印刷部数を見比べてみると
2013年4月25日 未分類 0
一般的に、ファッション雑誌をターゲットに広報宣伝を組み立てているアパレル企業やブランドは多い。
しかし、広く言われているように一部を除いてファッション雑誌全般的に部数は凋落しており、以前ほどの影響力がないのも事実である。
誌名は有名だけど実際の印刷部数は意外に少ないという雑誌もある。
各誌がだいたいどれくらいの部数があるのかを知っておくことはブランド側にとって重要である。
そこで参考になるのがこのサイトだ。
一般社団法人 日本雑誌協会
http://www.j-magazine.or.jp/magadata/?module=list&action=list
雑誌協会に加盟している出版社の各雑誌の3か月ごとの印刷部数を年4回発表している。
もうすぐ2013年1月~3月の数字が発表されると推測するが、現在は2012年10月~12月分が最新のデータである。
2008年からのデータが閲覧できるようになっている。
ためしに、2012年10月~12月の男性ファッション雑誌の部数を見比べてみよう。
男性ヤングアダルトのジャンルから
メンズクラブ、ゲイナー、ライトニングを見てみると、
メンズクラブが53034部
ゲイナーが91067部
ライトニングが87034部
となっている。
ビンテージジーンズ、ミリタリー、ヘビーデューティーに特化したマニアックな表情のライトニングの部数が意外に多いことがわかる。過去の統計では10万部を越えていた時期もある。
男性ミドルエイジを見比べる。
UOMOが50000部
LEONが81700部
メンズEXが39334部
Safariが141934部
となっている。
この層では一般的にLEONの知名度が高いが、実は部数が突出しているのはSafariであることがわかる。
このように見ると、各誌の影響力の大きさは一目瞭然となる。
男性ヤングだと
メンズノンノが146667部
メンズジョーカーが150067部
となっており、部数は後発のメンズジョーカーの方が多いくらいになっている。
レディースも見てみる。
女性ヤングの赤文字系雑誌はそれぞれ
VIVIが323334部
JJが138600部
Rayが139467部
CanCamが200000部
となっており、この層ではVIVIがもっとも印刷部数が多いことがわかる。
ちなみに2008年4月~2008年6月の時期のCanCamは553333部あったから4年で半減以下になっている。
付け加えるとこれはあくまでも印刷部数なので販売部数とは異なる。
印刷した部数すべてが完売することはほとんどないため、販売部数は印刷部数を下回るのが常だと考えた方が良いだろう。
雑誌の印刷部数を把握しないまま、イメージで広告掲載雑誌を選んでいる広報担当者もちょくちょくお見かけする。
せっかく公式に印刷部数が発表されているのだからこれを使用しない手はない。
雑誌に関するイメージも大事だが、実際の印刷部数を把握して影響力の強いと思われる媒体を選別することも広報担当者にとっては重要な仕事だろう。
いくらイメージが良くても印刷部数が極小の雑誌なら大枚をはたいて広告を掲載してもあまり効果がないことが予想されるし、少々ベタな印象の雑誌でも印刷部数が多ければそれなりの効果が期待できる場合も予想される。
イメージ先行で語られがちなファッション雑誌だが、たまには各雑誌の印刷部数を冷徹に見比べてみるのも一興である。