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細分化して「併存型」になったファッショントレンド ~消費動向の変化~ 

今回初めて、現代ビジネスというウェブメディアに寄稿させてもらった。

ヒットが出ない…!アパレル業界「トレンドの崩壊」はなぜ起きたか

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/56185

という記事で、この20年間の総まとめみたいな感じである。

48歳のオッサンになって、過去の業界やファッション消費の動向を振り返ると、現在と若い頃ではだいぶ違うような気がする。
これは誰でもがそう感じることなのだろうが、オッサンの単純な思い込みだけではないと思いたい。

例えば、2005~2007年まで、レディースではブーツカットパンツが大ブームだったが、2008年にスキニーパンツがブームになると、2010年頃にはブーツカットパンツを穿いた女性の姿はほとんど消えた。(一部の愛好家を除いて)

ところが、2015年にワイドシルエットのガウチョパンツがブームになってもいまだにスキニーパンツは消えない。
ユニクロやジーユーも主力商品の1つとして扱っている。

街行く人を見ていても相当数、スキニーパンツを着用している。
消費動向からすると、ワイドパンツとスキニーパンツを一人の消費者が併用しているような感じである。

これには理由はさまざまあるのだろうと思う。
思いつくままに挙げさせていただく。

1、社会の成熟化
2、所得の減少または伸び悩み
3、娯楽・趣味の選択肢が増え、ファッションという娯楽の優先順が下がった
4、過去のトレンドがそれぞれファッションジャンルとして定着した

2018年の現在から20年前というと、98年頃である。
まだ股上の深いパンツを穿いていた。パンツが一様にローライズになる直前である。

しかし、股上の深い・浅いは別にして、全体的な服装のテイストや髪型は現在とさほど変わっていない。
微妙な差異は当然あるものの、大きくは変わっていないと感じる。
40代の方なら20年前なんて昨日のことのように覚えているのではないだろうか。
現在の生活様式や服装、髪型とそれほど変わっていないことに気が付くのではないかと思う。

しかし、90年代にその20年前である70年代を振り返ると、そこ最早異世界である。
90年代にあんな重たいモッサリした長髪の男はいなかったし、あんなベルボトムのズボンを穿いた人もいない。
あんなヒッピーみたいな服装の男女もいない。

もちろん90年代には空前のキムタクブームでロン毛の男は山ほどいたが、もっと軽るめにカットされたサラサラのロン毛だった。
あんな、散髪をに行くのを2年間さぼったような重たいロン毛はいない。

70年代から90年代までの毎年と言っていいほどの目まぐるしいトレンド変化は、90年代以降はそこまで起きていないということがわかる。
もちろん、記事中に書いたようにそれでも90年代から2005年までというのは意外にアパレル業界にとっては、やりやすかった時代で、それでもほぼ毎年大ヒット商品が生まれていた。

2008年のスキニー登場以降、トレンドはほとんど変わらなくなった。

その一方で、「トレンド消費がスマホの登場で目まぐるしくなった」という意見もある。

それは個々のアイテムの人気が持続している期間が短くなったことを指しているのだろうと思う。
例えば、2015年にジーユーが100万本売ったガウチョパンツだが、今ではアンクル丈ワイドパンツに名前が変わっている。
その一方で、天神橋筋商店街のバッタ屋に飛び込んでくる大阪のオバハンは「ガウチョパンツ欲しいねん」というほど、ガウチョという名称を連呼している。

3年後には大阪のオバハンまでがガウチョを愛用するにようになっているのである。

人気ファッションブロガーのMB氏のブログで、つい先日まで大人気だったスニーカー、アディダスのスタンスミスの着用者が急速に減り、代わって田舎のオバハンがスタンスミスを着用するようになったことが触れられている。
ガウチョもこれと同じといえる。

スタンスミスの前はニューバランスのスニーカーが大人気だったが、その人気は短期間で終息した。

しかし、現在もニューバランスの着用者は普通にいるし、一時期に比べてスタンスミスの着用者は減ったものの普通にいる。

「うわ、まだニューバランス履いてるの?ダサ」とか「まだスタンスミスで消耗しているの?プゲラ」とかそういう雰囲気ではない。
普通の定番スニーカーとして少なからず着用者がいる。

ここが、オッサン世代が見てきた70年代~90年代までのトレンド変化と、現在が大きく異なっている点だと思う。

天神橋筋商店街のオバハンがガウチョを穿いてたって、若いおねえちゃんもアンクル丈ワイドパンツという名のガウチョパンツを穿いている。
田舎のオバハンと都心のファッション好きの若い衆が共通してスタンスミスを履いているのと同じである。

この辺りが社会の成熟化といえるのではないかと思う。
また、各ファッションジャンルの定着化といえるのではないかと思う。

それに加えて、所得の伸び悩みまたは減少も大きく、2000年頃までの「トレンドアイテム総入れ替え」体制だと、人気アイテムに合わせてトップスや靴、アウター類まですべて買いなおさなければならなくなる。

エディスリマンのピチピチシルエットが流行って、それに一斉に変わってしまえば、それまでのバブル期のダボダボの服はすべて捨ててしまわなくてはならない。
今は、そんなもったいないことはできないということだろう。

だから5年前に買ったスキニーパンツと、去年買ったワイドパンツを併用するのだろう。
それぞれに合わせるトップスも異なるから、スキニーに合わせるのは以前に買ったトップスで、ワイドパンツに合わせるトップスを何枚か今年買い足すという消費動向になる。

現在、ワイドパンツにワイドなトップスがトレンド最先端だが、このジャンルもトレンドが去った後も消滅することはないと思うし、このトレンドは意外に長く続くのではないかと思う。

MB氏がブログで触れているように、ワイドシルエットの上下は「試着なし」で買うことが可能だからだ。
そしてネット通販が定着すればするほど「試着なし」で買って失敗する可能性が少ないワイドシルエットの服は重宝されるということだ。
アパレル各社がネット通販に力を入れれば入れるほど、ワイドシルエットの服の寿命は長くなると見た方が良いだろう。

その一方で、スキニーも今後も消滅することはないだろう。
なぜなら、カッコよく見える着こなしには3つのシルエットがあるからだ。

1、Aライン(トップスがタイトでパンツがワイド)
2、Iライン(トップスもタイト・パンツもタイト)
3、VラインまたはYライン(トップスがワイドでパンツがタイト)

3シルエット中の2つまでがタイトなパンツであるから、確率論的に言えば、タイトなパンツを買っていれば間違いが少ないということになる。そしてそのタイトなパンツの代表例がスキニーといえるから、こちらも消滅することはなく、むしろマスアイテムとして生き続けるのではないかと思う。

当方より上の年代層のアパレル企業幹部が「2000年ごろまでの総取り換え」の消費動向を理想として思い描いているとしたら、それはあまりにも時代遅れだといえる。そんな時代はもう二度とやってこない。今後は、各ジャンルのファッションが共存並立する時代である。その消費動向に向けた商品開発や販売方法を模索できないアパレル企業やブランドは消え去るのみになるだろう。

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天神橋筋商店街のオバハンまでもが愛用しているガウチョパンツをどうぞ

合繊メンズカジュアルスーツはマス層に広がる可能性が高いお買い得商品

先日、あるメーカーの役員を交えた会合に出席したので、50歳手前のオッサンがTシャツ1枚というのもさすがに憚れたので、先日、ジーユーで買ったスーパーストレッチドライスーツのオリーブグリーンの上下を着てみた。

暑いのが苦手なので、もちろん、上着は冷房の効いた部屋のみの着用である。
夏に上着を着ることが信じられない。

以前にも書いたが、これはジャケットの定価4990円(税抜き)、パンツ2490円(同)だが、期間限定値下げでジャケット3490円(同)、パンツ1990円(同)になったのをさらに100円割引クーポンを使って、5810円(税込み)で購入したものである。

ナイロン86%・ポリウレタン14%の平織り生地で作られている。

その画像をインスタグラムに上げて、翌日に某生地問屋の展示会に行くと、マッハの速さで即日にチェックしていた男性社員さんに「昨日、ジーユーの上下をアップしていましたね」と言われてしまった。
何これ?怖い。汗

