南充浩の繊維産業ブログ

ファッションブログ・・・・と言いたいところだけれどもそこまでファッションに特化していないし、能力的にもできない。そこで繊維製造業、産地、アパレルメーカー、小売店など幅広く繊維産業全般についてぼちぼちと書きます。たまにマスコミ、経済問題についても書く予定。よろしくお付き合いください。 お仕事の依頼は minami_mitsuhiro@yahoo.co.jp まで。

繊維業界新聞の記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下まで担当。 同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。 現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

トレンド

「カッコイイ」と「ダサい」の判断基準があいまい過ぎてよく分からない

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 筆者も含めた一般消費者がオサレなファッソニスタを別世界の人間のように感じる理由の一つに、彼らのいう「オシャレ」の判断基準があいまい過ぎて理解不能だという点があるからだ。

一般人からすると明らかに「変」「奇抜過ぎる」「ダサい」と感じるアイテムや着こなしを「オシャレ」「クール」「抜け感がある」などと言って評価する。その評価基準があまりにもわかりにくい。
ファッソニスタの多くはほとんど非理論的で感覚的な人が多いから、その判断基準も極めて曖昧模糊とした感覚的なものだと考えられるが、そんな曖昧模糊とした判断基準を一般人が包括的に理解し、それをわが身に取り込むことは至難の業だし、そんな異様にめんどくさい作業をしてまで「オシャレ」になる必要性もまったく感じられない。

かくして一般人は、ファッソニスタを別世界の住人だとして関知しないようにする。当然の結果だろう。
それによってさらにファッショニスタたちは「オタク度」を高めてゆくという好循環を繰り返すわけである。

数日前からYEEZYというアディダスとカニエ・ウエストのコラボスニーカーが話題になっている。
「かっこいい」という話題ではなく、「ダンロップのスニーカーに似てないか?」という話題である。

これを上手くまとめているのがたびたび紹介している山田耕史さんのブログだ。

カニエ・ウエストブランドの人気スニーカーの元ネタ、ダンロップ説。
http://t-f-n.blogspot.jp/2017/02/yeezy-runner.html


各商品の画像をふんだんに取り込んで比較させているので、非常にわかりやすい。
ぜひ、全文をお読みいただきたい。

このスニーカーを単品で見ると、正直なところカッコイイとは到底思えない。
各氏が指摘するようにダンロップのスニーカーにそっくりである。

ダンロップのスニーカーというのは世間的にどういう位置づけかというと、「安くてダサい」である。
そこら辺のイケてない初老のオッサンが靴流通センターあたりで1900円くらいで買ってきて普段履きしているダサいスニーカーというのが、一般人が抱くダンロップのスニーカーに対する普遍的なイメージである。

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(我らがダンロップの代表的モデル)
http://item.rakuten.co.jp/mode-shoes/61-220/


おそらく、このスニーカーを激褒めしているファッソニスタたちに質問しても「ダンロップのスニーカーは安くてダサい」と答えるだろう。

しかし、よく似たデザインの蟹江敬三 カニエ・ウエストモデルは「カッコイイ」「オシャレ」だと評価する。

一般人からするとその判断基準が全く理解できないし、単なるダブルスタンダードだとしか思えないわけである。筆者もその判断基準は理解できない。

まあ、せいぜい、「アディダスだからだろうな」とか「蟹江・ウエストだからだろうな」という理由しか思い当たらず、似たようなデザインでも発売元が違えばOKなのかという根本的な疑問は残ったままである。

スニーカーに限らず、こういうことは多くある。
その判断基準がもう少し論理的・非感覚的にならなければ、ファッショニスタはますます一般人から隔離されたオタク化を深めることになるだけだろう。

それはさておき。

今までイケていたものがダサいとなり、ダサかったものがカッコイイとなることは、ファッションにおいてはよくある。

80年代にはイケてたケミカルウォッシュジーンズが、90年代半ばには「超ダサい」アイテムの代名詞になってしまった。
逆に今後、ダンロップのスニーカーがイケてると見られるようになる可能性もゼロではない。

