作者別: minami (1ページ / 189ページ)

ポイントを使った値引きがこれだけ広まっているのに「プロパー消化率」にこだわる意味がわからない

今年から某プリンスの押し付けでマーケティングの授業を受け持つことになったのだが、実は昨年からこれも某プリンスの押し付けで、計数管理の授業を受け持っている。
とはいえ、こちらも計数管理なんて素人だし、これまでの決算会見だとかの聞きかじりをつなぎ合わせてなんとかやっている。

計数管理の教科書には必ず「プロパー(定価)販売」が出てきて、それに関連して「プロパー消化率」という言葉が出てくる。

アパレル・繊維業界の俗語では「プロパー」にはもう一つ「生え抜き」という意味がある。
アパレル・繊維業界は中途採用や同業他社への移籍が多い業界なので、どんな企業も生え抜き組と移籍組が混在している。
その「生え抜き社員」を指して「プロパー社員」ということもある。

まあ、それは置いておいて。

定価販売というのは、店やブランドにとって利益を確保する最大の手段である。
定価で販売できればかなりの粗利益が確保できる。
だからどれだけ定価で販売できるかが重要であり、それを測定する指標としてプロパー消化率がある。

理論上ではそれはわかる。
値引きせずに定価で売るのが最大の利益をもたらす。
だからプロパー消化率を高めるというのも意味はわかる。

ところが、自身の消費行動を振り返ってみたとき、この「プロパー消化率」なる指標は、現代社会ではほとんど使えないのではないかと思ってしまう。

これはなにも2018年現在のことではなく、少なくとも2000年頃に各社がこぞってポイントカードを導入したときから、ほとんど使えなくなってしまったといえる。

少なくとも15年くらい前からは計測できなくなっているのではないかと思う。

例えば、先日、趣味のガンプラでリアルグレード(RG)「トールギス」という機種を購入した。
定価は税込みで2700円だ。

武装とバックパックが未完成なRGトールギスの本体

購入を考えるルートはいくつもある。
1つは近所のジョーシン、次はAmazon、その次が駿河屋の通販サイト、ヨドバシカメラドットコムあたりだ。
この中から最も割引率の高いところで買うのが当方である。

だいたいどこも2100~2000円くらいまで値引きされている。

Amazonはその当時は1930円くらいまで値引きされていたが、プライム会員ではないから2000円未満は送料が必要になってしまうからAmazonは除外だ。

残りはだいたい同じくらいの値段だが、ジョーシンとヨドバシは1000円分くらいのポイントがたまっている。
ポイントを使えば1000円ちょっとで買える。支払い総額を抑制する目的ならそのどちらかを選ぶのがもっとも理にかなっている。

ジョーシンはわざわざ自転車で20分もかけて出かけるのがめんどくさい。
となると、選択肢はヨドバシカメラドットコムということになる。

いくら安くてもヨドバシカメラドットコムは送料無料だ。
41円の消しゴムを買っても送料無料だ。

持っていたポイントをすべて使って1095円で購入した。
なんという安さ。

これはガンダムのプラモデルに限らず、洋服でも同じではないか。
当方は少し値引きされていたガンプラにポイントを使ったが、値引きされていない定価の洋服にポイントを使って安く買ったり、場合によっては無料にしたりすることがある。

他の皆さんも同様だろう。
メンバーズカードを提示して、ポイントが貯まれば、そのポイントを使って定価の服を安く買ったり、タダにしたりできる。
この場合のプロパー消化率はどう測定するのだろうか。
表示は定価販売でも場合によっては無料進呈になってしまっている。

2015年以降はメンバーズカードがスマホのアプリに置き換わった。

アプリにポイントが貯まる。
ポイントシステムは各ブランドによって異なる。
例えば、アダストリアの各ブランドは貯まったポイントはいくらからでも使える。10ポイントしかたまってなくてもそれを全部使える。
一方、ジーユーは最低でも100ポイントを貯めないと100円割引クーポンに交換できない。

ライトオンのメンバーズカードはアダストリア方式で貯まったポイント分だけ使える。

Amazonも貯まった分だけすぐにポイントが使えるし、Yahoo!ショッピングも同様だ。

こうなると、帳簿上プロパーで販売していても実質はポイントで値引きされているというケースは珍しくないだろうと推測できる。

そして、そのブランドの愛好者であればあるほどポイントは貯まりやすく、実質的に値引き販売を繰り返すことになっている。
だってそうだろう。例えば、ライトオンの太い顧客だとするとたくさん買うからそれだけたくさんポイントが貯まる。
それを使ってまた買うわけでその分値引き販売されているが、またポイントは貯まる。

それの繰り返しになる。

こうなるとプロパー消化率なんて指標は一体どうやって測定するのかということになる。

そしてロイヤルカスタマーになればなるほど、ポイントは貯まりやすく、その分値引き販売を繰り返していることになる。
もちろん、セール品にポイントを使ってさらに安く買うという当方のような人間も存在するだろうが、ロイヤルカスタマーは定価でも購入しているはずで、そのロイヤルカスタマーは常に定価品をポイントで値引き購入しているということになる。

ポイントカードが出現する前の時代ならプロパー消化率なる指標も測定できただろうが、ポイントカード出現後はプロパー販売なる指標はほとんど意味がなくなってしまったのではないか。
そしてポイントカードが出現したのはここ1,2年のことではなく、すでに15年くらい前から存在しており、現在はそれがアプリに置き換わってますます各ブランドに広がっている。

ポイントカード草創期はまだしも定着化した10年くらい前からはプロパー消化率という指標はほとんど意味をなさなくなったということになる。

にもかかわらず「プロパー消化率65%を目指せ」なんていう業界誌もあるのだが、この人たちはポイントカードやポイントアプリを一切使っていないのだろうか。
一切のポイントカードやアプリを絶滅させないことにはプロパー消化率なんて高まるはずもなく、むしろロイヤルカスタマーを作れば作るほどポイントによる値引き販売は増える一方になる。

意味をなさなくなった「プロパー消化率」にこだわるのは愚かしい行為であり、それよりも投資と同様に迅速に損切りをする方が重要である。死筋になる前に少しずつ値引きして消化率を高めて現金化するという手法こそが現在に則しているのではないか。

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RGトールギスをどうぞ。

夏と冬の年二回バーゲンにこだわるのはオッサン連中のノスタルジーに過ぎない

百貨店とルミネの「夏と冬の年2回バーゲン」にこだわる姿勢は、多分、オッサン・オバハンのノスタルジーなのだと思う。

なぜそう思ったのかというと、謎の美人(多分)ツイッタラーちまきさんがこんな返答をくれたからだ。

多分美人のちまきさんは、きっと40代くらいなのだと思う。
40代だと、こういう風景を若い頃に見たことがある。

48歳の当方だと若い頃に見た風景はセレクトショップではなくてDCブランドの長蛇の列だった。
恐らく、当方の高校生の頃(86年春~89年春)はデザイナーズキャラクターズブランド(DCブランド)の人気がピークだったと思う。
当方は大学を卒業するまでファッションに興味がなかったから、DCブランド人気はテレビのニュースで見るだけだった。
当時は、「たかが服を買うためになぜ並んでいるのか?」と不思議でしょうがなかった。衣料品の仕事をし始めてそういう消費行動も理解できるようになったが、本音を言うと今でもたかが服を買うために何時間も並ぶのは嫌いだ。

