的にAmazonでレザージャケット、グンゼの肌着と靴下を買ったくらいである。
衣料品はユニクロとジーユーのみで、今年に入ってからユニクロのネット通販では買っていない。
ジーユーは送料5000円以上が無料になるので、10月にカットソースーツを2着(合計11000円強)を買っただけだ。

自分自身の生活を振り返ってみても、洋服を買う確率は格段に低い。
全員が当方と同じ嗜好だとは思わないが、アパレル業界人が思うほどには一般消費者はネットで服を買っていないのではないか。
もしくはネットショッピングそのものを利用していないのではないか。

実店舗販売が苦しいから何かにすがりたくなる気持ちはわかるが、上記の調査結果を踏まえた上でネット通販を強化しないと、結局はコストも手間も無駄になってしまう。コンサルもメディアもネット通販を煽ってばかりいないでもう少し冷静な視線を企業に提供してはどうか。

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絶妙な便乗表記が施された商品の数々

最近はあからさまなパクリみたいなブランド名はなくなったが、それでも便乗商法みたいな類似したブランド名や商品名はいろいろとある。
当方はそういうのを見るのが大好きなのだが、それにしても各社・各ブランドとも工夫を凝らしていることに感心してしまう。

以前、Amazonで「ディーゼル」を検索していたら「ディーゼルパワー」という激安の謎ブランドを発見した。

インターネット通販はすでにレッドオーシャン

もう再生産はされていないようだが、「ディーゼルパワー パンツ」で検索すると、Amazonのページが今でも表示される。

当然、当方はあの「ディーゼル」の商品を検索でしたかったのだが、表示されたのは「ディーゼルパワー」だった。
それにしてもこの絶妙なネーミングにはうならされた。

「ディーゼル」とは、エンジン機関の名称であり、そこにパワーを付けるといわゆるそういうエンジン系の名称のようになる。
それでいて、あの「ディーゼル」を連想させるのだから、このネーミングを選んだ人は一種の天才かもしれないと思う。

1年半前に先のブログは書いているが、そのブログをアップした際、ディーゼルジャパン社内では騒然となったらしい。
ディーゼルジャパンの中の人からそのように報告を受けている。

4年近く前に雨の日用の靴としてコンバースの防水スニーカー、エヴォブーツをネットで買った。
ところが、これが水が染みこむようになってきたのでそろそろ新しい防水靴を買おうと思って、先日からネット通販を検索している。
まず、第1条件は見た目、第2条件は価格の安さ、である。
この両方が兼ね備わっていないと買うつもりはない。

ファッション好きの人はZOZOを利用するようだが、価格が高いのと送料一律200円なので、当方はZOZOは永遠に利用しない。
もっぱら、AmazonとYahoo!ショッピングがメインでたまに楽天を見る。
あとは価格コムだ。
ガンダムのプラモデルはだいたい価格コムとAmazonを比較して、安い方で買っている。

防水靴はAmazonはあまり豊富ではなく、Yahoo!ショッピングのほうが低価格でバリエーションが豊富なので、買うとしたらYahoo!ショッピングで買おうと思っている。

先日、Yahoo!ショッピングで防水靴を検索していたら、2000円台~8000円くらいまでの低価格防水靴がたくさん表示された。
さすがはYahoo!ショッピングである。

防水スニーカー類だとコンバースとかコールマンとかそういう知名度の高いブランドもあるが、2000円台・3000円台だと見たこともないような無名ブランドの商品が多い。
その低価格無名ブランドの特徴は、意味不明のアルファベットや数字が靴本体に割合にデカデカと表示されている。
てか、その表示要る?

例えば、タンの部分にデカデカとアルファベットで「B.F.」と表示されているスニーカーがあったが、それは一体何の意味があるのだろうか。この「B.F.」がデカデカと表示されているためにひどく見栄えがダサい。
この表示がない方がずっと洗練されていて使い勝手が良い。

ちょっと残念な仕上がりである。

で、同じようなスニーカー類の中に「Y8」とタンに表示されているものも見つけた。
これさえなければ、マシだったのになあと思っていたら、あれ?これって「Y3」の便乗じゃないか?と気が付いた。

Y3はご存知のとおり、山本耀司とアディダスの名高いコラボブランドである。

3と8は似ている。3を二つ連結させれば8になる。
これを考えた人は天才的知恵者ではないか。

さらに検索し続けると「V8」という謎の表示が施された靴も発見した。
V8ってなんの意味があるのだろうか?マシンハヤブサの新しいエンジンだろうか?

で、少し考えてみた。

このVってYの便乗か?
だとしたら、V8もY3の便乗ではないか?

