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南充浩 オフィシャルブログ

サイズ感が統一されている着物という商品はネット通販に向いているのでは?

2018年12月21日 お買い得品 0

やはり、ネット通販は便利である。
先日、洗濯機が故障したので、ネット通販で買った。ご存知の通り、当方は父親と二人暮らしだから、壊れた洗濯機は4・2キロだった。
東芝だったが買って7年で壊れた。まあ、だいたい今の家電は使う頻度にもよるが7年くらいで壊れるそうだ。
洗濯機がないと困るから、休みの日まで待って家電量販店に行くという悠長なことはやってられない。大急ぎでネット通販をいくつか見比べた。
東芝の5キロ洗濯機がだいたい3万円台なのでこれを買おうと思った。
AW-5G6-W という品番である。最初はヨドバシカメラドットコムを見た。

 
 
38000円くらいの価格で提示されており、前の壊れた洗濯機を引き取ってもらうリサイクル料金を合わせると43000円くらいになる。
これはこれで別に構わないのだが、念のためにジョーシンのサイトも見た。
正直に言って、ジョーシンの通販サイトは見ずらいし買いにくい。しかも検索すると自社サイトよりも上に楽天のジョーシンサイトが出てくる。
ジョーシンのウェブ担当者はド素人なのだろうかと唖然とした。
しかし、値段はヨドバシより安かった。34800円くらいで、ヨドバシより4000円くらい安い。リサイクル料金を合わせても39000円でおさまった。
当然、当方はジョーシンで買った。
なぜなら物は同じだから安い方が良いに決まっている。リサイクル料金のほか、5年間の長期保証代1000円くらいを合わせても39071円でおさまった。43000円と39000円では大きく違う。4万円台と4万円未満では心理的にも圧倒的に違う。
これほどの安さなのに、ジョーシンの自社通販サイトのお粗末さときたら。もったいない。
しかも発注した翌日には届けてくれて、設置までしてくれるのだから、やはりネット通販は便利だといえる。
当方はウェブ通販に無限の可能性があるとはちっとも思っていないが、特性としてネット通販に向いている商品はあると考えている。今回の洗濯機のような家電製品やパソコンなんかはネット通販に向いていると思う。
ヨドバシだろうがジョーシンだろうが売っている物は同じだから、あとは価格の安い方で買えば良い。
AW-5G6-W はどこで買ってもAW-5G6-W である。だったら値段が安いにこしたことはない。
 
 
洋服は基本的にはネット通販には向いてないと思う。
その結果がネット通販市場総額16兆円に対して、洋服のネット通販売上高9500億円という数字ではないかと思う。
サイズを間違えば着用できないという最大の難点がある。また、ブランドごとによってもサイズ感が違うことがネックになる。
AブランドのMサイズは大きめ、BブランドのMサイズは小さめ
なんてことは普通だから、ブランドごとにS,M,Lサイズの大きさが違う。
ユニクロでMサイズだからといって、他のブランドでも必ずMサイズが着られるとは限らない。
これが洋服の不便な点である。その一方で、ブランドごとに特徴的なシルエットや着こなしを提案できるのも、このサイズ感の違いが一役買っているともいえ、短所と長所は表裏一体であることがわかる。
 
で、先日、和装について調べていて、何人かの方にヒアリングして気が付いたのだが、和装の方が、サイズ感という点だけについて絞ればはるかにネット通販に向いているのではないかということだ。
なぜなら、AブランドとBブランドで同じMサイズ表記なのに大きさが全く違うということがないからだ。
着物は専門外だが、そういうことを業界からは聞いたことがない。サイズの基準も恐らくは統一されているのだろう。
だったら、Mサイズを着ている人は他社製品のMサイズも問題なく着られる。Mサイズという表記はしないと思うが。(笑)洋服のように「ユニクロのMサイズは着られるけど、トレンドのあのブランドのMサイズは小さすぎて着られない」なんていうことはない。
問題は着物に慣れているという人が圧倒的に少なく、ネットで調べて自分で判断して買えるという人が現時点でほとんどいないという点に問題がある。
これは業界全体が協力して消費者のリテラシーを高めて行けば、5年後や10年後にはけっこう増えるのではないかと思う。
問題は価格設定である。
着物業界でよく聞かれるような「本物の〇〇だからン十万円」なんていう商品ばかりだと売れにくい。実店舗でも売れない物が実物も触れないネットで売れるはずもない。
本物の〇〇でン十万円という商品を売ったってかまわないが、何千円~何万円かで買えるエントリーモデルはある程度必要だろう。
しかも着物は消費者リテラシーの低いジャンルである。リテラシーを高めるためにもエントリーモデルは不可欠だといえる。そういえばAppleがiPhoneの中の低価格商品SEを廃止して批判が集まっている。Appleは高価格商品に特化したいのだろうが、10万円もする新型iPhoneを抵抗なく買える人は少ない。10万円あるならモバイルPCを買った方がマシだと当方は感じる。日本円だと4万円未満のSEくらいのエントリーモデルがないと、消費者の裾野は広がらない。
着用者人口が圧倒的に少ない着物こそSEのようなエントリーモデルは不可欠ではないかと思う。最初から高いハードルを飛び越えられる高跳び選手なんてこの世には存在しない。
ある着物業界関係者によると、着物専用のクリーニングをネットで今年立ち上げたところ、1年足らずで売上高が6000万円を越えたとのことである。
着物そのものと専用クリーニングサービスとでは商品内容がまるで違うので単純な比較は難しいことは承知しているが、それでもやりようによっては着物はネットと親和性が高いのではないかと思う。サイズ感という一点に絞れば着物は洋服よりもはるかにネット通販で買いやすい。業界関係者はそのあたりをもう少し考えてみてはどうかと思う。
 

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【有料記事】地方百貨店を再生したいなら「ファッション」を捨てよ
https://note.mu/minami_mitsuhiro/n/n56ba091fab93
2016年に行ってお蔵入りした三越伊勢丹HDの大西洋・前社長のインタビューも一部に流用しています

 
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