並ぶという行為そのものが嫌いで、行列のできるラーメン屋とか行列のできるスイーツとかは行ったことがない。
何時間も並ぶくらいなら、不味くて空いている店で食った方がマシだと思っている。

まあ、当方の嗜好はさておき、当時はアトリエサブだ、ビギだ、ナイスクラップだ、コムサだ、というDCブランドのバーゲン時にはオープン前から長蛇の列ができていた。
これは事実だ。

しかもバーゲンで半額と言っても定価が高いから、それでも高い。
10万円のスーツが5万円みたいな価格でもそれでもみんな買っていた。
かくいう当方だってブームがピークアウトし始めた93年か94年にバーゲンで6万円に値下がりしたアトリエサブの黒無地スーツを買った。
今なら、ジーユーで上下セットを5800円くらいでしか買わないのに。(笑)

どうして、ケチで貧乏な当方が6万円の黒無地スーツを買ったのかというと、安い店にはそれが売っていなかったからだ。

洋服の青山にもはるやまにも黒無地スーツは略礼服しか売っていなかった。
だから嫌でもDCブランドで買うしかなかった。

洋服の価格低下を嘆くブランドは多いが、このころみたいに「高い店にしかない差別化された商品」があれば、消費者は嫌でも高い服を買う。安い服が売れているのは、高い服と安い服の見た目がほとんど変わらなくなったからで、高いブランド側の商品企画の内容が低下しているからだということを自覚すべきである。

で、百貨店やルミネが追い求めているのはこのころの消費なのだろうと思う。

高い定価設定でも飛ぶように売れ、夏の終わりと冬の終わりにわずかに残った在庫を少しだけ値引いて売り切ってしまう。

これが彼らの掲げる理想で、その理想は少なくとも20年前には崩壊していることをまだ納得していないのだろう。

しかし、昨日も書いたように、ユニクロのフリースブームから20年が経過して、低価格SPAが消費者に浸透してすでに15年以上が経過している。低価格SPAは売れ残った商品を随時自動的に値下げして、セール品コーナーが常に店内にある。

またネット通販が浸透してすでに10年近くになる。

ネット通販の集客方法は値下げである。
楽天スーパーセール、ZOZOTOWNの割引クーポンのばら撒き、Amazonのタイムセールすべて同じ理屈である。
アダストリアのドットエスティだってタイムセール乱発中だ。

SPAとネット通販の値下げに慣れてしまった消費者が今更、夏の終わりと冬の終わりまでおとなしく待てるはずがない。

百貨店とルミネが理想とするバーゲンの風景はSPAブランドとネット通販が消滅してしまわない限りは実現されることは絶対にない。
そのことを理解していないのではないか。

48歳の当方ですら、DCブランドブームの狂乱をうっすらと覚えている。
ましてやそのころには就業していた50代以上の今の流通幹部にとっては、そのころの成功体験は鮮明に残っているのだろう。

しかし、年配層がノスタルジーをいくら追求したところで、時代が逆戻りすることはあり得ない。

当方の父親は若い頃、金がなくなったらよく質屋に時計を入れていたというが、今ならメルカリで販売することだろう。
質屋がすべてなくなるわけではないが、それでもかつての質屋がすべて残っているわけでもない。

もうメルカリを消滅させることはできないし、メルカリがなくなったところでヤフオクは残る。

アパレルの上層部も流通の上層部もいつまで20年前のノスタルジーの幻影を追い求めるのだろうか。
年配層がノスタルジーを追い求めれば求めるほど現状とは乖離していく。
年配層のノスタルジー追求は百害あって一利もない。むしろ有害だといえる。

アパレルも流通も上層部が現実を直視しない限りはますます苦戦し続けるだけのことである。

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「大量生産・大量販売から脱却する」という意味不明なルミネの主張

ルミネという商業施設のコメントはどうしていつも屁理屈臭が漂うのだろう。
これこそ企業の風土というやつかもしれない。

ルミネの夏のセール日が決定 昨年と同時期の7月末から
https://www.wwdjapan.com/635519

今年の冬セールは他の施設とほぼ同時の1月4日から開催したが、夏セールは他の施設から遅れて7月27日からするそうだ。
で、遅らせる理由だが

広報担当者は「しっかりとプロパーで販売し、適正な時期にセールをするという方針を取っている。これまでと変わらず、大量生産、大量販売から脱却し、素材やデザインにこだわった商品の価値を丁寧に伝えて販売していく」としている。

と書かれており、はっきり言って意味不明だ。
ルミネは真面目のこんなことを考えているのだろうか。だとしたら上層部は相当アレな人がそろっている。

そもそもルミネというファッションビルに入店しているテナントブランドのほとんどは「大量生産・大量販売」である。

例えばルミネ新宿を見てみようか。

1階にはユナイテッドアローズとトゥモローランドという「ほぼSPA」化した大手セレクトショップである。すでにこの2店でも相当に大量生産・大量販売だ。大量生産・大量販売という仕組みがなければこの2店はここまで大手になっていない。

2階にはガリャルダガランテ、デミルクスビームス、ドゥージィエムクラス、マークジェコブス
3階はイエナ、ピーチジョン、グレースコンチネンタル、ルシェルブルー
4階はユナイテッドトウキョウ、スピック&スパン、ブラックバイマウジー

などというふうになっており、目玉テナントはすべて大量生産・大量販売である。
そうではないと完全に言い切れるのは4階の大塚呉服店くらいだろう。その大塚呉服店とて、仕入れている着物のうち何割かは大量生産品が含まれている。

現代の大手アパレルブランドで大量生産・大量販売でないところはない。

「素材やデザインにこだわった」と陳腐化した言葉を並べているが、ルミネ内の店以外でも同じ商品が並んでおり、ルミネ内の店で買う必要性はまるでない。

以前に、バーゲンセールを後倒しし始めた際に持ち出したルミネの屁理屈は「産地の保護」だった。
しかし、上記のテナントにどれほど国内生産品が並んでいるのか。上記のテナントが扱っている商品はほぼアジア工場で生産されている。
生地や染色加工の段階にまでさかのぼれば、国内品比率が増えるが、縫製段階で限っていえば、当時ですら97%(数量ベース)は海外製造品だ。「産地の保護」で掲げている「産地」というのはどこを指しているのか?アジアの縫製工場のことか?
まったく笑わせてくれる。

ルミネの「理由」を聞いて前回も今回も納得する人がいるのだろうか。
いるとしたらその人たちの頭の中身は相当におめでたい仕様になっている。

で、これらのルミネの目玉テナントの各ブランドのウェブサイトに行くと、すでにウェブ上では一部セールが5月から始まっている。
ZOZOTOWNも5月にすでに大々的なセールを行っているし、割引きクーポンの乱発は日常茶飯事だ。

ウェブだけではない。実店舗でも今年は夏のセール開始が早い。
ショッピングセンター内や都心路面店では5月半ばから「店内一部セール」「最大〇〇%オフ」というデカイ看板が掲げられているし、ストライプインターナショナルとそれに触発されたブランドが毎日「タイムセール」を繰り返している。