VとYも似ている。3と8は先ほど書いた通りだ。

一般的に、ビッグシルエットのトップスにタイトなズボンを合わせる着こなしのシルエットを「Vライン」と呼ぶ。
ファッション雑誌「ファインボーイズ」はVラインと長らく呼んでいる。

一方、メンズファッションの人気ブロガーMB氏は同じシルエットを「Yライン」と呼んでいる。

どちらが正しくてどちらが間違っているということもないが、この一例をもってしてもYとVは互換可能な文字だということが理解できるのではないか。

ちなみにVラインというとビキニ水着のVライン脱毛を思い出すので当方はYラインと呼びたい。笑

それにしてもちょっとマシンハヤブサの新型エンジンっぽい表記だが「V8」を考えた人も天才的だと思う。

その昔、90年代前半「CK(カルバン・クライン)」と「DKNY(ダナキャランニューヨーク)」という2つのアメリカンデザイナーズブランドが大人気だった当時、量販店の平場には「CKNY」というロゴのプリントTシャツが販売されていたことを思い出す。
合体しとるやんけ!

しかし、この「CKNY」を考え付いた人も天才というべきだろう。

こういう便乗表記商品を見ているとなんだか心が和む。買わないけど。

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百貨店のECはゾゾタウンには到底追いつけない

猫も杓子もEC販売強化で本当に大丈夫なのかなと思う。
先日、三越伊勢丹HDもEC強化を改めて説明していたが、正直なところ、大きくは成功しないのではないかと思っている。

三越伊勢丹HD、デジタル活用した新成長戦略を発表
https://www.fashionsnap.com/news/2017-11-08/mi-digital/

記事の中身には別段目新しい箇所はない。
まあ、ありふれたオーソドックスなECについて再説明しているに過ぎない。

そういえば、ECの強化と、その中でのアパレル各社との連携については、退任させられる前の大西洋前社長が構想を漏らしていた。
偶然にも当方もその構想を直接聞いたことがある。

その際の構想では、アパレル各社・各ブランドと連携して物流倉庫を一元化したいという考えだった。
三越伊勢丹のECへの出店・出品者と共同で専用の倉庫を持ち、そこから出荷することでコストを削減したいという考えがあった。
まあ、これも実現せずに終わってしまったのだが。

自前での商品開発機能をほとんど持たない百貨店としては、ECでできることはさまざまなメーカーやブランドからの商品を仕入れて(委託も含めて)サイト上で売るしかない。
オリジナル品は「別注」という形でメーカーやブランド品に作らせるしかない。

記事で気になる箇所がある。

杉江社長は「ゾゾタウンに近いビジネスになるんじゃないか」と展望を語った。

とある。
ここは2つの意味が考えられる。

1、わかりやすい実例としてZOZOを出した
2、本気でそう考えている

である。
案の定、メディアでは「ZOZOのような」という部分が独り歩きして、センセーショナルに煽られているが、実際のところ実現は不可能である。
ZOZOと同じような形態のウェブモールは作ることができるだろうが、売り上げ規模や存在感で並ぶことはないだろう。

この会見での空気感や杉江社長の人となりがわからないので、なんとも言えないが、メディアや出席者にわかりやすい実例としてモール型のZOZOを持ち出して説明したということは十分に考えられる。
1、の場合なら何の心配もないが、もし2だったら、先行きには不安を感じる。

はっきり言ってしまえば、ウェブ上にZOZOは二つ要らないのである。
ファッション衣料品に特化したウェブモールはZOZOが一つあれば十分であり、並立するにはZOZOとよほど差別化されている必要がある。
差別化されていないなら、存在価値はない。
消費者にとっても同じようなモールが二つあっても意味がない。

そして、さらにいうなら、ZOZOには先行者メリットがあり、後発組が簡単に追いつけるものではないということである。

ZOZOTOWNはまだネット通販がそれほど行き渡っていない2004年に開始されている。
そういえば、この時期にすでにAmazonも上陸していた。
当方はネット通販デビューが2015年ごろになるので実際に2004年にネットで物を買ったことはなかったが、Amazonは名前は知っていた。

2004年当時勤務していた編集プロダクションのスタッフたちが何人かAmazonで本を買っていたからだ。
Amazonは当初、本の通販サイトとして上陸していた。
当時の販売形態は、同僚によると、1500円以上で送料無料になるので、彼らはいつも3冊くらいまとめて購入して送料を浮かせていた。

その当時にZOZOの名前は聞いたことがなかった。
当方のECリテラシーなんてその程度のものでしかない。

13年前からサイトを構築して、ノウハウを蓄積したZOZOTOWNに、金看板に胡坐をかいたままの百貨店ECモールが追いつけると思っているのだろうか。すでにZOZOTOWNのブランドは確立されてしまっている。
それに13年遅れで後追いしようということをもしも本気で考えているなら、ちょっとアレすぎるのではないか。

いわゆるランチェスターの法則でいうなら、大手は資本力に物を言わせて後追いで物量作戦を展開すればよいのだが、三越伊勢丹HDはそこまで圧倒的な大手だろうか?
開始当初は一点突破主義の小資本だったZOZOTOWNは13年が経過した現在では大手となっている。
大手に対してそうい後追いは、まるでユニクロを後追いするイオンやイトーヨーカドーなどの大型スーパーの衣料品施策と同じではないか。

ネット通販勃興期の2004年頃に、「インターネットで服を売る」ということを考えた人はたくさんいると思う。
当方だって考えた。
当時、交流があった小規模のIT業者に相談したところ、面白いということで、大阪市内の卸売り型メーカーに何社か声をかけた。
ところが卸売り型メーカー各社は「前例がない」「取引先への説明が難しい」という理由でまったく相手にもしてもらえなかった。

