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南充浩 オフィシャルブログ

ダブルミーニング

2013年11月20日 未分類 0

 食品の産地偽装報道が連日続いており、ちょっと食傷気味でもある。

繊維・ファッション業界にも偽装っぽい表示や表記はけっこうある。
某コンサルタントに言わせると「弱り切った繊維業界なんて叩いても仕方がないから飛び火はしないだろう」とのことだが、個人的には今後、繊維製品に対する視線も厳しくなるのではないかと考えている。

明らかに偽装というわけではないが、ちょっと紛らわしい表記の一例として「児島デニム」を取り上げたい。
最近、デニムには二つの意味があり、文脈で使い分けられることが求められる。

一つは、デニム生地の意味
もう一つは、デニムパンツ(=ジーンズ)の意味である。

児島というのは岡山県倉敷市児島のことだ。

児島デニムの「デニム」がデニムパンツの意味であるなら、それは正しい表記である。
児島にはジーンズアパレル、縫製工場、洗い加工場が多数ある。
児島地区でジーンズを製造しているのは間違いのない事実である。

しかし、デニムがデニム生地のことを指しているならそれは誤った表記である。

なぜなら児島には織布工場がないからだ。
児島ではデニム生地は織られていない。

デニム生地の織布工場が集積しているのはおもに岡山県井原市周辺と広島県福山市周辺に限られている。

だから「児島デニム」のデニムがデニム生地を指しているのならそれは明らかな誤表記である。

ただし、人々が「児島デニム」と口にする際の「デニム」はどちらを指しているのか判然としない。
個人的体感で言うなら、明らかに「デニム生地」を意味していると思われる文脈で使用される人も一定数量いらっしゃると感じる。
会話の中で出てくる際に、いちいち「児島にデニム織布工場はありませんよ。あなたは誤認識していらっしゃいますよ」と訂正するのも無粋な話であるから、聞き流している。
けれども表記されているなら話は別ということになる。

まあそんなわけで産地偽装や虚偽記載がこれだけ話題となったのだから、今後は表記に細心の注意を払った方が良いのではないかと思う。

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