言ってしまえば、消費者は常に割引品を買うことができる状況にあり、ネット通販の進展によってそれはさらに周知されている。
突き詰めればネット通販の最大の集客手法は「安売り」だからネット通販が盛んになればなるほど、各サイト間の競争は激化して安売りは進む。ZOZOTOWNの5月の大セールや割引クーポンの乱発はそれを証明している。

2008年ごろまでのインターネットがそれほど普及していない時代なら、ネットと実店舗は違うという理屈でも押し通せたかもしれないが、これほど多くの人が日常的にインターネットを使用している状況下ではその理屈は最早通用しない。
それにルミネのネット通販、アイルミネも早期に割引セールを行っている。自社のサイトがやっていることを実店舗で否定する意味がわからない。こういうのをダブルスタンダードというのである。

加えて、常に店内に「値下げセールコーナー」を持つユニクロ、ジーユー、GAP、ストライプインターナショナルの各ブランド、アダストリアの各ブランド、などのSPAブランドが浸透している。
消費者からすると、店内に見切り品コーナーがあることは最早常態と化している。

このような状況下で、90年代の遺物のような夏と冬の年二回の大幅値下げセールに固執する意味があるのだろうか。
当方はまったくないと思う。ルミネで値下げされていないブランドだってそのブランドのウェブサイトでは値下げされているのだから、そちらで買えば良いだけのことである。

こうなると、いくら、大手流通が「セール後倒し」を叫んだってもとには戻らない。
ネット通販とSPAブランドがすべて壊滅しないと実現できないので、事実上実現不可能ということである。

となると、ここでやらねばならないことはノスタルジー丸出しでの「セール後倒し」模索よりも、SPA方式での売れ行き不振商品の自動的段階的値下げである。それとともに、ZARA式の「売り切れ御免」方式を組み合わせるマーチャンダイジングの模索であろう。

ZARA式を取り入れることで「値下げまで待てない」という心理を消費者が持てば、セール品は減る。
それでも売れ行き不振商品が出るならそれは、企画と販売が下手くそなせいだから、諦めて値下げすればいい。
後生大事に定価で抱えていても最終的に投げ売るよりも早い段階で、30%オフくらいで枚数を減らした方が利益率が高いはずだ。
また、廃棄するにも廃棄料としてカネがかかるから、不振だと気が付いた段階で少し値下げする方が適切な処置だといえる。

定価で買うのは嫌だが、30%オフでこのデザインなら買っても悪くはないと考える消費者は多い。

まとめると、

・SPA方式の自動的かつ段階的値下げ
・ZARA方式の「売り切れ御免」の商品手配の確立と、商品企画の精度向上

セール後倒し派はつまらない日程操作よりも、この2つに注力すべきだろう。

それにしてもルミネの主張はいつもまったく共感も支持もできない。

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そんなルミネに関する本をAmazonでどうぞ

ZOZOSUITがサイズ計測を正確にできない理由

泰山鳴動して鼠一匹。
サイズ計測システムのゾゾスーツに関してはこの言葉がぴったりではないかと思う。

着用して数秒で自分のサイズが計測できるという触れ込みだったが、何のことはない。
勝手に仕様を変更して数秒どころか何回も計測しないといけないシステムになった。

当方は元から興味がないので最初のゾゾスーツも今回のレモンスカッシュの缶みたいなデザインのゾゾスーツも取り寄せるつもりは毛頭ないが、今回のレモンスカッシュ版ゾゾスーツはどうも計測数値に大幅な誤差が生じるようだ。

誤差については、例えばコンサルタントの河合拓さんや人気ブロガーのMB氏が報告しておられる。

ZOZOスーツを信じたら適合サイズは28インチなのに32インチのパンツが届いた話。

ZOZOスーツを信じたら適合サイズは28インチなのに32インチのパンツが届いた話。

 

 

https://ameblo.jp/takukawai/entry-12375339847.html

 

本当にウエストのユルユルは気になります。
究極のフィットといっても、まあ、店頭で試着する以上には決してならないなと。店頭であれば、ここまで強いテーパードやウエストがるゆいデニムは買わなかったと思います

とのことで、ツイッターを見ているとそのほかにも多くの人が実寸よりも大きいサイズだと測定されているようだ。

MB氏の場合はかなりひどく、28インチと32インチは2インチ刻みのサイズ感なら2サイズオーバーということになるが、通常のジーンズブランドのように1インチ刻みだと4サイズも大きいことになる。
1インチの差はだいたい2・5~3センチくらいであるから、相当に大きいことになる。

もちろん、自分のサイズを正しく知ってもらおうというゾゾの取り組み自体には一定の評価をするが、このシステムは現時点では実用レベルにないのではないかと思う。

で、どうしてここまでの誤差が生じるのかということになるが、それに対して明確な答えを出している・出せている著名「有識者」は当方が見る限りいない。
当方は実物を触ってもいないから、なおさらわからない。

そんな中でゾゾスーツの測定に大幅な誤差が生じる理由でもっとも正しいと思われる推測をご紹介したい。
謎のツイッタラー明石屋万吉さんと、サンプル製作を行うmariさんの一連の会話である。

とどめはこちらである。

恐らく、水玉の部分を計測することで着用者のサイズを計測するシステムなのだと推測されるが、ここで言われているように、生地が激しく伸び縮みするから水玉の柄もそれにつれて伸び縮みする。(当たり前)
水玉が伸びればその分計測されるから、大きめのサイズだと認知されてしまうのではないか。

おまけに生地がポリウレタン11%ということは相当に伸びる。通常のストレッチジーンズがポリウレタン5%くらいだから、それの2倍を含有しているからそれだけでもかなり伸びるということがわかる。
ユニクロのエアリズムシームレスがポリウレタン14%で、ジーユーのスーパーストレッチドライスーツもポリウレタン14%であの伸縮性だから11%だとそれに近い伸縮性があるということもわかる。

ちなみにエアリズムシームレスとスーパーストレッチドライスーツは両方とも同じポリウレタン14%だが、経編生地と平織り生地なので、着用した時の伸縮性は異なる。経編のエアリズムの方が伸縮性がある。
当たり前のことだが綿100%でさえ、編み生地は織り生地よりも伸縮性が高い。そこにポリウレタンが配合されれば格段に伸びは大きくなる。ゾゾスーツが編み生地だった場合は相当に伸縮するということが推測される。

そして、水玉の位置は着用するごとに何ミリかずつ変わる。

この2つの理由で計測数値に大幅な誤差が生じると考えられる。
ここを修正しない限り、ゾゾスーツの計測数値はいつまで経っても正しくならないだろう。

これは完全な推測だが、本来は最初に発表されたゾゾスーツの方が正しい数値が計測できたのだろうと思う。
なぜなら着用するごとに水玉の位置も変わらなければ、水玉が伸びることもない。

しかし、量産化するには何かの問題点があったのだろう。
問題がなければ契約は解消されずに、水玉柄の新ゾゾスーツも登場していない。

量産化するにあたってネックとなったのは、製造コストが高すぎたのか、それとも素材や仕様が量産に不向きだったのか。
はたまた権利関係で合意できなかったのか。

そのうちのどれかか、もしくは全部が理由だったのだろう。

もちろん、徐々にゾゾ側も改良・改善するだろうが、今ようやく配送が始まったところだから、改良が加えられるのはもう少し先のことになるだろう。

ゾゾスーツが改良される前に、他の企業からさらに正確で簡単なサイズ計測システムがリリースされるのではないかと思う。

そして、サイズ測定がここまで甘い状況なのに、Tシャツやジーンズよりもサイズ精度を要求されるボタンダウンシャツをリリースするゾゾは一体なにを考えているのだろうと不思議でならない。