他方、ZOZOTOWNはスタート当初にユナイテッドアローズなどの有力セレクトショップに賛同してもらい、スタートすることができた。

やっぱり持ち込む先は選良しなくてはならない。
古めかしい会社に持ち込んだところで意味はない。

百貨店自体が仕入れ型専門店(委託販売が多いけど)である以上、セレクトショップを取り込んだモールであるZOZOTOWNとは土台、ビジネスモデルが違う。
さらにいうなら、ZOZOTOWNは良くも悪くも、好き嫌いも別にして、前澤社長が露出をすることで消費者への認知度を高めている。
今の百貨店にそれと同等の露出ができる経営陣がいるだろうか。拝見したことがない。

経営陣の顔出しは除いたとしても、今の百貨店の発信はZOZOTOWNの発信には量・質ともに足元にも及ばない。
ECサイトは作っただけでは人は流れてこない。

人を引き込むコンテンツ制作、発信の質量が重要であり、今の百貨店にはその両方を作れるだけの力がない。
本気で「ゾゾタウンに近いビジネス」を模索しているとしたら、なんと身の程しらずなことかww

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5999円でレザーブルゾンを買った話

久しぶりにユニクロが「ネオレザー」のブルゾンを発売している。
昨年、一昨年はなかったから2年ぶりか3年ぶりのカムバックではないかと思う。

ネオレザーなんて言っているが、はっきりいえば単なる合皮である。フェイクレザーである。
ユニクロのネオレザーは、基布にポリウレタン樹脂を塗って作られている。
基布はたしかレーヨンのはずだ。

今秋に復活したネオレザーのブルゾンはずいぶんと見た目がカッコよくなっており、一見すると本革にも見える。
また、薄く中綿が入っているので、防寒性も飛躍的に向上している。

余談だが、25年くらい前、当方はいわゆる革ジャンを着ていた。
ジャスコかどこかで2万円くらいで買ったと記憶している。
もちろんノーブランドだ。

分厚い牛革の革ジャンで中綿入りではなかった。

着用してみて理解したのだが、革ジャンは通気性が悪くて暑い。
気温が暑いときに着ると汗だくになる。
しかし、中綿が入っていないと真冬は冷気が遮断できずに結構寒い。

だから中綿なしの革ジャンというのは、着る季節が本当に短い。
今までのユニクロのネオレザーブルゾンは中綿が入っていなかった。
だから着る機会は本当に限られていたと思う。
ユニクロ側の思惑に反して売れ行きは鈍かったのだろう。その証拠に3年くらい発売されずにいた。
好調なら3年くらいもブランクは空けないはずだ。

しかし、防寒性という意味では今秋の中綿入りネオレザーブルゾンは飛躍的に向上しており、これから本格的に冷え込めば売れ行きは伸びるのではないかと考えられる。

一方で欠点もある。

ポリウレタンはだいたい3年~5年で劣化して剥離してしまう。
速い話が、表面がボロボロに剥がれ落ちるということである。

その証拠に今回のネオレザーブルゾンの下げ札にも「3年くらいで劣化します」と小さい字で書いてある。
ポリウレタンを使った合皮はネオレザーに限らず長持ちしない。絶対に数年で劣化する。

他方、合皮スエードも今秋はずいぶんと見かける。

合皮スエードは通常の合皮に比べて長持ちする場合が多い。理由は合皮スエードは製造方法自体が異なり、ポリエステルを原料とすることが多いからだ。
ポリエステルという合成繊維は劣化しにくく相当に丈夫なのである。
ポリエステルで織った生地の表面に起毛加工を施して合皮スエードに仕上げるが、これはほとんど劣化しない。
「原料:ポリエステル」と表示された合皮スエードは相当に長持ちすると考えても差し支えないだろう。

だからポリウレタン合皮よりも、ポリエステル合皮スエードを選んだ方が長持ちする。

当方ならネオレザーブルゾンは買わない。買ったとしても3年か5年が寿命だと割り切る。
5990円という定価が高いか安いか、非常に悩むところである。

ユニクロのこの5990円という価格は決して高いとは思わないが、他ブランドと比べて安さがあるのだろうかと疑問に思って、先日からAmazonで調べてみた。
ちなみに当方はZOZOTOWNで服を買ったことがない。今秋からどれだけ高額品を買っても送料200円が必要になったので、今後も永遠に買うことはない。
Amazonなら2000円以上は送料無料だからだ。
当方にとってはAmazonやヨドバシカメラドットコムのほうが使い勝手が良い。

Amazonで合皮ブルゾンを調べてみると、だいたいユニクロと同じくらいの価格の商品が多い。
5900~7900円くらいで種類も豊富に表示される。

こうやって見ると、ネオレザーの価格は高すぎるとは思わないが、他ブランドよりも安くてお買い得というほどでもないことがわかる。

そうやって調べていると、Amazonで表示される商品の中に「本革」と表示されているものが混じっていることに気が付いた。
目についたのがだいたい4種類くらいだ。もちろんいずれもノーブランドであることは言うまでもない。
いずれも価格は7500円くらいまで。

