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南充浩 オフィシャルブログ

苦戦を続けるリーバイ・ストラウス・ジャパン

2011年1月20日 未分類 2

 アパレル業界・繊維業界以外の方々に、この拙いブログを読んでいただいているようだが、業界外の方々は「リーバイス」というブランドにどんなイメージを持たれているのだろうか?

自分の「リーバイス」に対するイメージは、リーバイ・ストラウス・ジャパン社は数年以上に渡って減収減益を続けている苦戦企業である。

ちょっと前置きが長くなってしまったのだが、
昨日、リーバイ・ストラウス・ジャパン社の2010年11月期連結決算が発表された。2009年までは単独決算だったが、2010年1月から子会社を含めた連結決算へと切り替わっている。

もう一般紙でもご存じの方も多いと思うが、改めて数字を並べさせていただく。

売上高131億6900万円
営業損失24億2500万円
純損失35億8700万円

と減収赤字拡大に終わった。

2009年11月期単独決算は
売上高171億3400万円
営業損失6億8700万円
純損失5億4700万円

だった。
また、2011年11月期連結は

売上高123億円
営業損失21億5300万円
純損失25億2300万円

と、減収赤字を見通す。

かなり厳しい状況にあると言える。

個人的には、頻繁な社長交代とそれに伴う頻繁なブランド方針の変更に原因があると思っている。

さて「リーバイス」というブランドのジーンズを愛しておられる方は、アパレル・繊維業界にも数多くいらっしゃるが、個人的に最近のリーバイス商品はあまり好きになれない。
馬鹿なこだわりなのかもしれないが、1万円前後する商品の生産地が「ベトナム」であるからだ。
以前は、中国製が多かった。

中国製食品に対しては不安が付きまとうが、こと衣服に関してはかなりレベルが高まっている。もちろん中国工場の腕の良しあしにもピンキリはあるが、下手な日本工場よりも良い製品を上げる中国工場も数多くある。そういう状況下で、例えば1万5000円のジーンズが中国製であっても「仕方ないね」と思える。

最近は、中国工場の人件費高騰から、ベトナム、カンボジア、バングラディシュ、パキスタン、タイ、インドネシア、インドあたりに縫製工場を移転する事例が多い。大雑把にわけると「中級・高額品=中国」「低価格品=アジア諸国」という使い分けになっている。
こうした現状から見ると、いくら「リーバイス」ブランドとはいえ、1万円前後(ジーンズでは中級品以上)の価格の商品をベトナムで生産していることに疑問を覚える。

OEM関連の方々からの情報では、中国に比べて、周辺アジア諸国の工場の技術はまだまだ低いらしい。人件費も安いので「低価格品=中国以外のアジア工場」という方式にならざるを得ないのが実情である。

それから、ジーンズショップの方々にお聞きすると「リーバイス」というブランドにこだわるお客さんは40代半ば以上が多く、20代・30代の方はブランドにこだわってないですよ。という。
そういう意味では「若者のリーバイス離れ」もブランド力低迷に一役買っているといえる。

「若者の○○離れ」が好きなマスコミが、どこかで報じないかと楽しみにしている。

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 comment
  • okadatx より: 2011/01/20(木) 10:59 AM

    ジーンズ・・・・ いや私的にはジーパンですが(笑
    へー 
    リーバイスがベトナム産!
    若いころUS直物のオレンジラベルを探し回りました
    7,000円くらいしたかなぁ?
    もう35年くらい前になりますけど

  • vmax より: 2011/01/21(金) 4:38 PM

    はじめまして。
    初めてコメントカキコさせていただきます。
    初めて501に出会って以来(当時は平行輸入品でした)
    現在まで30年余りこよなく愛す者です。W30L36の501
    このパンツを穿くために現在も体型を維持(意地)してます。
    当時は、エディーのオールパーパス、LLのフィールドコート
    RWアイリッシュセッターなんかに胸を焦がす時代でした。
    日本でも、USのORを売っているところがありました。
    聞いてみると店頭ではなく裏の倉庫から厳かに持って
    来たのでいやな予感が・・・・
    値段を見てびっくり!! の定価がついてました。もちろん
    買わずに帰ってきました。
    デニムに何を求めるのかによると思いますが、
    「ヘビー・デューティー【heavy duty】」
    である本来普遍であった姿を忘れたものは、同じように
    淘汰される運命なのでしょう。軸がブレたらどんな会社
    でも見放されますよね。

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