南充浩の繊維産業ブログ

ファッションブログ・・・・と言いたいところだけれどもそこまでファッションに特化していないし、能力的にもできない。そこで繊維製造業、産地、アパレルメーカー、小売店など幅広く繊維産業全般についてぼちぼちと書きます。たまにマスコミ、経済問題についても書く予定。よろしくお付き合いください。 お仕事の依頼は minami_mitsuhiro@yahoo.co.jp まで。

繊維業界新聞の記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下まで担当。 同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。 現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

売り場探訪

「接客不要バッグ」が導入された店頭。ある平日夕方の印象

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 先日からアーバンリサーチで「接客不要バッグ」が店頭に並べられた。

実際のところ、どんな感じなのか店頭を見に出かけた。
今回はその印象について。

7月上旬の平日の16時ごろに1度訪れただけなので、休日や平日夜はまた違った店頭になっているかもしれない。
もしそうならまた教えていただきたい。

心斎橋筋商店街のアーバンリサーチストアを訪れた平日の夕方だが、1階・2階・3階と回ってみたが、だれも「接客不要バッグ」を持っていなかった。
そのときの入店客数は合計で15人前後といったところだろうか。

この日のこの瞬間だけかもしれないが、全然持っていないというのはちょっと意外だった。

この「接客不要バッグ」ができた影響からなのか、以前よりも販売員の声が聞かれなくなっていた。
良いか悪いかは別にして通常だと、販売員は入ってきたお客を見かけたら「いらっしゃませ」とか「こんにちは~」とか声をかける。

また、良いか悪いかは別にして、声出しを行っている。
平日の昼間とか閑散期なんて、いくら店頭にBGMが流れていてもそれだけではなんだか寂しいものである。
だから活気づけるためにも「声出し」をする店は多い。

いらっしゃいませも声出しもその日のその瞬間はほとんどなかった。
店頭ではBGMが流れているだけ。

逆に変な静寂に包まれていたと感じた。

極端にいえば、販売員が「声出し」をしていないセルフ形式の店という印象である。
あれ?アーバンリサーチストアってこんな雰囲気の店だったっけ?というのが率直な感想である。

筆者は貧乏暇しかないので、平日昼間にたまに地元の西友に行く。
食料品売り場は別として、衣料品フロアは閑散たるものだ。

売り場の広さの割には販売員が少ないから声出しもしていない。
BGMが淡々と流れているだけだ。

その雰囲気に近いと感じた。

今回の「接客不要バッグ」には賛否両論がある。
物事はなんでも賛否両論だから、それが正常な反応といえるのだが、賛成派の声が多かった割には、利用している人は少ないのではないか。

もし、全営業日を通して少ないのなら、その理由は、「買うつもりがなくても、わざわざバッグを持たなければならないという矛盾」にあるのではないかと思う。

販売員に声をかけられるのが苦手という人は多い。
苦手ではないが今日は声をかけてほしくないという場合もある。
それはどんなときかというと、買うつもりがなくて下調べに来たときである。

いくら、熱心に接客されてもこっちは買うつもりがないのだから、なんだか申し訳なくなる。
筆者はそういう場合、正直に申告するようにしている。
「今日は買うつもりがなくて見に来ました」と。

今日は買うつもりがないという人も少なくないのではないかと思う。
で、そういう人が逆に「接客不要の目印」としてショッピングバッグを持たねばならないというのは、なんだかちょっと滑稽に感じる。

買うつもりがないから接客してほしくない。だから目印にショッピングバッグを持つ。

冷静に考えるとクスっと笑えて来ないだろうか?