それにしても本革が合皮並みの値段で売っているようになったのかと驚いた。
25年前はジャスコでさえ2万円くらいの革ジャンを売っていたというのに。

もちろん、革の質は良くないのだろうが、こんなところに如実にデフレを感じてしまった。

その目についた4種類の中から、一つがとびぬけて安くなった。
定価6500円が5999円に値下がりした。

これはすごいなと思って何日間か眺めていた。

その5999円の商品はデザインが4つあった。
シングルライダース、フード付き、ダブルライダース、ダブルライダースのモダン、である。

で、5999円なら買ってみても良いのではないかと、ふと思ってしまった。

で、どれを買おうかと熟考した。
当方にとって単品で5999円の買い物というのはなかなか勇気が要るのだ。

まず、フード付きはフードが邪魔なので却下だ。
次にダブルライダースは、当方のようなゴツイ顔のオッサンが着ると暑苦しさが倍増する。
だから2つとも却下した。

で、シングルが残った。

さらに熟考して、ようやっとポチった。
それが水曜日に到着した。

5999円で買ったリプロダクトレザーのシングルライダース

本革でありながら、なぜこの値段かというと、リプロダクトレザーを使っているためだと説明されている。
古着のレザーを切り刻んで新しい商品として縫い合わせて色を染め直すというのがリプロダクトレザーだという。
まあ、リサイクル、リデュースの範疇なので今流行りのエコ商材ともいえるだろう。

だから細かい傷があちこちにある。しかし、そんなものは着ていればすぐにできるので、あらかじめユーズド加工が施されていると思えば何の問題もない。

それにしてもこれが5999円(税込み)というのはすごいと思う。

ただ、中綿は入っていないし、革も薄くもなく分厚くもない中肉なのでこれは真冬に着用するには適さないだろう。

当方の価値観としては、ポリウレタン合皮を買うなら古着のレザーを買う。しかし、古着のレザーはダボっとしたシルエットの商品が多いからオッサンが着るとかなり野暮ったくなる。
それよりも、リプロダクトされて細身になったこのシングルライダースのほうが、オッサンには似合いやすいと思う。

顔のデカいオッサンがダボっとした服を着ると、顔のデカさがそのまま下までスライドして見られるので、あまり得策ではない。
ダボっとした服が似合うのは面長や細い顔の人間に限られる。

防寒性は劣るものの、劣化しないことと細身のシルエットを考えると、当方にとってはユニクロのネオレザーよりこのシングルライダースのほうが向いていると思う。

この商品を見ていると、だいたい毎回5~6枚が入荷して、それが売切れる。
しばらくしたらまた5枚くらいが入荷するというサイクルを繰り返している。

もし興味のある人がいるなら、品切れでもあきらめずにしばらく待てば良いと思う。

5999円で買ってみたが、決して損はしないと感じた。

そんなこんなでデフレが原因で25年ぶりに革ジャンを着ることになった。
まさにデフレ万歳、である。

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中小零細企業や組合のウェブ政策が成功しない理由

3年くらい前から、小規模・零細企業や組合からウェブの相談を受けることが増えた。
それらの相談を聞くと、だいたいはなんだか成功しなさそうに感じる。
どの部分がそう感じさせるのかが自分でもモヤモヤとしていたのだが、やっとわかった。

先日、ある組合がウェブ業界ではそこそこ名の知れたところのサービスに、組合加盟企業を参加させる方向で取りまとめているという話を耳にした。
この手の話自体は今に始まったことではなく、数年前からあちこちで行われていたから驚くには値しない。
しかし、結果で言うとその多くは成功していない。

アパレルや繊維企業はITに著しく乗り遅れているから、そういうことに参加すること自体は意義がある。
やらないよりはやった方が良い。これは間違いない。
しかし、参加しただけでは知名度はそんなに上がらないし、ましてや売上高が目に見えて伸びることはない。

何事も経験が重要だと思う。
経験してみて伸びる企業や伸びる人間はいるから、どんどん参加すべきだが、参加しただけで何も変わらない企業や人間も掃いて捨てるほどいる。
成果が出ないのはそういう企業や人間である。要するに「参加しただけ」という姿勢では絶対に成果が出ない。

これがインターネット黎明期やウェブサイト草創期なら「参加しただけ」でもそれなりの効果が期待できた。
先行者メリットというやつだ。
先行者は失敗することもあるが、競争相手がいないから、あまり手の込んだことをせずに「やっただけ」でもそれなりに効果が出ることがある。
インターネット黎明期やウェブサイトの草創期ならこの先行者メリットが期待できた。

しかし、もはや、現在は過当競争の時代である。
よくあるように「参加しただけ」では何の効果もない。
無名ブランドや無名企業なら埋没しておしまいである。
よほどのカネを注ぎ込むかやり方を工夫しなければ、無名ブランドや無名企業が浮上することは極めて難しい。

