作者別: minami (1ページ / 175ページ)

はるやま商事がビッグサイズ専門メーカーのマンチェスを買収した理由とは

はるやま商事が岐阜のビッグサイズメンズ専門メーカーのマンチェスを買収し子会社化した。

マンチェスといっても知らない人は本当に知らないだろうが、昭和27年創業の老舗メンズビッグサイズ専門のメーカーで最近では自社子会社でネット通販も手掛けていた。

実ははるか昔、18年くらい前に一度、今はなき岐阜ファッションフェア(GFF)というイベントの取材のついでに訪問したこともあるのだが、その際どんな話を聞いたのかも忘れてしまった。
こちらも駆け出しの記者でおそらくろくな質問もできていなかっただろう。

そこから、時が流れて2010年くらいにマンチェスの岐阜本社を訪問したことがある。
この時は、当時手伝っていたOEM会社の社長と同行した。
記憶の中にあるマンチェスの建物とはずいぶん変わっていて、かなり近代化されていた。
立派な本社ビルだった。
もしかしたら当方の昔の記憶が間違っているのかもしれない。

はるやま/ビッグサイズを強化、既製服製造販売「マンチェス」子会社化
https://ryutsuu.biz/strategy/j111633.html

このマンチェスをOEM会社に紹介してくれた業界の大ベテランがおられたのだが、最近は連絡がない。
年齢的にももうかなりご高齢になられている。
たまに「果たしてご存命だろうか」とふと思うことがある。

まあ、それはさておき。ニュースの内容を見てみよう。

はるやまホールディングスは11月15日、既製服製造販売の「マンチェス」と「ミッド・インターナショナル」の株式を取得し、子会社化すると発表した。
はるやまグループは、2006年10月からビッグサイズの衣料品を販売する「フォーエル事業」を展開しており、10月末現在、96店を運営している。
マンチェスは大きいサイズの衣料品などの製造、販売(卸売)を、ミッド・インターナショナルはマンチェスが製造する商品などのインターネットなどによる通信販売を、それぞれ主要事業としている。

とある。
この流通ニュースには書かれていないが、ミッド・インターナショナルはマンチェスの子会社で、マンチェスが企画製造したビッグサイズのメンズ服をインターネットで販売する会社である。
両社合わせての売上高は19億円と日経新聞は伝えている。

金額的にはそれほど大した額ではないが、ビッグサイズ専門メーカーを傘下に加えたというのは、はるやまにとってはかなり効果的である。

まず、地味ながらマンチェスには他社にないノウハウがある。
それは、スーツからカジュアルまで数多くのブランドのビッグサイズをマンチェスは手掛けているが、そのビッグサイズの型紙(パターン)は独自のもので、逆にライセンス供与先がそのパターンを使用することもある。

それに手掛けているブランドは数多く、錚々たるラインナップだ。
ミッド・インターナショナルのサイトを見てみよう。

https://www.bigsize.co.jp/brand/

アディダス、リーバイス、エドウイン、ナイキ、ラコステ、ディッキーズなどなど。

2L~8Lくらいまでのサイズを展開している。
2Lくらいまではどこのブランドも自社で企画製造しているが、4L以上となるとちょっと手掛けていない。
それをマンチェスは企画製造してきた。

2Lくらいまでのパターンのグレーディングでは4L以上になるとサイズバランスがおかしくなる。
ウエストを巨大化させるのに比例して裾幅まで広げれば、袴みたいなズボンになってしまう。
それを「ハカマックス(笑)」とでも名付けて売れば良いかもしれないが、まあ、普通には売れない。
普通に売ろうと思うなら、裾幅は少し狭めにしなくてはならない。
このグレーディングのノウハウをマンチェスは持っている。
だから先に挙げた錚々たるブランドでもマンチェスのノウハウを逆に採用することもある。

このノウハウを手に入れられたことははるやま商事にとってはかなり有効な武器になる。

また、記事でも書かれているように、ビッグサイズは利用者数が少ない割には囲い込みがしやすい。

体験例でいうと、6Lくらいまでレディース服をそろえているバッタ屋が天神橋筋商店街にある。
3Lくらいまでなら通常ブランドでも扱っているが、4L 以上になると扱いがない。

だから、ビッグサイズが売っている店には顧客化し、定期的に足を運んでくれることになる。
また、チマチマと毎日1枚買うのではなく、買うときは数点以上のまとめ買いをしてくれる。

レディースに比べてメンズは服を買わないが、それでも同様の消費傾向だろうと推測される。
日々高回転にはならないかもしれないが、まとめ買い比率と固定客化の確率はかなり高くなる。
そうすると、定期的で確実な売上高が見込めることになる。

個人の家計でも不定期に100万円収入があるよりも毎月10万円ずつ収入がある方が生活設計しやすい。
企業も店も同じことだ。

はるやま商事はすでに11年前からビッグサイズ専門店を展開しているが、マンチェスを手に入れたことで企画製造のノウハウはさらに磨きがかかり、取り扱いブランドラインナップも増える。
さらにいえば、固定客も増える見込みが高く、はるやま商事にとっては最良の買い物だったといえるのではないか。

はるやま商事は近年、ブランド買収を盛んに行っているが、廃止ブランドの引き取り専門店みたいになっており、トランスコンチネンツしかりイーブスしかりテットオムしかり、で果たしてこれらのブランドラインナップがはるやまに必要だったのかどうかと首を傾げることが多かった。
しかし、今回の買収ははるやま商事の近年の買収の中では最も適切だと言えるのではないか。

知名度は高くないが優れたノウハウを持っているマンチェスに目を付けたところも慧眼だったといえる。

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絶妙な便乗表記が施された商品の数々

最近はあからさまなパクリみたいなブランド名はなくなったが、それでも便乗商法みたいな類似したブランド名や商品名はいろいろとある。
当方はそういうのを見るのが大好きなのだが、それにしても各社・各ブランドとも工夫を凝らしていることに感心してしまう。

以前、Amazonで「ディーゼル」を検索していたら「ディーゼルパワー」という激安の謎ブランドを発見した。

インターネット通販はすでにレッドオーシャン

もう再生産はされていないようだが、「ディーゼルパワー パンツ」で検索すると、Amazonのページが今でも表示される。

当然、当方はあの「ディーゼル」の商品を検索でしたかったのだが、表示されたのは「ディーゼルパワー」だった。
それにしてもこの絶妙なネーミングにはうならされた。

「ディーゼル」とは、エンジン機関の名称であり、そこにパワーを付けるといわゆるそういうエンジン系の名称のようになる。
それでいて、あの「ディーゼル」を連想させるのだから、このネーミングを選んだ人は一種の天才かもしれないと思う。

1年半前に先のブログは書いているが、そのブログをアップした際、ディーゼルジャパン社内では騒然となったらしい。
ディーゼルジャパンの中の人からそのように報告を受けている。

4年近く前に雨の日用の靴としてコンバースの防水スニーカー、エヴォブーツをネットで買った。
ところが、これが水が染みこむようになってきたのでそろそろ新しい防水靴を買おうと思って、先日からネット通販を検索している。
まず、第1条件は見た目、第2条件は価格の安さ、である。
この両方が兼ね備わっていないと買うつもりはない。

