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三陽商会のサイトがスニーカービズのアンバランスさを教えてくれている

以前からスニーカービズのことをダサいと書いているが、スーツにスニーカーというコーディネイト全般を指しているわけではない。

カジュアルにスーツを着るならスニーカーとの組み合わせはありだ。
ダサいのは、ワイシャツ・ネクタイまでそろえたビジネススタイルにスーツを合わせることがダサいのである。

とはいえ、ビジネススタイルでも足が疲れるような革靴、とりわけ革底の革靴を履きたくないという男性も多いだろうし、その部分には当方も非常に共感する。

解決方法は何度も書いているように、スニーカーに匹敵するようなソールにクッション性のある革靴を選べば良いだけのことである。
先日も書いたようにムーンスターのワールドマーチシリーズやアシックス商事のテクシーリュクスなんていうのはその好例といえる。

こういう優れものがあるにもかかわらず、ナイキやアディダス、ニューバランスなどのスポーツスニーカーを頑なに勧めようとしている百貨店やアパレル企業はちょっと頭がおかしいのではないかと思う。

ワイシャツ・ネクタイにスニーカーは私服警官や万引き防止Gメンにしか見えないと何度か書いたが言葉だけで説明するのは難しい。

そんなわけでパラパラと見て回ると、三陽商会のウェブサイトにビジネススタイルにスニーカーを履いた画像と、カジュアルスーツにスニーカーを履いた画像の両方が掲載されていた。
これは一目瞭然だから、ご紹介したい。

http://www.sanyo-shokai.co.jp/company/news/2018/02/09.html

興味のある方はこのサイトにジャンプしてもらいたい。
めんどくさいという方のために、ちょっと画像をお借りする。

まず、この画像である。

左がカジュアルスーツでのスニーカーで、右がビジネススタイルにスニーカーである。

三陽商会のサイトから

何度もいうように左のスニーカースタイルはこれでまったく問題ない。
スーツをカジュアルダウンしたコーディネイトのお手本といえる。

一方、右のワイシャツ・ネクタイにスニーカーのスタイルだが、いくら容姿端麗な外人モデルがポーズを付けて誤魔化しても誤魔化きれない。
張り込み中の刑事が腕組みして考えているようにしか見えない。

容姿端麗な外人モデルだからこの程度のダサさで済んでいるが、そこらへんの禿デブ短足のオッサンならもっとひどいことになっているだろう。まさに私服警官が万引きGメンだろう。

ダークスーツにガッチリとしたフォルムの白いスニーカーがもうイケない。
おまけにワイシャツとネクタイがビジネス感を醸し出しており、アンバランスなことこの上ない。

一方、Tシャツ+スーツだとスニーカーはそこまで違和感がない。

この2枚目もそうだ。
スーツにTシャツを合わせた左はスニーカーでも違和感はない。
一方、右はやっぱり白いスニーカーが浮いている。

三陽商会のサイトから

ワイシャツとネクタイのスタイルがどうにもスニーカーとは合わない。
これをどうしてごり押ししようとするのか理解できないし、仮にも「ファッション」を自認する人たちがこれを良いと思って提案しているのだろうか。

女性でも同じだ。

ツイッターで流れてきた東京都心の百貨店に貼られていたレディースのスニーカービズのポスターだそうだが、これはどう見ても万引き防止Gメンか家庭訪問に行くおばちゃん教師といった風情でしかない。

家庭訪問中のおばちゃん教師スタイル

これを「かっこいい」「素敵」と思う女性がどれほどいるのだろうか。
提案した百貨店の人はこれが「良い」と本当に思っているのだろうか。

メンズの場合、テクシーリュクスやワールドマーチのようなスニーカー機能のある革靴は実はたくさんあるが、あまり知られていない。
だからメンズの場合、スニーカー=ナイキやアディダスという構図になってしまうことも理解はできるが、レディースの場合、さまざまなスニーカー機能のあるパンプスがあるし、メンズよりもビジネススタイルは自由度が高い。

なぜ、わざわざメンズと同様のダサいスタイルを売り出そうとするのか理解に苦しむ。

家庭訪問時のおばちゃん教師スタイルにあこがれる女性がどれほどいると思っているのだろうか。
だから百貨店も大手アパレルも消費者に見限られているのではないのか。

スーツ+スニーカーの着こなしは、あくまでもスーツをカジュアルに着る際のコーディネイトで、これによってスーツは「必ずしもビジネのみでの着用とは限らない」という利用法ができたといえる。
ワイシャツ+ネクタイ(特にシルクの布帛ネクタイ)はその組み合わせ自体がビジネスもしくはフォーマルなので、スニーカーとはミスマッチとなる。
一方、Tシャツ+スーツだと、Tシャツがすでにカジュアルアイテムなので足元がカジュアルなスニーカーでもバランスが崩れない。

Tシャツ+スーツだと3点のアイテムのうち、Tシャツがカジュアルでジャケットとパンツがビジネスということになる。
ここにスニーカーを加えるとカジュアルがもう一つ増えて、2:2ということになりバランスがとれる。

一方、ワイシャツ・ネクタイ+スーツだと足首から上がすべてビジネスで固まってしまっているから、足元だけカジュアルにすることでひどく悪目立ちしてバランスが崩れる。
だからこのときはテクシーリュクスやワールドマーチのようなスニーカー機能のある革靴を合わせるべきであり、ビジネススーツスタイルというのは最早完成形といえるから、そこに足したり引いたりすることは見た目がおかしくなってしまう。

百貨店やアパレルの社員はスーツに一家言ある人も多い。そういう人らがどうしてこの私服警官スタイルを粛々と提案しているのだろう。
カネが儲かるから何でも良いのだろうか?
だったらもっと儲かる物を売ればいいじゃないか。
服なんて売りにくい物よりももっと簡単に手軽に売れる物はあるだろうから、百貨店もアパレルもそっちを売れば良い。

しかし、そういう人は他方では「ファッションは文化だ」とか「低価格衣料品はけしからん」とか言っているのである。
その姿勢は矛盾していないか。だからファッソン業界は大衆から見放されてしまっているのではないのか。

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心斎橋筋商店街がドラッグストア街に変貌した理由とこれまでの変遷の推移
https://note.mu/minami_mitsuhiro/n/n2eb0ac5ccb54

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ワールドマーチならワイシャツ・ネクタイでも違和感なし

ドラッグストアの市場規模が百貨店市場規模を9000億円も上回ったことを実感できる心斎橋筋商店街

昨年の3月に発表があったが、ドラッグストアの市場規模は6兆5000億円となり、百貨店の市場規模を越えた。
百貨店の市場規模は5兆9780億円まで下がっていた。
ドラッグストアの方が百貨店よりも5000億円も売上高が多いということになる。

https://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ15I8C_V10C17A3TI1000/

着物業界全体の売上高が3000億円弱なので、ドラッグストアと百貨店の市場規模の差は着物業界全体よりも大きいといえ、一昨年の時点でそれほどの大差がついてしまったといえる。

これは2016年度の業績で、2017年度業績ではさらにその差が拡大している。
百貨店はたしかに一部にインバウンド需要での売り上げ増があるが、一方で地方店や小型店の閉鎖が続いて店舗数は減っているからその分を差し引くと市場規模全体では良くて現状維持、悪くすると今後、さらに低下するということになるだろう。

一方のドラッグストアはまだまだ店舗数を増やしているから、昨年春に発表された6兆5000億円からさらに市場規模を拡大している。

実際に2017年度の市場規模を見てみよう。
まずは百貨店。

百貨店売上高、2年連続6兆円割れ
https://www.asahi.com/articles/ASL1R53H0L1RULFA02N.html

全国の百貨店の2017年の売上高は前年より0・4%減の5兆9532億円となり、2年連続で6兆円を下回った。

とのことだ。

一方、ドラッグストアの2017年売上高は激増している。

2017年ドラッグストア市場、5.5%増の6兆8504億円
http://www.syogyo.jp/news/2018/04/post_020814

2017年のドラッグストアの市場規模は、5.5%増の6兆8504億円と推計される。前年に続き、5%台の伸長率となった。
総店舗数は660店増の1万9534店と推計される。