で、ついでに話していると、その社員さんもスーツは着用するものの、ここ何年間か、とくに夏場はこの手のイージーケアスーツを着用しているそうで、その日もジャーナルスタンダードのポリエステル100%のスーツを着用しておられた。
定価は18000円くらいだったそうだ。

ジーユーの商品との違いは、価格差以外にも生地にあり、ジーユーは平織り、こちらは綾織りであり、こちらの方がシワになりにくい。さらに軽くシワ加工が施してあるので余計にシワは目立ちにくい。
ジーユーのはシワ加工のない平織りなのでシワになりやすい。実際にオンライン購入したが、そのときにすでに畳みジワができていた。
まあ、カジュアルな見え方なのでシワが入っていてもあまり気にはならないが、その部分に価格差が現れているような気がした。

ついでに気になって、ジャーナルスタンダードのオンライン通販を覗いたところ、東レの「プライムフレックス」という機能性素材を使用した2ボタンセットアップがなんと、40%オフの9020円(税込み)にまで下がっていた。定価は15120円である。

https://baycrews.jp/item/detail/journalstandard/jacket/18010600805010?q_sclrcd=036

で、何が言いたいのかというと、この手の機能性素材、リラックス素材を使用したメンズのスーツは今後さらに需要を伸ばすのではないかということである。

正確にいうと3年くらい前からジャーナルスタンダードのような大手セレクトショップで発売され始めたが、現在のところ、完全なるマス層にまで広がっているとは言いにくい。
ピラミッドの一番下の「マス層」にはまだ認知されていない状態だといえる。

マス層はトレンド追随も遅く、また所得も低い場合が多い。

しかし、この手の機能性素材のスーツは、認知さえされれば「マス層」に爆発的に受け入れられる可能性が高いのではないか。

当然、「スーツはウール生地、またはウール混生地」というこだわりを持った層が根強いことは承知しているが、そういう「こだわり」は快適さ・便利さ・安さの前にはニッチ市場でしかありえないと見ている。

断っておくと、ウールスーツが滅びれば良いとは考えていないが、今後の需要は圧倒的にあちらに流れる可能性が高いと考えている。

この手の機能性素材スーツはジーユーが最安値で、次がユニクロの感動ジャケット+感動パンツだと見ている。
その上にジャーナルスタンダードなどの大手セレクトショップの商品が位置する。

その商品群のメリットを考えてみよう。

1、イージーケア性が高い
2、ストレッチ性や速乾性があり快適である
3、価格が安い
4、保管が楽
5、カジュアルにも使える

である。

1と4は重複している部分もあるので同時に見てみる。

ポリエステルやナイロンを主体としているため、家庭洗濯が可能で、夏シーズンが終わって保管する場合も雑に保管しても虫に食われる心配がない。
ウール生地やウール混生地の風合いの良さやなんとも言えない表面感の良さは理解しているが、保管に失敗するとたちどころに虫に食われて穴が開いてしまう。
数千円で買った物ならあきらめもできるが、5万円以上で買った物だとショックの大きさが半端ではない。

また合繊主体なのでシワになりにくい。このため畳んで収納しておくことも可能で、保管に場所を取らないと同時に出張などの移動の際でも持ち運びが楽である。

2も合繊主体の生地だからこその特色である。
ストレッチ性があり、速乾性がある。汗で濡れてもすぐに乾く。
もちろん、綿やウールなどの天然繊維愛好者には評判はあまり良くないが、合繊が気にならない人は着用感に抵抗はないだろう。

そしてマスに広がる要素として最も重要な点が3の価格が安いということである。

どの道でも愛好家とか数寄者というのはほとんど変態だから、変態は愛好する物に金に糸目は付けないし、その人口は少ない。
ウールの高級スーツを愛好する人は所得の面から考えても人口は少ない。

貧困層が背伸びをして35万円のオーダースーツを買う必要なんてさらさらない。
もっとも35万円のオーダースーツが破格に高いとは全く思わない。副総理がそれを着ているからと言って叩く奴の気が知れない。

とはいえ、普通の所得者からするとぜいたく品だし、高いから頑丈ではなく、その逆で非常にデリケートで着用にも気を使うし、保管も雑にはできない。ワーキングユニホームのようにスーツを着る層からすると、非常にコスパの悪い商品であり所有することをお勧めはできない。

しかし、機能性スーツなら価格も安く合繊主体なので頑丈だ。

ジーユーで上下合わせて定価は7000円くらい、ユニクロの感動ジャケット+感動パンツは定価で9000円くらいである。
そしてジャーナルスタンダードで15120円だし、ユナイテッドアローズやビームスでも1万円台から2万円台で売られている。

ドゥクラッセで14000円くらいだ。

圧倒的に価格が安く、これなら普通に働いている人ならだれでも1着か2着買える。
しかもカジュアルブランドと違って、ロゴマークやロゴプリントが付いているわけではないから、ジーユーやユニクロを着ていてもほとんどバレない。

青山やAOKI、はるやま、コナカに行かずとも有名なセレクトショップでも1万円前後で買えてしまう。

青山などにもストレッチ混やウォッシャブルのビジネススーツはあるが、カジュアルシーンには使いにくい。

あくまでも見え方はビジネス用だ。
しかし、ジーユーを最下層とするセットアップはカジュアルにも使える見え方であるから、こちらの方が利用頻度が高くなり、コスパが高い。

認知さえ高まればマス層のサラリーマンは飛びつくことが予想される。
一方、青山やAOKIなどの大手スーツ専門店は、夏の客をセレクトショップやSPAカジュアルブランドに取られる可能性もある。

50歳手前のオッサンたる我が身からすれば、この手の楽チンな商品がもっと広がって欲しいと思うが、さてさて、どのブランドがどのように市場を占有するのか興味を持って見守りたいと思う。

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ファッショントレンド陰謀論は論理破綻していると思う

一部からは「トレンド不要論」「トレンド陰謀論」があるが、2018年の現在にどうしてこれを唱える必要があるのか甚だ理解に苦しむ。

2010年以降は本当にファッショントレンドの変化が緩やかになるとともに、多様化が定着してきた。
例えばズボンの形を見ると、2008年から超細身のスキニーパンツが流行した。その反動が2015年の極太シルエットのガウチョパンツブームといえる。
現在はガウチョパンツ人気から派生したワイドパンツ着用者をけっこう見かける。

これが2000年前半までの日本なら、スキニーパンツ着用者は絶滅してしまうのだが、2018年現在でもスキニーパンツ着用者はそれなりに見かける。しかもそれが「ダサい」と言われることなく、普通に街を闊歩している。

なんなら、同じ人が月曜日はワイドパンツを穿き、火曜日にはスキニーパンツを穿くというようなライフスタイルになっている。

トップスもそれまでの超タイトシルエットからゆったりシルエットが増えたが、それでもタイトシルエットトップスが絶滅したわけではない。日によって、気分によって着用し分けているというのがリアルな生活者のスタイルである。

ファッションジャンルも多岐に渡って細分化されていて、それぞれがそういうジャンルとして認められている。

アメカジ、ミリタリー、スポーツ、モード、セクシー系、ワーク系、ナチュラル系などなどだ。

80年代のようにDCブランド一辺倒とか、90年代半ばのようにビンテージジーンズ一辺倒なんていう偏りはない。

80年代や90年代、2000年前半に比べて2018年はファッションに関しては格段に暮らしやすくなっているといえる。
トレンドの変化が激しく、トレンド一辺倒だったころに「トレンド追随の愚」を説くのなら理解できるが、今、この状況でそれを唱える意味がわからない。

ファッショントレンド自体は、ローマ時代からあるし、我が国の衣服だって時代とともに流行り廃りがあって今に至っている。
平安時代と室町時代と江戸時代でそれぞれ服装が異なっているのはそのためだ。

トレンド不要論は、現在のトレンドが人為的に作り出されているという点に立脚していることに特徴がある。
トレンドを作り出しているのは、ラグジュアリーブランドであり、グローバルブランドであり、素材メーカーであり、国内アパレルブランドだといういわば「陰謀論」だといえる。

