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南充浩 オフィシャルブログ

7つの習慣プラスワン

2014年5月13日 未分類 0

 先日、ニットキッチン元社長の奮闘記に【「売れない服」を作ってしまわないための「7つの習慣」】という内容がエントリーされた。

http://ameblo.jp/knitkitchen/entry-11843870701.html

業界でよく見かける状況が7つまとめられている。
個人的にはこれにもう一つの状況をプラスしたいと感じる。
まず、その7つを見てみよう。

①「オッサン」に口出しさせない
②思慮浅い「読モ上がりのデザイナーもどき」を信用しない
③ただの「自己満足」になってないか一旦頭を冷やしてみる
④企画デザインに「現場の声」を取り入れない
⑤OEM業者の「これ売れてますよ!」に安易に乗っからない
⑥デザイナーは積極的に「外出」する
⑦無意味に雑誌広告(純広・タイアップ)を出さない

である。

個人的にはここにもう一つ、「OEM・ODMメーカーに売れ筋を教えてくれと言わない」を付け加えたい。

これは⑤の変型番だが、⑤の場合だと企画・デザイナーが受動的にOEM・ODMメーカーからの売り込みに対応している。
企画やデザイナーに対して、OEM・ODMメーカーが積極的に「これ売れてるんですよ」と売り込んでいるわけである。

この構図はまだ理解ができる。

というのも、OEM・ODMメーカーは受注を増やすことが売上高増につながるのだから、何としてでも受注を増やしたい。そこで自社のつかんでいる売れ筋情報を提案することで受注を増やそうと考える。
これは商売人としては当然の発想で、商道徳に反している行為でもない。

しかし、そこに安易に乗っかると、他社との同質化であったり、製品が完成したころには時期が遅くなりすぎているという問題が生じる。そこが懸念されているわけである。

筆者がときどき驚かされるのは、企画・デザイナーがOEM・ODMメーカーに対して「今何が売れているのですか?」と尋ねることである。
尋ねるだけならそれは情報収集の範囲内であるから業務上当然といえる。

もっと驚かされるのは、その提示された売れ筋に対して「じゃあ、うちも乗っかります」と受注してしまうところにある。

この場合、企画・デザイナーは能動的に他社売れ筋に乗っかっていることになり、本来の企画・デザインという業務を果たしていないということになる。
自ら考えずに他社売れ筋に乗っかっているだけだともいえる。

そしてそういう企画・デザイナーが業界には少なくない。

日本のアパレルは何ともヘンテコリンな状態になっていると感じる。

さて、7つを個別に見ていきたいが、詳細は原文でお読みいただきたい。

①は言うまでもない。
決定権を持つ人の多くは40代以上であり、彼らは管理職やマネージャーとなっている。
本文で書かれてあるように、管理職は管理に徹するべきというのはハゲシク賛同する。

②だが、気を悪くされた方もおられるかもしれない。
筆者はここに「学生起用」という項目も付け加えたい。
ブランドの企画というのは1シーズンとか1年間で終わるものではない。何年間も継続するものである。
1シーズンとか1品番とか1年間だと、素人の企画がまぐれ当たりすることもある。
いわゆるビギナーズラックに近い。
しかし、何年間もコンスタントに売れる企画を出し続けるのは難しい。素人の発想では限界がすぐに来る。
そういうことである。

③は製造業に多い。
「すごく良い素材を使った」だとか「すごく細かいディテールにこだわった」とか「縫製仕様に過剰にこだわった」とかそういう類の自己満足である。
以前、某小規模メーカーの社長が「すごくすごく良いポロシャツです」というキャッチコピーを作ったが、具体的に何が良いのか、何がすごいのかさっぱりわからない。
コピーを読んだ人も理解できないだろう。
こういう打ち出しは避けるべきである。

④は現場、とくに販売員の声を過剰に取り入れすぎるなということになる。
消費者にもっとも近い現場の声は消費者の声を代弁している部分もあるが、過剰に取り入れすぎると消費者の意見に振り回されるだけの結果となる。
マーケティングの世界でも「消費者の声を聴きすぎるな」「消費者は自分のニーズを知らない」とされている。
たとえば、Tシャツに対して、消費者はさまざまなニーズを挙げる。吸水速乾性がほしい、天然素材が好き、カワイイデザインにしてほしい、でも落ち着いた雰囲気もほしいなどなど。
消費者の意見をすべて取り入れると収拾のつかない商品が出来上がることになる。

⑤と⑥は省略する。

⑦だが、原文にもあるように、ファッション雑誌の媒体力は一部に例外はあるものの総じて低下している。
筆者の体感だと10年前とは比べものにならないほど、現在は低下していると感じる。
一方、「プレス担当者」と話すといまだに彼らはファッション雑誌一辺倒である。
とくに「プレス」は日本の業界の場合、「広報」とは異なる役職だととらえている担当者も多く、ファッション雑誌のみに対応している。
たとえば「新聞の取材は対応していない」とか「リリースはファッション雑誌のみに配信しました」とかそういう対応が多いと感じる。

本来、プレスは広報の役割も兼ねるのがベストであるし、広く大衆に知らせたい場合はファッション雑誌よりも大手新聞の方が有効である。

そういう状況下であるにもかかわらず、ファッション雑誌への純広告出稿やタイアップ記事掲載を最重視するプレス担当者や経営者が多い。
認識が10年前のままで停止していると感じる。

以上、手短に内容をまとめてみた。

このエントリーには続編があるらしいので、そちらのアップも楽しみである。

では

今回はこのへんで!

また次回~(^O^)/アディオース♪

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