とのことで、前年よりも5・5%増というと大したことがないと感じるかもしれないが、金額で見ると3500億円も増加しているということになり、まさに激増といえる。
アパレル業界に1社で3500億円もの売上高がある企業が一体何社あることか。

これで百貨店との売上高の差は9000億円も開いたということになり、2018年は、このままの調子を維持するならドラッグストアの市場規模は7兆円を越え、百貨店との売上高の差は1兆円を越えることになると考えられる。

百貨店との差は今後しばらくは開くばかりということになるだろう。

なぜ、唐突にドラッグストアの話をしたかというと、この伸びは大阪の心斎橋筋商店街を見ていても如実に痛感するからだ。
2015年ごろからジワジワと心斎橋筋商店街にドラッグストアが増え始めたが、気が付くと今ではファッションブランドショップはドラッグストアに駆逐されてしまっている。

今の心斎橋筋商店街はドラッグストアが軒を連ねている状態といえる。

これまでも何となく薄っすらと知覚していたが、はっきりと気付いたのは今年の初めだった。

ユニクロの北隣にあったZARAが閉店してドラッグストアの「ココカラファイン」が今春オープンした。
ZARAはこれよりも南にもう1店舗あったから、そこへの集約だといわれているが、「好調」と言われていたZARAの跡地にドラッグストアが入店するということは、ZARAよりもさらに好調だということにほかならない。

また2014年に大型路面店として商店街内にオープンしたジャーナルスタンダードが昨年夏ごろ突然閉店した。
その後、同じベイクルーズが自社のアウトレット品を販売するBCストックとして店舗運営していたが、これも半年くらいで閉店してしまった。
その跡地にオープンしたのは関西初出店のドラッグストア「ピュマージ」である。

通常、店舗が撤退する場合は、売り上げ不振や不採算である場合が多いが、販売員仲間によると採算についてはわからないながら、売上高自体は比較的好調だったとのことで、理由は売り上げ不振ではないということになる。

まさに謎の閉店である。

恐らくは家賃が大幅に値上げされたのではないかと推測され、その家賃でも支払えるくらいにドラッグストアの売上高は高いということになる。
そこら辺のアパレルブランドショップでは太刀打ちできないほどの売上高をドラッグストアは稼いでいるということになる。

ドラッグストアの市場規模が6兆5000億円を越えたのを改めて実感した。

関西以外にお住まいの方からすると心斎橋筋商店街は、「ファッションブランドショップの並ぶ商店街」というイメージが強いのではないかと思うが、実際は紆余曲折があってそうなったが、それがまた崩れており、今はドラッグストア商店街となっているといえる。

これを踏まえて有料noteを書いた。

心斎橋筋商店街がドラッグストア街に変貌した理由とこれまでの変遷の推移
https://note.mu/minami_mitsuhiro/n/n2eb0ac5ccb54

そして、この傾向は何も心斎橋筋商店街だけではない。
長堀通を挟んだ北側の本町へと続く商店街も同じで、ドラッグストアが続々とオープンしている。
こちらはもともとは問屋街で、心斎橋筋商店街ほどのブランドショップはもともと出店していなかった。
小型問屋が減った跡地にはバッタ屋や在庫処分店の出店があり、コンビニの出店も続いた。
2~3年前から徐々にドラッグストアが増え、今はドラッグストアとコンビニの商店街となっており、その隙間をバッタ屋が埋めているという感じである。

フェイスブック友達によると名古屋も似たような状況だという。
栄の一等地のオールドネイビー跡地やゼニア跡地はドラッグストアが出店しているそうだ。

ドラッグストアの成長を支えている一つには、インバウンド需要がある。
もっとはっきりと言ってしまえば中国人観光客のドラッグストアでの爆買いが支えている。

中国人の爆買いは終わったと言われているが、ドラッグストアでは今も続いている。

今のドラッグストアの売れ行きを見ていると、家主・地主にしろ、不動産屋にしろ、チンケなアパレルブランドショップを相手にするよりはドラッグストアを相手にした方がはるかに儲けが大きい。
単純に計算して、ドラッグストアはアパレルブランドショップよりもざっと5倍から10倍くらい売上高が大きいと思われる。

そりゃ、当方が家主や不動産屋でもチンケなアパレルショップなんぞ相手にするよりもドラッグストアを相手にしたくなる。

だれだって儲けが大きい相手と取り組みたい。

現在、アパレル小売の市場規模は9兆円台で年々さらに低下している。
10年後・20年後もドラッグストアの勢いは続いているかどうかはわからないが、ここ3年くらいは今の勢いは持続するだろう。
そうなると、アパレル小売市場規模とドラッグストア市場規模の差は限りなく小さくなるのではないかと思う。

アパレル小売市場規模がドラッグストア市場規模に肉薄されることになるのもかなり可能性が高いのではないか。

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月刊激流 2018年 01 月号〔ドラッグストア異業種侵攻業態の猛威〕 だってさ。

ジーユーの伸び悩みはトレンドの多様化が原因 現状のままで売上高1兆円を達成することは不可能

業界紙記者時代ほどにはアパレルや生地問屋の展示会を多数回ってはいないが、それでも幸いなことに何社かはいまだに展示会案内をいただくので、時間が合う限りは見て回るようにしている。

バブル崩壊後から洋服不振が始まったとはいえ、90年代や2000年代前半はそれでもアパレルにとってはまだやりやすい環境だったのではないかと今にして思う。

バーバリーブルーレーベルのチェック柄ミニスカートが売れに売れて「アムラー」という言葉が流行ったのが97年、ビンテージジーンズブームで2万円~3万円のレプリカジーンズが売れたのは96~98年、ローライズジーンズが売れたのが2000年ごろ、神戸エレガンスブームが2005年、インポートプレミアムジーンズブームが2005~2007年といった具合だ。

2008年のスキニージーンズブームを最後にこういう単品による大量販売は見られなくなる。

2015年頃のジーユーのガウチョパンツブームが例外的といえる。
ただし、個人的にはジーユーを含んだガウチョブームは2008年までのものとは傾向が少し異なると見ている。

ガウチョはガウチョという形(シルエット)のみが支持されただけで、色・柄・素材・テイストに関しては何の統一性もなかった。
それまではスキニージーンズにしろ、アムラーにしろ、素材や色・柄、テイストは画一的だった。
ガウチョの場合は、ポリエステル素材でもデニム素材でもレーヨン素材でもなんでもありだ。また、色・柄もなんでもありだ。
無地あり、細ストライプあり、チェックありだし、色も黒・白・ベージュ・紺・グレー・ボルドー・マスタードと何色でも構わない。

テイストもナチュラルカジュアルもあればオフィスカジュアルもある。エレガンスフェミニンもある。

だからジーユーでも構わなかったということになる。
また、ブームを牽引したトップブランドもない。

それまでのブームは最終的に廉価版が発売されてマスに普及するが、まず先端層が食いつくトップブランドがあった。

アムラーならバーバリーブルーレーベルだし、神戸エレガンスならビッキーでありクイーンズコートであり、プレミアムジーンズならセブンやらヤヌーク、といった具合だ。

しかし、ガウチョブームにはそれがない。
だからジーユーで十分だったと考えられる。

おまけにテイストは様々だから一人の女性が複数本買う必要があり、そのためジーユーでのまとめ買いが起こり、結果として100万本売れた考えられる。

基本的にスキニージーンズブーム以降は、ガウチョを除いてビッグトレンドが存在しない。
とくにこの3年間は本当に消費者の嗜好は多様化しており、トレンド傾向も多様化している。

売り場担当者からは「スカートが好調」との声も聞こえるが、一口にスカートと言ったって、色も柄も素材もシルエットもテイストも多種多様である。
デニムスカートもあれば、ポリエステルのスカートもある。フレアスカートもある。タイトスカートもあるし、ナチュラルアメカジテイストもあればセクシーテイスト、フェミニンテイストもある。