2012年のまとめ記事だが、これが今現状のダンロップのスニーカーに対する大衆の評価である。

【徹底討論】 なぜお前らは自分の意思でダンロップの靴を選ぶのか
http://mudainodqnment.ldblog.jp/archives/1713810.html


ここではダンロップの愛好者はダンロッパーと総称されている。


今回のように予期せぬ形でダンロップのスニーカーが注目されると、同じ「安いダサい」カテゴリーの横並びブランドとして知られるブリヂストンとスポルディングのスニーカーにも脚光が浴びることがあるのかどうかが気になる。

愛好者数の多さと「安いダサい」度合の髙さでいくと、ダンロップに並ぶのがスポルディングとブリヂストンだと考えられる。

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(ブリヂストンはこんな感じ)




実は筆者も大学生のころ、近所の靴流通センターで1900円くらいで買った白のブリヂストンのスニーカーを愛用していた時期がある。

このブログの読者ならご存知だと思うが、筆者は大学を卒業するまでまるでファッションには興味がなく、母親に買い与えられたジャスコとイズミヤの1900円くらいの洋服で常に過ごしていた。
靴については今まで触れる機会がなかったが、靴ももちろん同じレベルだった。

買う場所はだいたいジャスコかイズミヤ、あとは近所にあった靴流通センターだった。

あと、そこら辺のモサっとした親爺が普段履きしているスポルディングのスニーカーもなかなか捨てがたい味わいがある。

ダンロップに続いてスポルディングやらブリヂストンやらのスニーカーが注目を集めるような驚天動地の事態が起きるかどうかに期待したい。









今春のワイドパンツは昔のように裾を引きずる長さはNG

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 今日は柄にもなくトレンドのことでも書いてみようかと思う。

自分のオサレ度に自信を持っている人は男女を問わずちょっとめんどくさいと感じる。
なんだろうか、その自信に満ちた表情を何らかの形で踏みにじってやりたいなんて思うのはたぶん筆者の人間性が歪んでいるせいだろう。(笑)

それはさておき。

これまで細身のスキニーシルエット一辺倒だったパンツだが、一昨年くらいからワイドシルエットがトレンドに浮上してきた。
今年の春夏はそのワイドパンツ類の着用者がさらに増えそうな気配があり、各社ともワイドパンツの提案が増えている。

逆にスキニー人気もそこそこに根強く、先端ファッションブランドはどうだかしらないが、筆者が利用するマス層向けの店なら、スキニーがベースで、そこにワイドがプラスされる感じである。

こういうトレンドの話になると、太いか細いかに注目する人が業界内でも多いのだが、現在のトレンド傾向は、実は太くても細くても一つだけ変わらない部分がある。

それは「丈」である。
ジョーではない。カタカナにするとレングスである。
英語のスペルだとlength。

要するに丈の長さである。

スキニーシルエットが08年に主流となって以降、ズボンの丈は少し短めが主流になった。
真冬でもくるぶしが見えるくらいの丈が男女ともに主流になった。それは今も変わらない。

昔、といっても10年ほど前までは長らく「ズボンの丈は靴の上にワンクッション乗るくらいが最適」とされてきたが、スキニー全盛になり、その後、アンクル丈や7分丈ズボンが発売されたことによって、「靴の上ギリギリくらいのノンクッション丈」が新しいスタンダードになった。

筆者の親世代(70代)なら、「丈が短すぎる」と感じるだろうが、これが新しい標準になってすでに7年くらいが経過している。

元来、股下が短く、腰の位置が下についている人が多い日本人にとって、ワイドパンツは似合いにくいとされてきたし、筆者もそう感じる。
要するに短足にワイドパンツは似合わないことが多く、さらにいえば、ワイドパンツでワンクッションの丈の長さにしてしまえば、地面に裾を引きずるようになって見た目にもだらしなくなる。

だからという部分も含めて2008年以前のワイドパンツブームはどれもこれも業界が煽るほどには広がらずに、いつも一部の人たちだけのトレンドで終息してきた。

同じ着こなしなら、今回のワイドパンツブームもあまり広がらないと考えていたが、今回のワイドパンツは丈がノンクッションで短いのが主流である。
スキニーと丈の長さは同じなのである。
さらにいえば、裾が少し細くなったテイパードシルエットのほうがどんな人にも似あいやすい。