しかし、これにも疑問があって、世界的人気ブランドといえども全世界で満遍なく売れているわけではなく、各国の気質も違うので売れ行きには差がある。
例えば、ZARAだが、最近ようやく上昇基調になったとはいえ、アメリカでは進出してから20年間苦戦し続けてきた。
店舗数もいまだに100店舗もない。

フォーエバー21は、日本に上陸した当初は華々しかったが、そこから停滞しており、店舗数も20店舗に達したが、そこから徐々に減っている。

ヴェルサーチが一度日本から撤退したこともある。

ファッショントレンドはもちろんブランド側が仕掛ける場合も数多くあるが、その仕掛けが成功しないことも数多くある。
その一方で、やっぱり着こなしにはそれなりのトレンドがいつの間にか生まれることもある。

2010年ごろまでは上下ともにピタピタの細身シルエットだったが、やっぱり長年そればかり着ていると飽きてくるから、2015年ごろからはビッグシルエットやルーズシルエットを支持する人が増えた。
かといって、昔のようにビッグシルエット一辺倒にならないのが今の我が国の消費者心理なのだが。

今では冬の定番となったビジネススーツのインナーにダウンベストを着るという着こなしだが、あれはもちろん業界が仕掛けた側面も強いが、試してみて不具合があれば支持されない。具合が良ければ支持される。

多くの人が試してみて具合が良いと感じたのだろう、今ではサラリーマンのおっちゃんの多くが、ジャケットの下に薄手のダウンベストを着ている。

ところが、それが定着すると「あれはサラリーマンみたいでダサい」という声が挙がり、ジャケットの下に薄手ダウンベストを着用することを避けるファッション好きも現れてくる。

定着と揺り戻しの繰り返しがファッショントレンドだといえる。

ビッグシルエット着用者が増えると、今春夏はブラウスの前だけをタックインして後ろを垂らしているという着こなしが流行している。

https://arine.jp/articles/8799

理由はいろいろと考えられる。

1、キメ過ぎないさりげなさを演出している

2、ビッグシルエットをインせずに着ると、単に太っている人に見えやすいから、「ウエストはくびれていますよ」ということをアピールしている

3、ダラっと長く見えてしまうから前だけをタックインすることでバランスを取って、さらに足を長く見せるために腰の位置をアピールしている

などなどだ。

ファッション雑誌がレクチャーしているとはいえ、やってみて不具合を感じたらだれも継続しないが、それなりに具合が良いと感じる人が多いから継続されているといえる。

こんなふうに企業や業界の仕掛けと消費者の評価が合致すればトレンドはマス化するし、合致しなければ即座に終わってしまう。
トレンドなんてそんなもんである。

ブランドが人為的にファッショントレンドを作り上げ、人為的にマス化させることが仮にできるとするなら、どうして各国と我が国のアパレル企業はこれほどに業績を悪化させているのか。
そこまでの全能さがあれば、業績は少なくとも悪化しないはずだ。トレンドを自在に引き起こしてその商品を大衆に売りつけるのだから業績が良くなることはあっても悪くなることはないはずだ。

ところが現実は逆で、多くのアパレル企業の業績は悪化している。

安倍政権になってから我が国は株価が伸びている。
これを指して「政府だから株価を操作できる」という陰謀論を唱える者がいるが、ならどうして、民主党は政権時に株価を操作して上げなかったのかということになる。仮に操作できるのにしなかったとしたらよほどのバカがそろっていたということになる。

政治にしろ、経済にしろ、歴史にしろ過度な「陰謀論」はフィクションとしては面白いが現実的ではない。
トレンド陰謀論もこの類だといえる。

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「フィット感」だけで洋服の価値は計れない ~現時点では精度が低く見える自己採寸システム~

洋服とかファッションの価値というのはわかりにくい。
いくつもの価値が重なっているからだ。

当方にもわからない。
その中から自分の好みの価値をいくつか抽出してそれを評価しているに過ぎない。

わかりにくいから大衆にアピールする際には一つか二つの事柄をフォーカスする方が効果的だと思う。
当方はまったく評価していないが、「郵政民営化」という一つの事柄だけで選挙に勝ってしまった小泉純一郎のように。

ZOZOTOWNは「サイズ感」「フィット感」という事柄にのみフォーカスして価値をアピールした。
それを評価している人も多くおり、当方もそのアピール手腕は高く評価する。

その象徴的なのが採寸スーツ「ゾゾスーツ」の発表である。
これによって自分のサイズが手軽に測定でき(実際は5分以上かかるようだが)、そのサイズを元に洋服が買えたり、自社企画ブランド「ゾゾ」はオーダーによってピッタリサイズの商品が送られてくる、というのが最大の売りとなった。

旧ゾゾスーツの破棄とともに新ゾゾスーツが発表されると同時に続々と到着の知らせがSNSにアップされるようになったということは、新ゾゾスーツの発表までスタートトゥデイは発送を意図的に遅らせていたのではないかとさえ感じる。

ところが、当方の目にする限りにおいては、新ゾゾスーツでの計測を元にして送られてきて「ゾゾ」商品のサイズが明らかに大きいことという事例が多発しているように見える。

例えば

ZOZOからTシャツとデニムが届きました・・・試着テスト
https://ameblo.jp/takukawai/entry-12375339847.html

本当にウエストのユルユルは気になります。
究極のフィットといっても、まあ、店頭で試着する以上には決してならないなと。

ウエストブカブカ。。。ちょっとだけ残念でした

とある。
これだと一体何のための採寸なのかと思ってしまう。

もう一つはこちらだ。
書き手はゾゾに好意的にまとめているのだろうけど、画像を見る限り明らかにサイズよりも大きい。

【レビュー】ZOZOスーツで計測しデニムを注文してみた
https://www.buzzfeed.com/jp/hiroshiishii/zozosuit?utm_term=.woEZaEEex8&ref=mobile_share#.hdVXr11G6P

Tシャツのサイズは多少大きいものの、

え?多少大きいもののって意味がわからない。
多少大きいで許されるなら「ミリ単位の精度」なんてクソみたいなキャッチフレーズは取り下げろよって話だ。

 

 

このTシャツのどこに「究極のフィット感」とやらがあるのだろうか。

もちろん、システムがスタートした当初だから上手く行っていないということは考えられるし、そういうことは普通に発生する。
今後、ゾゾの精度も向上するのだろうと思う。
が、逆にいうと、自動採寸システムとそれに連動したサイズオーダーシステムというのはこの程度のレベルでしかないということだ。

いずれはさらに精度が向上するだろうが、現状では店頭で試着すること以上の精度は実現できていない。

ところで、洋服におけるフィット感ってそれほど重要だろうか。

当方は腕が短いので、袖丈の長さは気になる。
袖が長い服はあまり好きではない。だからZARAの服はほとんど買わない。

袖の長さはオーダーシステムがあれば良いと常々から思っている。
ユニクロのメンズだとMサイズがピッタリでLサイズだと袖が2~3センチ長い。
ジーユーも同じだ。

じゃあそれ以外の部分でいうと、例えば「身幅」。
これはピタっとしたタイトなシルエットでも、ダボっとしたビッグシルエットでもどちらもありだ。
それこそ着る人の気分や、他のアイテムとのバランスで決める。
ワイドパンツを穿いたなら、なるべくトップスはタイトシルエットの方がバランスが良い。
スキニーパンツなら、トップスはタイトでもビッグでもどちらも合う。
しかし、その上からジャケットなりブルゾンを着るなら、そのジャケットやブルゾンのシルエットに合わせないと着づらい。
タイトなジャケットやブルゾンを羽織るのにインナーのセーターやTシャツがビッグなら着づらい。

結局、洋服なんてそれ単品での良し悪しはもちろんあるが、組み合わせる他の洋服や着る人の顔立ち・骨格でどうとでも左右されてしまうというのが実態である。

例えば、手持ちのTシャツでいうと、

昨年夏、ユニクロが発売したビッグシルエットVネックTシャツと、無印良品の太番手天竺ボーダー柄Tシャツを比べてみよう。
ユニクロのはゆったりとしたシルエットで、無印良品のはタイトなシルエットであり、両方ともMサイズである。

 

これはどちらが正解でどちらが間違っているということはない。
両方ともコーディネイトに応じて使い分けるだけの話だ。

じゃあ、「究極のフィット感」なんて言い出した場合、このビッグシルエットVネックTシャツはどうなるのだろうか?