かつてのように「タイトミニスカート」という具合に決め打ちするわけにはいかない。

展示会をいくつか回ってもアパレルメーカーも生地問屋も「多様化するトレンドにそれぞれ対応するしかない」と口をそろえるのが印象的である。

こうなると、トレンド対応型のブランドは収益を伸ばすのは厳しい。
さらなる多品種小ロットでの対応を迫られるから、製造コストがかさみ、在庫処分の値引き販売が増えざるを得ない。
しかも売上高は容易に伸びない。

ジーユーの伸び悩みも同じ原因ではないかと個人的には見ている。

ジーユー、じわり復活でも満足できない理由
「売上高1兆円」を目指すが、ハードルは高い
https://toyokeizai.net/articles/-/216532

この記事だが、今のままのジーユーなら売上高1兆円はまず無理だろう。期待している方がアホなんじゃないかと思う。

ジーユーの第二四半期の業績は

2月期上期決算は、売上収益1058億円(前年同期比8.3%増)、営業利益91億円(同23.3%増)。防寒アイテムが少なく十分に需要を取り込めなかったため、既存店売上高は前年同期をやや下回ったが、新規出店が寄与して増収となった。値引き処分も減り、利益は大幅に改善した。

とあるが、トレンド対応型とはいえ、ガウチョのように100万本単位で売れる商品が見当たらない状況下ではジーユー、ひいてはファーストリテイリングの強みは思うようには発揮できない。
多品種小ロット化すると、その他大勢のアパレルブランドと同じ構造になってしまうからだ。
お得意の大量発注による製造原価引き下げもそれほどはできなくなる。
とはいえ、製造を担当する商社に取られる手数料の%は他ブランドに比べて格段に低いのだが。(笑)

ジーユーが悪いというよりは、トレンドの多様化という状況ではやむを得ない。

それでも店頭を見ていると、ジーユーの今春夏物は昨年春夏物に比べて随分と良い商品が増えたと感じる。
商品企画はがんばっているといえるが、売上高が稼げるビッグトレンドが存在しない。

ベーシックアイテム・機能アイテムを核とするユニクロとは顧客層やビジネスモデルが根本から異なる。

ところで、この「売上高1兆円構想」というのは、現状のジーユーでは達成不可能だろう。
まず、ジーユーの展開店舗はほぼ国内のみである。
正確には358店舗(2017年8月期末)だが海外店舗は14店舗しかない。
現状では96%が国内店舗だといえる。

国内店舗のみで1兆円を達成するのは不可能だろう。
王者・ユニクロだって国内売上高はいまだに8000億円台である。

しかも、多様化したトレンド対応ブランドということになると、売上高を急激に伸ばすことは難しい。

それができるのだったら、そういうビジネスモデルを構築してきたワールドやオンワード樫山がとっくに1兆円企業になっているだろうが、現状彼らとて3000億円弱で止まったままである。

1兆円達成ができるとしたら、海外に大量出店した暁ということになるだろう。
というか、それしか達成できる方法はない。

現状のジーユーを見ながら「1兆円構想の達成は可能か」なんて論じたってまったくの無駄でしかない。
ジーユーの1兆円構想が現実味を帯びることはまだまだ先の話で、それまでは単なるビジョンを掲げているとして流しておくのが正解だろう。

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5年後ダメになっているアパレルを3つ挙げてみたよ
https://note.mu/minami_mitsuhiro/n/nebd50266b6df

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ZOZOはそれほど大衆に知られていないし支持もされていない

物事を考える場合いはミクロな視点とマクロな視点が必要になる。
ミクロとマクロが両輪で必要なのは何も経済学だけのことではない。

衣料品業界だってミクロとマクロがある。
業界人の多くが注目しているのはたいていがミクロな現象である場合が多い。

これが80年代とか90年代なら、それこそ、わけのわからん業界人が注目したといわれるちっぽけな裏原宿の店がブームになることも珍しくなかった。
当時はミクロな視点がマクロっぽい(完全なるマクロでもない)ブームを引き起こすこともあった。
しかし、2005年以降はそういうブームはほとんど起きなくなった。

あるとすれば、最初からマクロ狙いのヒートテックブームやウルトラライトダウンブームくらいだろうか。
夏場の男性の超短い靴下のフットカバーも着用人口が多いからマクロブームといえるが、これはアイテムがブームであって、特定のブランドがブームであるわけではない。

〇〇ブランドのフットカバーでなくてはダメ!

そんな買い方をする人はいない。ブランドがどこだろうが、脱げにくければそれで良いのである。
その観点からいけば、脱げにくく安いのはグンゼと無印良品が双璧といえる。
グンゼの自社ブランド、トゥシェやボディワイルドは2足で1000円未満だし、無印良品は3足990円だ。しかも無印良品のは日本製だ。
グンゼのは定価が990円くらいだが、値引きで2足500円台になることもある。

この2ブランドがあれば、ほかのフットカバーはカネがもったいなくてちょっと買えなくなる。

それは置いておいて、まあ、最近の衣料品業界の業界人が注目する事象は影響力がミクロにとどまることが多いと感じる。
このあたりも衣料品業界、ファッション業界の影響力が下がった、あるいは業界への注目度が低下していることの現れではないかとも思う。

さて、現在、業界は猫も杓子もアホの一つ覚えみたいに「ネット通販」「EC強化」である。
その成功事例として、業界人とメディア、スタートアップ界隈の騒ぎ屋どもが注目するのが、スタートトゥデイが展開するZOZOTOWNであり、それに付随した各種サービスだ。

しかし、その注目は所詮はミクロな現象でしかないと当方は感じている。
盛り上がっているのは業界人だけ、そんな印象でしかない。

以前にネット通販についてのアンケート調査をこのブログで紹介した。

ファッション性が高くて高価格な服はインターネット通販では売れにくい
http://minamimitsuhiro.info/archives/2242.html

この中で、アンケート調査の結果を引用した。

 

その消費者アンケートによると、衣料品を購入した通販サイトの圧倒的1位(22%)はユニクロである。
二位が半分以下の9・9%でニッセン、三位が僅差の9・8%でセシールであり、業界人が大好きなZOZOTOWNは9・3%でベルメゾン(千趣会)と同率四位でしかない。

一般大衆にいかにZOZOTOWNの知名度が低いか、いかに支持されていないかがわかる。

ユニクロの半分以下というのが本当にその事実を示している。

そして、スタートアップ界隈の騒ぎ屋どもとイシキタカイ系が注目しているゾゾスーツだが、これも知名度は低い。
極めてミクロにしか注目されていないといえる。
それをまとめたアンケートがこちらだ。

「ZOZOスーツ」認知率33%、Instagramでファッション情報入手するのは22%
https://netshop.impress.co.jp/node/5253

ZOZOSUIT」を「利用したことがある」と答えた割合は1.6%。「利用したことはないが知っている」は16.4%、「名前は聞いたことがある」は15.2%だった。回答者全体から「知らない」(66.8%)の割合を除いた認知率は33.2%。

とのことで、67%の人間はゾゾスーツの存在すら知らないのである。
これがマクロの正しい反応である。業界人やスタートアップ界隈の騒ぎ屋どもがいかにニッチな嗜好なのかがよくわかるではないか。

しかもまだほとんどの人間の手元にしか届いていないはずのゾゾスーツを利用したことがあると答えている1・6%という数字は盛っているのではないかとさえ思う。
もし、盛っているとなると、ゾゾスーツの認知度はもう少し低くなる。まあ1%くらいの話だが。

実情は68%くらいの人間がその存在を知らないというところだろう。

この結果に立脚すると、最近、メディアやスタートアップ界隈の騒ぎ屋どもが煽っているように、「ゾゾがユニクロに取って代わる」なんていうことは短期的にはほとんど可能性はゼロといえる。

知名度も利用者数もユニクロの半分以下であり、これが現在のゾゾへの評価である。
そんな程度の存在が発売したPBごときでユニクロの牙城が崩されることは短期的にはない。
あったとしてもそれは10年後~20年後のことだろう。そのときまでゾゾが存在していればの話だが。

某ブランドのネット担当者が、「ゾゾのスタッフは本気でユニクロ追撃を狙ってますよ」と言っていたが、スタッフは白昼夢か幻覚でも見ているのだろう。

現時点においては、ゾゾはマス化しておらず、ニッチな存在であり、これがユニクロほどの存在になることはちょっと考えにくいと言わなくてはならない。
そのため当方はゾゾを極めて冷ややかにしか眺めていない。

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「知名度主義」の人材起用がアパレル業界を低迷させている
https://note.mu/minami_mitsuhiro/n/n50ca3a6bf56c

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まだ読んでない人はこちらもどうぞ。ちきりんの推薦文は要らんけど。(笑)

高機能+低価格が絶対条件のワーキングユニフォームはカジュアル需要を取り込めるか?