さらにいえば、販売員は、そういう制度ができたため、持っていない人に対しても声をかけづらくなってしまっているのではないかと、店内が静寂な理由についても思ってしまう。

アーバンリサーチのプレスリリースにもあったように、今回の導入はあくまでも「実験的」ということで、今後、廃止になったり、今とは違う形に変化したりすることもあるのだろうと思うが、この日に限っては、導入は逆効果になっているのではないかという感想を持った。

ただ、西友のようなセルフ形式の販売を行うには、アーバンリサーチの店頭に並んでいる商品の価格は高すぎる。
ユニクロや無印良品のような低価格店もセルフ販売形式だが、それらの店には商品を説明するPOPが付けられている。また商品の下げ札にも商品説明が書いてある。

しかし、アーバンリサーチの店頭にはユニクロ・無印形式の商品説明が書かれたPOPは皆無だ。
また商品の下げ札に商品説明が書いてあるわけでもない。

それでいて価格はユニクロ・無印の何倍もするのだから、これはかなり売れにくい・売りにくいのではないか。
そんな高い商品をほとんど説明も聞かずに買う消費者が一体どれほど存在するのだろうか。


アーバンリサーチがセルフ販売形式に移行しようと、やっぱり「接客不要」を廃止しようと、無関係の筆者はどちらでも良い。

だが、セルフ形式に近付けるなら売り方・説明の仕方もユニクロ・無印に近付けるべきだし、そうすることが嫌なら、従来通りの接客スタイルを取り入れることは不可欠となる。

現在は過渡期だと思うが、今後どのような販売スタイルを目指すのか、しばらく観察してみたい。



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いつの間にかブランド終了していた「パンツワールド」

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 先日、ふと思い出して、「パンツワールド」を検索したところ、ブランド自体が終了していた。
ブランドが終了するということは、売上高が厳しく不採算だったということである。

この「パンツワールド」というのは、ハニーズが開発した新業態で、メンズとレディースの低価格カジュアルパンツ専門ショップで、2013年春からスタートした。

終了したのがいつ頃なのかはっきり知らないが、2017年7月に検索したところブランドとして存在していなかったので、長くても4年間、短ければもっと早い時期にブランドが終了していたと考えられる。

中心価格帯は1900円で、チノパンのようなカジュアルパンツが主体の品ぞろえだった。
もちろん、ハニーズなのですべて自社企画商品であり、ここで展開していた商品はミャンマーの自家工場で製造されたものだとメディアでは伝えられていた。

実は興味があって、2013年春には実際に店頭も見に出かけた。

当時、大阪では、「なんばwalk」という地下商店街に新店をオープンしていた。

目測では20坪未満の店に、メンズとレディースのチノパンが並べられていた。
中心価格帯は1900円だが、1900円を下回る価格のパンツもあった。

当時の印象だけでいうと、売れるのはかなり難しそうだという印象だった。

なぜなら、チノパン、それに類した綿パンしか品ぞろえがなく、定期的に買うには難しいと感じた。
また、カラーチノパンなどもあったが、当時並べられていたカラーはトーンや色彩がビミョーなものが多く、購買意欲をまるでそそらなかった。

低価格ブランドについては、賛否両論あるが、売れている低価格ブランドのほとんどは、

「値段の割に商品が良い」「値段の割にファッション性が高い」

というものだが、残念ながらパンツワールドの商品にそれらは感じられなかった。
お値段通りという感じで、これなら大型スーパーの平場に並んでいるカジュアルパンツとあまり変わらないというのが当時の印象だった。

また、通常、パンツ類はトップスに比べて購買頻度・購買枚数が少ない。
店からすると回転率が低い。

どこのショップで習ったのか忘れたが「トップス3枚~4枚に対して、パンツは1枚の割合で消費者は所有する」という法則があるらしい。

これは各人の所有する洋服で考えてみても当たらずといえども遠からずではないか?

となると、パンツ専門店での購買頻度・来店頻度はトップス売り場を併設している店に比べると必ず低くなる。

おまけに1900円前後という低価格だから、当然利益額は小さい。

購買頻度が低く、1人あたりの購買枚数が少ないのだから、全店舗・ブランド全体での売上高も低くなるし、営業利益額も低くなる。

そうなれば、大阪・難波の地下商店街での家賃さえ支払うことが厳しかったのではないかと考えられる。

難波だけでなく、他の都心の繁華街に出店した店舗はすべて同じだったのではないか。

ハニーズは年間100店舗ペースで出店し、中期的には400店舗体制にすることが目標だと、2013年当時には報道されているが、いずれも当然のことながら未達に終わった。