これが、ここ3年くらいで「ウェブに参加しただけ」の中小・零細企業が成果を出せない理由である。

実例を見てみよう。
現在、衰退の兆しがある楽天市場だが、出店社数は年々減っているとはいえ、いまだに4万店もある。
ここにいきなり、無名ブランドや無名企業が参加したところで注目されるはずもない。
4万店に埋もれてしまう。
事実、知り合いの無名企業だって楽天に出店しているが、売上高はサッパリだそうだ。
わざわざ、新参の無名企業を検索して買いに来てくれる人なんて存在しないから当たり前だ。

自分が消費者の立場になって考えてみればすぐにわかることだ。
「存在自体を知らない無名ブランド」をわざわざ検索することがあるか?絶対にないだろう。
なぜなら、「存在自体を知らない」からだ。検索しようがない。

だから売れなくて当たり前である。

しかし、ウェブリテラシーが低いのがアパレル・繊維業界だから、多くの中小・零細企業は「掲載すれば確実に売れる」と勘違いしている。

北新地でも中洲でもススキノでも構わないが、飲み屋がひしめき合っている繁華街にいきなり、脱サラしたばかりのオッサンが無名の店がオープンさせてすぐに満員御礼になるだろうか。絶対にないだろう。
固定客ができるまで何か月かは必要になる。

それと同じことなのだが、ウェブのことになると安直に考えてしまうのがこの業界のウェブリテラシーの低さを物語っている。

楽天でもAmazonでもZOZOTOWNでも同じことだ。
ZOZOTOWNがいくら好調だといっても、出店企業全社が好調なのではない。
タカキューが出店しているがだれかタカキューに注目して観察を続けている人がいるのか?

中小零細企業や組合がウェブで成果を出せない理由は、大手に掲載されただけで思考を停止させてしまうからだ。
掲載されただけでそのまま放置プレーになるから、固定客もできないし新規ファンも開拓できない。

で、この「大手に掲載されただけで思考停止」というのは、ファッション雑誌全盛期の行動そのままではないのかと最近思うようになった。

2005年頃までのファッション雑誌全盛期には、「掲載されただけ」ですさまじい反響があった。
ブランド側もその反響があるから高い金を払ってタイアップし続けてきた。

しかし、ファッション雑誌の神通力は狭い層のファン以外には通じなくなったし、そういうやり方はウェブでは通用しない。

これだけウェブサイトがひしめき合っていれば、ポッと出の無名ブランドのサイトをわざわざ検索で探してくれる人なんてほとんどいない。
だから「掲載されただけ」「サイトを作っただけ」で放置プレーしていては絶対に効果は上がらない。

ポッと出の無名ブランドがファンを開拓するためには、買い物目的でなくても定期的にチェックしに行きたくなるようなコンテンツを定期的に更新することが不可欠になる。
それはブログでも記事でも画像でも動画でも構わない。
個々のブランドスタイルにどれが合うかを模索する必要があるが、そういうコンテンツ自体を作らないことには、スタートラインにも立てない。

これまで見てきた多くの中小零細企業や組合のウェブサイト政策がことごとく失敗しているのは、そういう独自のコンテンツ作りをまったく考えていなかったからであると改めて気づいた。

長くなるが、入場者数が多い展示会に東京ギフトショーがある。
入場者数が多いから出展者は必ず売れるかというとそうでもない。
売れる出展者もいればまったく売れない出展者もある。

入場者数が多いとは言っても、その全員が自社のブースに立ち寄るわけではない。
だったら、自社で集客をしなくては無名企業のブースに足を止める人は少ない。

自社で集客の努力をした企業は受注が取れやすいし、入場者数におんぶに抱っこで無為無策だった企業はほとんど受注がない。
これは毎回同じ結果が出ている。

ウェブも同じだ。
いくらAmazonや楽天やZOZOTOWNへの訪問者数が多いとはいえ、全員が自社のサイトを見てくれるわけではない。
無名ブランドが無為無策ならだれも立ち寄らない。これはリアルでもウェブでも同じだ。

そしてそういう集客の努力、コンテンツ作りの努力がほとんどないから中小零細企業や組合のウェブは成功しない。
極めて当たり前のことだが、それができていない中小企業や組合がアパレル・繊維業界には多すぎる。
当たり前のことを当たり前にできない企業や組合は淘汰されるしかない。

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しまむらのシステムは「EC」ではなく、疑似ECと呼ぶべき

メディアも業界も「トレンド」に流されやすいことが最大の特徴である。
いくつかの「トレンドキーワード」があるが、Eコマース(EC)はその一つである。
これを「ちょっと匂わせる」だけで大きく報道してくれる。

少し前なら「海外進出」だった。

業界新聞に属していた頃、20歳くらい年長の先輩が紙面に対して皮肉交じりにこう言ったことがある。
「トップ記事で掲載されたかったら、海外進出を書けば良い。何千億円の会社の国内の取り組みよりも、零細企業の海外進出のほうが紙面で大きく取り上げられる(笑)」。