アメリカのアスレジャーの服装を見ていると、あんなジョギング帰りみたいな服装で都心に出ていく日本人はいないだろうと思う。
逆にアメリカ人はどうしてあんなジョギング帰りみたいな服装でそこらへんをうろつけるのか疑問で仕方がない。

アスレジャーブームといわれているが、日本ではアメリカそのままのアスレジャーは流行らない。
もう少しカジュアルなりドレスなりにアレンジする必要がある。

最近、日本市場で売れる生地は機能性の付加されたものばかりだといわれている。
実際、瀧定名古屋の展示会でも国内向けには機能性素材が多く、アパレルからの注目度も高いとのことだった。
一方、欧米向けはサスティナブルだそうで、相変わらず欧米は口先だけの綺麗事がお好きなようだ。(笑)

ミズノのムーブスーツやオンリーのトラベラーズ、ビームスのトラベルスーツなどストレッチ性、防シワ性、洗濯性など機能性の高い素材で作られたスーツ類や、吸水速乾Tシャツ、ハイストレッチジーンズなどのカジュアル類が国内市場では主流となっているが、これらは実はアスレジャーの流れを汲んでいるのではないかと思う。
これらは日本版アスレジャーなのではないかと個人的には見ている。

これらをアスレジャーだと見なせば、日本も立派なアスレジャーブームといえる。

いわゆる高機能なスポーツ素材を使ってスーツやカジュアルを作るというのは5年くらい前からの国内市場での大きな動きであり、カジュアルやスーツの高機能化・快適化とも読み取れるし、アスレジャーの流れを汲んでいるとも読み取れる。

スポーツのほか、もう一つの高機能な衣料品の分野がある。
一般の人はあまり縁がないワーキングユニフォームである。

暑い日・寒い日も外で業務をする人々の身体を守るのがワーキングユニフォームだから、自ずと高機能が要求される。
下手をすると命に係わる。さらに機能性の中には耐久性も含まれる。

しかし、スポーツ衣料と異なる点はワーキングユニフォームは総じて低価格だということである。
スポーツ衣料の場合、ガチな競技者ではない人々からすると、趣味の用品という側面がある。
だから少々高くても買う。もちろん安いに越したことはないが、趣味の人々だったら週に2回か3回着用する程度なので、傷むスピードが遅く、何年かに一度買い替えする程度で済む。
そうすると別段安くなくても構わない。

一方、ワーキングユニフォームは週に5日~7日着用して激しい業務をこなすから傷むスピードも速く、年に何回かは買い替え需要が発生する。企業側が支給するのか個人が買うのかは置いておいて、どちらの場合も安いに越したことはない。
だから、ワーキングユニフォームは「機能性+安さ」が求められてきたし、これが絶対条件だった。

ワーキングユニフォームでは4900円・5900円という価格帯は「高価格帯」に位置する。

一方、カジュアルウェアも多くの人にとっては趣味の用品だから、高くても売れる商品もある。
もちろん安いに越したことはないが、どうしても欲しければ何万人かはカナダグースのダウンジャケットを買うし、1万5000円を越えるジーンズも買うがワーキングユニフォームでそんな買い方をする人は一人もいない。

機能性がカジュアルやスーツに入り込むという点では、ワーキングカジュアルもそちらへ寄っていく可能性が高い。
ワーキングユニフォームチェーン店のワークマンが注目されているのはそういう点だろうし、ワークマンもカジュアル市場を意識し始めている。

これまでワーキングユニフォームは「機能性+低価格」だけでデザイン性はあまり考慮されなかった。仕事にそんなものはあまり必要ないと考えられていたからだ。
作業終了後に都心に出ていくときは仕方がないとして、休日にわざわざそれを着てお出かけする人なんてまあ滅多にいなかった。
しかし、そのデザイン性もワーキングユニフォームメーカーも改善しているし、ワークマンも自社製品でそのあたりは改善している。

アスレジャーならぬ、「ワーカジ(ワーキングカジュアル)」が浸透する可能性はある。
何せ、元々が「高機能+低価格」なのだから、そこでデザイン性が改善されれば、カジュアル需要を取り込める可能性はある。
逆にワーキングカジュアル市場自体は人口減少もあり大きく伸びることは考えにくく、各社が成長戦略を描くとすればカジュアル需要の取り込みがもっとも手っ取り早いということになる。

ブルーモンスタークロージング(BMC)を展開するブリッツワークスが4900円のジーンズをジーンズカジュアル店とワーキングユニフォームチェーン店両方に卸しているのはそういう背景がある。
創業後わずか3年ほどでワーキングを含めた卸売り先は100店舗を越えているから、ブリッツワークスが盛んに唱えている「ワーカジ」はそれなりの需要があったということだし、さらに需要が増える可能性はある。
これはまた別途このブログで報じてみたい。

https://www.blitz-works.com/

 

最近はカジュアル民もブログなどでワークマンの商品を取り上げることが増えたが、「高機能+低価格」というのは何もワークマンだけの専売特許ではなく、ワークマンに卸しているワーキングユニフォームメーカー各社の絶対条件なのであり、それが彼らの物作りの特色なのである。その特色は顧客需要を反映したものである。

ワークマンがきっかけでワーキングユニフォームに親しみ始めた者の中には、「ワークマンはユニクロを越える低価格+高機能だ!」なんてはしゃいでいる者もいるが、そんなものはワーキング業界では常識なのであり、カジュアル出身のユニクロとは物作りの思想・背景すべてが異なる。

ワーカジがどこまで流行るかという観測記事や論証記事は意味があるが、出自の違う二つを並べて「こちらの方が優勢」といったところで意味は全くない。
そんなことを言ったら、ユニクロの商品は、スポーツブランドがガチ競技者向けに作っている衣服よりもはるかに低機能である。
基準軸をずらして比較したってなんの意味もない。

ワークマンの機能性と低価格化を論じたいなら、同じユニフォーム業界で比較すべきだろう。
自重堂やクロダルマやコーコス信岡などさまざまなワーキングメーカーがある。それらと比較して論じるべきだ。

そのうえで、ワーキング各社がどこまでユニクロの牙城である低価格カジュアルに食い込めるかということを分析してみてはどうか。

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スニーカービズってなんで私服警官みたいな服装を提案してんの?提案する側はアホなの?

健康増進のためにビジネスでもスニーカー着用というスニーカービズが提唱されているが、意味がわからない展開になっている。

提唱した行政はもとから服装のことなんてちっともわかっていないのは当然として、受けている衣料品業界、靴業界もなぜか「本来は」服装のプロであるはずが、ネクタイ着用のかっちりとしたスーツにナイキやニューバランスなどのオーソドックスなスニーカーを合わせようとしていたり、それを見てファッソニスタたちは「合わない」と叫んでいたりする。
およそ「プロ」とは思えない動向ばかりである。

もちろん、革靴よりはスニーカーの方が歩きやすく足が疲れにくいことは言うまでもない。
また革底の革靴よりもゴム底の革靴の方が疲れにくく機能性が高いことも言うまでもない。

現在、多くのビジネスマンが革底の革靴ではなく、ゴム底の革靴を履いているのは極めて当然といえる。
本来の「スニーカービズ」はこれをさらに進めるべきであり、「スニーカー」にこだわる必要はまったくない。
ゴム底のクッション性をさらに高めるとか、アッパーの革(合皮も含む)をさらにソフトにするとか、そういう工夫で達成できる。