それにしても、2010年代で「パンツワールド」という屋号は、かなりダサいと感じる。
実は先日、ある専門学校でパンツワールドのことを紹介したところ、学生たちが「クスっ」と笑った。
たしかに、声に出して発音してみると本当にダサい。

文字で書くよりもダサく感じる。

文字で書いてても十分にダサいのだが。

反面、わかりやすい。
一発で「パンツ」の店だなとわかる。

わかりやすいが、低価格パンツ専門店というのは、それこそ需要自体が少なかったのではないかと思う。

パンツの購買枚数の少なさ・購買頻度の低さ・所有枚数の少なさを考えるとわかるが、それ以上に、低価格カジュアルパンツというのは、他の低価格ブランドに内包されている。
逆に他の低価格ブランドだと同じ売り場にトップスが並べられているので、コーディネイトが組みやすいから、単品売り場よりも売れやすくなる。

このほかに感じたことは、あまりにもメディアに登場しなさ過ぎた。
これでは知名度も高まらない。

そもそもハニーズという会社自体が取材嫌いなのかあまり報道されない。
せっかくミャンマーに自社縫製工場を作ったのに、ひどい場合だと、業界の人でも知らないことがある。

縫製工場を所有した「真のSPAブランド」なのだから、ハニーズはもっとそのことをアピールしても良いのではないかと思う。



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大衆は洋服のことなんてそんな詳しく知らないし興味もない

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 今日はお気楽に。

断続的にバッタ屋の店頭に立っていると、業界の人が想像する以上に、洋服の根本的なことを理解していない消費者は数多くいることに気付かされる。

そういう意味では、消費者教育が必要なのではないかと思う。

バッタ店頭で出会った仰天する質問をいくつか挙げてみる。

1、「Mサイズってどれくらいのサイズ?」という質問

おおー、最早なんと答えて良いのかわからない。
中間くらい・・・?としか言いようがない。

これと類似の質問で、

「9号サイズって何?」というのもある。

この質問はいずれも推定40~50代女性から発せられるもので、この人たちは少なくとも40年間くらいは何を目安に洋服を買ってきたのだろうと不思議でならないが、こういう人は本当に多い。

2、自分が何サイズの服を着ているのか知らない人

これも多い。
今自分が着用している服のサイズを「知らない」と言い切る大阪のオバハン多数。
え?どうやってその服を買ったの?どうやってその服を選んだの?

3、〇〇%引きの計算ができない人

これは以前にもこのブログで書いたが、本当に業界人が想像するよりはるかに多い。
30%オフとか70%オフとか表示するのは、店側・販売員側からすれば、最大限分かりやすく表示しているつもりだが、実際の店頭では、「これ何円になりますか?」と尋ねる人はかなり多い。
体感だと5割近いのではないかと思う。

最初のころは、「暗算するのがめんどくさいのだな」と思っていたが、どうやら本当に計算のやり方自体が分かっていないようだ。

言うまでもないが、〇〇%という表記は百分率に基づいており、百分率の計算は小学校で習う。
〇〇割引きは割合でこれも小学校で習う。

そのどちらも計算できない、理解していないという人は本当に多い。
この人たちはスーパーなどの食料品の割引表示をどう理解して購入しているのだろうか?

それでも社会生活は可能ということだ。やれやろだぜ。


4、洋服の名称がまるで理解されていない。

業界内で通じる共通の名称がある。
そんな大げさなことではないが、デニムパンツやジーンズといえば、業界内の人なら共通のイメージができる。

しかし、そういう基本的な名称すら知らない人は数多い。
ましてや、業界が「売らんがために」改称した名称なんて「誰も知らんがな」状態である。

盛り袖とかなんとか名称を新しく作るのは結構だが、そんなものは大多数にはほとんど浸透していないということを肝に銘じるべきである。

例えば、長袖・半袖・袖無しがある。
これをカタカナにすればロングスリーブ・ショートスリーブ(ハーフスリーブ)・ノースリーブとなる。

カタカナ語はまず理解していない。
長袖・半袖・袖無しですら、理解していない人も珍しくない。

つい先日、こんな人がいた。(推定50代女性)