まあ、差し詰め今なら「海外進出」が「Eコマース」に置き換わるのだろうか。

さて、ついに、しまむらがECに乗り出したことで、話題となっている。

しまむらがついにECに着手、月15万件超の“客注システム”を応用
https://www.wwdjapan.com/488934

もう多くの方がこのニュースを知っておられることだろう。

通常のECとは異なり宅配は行わない。
パソコンやスマホから商品を注文し、注文された商品は指定した店舗に届く。
お客はその店舗へ受け取りに行く。

簡素にまとめるとこういうシステムである。

メディアはこれを大いに持ち上げる傾向が強いが、はっきり言えばECではない。
記事中にもあるように疑似ECに過ぎない。

しまむらは独自の物流システムを所有していて、これまでも商品の店舗間移動や、商品の店舗配送を行っていた。
今回の疑似ECはこれを応用した使い方である。

消費者にとっての利便性は、ECやパソコンから「指定注文」できて買い逃しが減るところにある。
一方のしまむらにとってのメリットは、売り逃しが減る可能性が高いというところにある。

ただ、個人的にはメディアや評論家がいうほど、絶大な売り上げ効果があるかどうかは疑問を感じる。
なぜなら、しまむらの店舗立地は郊外のロードサイドに集中しているからだ。
しかも単体、もしくは数店舗集合での出店が多い。

これは店舗受け取りという形態には著しく不利である。

しまむらに行くのは、「休日わざわざ」ということが多い。
平日、もしくは勤務日の行き帰りに立ち寄れる場所ではない。

店舗受け取りが絶大な支持を得る要素は

1、都心に多数の店舗がある、ターミナルの駅ビルもしくはその近くにある
2、郊外の食料品併設の大型ショッピングセンターに入店している
3、住宅地の中に店舗がある

くらいしかない。
現在のしまむらの出店立地の多くはこれに当てはまらない。

となると、消費者の取りうる行動は、「来週日曜日にしまむらへ行きたいからそのときに届いているようにネットから客注する」ということになる。

しまむらへの「わざわざ来店」時に店舗に届いているタイミングで商品を頼むことになる。
そうでないなら受け取りに行くのが面倒だからだ。

しまむらが誇る自前の物流システムはあるが、宅配に対応しようとすると、コスト増になるし、おそらく人員も足りないだろう。
そうすると人件費の増大を招くことにもなる。当面は宅配対応は不可能だろう。

この宅配と店舗受け取りに関しての考察については、以下のブログが論理的で秀逸である。

ロンドン視察から 日本でのクリック&コレクトの普及を考える
http://dwks.cocolog-nifty.com/fashion_column/2017/09/post-255e.html

IR(広報)によれば、NEXTではオンラインで注文して、都合のよい店舗で受け取るクリック&コレクト比率は注文件数の55%にあたるそうです(イギリス国内)。 一方、ZARAでは66%(グローバル平均)とのことです。

クリック&コレクトとは店舗受け取りのことである。
欧米では日本ほど宅配システムが整備されていないから、店舗受け取りのほうが多いということである。

ヤマト運輸を筆頭にきめ細かい宅配便のサービスをかつ安価で当たり前のように享受している日本において、クリック&コレクトの顧客にとってのメリットに疑問をもつ方が大多数なのが実情です。
英NEXTでクリック&コレクト比率が高い理由は

- 夜12時までに注文すれば翌日12:00以降に商品が指定の店頭で受け取れること
- 宅配の場合3.99ポンド(600-700円)かかる運賃が無料になること
- 国内540店舗という店舗網により生活圏、通勤圏に受け取り易い店舗があること
- 一方、英国にはヤマト運輸のような2時間単位の時間帯で配達指定ができる宅配便がそうそう存在しない

とのことであり、これを踏まえたうえで考えると、しまむらの店舗受け取りというのは日本人にとっては相当にハードルが高いといえる。
逆に、しまむらの低単価商品に対して時間を浪費してわざわざ受け取りに行くほどの価値があるのかどうか疑問を感じる。

言ってみれば、たかが1,000円の商品を受け取るために、時間と交通費を使って出向く人がどれほどいるのだろうか。
当方なら、絶対に何かのついででないと立ち寄らない。

しまむらがECをどこまで進めるのかは不明だが、今の店舗受け取りのみでは、商況を一変させるほどの効果はないと考えるのが適切ではないか。
一部メディアが記事化したように、「百貨店がさらに追い込まれる」なんて要素にはなり得ない。

しまむらの疑似ECは百貨店の商況にほとんど影響を与えず、むしろしまむらの疑似ECがなかったとしても今のままでは百貨店はさらに追い込まれる。
メディアの短絡的な姿勢は今も昔も変わりがない。

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オンワード樫山のちょっとちぐはぐな取り組み「THE T.I.E」

 業界のニュースを読んでいると、ちょこちょこわけのわからないネタにぶつかることがある。
媒体側のまとめ方が下手くそな場合と、ネタを発信した企業やブランドの組み立てが極めておかしな場合との2つがある。

先日、企業やブランド側の組み立てが極めておかしいネタを読んだ。

オンワードがEC専売のシャツブランドを始動 「五大陸」がプロデュース

https://www.wwdjapan.com/476309

なのだが、ちょっと見てみよう。

オンワード樫山が10月20日、シャツに特化したEC専売の新ブランド「THE T.I.E」をローンチする。「世界で一番“ワイシャツ”が揃う店」をテーマに、着まわしのきくベーシックなドレスシャツを約500型用意する。同社ブランドの「五大陸」がプロデュースを担当し、価格は6300円から。ビジネスパーソンをターゲットに、自社ECサイト「オンワード・クローゼット(ONWARD CROSSET.)」のみでの販売を予定する。