しかし、プロであるはずの受け手が提唱するのは、選挙運動中の政治家か私服警官みたいなスーツ+ネクタイ+スポーツシューズである。
ちょっと頭がおかしいのではないかと思う。

端的に提示してくれているのが、このセシールのページなので紹介してみたい。
画像もいくつかお借りする。

https://www.cecile.co.jp/sc/sneakers/

これらはどう見ても巡回中の私服警官かブレザーが制服の高校生にしか見えない。また手提げのスポーツバッグっぽい鞄が高校生感を10倍増ししている。
仮にもファッションを販売する会社がこの程度の提案力しかないから服もファッションも売れないのではないかと思う。
何もセシールだけのことではない。同様の提案をしている衣料品、ファッション企業は掃いて捨てるほどある。

この手のナイキ、アディダス、ニューバランスなどのスポーツシューズに合わせるなら、正絹布帛のネクタイまで締めるべきではない。
スーツはそのままとして、インナーはTシャツやタートルネックなどのカジュアルアイテムを合わせ、ズボンの裾は短めに切るかロールアップするかすべきである。
こうすれば、カジュアルなおしゃれセットアップになるが、この服装だと出版やアパレルなどの企業なら問題ないかもしれないが、ゼネコンや金融などのお堅い職場では叱責される。

出版やアパレルなどの服装規定の緩い職場の服装をさらに緩くさせるのが目的ではなく、お堅い職場に勤める人の健康増進を考えるなら、私服警官ルックなんて推奨すべきでもないし、政府が認可すべきでもない。

例えば、見た目は限りなく革靴に近いが、クッション性や機能性は限りなくスニーカーに近い靴を推奨すべきだし、業界はそういう物を提案すべきで、業界が先んじてなんらスタイリッシュではない私服警官ルックを推奨するというのは「プロ」としていかがなものか。

例えば、アシックス商事が展開する「テクシーリュクス」というシリーズがある。

https://www.asics-trading.co.jp/brand/texcy_luxe/

画像を一つお借りすると、こういう具合である。

これなら、普通のゴム底革靴にしか見えないから金融などのお堅いスーツにも合わせても違和感はない。
決して私服警官には見えない。

もちろんこのほかにもさまざまなブランドがこういう機能性革靴を打ち出している。
あんまり認知されていないが。

行政に服装のことを期待する気なんてさらさらないが、衣料品・靴業界はこういう物を提案、開発すべきで、無理やりに私服警官ルックを「イケてる」と吹聴するのはプロとしての意識があまりにも低いのではないか。

また、ファッション雑誌を除くメディア関係者も極めて服装に疎い人が多いから、私服警官ルックに少し疑問を感じながらも報道してしまう。

とはいうものの、快適な商材に需要が流れるのも事実で、正統派とされる革底の革靴の着用者が減るのは極めて当然である。
クッション性がない上に、雨の日は底から水が染みこんでくる。
「欧米デワー」の出羽守どもや「本物ガー」が何を言おうと知ったこっちゃない。
こんな不便な靴は履きたくない。しかも価格は高い。

それなら安価でクッション性がまだましで底から水も染みこんでこないゴム底の革靴を履いた方が一億倍ましだ。

しかし、ゴム底の革靴も従来のマス需要に安住しすぎてきたのではないかと思う。
もちろん、さまざまな取り組みがこれまでもあったし工夫もあった。
ただ、これまで大衆には認知されなかったし、業界やメーカーも認知されるための努力が不足していた。

今回の「スニーカービズ」はそういうさらに機能性を高めたゴム底革靴の認知を高め、需要を増やす好機なのではないか。

業界はそこに注力すべきで、私服警官や万引き防止Gメンみたいな服装を推奨することでお茶を濁すべきではない。
そういう安易なお茶の濁し方をしてきたから「売れない」という状況に陥っているのではないか。

私服警官ルックが本当に、心底かっこいいと思っているなら、霞が関の官僚がやってみてはどうか。
まず隗より始めよでないか。言い出した人間が手本を見せるべきである。

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スポーツ向け素材を使用した機能性スーツはメンズスーツの主流になる

ファッション初心者で顔も体型も残念な人がいたら、男性なら間違いなくスーツを着ることをお勧めする。
世のビジネスマンを見てもわかるようにスーツがめちゃくちゃ似合ってないオッサンはいない。
どんなにブサだろうとデブだろうとスーツを着ていれば「ひどくダサく」は見えない。

これがネルシャツだとかトレーナーだとかパーカだとか純カジュアル服を着るともうだめだ。
すごくかっこ悪い。
だから会社でのスーツ姿はそんなに悪くないのに、休日にカジュアル服で会うとひどくモサっとした感じになる人が多い。

スーツはある意味で「完成された形」となっているため、今後も大きくは形は変わらないだろう。
もちろん、トレンドによって細くなったり太くなったりVゾーンが狭くなったりはあるだろうけど、大きく姿を変えることは考えにくい。

しかし、今後はスーツの使用素材が大きく変わり、カジュアルシーンでの着用が増えるのではないかと思う。

普段、スーツを着用しないのでどんなに上質な商品を見ても「買いたい」とは思わない。
ところが、昨年の秋口だったと記憶しているが、雑誌を読んでいて「このスーツは一度試してみたいなあ」と思う商品があった。
オンリーの「トラベラーズシリーズ」だ。

いわゆる、出張・旅行に適したシワになりにくいスーツである。
オンリーの2017秋冬商品はウール100%素材となっているが、個人的にここに不満がある。
もちろん、従来からのスーツファンはここが良いと判断するだろうということは承知の上だ。

シワになりやすいというウールの特性を克服した点はすごいと思うが、ウールは虫に食われるという欠点がある。
保管にはかなり気を遣う。
その部分でのイージーケア性は低い。

だから、最近、注目しているのは合繊機能素材を使用した高機能スーツである。

先日、小島健輔さんが、ミズノが発表した「ムーブスーツ」を取り上げておられたが、これはポリエステル100%でストレッチ性・洗濯性・防汚性・耐久性がある。
価格も28000円とツープライススーツ並みの低価格となっている。
もともとは野球ユニフォーム用に開発した素材なのだそうだ。

そのほか類似商品は、ビームスやユナイテッドアローズなどの各人気セレクトショップでも発売されており、ポケッタブル性やら撥水性やらが加味されている商品もある。

上質なウール素材の高級スーツというのは見ているとなるほどカッコイイと思うが、そのメンテナンスのめんどくささを考えると、買おうという気にはなかなかならない。

余談だが、ある高級靴関係者によると、芸能関係の富裕層ですら最近は何十万円という高価格スーツをあまり仕立てなくなったそうだ。10万円前後の既製服を買って、何年間か着古して買い替えるという消費サイクルなのだそうだ。
富裕層もある意味でコスパ志向となっており、何十万円もするスーツを気を使いながらメンテナンスするのは面倒だと考えているようで、10万円前後のスーツを何年間か使い倒す方がコスパが良いと考えているらしい。

当方がウールスーツに対して感じる「めんどくささ」と通じる部分があるように感じる。

シルエットやら形を試してみてからでないとなんとも言えないが、ミズノのムーブスーツは28000円という買いやすい価格なので一度購入してみたいと思っている。
ビームスやらユナイテッドアローズの商品もさほど高くはなく38000円くらいだから、こちらも試してみたいと感じている。

これらの「高機能素材」ではないが、イージーケア性に特化したのがジーユーのカットソースーツで、当方も昨年秋に2着購入してみた。
黒とライトグレーである。
当方の体格だと通常のジーユーのジャケットはLになる。
ところがLだと手が長く、当方は手が短いので袖丈はMサイズの方が合う。

ジーユーのカットソースーツのジャケット

ジーユーは布帛素材のカジュアルスーツも発売しているが、こちらだと当方はLサイズを買わねばならないが、カジュアルジャケットなら問題はないがスーツで手が長いというのは致命的である。
いくら安くても買わない。くだらんこだわりなのだが。

しかし、採寸やパターンは同じだと思われるが、カットソースーツだと生地の伸縮性が高いので、Mサイズでも着用が可能だった。
実際に店頭で試着して試してみた。

そこで黒とライトグレーを買った。
素材はレーヨン・ナイロン・ポリウレタンでいわゆるTシャツ類と同じカットソー素材である。
取り立てて高機能性は付加されてないが、素材本来の機能としてシワになりにくく、伸縮性が高い。