Tシャツの編み生地は2センチくらい普通に伸びるし、ジーンズはウエストが2センチや3センチ大きくてもダボっと穿けばいい。
しかし、ボタンダウンシャツは首回りが1センチずれると不格好になってしまう。
首回り39センチの男が首回り40センチのシャツを着た時点で「大きすぎて不格好」になってしまうのである。

シャツ、スーツはそれこそゾゾが掲げながら現時点では達成されていない「ミリ単位の精度」がある程度求められるジャンルである。

テクノロジー系ミーハーはそれでもゾゾスーツを賞賛するのだろうが、当方はゾゾのボタンダウンシャツは現時点では勇み足ではないかと思う。

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無印良品の記事からわかるインフルエンサー の言葉のいい加減さ

経済系インフルエンサーとか著名コンサルタントとかいう人の言説を見ていると、「この人本当に売り場で商品を見たことがあるのかな?」と感じることがある。

例えば、先日流れてきたこの記事。

UMS主義者、かく語りき――衣のユニクロ、住の無印良品、食のサイゼリヤ
http://bunshun.jp/articles/-/7665

この人はユニクロ、無印良品、サイゼリヤを衣食住のそれぞれの分野で評価している。
個人的には、そこの好みは同じである。
ただ、当方は住、インテリアにはほとんど興味がないので、まったく買わない。
この3つのブランドはたしかに低価格・高品質を地で行っていて、低価格で良い商品が手に入る。

だから主張していることの8割方は賛同できる。

しかし、賛同できない部分もある。
出だしのApple製品がナンタラでイヤホンの音質がドウタラでという部分は当方にとってはどうでもいい。
当方は音楽にはまったく興味がないし、その微細な音質の違いなどもっとどうでもいい。
どうでもいいことで1ページ目は終わっている。

疑問を感じる箇所は2つだ。

まず、3ページ目の無印良品についてだ。ここがはっきり言って最大に疑問を感じる。

無印良品のデザインに飽きがこないのは、それが独自の基準で練り上げられているからだ。それが証拠に、無印良品の家具や生活雑貨はほとんどが超ロングセラーで、デザインの変更は滅多にない。本当に良いものをつくれば、あとから新製品を出す必要はそもそもない。

この箇所は疑問で、そこまで無印愛を語っているのに、この人は商品を見ていないのではないかと感じられる。
もしくは見ているのだろうけど、ほとんど記憶していないかのどちらかではないか。

ここに、的確な突っ込みがあった。ご紹介しよう。

まず、これ。

続いて核心を突いたこのツイート。

もうこれが答えである。

無印良品は頻繁に商品のデザインや仕様をマイナーチェンジするし、新商品も発売し続けている。
これが事実である。

インテリア商品に関しては比較できるほど見ていないので、衣料品で考えてみようか。
衣料品に限っていえば、毎年商品のデザインや仕様、素材が変えられている。
デザインの変更が滅多にないと見えるのなら、それは商品を見ていないか、昨年の商品を記憶していないかのどちらかでしかない。

例えば、昨日のブログで紹介した「脱げにくいフットカバー」。
昨年はミディアムグレーがあって、それを購入した。しかし今年はミディアムグレーは廃版となっており、再販されていない。
もっといえば一昨年の同商品とは履き口のゴムと編み方が異なっている。一昨年の同商品の方が履き口が伸びやすい。
それを昨年改良しており、今年はそれを引き継いだ設計となっている。

また、14年前の冬に買ったウールのカーディガンと、13年前に買ったウールのカーディガンは一見すると同じシリーズだが、サイズ感や生地の厚さが異なっていた。

14年前の冬にウールのカーディガンを買った。
ベージュの丸首カーディガンで前身ごろの左右に紺色のアーガイルチェック柄があった。

実はこれはVネックもあり、そちらも本当は欲しかったのである。
Vネックはミディアムグレーを買うつもりだったが、金がなかったのでベージュの丸首だけを買った。

そして、翌年、Vネックのミディアムグレーを買った。一見すると同じだが、なんか違う。

まず身幅のサイズが違う。
ベージュの丸首はほぼジャストサイズ(細すぎず大きすぎず)だが、グレーのV首は今でいうオーバーサイズっぽいゆとりがあった。

あれ?おかしいな。

生地の厚さはベージュの方が厚く、グレーは意外に薄かった。

結果としては似て非なる商品だったといえる。
無印良品の衣料品は毎年こんな感じでマイナーチェンジされていて、同じ物を買うことは二度とはできない。

これは毎年の商品をきちんと把握していれば容易にわかることで、無印愛を語りながら、それを把握していないというところに疑問を感じる。

また傾向は異なるがこの部分も疑問だ。

デフレ真っ盛りの頃に取りざたされた、ひたすら低価格を追求する商売とは一線を画している。安さだけではアジアでは通用しない。

この3ブランドがアジアや中国で好調なことに触れた部分だが、「安さだけではアジアでは通用しない」という書き口に違和感がある。
安さだけで通用しない国は日本が最右翼である。
だから安さを売りにしたオールドネイビーは売れずに撤退したし、安さだけしか取り柄のないフォーエバー21はジリジリと店舗数を減らし続けている。

97年、98年の価格破壊ブームの時に170円スニーカーを発売して注目を集めた靴のヒラキがビッグブランドに成長できなかったのも同じである。

安さしか取り柄がなかった韓国のビッグブランド「MIXXO」「SPAO」はあえなく日本から姿を消した。

そうそう、フランスのカルフールも日本から撤退してしまっている。

経済系インフルエンサーや著名コンサルタントの多くは、戦略論や概論はさすがだと唸らされるが、商品や商品価格に踏み込んだ場合、首を傾げたくなるような記述がある。

結局のところ、この手の人はそれほど熱心に商品を見比べていないし、商品にはそれほど興味はないのだろう。
そのあたりは起用する企業やブランドが人の用途を使い分けるべきだろう。

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そんな無印良品の商品をどうぞ

3足890円の無印良品の「脱げにくいフットカバー」は日本製

好むと好まざるとにかかわらず、月日は流れゆく。
今年もまた大嫌いな暑い夏がやってくる。

暑さが苦手な当方は、4年くらい前から、夏は、雨の日以外は7分丈~クロップド丈のズボンと、浅いスリッポンシューズで過ごしている。
フルレングスの長ズボンよりも裾が10センチ短くなるだけで幾分涼しくなる。

なら、もっと短い膝丈とか膝上丈の半ズボンを穿けばいいじゃないかといわれるが、足が太くすね毛がボーボーな当方としてはそれを露出するのはなんとも見苦しいと感じるので、それは穿かない。どんなに安い商品があっても買わない。

で、浅いスリッポンを裸足で履くのは好むところではないから、必ず靴下を履く。石田純一の気が知れない。

通常の靴下にスリッポンを合わせるという着こなしもあるが、当方にはそれは似合わない。
だから靴下がスリッポンからほとんど見えないフットカバーを夏の期間着用している。