究極のフィット感なんて追求すれば行き着く先はキュウレンジャーでしかない。

 

ワイドパンツとかどうするの?ってことになる。

そして、ビッグシルエットでいうと、身幅が広くなっても着丈は長くなっていない。
ビッグTシャツとボーダーTシャツを重ねてみると、身幅が左右に2センチずつくらい大きくなっているだけなのがわかる。
着丈は両方ともほとんど同じだ。

 

要するに、ビッグシルエットTシャツは身幅を3~4センチ広くして、着丈はそれに比例させずに据え置きにしているということになる。

結局、洋服を企画するというのは各部位のバランスをどうするかということになる。
身幅に比例して着丈を長くすれば、オバハン向けのチュニックみたいなTシャツが出来上がる。

ゾゾとその信奉者はやたらと「フィット感」をブチ上げているが、実際に現時点ではその「フィット感」は実現されていないし、そもそも「フィット感」ってどこまでフィットさせるのかということになる。

キュウレンジャーみたいなシルエットを一律に作りたいのだろうか?

フィット感もたしかに重要だが、それだとワイドシルエットやビッグシルエットは要らないのかということになる。

洋服を企画する、デザインするということの作業の一つには、サイズを大きくする小さくすることよりも、それによって各部位のバランスをどう整えるのかということが重要になると当方は思っている。
ビッグシルエットTシャツを企画してオバハン向けチュニックみたいな着丈の長いTシャツを作るのか?ということである。

ユニクロはさすがにそのバランスは考えていると感じる。だから着丈は従来のTシャツのまま据え置いている。

「究極のフィット感」だとか「ミリ単位の精度」だとかは所詮はキャッチフレーズに過ぎず、洋服やファッションに求められている事象ではない。
各部位のバランスだとかコーディネイトだとか、その部分の方が重要になり、少々のサイズ違いならコーディネイトで誤魔化すことだってできるのである。

そのあたりを考えないと、せっかく開発したテクノロジーや構想がひどく薄っぺらなもので終わってしまうことになってしまう。

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原料と直結した数少ないアパレル製品の一つがジーンズ ~エドウインはどうなる?~
https://note.mu/minami_mitsuhiro/n/n96317a6e146f

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終わってしまったけど、キュウレンジャーをどうぞ

お手頃価格でみんながファッションを楽しめるならそれが最高だろ

金曜日にユニクロとJWアンダーソンコラボの2018夏物が発売された。
メンズのアシンメトリーボーダー柄Tシャツは意外に生地が分厚く、原材料費にカネかかってんなあという感想だ。
あと、スタンドカラーのロング丈シャツは値下がりしたら買いたいと思った。

せっかくなので、390円のボーダー柄靴下を2足買った。

試しに買ったユニクロアンダーソンのボーダー柄靴下

全部で6色くらいあったが、黄色のボーダーとマルチカラーのボーダーを選んだ。

まだ試し履きしていないのでレビューはまたの機会にしたい。
靴下というのは意外にコーディネイトでも重要になる。
特に、ズボン丈が短めな近年は、靴下が目立ちやすい。
これが2005年頃の裾を引きずるようなブーツカットブームの時なら靴下なんてコーディネイトに必要なかった。
なぜなら靴を脱いで座敷にでも上がらない限り、靴下なんて見えないからだ。

しかし、今はズボン丈が短めだから靴下は常に見えている。
それゆえに、靴下がコーディネイトの要となることが増えた。
極力目立たない黒無地や紺無地にするもよし、派手な色柄でアクセントにするもよしだ。

何色かあったがこの2色を選んだ理由は、赤のボーダーは今春に無印良品で200円に値下がりした靴下を買っていたからだ。
無印では200円に値下がりした赤ボーダーとグリーボーダーを1足ずつ買った。

200円に値下がりして買った無印良品のボーダー柄靴下

 

こちらはすでに履いているが、履き心地は極めて良い。綿素材で薄すぎず分厚すぎずである。

通常値下がりした靴下は安物臭い生地が多いが、これが200円に値下がりしているのがすごいと思う。

また、ユニクロアンダーソンのボーダー靴下も390円でこの配色の商品が買えるのがすごいと思う。

現代は、「安くて見映えの良い商品」で溢れていると思う。
自分が若い頃の25年くらい前を考えるとなんとも消費者の立場とすれば羨ましい時代だといえる。

ところが、衣料品業界には「低価格衣料品の出現は許せない」と息巻く既得権益者が数多くいる。
この手の人間は幅広い年代にいるのだが、中でも中高年のこの論者はこれまでさんざん高い服で儲けてきた既得権益者である場合がほとんどだ。
反対に年若いこの論者は、単なるイシキタカイ系か、自分のブランドが売れないことへの八つ当たりをしているか、のどちらかといえる。

まあ、たかが服なんで、だれもがそれぞれ自由な意見を持っていれば良いと思うのだが、個人的には「見映えの良い低価格品」が出るのは自然の流れであるとともに、それなりに好ましいことだと思っている。

理由は誰もがファッション品に手を出しやすくなるし、誰もが安値でファッションを楽しめるからだ。

先日、ユニクロとコラボをするジョナサン・アンダーソン(JWアンダーソン)氏のインタビューが各媒体に掲載された。
一番まともな感じのインタビューを掲載したのが繊研新聞だと思う。

ジョナサン・アンダーソンに聞く、ユニクロと組む理由
https://senken.co.jp/posts/uniqlo-jwanderson-interview-180412

この中でアンダーソン氏は低価格衣料品についてこう語っている。

ユニクロとの協業は、グローバルなプロジェクトということもあるけれど、何より僕自身がファッションの民主化の流れを信じているから。自分のブランドは小さいけれど、とても高い商品もある。でも本来、服は排他的なものではなくて、誰でも手にできる包括的な存在であるべき。

とのことでこの意見には個人的に賛成する。

そもそも、これまでのファッションは「選民思想」に近いもので覆われていた。
バカ高くて、よくわからないロジックのブランドの服をありがたがって着ている人たちだけがファッションエリートで、それを買わない・買えない大衆はダサいという一種の選民思想だ。
しかし、笑えることにこのファッションエリート(笑)たちの多くは、自分の食費や生活費を切り詰めてまでそういうブランドの服を買っていたのである。
ところが、ダサい大衆の方が、衣以外の生活は豊かだったりするのだから笑わせてくれる。

外野にいるオッサンたる自分としてはそれがすごくカッコイイとは25年前から到底思えなかった。
けれども当時は「ファッション業界ってそういうところだよね。だから嫌い」というあきらめもあった。

それよりも、食費や他の雑費もそこそこに支出して、その残った範囲内で見映えのする服を買えることの方が豊かな暮らしではないのかとずっと思ってきたし、今もそう思っている。

例えばユニクロアンダーソンやユニクロUなんていうのは、誰しもが買いやすい値段で、しかも品質・見映えともに悪くない。
そりゃ、中には「なんだこりゃ?」という色柄の商品もあるが、そんなのは他社ブランドだって同じである。
こちらの好みに合う物もあれば合わない物もある。当たり前の話だ。

それから、素人へのファッション指南で人気を博しているMB氏がしまむらグループのアベイルとコラボ商品を発売したがその際、ブログでこんな意見を述べておられる。

アウターが1980円!?MBとアベイルが奇跡のコラボレーション!!