ファッション好きの人はZOZOを利用するようだが、価格が高いのと送料一律200円なので、当方はZOZOは永遠に利用しない。
もっぱら、AmazonとYahoo!ショッピングがメインでたまに楽天を見る。
あとは価格コムだ。
ガンダムのプラモデルはだいたい価格コムとAmazonを比較して、安い方で買っている。

防水靴はAmazonはあまり豊富ではなく、Yahoo!ショッピングのほうが低価格でバリエーションが豊富なので、買うとしたらYahoo!ショッピングで買おうと思っている。

先日、Yahoo!ショッピングで防水靴を検索していたら、2000円台~8000円くらいまでの低価格防水靴がたくさん表示された。
さすがはYahoo!ショッピングである。

防水スニーカー類だとコンバースとかコールマンとかそういう知名度の高いブランドもあるが、2000円台・3000円台だと見たこともないような無名ブランドの商品が多い。
その低価格無名ブランドの特徴は、意味不明のアルファベットや数字が靴本体に割合にデカデカと表示されている。
てか、その表示要る?

例えば、タンの部分にデカデカとアルファベットで「B.F.」と表示されているスニーカーがあったが、それは一体何の意味があるのだろうか。この「B.F.」がデカデカと表示されているためにひどく見栄えがダサい。
この表示がない方がずっと洗練されていて使い勝手が良い。

ちょっと残念な仕上がりである。

で、同じようなスニーカー類の中に「Y8」とタンに表示されているものも見つけた。
これさえなければ、マシだったのになあと思っていたら、あれ?これって「Y3」の便乗じゃないか?と気が付いた。

Y3はご存知のとおり、山本耀司とアディダスの名高いコラボブランドである。

3と8は似ている。3を二つ連結させれば8になる。
これを考えた人は天才的知恵者ではないか。

さらに検索し続けると「V8」という謎の表示が施された靴も発見した。
V8ってなんの意味があるのだろうか?マシンハヤブサの新しいエンジンだろうか?

で、少し考えてみた。

このVってYの便乗か?
だとしたら、V8もY3の便乗ではないか?

VとYも似ている。3と8は先ほど書いた通りだ。

一般的に、ビッグシルエットのトップスにタイトなズボンを合わせる着こなしのシルエットを「Yライン」と呼ぶ。
ファッション雑誌「ファインボーイズ」はYラインと長らく呼んでいる。

一方、メンズファッションの人気ブロガーMB氏は同じシルエットを「Vライン」と呼んでいる。

どちらが正しくてどちらが間違っているということもないが、この一例をもってしてもYとVは互換可能な文字だということが理解できるのではないか。

ちなみにVラインというとビキニ水着のVライン脱毛を思い出すので当方はYラインと呼びたい。笑

それにしてもちょっとマシンハヤブサの新型エンジンっぽい表記だが「V8」を考えた人も天才的だと思う。

その昔、90年代前半「CK(カルバン・クライン)」と「DKNY(ダナキャランニューヨーク)」という2つのアメリカンデザイナーズブランドが大人気だった当時、量販店の平場には「CKNY」というロゴのプリントTシャツが販売されていたことを思い出す。
合体しとるやんけ!

しかし、この「CKNY」を考え付いた人も天才というべきだろう。

こういう便乗表記商品を見ているとなんだか心が和む。買わないけど。

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我が国が中国工場へ再投資する必要はない

中国工場に関する不思議な記事を読んだ。

https://senken.co.jp/posts/view-171116

記事というよりはコラムだ。
短いので全文を引用したい。

日本向けが中心の中国のニット工場が「利益が出ない。工場をやめたい」と言ってきた。昨年まで200人規模の工場だったが、現在、合理化を進め人を減らしている。設立して20年、これまでなら20周年記念パーティーなどを考えたはずだ。今、残る職人たちが出資し経営を続けるかどうかを話し合っている。
中国人の工員は4年間勤めると長い方だという。いい職場があればすぐに転職してしまう。工員は育たず職人にまで至っていない。高度な機械が揃っていても使いこなす力がなければ宝の持ち腐れだ。
日本の小規模専門商社やニットメーカーが中国生産を見直し、不良品発生率が低く、CSR(企業の社会的責任)の仕組みが整う工場に切り替えようとしている。

とある。
これはその通りで、中国では繊維関係の工場に工員が集まらなくなっている。
当方が付き合っている国内企業何社もが口をそろえている中国生産の問題点だ。

理由は中国の経済発展である。
経済発展すると、中国に限らず繊維の製造加工業なんていう業種で働かずとももっと儲かる産業があちこちにできる。
重化学工業しかり、IT業しかり、金融業しかりだ。
経済発展前は繊維の製造加工業でもやらないと仕方がなかったが、他の儲かる産業が増えればそこで働いた方が、効率的である。

当然、かつての欧米諸国もそうだったし我が国も、今の中国もそうなっている。
いずれ、アセアン諸国やインドもそうなるだろう。

また、10年前くらいの中国工場にすれば、我が国との取引はあまり美味しいものではすでになくなっていた。
中国は世界の工場として欧米ブランドの生産を請け負っていたが、それに比べると多品種小ロットでうまみが無かったからだ。
おまけに品質に対する注文はうるさい。

欧米ブランドなら1型1000枚、1万枚が当たり前の発注数だが、我が国アパレルは1型50枚、100枚くらいの発注数しかない。
こんなめんどくさい仕事を受けたがらないのは当然である。

最近では中国リスクに備えて、生産をアセアンに切り替える日本企業も増えた。
大ロットはアセアンでという仕組みが出来上がっており、必然的に仕事が減った中国工場が小ロット生産を受け入れることも増えた。
1型100枚で製造を請け負う中国工場も珍しくはなくなっている。

このコラムの前半部分はそういう状況を説明しており、それはその通りだ。
今後、中国工場の廃業や倒産はますます増えるし、工員を確保するのはますます難しくなる。

意味がわからないのは後半である。

日本市場は多品種小ロット短サイクル、ある程度高品質で安価であることが要求される。かつて香港や韓国が生産基地だったが、中国本土に替わられ今はその姿は無い。中国は日本に近く、中国の中小工場も国際認証取得などブランド化ができれば香港、韓国の轍(てつ)を踏まずに済むと思える。日本は経験と教訓を生かし改めて中国生産に再投資する機会かもしれない。



字数が限られているコラムなので、言葉足らずになった部分はあるのだろうが、なぜ今更我が国が中国工場へ再投資する必要があるのだろうか。まったく理解不能な主張である。
この記者は中国人の回し者だろうか。

そもそも、中国で工員が集まらないのは、中国人と中国社会の問題であって、中国人自身がやりたがらない仕事にどうして我が国が再投資する必要があるのだろうか。
また、工員にならないという選択をしたのは中国人自身であり、その判断は他国者がどうこうできるものではない。