フットカバーは通常の靴下やスニーカー向け靴下よりも浅いので、靴を履いて歩いていると脱げやすい。
物理的に脱げてしまうのが当然であるが、脱げてしまうのは不快だからできれば脱げないフットカバーが望ましい。
物理的にはかなり難易度が高いから、それを実現できているブランドは少ない。
そして、できれば価格は安い方がありがたい。

高品質・低価格を看板にするユニクロでさえ、フットカバーの出来は今一つだ。4年前に買ってあまりの脱げっぷりに1度履いただけですべて捨てた。
ジーユーは言わずもがなだ。

3足1000円未満で脱げにくいフットカバーというと、無印良品とグンゼが双璧だと思う。

グンゼのはすでに3足、無印良品のはすでに6足持っているが、今年また無印良品で3足買った。
去年は3足990円だったが、今年は3足890円だ。100円も値下げしている。

無印良品の「脱げにくいフットカバー」は文字通りに脱げないのだが、昨年買った同商品もそうだが、この価格でなんと日本製なのである。

この価格で日本製ということは工賃は相当に安いのだろうと思う。
ただし、数量が多いから成り立っているのである。
そこら辺のイシキタカイ系ブランドがなぜ高いのかというと、生産数量がミニマムロットにはるかに達していないからである。
いくら小ロット生産できるという日本の工場でも1型10枚程度じゃ、サンプル製作と同等の工賃を取られる。当たり前の話だ。
彼らのブランドの商品は決して高品質だから高いのではない。生産数量が少なすぎるから高いのであって、品質も大量生産品に比べると低い。

無印良品の靴下はバリエーションがさまざまあるが、売り場で見ている限り、日本製なのはこのフットカバーだけなのである。
あとのショート丈靴下は見る限りではすべて海外生産である。

ということは、この物理的に難しい「脱げにくいフットカバー」を生産する技術は日本にしかないということになる。

「日本製だから高くても売れるだろう」という物作り関係者や某クールジャパン関係者、流通関係者は、日本製で高品質でしかも3足890円という商品が無印良品で大量に販売されている現状を見て息をしているのだろうか?

日本製だから高くても売れるだろうというのは関係者の希望的観測に過ぎなくなっている。

このフットカバーを履いてみて、かかと部分にジェルもなく、立体的な形状でもないのに脱げにくいのは改めてすごいと感じる。

で、履いてみたときに編み目が伸びるのを見て、気が付いたのだが、一見フラットに見えるが、実は各部分で編み目を切り替えている。
通常の脱げやすいフットカバー類は編み目を部位によって変えているなんてことはない。割合に均一な編み目で全体を編んでいる。
このためかかとにジェルを付けないと脱げてしまう。さらにいうとかかとにジェルを付けていても脱げてしまう。

オッサンの汚い足で恐縮だが順番に見て行こう。

まず、足の甲の真ん中あたりで編み目が切り返されて変わっている。(赤丸部分)

で、爪先は通常の靴下のように合わせ目がある。
つまり、爪先と足の甲で縫い目を変えているのである。

側面から見るとこのように縫い目が各部位で変わっているのがわかるだろう。

で、かかと部分だ。

口ゴム部分の下を見てもらうとわかるように、かかとは編み目が切り替えられて3つの部位に別れている。(赤丸部分)

この頻繁な編み目の切り替えこそが脱げにくいフットカバーの秘密なのではないかと思う。
靴下についてはまったく詳しくないから推測ばかりになってしまうが、これほど頻繁に編み目を切り替えられる技術は恐らく日本にしかないのだろう。
そうでなくてはこの商品だけが日本製であり続けるはずがなく、他のショート丈靴下と同様にアジア工場製になっているはずである。

先日、マレーシアのクールジャパン百貨店を批判する記事が掲載された。
書かれている内容は概ね同意するが、1か所だけ賛同できない。
それは「超高価格で売られている」という点である。超高価格で売ることが悪いわけではない。商売はできるだけ安く仕入れてできるだけ高く売るのが鉄則だ。売れるなら超高価格で売ればいいのである。

問題は、超高価格で売るためにどういう仕掛けをしたのかということになる。
超高価格でも売れるための販促、広報、ファンづくりをしていて、その価格で売れるなら何の問題もない。
超高価格で売ることが悪だというなら欧米のラグジュアリーブランドはすべて悪だということになってしまう。
おわかりだろうか。超高価格で売れるための努力をしていなかったことがクールジャパン百貨店の悪なのである。

無印良品の3足890円の高品質フットカバーを見ていると、「単に日本製だというだけ」で高く売ることは不可能であるということがわかる。「日本製を高く売るためには」どうしたら良いのか?それを考えないことには衣料品の生産数量の2%しか日本製がないことをいくら嘆いていても何も事態は変わらない。

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とはいえ、グンゼのフットカバーもおすすめ。

儲からないから国内縫製工場は減り続ける ~衣料品の国内生産比率(数量ベース)は2%台に~

2017年の衣料品の輸入品比率(数量ベース)は98%になったとの報道があった。
国内生産比率は数量ベースで2%になったということになる。

これを受けて、WWDジャパンの6月4日発売号でも記事が掲載されていた。

日経新聞にも同様の報道がある。

衣料品、国産消滅の瀬戸際 輸入比率98%に迫る
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30973410V20C18A5TJC000/

この日経新聞の記事で気になるところは、むしろ、エドウインの国内工場の相次ぐ閉鎖という部分だ。
13あった工場もすでに一桁台にまで減っている。

エドウインが経営破綻によって伊藤忠商事に買収された時点では13ある国内工場が随分とクローズアップされて報道されたものだが、所詮は客寄せにしか過ぎなかったのだろうか。

それはさておき。

WWDジャパンの記事では国内生産数量は1億枚をついに下回って9840万枚と報道されている。

こちらでも同様の記事が掲載されている。

FISPA便り「アパレル生産、1億枚割れ」
http://fispa.gr.jp/archives/4271.html

日本繊維輸入組合が毎年、まとめているアパレル製品の輸出入統計を見ると、2017年のアパレル製品の供給では、国産の減少と輸入の増加に歯止めがかからず、輸入浸透率は前年比0.3ポイント増の97.6%になったことがわかりました。大きな変化は見られませんが、1991年には51.8%だった輸入浸透率はその後上昇を続け、限界とも思える90%に達した以降もジリジリと上昇しています。

とある。2%は正確には2・4%ということである。
そして

国内市場向けのアパレル製品の総供給量は、37億9200万枚です。前年に比べて1.8%増加しました。

とあり、前年より微増しているものの、ピーク時の41億枚からは微減している。

国内生産量はどうなのでしょう。前年比8.1%減の9840万枚でした。

とある。国内生産数量がついに1億枚を割り込んだ。個人的には、この数量が増える可能性はほとんどないと見ている。

さてWWDでは衣料品の国内生産が伸びない理由を考察している。
衣料品の国内生産というのは、主に縫製工程を指している。生地製造はまた別である。

「メイドインジャパン」とか「国産にこだわった」とかいうブランドが紙面を賑わわせているが、実際のところ数量ベースではほとんど寄与していないことになる。
話題になることと、数量が売れるということは別物だということが、この統計だけでも十分に理解できる。

例えば、「国産」を旗印にずいぶんとメディアに露出しているブランドがある。
著名なところだとファクトリエとかトウキョウベースとかになるが、あれほどメディアに出れば、どれほどの数量が売れているのかと思うが、実態はこんなもんである。国産品は数量ベースで減り続けており、彼らのスローガンは耳目を引き付ける効果はあっても、数量ベースの改善には何ら役に立っていないということである。