要するに、太さには違いがあるが、丈の長さは同じであり、同じ靴が着用できるということになる。

かつての丈長めのワイドパンツなら履く靴を変えなくてはならなかったが、今回のワイドパンツは履く靴は変えなくても良いということになる。

スキニーは丈が短いので靴底がフラットなスニーカーを合わせられるが、もし、丈の長いワイドパンツを穿くとスニーカーなら裾を引きずってしまう。
必然的に、男性ならかかとがついたワークブーツ類、女性ならかかとのあるヒールやパンプス類を合わせることになる。

しかし、今回のワイドパンツはくるぶしくらいまでの丈なのでスキニーと同じスニーカーを合わせることができる。

極論をいえば、今回のワイドパンツはスキニーの亜流・変型版ともいえるだろう。

先日、お邪魔したジョンブルの今春夏向け展示会でも、ゆとりのあるシルエットのパンツをくるぶし丈で提案しており、2005年当時の引きずるような丈の長さとは全く異なる。今後はこれが主流になると考えられる。

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(今春夏のジョンブルのワイドパンツ)



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(2005年の裾を引きずるようなジーンズ)
http://www.rakuten.co.jp/joy/757113/767120/




ついでにいうと、春夏シーズンというのは体形が残念な男女にとって、ワイドパンツを合わせやすい季節でもある。

呼び名は様々あるが、大概の人がそれなりにカッコよく見える着こなしに3つのシルエットがある。


1、トップスがタイトでボトムスがワイド (Aライン)
2、トップスがタイトでボトムスもタイト (Iライン)
3、トップスがワイドでボトムスがタイト (YラインまたはVライン)

である。

逆によほど顔も体形も整っていないと難しいのが、上下ともにワイドなシルエットでそろえることである。
そこら辺の人間がやってしまえば、90年代のイケてないヒップホッパーみたいになってしまうことは間違いない。

で、ワイドパンツを合わせるには、トップスをタイトにするのがコツだが、秋冬だとダウンジャケットやら分厚いウールのコートやらで、トップスはもれなく膨れるのでワイドパンツを合わせることは容姿の残念な人は避けたほうが良い。

春夏だとトップスはカットソーやシャツ1枚になるので自然とコンパクトになるからワイドパンツを合わせてAラインを作りやすい。
容姿の残念な人は、トップスのシャツやカットソーをタイトなシルエットにすれば、少しはマシに見えるだろう。

そんなわけで容姿も頭髪も残念な筆者は、できるだけ無難な着こなしを心掛けたいと思う。








中高年男性はビッグシルエットの着用を避けるべき

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 これまで続いたタイトシルエット、ジャストシルエットにも飽きが来たのか、ルーズなシルエット、ビッグシルエットが2015年ごろからトレンドに浮上してきた。

最初にレディースで動きがあり、メンズがそれに続いている。
マスを狙うユニクロでさえもカットソー(いわゆるTシャツ類ね)やトレーナー、セーターなどでビッグシルエットを打ち出しており、衣料品業界関係者はこの動きを見て「ユニクロでさえ発売し始めたのだから、このトレンドは定着化する」と指摘しているが果たしてそうだろうか?

男性、とりわけ中年・高年層がこのビッグシルエットを安易に取り入れるのは非常に危険だと個人的に見ている。
30代以上の男性がビッグシルエットを着こなすことは、若い男性よりも難しいと感じる。
また、男性の方が女性よりも全般的に年代を問わずビッグシルエットを着こなすことは難しいと感じる。

シルエットの変化について大雑把なおさらいをしてみよう。
80年代半ばからダボダボのシルエットのソフトスーツが流行となった。
カジュアルアイテムも軒並みゆったりシルエットになった。

90年代半ばまではその傾向は続いており、90年代後半からローライズジーンズが流行するにしたがって徐々に細身シルエットへと変わっていったが、当時は現在ほどストレッチ混素材が発達していなかったため、着用できる人は限られていた。
要するにスマートな人しかタイトシルエットの洋服は着られなかったということである。