さらにいうと、最近ではアセアンの工場が増えているが、その工場の経営者は本土を見捨てた中国人だったり韓国人だったりするケースが多い。ベトナム、ラオス、カンボジアには中国人経営者の工場が多くある。
本土での製造加工をあきらめたのは、ほかならぬ中国人経営者であり、そのあきらめた工場にどうして我が国が再投資する必要があるのか。

我が国企業は我が国の利益を最優先すべきである。

今、日本が投資すべきはアセアン工場、インド工場と国内工場である。

アセアンやインドで小ロット生産は現時点では不可能だから、国内工場を強化すべきであろう。
国内でも工員は集まりにくいから、少人数でも運営できるように限りなく全自動に近い省力化を目指すのが正しい方向性といえる。
個人的には製造加工も機械によって全自動すべきだと思っているが、全自動は不可能なので極力人手が要らないように機械化するのが理想といえる。
またこれは、人手が集まらない中国工場に対しても同じで、それは中国人経営者が機械化を進めるのが正しく、中国人経営者がやらないなら我が国が肩代わりする必要はない。

一方、あと20年以内になくなってしまう繊維の製造加工技術が国内にはたくさんある。

これをどうするかは大きな課題で中国工場に人手が集まらないことなど些末な問題でしかない。
なくなってしまう技術を保存・維持するために投資すべきだとは思うが、なくなってしまっても構わないとして放置するのもそれはそれで一つの選択肢である。

本来であれば業界新聞はこの部分に対して問題を投げかけるべきであり、どうでもよい他国の工場への再投資を呼びかけるというのはまったく意味がないし筋が外れている。
アメリカ、ヨーロッパでも繊維の製造加工業は減っている。欧米工場に対して再投資を呼びかけずに中国のみに呼びかけるのはどういう意味があるのか。なぜそれほど中国に思い入れがあるのか理解できない。
我が国にとっては中国も欧米も等しく外国でしかない。

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商品名を工夫すれば売れるようになる

販促・広報活動には多額のカネが必要だが、意外にカネのかからない方法もある。
商品名を変えることだ。

業界人にとってわかりやすい商品名と、消費者にとってわかりやすい商品名とは異なる場合が多い。
衣料品でいうと、

ハイキックストレッチノータックスラックス(長ッ)

よりも

感動パンツ

のほうがずっとわかりやすい。

当方にとってはハイキックストレッチノータックスラックスのほうがわかりやすいが、業界に縁のない人にとってはなんのこっちゃわからないだろう。(なんだかノートラップランニングボレー隼シュートと語感が似ている)
それよりも

感動パンツといった方が、内容はわからないまでも「何かが感動レベルにあるパンツ」だとわかる。

個人的な好き嫌いでいえば、感動パンツというネーミングは嫌いだし、「感動ってなんやねん?」と思うが、「中身はよくわからないが感動するほどすごいらしい」ということだけは伝わりやすいと思う。

商品を変えずに商品名だけを変えたらすごく売れたということがたびたび起きる。
最近ではこの報道だ。

商品名を変えただけで売り上げが17倍に 靴下の大ヒットを生んだきっかけ
http://news.livedoor.com/article/detail/13887590/

大手靴下メーカーの岡本の商品だが、

「もともと‘13年に『三陰交をあたためるソックス』という商品名で発売していたのですが、’15年に全く同じ機能のまま、『まるでこたつソックス』という商品名で新発売したんです。すると、発売年度(’13年度)と昨年度(’16年度)の数量ベースで比べると、17倍以上の売り上げになっていました。今年度はさらに伸びると予想しております」

とのことである。

そもそも「三陰交」なんてツボの名称を言われても、一般消費者にはピンとこない。
もちろん、専門家や業界の人間には、こちらの方が伝わりやすいのだろうが、一般消費者には全く伝わらない。
三陰交ってなんやねんということになる。

「まるでこたつ」のほうがずっと一般消費者にはわかりやすい。

こういうことである。

アパレル、ファッション業界はこれまであまり商品名、ネーミングを工夫してこなかった。

13・5オンスストレッチデニムブーツカット とか
ヘビーオンス裏毛トレーナー   とか
綿レーヨン混スラックス とか

そういう説明的な商品名ばかりだった。
何度もいうようにこちらの方が当方も含めて業界人には伝わりやすい。
一発でどんな素材の商品なのかがおおよそ見当がつく。

綿レーヨン混素材で作られたスラックスなら柔らかいんだろうな、とか、ヘビーオンス裏毛なら相当にガッチリしているんだろうな、とかすぐさまどんな商品なのか想像できる。

しかし、買ってもらいたいのは業界人にではなく、一般消費者にであるはずだ。
一般消費者はヘビーオンス裏毛なんて言われてもなんのこっちゃ意味がわからない。
裏から毛が生えているのかと思う。

ヘビーオンス裏毛トレーナーなら、「バリ固トレーナー」くらいのネーミングのほうがわかりやすいだろう。

各ブランドとももっとネーミングを工夫してみてはどうだろうか?
ネーミングを変えるのに必要な費用はせいぜいコピーライターに支払うギャラくらいである。
そのギャラだって安ければ数万円だろうし、高くても何十万円くらいだろう。

わけのわからん人気タレントを何千万円のギャラで呼んできて着せるよりもずっとコストパフォーマンスが高く効果的だ。
一般的に業界ではいまだにタレントに着せることが有効な手段だと思われているが、それで効果があったブランドがどれほどあったのだろうか?

2009年頃にユニクロが藤原紀香にカラーパンツを穿かせたが効果なく撃沈している。
某量販店向け肌着ブランドは毎年、人気タレントと契約してポスターやパッケージに使用するが、その結果がユニクロの肌着に対して圧倒的に知名度で引き離されている現状である。

タレント起用がまったく効果がないとは言わないが、確実に勝てるカードではないといえる。

それにタレントというのは契約期間が終われば、他のブランドと契約して違うブランドを着ることになる。
そのタレント=ブランドという風には消費者は見ない。

キムタクに着せてバカ売れした2005年までの幻影にいつまでアパレル業界と広告代理店は引きずられているのだろうか。

それにしても岡本が取り上げられたことは珍しい。
連結売上高387億円もあって靴下業界の大手の1社だが、地味であまりメディアでは取り上げられない。
多分一般消費者も社名を認知していないと思われる。

そういう地味な企業の活動が注目されることは喜ばしい。

岡本は奈良県広陵町で創業しており、本社は大阪市西区に置くが、今でも本店は奈良県北葛城郡広陵町に置いている。
こういう部分も好感が持てるが、惜しむらくは地味だというところだ。

靴下の大手は全般的に地味だ。
この岡本しかり、福助しかりグンゼしかりアツギしかりナイガイしかりだ。

閑話休題。

たしかに今回の「まるでこたつ」というネーミングはよくわかるが、決してかっこよくはない。
アパレル業界は変にかっこつけた人が多いから、わかりやすいダサさよりもわかりにくいかっこよさを追求してしまうのだろう。
しかし、その性癖が衣料品を「わかりにくいもの」という印象にしてしまったのではないか。
実際に業界のハイセンスwwな人たちの言っていることは20年以上経過した今でもよくわからないことがある。