価格は裾上げが300円ずつプラスされて(計600円)、2着合計で11800円(税込み)ほどだった。
ジャケットが3490円に、パンツが1690円に値下がりした時に買ったからだ。

これだと、家庭の洗濯機で洗濯もできるし、ウールよりも虫に食われにくい。
おまけにニット素材なのでソフトで伸縮性がある。

惜しむらくは、紺の出来があまり良くなくて買わなかったが、今春物は少し値上がりしているが65番色の紺が出来が良いのでこちらを買ってみようかと考えている。

以前、そこそこ知名度のある経済系インフルエンサーが「ジーユーのカットソースーツで政府諮問会議に出席できるか」みたいなことを実験していたが、何を意味の分からんことをいっているのかと思った。

恐らく、彼は「カットソー素材というカジュアルな素材なのに大丈夫か?」という恐れがあったのだと思うが、形がスーツなのだから別に素材で叱責されることはない。
それにそもそも政府関係者が一目見ただけでその素材がウール布帛か合繊ニットかなんて判別できるはずもない。
スーツとはウール布帛に限るなんてそんな規則はどこにも存在しない。
それを恐れるなら夏用の綿スーツやら麻スーツもタブーになってしまう。

このエピソードは、一般人の衣服に対する理解度がこれほど低いということと、メンズのスーツに対する規律の厳しさを裏付けるといえるのではないか。

結果からいうと全く問題なかったそうだ。(当たり前だ)

このジーユーのカットソースーツはトラベラーズシリーズ、トラベルスーツ、ムーブスーツなどの高機能・リラックス性・イージーケア性スーツにつながる商品開発の流れだと当方は見ている。

これらのスーツはいずれ、スーツ市場の主要商品へと躍り出ると見ている。
なぜなら、すべてにおいて「楽」であるということは、圧倒的に大多数に受け入れられやすいからだ。

例えば、デニム村の人々からは散々邪道扱いされてきたが、ストレッチ混デニム生地はいまや綿100%デニム生地よりも多く、衣服に使用されている。理由は消費者が支持しているからだ。
なぜ支持しているかというと着用していて楽だからだ。

いくら「表面の凹凸感ガー」とか「たて落ち感ガー」と叫んでみたところで、綿100%の固くて重くて分厚いデニム生地でできた服なんて一部のマニア以外はノーサンキューだ。
それよりも伸縮性があって動きやすい方が良い。

ツイードだって同じだ。
本来の固くて重いツイードでできたジャケットなんて一部のマニアしか好んでいない。多くの人は軽くて動きやすい現代版のツイード生地を支持する。

そうなると、スーツも同じになる。
これまでは生地の見え方がウール布帛と合繊素材では差があったが、技術の進歩によって、見え方があまり変わらなくなってきているから、何も我慢してウール布帛生地のスーツを着る必要はない。
それよりも動きやすくてイージーケア性に富んだスーツの方が支持を受けるだろう。

おまけに現在もウール素材の高騰は続いており、今後は合繊や代替素材の使用が増えるだろうから、この手の機能性素材スーツも増えるだろう。

そして、これらのイージーケアスーツはいずれ、カジュアルシーンに多く取り入れられるのではないかと思う。
今のウール布帛生地だとカジュアルに使うには生地の傷みや汚れをどうしても気にしてしまう。

しかし、洗濯機でザブザブ洗えて、ストレッチ性が高いなら、例えばカジュアルシーンで、スーツの上下にTシャツを合わせることもハードルが下がる。(襟部分の汚れが気にならなくなるから)
また重ね着にも適しているからジャケットの下にパーカを着てみたり、Gジャンを着ることもよりやりやすくなる。

これらの商品は大いに支持を集めると考えられるし、カジュアルシーンでのスーツの着用のハードルを下げるのではないだろうか。

本来のスーツマニアからすると邪道かもしれないが、個人的にはジーユーのカットソースーツ、ムーブスーツに大いに期待したい。
マニアの嗜好がマス層に受け入れられることはない。
マニアの嗜好をマス層に押し付けてきたから衣料品業界は凋落したし、ソッポを向かれているのではないのか。

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プライベートブランド「ZOZO」の生産システムは、現時点では「完全オーダーメイド」ではない
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マス層の好む売り場とは?業界人だからこそハマる罠

繊維・アパレル関係の会社に行くと、老年に差し掛かった経営陣までがそれなりに自分が着用する衣服に気を使っている。
今風かどうかとか、色柄のセンスが良いとか悪いとかは置いておいて、とりあえずそれなりに興味を持っているとわかる。

長年、それで飯を食ってきたのだから、めちゃくちゃ好きではないにしろ、最低限度の興味は持って当然である。

しかし、マスの消費者も自分たちと同じくらいに衣料品に興味があると思っていると、大きな間違いを犯す。
近年のファッション不振の原因の一つにはそんなミスマッチもあるのではないかと思える。

マス層は間違いなく、業界人よりも衣料品やファッションには興味も知識もない。
以前、このブログでそごう西武のPBが失敗に終わったのは、カール・ラガーフェルドという超有名デザイナーの起用が原因ではないかと書いたが、ツイッター上では、「そもそもカール・ラガーフェルドが何者なのか知らない」という声もあり、それがマスの意見なのかと感心した。

業界の端くれにでもつながっていれば、業界で「おしゃれ」だとみなされる売り場やブランドを名前くらいは知ることになる。
苦戦が続いているとはいえ、百貨店でいえば、伊勢丹新宿本店への憧れはあるだろうし、買うことはないにしろ、パリコレブランドの名前くらいは知っている。

そういうものを好む消費者は確実に存在する。
そうでなければ、伊勢丹新宿本店は2500億円もの売上高は稼げない。

だが、それはピラミッドでいえば上のほうのほんの一握りに過ぎず、マス層はそういうものは知らないし、知っていたとしてもさほど興味がない。

業界のおじさんたちは、いまだに「伊勢丹新宿本店に並べてもらえればブランドのステイタス性が上がるのではないか」と考えており、そこで棚を一つ確保することに血道をあげている。

整理して考えなくてはならないのは、ハイエンドとかラグジュアリーとか最先端を嗜好する人たちは少数派だが存在して、その人たちは伊勢丹新宿本店で買いたいだろうしパリコレブランドが欲しいだろう。

けれども、マス向けの商品を供給している企業やブランドが目指すべき売り場は伊勢丹新宿本店ではないのではないかと最近強く思うようになった。

マス向けの商品は手軽な価格帯で発売することが必須だし、実際にされている。
アネロのリュックが大ブレイクしたが、あれが1万円とか2万円を越える価格帯ならあそこまで売れなかっただろう。
3000円~4000円くらいだから、マス層が気軽に試し買いできた。

アネロが「ブランドステイタスを高めるために伊勢丹新宿本店に並べてほしい」なんて言っていたら、どうなっていただろうか。
おそらく売れなかっただろうし、ブランドステイタスもさほど上がらなかっただろう。

アネロ的スタンスでありながら、伊勢丹新宿本店に並べられることを目標にしているマス向けブランドは、世間が想像するよりも多くあり、自分を見失っているとしか言いようがない。

では、今、マス層に響く売り場とはどこなのだろうか。

先日、サマンサタバサのブランドが、セブンイレブンで期間限定販売するというニュースがあった。

12月15日からセブン-イレブンに「アンド シュエット」のバッグが並ぶ!
https://www.wwdjapan.com/520498

マス向け商品を供給してきたサマンサタバサはさすがに理解していると感じる。

サマンサタバサジャパンリミテッド(SAMANTHA THAVASA JAPAN LIMITED)のバッグブランド「アンド シュエット(& CHOUETTE)」は、12月15~25日の期間“アンド シュエット ミニバッグ”を東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県、群馬県、長野県、山梨県のセブン-イレブンで販売する(一部取り扱いのない店舗、また発売日が異なる店舗もある)。
セブン-イレブンとの初コラボアイテムで、「アンド シュエット」の店舗やECサイトでは販売しない。価格は3800円。