そのうちにストレッチ混素材が普及するとともに2004年ごろ、エディ・スリマンがディオールのコレクションで超タイトシルエットを打ち出してから、タイトシルエットがマス化して定着した。

そして、現在、ビッグシルエットがトレンドに再浮上しているからエディ・スリマンから数えても12年目、その兆候が出始めたころから数えると、20年弱ぶりということになる。

今の若い世代はその前のビッグシルエットの時代を記憶にすらとどめていない世代だといえる。
だからビッグシルエットが「目新しい」と映るのである。

オッサン・オバハン世代からすれば「あ、ワシらが若いころに着ていた服やわ」ということで何の新鮮味も感じないのだが。

ビッグシルエットはひとまず復活を果たした。
現在のトレンドはタイトシルエットとビッグシルエットが混在しているというのが正しい姿だろう。

上下ともにビッグシルエットの洋服は着用しない。
そんなものは90年代のだらしないヒップホッパーだけで十分だ。

ビッグシルエットが復活したことで、今、店頭ではこんなセールストークが使われている。

「ゆったりしたシルエットなので着やすいですよ」
「ゆったりしたシルエットなので体型が隠れてスマートに見えます」
「ゆったりしたシルエットなので着る人を選ばずに誰でも似合います」

果たして本当だろうか?中高年男性でビッグシルエットが似合う人は恐ろしく少ないのが実情である。

ビッグシルエットの似合う順番でいえば、やせ形から普通体型に限定すると、

若い女性>中高年女性≧若い男性>>>>中高年男性

という順番になっている。中高年男性はビッグシルエットが最も似合いにくいと思う。

例えば、グローバルワークの写真で比較してみよう。

まず、ビッグシルエットのニット。正式には「7ゲージリブビッグニットプルオーバー」である。

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http://www.dot-st.com/globalwork/disp/CSfGoodsPage_001.jsp?ITEM_CD=742437



どうだろうか?比較的容姿が整ったモデルの男性が着て、このダボつきである。
容姿が整っておらず、中年太りした巷の中高年男性がこれを着るとどれほどダボついて見えるか想像は容易ではないか。

続いてジャストシルエット、ややタイトなシルエットのニットである。
正式名称は「ミラノリブカタボタンボーダープルオーバー」(長ッ)である。

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http://www.dot-st.com/globalwork/disp/CSfGoodsPage_001.jsp?ITEM_CD=737489



こちらはこの15年間ほど主流だったジャストサイズ、タイトシルエットのニットであり、ちょうど同じモデルさんが着用していて比較しやすいが、こちらの方が圧倒的にスマートに見えるのではないか?

くどいようだがもう一度並べるので見比べてもらいたい。

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上の画像の方が太って見え、下の画像の方がスマートに見えるのではないか?

ビッグシルエットはたしかに着ていて楽だというメリットはあるが、よほどに容姿と体型が整っていないと着こなすことは難しい。

ビッグシルエットがなぜダボついて見えやすいか、なぜ太って見えやすいかということを考えたい。

まず、例えば先ほどのモデル男性を例にとって考える。

このモデル男性は中年太りしていない。お腹は出ていない。
タイトシルエット、ジャストシルエットならそれがわかる。
しかし、ビッグシルエットの場合、そのあたりはダボついていてわからない。
だから「ごまかせる」と考えられがちだが、逆にダボついているがために却って、お腹が出ているように感じられるのである。

また、肩幅が広くてお腹が出ていない格闘家体型の男性がビッグシルエットを着ると、広い肩幅でシルエットが固定されて、それがズドンと下まで続くので、却って太って見える。お腹が出ているか出ていないかはダボついたシルエットによってまったくわからなくなってしまう。