小規模で少人数に売りたいマニアブランドを目指すなら今のままでも良いだろうが、大規模にマスに売りたいのならかっこ悪かろうが何だろうが伝わる商品名にする必要がある。
要は経営者の方針次第だ。
かっこつけたままでマスに売りたいというのは両立しにくい要素だということを認識した方が良い。

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企業規模や販売数量を無視した「売れている」という報道の有害性

アパレル業界の人もそうだが、特にメディア業界の人に顕著なのが洋服に関しての「売れている」という基準である。

メディアの紋切り型としてはこうだ。

低価格品しか売れないと言われているが、一方で〇〇万円もする高額衣料が飛ぶように売れている。

というのが池井戸潤のドラマ並みに黄金のワンパターン化している。
しかし、この「売れている」という基準が何なのかはちょっとわからない。
数量で考えると「売れている」とはいっても圧倒的に少ない場合が多い。

例えば、高額にもかかわらず売れているのがデサントの水沢ダウンである。
8万~12万円くらいの価格帯だが、好調に推移している。
しかし、生産数量はフル稼働しても1万枚未満しかない。
これは設備が小規模なので設備投資なしではこれ以上の生産数量は不可能なのである。

この数量をどう見るかである。

ユニクロのウルトラライトダウンは言うに及ばず、他の低価格ダウン、中価格ダウンはもっと販売数量がある。

これなんかすごく数量的にはビミョウすぎる例ではないかと思うのが、繊研プラスに掲載されたインディマークというブランドのパンツだ。

「インディマーク」デニム調パンツがヒット 2千本超
https://senken.co.jp/posts/indimark-fleece-lining

聴いたことのないブランドだなあと思って記事を読むと、レッドペッパーのブランドとのことだ。
レッドペッパーといえば、刺繍がコテコテに入ったコテコテジーンズの代表として2005年ごろ局地的なブームとなった。
ブランド自体が無くなってしまった「トゥルーレリジョン」の系譜であれをさらにコテコテにしたブランドで、韓国ブランドである。
国内ブランドだとこの系譜にはクックジーンズがある。マイルドヤンキー御用達のテイストである。

見出しは2000本の大ヒットとあるが、どれだけの期間で2000本を売ったのかというと

今年5月からの販売数量は約2000本に達し、来年2月までに3000本の追加販売を見込んでいる。販路は専門店など。

とあり、今年5月からだと半年で2000本ということになる。
経済紙的観点からいうと、6か月で2000本を売れていると言ってしまっていいのか甚だ疑問を感じる。
1か月で300本強だ。価格は1万3800円だから上代ベースの金額で考えてもそれほど大した額ではない。

マックハウスあたりが発売する新商品はだいたい年間2万本とか3万本で計画される。
それと比べると半年で2000本というのはかなり少なく「売れている」と言えるのかどうか。

しかし、結局、「売れている・売れていない」というのはその会社なりブランドなりの売り上げ規模や販売計画に基づいて判断するのがもっとも適切だといえる。

デサントとして水沢ダウンが今の数量で売れていることに満足していればそれは「売れている」「好調」といえる。
レッドペッパーがインディマークのパンツを1年で5000本売れれば良しとしているならそれは「売れている」といえる。

売れている・売れていないというのは、5000本とか8000本で満足するのか、それともそれを通過点としてユニクロよろしく無限成長を目指すのかという企業姿勢・ブランド姿勢にも密接に関係する。

10万円のダウンジャケットはいくら頑張って販促したって、年間に10万枚も売れない。
10万枚を目指すなら値段は絶対に引き下げなくてはならない。

気仙沼ニットだって500枚以上は生産できない。
これを1万枚に増やそうと思うと作る人を増やして販売価格を引き下げなくてはならない。
15万円のセーターなんて買う人はそれほど多くないからだ。

しかし、ブランド側が今の数量で満足だというならそれはそれでありだ。
今の数量で満足して安定的な収益が確保できるならそれは一つのビジネスモデルであり、無限成長を目指すことばかりが正しいとは言えない。

メディアはこの部分を混同してしまっている。
特に経済紙・経済誌の見方はひどい。

1万枚未満の水沢ダウンを引き合いに出して「高額品が飛ぶように売れていますよ」なんて吹聴する。
それをまたちょっとアレな経営者が頭から信じて「高い商品なら売れるらしい」と言い出して、意味のわからないハイエンドモデル化してしまう。その結果、経営は極度に悪化する。場合によっては会社がつぶれてしまう。

今までそういうことがどれほどあったか。

高価格化するということは販売数量が少なくなるということだし、大規模な数量を狙うなら価格は引き下げなくてはならない。
そのどちらを狙うのもそれは経済活動の自由というものだが、高価格で大量に売れるということはほぼない。
インディマークの1万3800円くらいならやり方次第では何万枚か(10万枚は越えない)には達するだろうが、10万円の服が何万枚・何十万枚も売れるようにはならない。これが現実である。

販売数量の違い・販売目標の違い・ブランドのスタンスの違いを一緒にして、「10万円もする〇〇がバカ売れ(でも販売数量は3000枚くらい)」というような煽りは百害あって一利なしである。

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洋服への関心が薄れているのに、洋服売り場が多いから百貨店が苦戦するのは当然

先日、久しぶりに会ったアパレル業界の人と雑談していたら、最近、キャンプをはじめたとのこと。
当方が子供のころ、子供会とか学校で夏休みにキャンプがあったが、嫌で嫌でしょうがなかった。
簡易宿舎みたいなところに泊まるのは、暑いし蚊に刺されて眠れないし、汗だくになったのに風呂にも入れずに気持ち悪いし。
地面にテントを張る方はもっと不快だった。
地面が固くて寝にくいし、暑くて虫が多くて。

そんなわけで当方は今でも真夏のアウトドアは嫌いだし、キャンプは嫌いなままだ。
真夏はクーラーの効いた部屋でのんびりして、夜になったら布団で寝るのが一番である。

しかし、最近はグランピングなる言葉ができていて、ほとんどホテルに近い環境で宿泊することが可能になっている。
まあ、これなら機会があれば参加してみてもいいかなと少しは思うようになった。

身の回りのアパレル業界でもキャンプ愛好家はけっこう多いが、話を聞いてみるといわゆる「グランピング」の人がほとんどで、あと、関西大学探検部OBから教えてもらったが、真夏に野宿はしないそうだ。野宿は春と秋が最適だとのことである。

で、そのグランピング用品の値段を聞くと、驚くほど高い。
3万円や5万円は当たり前、10万円や20万円でも高すぎるとはいわれない。
そういう道具を平気でみんな買っている。

当方だってがっしりとしたノートパソコンが7万円なら「安いな」と思って買ってしまう。

ところが、洋服だとどうだ?
物にもよるが、どんなに高品質でも5万円の商品をポンと買う人はなかなかいない。
当方も2万円くらいまでなら、よほど欲しい服なら買うがそれ以上はちょっと買わないし、所得的にも買えない。

最近だと自転車を趣味にしている人も多いが、10万円くらいの自転車は普通に買っているし、道具類も洋服ほど安くはない。
当方は2万円くらいのママチャリを長年愛用しているが、逆に5000円くらいの自転車だと安すぎて不安になる。