「ランニングシャツみたいなワンピース」を連呼していた。
お気付きだろうか、これはノースリーブワンピースのことである。

ノースリーブという名称がわからないのは納得の範囲内だ。
しかし、「袖無し」という言葉すら出てこないのはちょっと衝撃的だった。

「かわいい」雰囲気を醸し出す「ノースリーブワンピース」という名称だが、「ランニングシャツみたいなワンピース」といわれると途端に、裸の大将が着ていたランニングシャツの丈が長くなったような画像が頭に浮かぶ。
かわいいも雰囲気もへったくれもない。
おにぎりでも持たせてやりたい。

5、女性物と男性物の区別ができない男性(推定40代以上)

Tシャツだとかジーンズだとか、そういうユニセックスデザインの商品はあって、それの男女の区別ができないのは理解できる。
それらはXLあたりを選べば男性でも着用できるからだ。

しかし、ワンピースやスカートが所狭しと並べられている店に入ってきて、何十分か物色してようやく、「この店は女性物の店ですか?」と気が付く中高年男性は本当に多い。

え?外から見てもすぐにわかると思うのだが?

男性は業界人が想像している以上に洋服に触れていないし、興味がない人が多い。
だからダメなんだと、某伊藤忠商事の社長のようなことは言わないし、言う気もない。
あの人が他人にダメ出しできるほどオシャレとも全然思わない。

就職した男性の中には結構な割合で、職場の制服(スーツも含む)かパジャマ類(Tシャツセットアップやスエット上下を含む)しか持っていないという人がいる。
平日は朝から制服を着こんで出勤し、それで勤務し、制服で帰宅する。帰宅後は入浴してパジャマ類を着て寝る。
土日は終日、スエット上下で過ごす。もしくは休日用の服が3枚くらいある。

そういう生活を過ごしてそれに不自由を感じていない男性は少なくない。
それを20年くらい繰り返すと、メンズ店とレディース店の区別ができなくなるのだろう。

しかし、そういう生活をする人の気持ちもわかる。
土日の週2回しか着用しない物にそんなにお金をかける必要もないし、毎年買い替える必要もない。
3枚か4枚を着まわせば済むという考え方は合理的で賛成できる。

自分がもし普通の会社に入っていたなら、そういう生活を送っていたと思う。

思いつくままに挙げてみたが、こういう人は本当に多い。
そしてこういう人々こそがサイレントマジョリティーである。

マスに売りたければ、こういうサイレントマジョリティーを如何にして教育し、惹きつけるかが課題になるが、それができているブランドは数少ない。
だから不振ブランドが多いのである。



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誰がアパレルを殺すのか
杉原 淳一
日経BP社
2017-05-25



ニッチ向けの商品を企画製造しながら売り上げ規模の拡大を望むのはナンセンス

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 世の中にはありとあらゆるテイストと価格帯の商品が溢れている。
その中にはどんなにがんばったって多くの人には受け入れられにくいテイストやら価格帯の商品がある。

そういう場合は、事業規模の拡大には限界があり、事業規模の拡大を容易にしたいならテイストや価格帯をマスに向けた設定にすべきであることは言うまでもない。

とくに洋服はそれを身に付けて歩き回るわけだから、奇抜なデザインではマスには売れにくい。
もちろん、何万円もするようなバカ高い洋服も売れにくい。

事業規模を拡大することを目指すなら、買いやすい価格帯で、ある程度万人受けするデザインにすべきである。

しかし、このバランスを理解せずに、「こんなに独創的な服が売れないのはおかしい」などと寝言にも等しいことを平然と主張するクリエイター気取りのブランドもあり、それは衣料品業界のレベルの低さを象徴しているといえる。

ウェブメディアのインディペンドに1日3組の接客販売(例外はもちろんある)しかしない「ガレージエデン」を寄稿した。

一日3組の予約制のショップ。渋谷区恵比寿の「ガレージエデン」
https://independ.tokyo/?p=3154



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個人的にこのショップを運営する浦野貴弘さんに好感を持つのは、端から事業規模を拡大しようと考えていないところである。
自らの好みと商品がマイナーであることを理解して、それに徹している。