だから格闘家体型の男性はピタっとしたシルエットの服を着た方が、広い肩幅と引き締まった腹回りが強調されてスマートに見える。

次の落とし穴は、首の長さと顔の大きさ(輪郭のごつさ)である。

ビッグシルエットの場合、ウエストがどれだけ細く引き締まっていてもそれは外部からはわからない。
首が長くて顔の輪郭の小さい男性がビッグシルエットを着た場合、ビッグシルエットとのアンバランスさで、細さが際立つことになるが、首が短くて顔の輪郭がごつい男性が着た場合は、首と輪郭に引きずられて外部から見えない腹回りも、それなりにゴツいのではないかと、脳が勝手に想像する。

首が短くて顔の輪郭がデカい中高年男性はもっとも太って見えやすい。

仮にタイトシルエット、ジャストシルエットを着た場合は、顔がデカくて首が短くても、腹回りが細いことは簡単に外部から見える。よって、他人は「あ、首が短くて顔がデカいけど体は痩せている」ということが認識できるわけである。論理的にも視覚的にも。

ビッグシルエットの場合、体型が隠されているため他人からはその確認ができないのである。

だから肩幅が広くて首が短くて顔がデカいオッサンはスマートに見えたかったらビッグシルエットを着るのは避けて、タイトシルエット、ジャストシルエットを着るべきである。

ビッグシルエットは体型が隠れてしまうからこそ、首が長くて顔が小さくて肩幅が広すぎない、やせ形からスマートな体型の人間しか似合わないのである。

首が長くて顔が小さくて、肩幅があまり広すぎない体型の男性は残念ながらビッグシルエット以外の洋服も似合いやすい。人間は生まれながらにして不公平に作られているのである。


女性の方が男性よりも似合いやすいのも同じ理屈である。

女性は肩幅が狭い。
首の長短は様々あるが、顔の大きさは男性よりは小さい。
だからビッグシルエットを着ていてもそれなりにスマートに見える。


肩幅が広くて首が短くて顔がデカい男性がビッグシルエットのTシャツ類を無造作に着ていると、リングへ入場してくるプロレスラーか、休日の柔道家みたいに見えてしまう。

それに40代以上の中高年男性がビッグシルエットの服を着ると、新作を買ったように見えずに、バブル期に買った物をタンスの奥から引っ張り出してきたように見える。
これにセカンドポーチを小脇に抱えたら完璧にバブル期のオッサンが出来上がる。

「新作の洋服を買うオサレに敏感なオッサン」ではなく、「バブル期の服を今まで大切に保管していた物持ちの良いオッサン」になってしまう。

しかし、いくらタイトシルエット、ジャストサイズが理想といったところで、タイト過ぎればピチピチになりすぎて、「動物戦隊ジュウオウジャー」の変身後みたいになる。

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http://akkinews.net/archives/117821



極端なピチピチを避けつつも、ジャストシルエット、タイトシルエットを基本にワードローブをそろえた方が、中高年男性や容姿の整っていない男性は、まだマシに見える。

容姿の整っていない男性や中高年男性が、考えなしにビッグシルエットのトレンドに飛びつくのはかなり危険である。










小手先のトレンド論で売上高を大きく左右できた時代はすでに終わっている

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 筆者が40代後半の感性の衰えたオッサンだからかもしれないが、ここ10年間くらいで、洋服において「これぞ画期的だ」というような新機軸のデザインやディテールは見たことがない。

コーディネイトや着こなしなんかではある。

例えば、インナーダウン。
これまでダウンジャケットといえば、アウターとして着る物だったが、薄手にしてジャケットの下に着るという発想である。
登山なんかでは当たり前だったが、これをカジュアルとして提案することは新しかった。
ユニクロのおかげなのか、最近ではおよそファッションとは縁遠い風貌のサラリーマンのオッサンでさえインナーダウンを着ている姿を見かける。

ただし、インナーダウンというコーディネイトもここまで行き渡れば、あとはひたすら商品の微細なマイナーチェンジを続けて何とか売り上げ維持を図るというのがアパレル業界の通例である。