そういう状況を考えると、業界の人も含めて洋服への関心が2000年以降は薄まっているといえる。
趣味は多様化しており、その趣味には少なくとも洋服よりはカネをかけている。

しかし、洋服への関心はゼロにはなっていない。現に下がったとはいえ、国内のアパレル市場規模は9兆円強もある。

ただ、キャンプ用品や自転車用品、釣道具などに比べて、洋服の場合は価格の高低が機能の高低とは結び付いていないので、「見た目が同じ」なら低価格の物でも構わないというふうに考えられがちになる。

実際のところ洋服の低価格代替品は見た目の良さは向上しており、それらだけで身を固めてもほとんど問題はなくなっている。

さて、先日、週刊現代から「百貨店が苦戦しているのはなぜか?」という取材を受けたが、上に書いたことが原因の1つといえる。
そういう状況下にありながら、百貨店の売り場構成は今でも過度に洋服に集中している。

婦人服、婦人ファッション用品のフロアがだいたい3~5層くらいある。
メンズが1フロアか2フロア、子供服が1フロアあり、場合によっては、欧米ラグジュアリーブランドのフロアが1フロアか2フロアある。

これ以外は化粧品と食品で、あとは申し訳程度に呉服やリビングのフロアがある程度に過ぎない。

洋服への関心が薄まっているのに、洋服の売り場が7割から8割も占めていては、そりゃ売上高が低下するのは当然である。
逆に百貨店でも食品と化粧品の売上高は好調だ。

大丸東京店は好調店舗として知られているが、牽引しているのは地下1階と地上1階の食品売り場で、地上1階も食品売り場にしたことが好調の要因だと指摘されている。
また、伊勢丹新宿本店でも地下1階の食品売り場は好調で、今年春に電撃解任された大西洋・前社長も昨年夏の時点で「ファッションは停滞気味だが食品は好調です。ただ、ファッションの伊勢丹なのでファッションが評価されないのは複雑ですが」と述べていた。

最近のファッション専門学校生は百貨店で洋服を買わない。
しかし、その中にも化粧品は百貨店で買っているという生徒はいる。
専門学校生からして百貨店への評価基準は「化粧品>洋服」なのである。

こういう消費動向なのに過度に洋服に偏重した売り場を維持している百貨店の売上高が回復するはずがない。
さらに滑稽なのが、洋服を回復させるために無駄な労力と金を投入し続けているところである。
魚のいない場所に餌を巻き続けているようなものだ。

80年代以降、百貨店は洋服の売り場を増やし続けた。
2000年頃まではそれが効率的だったからだ。
しかし、状況が変わって今はその「選択と集中」に苦しめられている。
アホみたいに液晶テレビに「選択と集中」しすぎて経営破綻したシャープと同じ轍を踏んでいる。

35年くらい前の百貨店の売り場は薄ぼんやりとしか覚えていないが、洋服のフロアは今よりも少なかった。
家電やら自転車やら仏壇やら玩具の売り場があった。

80年代からファッションが盛り上がって、そちらの方が収益が高いから洋服偏重を強めて行っただけのことで、洋服偏重は伝統でも何でもない。

重要文化財でも国宝でもなく、百貨店なんて所詮は「単なる売り場」に過ぎないんだから、消費動向に応じて売り場編成を変えれば済む話だ。
売上高を増やして収益性を高めたいなら、今の消費動向に合わせた売り場構成にすれば良い。
早い話が、洋服売り場を減らして、グランピング用品だの高級釣り具だの高級自転車だのの売り場を作れば良いだけのことではないか。
売れ行きは別として蔦屋家電よろしく、高感度家電を集めた売り場や高級カメラ売り場なんていうのも作れば良いのではないか。

洋服そのものへの関心が薄れているのに、さらに「洋服強化」とか「洋服復活」なんて何を言っているのか意味がわからない。
80年代の残滓としての「洋服」にこだわり続けているうちは、百貨店の復活なんていうのは絶対にあり得ない。

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局地的ファッショントレンドを過剰にクローズアップする愚かさ

柄にもなくファッショントレンドのことなんかをまとめてみたいと思う。

「ファッショントレンドのサイクルが早まっている」という声もあるが、それって本当だろうかと思う。
はっきりいえば、昔からファッショントレンドのサイクルは早かったし、今よりももっと早かった。
もっと正確にいえば、ファッショントレンドには長続きするものと、短命に終わるものとがある。
経済にもマクロとミクロがあることに似ている。
それを区別しないで「早い」とか「長い」とか「短い」とか言っていても単なる印象論にしかすぎず、実際のビジネスや習俗分析には何ら役に立たない。
それにしても「早い」とか「長い」とか「短い」という単語だけ抜き出せば、単なる下ネタのようにも見えてしまう。(笑)

当方のファッションの認識が90年代から始まるので、そこからの比較になるが、レーヨン、テンセルを使ったソフトジーンズが大流行したのは93年ごろだった。
当時、もちろん綿100%ジーンズはなくならなかったが、すごい人気で、ボブソンの04ジーンズがイズミヤ内のテナントでさえ、毎日平均すると5枚くらいは売れた。
1本8000円くらいなので、それだけで4万円の売上高になった。

ところが、このソフトジーンズブームは96年に終わる。
96年からは反対にゴワゴワしたビンテージジーンズが大ブームとなり、2000年くらいまで続く。
ソフトジーンズは2017年現在ではほとんど市場では見られなくなっているが、ビンテージジーンズは根強い愛好家がいるため、今でも一部のブランドが発売を続けている。

ボブソン最大のヒット商品となった04ジーンズだが、ブームは3年で終わり、今、店頭でその流れを汲む商品は見ることはない。

2000年ごろから股上の浅いローライズジーンズがブームとなり、これが2015年頃までカジュアルパンツのベースとなって、今でもその流れを汲む商品は店頭でも数多く見ることができる。

また、ローライズはブーツカットがメインだったが、このブーツカットブームは2005年をピークとして2007年で終了してしまった。

こうして見ると、ソフトジーンズのトレンドサイクルは早かったといえるし、ビンテージとローライズのサイクルは長いといえる。
ブーツカットも短かったというべきだが、2008年から登場したスキニーは、ワイドパンツが先端といわれる状況下でもベーシックアイテムとしてマス層に受け入れられているから、スキニーのトレンドサイクルも長いといえる。

トレンドにはその地域だけの「局地的トレンド」がいつも存在する。
いわゆる、「仲間内」だけのお楽しみの延長線上に位置するものだ。

ループタイが5年前に局地的に流行りすぐさま消えた。
また肩掛けセーターが復活したものの、たった1年で消えた。

こういうのは「局地的トレンド」といえる。

カジュアルパンツでいえば、99年頃カラーパンツが1年間だけ流行したが、そのカラーの中でも地域によって売れる色が異なっていた。
赤が売れた地域もあれば、黄色が良かった地域もある。
これも局地的トレンドだといえる。