私は「おしゃれを手が届かないもの」にしたくありません。
「誰でもいつでもどこでも、法則さえ知れば自由に楽しめる」のがおしゃれです。
生まれ持った感覚もセンスも必要ない、
お金も時間も必要ない、
おしゃれは今までファッション雑誌やアパレルの世界で長く語られてきたような閉鎖的で限定的なものでは決してありません。知れば誰もが簡単に楽しむことができるものです。

そしてお金も感度も必要ないからこそ、もっと多くの人にこのファッションの楽しさを知ってもらいたい。

とのことで、アーバンリサーチやアダム・エ・ロペなどの有名セレクトショップとコラボをさまざましているにもかかわらず、アベイルなんていう低価格チェーン店とMB氏がコラボをする理由だ。

先ほどのアンダーソン氏とほぼ同じと言える。

この10年間ほど見てきて、「安物の服は許せない~」という人の多くは既得権益者である場合が多く、特に中高年層はほとんどが既得権益者である。その既得権益が破壊されているからなおさら声高に叫んでいるに過ぎないと当方は見ており、その声に耳を傾ける価値はないと思っている。

ユニクロUやアンダーソンコラボを見て「ファッションを殺す気か」と叫んだ年配の方がおられたが、そんなことでファッションは殺されなくて、殺されるのはご自分たちの既得権益に過ぎない。実にくだらない。

ときどき、アフリカのオシャレな人集団「サプール」が話題になるが、オシャレな人を特別視するほどにアフリカは貧しくてファッション衣料品が出回っていないともいえるのではないか。反対に日本や欧米で低価格トレンドブランドが生まれ、多くの人がオシャレを楽しんでいるのは、それだけ社会全体が豊かだともいえる。

今後、ますますファッションの垣根は低くなっていき、そのうちにこれまであったような特殊でクソみたいな「選民思想」は雲散霧消してしまうものだと期待している。

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心斎橋筋商店街がドラッグストア街に変貌した理由とこれまでの変遷の推移
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JWアンダーソンの本体ラインはこんな感じだよ~

三陽商会のサイトがスニーカービズのアンバランスさを教えてくれている

以前からスニーカービズのことをダサいと書いているが、スーツにスニーカーというコーディネイト全般を指しているわけではない。

カジュアルにスーツを着るならスニーカーとの組み合わせはありだ。
ダサいのは、ワイシャツ・ネクタイまでそろえたビジネススタイルにスーツを合わせることがダサいのである。

とはいえ、ビジネススタイルでも足が疲れるような革靴、とりわけ革底の革靴を履きたくないという男性も多いだろうし、その部分には当方も非常に共感する。

解決方法は何度も書いているように、スニーカーに匹敵するようなソールにクッション性のある革靴を選べば良いだけのことである。
先日も書いたようにムーンスターのワールドマーチシリーズやアシックス商事のテクシーリュクスなんていうのはその好例といえる。

こういう優れものがあるにもかかわらず、ナイキやアディダス、ニューバランスなどのスポーツスニーカーを頑なに勧めようとしている百貨店やアパレル企業はちょっと頭がおかしいのではないかと思う。

ワイシャツ・ネクタイにスニーカーは私服警官や万引き防止Gメンにしか見えないと何度か書いたが言葉だけで説明するのは難しい。

そんなわけでパラパラと見て回ると、三陽商会のウェブサイトにビジネススタイルにスニーカーを履いた画像と、カジュアルスーツにスニーカーを履いた画像の両方が掲載されていた。
これは一目瞭然だから、ご紹介したい。

http://www.sanyo-shokai.co.jp/company/news/2018/02/09.html

興味のある方はこのサイトにジャンプしてもらいたい。
めんどくさいという方のために、ちょっと画像をお借りする。

まず、この画像である。

左がカジュアルスーツでのスニーカーで、右がビジネススタイルにスニーカーである。

三陽商会のサイトから

何度もいうように左のスニーカースタイルはこれでまったく問題ない。
スーツをカジュアルダウンしたコーディネイトのお手本といえる。

一方、右のワイシャツ・ネクタイにスニーカーのスタイルだが、いくら容姿端麗な外人モデルがポーズを付けて誤魔化しても誤魔化きれない。
張り込み中の刑事が腕組みして考えているようにしか見えない。

容姿端麗な外人モデルだからこの程度のダサさで済んでいるが、そこらへんの禿デブ短足のオッサンならもっとひどいことになっているだろう。まさに私服警官が万引きGメンだろう。

ダークスーツにガッチリとしたフォルムの白いスニーカーがもうイケない。
おまけにワイシャツとネクタイがビジネス感を醸し出しており、アンバランスなことこの上ない。

一方、Tシャツ+スーツだとスニーカーはそこまで違和感がない。

この2枚目もそうだ。
スーツにTシャツを合わせた左はスニーカーでも違和感はない。
一方、右はやっぱり白いスニーカーが浮いている。

三陽商会のサイトから

ワイシャツとネクタイのスタイルがどうにもスニーカーとは合わない。
これをどうしてごり押ししようとするのか理解できないし、仮にも「ファッション」を自認する人たちがこれを良いと思って提案しているのだろうか。

女性でも同じだ。

ツイッターで流れてきた東京都心の百貨店に貼られていたレディースのスニーカービズのポスターだそうだが、これはどう見ても万引き防止Gメンか家庭訪問に行くおばちゃん教師といった風情でしかない。

家庭訪問中のおばちゃん教師スタイル

これを「かっこいい」「素敵」と思う女性がどれほどいるのだろうか。
提案した百貨店の人はこれが「良い」と本当に思っているのだろうか。

メンズの場合、テクシーリュクスやワールドマーチのようなスニーカー機能のある革靴は実はたくさんあるが、あまり知られていない。
だからメンズの場合、スニーカー=ナイキやアディダスという構図になってしまうことも理解はできるが、レディースの場合、さまざまなスニーカー機能のあるパンプスがあるし、メンズよりもビジネススタイルは自由度が高い。

なぜ、わざわざメンズと同様のダサいスタイルを売り出そうとするのか理解に苦しむ。

家庭訪問時のおばちゃん教師スタイルにあこがれる女性がどれほどいると思っているのだろうか。
だから百貨店も大手アパレルも消費者に見限られているのではないのか。

スーツ+スニーカーの着こなしは、あくまでもスーツをカジュアルに着る際のコーディネイトで、これによってスーツは「必ずしもビジネのみでの着用とは限らない」という利用法ができたといえる。
ワイシャツ+ネクタイ(特にシルクの布帛ネクタイ)はその組み合わせ自体がビジネスもしくはフォーマルなので、スニーカーとはミスマッチとなる。
一方、Tシャツ+スーツだと、Tシャツがすでにカジュアルアイテムなので足元がカジュアルなスニーカーでもバランスが崩れない。

Tシャツ+スーツだと3点のアイテムのうち、Tシャツがカジュアルでジャケットとパンツがビジネスということになる。
ここにスニーカーを加えるとカジュアルがもう一つ増えて、2:2ということになりバランスがとれる。

一方、ワイシャツ・ネクタイ+スーツだと足首から上がすべてビジネスで固まってしまっているから、足元だけカジュアルにすることでひどく悪目立ちしてバランスが崩れる。
だからこのときはテクシーリュクスやワールドマーチのようなスニーカー機能のある革靴を合わせるべきであり、ビジネススーツスタイルというのは最早完成形といえるから、そこに足したり引いたりすることは見た目がおかしくなってしまう。

百貨店やアパレルの社員はスーツに一家言ある人も多い。そういう人らがどうしてこの私服警官スタイルを粛々と提案しているのだろう。
カネが儲かるから何でも良いのだろうか?
だったらもっと儲かる物を売ればいいじゃないか。
服なんて売りにくい物よりももっと簡単に手軽に売れる物はあるだろうから、百貨店もアパレルもそっちを売れば良い。

しかし、そういう人は他方では「ファッションは文化だ」とか「低価格衣料品はけしからん」とか言っているのである。
その姿勢は矛盾していないか。だからファッソン業界は大衆から見放されてしまっているのではないのか。

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心斎橋筋商店街がドラッグストア街に変貌した理由とこれまでの変遷の推移
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ワールドマーチならワイシャツ・ネクタイでも違和感なし

ドラッグストアの市場規模が百貨店市場規模を9000億円も上回ったことを実感できる心斎橋筋商店街

昨年の3月に発表があったが、ドラッグストアの市場規模は6兆5000億円となり、百貨店の市場規模を越えた。
百貨店の市場規模は5兆9780億円まで下がっていた。
ドラッグストアの方が百貨店よりも5000億円も売上高が多いということになる。

https://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ15I8C_V10C17A3TI1000/