これを読んだ方々はどういう感想を持たれたのだろうか。

正直、当方はちょっとわけがわからないなあという感想しか持たなかった。

まず、新ブランドをオンワード樫山のスーツブランド「五大陸」がプロデュースするという点。
ブランドをブランドがプロデュースというのはちょっと聞いたことがない。個人やそれに近しい少人数グループが展開しているデザイナーズブランドや小規模ブランドがプロデュースをするというのなら、まだわかりやすいが五大陸のような大手ブランドが新ブランドをプロデュースというのはちょっとピンとこない。

プロデュースというからには、個人や少数グループにさせるべきで、大手ブランドのプロデュースというのは単なる言葉遊びではないかと思う。

それなら、もっとわかりやすく、五大陸の派生ブランドとか兄弟ブランドとかという位置づけにした方がよかったのではないか。

それに、そもそも「五大陸プロデュース」が注目を集めるかというと、そこも疑問だ。はっきり言って、メンズスーツブランドの中では極めて知名度が低く、存在感がない。きっと10代・20代の消費者ならブランド名も知らないだろう。

以前に、小島健輔さんが「五大陸の知名度が低下している」という内容のブログを書かれていたが、まさしくその通りで、47歳たる当方だってスーツを買うときに五大陸は選択肢に入れていない。というより、平素暮らすうえで、五大陸のブランド名なんて思い出すこともない。まだレナウンと合併させられたダーバンの方が知名度が高いし存在感もあるのではないかと思う。

つぎに疑問なのが、新ブランドのブランド名だ。
シャツ専門のブランドなのに、なぜブランド名が「THE T.I.E」なのか?これではまるでネクタイブランドではないか。ネクタイをメインにしながらシャツも売るというならわかるが、このブランドはシャツブランドであり、ネクタイも扱うのかもしれないが、それはあくまで従属的だ。メインはシャツなのだから、もっとシャツとわかるブランド名にすべきではないか。

このあたりの組み立てははっきり言って、わけがわからないし、消費者だって理解しづらいだろう。

このことに疑問を先んじて呈していた記事がある。

https://note.mu/fukaji/n/nff7709a31acd?creator_urlname=fukaji

概ねその疑問には賛同である。

ただ、価格のことはちょっとだけ異論もある。

ツープライスとは競合するつもりがないのだと思う。ツープライスのシャツは2900円と3900円で、さすがにそこは競合とはしていないのだろうと思う。ただ、6300円という価格設定はどうなのかなあという点は同感である。

5000円の鎌倉シャツがあり、1300円高いというのは果たしてどうなのか、なかなか消費者には選んでもらえないのではないかと思う。
一部過剰に報道されているきらいがあるとはいえ、鎌倉シャツは5000円というリーズナブル価格だけでなく、自社縫製工場もあり、物作りの背景もしっかりと伝えられており、多くの消費者にも認知されている。その部分が付加価値となっている。

果たして、そういう付加価値をオンワード樫山が作れるのだろうか?というところが極めて疑問でしかない。
1300円高いということは、鎌倉シャツを越える付加価値を作る必要があるということで、それが容易く実現できるとは思えない。
かなり難しい作業になるが、オンワード樫山はそのことを理解していないのではないか。

オンワードお得意の百貨店を含む商業施設内への出店なら偶然通りがかったお客に見つけられて認知してもらえる可能性があるが、今回はECのみでの販売となる。
EC市場の成長率を見て、続々と参入しているが、ポっと出のブランドなんてネットで検索してくれる人はほとんどいない。ネットショップが何百万店とある中でどうしてわざわざ知名度も注目度もない新ブランドが検索してもらえると思うのだろうか。不思議でならない。

そのことを考慮しての「五大陸プロデュース」なのかもしれないが、残念ながら五大陸もそんなに注目されていないから、ネットで検索されることは極めて稀だろう。この1年で五大陸をネットで検索した人ってどれだけいますか?

となると、そこにたどり着く人はかなり少ないということになる。

ECはどれだけ人をネットで集められるかがカギとなるが、オンワードという名前でも五大陸という名前でもそれだけではほとんど効果がないことを知るべきである。
他方、ユニクロやジーユー、ZOZOTOWNなどはますますネットでの集客に力を入れて新たな機能を持たせている。EC草創期なら「単に開きましたよ。昔の大手ブランドですよ」というやり方でも良いが、すでに成熟期に差し掛かっていて、ネットでの戦略は極めて高度化している。その中に新規参入するということは、先行する大手と同等以上の大規模戦略が不可欠で、それがなければネットの海に埋没してしまうだけである。

おそらくはそれなりの対策は考えているのだろうとは思うが、これまでの大手アパレルの常識は一切通用しない世界だということを再認識して取り組まねば、確実に失敗に終わってしまう。

再度、組み立てから見直すことをお勧めしたい。

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「数字だけ」を見て失敗したアパレル経営者たちの事例
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EC化比率の高低だけで論じる愚

