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南充浩 オフィシャルブログ

それほど特別なアイテムなの?

2013年8月8日 未分類 0

 「ワイシャツは元々肌着だったので、その下に肌着を着ることはタブーです」

メンズファッションのマニュアル的な本には必ずそう書いてあるし、一家言ある百貨店バイヤーなどは必ずこう説明してくれる。
若いころに読んでいた雑誌「メンズクラブ」にもそう書いてあった。

ジャケットをキチンと着こめる春秋、ジャケットの上から防寒をさらに着込む冬はこの「教え」に従うことはできるが、この猛暑が続く日本の夏にこの教えに従うことはよほどの内勤専門者以外は至難の業だろう。

素朴な疑問だが、肌着から派生した衣類にTシャツがある。
Tシャツのファッションとして、2枚がさねで首元や袖口の色がさねを楽しむことがある。
昨今は綿花の高騰からか、Tシャツ・カットソー類の目付が軽くなり、生地がペラペラになっている。
ためしに5年前のユニクロのTシャツと今夏のTシャツの生地を比べてもらいたい。かなり生地は薄くなっている。

そういう生地の白いTシャツを1枚で着るとかなり危険だ。
肌がスケスケになる。それを防止する目的からもTシャツの2枚重ねをすることもある。
しかし、それへの「非難」はあまり聞いたことがない。

Tシャツ=カジュアル、ワイシャツ=フォーマルという違いはあるが、同じ肌着から派生したトップスなのに、ワイシャツの下に肌着はタブーで、Tシャツの下にTシャツはファッションのアレンジ方法の一つとして認められているという状況は何だか釈然としない。

鎌倉シャツがきっかけでワイシャツの胸ポケット論争もあったが、便利だからポケットが欲しいという人と、エレガントではないのでポケットは不要という人に別れる。
主張はそれぞれ一理あるので、どちらでも好きな方を着用すれば良いと思うのだが、そのポケット不要論の1つに「元々肌着だからポケットは不要」というのがあった。

それで行くと、胸ポケットの付いたTシャツは否定されないのに、ワイシャツはされるというのも何だかおかしな話だと感じる。

そういえば、昔懐かしい布帛のパジャマがある。
最近ではスエット上下やTシャツ・短パンセットにずいぶんとシェアを奪われているようだが、それでも愛用者は存在する。
布帛のパジャマは寝るためだけのものなのに、胸ポケットの付いている商品がある。
あれこそ不要だろうと思う。

しかし、パジャマの胸ポケット論争というのはお目にかかったことがない。

他のアイテムに比べてワイシャツへのこだわりは群を抜いているということだろうが、ちょっと理解に苦しむ部分もある。

その割に、ワイシャツというのは量販店・百貨店では奥さんや母親などの代理購買が主流だという。
日々の仕事が忙しいこともあるのかもしれないが、過度のウンチクが、衣料品売り場から男性客の足を遠ざけているのではないか。

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