WWDの記事では、国産品が増えない理由として、「衣料品の低価格化」と「工場の後継者難」を挙げている。
経営者も工員も後継者難なのである。
国内の工場は経営者も工員も高齢化しており、経営者は自分の代で廃業しようと考えている。
工員には若手がほとんど入ってこない。(ゼロではないが)

理由は儲からないからだ。

外国人実習生でしのいでいる縫製工場もあるが、3年で帰国してしまう外国人実習生では技術は安定しない。
3年ごとにメンバーが入れ替わるので、また最初から教えなおさなくてはならない。

また、外国人実習生を厚遇している国内工場もあるが、法定以下の扱いをしている国内工場も珍しくなく、むしろ後者の方がクローズアップされてさらに求人難となっている。

そのほか、衣料品の低価格化が止まらないことから、国内工場の人件費も上がらないままここまできた。
一部の工場からは日本人の工員の給料も20年間据え置かれたままだという声もある。また、老年の工員は年金を支給されているため、割安で仕事をしていることも珍しくない。

WWDの記事では、「国産衣料品をこのままなくしてしまって良いのか?」と結んでいるが、かといって、無理やりに国が保護したりすることもおかしな話だろうし、人が集まらない産業は消え去るしかない。

現実的に、G7の先進国で衣料品製造がそれなりの規模の産業となっている国はイタリアくらいではないか。
まあ、そのイタリアでも繊維工場の外国人労働者は増えているといわれるが。
フランスに拠点を置くラグジュアリーブランドも自社縫製工場、工房を維持している。

アメリカやイギリスでは縫製工場はほとんどなくなってしまっており、日本の縫製工場が限界まで減ることは不自然なことではない。

もちろん、国内工場はゼロにはならない。後継者に恵まれた工場もあるし、当方の知る限りでも若い社長ががんばっている縫製工場もあるが、現存の縫製工場がすべて残ることは不可能だ。後継者に恵まれない工場は廃業するほかない。

結局の解決策としては、縫製業が儲かる職業になるほかない。
儲かる職業なら若い人が就職してくる。いくら、「国産品ガー」とか「産地を守りたい」とか綺麗事ばかり言っていても儲からなかったら、その産業は続かないし若い人も就職しない。儲からないのにわざわざ就職するのはよほどの変人か、マゾヒストだけである。

「国産品を守りたい」なんて言っているブランドはもっと真剣に数量を売ることを追求すべきだし、縫製工場は残りたいなら従来型の下請けに甘んじることなく、直販でもEC直販でも儲かるかもしれないことには何でも挑戦してみるべきだろう。

「儲かるようになる」という以外に解決策はない。

国内縫製工場の減少を見ていると金儲けの大切さが改めて理解できる。
アパレルは芸術ではなく、産業であり経済活動なのである。

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複数の機能を積み上げて失敗したワイシャツ業界と、一つの機能に特化して打ち出して成功したオールユアーズ

今年から、某プリンスの押し付けによってマーケティングの授業を引き受けることになってしまったのだが、当方は体系立ててマーケティングを勉強したことがない。
ツギハギでやってきたわけだ。

昨年までの授業用の資料に沿って、そこに勝手に自分の見解を付け加えているわけだが、ポジショニングということを教えた。
資料に目を通すと、まあ、いろんなことが書かれてあるのだが、その中の一つに

「ポジショニングの一つの方法として、複数の機能や効能がある中から、一つか二つに集中して取り上げてアピールする」

と書かれてある。

これは非常に基本的なことだが、それこそマーケティングを体系立てて勉強している企業経営者やブランド運営者がどうしてこれを忘れてしまうのだろうかと、資料を読みながら思った。

その資料の中には一つの某石鹸が例として挙げられており、

体臭を消すという効能に特化した打ち出しで独自のポジションを築いた。

とある。

石鹸の効能は、殺菌作用や皮脂を落とすなどがあり、某石鹸でなくても普通の石鹸ならほとんどがこの効能を備えている。
殺菌作用の延長線上に防臭や体臭除去があり、殺菌作用のある石鹸ならすべて、防臭や体臭除去は可能になる。
しかし、あえて「体臭除去」だけをクローズアップしてヒットした石鹸があった。

資料にはこうまとめられている。

「多くの効能や機能を謳っても人間は一度に理解できない。人間が一度に理解できるのは1つか2つ。だから1つか2つに絞り込んで打ち出すことが重要」

と。

それこそMBAだ、ナンタラ大学院大学だ、を修めた人ならみんなご存知の知識ではないかと思う。
ところが現実的にはこの原理はほとんど生かされていない。だからたまにこれをキチンと活用した企業やブランドが出てくるとたちどころに大ヒットになる。

メンズのワイシャツが良い例である。

メンズのワイシャツが備えている機能性としては現在だと形態安定加工である。

それ以外だと

防臭
防汚
速乾

くらいだろうか。
あとはデザインやシルエットによってはストレッチ性である。

まとめると、メンズのワイシャツに必須の機能は

1、形態安定加工
2、防臭
3、防汚
4、ストレッチ性
5、速乾性

といったところではないか。
そして1が圧倒的で、2と3、4と5はあっても良いがなくてもなくても構わない。

そんな感じだと思う。

メンズのワイシャツは90年代半ばに形態安定加工が発明され大ヒット商品となった。
いくら大ヒット商品とはいえ3年くらい経過すると欲しい人はだいたい買ってしまっていて、新規購入客は少なくなる。あとは買い替えとか買い足し需要しかない。
5枚持っているから、2枚買い足そうというような感じである。

昨年は一気に5枚売れたのに、今年は2枚しか売れないということになる。
実に数量ベースで60%減である。

ヒット後3年くらいしてから、ワイシャツ業界は、その素材供給元の紡績と一体となって売り上げを維持させるために様々な機能性を付加していった。

最初は形態安定だけだったのが、そこに防臭が加わる。
次の年は防汚である。

その翌年は抗菌
その翌年は保湿
その翌年はビタミンC加工
その翌年は紫外線カット

という具合に、年を経るごとにどんどんと機能性が付加され、最終的には7種類とか8種類の機能を持つワイシャツが大量に売り場に並んだ。

その結果はどうだったかというと、今、その手の商品が残っていないことを見ればわかるようにまったくヒットしなかったのである。
先ほどのポジショニングの資料の逆張りをナチュラル感覚でやらかしていたわけである。

業界紙記者時代に、ビタミンC加工ワイシャツを発表されたときに思わず質問をした。

それってどういう効能があるんですか?

そうすると、

美白効果があります

という答えが返ってきた。

び、美白だと?