局地的トレンドは、少人数にしか支持されないため飽きられるのが早い。

局地的トレンドだけを見て「トレンドサイクルは早い」とか「トレンドは使い捨てだ」なんて言っても意味がなく、じゃあ、スキニーの10年に渡るトレンドサイクルの長さ、ローライズの15年以上に渡るトレンドの長さはどう説明するのかということになる。

個人的にはそんなミクロトレンドや局地的トレンドには興味がないし、それを過剰にクローズアップして騒いだところで何の意味もなく、騒いでいるのは感情的な人か、ポジショントークで自身のビジネスを誘導したい人のどちらかではないかと思って見ている。

個人的には、2010年以降のファッショントレンドはずいぶんとトレンドサイクルは長くなったし、多様化して併存していると感じる。

昨年あたりからビッグトレンドとなったビッグシルエット、オーバーサイズだが、これは80年代後半から90年代前半のトレンドのリバイバルだといえる。
93年に上映された真田広之さん主演の映画、「新宿鮫」あたりを見てみれば、当時のファッションがよくわかる。

あの当時は、それこそビッグシルエットの商品一色で店頭が埋め尽くされていた。
70年代調のタイトシルエットの商品なんて売られている店はなかった。

今はどうか?

ビッグシルエットのトップス、ワイドパンツが売られている横でスキニーパンツが売られているし、タイトシルエットのトップスも売られている。
ジーユーがその好例である。

まさにマス層に向けたジーユーという売り場で、正反対のシルエットの商品が売られているということは、マス層は気分によってビッグシルエットとタイトシルエットを使い分けているということになる。

2008年頃一世風靡セピア一世を風靡したストールはどうだ。
あの当時は暑苦しいのに真夏にストールを巻いている人が老若男女問わずにいた。
首元に汗疹はできなかったのだろうか。

今、真夏にストールを巻いている人は一部の愛好家を除いてはいない。
しかし、ストールを巻いている人を見て「時代遅れ(笑)」と笑う人はあまりいないだろう。
あれはああいうジャンルを好む人という目で見ているはずだ。少なくとも当方はそう見ている。

ワイドパンツを穿いた人とスキニージーンズを穿いた人が並んで歩いていることも珍しくなく、そのどちらを見ても大げさに奇異に感じることはない。

自分が若いころ(25~20年前)のビッグシルエット一色の売り場を思い返してみれば、一目瞭然である。

ファッショントレンドは長くも短くもないし、それぞれのファッションテイストに愛好家がいて、それが併存並立しているのが今の状況といえる。そこに向かってどのようにビジネスを取り組むかが衣料品ビジネスの課題だといえるし、消費者は下ネタチックな「早い」「短い」なんていうポジショントークに惑わされないことが重要である。

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百貨店のECはゾゾタウンには到底追いつけない

猫も杓子もEC販売強化で本当に大丈夫なのかなと思う。
先日、三越伊勢丹HDもEC強化を改めて説明していたが、正直なところ、大きくは成功しないのではないかと思っている。

三越伊勢丹HD、デジタル活用した新成長戦略を発表
https://www.fashionsnap.com/news/2017-11-08/mi-digital/

記事の中身には別段目新しい箇所はない。
まあ、ありふれたオーソドックスなECについて再説明しているに過ぎない。

そういえば、ECの強化と、その中でのアパレル各社との連携については、退任させられる前の大西洋前社長が構想を漏らしていた。
偶然にも当方もその構想を直接聞いたことがある。

その際の構想では、アパレル各社・各ブランドと連携して物流倉庫を一元化したいという考えだった。
三越伊勢丹のECへの出店・出品者と共同で専用の倉庫を持ち、そこから出荷することでコストを削減したいという考えがあった。
まあ、これも実現せずに終わってしまったのだが。

自前での商品開発機能をほとんど持たない百貨店としては、ECでできることはさまざまなメーカーやブランドからの商品を仕入れて(委託も含めて)サイト上で売るしかない。
オリジナル品は「別注」という形でメーカーやブランド品に作らせるしかない。

記事で気になる箇所がある。

杉江社長は「ゾゾタウンに近いビジネスになるんじゃないか」と展望を語った。

とある。
ここは2つの意味が考えられる。

1、わかりやすい実例としてZOZOを出した
2、本気でそう考えている

である。
案の定、メディアでは「ZOZOのような」という部分が独り歩きして、センセーショナルに煽られているが、実際のところ実現は不可能である。
ZOZOと同じような形態のウェブモールは作ることができるだろうが、売り上げ規模や存在感で並ぶことはないだろう。

この会見での空気感や杉江社長の人となりがわからないので、なんとも言えないが、メディアや出席者にわかりやすい実例としてモール型のZOZOを持ち出して説明したということは十分に考えられる。
1、の場合なら何の心配もないが、もし2だったら、先行きには不安を感じる。

はっきり言ってしまえば、ウェブ上にZOZOは二つ要らないのである。
ファッション衣料品に特化したウェブモールはZOZOが一つあれば十分であり、並立するにはZOZOとよほど差別化されている必要がある。
差別化されていないなら、存在価値はない。
消費者にとっても同じようなモールが二つあっても意味がない。

そして、さらにいうなら、ZOZOには先行者メリットがあり、後発組が簡単に追いつけるものではないということである。

ZOZOTOWNはまだネット通販がそれほど行き渡っていない2004年に開始されている。
そういえば、この時期にすでにAmazonも上陸していた。
当方はネット通販デビューが2015年ごろになるので実際に2004年にネットで物を買ったことはなかったが、Amazonは名前は知っていた。

2004年当時勤務していた編集プロダクションのスタッフたちが何人かAmazonで本を買っていたからだ。
Amazonは当初、本の通販サイトとして上陸していた。
当時の販売形態は、同僚によると、1500円以上で送料無料になるので、彼らはいつも3冊くらいまとめて購入して送料を浮かせていた。

その当時にZOZOの名前は聞いたことがなかった。
当方のECリテラシーなんてその程度のものでしかない。

13年前からサイトを構築して、ノウハウを蓄積したZOZOTOWNに、金看板に胡坐をかいたままの百貨店ECモールが追いつけると思っているのだろうか。すでにZOZOTOWNのブランドは確立されてしまっている。
それに13年遅れで後追いしようということをもしも本気で考えているなら、ちょっとアレすぎるのではないか。

いわゆるランチェスターの法則でいうなら、大手は資本力に物を言わせて後追いで物量作戦を展開すればよいのだが、三越伊勢丹HDはそこまで圧倒的な大手だろうか?
開始当初は一点突破主義の小資本だったZOZOTOWNは13年が経過した現在では大手となっている。
大手に対してそうい後追いは、まるでユニクロを後追いするイオンやイトーヨーカドーなどの大型スーパーの衣料品施策と同じではないか。

ネット通販勃興期の2004年頃に、「インターネットで服を売る」ということを考えた人はたくさんいると思う。
当方だって考えた。
当時、交流があった小規模のIT業者に相談したところ、面白いということで、大阪市内の卸売り型メーカーに何社か声をかけた。
ところが卸売り型メーカー各社は「前例がない」「取引先への説明が難しい」という理由でまったく相手にもしてもらえなかった。