この売り方に対して「一見さんお断わりみたいなのはいかがなものか」という意見もあり、それはその通りだと思うが、反対にそういう店があっても良いのではないかとも思う。

どこぞの大手みたいな「すべてはお客様のために」なんてキャッチフレーズばかりの店では気色悪くて仕方がない。

商品は、とにかく「細さ」を追求している。
パンツの形はブーツカットが基本で、トレンドは関係ない。

浦野さんは高校時代までリーバイスのXLサイズでもパツパツになってしまうほどの巨漢だったそうで、だからこそ今は細身であり続けることに強いこだわりを持つ。

自分もさすがにそこまで巨漢ではないが、もともとガッシリした体型なので、その憧れは理解できる。

デザイン自体はベーシックだが、とにかく細さへのこだわりは強いから、到底マス層には売れない。
もちろん値段もバカ高くはないが、そこそこに高い。

ここで浦野さんが「ぼくはマス層に売りたいんですよ」なんてことを言ったら、「寝言は寝て言いましょう」と返すところだが、そうではないからその商品構成には共感できる。

日本に限らず、欧米を見ても、売り上げ規模の大きいブランドの多くは、価格がそこそこ買いやすくて商品デザインが奇抜すぎない。別に日本人だけが特殊な考え方をしているわけではない。

自由経済だから、どんな商品を作ってどんな価格設定にしても構わない。
ポッピーピポパポの衣装みたいなデザインにして10万円の価格設定にしても構わない。

ただし、それが売れないのもまた自由経済である。

クリエイター気取りのブランドは何故、それが理解できないのか。
ビジネス的に成功しているデザイナーズブランドにしても実際に売れているのは奇抜過ぎないデザインの商品がほとんどである。

売れたければ売れやすいデザインや価格設定にすべきだし、自己の主観丸出しの「作品」を作りたければ売れないことを覚悟する必要がある。

主観丸出しで奇抜なデザインをするけれども、売れたいという美味しいところ取りは不可能である。

自分が「ガレージエデン」を支持する理由は、売り上げ規模が拡大できなくても良い、売り上げ規模は拡大できない、と覚悟しているからだ。


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バッタ屋について

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 各社の不良在庫を格安で引き取ってきて、安く売る店を俗に「バッタ屋」と呼ぶ。
丁寧にいえば在庫処分屋といえるが、業界ではバッタ屋と呼ばれる。

子供のころから周りでは、ブランドのコピー商品などを「バッタもん(物)」と呼んでいたが、バッタ屋と語源は同じあろうと考えられる。

ところでここでいうバッタとはなんだろう?
昆虫だろうか?

バッタ屋の語源についてググってみると、日本俗語辞書には

バッタ屋とは古道具商の間で「投げ売り」を意味する隠語『ばった』をする店、つまり商品を格安で販売する店のことを意味する。後にバッタ屋は倒産寸前の店舗から商品を買い叩き、安値で販売するなど、正規ルート以外で商品を仕入れ、安売りする店のことを指しても使われるようになる。

http://zokugo-dict.com/26ha/battaya.htm

とある。

このほかにもいくつかの語源が考えられており、昆虫のバッタのようにあちこち移動するからではないかとも考えられているようだが、古道具商の隠語の方が適切なのではないかと個人的には思う。

最近、小島健輔さんがブログで何度かバッタ屋を採り上げておられ、洋服不振で在庫が増えているであろうアパレル各社やSPA各社はバッタ屋を活用してはどうかという提言されている。

面白い構想だし、バッタ屋をいくつか組織化できれば大いにチャンスもあると思うし、廃棄量も減らせるだろう。

しかし、難点が多々あって、実現するには相当に苦労することになる。

まず、バッタ屋を運営する社長やオーナーの多くはアパレル業界出身者ではなく、店作りからファッション感度から何から何までアパレル業界関係者とは見方や考え方が異なる。
正規のアパレル業界関係者の発想とは相いれない部分が多い。