 

美白効果を求めているサラリーマンのオッサンがこの世にどれほど存在するのだろうか。
ゼロではないがひどく少数だと思う。そんなニッチな市場に向けて一体何万枚生産するつもりなのだろうか。
美白ワイシャツがあれば買うのは美肌プリンスくらいではないか。

紫外線カットも同様だ。

OL向けのレディースワイシャツ、ブラウスにこの機能を付加するのは理解できる。
しかし、いくらアイデア不足だからといって、オッサン向けワイシャツに付加したところで何の意味もない。
案の定その商品は売れずに早々に市場から姿を消した。

最終的に今も残っているのは形態安定だけである。

このことから考えると、複数の打ち出しの積み上げは何の意味もないということになり、ポジショニングの資料の正しさを証明していることになる。

クラウドファンディングで1800万円を集めたオールユアーズというブランドがある。
そこには速乾商品「ファストパス」があるのだが、これは機能性ポリエステル素材でできているため、本来はもっとたくさんの機能性がある。
ストレッチ、色落ちしにくい、劣化しにくい、軽量などなどだ。

しかし、オールユアーズはあえて「速乾」だけをクローズアップして、ヒットさせた。
彼らがマーケティングを体系立てて学んだかどうかしらないが、極めて資料に忠実な結果となったといえる。

きらびやかな学歴、経歴を持った人が業界には多数おられるが、どうして自社や自ブランドのことになると、それまでの学識や経験が生かされないのか不思議でならない。
過去のワイシャツもそうだが、それと類した下手くそな売り方のブランドや商品はアパレル業界には掃いて捨てるほどある。

それこそもう一度、基本に立ち返って論理的に考えてみてはどうか。

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これがオールユアーズのファストパスのチノパン。興味のある人はどうぞ。

ジーンズショップオサダの経営破綻から見るジーンズカジュアルチェーン店が苦戦する理由

静岡の有力チェーン店と呼ばれたジーンズショップオサダが民事再生法を申請した。

静岡拠点のジーンズショップオサダが民事再生法適用を申請
https://www.wwdjapan.com/627235

地域の有力チェーン店と呼ばれていたが、最近は資金繰りの悪化が指摘されていた。
4月にお会いした某カジュアルメーカーの社長は「銀行からオサダと取引を控えるように勧告されている。理由はオサダの経営状態が悪いから」と話していた。
それほどに悪化しているのかと驚いたが、はからずもその話が現実化したといえる。

このブログでも6月8日の朝に

ジーンズカジュアルチェーン各社の状況はさらに厳しさを増している 夜明け前どころか真夜中の暗さ
http://minamimitsuhiro.info/archives/2573.html

を上げたが、文中に匿名で「銀行から取引中止を勧告された」と書いてあるのはオサダのことで、その日の夕方に民事再生法申請が報道された。

なお記事によると

8日付で企業再生支援のKSG(東京)との間でスポンサー契約を結んでおり、支援を受けながら再建を図ることになる。

とのことで早速スポンサーが確定している。

このオサダ以外にも業界での知名度は高いが近年は苦戦に転じていると言われている地域有力チェーン店が何社もある。
これまで何度も危機を乗り越えてきた地域有力チェーン店だが、ついに息切れし始めたといえる。
もちろんすべてのチェーン店がなくなるとは思わないが、ジーンズカジュアルチェーン店という業態そのものが時流には合わなくなってきており、今のままの業態で営業を続けると、最終的には何社かを残してあとはすべて淘汰されてしまうのではないだろうか。

衣料品業界の流れを見てみよう。
90年代半ばからSPA(製造小売り)がブームとなって大きく進んだ。
SPA化がすべて正しいとは思わないが、商品の独自化を極限まで追求すると、小売店がSPA化せざるを得ない。

これはカルチュアコンビニエンスクラブの増田宗昭社長も以前のインタビューで指摘されていたことだが、商品の独自化を追求すればするほど、SPA化に行き着く。
考えてみれば当たり前のことだ。

例えば、リーバイス501という名作ジーンズがあるが、これを何千店もが販売していたら同質化してしまう。
リーバイス501はジョイントで買おうが、三信で買おうが、フロムUSAで買おうが同じである。
だったら、安く買えるところが一番良いということになる。
実店舗の場合、店長や販売員に惹かれて多少高くてもそこで買うという人もいるが、大多数の人は安いところで買う。
そしてその安売りで人気を集めたのが昔のジーンズメイトである。

一方、同質商品を扱っているなら小型店よりも大型店の方が良いということになる。
リーバイス501は90年代前半でもブルーの濃淡だけで10色くらいあったから、3色しかそろえていない小型店よりも10色すべてそろえている大型店の方が良いと消費者は評価する。
その結果が90年代から進んだジーンズチェーン店の大型化であり、この90年代で街角の30坪くらいの小型店は軒並み死に絶えたといえる。

それによって、各地の国道沿いに大型ジーンズチェーン店が生まれたが、商品の独自性がなかったことと、98年からのユニクロフリースブームに端を発した低価格カジュアルブームによって、フロムUSAもロードランナーも三信衣料も倒産してしまった。

97年、98年というのは今から見るとターニングポイントともいえる時期で、このころ、東大阪のジーンズチェーン店だったジグ三信はセレクトショップ「アーバンリサーチ」を開業した。また、水戸のジーンズチェーン店だった「ポイント」は自社SPAブランド「ローリーズファーム」を開発した。

そして、2000年を越えるあたりから、他のジーンズチェーン店もSPA化を模索するようになるが、なかなかうまく行かずに、揺らぎ続けたままに2018年を迎えている。

その代表例がライトオンだろう。3年~5年ごとに「SPA化推進」を掲げてみたり、「仕入れ品強化」を掲げてみたり、を繰り返している。
リーバイスやエドウインからの仕入れ品が何割かあって、残りをSPAで埋めるのが本来は理想的だといえる。

しかし、実際の業務ではそれを守り続けることが難しく、決算によって施策が揺れ動くことを繰り返している。

ジーンズメイト、マックハウスも同様でSPA化に乗り出してはいるもののそれほどそのバランスのとり方には苦心が見える。

一方、オサダを含めた地域有力チェーン店はSPA化にはあまり取り組んでこなかった。
取り組んでこなかったという側面と、店舗数の関係で取り組めなかったという側面の両方があると思う。

オサダと仲の良かった他地域のチェーン店も構成比で2割程度のSPA商品があったが、これも多少増えたり減ったりを繰り返しているが、数年前の状況でいえば、オサダはほとんど自社製品がなかった。
売れ残るリスクを考えるとそれはそれで間違いではないが、品ぞろえの独自性ということから考えると、オサダにそろっている物はすべて他店でも買えるということになってしまう。
そうすると、品ぞろえという観点では競争力が低下する。

また、彼らが主力としてきた「ジーンズ」という商品がそこまで大量に求められているのかという疑問もある。

バッタ屋の店頭で立っていると「デニム生地のズボン」を求める割合は、明らかに50代以上の年配層が多い。
20代、30代はそこまで「デニム生地のズボン」を求める人はいない。

もちろん、身の周り検査だけのことだが、実際にメーカーに尋ねても40代半ば以上の男女の方がジーンズを求める声が大きいという答えが返ってくる。

ジーンズは決してなくならないが、それを主力にするということは、「年配向けの店」ということに自動的になってしまっている。
年配向けの店ならそれに徹した品ぞろえ、販促をすべきだが、チェーン店の多くはいまだに若者向けを目指しており、現状の品ぞろえとの乖離が激しい。ここにもライトオン、マックハウス、ジーンズメイトを含めた全ジーンズチェーン店の苦戦の原因があるのではないか。

スポンサーのサポートで再建を目指すオサダだが、従来型のジーンズチェーン店を志向するのであれば、業績が上向くことは考えにくい。早晩、二度目の経営破綻に陥るだろう。

現在の市場で求められているカジュアルはどういうものかを固定概念を捨てて考えてみる必要がある。
これはオサダに限らず、ライトオン、マックハウス、ジーンズメイトも含めた全ジーンズチェーン店が真剣に向き合うべき課題である。

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ほんまか?

