MENU

南充浩 オフィシャルブログ

コスパオブザイヤー2018第1弾はジーユーのノンキルトダウンジャケット

2018年12月27日 お買い得品 0

「三軒建てないと思ったような家は建てられない」という。
マイホームを建てる際に、どんなに綿密に考えても1軒目は思ったようには建てられない。別に工務店や大工が悪いわけではなく、現実的に最適なプランを経験則が少なすぎるために自分が指示できないためだ。
2軒目になると前回の失敗を糧に少し修正できるが、それでもまだ満足できる家にはならない。経験がまだ足りないためだ。
前2軒の失敗を生かして、3軒目でようやく自分が満足できる家を建てられることができる。それは工務店や大工へ指示が的確にできるようになるためだ。
とはいえ、一般庶民が生涯で3軒もマイホームを建てられることはないから、庶民は満足できるマイホームを建てられないということなのだが。(笑)
洋服も食事も同じではないかと思う。
最初からドンピシャリで当たりを引けることはほとんどない。何度か失敗を重ねて取捨選択できるようになる。
何だかんだと言っても有名ブランドが選ばれやすいのは、「はずれが少ない」という心理も働いているからだろうと思う。いわゆる「鉄板」というやつで、無名ブランドを選ぶと、すごく良いかもしれないが、すごく悪い可能性もある。そのあたりは自分で試してみないとわからない。
ところが有名ブランドは世の中にレビューが溢れているし、すでに「信用力」がある。だから選ばれやすいといえる。
無名でも良いブランドはあるし、安くても良い衣料品(ハイスペックではないが、値段の割には)もある。
しかし、これを選べるようになるには数多くの失敗を重ねる必要があり、失敗を重ねれば誰だって、ある程度自分で目利きができるようになるのではないかと思う。
 
世間は年末である。
このブログも明日で年内の更新を終わろうと思う。
年内最後の2回は恒例?の自分が買った「コスパオブザイヤー2018」を紹介したいと思う。今日はその第1弾である。
このブログを書くようになって8年が経過した。当初意図していなかったが、お買い得品を紹介するたびに、「よくあんなに安くて良い物を見つけられますね」と言われることが増えた。当初は「この人たちはお世辞か嫌味を言っているのではないか」と疑ったが、どうやらそうではないらしい。
選ぶ秘訣なんて別段ないが、さまざまなブランドの洋服を毎シーズン見て、買って失敗してみてを繰り返した結果だから、正直にいえば、当方程度の目利き?なんて経験を重ねれば誰だってできるようになると思っている。
 
まず、第1弾は11月ごろに店頭投入されたジーユーのノンキルトダウンジャケットである。
定価は6990円(税抜き)だが、当方は期間限定の5990円(税抜き)で購入した。

 
 
たった1000円引きだが、バッタ屋や投げ売り品でない限り、5990円くらいがダウンジャケットの最安値だと思われるから購入した。
 
以前も書いたが、これは恐らく、カナダグースをコピーしてアレンジした商品だと思う。同じ、カナダグースコピーと思われる商品として、ユニクロのノンキルトダウンジャケットがある。こちらは定価12990円(税抜き)だったと記憶しているが、現在は7990円(税抜き)に値下げされている。
定価で比べると6000円差、値下がり後で比べると2000円差がある。
形はほとんど同じだが、その差はどこで付けられているのかというと、仕様の簡略化である。
まず、ジーユーのノンキルトダウンジャケットは、ポケットが異様に少ない。
 
1、ポケットの省略
 
内ポケットはゼロだ。

 
 
また外側には3つしかポケットがない。
胸ポケットが1つと、ウエスト部分にフラップなしのポケットが縦に2つある。

 
 
ユニクロのノンキルトダウンジャケットだと、胸ポケットが2つ、ウエスト部分にはフラップ付きのポケットが2つある。
また、ユニクロはウエスト部分のポケットの裏地にはフリースが貼り付けられているが、ジーユーは貼っていない。
ユニクロは内ポケットもやや下の部分にある。
 
当方のような縫製の素人が考えたってポケットを縫うのはめんどくさい。このめんどくさい作業を省くことで工賃を抑えて定価6990円を実現したといえる。
 
2、袖口のリブの廃止
 
本物の寒冷地対応のダウンジャケットは、袖口の内側にリブがある。またはゴムできゅっと締まるようになっている。

ライトオンの丸八ダウンの袖口のリブ


 

 
しかし、ジーユーのノンキルトダウンジャケットは袖口は何もないストレートな状態である。通常のテーラードジャケットやピーコートのような仕様である。
これも普通に考えればわかるが、内側にわざわざリブを縫い付けたり、ゴムで締まるようにするのはめんどくさい工程である。これを省けば縫製工賃が抑えられることは容易に理解できる。
 
3、ダウンの配合率が違う
ユニクロのノンキルトダウンジャケットはダウン90%・フェザー10%という配合だが、ジーユーはダウン80%・フェザー20%という配合で、ダウンそのものの価格ももしかすると異なるのかもしれない(この辺りは分解してみないとわからない)が、配合の時点でユニクロよりも少し材料費を抑えているといえる。
 
主な違いは以上の3点である。
 
で、ここからが結論なのだが、当方のように暑がりで寒さがあまり苦にならない都市部の人間からすると、ユニクロやカナダグースのようなダウンジャケットは「暑すぎる」のである。ダウンもこんなに分厚く入っている必要は感じないし、気密性もそこまで高めてくれる必要がない。
28日から寒波が襲来するというので、どうなるのかわからないが、今日12月27日までは、近年でも稀に見るほどの暖冬だったから、当方クラスの暑がりになるとダウンジャケットはほとんど必要なく、とくに分厚いダウンは今日までは不要だった。
また、防寒性を高めるための袖口内蔵のリブやゴム締めディテールは不要で、単に袖口が窮屈になるだけとしか感じられない。
寒がりの人や本格的なディテールを好む人からすると、ユニクロやカナダグースを選ぶのかもしれないが、都市部の暑がりは逆にディテールや気密性を省略したジーユーのダウンジャケットの方が適していると判断できる。
おまけに外側の素材はジーユーといえども相当にしっかりしていて、薄くて柔らかいウルトラライトダウンやインナーダウンとは異なるがっしりした合繊素材を使っており、定価6990円としては破格の素材を使用していると感じる。ここにファーストリテイリングの資本力をまざまざと感じさせられる。そこらのアパレルブランドではとてもではないが6990円のダウンにこの素材は使えないだろう。
 
そんなわけで、コスパオブザイヤー2018の第1弾はジーユーのノンキルトダウンジャケットである。
都市部向きにコスパの高い本格ダウンジャケットでこれに勝てるのは、ユニクロのノンキルトダウンジャケットがさらに値引きされたときだけだろうと思う。
 

NOTEの有料記事もよろしくです
【有料記事】地方百貨店を再生したいなら「ファッション」を捨てよ
https://note.mu/minami_mitsuhiro/n/n56ba091fab93
2016年に行ってお蔵入りした三越伊勢丹HDの大西洋・前社長のインタビューも一部に流用しています

 
そんなわけで当方は買わないけど、カナダグースをどうぞ~

この記事をSNSでシェア

Message

CAPTCHA


南充浩 オフィシャルブログ

南充浩 オフィシャルブログ