他方、ZOZOTOWNはスタート当初にユナイテッドアローズなどの有力セレクトショップに賛同してもらい、スタートすることができた。

やっぱり持ち込む先は選良しなくてはならない。
古めかしい会社に持ち込んだところで意味はない。

百貨店自体が仕入れ型専門店(委託販売が多いけど)である以上、セレクトショップを取り込んだモールであるZOZOTOWNとは土台、ビジネスモデルが違う。
さらにいうなら、ZOZOTOWNは良くも悪くも、好き嫌いも別にして、前澤社長が露出をすることで消費者への認知度を高めている。
今の百貨店にそれと同等の露出ができる経営陣がいるだろうか。拝見したことがない。

経営陣の顔出しは除いたとしても、今の百貨店の発信はZOZOTOWNの発信には量・質ともに足元にも及ばない。
ECサイトは作っただけでは人は流れてこない。

人を引き込むコンテンツ制作、発信の質量が重要であり、今の百貨店にはその両方を作れるだけの力がない。
本気で「ゾゾタウンに近いビジネス」を模索しているとしたら、なんと身の程しらずなことかww

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5999円でレザーブルゾンを買った話

久しぶりにユニクロが「ネオレザー」のブルゾンを発売している。
昨年、一昨年はなかったから2年ぶりか3年ぶりのカムバックではないかと思う。

ネオレザーなんて言っているが、はっきりいえば単なる合皮である。フェイクレザーである。
ユニクロのネオレザーは、基布にポリウレタン樹脂を塗って作られている。
基布はたしかレーヨンのはずだ。

今秋に復活したネオレザーのブルゾンはずいぶんと見た目がカッコよくなっており、一見すると本革にも見える。
また、薄く中綿が入っているので、防寒性も飛躍的に向上している。

余談だが、25年くらい前、当方はいわゆる革ジャンを着ていた。
ジャスコかどこかで2万円くらいで買ったと記憶している。
もちろんノーブランドだ。

分厚い牛革の革ジャンで中綿入りではなかった。

着用してみて理解したのだが、革ジャンは通気性が悪くて暑い。
気温が暑いときに着ると汗だくになる。
しかし、中綿が入っていないと真冬は冷気が遮断できずに結構寒い。

だから中綿なしの革ジャンというのは、着る季節が本当に短い。
今までのユニクロのネオレザーブルゾンは中綿が入っていなかった。
だから着る機会は本当に限られていたと思う。
ユニクロ側の思惑に反して売れ行きは鈍かったのだろう。その証拠に3年くらい発売されずにいた。
好調なら3年くらいもブランクは空けないはずだ。

しかし、防寒性という意味では今秋の中綿入りネオレザーブルゾンは飛躍的に向上しており、これから本格的に冷え込めば売れ行きは伸びるのではないかと考えられる。

一方で欠点もある。

ポリウレタンはだいたい3年~5年で劣化して剥離してしまう。
速い話が、表面がボロボロに剥がれ落ちるということである。

その証拠に今回のネオレザーブルゾンの下げ札にも「3年くらいで劣化します」と小さい字で書いてある。
ポリウレタンを使った合皮はネオレザーに限らず長持ちしない。絶対に数年で劣化する。

他方、合皮スエードも今秋はずいぶんと見かける。

合皮スエードは通常の合皮に比べて長持ちする場合が多い。理由は合皮スエードは製造方法自体が異なり、ポリエステルを原料とすることが多いからだ。
ポリエステルという合成繊維は劣化しにくく相当に丈夫なのである。
ポリエステルで織った生地の表面に起毛加工を施して合皮スエードに仕上げるが、これはほとんど劣化しない。
「原料:ポリエステル」と表示された合皮スエードは相当に長持ちすると考えても差し支えないだろう。

だからポリウレタン合皮よりも、ポリエステル合皮スエードを選んだ方が長持ちする。

当方ならネオレザーブルゾンは買わない。買ったとしても3年か5年が寿命だと割り切る。
5990円という定価が高いか安いか、非常に悩むところである。

ユニクロのこの5990円という価格は決して高いとは思わないが、他ブランドと比べて安さがあるのだろうかと疑問に思って、先日からAmazonで調べてみた。
ちなみに当方はZOZOTOWNで服を買ったことがない。今秋からどれだけ高額品を買っても送料200円が必要になったので、今後も永遠に買うことはない。
Amazonなら2000円以上は送料無料だからだ。
当方にとってはAmazonやヨドバシカメラドットコムのほうが使い勝手が良い。

Amazonで合皮ブルゾンを調べてみると、だいたいユニクロと同じくらいの価格の商品が多い。
5900~7900円くらいで種類も豊富に表示される。

こうやって見ると、ネオレザーの価格は高すぎるとは思わないが、他ブランドよりも安くてお買い得というほどでもないことがわかる。

そうやって調べていると、Amazonで表示される商品の中に「本革」と表示されているものが混じっていることに気が付いた。
目についたのがだいたい4種類くらいだ。もちろんいずれもノーブランドであることは言うまでもない。
いずれも価格は7500円くらいまで。

それにしても本革が合皮並みの値段で売っているようになったのかと驚いた。
25年前はジャスコでさえ2万円くらいの革ジャンを売っていたというのに。

もちろん、革の質は良くないのだろうが、こんなところに如実にデフレを感じてしまった。

その目についた4種類の中から、一つがとびぬけて安くなった。
定価6500円が5999円に値下がりした。

これはすごいなと思って何日間か眺めていた。

その5999円の商品はデザインが4つあった。
シングルライダース、フード付き、ダブルライダース、ダブルライダースのモダン、である。

で、5999円なら買ってみても良いのではないかと、ふと思ってしまった。

で、どれを買おうかと熟考した。
当方にとって単品で5999円の買い物というのはなかなか勇気が要るのだ。

まず、フード付きはフードが邪魔なので却下だ。
次にダブルライダースは、当方のようなゴツイ顔のオッサンが着ると暑苦しさが倍増する。
だから2つとも却下した。

で、シングルが残った。

さらに熟考して、ようやっとポチった。
それが水曜日に到着した。

5999円で買ったリプロダクトレザーのシングルライダース

本革でありながら、なぜこの値段かというと、リプロダクトレザーを使っているためだと説明されている。
古着のレザーを切り刻んで新しい商品として縫い合わせて色を染め直すというのがリプロダクトレザーだという。
まあ、リサイクル、リデュースの範疇なので今流行りのエコ商材ともいえるだろう。

だから細かい傷があちこちにある。しかし、そんなものは着ていればすぐにできるので、あらかじめユーズド加工が施されていると思えば何の問題もない。

それにしてもこれが5999円(税込み)というのはすごいと思う。

ただ、中綿は入っていないし、革も薄くもなく分厚くもない中肉なのでこれは真冬に着用するには適さないだろう。

当方の価値観としては、ポリウレタン合皮を買うなら古着のレザーを買う。しかし、古着のレザーはダボっとしたシルエットの商品が多いからオッサンが着るとかなり野暮ったくなる。
それよりも、リプロダクトされて細身になったこのシングルライダースのほうが、オッサンには似合いやすいと思う。

