昨日、ジーンズ専業メーカーについて書いたら様々な声をいただいた。
以前にも書いたことがあるが、ジーンズ全体の生産数量はあまり変わっていないと考えられている。

同じ物を引用するが、

2006年
協議会加盟企業・・・6756万本
非加盟企業・・・・・・・2300万本
合計9000万本

2007年
協議会加盟企業・・・6280万本
非加盟企業・・・・・・・3200万本
合計9500万本

2008年
協議会加盟企業・・・5521万本
非加盟企業・・・・・・・3800万本
合計9300万本

2009年
協議会加盟企業・・・5063万本
非加盟企業・・・・・・・4000万本
合計9000万本

(繊維流通研究会:「2011年版 ジーンズカジュアルリーダー」より)

とあり、2010年、2011年もこれとはあまり変わらないと考えられている。
合計本数は減ったとしても、おそらく8000万本台だと推測される。

ここで挙げた協議会とは日本ジーンズ協議会のことで、ジーンズ生産統計が減り続けているのは、協議会加盟企業の生産数量が減っていることにほかならない。

反対にベティスミスの大島康弘社長が仰るように、日本人全体のジーンズ所有本数は増えている可能性もある。

ならばどうしてナショナルブランドと呼ばれた有名ジーンズ専業メーカー各社が苦戦しているのかというと、一言でまとめるなら分散化であろう。

まず、ジーンズというアイテムを販売しているブランドが増えた。
また、ジーンズを販売する売り場も増えた。以前はジーンズ専門店しかなかった。

20年前にはナショナルブランドとよばれるジーンズ専業メーカーが供給するジーンズと、一部インポート商品しかなかった。
このころに、エヴィスやドゥニームなどのビンテージレプリカ系のジーンズブランドが創設される。

90年代後半になるとユニクロの台頭が始まる。
当時のユニクロのジーンズの価格は2900円だった。

2000年代になると、他のSPAブランドもジーンズの販売に着手し、2000年半ばには総合アパレルブランドにもジーンズが差し込まれるようになった。
そして2000年後半には、地域有力チェーン店までもがプライベートブランドの発売を開始した。

「ジーンズ」というアイテムを供給しているブランド数は何倍にも膨れ上がったことになる。
価格帯でみてみると、

1900~3900円はしまむら、ハニーズ、ユニクロ
4900~7900円はポイント、ショップのPB、
7900~12000円はGAP(最終セールは1900円にまで下がるのだが)

19000円以上 はビンテージレプリカブランド、欧米インポートブランド

となっており、ジーンズ専業メーカーのナショナルブランドは8000~15000円の間にひっそりと生息するようになってしまった。

ただ、19000円以上のビンテージレプリカブランドも欧米インポートブランドも往年の勢いはない。
とくにビンテージレプリカブランド各社はそれほど売上高が大きくない。数億円規模の有名ブランドもざらにある。欧米インポートブランドも今では珍種に属するファッション好きが愛好する程度で、「ニッチ」市場と見なしても良いだろう。

ナショナルブランドは8000円~と書いたが、店頭を見る限りは、メイン価格帯を10000~15000円に持ってきているように見える。しかし、ジーンズというアイテムのボリュームはそこだろうか?

個人的には違うと思う。
3990円のユニクロはさておき、ユニクロと違うものをと考えた場合、その上にある4900~9800円あたりで探したいと考えている消費者も多いのではないだろうか。
「ユニクロのジーンズは持っているからたまには「リーバイス」や「エドウイン」でも」と考えた場合、いきなり1万円を越える価格になるとやはり購入をためらう。
そんなときに、ポイントの各ブランドで4900~7900円でジーンズを販売していたらどうだろう。
ちょっとしたデザイン変化もあるし、「ポイントの商品で良い」と考える消費者が多くても不思議ではない。

安ければ良いというものではないと思うが、高くても良いとも思わない。

今のままだとナショナルブランドもビンテージレプリカのような「ニッチ」な商品群になってしまうのではないかと思う。

ただ、「ニッチ上等!!」として20億~30億円内外の年商規模を保って行くならそれもまた良しであろう。
要は経営者の覚悟次第、ビジョンの持ち方次第である。

「従業員の意識変革を」と叫ぶ経営者は多いが、その前に意識を変革しなくてはならないのは経営陣である場合が多い。