着物業界全体の売上高が3000億円弱なので、ドラッグストアと百貨店の市場規模の差は着物業界全体よりも大きいといえ、一昨年の時点でそれほどの大差がついてしまったといえる。

これは2016年度の業績で、2017年度業績ではさらにその差が拡大している。
百貨店はたしかに一部にインバウンド需要での売り上げ増があるが、一方で地方店や小型店の閉鎖が続いて店舗数は減っているからその分を差し引くと市場規模全体では良くて現状維持、悪くすると今後、さらに低下するということになるだろう。

一方のドラッグストアはまだまだ店舗数を増やしているから、昨年春に発表された6兆5000億円からさらに市場規模を拡大している。

実際に2017年度の市場規模を見てみよう。
まずは百貨店。

百貨店売上高、2年連続6兆円割れ
https://www.asahi.com/articles/ASL1R53H0L1RULFA02N.html

全国の百貨店の2017年の売上高は前年より0・4%減の5兆9532億円となり、2年連続で6兆円を下回った。

とのことだ。

一方、ドラッグストアの2017年売上高は激増している。

2017年ドラッグストア市場、5.5%増の6兆8504億円
http://www.syogyo.jp/news/2018/04/post_020814

2017年のドラッグストアの市場規模は、5.5%増の6兆8504億円と推計される。前年に続き、5%台の伸長率となった。
総店舗数は660店増の1万9534店と推計される。

とのことで、前年よりも5・5%増というと大したことがないと感じるかもしれないが、金額で見ると3500億円も増加しているということになり、まさに激増といえる。
アパレル業界に1社で3500億円もの売上高がある企業が一体何社あることか。

これで百貨店との売上高の差は9000億円も開いたということになり、2018年は、このままの調子を維持するならドラッグストアの市場規模は7兆円を越え、百貨店との売上高の差は1兆円を越えることになると考えられる。

百貨店との差は今後しばらくは開くばかりということになるだろう。

なぜ、唐突にドラッグストアの話をしたかというと、この伸びは大阪の心斎橋筋商店街を見ていても如実に痛感するからだ。
2015年ごろからジワジワと心斎橋筋商店街にドラッグストアが増え始めたが、気が付くと今ではファッションブランドショップはドラッグストアに駆逐されてしまっている。

今の心斎橋筋商店街はドラッグストアが軒を連ねている状態といえる。

これまでも何となく薄っすらと知覚していたが、はっきりと気付いたのは今年の初めだった。

ユニクロの北隣にあったZARAが閉店してドラッグストアの「ココカラファイン」が今春オープンした。
ZARAはこれよりも南にもう1店舗あったから、そこへの集約だといわれているが、「好調」と言われていたZARAの跡地にドラッグストアが入店するということは、ZARAよりもさらに好調だということにほかならない。

また2014年に大型路面店として商店街内にオープンしたジャーナルスタンダードが昨年夏ごろ突然閉店した。
その後、同じベイクルーズが自社のアウトレット品を販売するBCストックとして店舗運営していたが、これも半年くらいで閉店してしまった。
その跡地にオープンしたのは関西初出店のドラッグストア「ピュマージ」である。

通常、店舗が撤退する場合は、売り上げ不振や不採算である場合が多いが、販売員仲間によると採算についてはわからないながら、売上高自体は比較的好調だったとのことで、理由は売り上げ不振ではないということになる。

まさに謎の閉店である。

恐らくは家賃が大幅に値上げされたのではないかと推測され、その家賃でも支払えるくらいにドラッグストアの売上高は高いということになる。
そこら辺のアパレルブランドショップでは太刀打ちできないほどの売上高をドラッグストアは稼いでいるということになる。

ドラッグストアの市場規模が6兆5000億円を越えたのを改めて実感した。

関西以外にお住まいの方からすると心斎橋筋商店街は、「ファッションブランドショップの並ぶ商店街」というイメージが強いのではないかと思うが、実際は紆余曲折があってそうなったが、それがまた崩れており、今はドラッグストア商店街となっているといえる。

これを踏まえて有料noteを書いた。

心斎橋筋商店街がドラッグストア街に変貌した理由とこれまでの変遷の推移
https://note.mu/minami_mitsuhiro/n/n2eb0ac5ccb54

そして、この傾向は何も心斎橋筋商店街だけではない。
長堀通を挟んだ北側の本町へと続く商店街も同じで、ドラッグストアが続々とオープンしている。
こちらはもともとは問屋街で、心斎橋筋商店街ほどのブランドショップはもともと出店していなかった。
小型問屋が減った跡地にはバッタ屋や在庫処分店の出店があり、コンビニの出店も続いた。
2~3年前から徐々にドラッグストアが増え、今はドラッグストアとコンビニの商店街となっており、その隙間をバッタ屋が埋めているという感じである。

フェイスブック友達によると名古屋も似たような状況だという。
栄の一等地のオールドネイビー跡地やゼニア跡地はドラッグストアが出店しているそうだ。

ドラッグストアの成長を支えている一つには、インバウンド需要がある。
もっとはっきりと言ってしまえば中国人観光客のドラッグストアでの爆買いが支えている。

中国人の爆買いは終わったと言われているが、ドラッグストアでは今も続いている。

今のドラッグストアの売れ行きを見ていると、家主・地主にしろ、不動産屋にしろ、チンケなアパレルブランドショップを相手にするよりはドラッグストアを相手にした方がはるかに儲けが大きい。
単純に計算して、ドラッグストアはアパレルブランドショップよりもざっと5倍から10倍くらい売上高が大きいと思われる。

そりゃ、当方が家主や不動産屋でもチンケなアパレルショップなんぞ相手にするよりもドラッグストアを相手にしたくなる。

だれだって儲けが大きい相手と取り組みたい。

現在、アパレル小売の市場規模は9兆円台で年々さらに低下している。
10年後・20年後もドラッグストアの勢いは続いているかどうかはわからないが、ここ3年くらいは今の勢いは持続するだろう。
そうなると、アパレル小売市場規模とドラッグストア市場規模の差は限りなく小さくなるのではないかと思う。

アパレル小売市場規模がドラッグストア市場規模に肉薄されることになるのもかなり可能性が高いのではないか。

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月刊激流 2018年 01 月号〔ドラッグストア異業種侵攻業態の猛威〕 だってさ。

ジーユーの伸び悩みはトレンドの多様化が原因 現状のままで売上高1兆円を達成することは不可能

業界紙記者時代ほどにはアパレルや生地問屋の展示会を多数回ってはいないが、それでも幸いなことに何社かはいまだに展示会案内をいただくので、時間が合う限りは見て回るようにしている。

バブル崩壊後から洋服不振が始まったとはいえ、90年代や2000年代前半はそれでもアパレルにとってはまだやりやすい環境だったのではないかと今にして思う。

バーバリーブルーレーベルのチェック柄ミニスカートが売れに売れて「アムラー」という言葉が流行ったのが97年、ビンテージジーンズブームで2万円~3万円のレプリカジーンズが売れたのは96~98年、ローライズジーンズが売れたのが2000年ごろ、神戸エレガンスブームが2005年、インポートプレミアムジーンズブームが2005~2007年といった具合だ。

2008年のスキニージーンズブームを最後にこういう単品による大量販売は見られなくなる。

2015年頃のジーユーのガウチョパンツブームが例外的といえる。
ただし、個人的にはジーユーを含んだガウチョブームは2008年までのものとは傾向が少し異なると見ている。

ガウチョはガウチョという形(シルエット)のみが支持されただけで、色・柄・素材・テイストに関しては何の統一性もなかった。
それまではスキニージーンズにしろ、アムラーにしろ、素材や色・柄、テイストは画一的だった。
ガウチョの場合は、ポリエステル素材でもデニム素材でもレーヨン素材でもなんでもありだ。また、色・柄もなんでもありだ。
無地あり、細ストライプあり、チェックありだし、色も黒・白・ベージュ・紺・グレー・ボルドー・マスタードと何色でも構わない。