顔のデカいオッサンがダボっとした服を着ると、顔のデカさがそのまま下までスライドして見られるので、あまり得策ではない。
ダボっとした服が似合うのは面長や細い顔の人間に限られる。

防寒性は劣るものの、劣化しないことと細身のシルエットを考えると、当方にとってはユニクロのネオレザーよりこのシングルライダースのほうが向いていると思う。

この商品を見ていると、だいたい毎回5~6枚が入荷して、それが売切れる。
しばらくしたらまた5枚くらいが入荷するというサイクルを繰り返している。

もし興味のある人がいるなら、品切れでもあきらめずにしばらく待てば良いと思う。

5999円で買ってみたが、決して損はしないと感じた。

そんなこんなでデフレが原因で25年ぶりに革ジャンを着ることになった。
まさにデフレ万歳、である。

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日本製デニム生地の現状をまとめてみた
https://note.mu/minami_mitsuhiro/n/nf1f2b20fc0b6

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画期的な方法で作られた耐久性の高いTシャツを見つけた

衣料品のバリエーションも行き着くところまで行き着いてしまったような感じがあるが、それでも目新しい商品というのは開発されるもので、その創意工夫には感心するしかない。

先日、ウェブで発見して感心したのがこのTシャツである。

BMCオリジナル メンズ半袖Tシャツ コーデュラ 日本製 東北支援/福島縫製工場
https://item.rakuten.co.jp/bmc-tokyo/bms13-14-15-set/

昨年からこのブログにバナー表示されているBMC(ブルーモンスタークロージング)だが、ジーンズやカジュアルパンツの新進ブランドとして認識していた。
定期的に商品の話も聞くが、おもにはジーンズを中心としたカジュアルパンツのことばかりで、Tシャツについてはノーマークだった。

それは、話を聞く当方の「ジーンズとカジュアルパンツ」という先入観があったからだし、話すほうのBMC側の話題の選び方もそちらに偏っていたからで、この辺り、当事者間の認識と他者から見ての客観的評価というのがいかに一致しにくいかということがよくわかる。

最近はどんな商品が出てるのかな?

と軽い気持ちで商品をウェブで見ていたら発見したのがこのTシャツだった。

Tシャツもそうだが、最近は洋服全般で「機能性」が求められることが増えた。
ただ、その機能性は各人の要望に応じて異なる。

ストレッチ性が欲しいという人もあれば、速乾性が欲しいという人もある。
また消臭機能が欲しい人もいるし、汗染み防止機能が欲しい人もいる。

要望される機能は様々あり、それに応じた商品がそれぞれ世間には流通している。

このTシャツは耐久性を高めることを目的として企画製造されている。
正直なところ、耐久性の高いTシャツを求める人がどれほどいるかはリサーチしたわけではないからわからない。
しかし、買って数か月でTシャツがダメになれば、がっかりする人は多いだろうから、2900円という手の届く価格であれば欲しくなる人もそれなりにいるのではないかと思う。

通常、Tシャツの耐久性を高めるには生地を分厚くする。
8オンス以上の分厚さにすればかなり耐久性は高くなる。
しかし、生地が厚くなりすぎて着心地が悪くなったり動きにくくなったりする。

ウェブだけでTシャツを販売する京都イージーも、「8オンスを越えるTシャツは普段着に適さない」と考えて7オンスのTシャツを上限にしている。

で、生地が薄いまま耐久性を高めるにはどうしたらよいのかということを考えて、BMCはコーデュラと綿を配合することを思い立った。
コーデュラというのは耐久性の強い素材で、リュックなどに盛んに使われている。

そのコーデュラと綿を配合することで5・6オンスという薄手生地でありながら耐久性を高めることに成功したという。
楽天のサイトで、髭の濃い長瀬智也みたいな顔をした人が語っているが、これがBMCの青野社長である。

当方が感心したのは、コーデュラという以前から知られた合繊を配合してTシャツの強度を高めるというアイデアである。
コーデュラは業界ではポピュラーな合繊で、その強度も知られている。

しかし、「Tシャツ=綿」みたいな固定観念が強すぎて、今まで当方が知る限りにおいてはこれを実現したブランドはなかった。
新商品開発というと「今まで誰も見たこともない商品を作ること」と思い込みがちだが、これだけあらゆる物が出そろった現在において、そんな画期的な商品はそうそう簡単には生まれない。

むしろ、これまでにある技術をどう組み合わせるかがカギになる。
iPhoneだってこれまでにあった技術の組み合わせである。

強度を高めるなら強度が高いコーデュラを配合すればいいじゃないの?

こういう素直なやり方は一見すると簡単なことのようだが、実は固定観念やら業界の謎の風習やらに阻まれてなかなか挑戦しにくいのが現状である。

それに挑戦し、商品化したその取り組みには本当に感心させられる。

これと同じように感心させられたのが、オールユアーズの新商品、色落ちしないジーパン「パンジー」である。

https://camp-fire.jp/projects/view/51767

詳細は後日取材するとして、現段階で分かっているのは、ポリエステルだから色落ちしないということである。
ポリエステルは合繊の中でも強度が高く、洗濯を繰り返しても色落ちしにくい。
その特性を利用してデニム生地風の織物に仕上げて、それを洋服化した。

これまで「色落ちしにくいデニム」という挑戦はいくつかあった。
しかし、「デニム=綿」という固定観念に縛られて、ほとんどのブランドは綿100%もしくは綿主体素材でそれを実現しようとした。
だが、ポリエステルが色落ちしにくいのであればそれを使えばイイだけのことである。

業界人はおそらく「そんな合繊の塊はデニムじゃない」と反論するだろうが、そういうことに縛られているからジーンズ専業ブランドが売れなくなったのである。

デニム=綿、デニム=色落ち、という強固な固定観念に縛られてしまえば、その中だけでの競争になり、「どれだけ色落ちがしやすいか」とか「どれだけ綺麗に色落ちするか」というひどくミクロな競争に陥ってしまい、差別化することは難しくなる。
一般の消費者から見ればどれもほとんど同じにしか見えないし、ブランドごとの違いも判らなくなる。
だったら、3990円のユニクロや3980円の無印良品のジーンズでも構わないと考えるようになる。

BMCのコーデュラ配合Tシャツや、オールユアーズの色落ちしないパンジー、こういう固定観念にとらわれない商品開発こそが市場を活性化させる要因になり得る。

両ブランドには今後ともぜひとも頑張ってもらいたい。

あ、一つケチをつけるならやっぱり楽天は使いにくいと思う。
SNSでシェアをするのに、いちいち楽天IDを入力しなくてはならない。入力も面倒だが、それ以上に楽天に登録していない人はSNSで拡散もできないということになり、他のウェブショップやポータルサイトに比べるとひどく狭量といえる。
だから楽天は衰退し続けているのだろう。こんな不便なサイトの作りをしていては利用者も出展者も離れていくのが当然である。
このままだと楽天はもっと衰退するだろう。

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日本製デニム生地の現状をまとめてみた
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