アパレル業界には「感覚派」の人が多いから、数字を踏まえずに「感覚」だけで物事を提案し決定していくというケースが多い。
アパレル業界にはコンサルタントもやたらめったらと数多く存在するが、アパレル業界出身者なので基本的にコンサルタント自体が「感覚派」であることが多い。

きちんとした数値に基づいて論ずるコンサルタントは数えるほどしかいないというのが、個人的な体感である。

経営者もコンサルタントも現場もみな「感覚」だけでワーワー言っているというのが、アパレル業界でよく見かける日常的風景である。

最近、ECへの注目が業界では異様に高い。
勝ち馬に乗りたがるというアパレル業界独特の性格も手伝って、わずかでも「好調」という噂を聞くと、雪崩を打ったように同一方向へ走るのがアパレル業界のこれまた日常的風景である。

そんな調子でよくも9兆円という市場規模を維持できていると感心するほかない。

それはさておき。

そんなわけで、EC、ネット通販への注目は過剰に高まっているが、それを論ずる際にも「感覚」のみの人がなんと多いことか。
アパレル業界、それを取り巻くメディアにも、「ユニクロはEC化比率が低いことが弱点だ」と本気で信じている人が多い。
驚きあきれるほかない。

先日、2016年度のEC売上高ランキングが発表されたから、それを見てみたい。

【2017年版】EC売上高ランキングまとめ――1位Amazon、2位ヨドバシ、3位千趣会

https://netshop.impress.co.jp/node/4751

である。

衣料品に絞って見てみると、上位30位の中に入っているのは、スタートトゥデイとユニクロ、丸井グループの3社のみである。
千趣会、ディノス・セシール、ニッセン、ジュピターショップチャンネル、QVCなんかは「総合」に分類されているが、衣料品の売上高も相当数あるので、「衣料品部門」と考えても良いかもしれないが、純然たる「衣料品」はわずか3社である。

スタートトゥデイは、いわゆるECモールなので、単独ブランドではない。
丸井グループも同様に単独ブランドではないし、衣料品以外も販売されている。

純然たる衣料品の単一ブランドでランクインしているのは、ユニクロのみである。

多ブランド化しているユナイテッドアローズやらアーバンリサーチやらも有名企業もランクインしていない。

そしてユニクロのEC売上高は421億円もある。
アパレル業界としては、EC売上高1位は今もユニクロなのである。

ユニクロはEC売上高だけでシップス全社の売上高の約1・5倍もあるということである。

この純然たる「金額」を無視して「EC化率」の高低のみでEC戦略を論ずることのなんと愚かしいことか。
先日から炎上騒動で賑わせているトウキョウベースは、EC化率が30%強あり、業界では「すごい」「優秀だ」と言われているが、EC売上高は30億円程度しかない。

この「絶対額」を無視して、「ユニクロはEC化率が低いから負け組で、トウキョウベースは勝ち組だ」などという論調が業界には公然とあるが、売上高420億円と30億円を同列に論じて比率だけで優劣を決めるのは果たして、的確な分析といえるだろうか。
商品単価がトウキョウベースの10分の1くらいのユニクロが、ECでは14倍も多く売っているということはどういうことか冷静に考えてみてはどうか。

すさまじい客数がユニクロのECを利用しているということになる。

ここを踏まえて議論をしないと間違った施策を行ってしまう。

このことに対して先日こんな記事も掲載され、他業界はやはりアパレル業界より数段進んでおり、数段論理的だと感心した。

メガネスーパーが「EC関与売上」をKPIに設定し、決算短信で公開した理由

https://netshop.impress.co.jp/node/4734

この中に、こういう一節がある。

一方で、消費者の買い物行動が実店舗や複数のECサイトといったチャネル横断型になるなど、「単純にEC化率の向上を追っていくことがナンセンスになってきた」(川添氏)ことも背景にあるという。

その「ナンセンス」なことを金科玉条のように振りかざしているのが、アパレル業界であり、周回遅れも甚だしい。

そして、その手の胡散臭いコンサルタントの食い物にされてしまうのである。
そういえば、先日、チラッと伺った小規模ブランドがあるが、そのブランドがこの時期になぜか楽天に注力をし始め、それがいわゆるコンサルっぽい人のサジェスチョンだと聞いて、ちょっと驚いてしまった。

楽天は凋落傾向にあり、現在それなりの売上高があるブランド以外、要するに売れてないブランドは撤退する事例が増えている。
産地の中にもオリジナル品を楽天に出店している企業も珍しくないが売れ行きが悪い企業は軒並み撤退を検討している。

そんな状況下でなぜ楽天への注力をコンサルが指示するのか、まったくわからない。
しかもそのブランドが楽天で売れているならまだしも、あまり売れていないのだから楽天にこだわる意味もない。

こういうコンサルが闊歩しているから気を付けなくてはならない。

もはや、「感覚」だけで乗り切れる時代ではなくなっており、感覚のみに頼る人も企業もブランドも生き残ることは難しくなる一方である。

NOTEを更新しました⇓
「原価率50%」商法はナンセンスでしかない
https://note.mu/minami_mitsuhiro/n/nf12f449b36a1

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