とのことだ。

今、マス層に響く売り場は、伊勢丹新宿本店とかパリのセレクトショップとかではなく、コンビニ、ドラッグストア、百均、ニトリ、ロフト、東急ハンズあたりではないかと思う。
その事例の一つがファミマで展開する無印良品だろう。

無印良品の商品は、高すぎることはないが決して最安値ではない。
業界人からするとファミマに商品が並ぶことは、ブランド価値が毀損すると考えがちだが、実際はそうではなさそうだ。
マス層からすると、「通常商品より少し高いからブランド価値がある」と考えるようだ。

これはドラッグストアに並ぶ「ボタニスト」というコスメブランドも同じで、通常の商品よりも数百円高い。
「少し高い商品なんて安さが売りのドラッグストアで売れるのか?」と思うのだが、ドラッグストアを利用するマス層からすれば「少し高いからブランド価値がある」と考えるようで、ボタニストはドラッグ店内では「ブランド」として見られ始めている。

今回のサマンサタバサの「アンド シュエット」というバッグブランドもこうした流れを敏感に察知したことで、セブンイレブンとのコラボを始めたのではないかと思う。

マス層をターゲットとし、庶民向け価格を設定しているブランドが伊勢丹新宿本店に代表されるような高価格ハイファッション向け売り場をむやみやたらに志向することは、一昔前の感覚であり、今の状況ではかえってファンも獲得できないし、ブランドステイタスも向上しないのではないかと感じる。

ファミマと取り組む無印良品や、セブンイレブンと取り組むサマンサタバサの姿勢が、今の消費者ニーズに則した動きではないかと思う。
わけもわからず伊勢丹新宿本店を目指すマス向けブランドは販売戦略を一考してみてはどうか。

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専業ジーンズメーカーは決して新しいことに取り組まなかったわけではない
https://note.mu/minami_mitsuhiro/n/nd4bc9e30188b

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素材にすらトレンドは存在する。若者に好まれる80年代調デニム生地

初心者向けファッション指南業者の間ではなぜかトレンド不要論がまかり通っているが、以前のブログで書いたように裾丈の長さすらトレンドに左右される。
ズボンや上着の太さも同様だ。
だいたい10年~20年くらいでトレンドが変化する。もっとわかりやすく言うと、大衆の好むポイントが変化する。

変化しなかったら欧米人は古代ローマ帝国時代から服装が変化しないということになるし、日本人は縄文時代から変化していないということになる。

また、好まれる素材もトレンドによって変化する。
トレンド不要論者はこの部分も無視している。

先日から2つのブランドの展示会と店舗内覧会に行った。

ワンオーとガービッジというブランドだ。
ワンオーはいくつかファッション系のメディアで取り上げられているから見た人も多いだろう。

ガービッジのリメイクジーンズ

ワンオーのリメイク商品

ガービッジは小松昇平氏というベテランデザイナーが再スタートで始めたブランドである。

両方とも、どカジュアルで、リメイク商品を目玉としている。
とくにジーンズのリメイクを一押ししている。

正直にいうと、リメイクジーンズの良さは当方にはさっぱりわからない。
破れた箇所を縫い合わせたり、裏布を当てて継ぎ当てたりすることは理解できる。
いわゆる、リペア加工ジーンズと同じだからだ。

しかし、そこに派手なワッペンを貼ったり、目立つ刺繍を入れたりすることは理解ができないし、それを着用したいとも思わない。

disっているのではない。自分の好みではないと言っているのである。

当方なら着用しないし、買わないが、この2つのブランドはいずれも大手有名セレクトショップへの卸売りが決定しているという。
こんなものをあの店に置くのかと驚くのだが、大手セレクトショップの連中はそういう目端だけは効くから、この手の商品が仲間内では盛り上がっているのだろうし、そういうものを好む雰囲気が上得意客の間には広がっているのだろう。
これこそ、まさに「トレンド」である。

新ブランド「ガービッジ」は古着のリーバイス501を仕入れてリメイクすることに現時点では特化している。
ワンオーも古着をリメイクしている。もっともこちらはジーンズに限らず、さまざまなウェアをリメイクしている。

微妙な差異はあるのだが、共通しているのはリメイクに使用する古着ジーンズは、いずれもジーンズマニアが喜ぶような「タテ落ち・凸凹表面感」のデニム生地で作られているのではないというところだ。

80年代~90年代前半の空紡糸デニム生地で作られた古着のリーバイス

ビンテージジーンズブームの後で作られたタテ落ちデニム生地を使ったジーンズ

80年代後半から90年代前半の、のっぺりと凹凸感のない空紡糸デニム生地で作られたジーンズを使用している。

ジーンズ業界の人にとっては基本知識だろうが、そうではない人のために少し空紡糸について書いてみる。
めんどくさい人は読み飛ばしてもらいたい。

空紡糸はオープンエンド糸とも呼ばれ、空気の流れによって原綿を糸に紡ぐ技術である。
空紡糸で織ったり編まれたりした生地は、カサカサしたドライな手触りと、見た目の厚さよりも軽いという特徴がある。
空紡糸との反対はリング糸と呼ばれ、こちらは空紡糸の生地に比べると、ややしっとりとした手触りがあり重量感もある。

空紡糸はその製造工程によって空気を含むので見た目の厚さよりも軽くなる。
また、繊維の長さの違う原綿をそのまま糸にするので、不均一な肌触りとなる。

逆にリング糸は原綿の繊維の長さをそろえて紡績する。

この空紡糸は製造コストが安くて大量生産に適しているから、安くて大量生産大好き国家のアメリカでは非常に喜ばれた。
80年代~90年代前半のアメリカではこの空紡糸の生地が本当によく使われた。
ジーンズしかりTシャツしかりである。

一方、世界的なジーンズのトレンドは、96年くらいに日本で生まれたビンテージジーンズブームによって、80年代以前の「タテ落ち・凹凸感のあるデニム」が好まれるようになった。
現在のマスはこちらになった。
一説には日本のデニム生地工場が世界的に評価されたのは、世界でもいち早く、このビンテージ風デニム生地を再現できたことによるものだといわれている。

さてガービッジが80年代~90年代前半の空紡糸リーバイス501のみをリメイクに使用する理由は2つ考えられる。

1、80年代以前のリーバイス古着は、かつてのビンテージジーンズブームでほとんど買いつくされ、今では手に入らなくなったから
2、空紡糸使いのデニム生地が今のトレンドだから

この2つである。

1の理由はいかんともしがたい。
ないものはない。

問題は2である。
当方も含めた40代以上のオッサン・オバハンにとってのデニム生地とは、ビンテージ風デニム生地で、その価値は不変だと思っている。

しかし、10代後半から20代の若者にとっての注目ジーンズとは、あの安物臭い80年代~90年代前半の空紡糸デニム生地を使ったジーンズなのである。

当方が、月に何度か講義するファッション専門学校の学生は、今わざわざジーンズを買うとしたら、あの80年代風デニム生地を使ったジーンズや80年代の古着を買っている。彼らの間ではあれが「かっこいい」のである。
どう見ても30年前に見た地元の中学生とか高校生にしか見えないのだが、それが良いらしい。

これが「トレンドの変化」である。
変化した理由はいろいろあるだろう。
もしかすると単純にオッサン・オバハンが穿いているから、タテ落ちデニム生地のジーンズは「オッサン・オバハン専用アイテム」に見えるだけなのかもしれない。
しかし、このようにして素材ですら、「トレンド」が変化する。
これを無視してトレンド不要論をぶち上げるのはいかがなものか?
それは単なるポジショントークではないのか。

良心的に指南するなら、「10年~20年ぐらいでトレンドは絶対に変化するからその都度ある程度アジャストすべきだ」と説くことではないのかと思う。

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三越伊勢丹HDが「ケイタマルヤマ」を手放す理由とは?
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ファッション初心者の男性はアイビー・プレッピースタイルで身を固めろ