しかし、商品の微細なマイナーチェンジを繰り返すことで売り上げを維持するという手法は、2000年ごろまでなら通用したが、現在では通用しなくなっている。

昨年買ったウルトラライトダウンと今年のウルトラライトダウンがどう違うのか?
物としてはまだ傷んでいないから今年も来年も再来年も着用できる。

いわく「色のトーンが少し変わりました」
いわく「スナップボタンの色を変更しました」
いわく「素材の光沢感を少し抑えました」
いわく「スナップボタンの材質を変えました」
いわく「着丈が1センチ長くなりました」

そんな微細なマイナーチェンジで「買おう」と思う消費者は今はほとんどいない。

可処分所得が減ったこともあるが、社会が成熟化しており、ほとんど変わらない商品を毎年わざわざ買い替えるような不合理な行動はとらない。

多くのアパレル、衣料品販売店はまだこのバブル期の発想のままだ。
微細な小手先の変化で何とか売り上げを作ろうとしており、その究極の発想が「他社の売れ筋を丸パクリする」ことである。

売れている商品を寸分たがわずコピーすれば自社の商品も同じくらい売れると思っている。

先日、関西で売れに売れており、業界で注目を集めている苦楽園のセレクトショップ「パーマネントエイジ」に4~5年ぶりに取材に伺った。

http://www.permanent-age.co.jp/

その取材内容はまた、ウェブメディア「インディペンド」に掲載するが、その中でパーマネントエイジの林行雄社長の言葉の中で印象的なものがあった。

https://independ.tokyo/

「今のアパレル業界は、ナイフとフォークで食べていたトンカツを『今季は箸で食べなさい。そうすれば美味しく感じるでしょう?』という小手先の変化に終始している」

という比喩で、「成熟化した社会ではそういうやり方では物は売れない」という指摘に続いた。

まったく上手い例えだと思うが、売れるようになるためにはトンカツそのものの味付けを変えるか、トンカツではない料理を出すかということが根本的な解決になるのに、そこに踏み込もうという企業、ブランドはあまり多くない。

以前にご紹介した河合拓氏の記事と同様の趣旨だ。

http://news.livedoor.com/article/detail/11470311/

先日、ある業界団体の討議会に参加した。アパレル業界をどうしてゆくべきかという議論が活発になされていたが、業界の常識にどっぷりつかった人は昔のフレームワークから抜け出せず、物事を「XXX系」という括りで語り、「この系」は流行る「この系」は廃れるという具合に昔から繰り広げられている「トレンド議論」を繰り返していた。

中略

「トレンド論」でなく「システム論」、「ビジネスモデル論」こそ重要なのである。分析の軸が間違っているのだ。

という内容で、国内のアパレル事業者にこの観点を持っている者はあまりにも少ない。

もちろん、大企業と町場の個人経営の洋服店が同様の手法で活性化することはないが、個人経営の洋服店がトレンドとかディスプレイとかの手法に特化して売上高を改善することは理解できるが、問題は大企業までもがいまだに同じ発想をしているということである。

大苦戦が続いているワールド、三陽商会、イトキンなどはその典型ではないか。

新ブランドや展示会の記事を読んでもほぼトレンド論に終始している。
トレンド論が正しいやり方であるなら、これまで何十年間もトレンド論に終始してきたアパレル企業がどうしてここまで凋落することになったのか。
そのことだけでもトレンド論だけでは通用しなくなったことを証明している。

トレンド論が無駄とは言わないが、商品トレンドだけで売れ行きを大きく左右できた時代はとっくに過ぎ去り、今後そういう時代に戻ることは二度とない。










スキニージーンズはついに中高年男性にまで広まった?

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 今春夏はジーンズが久しぶりに復活したと言われている。
といっても、全ブランドが良かったのではなく、ジーンズがトレンドに浮上したため、好調だったブランドが多かったということであり、期待した割にはあまり動かなかったというブランドもある。

10年前のようにジーンズがトレンドで全ブランドが軒並み好調という図式ではなく、今後はそんな状況になることはないだろうと考えられる。

ジーンズはズボンの一種で、ズボンしか着用物がない男性にとっても、チノパンあり、ジョガーパンツあり、ミリタリーパンツあり、スエットパンツあり、とジーンズ以外の選択肢が増えた。