テイストもナチュラルカジュアルもあればオフィスカジュアルもある。エレガンスフェミニンもある。

だからジーユーでも構わなかったということになる。
また、ブームを牽引したトップブランドもない。

それまでのブームは最終的に廉価版が発売されてマスに普及するが、まず先端層が食いつくトップブランドがあった。

アムラーならバーバリーブルーレーベルだし、神戸エレガンスならビッキーでありクイーンズコートであり、プレミアムジーンズならセブンやらヤヌーク、といった具合だ。

しかし、ガウチョブームにはそれがない。
だからジーユーで十分だったと考えられる。

おまけにテイストは様々だから一人の女性が複数本買う必要があり、そのためジーユーでのまとめ買いが起こり、結果として100万本売れた考えられる。

基本的にスキニージーンズブーム以降は、ガウチョを除いてビッグトレンドが存在しない。
とくにこの3年間は本当に消費者の嗜好は多様化しており、トレンド傾向も多様化している。

売り場担当者からは「スカートが好調」との声も聞こえるが、一口にスカートと言ったって、色も柄も素材もシルエットもテイストも多種多様である。
デニムスカートもあれば、ポリエステルのスカートもある。フレアスカートもある。タイトスカートもあるし、ナチュラルアメカジテイストもあればセクシーテイスト、フェミニンテイストもある。

かつてのように「タイトミニスカート」という具合に決め打ちするわけにはいかない。

展示会をいくつか回ってもアパレルメーカーも生地問屋も「多様化するトレンドにそれぞれ対応するしかない」と口をそろえるのが印象的である。

こうなると、トレンド対応型のブランドは収益を伸ばすのは厳しい。
さらなる多品種小ロットでの対応を迫られるから、製造コストがかさみ、在庫処分の値引き販売が増えざるを得ない。
しかも売上高は容易に伸びない。

ジーユーの伸び悩みも同じ原因ではないかと個人的には見ている。

ジーユー、じわり復活でも満足できない理由
「売上高1兆円」を目指すが、ハードルは高い
https://toyokeizai.net/articles/-/216532

この記事だが、今のままのジーユーなら売上高1兆円はまず無理だろう。期待している方がアホなんじゃないかと思う。

ジーユーの第二四半期の業績は

2月期上期決算は、売上収益1058億円(前年同期比8.3%増)、営業利益91億円(同23.3%増)。防寒アイテムが少なく十分に需要を取り込めなかったため、既存店売上高は前年同期をやや下回ったが、新規出店が寄与して増収となった。値引き処分も減り、利益は大幅に改善した。

とあるが、トレンド対応型とはいえ、ガウチョのように100万本単位で売れる商品が見当たらない状況下ではジーユー、ひいてはファーストリテイリングの強みは思うようには発揮できない。
多品種小ロット化すると、その他大勢のアパレルブランドと同じ構造になってしまうからだ。
お得意の大量発注による製造原価引き下げもそれほどはできなくなる。
とはいえ、製造を担当する商社に取られる手数料の%は他ブランドに比べて格段に低いのだが。(笑)

ジーユーが悪いというよりは、トレンドの多様化という状況ではやむを得ない。

それでも店頭を見ていると、ジーユーの今春夏物は昨年春夏物に比べて随分と良い商品が増えたと感じる。
商品企画はがんばっているといえるが、売上高が稼げるビッグトレンドが存在しない。

ベーシックアイテム・機能アイテムを核とするユニクロとは顧客層やビジネスモデルが根本から異なる。

ところで、この「売上高1兆円構想」というのは、現状のジーユーでは達成不可能だろう。
まず、ジーユーの展開店舗はほぼ国内のみである。
正確には358店舗(2017年8月期末)だが海外店舗は14店舗しかない。
現状では96%が国内店舗だといえる。

国内店舗のみで1兆円を達成するのは不可能だろう。
王者・ユニクロだって国内売上高はいまだに8000億円台である。

しかも、多様化したトレンド対応ブランドということになると、売上高を急激に伸ばすことは難しい。

それができるのだったら、そういうビジネスモデルを構築してきたワールドやオンワード樫山がとっくに1兆円企業になっているだろうが、現状彼らとて3000億円弱で止まったままである。

1兆円達成ができるとしたら、海外に大量出店した暁ということになるだろう。
というか、それしか達成できる方法はない。

現状のジーユーを見ながら「1兆円構想の達成は可能か」なんて論じたってまったくの無駄でしかない。
ジーユーの1兆円構想が現実味を帯びることはまだまだ先の話で、それまでは単なるビジョンを掲げているとして流しておくのが正解だろう。

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5年後ダメになっているアパレルを3つ挙げてみたよ
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ZOZOはそれほど大衆に知られていないし支持もされていない

物事を考える場合いはミクロな視点とマクロな視点が必要になる。
ミクロとマクロが両輪で必要なのは何も経済学だけのことではない。

衣料品業界だってミクロとマクロがある。
業界人の多くが注目しているのはたいていがミクロな現象である場合が多い。

これが80年代とか90年代なら、それこそ、わけのわからん業界人が注目したといわれるちっぽけな裏原宿の店がブームになることも珍しくなかった。
当時はミクロな視点がマクロっぽい(完全なるマクロでもない)ブームを引き起こすこともあった。
しかし、2005年以降はそういうブームはほとんど起きなくなった。

あるとすれば、最初からマクロ狙いのヒートテックブームやウルトラライトダウンブームくらいだろうか。
夏場の男性の超短い靴下のフットカバーも着用人口が多いからマクロブームといえるが、これはアイテムがブームであって、特定のブランドがブームであるわけではない。

〇〇ブランドのフットカバーでなくてはダメ!

そんな買い方をする人はいない。ブランドがどこだろうが、脱げにくければそれで良いのである。
その観点からいけば、脱げにくく安いのはグンゼと無印良品が双璧といえる。
グンゼの自社ブランド、トゥシェやボディワイルドは2足で1000円未満だし、無印良品は3足990円だ。しかも無印良品のは日本製だ。
グンゼのは定価が990円くらいだが、値引きで2足500円台になることもある。

この2ブランドがあれば、ほかのフットカバーはカネがもったいなくてちょっと買えなくなる。

それは置いておいて、まあ、最近の衣料品業界の業界人が注目する事象は影響力がミクロにとどまることが多いと感じる。
このあたりも衣料品業界、ファッション業界の影響力が下がった、あるいは業界への注目度が低下していることの現れではないかとも思う。

さて、現在、業界は猫も杓子もアホの一つ覚えみたいに「ネット通販」「EC強化」である。
その成功事例として、業界人とメディア、スタートアップ界隈の騒ぎ屋どもが注目するのが、スタートトゥデイが展開するZOZOTOWNであり、それに付随した各種サービスだ。

しかし、その注目は所詮はミクロな現象でしかないと当方は感じている。
盛り上がっているのは業界人だけ、そんな印象でしかない。

以前にネット通販についてのアンケート調査をこのブログで紹介した。

ファッション性が高くて高価格な服はインターネット通販では売れにくい
http://minamimitsuhiro.info/archives/2242.html

この中で、アンケート調査の結果を引用した。

 

その消費者アンケートによると、衣料品を購入した通販サイトの圧倒的1位(22%)はユニクロである。
二位が半分以下の9・9%でニッセン、三位が僅差の9・8%でセシールであり、業界人が大好きなZOZOTOWNは9・3%でベルメゾン(千趣会)と同率四位でしかない。

一般大衆にいかにZOZOTOWNの知名度が低いか、いかに支持されていないかがわかる。

ユニクロの半分以下というのが本当にその事実を示している。

そして、スタートアップ界隈の騒ぎ屋どもとイシキタカイ系が注目しているゾゾスーツだが、これも知名度は低い。
極めてミクロにしか注目されていないといえる。
それをまとめたアンケートがこちらだ。

「ZOZOスーツ」認知率33%、Instagramでファッション情報入手するのは22%
https://netshop.impress.co.jp/node/5253

ZOZOSUIT」を「利用したことがある」と答えた割合は1.6%。「利用したことはないが知っている」は16.4%、「名前は聞いたことがある」は15.2%だった。回答者全体から「知らない」(66.8%)の割合を除いた認知率は33.2%。

とのことで、67%の人間はゾゾスーツの存在すら知らないのである。
これがマクロの正しい反応である。業界人やスタートアップ界隈の騒ぎ屋どもがいかにニッチな嗜好なのかがよくわかるではないか。

