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南充浩 オフィシャルブログ

「知っているブランド」≠「欲しいブランド」では?

2014年8月12日 未分類 0

 もう何か月か前に関係者から聞いた案件がようやく現実化にこぎつけたようだ。

ボブソン、マックハウス限定モデル 
http://www.senken.co.jp/news/bobson-mac-house/

新生ボブソンにとっては明るい話題である。
本文にもあるように、なにせ初回投入量は5万本である。事業にも弾みがつく。
まずはめでたい。

さて、いつものように記事を見ながらあれこれとりとめのないことを考えてみたいと思う。

カジュアル専門店のマックハウスは9月上旬から、ジーンズメーカーのボブソンホールディングス(HD)の「ボブソン04(ゼロヨン)ジーンズ」のマックハウス限定モデルを販売する。90年代に人気を集めた同商品をリニューアルし、ブランド認知度の高い40~50代の男性を対象に「はきやすいジーンズ」として売り込む。

 全ての商品にストレッチ性をもたせ、ジーンズのほか、米国産ピマ綿のサテンカラーパンツや「テンセル」ツイルのノータックトラウザーなど、はき心地や素材にこだわったボトムを揃える。

とある。

90年代以降でボブソン最大のヒット商品となった「04ジーンズ」の名称の復活なのだが、筆者はちょっと疑問に感じる。
というのは、本文を読むと、ジーンズの素材はストレッチデニムだと読める。
「04ジーンズ」の名称の元はレーヨンジーンズで、レーヨンを「04」と置き換えた名称である。
レーヨンないしはそれに類するパルプ系繊維を使用せずに「04」と名乗られてもなんだか微妙に違う気がする。
しかもターゲットは40~50代男性であり、04ブームの最盛期をリアルに体験している世代である。
ターゲット層は違和感を抱くのではないだろうか。
テンセルを使うのはノータックトラウザーに限定されるように記事は読める。

もし、ターゲット層が04を知らない若い世代なら、名称のみを引き継いだ新製品でも構わなかったが、04ど真ん中世代に対してではターゲット層と提案内容はミスマッチではないかと感じる。

さらに続きを見てみる。

中国生産で、価格は5900~6900円。ボブソンHDが現在販売しているボトムよりも低めの価格帯のセカンドラインとして、マックハウスの店舗約480店で販売する。

とのことだが、これは新生ボブソンのブランドイメージを低下させるのではないか。
世間的にはこういうコラボは往々にしてある。
その場合は「限定」ということがよくわかるようにブランド名を微妙に変えている。
筆者は「ボブソン・マックハウススペシャル」とか「ボブソンforマックハウス」のような表記の方が良かったのではないかと考える。
往年の大ヒット商品名の「04」の使い道はここではないとも感じる。(あくまでも個人的に)

今回のコラボの経緯について

マックハウスの調査によると、消費者のボブソンブランドの認知度は60%程度あり、特に40代以上で知名度が高い。同社は郊外や地方を中心に店舗展開しているため、「中心客層とボブソンブランドをよく知る世代が合致する」とみて、40代以上の男性をターゲットに据えた。

とある。

しかし、知っているブランド名と欲しいブランド名は必ずしも合致しない。
例えば「レノマ」というブランド名の知名度は高いが、「レノマ」商品を欲しいと感じている消費者はどれほど存在するだろうか。

そういうことである。

以上のようなことから何となく「少しズレた感」があるのだが、何はともあれ、投入商品の消化率が高いことを願わずにはいられない。

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