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南充浩 オフィシャルブログ

いろんな意味で絞りすぎ(笑)

2013年11月7日 未分類 0

 先日、こんな販促物が郵送で届いた。
先に種明かしをすると、これは展示会の案内状である。
しかも「フラムクリップ」という卸売り型レディースニットブランドの。(笑)

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これについて、どういう感想をお持ちになるだろうか。

賛同する人、そうでない人、嫌悪感を持つ人、さまざまだろう。
これに対する感想なんて正解はないから、人それぞれで良い。

業界にはさまざまな問題がある。
その一つには各店頭・各ブランドの同質化がある。
ファッションビルに行くと、ブランド数はたくさんあるけれども、何やら区別の付かないブランドも多数ある。
それが同一企業が展開する他ブランドならまだしも、まったく何の資本関係もないどころか、敵対関係にある企業同士の展開するブランドがすごく似通っていたりする。

で、同質化が起きると今度は低価格競争にならざるを得ない。
下手をすると、同じデザインだったらユニクロの990円商品で良いじゃないかということになる。

価格競争ではない部分で選んでもらいたいなら、何らか目立つ必要がある。

この販促物については丸安毛糸の岡崎社長がブログで説明されているので紹介したい。

絞ると広がる
http://ameblo.jp/okazaki-maruyasu/entry-11673634769.html

「絞る」と言うことです。

絞ると広がるどういうことかと言うとね、、、短パン社長はカラダを絞った。

それは、ターゲットを絞ると言うこと。こんな案内状を受け取って、展示会に来るお客様もいれば、キモっ! って来ない人だっている。(もはや、そういう人には送っていないけど)

来てくれる方にターゲットを「絞る」。そんなファンになってくれたお客様、共感してくれたお客様、既存顧客を大切にして、そのお客様とますます関係性が深くなる。

だから、絞るとますますわかりやすくなりファンが増え、広がるのです。

今、アパレル業界は展示会真っ最中です。私たちの会社も、来週展示会を行います。

ここからが、大事なメッセージです。お客様は、たくさん似たような展示会がある中で、どこに行ってもいい。あるいは、どこにも行かなくてもいい。

と言う選択肢がありながら、どうしてアナタの展示会に行かなければならないのか。

その答えは、それぞれの展示会、会社の独自性なんです。短パン社長の会社のブランド、フラムクリップの展示会へ行く意味。

ここの独自性は、個性と関係性に尽きるのです。でもね、、、

短パン社長のマネをして、カラダを絞ってもダメ~。(笑)
その人、その会社「らしさ」がないと伝わらない。

とのことである。

零細・中小・大手合わせて無数にブランドが存在する。
バイヤーともなれば毎月山ほどの展示会招待状をいただく。
それを全部巡回するのは物理的に不可能である。その中から来てもらうためには、どうするのか?
「フラムクリップ」のように招待状を工夫して目立つのも一つの手段である。

ただし、このように強い個性を出し過ぎると、嫌われることもある。
けれども、万人受けするような物は商品であれ、販促物であれ印象に残りにくい。
何割かの人には嫌われるくらいの方が、記憶に引っかかりやすい。
で、自己発信をするというのはそういうことなのではないだろうか。

まあ、業界のみなさんにも一度考えてもらいたい事例の一つである。

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