ジーンズカジュアルチェーン各社の状況はさらに厳しさを増している 夜明け前どころか真夜中の暗さ(追記あり)

最近、ポジショントークな人々が「ジーンズカジュアルチェーン店に復活の兆し」と言い始めているがまったくそれは感じられない。

ライトオン、マックハウス、ジーンズメイトの全国チェーン店3社はピーク時の売上高に比べると著しく売上高を低下させたままだ。

売上高1000億円あったライトオンは800億円を割り込む勢いで推移している。
ライトオンの2018年8月期見通しでは売上高770億円となっている。

マックハウスは売上高500億円台から転落して、2018年2月期決算では売上高308億5200万円にまで低下している。

ジーンズメイトは先日も書いたが、ピーク時300億円台の売上高だったが現在は95億円しかない。

その差額はライトオンで230億円、マックハウスで200億円、ジーンズメイトも200億円以上で、3社合計で700億円近くも売上高が低下している。

ジーンズメイトの売上高が回復基調にあると見る人もいるが、それは低下し切って底打ちしたからだといえる。
売上高95億円では最早、全国チェーン店とも大手とも呼べない。

もともとの売り上げ規模が大きかったこの3社の苦戦が報じられる中、地域密着の有力チェーン店は減少しつつあるとはいえ、残存していた地域チェーン店はさまざまな工夫を凝らしてこれまで生き延びてきた。
健闘と評される地域チェーン店も少なからずあった。

だが昨年あたりから、健闘と評されてきた地域の雄も息切れし始めているように見える。

具体的な地域名は挙げない。
地域名を挙げると、地域密着型の雄直チェーン店は、たとえ店名をボカしてもすぐにわかってしまうからだ。

先日、お目にかかったカジュアルウェアメーカーの社長は、銀行から某地域の有力チェーン店への納入を縮小するように勧告されているという。

その話を聞いたときに、当方は「まさかあのチェーン店がそこまで追い詰められているとは・・・」と驚きを隠せなかった。

銀行はそのチェーン店が相当に資金繰りに苦しんでいることをつかんでおり、帳簿上の計算では、最悪、経営破綻に至ると判断しているのである。
また、別の地域店は、これまで根強い顧客がいたが、それも徐々に時代の流れとともに減り始めており、表面化していないが、内情は相当に厳しいという噂が、昨年あたりから聞こえてきた。

さらに別の地域店も同様の状況で、好調な店舗もあるものの、苦戦している店舗もあるようで、会社としての売上高は低下傾向にあるといわれている。

今、挙げた3つとも、ジーンズカジュアル業界なら誰でも知っている各地域の有力チェーン店であり、ライトオン・マックハウス・ジーンズメイトの全国チェーン店3社のみならず、これまで踏ん張ってきた地域有力店もそろそろ持ちこたえられなくなりつつあるといえる。
もちろんいまだに踏みとどまっている有力チェーン店もあるが、全社そろって隆とできるような状態ではなくなりつつあるということになる。
これも時代の流れだろう。

これらの状況を目にしている当方とすると、業界の一部から挙がっている「ジーンズカジュアルチェーン店の夜明けが近い」という言葉は何を指しているのだろうと理解に苦しむ。
夜明けが近いどころか草木も眠る丑三つ刻としか思えない。

ではジーンズカジュアルチェーン店はどうしてここまで衰亡の危機に瀕しているのだろうか。

理由を考えてみたが、客を奪われたからとしか考えられない。
ユニクロ、しまむら、グローバルワーク、GAP、ローリーズファーム、無印良品、ハニーズなどの低価格SPAカジュアルブランドに客を奪われたと当方は見ている。

もちろん、彼らもその登場時からすんなりと客に受け入れられたとは思わない。
どのブランドも初期のころのジーンズはひどく安物くさかった。
90年代後半にユニクロが急成長しているときのジーンズでさえ、はっきりというと色合いから生地の風合いすべてがダサく、エドウインやリーバイスのジーンズには見た目は遠く及ばなかった。

メディアでは「2900円でこのクオリティ」と過剰に持ち上げていたが、あの当時のデニム生地は、ジーンズメーカーに比べるとへんてこなブルーのトーンだったし、リーバイスのパクリみたいな赤いタブもダサかった。
例え2900円でも買う気にもならなかった。

それが徐々に修正されて今に至っている。
黙っていたらユニクロのジーンズだとはわからないレベルにまで達している。

その他のブランドも同様である。
おまけにリーバイスやエドウインのジーンズよりも最低でも3000円くらいは安い。
安くて見た目に遜色がないのであれば、だれでも安い方で買う。

また商品以外でも、ジーンズカジュアルチェーン店の店作りや品ぞろえは今の消費者の気分をとらえていないといえる。

ユニクロやジーユーや無印良品を見慣れた目で見ると、チェーン店は明らかに雰囲気が異なっている。
前者の多くが、白を基調とした無機的でモダンな感じの内装が多いのに対して、チェーン店はなんとも言えない中古感のある店作りや品ぞろえに特徴がある。

どちらが正しいとか正しくないとかではなく、消費者の気分にチェーン店の内装や店作りは寄り添えていないといえる。

今の消費者の多くは、そういう中古感や土臭さ、ワーク特有の汚さを好まず、白を基調としたモダンでシンプルでツルっとした内装や店作りを好むのではないだろうか。
そういうモダンな店を見た直後にワーク感の汚い店を見ると、やっぱりかなり雰囲気が違うと感じる。

( ジーンズカジュアルチェーン店は大抵こんなイメージ。これが今の消費者には受け入れられにくいのでは?)

それはチェーン店の特徴だから工夫して残すべきだと考えるが、同時にもう少し現代風にアレンジしても良いのではないかとも思う。
ここを解決しない限りにおいて、チェーン店が再浮上や急回復することはあり得ないだろう。

とはいえ、マックハウスの新業態のような劣化版ユニクロみたいな店作りも商品をさらにチープに見せるだけなのだが。

社員の士気を高めるためにチェーン店各社の経営者が話を盛ることは仕方がない側面がある。
しかし、それに第三者や第三者機関までが同調してどうするのか。
かえって世間をミスリードするだけである。

この課題を乗り越えるのはなかなか難しいのだろうと思うが、水戸のジーンズカジュアルショップだった「ポイント」がアダストリアホールディングスへと転身できたのだから、不可能ではないのだろう。成功する可能性は決して高くはないが。

(追記)6月8日に静岡の地域有力チェーン店であるジーンズショップオサダの経営破綻が伝えられた。

静岡県を中心に17店舗展開 カジュアルウェア(株)ジーンズショップオサダが民事再生法を申請
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180608-00010009-biz_shoko-bus_all

このブログの文中で、「銀行から取引を止めるように勧告されている先」として名前を伏せたのがこのジーンズショップオサダだった。
奇しくもこのブログをアップした日に経営破綻が発表された。
他の地域有力店も決して安泰ではない。

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ライトオンの自社ブランド「バックナンバー」の和紙繊維のシャツジャケット。
こんな珍しい商品もそろえているけど、イマイチ認知されていないのも苦戦の要因。

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