柄にもなくファッション論を。
最近、ド素人男性に向けたファッション指南ビジネスを手掛けようとする人が、インターネット上を見ていると増えたような気がする。
この分野でもっとも成功したといえるのが、人気ファッションブロガーのMB氏だろう。

独自の理論化に取り組み、ある程度ロジカルな思考によってコーディネイトを作っていくという考え方がわかりやすい。
もっとも、ファッションなんて個人の好き嫌いで大いに左右されるからMB氏の趣味嗜好が絶対ではないし、まったくの無謬でもない。
しかし、まあどんな提案にしても及第点以上は確実にマークできることを考えると最大公約数的な言説だといえる。

MB氏のブログの読者数・閲覧者数・有料メルマガの登録者数の多さは、当方のこのブログが到底太刀打ちできるものではない。

成功者には敵対者がつきもので、MB氏への嫉妬、やっかみなどで全否定するファッション指南を志望する人がけっこう見かけるようになってきた。ほとんどの場合は「最大公約数」には程遠い意味不明の理論を牽強付会しているに過ぎないのだが。

まあ、それはさておき。

ド素人男性はそれほどまでに「おしゃれになりたい」とか「マシなコーディネイトを組みたい」とか本当に思っているのだろうか?
47歳の初老のおっさんとしては、大学時代の同級生を見ていても甚だ疑問に感じる。
彼らはファッションなんてまるで興味がないのではないかと思う。そしてそれが繊維・ファッション業界以外に進んだ人の大半以上の意見ではないかとも思う。

仮にそういうファッション指南業が成り立つと仮定して、オッサン的にド素人男性にアドバイスをしてみようと思う。

まず、一口に「オシャレ」と言っても、自己満足型と他人から良く見られたい型の2つに分かれる。
自己満足が他人からの評価と等しい場合は何も問題はないが、それはごくわずかしかいない。
40歳・50歳になっても全身スポーツウェアとかストリートブランドで身を固めて自己満足している男性は多いが、他人からの評価が高い人はほとんどいない。
それでも「他人の評価なんて気にしない」というなら、それはそれを貫けば良い話で、他人からのファッション指南なんて必要ない。
90年代後期の女子高生のヤマンバメイクなんて典型的な自己満足型だ。あれを「美しい」とか「かわいい」と思う人はほとんどいなかった。

他人から良く見られたい型なら、話は早い。
もっとも好感度が高い服装で、なおかつ自分の顔や体型・雰囲気にあった色柄を選べば良い。

10代後半から20代ならいざしらず、30歳を越えて顔が老けてくると、多くの場合、過度なスポーツカジュアル・ストリートカジュアルは似合いにくくなる。野球帽も似合いにくい。
若い男性の顔だと野球帽も似合うが、小じわが刻まれた中高年男性の汚い顔だとどうしてもスポーティーすぎる野球帽は似合いにくくなり、草野球チーム関係者とか場外馬券場に並んでいるオッサンにしか見えなくなる。似合うのはよほどに顔立ちが整っているか、そういうオシャレな雰囲気があるかのどちらかで、その両方とも圧倒的少数派である。

まず、キレイ目でまとめることが重要だ。
MB氏は「ドレス多めのカジュアル」という表現を使うが、ドレスとはスーツ系の総称として用いられており、スーツっぽいアイテムを多めに使用するのが、万人からの受けが確実に良くなる。
極言すれば「スーツが死ぬほど似合わない男はいない」からだ。どんなに見た目がアレな男でもスーツはそれなりに見える。

個人的にいうなら、アイビールックとかプレッピーファッションで身を固めていれば、概ね間違いはないと考えている。

アイビールックとはトラッドベースのカジュアルスタイルで、アメリカの富裕層子弟がしていた上品な服装で、アイビーをより新しくしたスタイルだとされている。

代表的なスタイルでいうと、

紺ブレ+ボタンダウンシャツ+セーター+チノパン+ローファーシューズ

というようなスタイルで、シャツとセーターの色合わせさえ間違えなければ、ほとんどどんな男性でもそれなりに「シュっとして(大阪のオバハン的表現)」見える。

チノパンに抵抗があるなら、これをジーンズに変えても成り立つ。

https://matome.naver.jp/odai/2135365349486041901

アイビースタイルとプレッピースタイル、そしてデニム

これでほとんどの男性ファッションの悩みは解決する。

あと靴は圧倒的にスニーカーよりも爪先が尖りすぎず・爪先が反り返りすぎないベーシックな革靴・ショートブーツを選ぶべきである。
もちろん、スニーカーの方がクッション性が良くて足が疲れにくいことはいうまでもないが、「他人から良く見られたい」という課題を最優先するなら革靴・ショートブーツを選ぶのが正解である。

ちょっとイケてない自分の写真を掲載するのは恐縮だが、先日、Yahoo!ショッピングで2足8000円の合皮サイドゴアブーツを買った。
その際、自撮りしてみたが、この手の革靴(合皮だけど)を履いた方が、背が高く足が長くスマートに見えないだろうか?

ちなみにこの日の服はセルビッジストレッチジーンズもケーブル編みコットンカシミヤセーターも両方ともユニクロのセール品だ。
セルビッジストレッチジーンズは1990円に値下がりして、ケーブル編みセーターは990円に値下がりしていた。

白いスタンドカラーシャツ(襟元が見えにくいが)はジーンズメイトのPB「ブルースタンダード」でこれも1900円に値下がりしているときに買った。

ブーツが1足4000円なので、全身合計で1万円未満である。

最初はアイビー、プレッピーで慣らしておけば99%間違いはない。

最近は「トレンドは必要ない」とか「ベーシックな定番だけで良い」とかいうファッション指南業者が多いが、これにも甚だ疑問を感じる。
初心者がアイビー、プレッピースタイルに慣れてくれば、そのうちに飽きて違うアイテムも着てみたいと思うようになる。
人間は飽きる生き物だからだ。
食事でも他の趣味でも異性にでもなんでも飽きる。
だからこの世から不倫とか浮気もなくならない。

じゃあ、年がら年中何とかの一つ覚えみたいに紺ブレ+白いボタンダウンシャツで満足し続けられるかという絶対にそれはない。
それで満足しているなら、そもそもファッションになんて興味がないのであり、国民服とか制服を着用していれば良いのである。

紺ブレに慣れたら、次は違う色柄のブレザー・テイラードジャケットが欲しくなる。
それにも飽きたら、今度はブルゾンタイプが欲しくなる。

そういうときにはMB氏の指南は生きてくるのではないかと思う。

ついでなので、トレンドについても言及しておく。

トレンドは存在しないとか言っている人は、近年のズボン丈の変化をどう見ているのだろうか。これこそトレンドそのものではないか。
その目は作り物なのだろうか。

2005年にブーツカットパンツが大流行したときのズボン丈は長めだった。
女性ならハイヒールを履くのでヒールが少し隠れるほど、ヒールを脱ぐと裾を引きずるほどの長さがスタンダードだとされた。
メンズも同様だ。

2008年にスキニーが始まって、裾丈は短めが良いとされるようになった。
現在、スキニーに対してワイドパンツやワイドテイパードパンツ(裾が細くなっている)がマス化しているが、いずれの裾丈もくるぶしくらいの短めがスタンダードとなっている。

1998年ごろのストリートファッションのころのワイドジーンズも裾が引きずるほど長く、靴の上でたまっているのがかっこいいとされたが、今時そんな丈の長さは野暮ったく見える。

どんなにベーシックな洋服でも10年おきくらいに裾丈や細さのトレンドは変わって、新たなスタンダードが生まれる。
それは人間が飽きる動物だからだ。10年くらいすれば飽きてきて細くしたり長くしたり太くしたりしたくなる。

ベーシックな洋服で全身を固めていればトレンドに左右されませんと断言してしまうのは危険な行為であり、人間の本能を無視している。個人的には人間の本能なんて嫌いだが、人間は動物とそれほど変わらないから、本能を無視してはビジネスは営めない。
「ベーシックな洋服はトレンドに左右されない」というのは、それこそファッション指南業者のポジショントークに過ぎない。

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三越伊勢丹HDが「ケイタマルヤマ」を手放す理由とは?
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