また、ウェブに対する取り組みがほとんど皆無で、ウェブによる恩恵や効力をまるっきり信じていない。
ウェブに対して積極的にシステマティックに取り組んでいるのは、年商10億円を越えた大阪のショーイチくらいだろう。
バッタ屋のほとんどは公式ウェブサイトすら持っておらず、連絡手段は電話かファックスかEメール(携帯電話の)くらいしかない。

正規のアパレル業界も大概がアナログだが、バッタ屋はそれを何倍にも強めたアナログ感である。

あと、全国にどれくらいのバッタ屋が存在するのかもわからない。
正規のアパレル業界のように組合や業界団体はない。
まったくのゲリラで、ふと思いついたド素人が明日から開業することも珍しくない。(成功するかどうかは別)

このような状況なので、正規のアパレル業界関係者やIT業界関係者が彼らをまとめ上げて組織化するのは難度が高く、よほどの手腕と僥倖がなければ成功は難しいと考えられる。

大阪でいうと、バッタ屋が集積しているのは、天神橋筋商店街だろう。
また、本町と心斎橋の間の地域にもバッタ屋は多く集積している。

千林商店街にも多くあると聞く。

じゃあ、実際のバッタ屋というのはどんな感じなのかというと、こんな感じだ。


洒落たPOPなんて存在せず、すべての店が手書きPOPで対応している。
いわゆる、「オシャレな手書きPOP」ではなく、原始的な手書きPOPである。

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商品に関していえば、激安品が多いことは言うまでもないが、先日、自分市場最安値の商品を発見した。
59円で販売されているスカートである。

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靴が1000円なんていうのは当たり前で、500円でもそれほどは驚かない。

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取り扱い商品は各店で見ていると様々で、けっこう有名なブランドの不良在庫品もある。
あと最近不振を極める大手通販各社の不良在庫は各店で出回っている。

また、アパレル各社のサンプル品もある。

洋服の価格はだいたい300~1000円くらいで、2000円を越える商品はほとんどなく、あってもそれはスーツやフォーマル、コート、テイラードジャケット類くらいである。

種々雑多に仕入れられているが、(段ボール箱何箱で何万円という仕入れ方だから)よく探せばたまに掘り出し物が見つかるのがバッタ屋の楽しさでもある。

しかし、最近は、正規店の最終処分値もバッタ屋には負けていないことが増えた。

例えばユニクロとジーユーである。
ともに最終値下げ価格が390円~790円になる。

今年の2月にはジーユーで390円に値下がりしたニットキャップを買ったし、昨年夏は790円に値下がりしたスリッポンを買った。

ユニクロでも今年の2月に790円まで値下がりしたスタンドカラー無地ネルシャツを買ったし、今日から4月27日まで590円に期間限定値下がりする7分袖Tシャツを買おうかどうしようか迷っているところだ。

また、大手総合スーパー(GMS)でも投げ売り品に出くわす。
個人的に愛用するのは西友だが、昨年、4枚1000円のボクサーブリーフを買ったし、先日、10足1000円の靴下も買った。

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このように正規店でも不良在庫の投げ売りは珍しくなくなっており、わざわざバッタ屋に出向かずとも選び方さえ間違えなければかなりの商品を最安値で買うことが可能である。

とくに凄まじいなと感じるのが、ユニクロUの値下げで、今春に発売されたスーピマコットンクルーネックセーターが990円にまで値下がりしている。
ユニクロ×ルメールの時からそうだが、クリストフ・ルメールという有名デザイナーが手掛けた商品が最終的には790円とか990円にまで値下げされるのだから、「名前だけで売ってる」既存のアパレルブランドはたまったものではないだろうと感じる。(自分は最安値のユニクロUを集中的に買うが)

対して「ユニクロガー」と文句を言っていても何も変わらない。
それとは異なる価値観を確立させ、広く伝えることができなければ既存のアパレルブランドは、ユニクロ、ジーユーはおろか、バッタ屋にさえ客を削り取られることになる。
もしかして、難度の高い「バッタ屋の組織化」にチャレンジして成功する者が今後登場するかもしれない。
後の世代には想像を絶するような異才、天才が出現する可能性がある。

まさに「後生畏るべし」である。






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