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南充浩 オフィシャルブログ

再登場まではもう少し時間が必要か

2013年7月1日 未分類 0

 つい3年前まで30代半ば以上のミセスが穿いているジーンズはブーツカットだった。
2008年ごろからスキニージーンズが10代・20代や30代独身女性に大ブームとなっていたにもかかわらずだ。

ブーツカットの利点として、足が細く長く見えやすいところが挙げられる。
そう見えない人も中にはおられるが。

それと2000年代前半は長期間に渡ってレディースでブーツカットが大流行した。
そのころのイメージのまま頭の中身が止まってしまっていたのだろう。

この2点で長らく30代半ば以上のミセスはブーツカットを愛用してきた。

さすがに昨今はこのミセス層もブーツカットジーンズ姿は激減しており、スキニーやレギンス、クロップドパンツなどの着用者がかなり増えた。

あるジーンズメーカーの営業部長によると、
「今までブーツカットジーンズを愛用してきたミセス層だが、一度スキニーやタイトストレートを穿き慣れると、ブーツカットが不便に思えるらしい」という。

それは何故かと尋ねたら
「ブーツカットは裾幅が広いので、家事をするときに裾がバサバサして邪魔になる。また自転車に乗る時も裾がチェーンに引っかからないように気を使う。スキニーにはその裾のバサつき感がない」との返答。

そういわれてみるとたしかにそうだ。

その理屈で行くなら、レギンスもクロップドパンツも裾は邪魔にならない。
遅ればせながら流行アイテムに足を通してみたところ、それまで愛用していた物よりも「機能的」に優れていたとなると、乗り換える速度は加速する。

ブーツカットジーンズからしてみれば、最後の砦だったミセス層までが離れてしまい、ますます市場での露出は減ることになる。
これで当分、ブーツカットを愛用する消費者層というのはなくなるだろう。
極言すればブーツカットジーンズはメンズ、レディースともに好事家のアイテムになってしまったといえる。

さて、そんな中、ごく少数のショップから「昨今流行している明るいカラーパンツでブーツカット版を作ってもらえないかな?」という問い合わせが件のメーカーにあったという。
小規模ショップ数店からの依頼らしい。
さすがにロットがまとまらないのと、カラーブーツカットが今後流行するとはどうしても思えなくて、その依頼は断ったそうだ。

たしかにトレンドのサイクルで見ると、ブーツカットジーンズが再登場するのはもう少し先のことであろう。
しかし、何が売れるかわからないご時世である。ためしに最低ロットだけでも作ってみても良かったのではないかとも思う。

その辺りの判断はまことに難しい。

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