しかもまだほとんどの人間の手元にしか届いていないはずのゾゾスーツを利用したことがあると答えている1・6%という数字は盛っているのではないかとさえ思う。
もし、盛っているとなると、ゾゾスーツの認知度はもう少し低くなる。まあ1%くらいの話だが。

実情は68%くらいの人間がその存在を知らないというところだろう。

この結果に立脚すると、最近、メディアやスタートアップ界隈の騒ぎ屋どもが煽っているように、「ゾゾがユニクロに取って代わる」なんていうことは短期的にはほとんど可能性はゼロといえる。

知名度も利用者数もユニクロの半分以下であり、これが現在のゾゾへの評価である。
そんな程度の存在が発売したPBごときでユニクロの牙城が崩されることは短期的にはない。
あったとしてもそれは10年後~20年後のことだろう。そのときまでゾゾが存在していればの話だが。

某ブランドのネット担当者が、「ゾゾのスタッフは本気でユニクロ追撃を狙ってますよ」と言っていたが、スタッフは白昼夢か幻覚でも見ているのだろう。

現時点においては、ゾゾはマス化しておらず、ニッチな存在であり、これがユニクロほどの存在になることはちょっと考えにくいと言わなくてはならない。
そのため当方はゾゾを極めて冷ややかにしか眺めていない。

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「知名度主義」の人材起用がアパレル業界を低迷させている
https://note.mu/minami_mitsuhiro/n/n50ca3a6bf56c

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まだ読んでない人はこちらもどうぞ。ちきりんの推薦文は要らんけど。(笑)

高機能+低価格が絶対条件のワーキングユニフォームはカジュアル需要を取り込めるか?

アメリカのアスレジャーの服装を見ていると、あんなジョギング帰りみたいな服装で都心に出ていく日本人はいないだろうと思う。
逆にアメリカ人はどうしてあんなジョギング帰りみたいな服装でそこらへんをうろつけるのか疑問で仕方がない。

アスレジャーブームといわれているが、日本ではアメリカそのままのアスレジャーは流行らない。
もう少しカジュアルなりドレスなりにアレンジする必要がある。

最近、日本市場で売れる生地は機能性の付加されたものばかりだといわれている。
実際、瀧定名古屋の展示会でも国内向けには機能性素材が多く、アパレルからの注目度も高いとのことだった。
一方、欧米向けはサスティナブルだそうで、相変わらず欧米は口先だけの綺麗事がお好きなようだ。(笑)

ミズノのムーブスーツやオンリーのトラベラーズ、ビームスのトラベルスーツなどストレッチ性、防シワ性、洗濯性など機能性の高い素材で作られたスーツ類や、吸水速乾Tシャツ、ハイストレッチジーンズなどのカジュアル類が国内市場では主流となっているが、これらは実はアスレジャーの流れを汲んでいるのではないかと思う。
これらは日本版アスレジャーなのではないかと個人的には見ている。

これらをアスレジャーだと見なせば、日本も立派なアスレジャーブームといえる。

いわゆる高機能なスポーツ素材を使ってスーツやカジュアルを作るというのは5年くらい前からの国内市場での大きな動きであり、カジュアルやスーツの高機能化・快適化とも読み取れるし、アスレジャーの流れを汲んでいるとも読み取れる。

スポーツのほか、もう一つの高機能な衣料品の分野がある。
一般の人はあまり縁がないワーキングユニフォームである。

暑い日・寒い日も外で業務をする人々の身体を守るのがワーキングユニフォームだから、自ずと高機能が要求される。
下手をすると命に係わる。さらに機能性の中には耐久性も含まれる。

しかし、スポーツ衣料と異なる点はワーキングユニフォームは総じて低価格だということである。
スポーツ衣料の場合、ガチな競技者ではない人々からすると、趣味の用品という側面がある。
だから少々高くても買う。もちろん安いに越したことはないが、趣味の人々だったら週に2回か3回着用する程度なので、傷むスピードが遅く、何年かに一度買い替えする程度で済む。
そうすると別段安くなくても構わない。

一方、ワーキングユニフォームは週に5日~7日着用して激しい業務をこなすから傷むスピードも速く、年に何回かは買い替え需要が発生する。企業側が支給するのか個人が買うのかは置いておいて、どちらの場合も安いに越したことはない。
だから、ワーキングユニフォームは「機能性+安さ」が求められてきたし、これが絶対条件だった。

ワーキングユニフォームでは4900円・5900円という価格帯は「高価格帯」に位置する。

一方、カジュアルウェアも多くの人にとっては趣味の用品だから、高くても売れる商品もある。
もちろん安いに越したことはないが、どうしても欲しければ何万人かはカナダグースのダウンジャケットを買うし、1万5000円を越えるジーンズも買うがワーキングユニフォームでそんな買い方をする人は一人もいない。

機能性がカジュアルやスーツに入り込むという点では、ワーキングカジュアルもそちらへ寄っていく可能性が高い。
ワーキングユニフォームチェーン店のワークマンが注目されているのはそういう点だろうし、ワークマンもカジュアル市場を意識し始めている。

これまでワーキングユニフォームは「機能性+低価格」だけでデザイン性はあまり考慮されなかった。仕事にそんなものはあまり必要ないと考えられていたからだ。
作業終了後に都心に出ていくときは仕方がないとして、休日にわざわざそれを着てお出かけする人なんてまあ滅多にいなかった。
しかし、そのデザイン性もワーキングユニフォームメーカーも改善しているし、ワークマンも自社製品でそのあたりは改善している。

アスレジャーならぬ、「ワーカジ(ワーキングカジュアル)」が浸透する可能性はある。
何せ、元々が「高機能+低価格」なのだから、そこでデザイン性が改善されれば、カジュアル需要を取り込める可能性はある。
逆にワーキングカジュアル市場自体は人口減少もあり大きく伸びることは考えにくく、各社が成長戦略を描くとすればカジュアル需要の取り込みがもっとも手っ取り早いということになる。

ブルーモンスタークロージング(BMC)を展開するブリッツワークスが4900円のジーンズをジーンズカジュアル店とワーキングユニフォームチェーン店両方に卸しているのはそういう背景がある。
創業後わずか3年ほどでワーキングを含めた卸売り先は100店舗を越えているから、ブリッツワークスが盛んに唱えている「ワーカジ」はそれなりの需要があったということだし、さらに需要が増える可能性はある。
これはまた別途このブログで報じてみたい。

https://www.blitz-works.com/

 

最近はカジュアル民もブログなどでワークマンの商品を取り上げることが増えたが、「高機能+低価格」というのは何もワークマンだけの専売特許ではなく、ワークマンに卸しているワーキングユニフォームメーカー各社の絶対条件なのであり、それが彼らの物作りの特色なのである。その特色は顧客需要を反映したものである。

ワークマンがきっかけでワーキングユニフォームに親しみ始めた者の中には、「ワークマンはユニクロを越える低価格+高機能だ!」なんてはしゃいでいる者もいるが、そんなものはワーキング業界では常識なのであり、カジュアル出身のユニクロとは物作りの思想・背景すべてが異なる。

ワーカジがどこまで流行るかという観測記事や論証記事は意味があるが、出自の違う二つを並べて「こちらの方が優勢」といったところで意味は全くない。
そんなことを言ったら、ユニクロの商品は、スポーツブランドがガチ競技者向けに作っている衣服よりもはるかに低機能である。
基準軸をずらして比較したってなんの意味もない。

ワークマンの機能性と低価格化を論じたいなら、同じユニフォーム業界で比較すべきだろう。
自重堂やクロダルマやコーコス信岡などさまざまなワーキングメーカーがある。それらと比較して論じるべきだ。

そのうえで、ワーキング各社がどこまでユニクロの牙城である低価格カジュアルに食い込めるかということを分析してみてはどうか。

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「知名度主義」の人材起用がアパレル業界を低迷させている
https://note.mu/minami_mitsuhiro/n/n50ca3a6bf56c

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ワークマン以外も安くて高機能なワーキングウェアはAmazonにもたくさん売っているよ~。

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