当然、ジーンズの着用率は減るから、年間での購入本数も減る。
また、ユニクロや無印良品の3900円台のジーンズも決して品質、見た目ともに悪くない。
特にこだわりがない層はここで買う。

ズボンのバリエーションが増えただけではなく、消費者にとっての買場も増えて、それだけ分散化しているといえる。

若者が「ジーンズ」をはかなくなった? 生産10年で3割減…「カジュアル」多様化、パンツを替える時代!
http://www.sankei.com/west/news/161021/wst1610210004-n1.html

先日、産経新聞にこんな記事が出て、コメントを出させてもらった。

記事の論調はまったくその通りで、普段このブログで書いていることを再構成してもらったような形になる。

ジーンズ協議会の生産統計発表も4年前で中断しており、その理由は協議会の非加盟ブランドがジーンズを多く企画製造しており、統計に実態が反映されなくなったためである。
ユニクロもジーユーも無印良品もハニーズもGAPもグローバルワークもウィゴーも全て非加盟である。
これらのブランドの製造数量は統計には反映されていない。

ユニクロだけでも年間1000万本を販売すると言われているから、これらのブランドの数量が反映されない統計は実態とはまるでかけ離れているといえる。

この記事にコメントした通り、今後もジーンズの売れ行きはトレンドによって左右される程度であり、10年前までのようにカジュアル=ジーンズというような単純な構図が復活することはありえないし、ジーンズを扱う全ブランドが潤うようなこともありえないと考えるのが適切だろう。

ところで、空前のジーンズ不振といわれた2009年以降の数年間だが、40代・50代のジーンズ着用率は高かったし、中年のジーンズ需要がジーンズ業界を支えているといわれていた。これは男女ともにである。
正確には30代半ば~50代のジーンズ愛用率は高い。

当時、小学校や中学校の行事に参加するとその年代の保護者のジーンズ着用率は異常に高かった。
当時はスキニーブームになっていたが、この年代がスキニーを穿いていることは稀で、女性はブーツカット、男性はレッドペッパーやトゥルーレリジョンを彷彿とさせるコテコテ加工のジーンズが多かった。

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(エドウインのコテコテジーンズ)



どちらもトレンドからワンテンポ遅れた商品である。

あれから7年ぐらいが経過しているが、この間、街中ではブーツカットの女性もコテコテ加工の男性も見かけることがめっきり少なくなった。

2017年にはトレンドとしてワイドシルエットやフレアシルエット(いわゆるブーツカット、ベルボトム)が注目だとされているが、スキニーやそれに近い細目ストレートは依然としてベースになっていると考えられる。

最近では学校の行事に参加することもなくなったので中高年保護者の服装の変化はつかんでいなかったが、先日、ある大手ジーンズメーカーの営業マンと話していると、保護者の服装も最近は大きく変化しているという。

その営業マンによると、ブーツカット女性とコテコテ男性が減ったのは言うまでもないことだが、中高年男性保護者のスキニー着用比率がかなり高くなっていたという。

そういえば、街中でもスキニーを穿いたオヤジの姿を見かけることが増えたような気がする。

またその営業マンによると、某ネット通販会社の統計資料によると、30代半ば以上の男性のスキニージーンズの購入比率がかなり高くなっているともいう。

筆者も昨年、45歳の時に無印良品のアメリカンコットンスキニージーンズを購入した。
定価3980円の商品が半額になり、さらにレジで何%か引かれて1600円くらいになって非常にお買い得だった。

このジーンズが長期間着用しても膝が出ないので非常にクオリティも高い。

それ以降、スキニーに抵抗がなくなって、何本か投げ売り品を買った。
おそらく世の中高年男性もためしにスキニーを買ってみたら、ストレッチ混の機能性が心地よかったのと、自分が思っているよりもスキニーシルエットがコーディネイトに合わせやすいということに気が付いたのかもしれない。

スキニーはついに中高年層にまで達してマス化したといえるのではないか。
トレンドは正反対に動きつつあるが、世の中のベーシックゾーンはスキニーになり、スキニーを基本にルックスを組み立てることが必要になるのではないか。








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