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南充浩 オフィシャルブログ

男性社員の多さに驚く

2012年9月20日 未分類 0

 15年前から不思議だったのが、女性肌着メーカーに男性社員が多いことだ。

営業担当者も男性、営業責任者・企画責任者も男性、当然役員も男性。
かろうじて企画の現場に女性が何人かいたくらいだろうか。

しかも服装コードは固く、サラリーマン然としたスーツを着込んでいる。

慣れるまではすごく戸惑ったがあった。
企画責任者と営業責任者が2人そろって出てきてくださった場合、スーツを着込んだ50歳前後の男性2人が、女性の肌着を握りしめて熱弁をふるうわけである。
それを伺っているこちらも30歳手前のオッサンである。
こちらも女性肌着をいじくりまわすのは何となく恥ずかしい。

オッサン3人がブラジャーやショーツを指さしながら「あーでもない」「こーでもない」と語り合っているわけだから、傍から見ているとなかなか変態チックな光景である。

肌着というのは体に密着させるものなので、男性が女性肌着の着け心地やフィット感については絶対に体感できない。そういう商品を扱う企業がなぜ、男性社員の方が人数が多いのか疑問を感じた。

数年のブランクがあって、昨年あたりからまた肌着メーカーにお邪魔する機会が増えた。
あの当時よりは各社とも女性スタッフが増えた印象はあるが、それでもいまだに男性社員の方が多い。

一方、女性服の会社を訪ねると、社内は女性社員が多数を占める場合が多い。
社長以外に2,3人の男性がいて、それ以外は皆女性という会社もさほど珍しくない。
カジュアルブランドにしろ、フォーマルブランドにしろ、ニットブランドにしろ、肌着よりも体に密着はしない。
密着はしないから、着心地やシルエットに対して女性の意見をそれほど重要視せずにやり過ごすことも不可能ではない。
それでも女性スタッフが過半数を占める。

だのに。

女性でなければ体感できない「肌着」というアイテムを製造販売する企業にどうして女性スタッフが少ないのか、いくら考えても不思議である。
肌着メーカーこそ、女性スタッフが過半数以上を占めるべきではないだろうか。

この理由については、いまだに明確な答えを見つけられていない。

小規模な女性肌着メーカーが誕生することは、最近でこそ珍しくなくなったが、15年前には大手企業しか見当たらなかった。
その大手企業は、これまで合繊メーカーや紡績といった素材メーカーとがっちり提携して商品開発を行ってきた。
素材メーカーの生産規模は大きい。
この大ロットの原料を活かせるのは大手ブランドしかない。

新進の小規模ブランドが肌着に参入しにくかった背景である。

もしかしたら、大手肌着メーカーに男性社員が多いことは、こういう大手素材メーカーとの提携に理由があるのだろうか。大手素材メーカーは概して男性社員が多い。そこと商談を行う女性肌着メーカーにも男性社員が多く求められたということはないだろうか。

いずれにせよ、女性しか体感できない肌着という分野こそ、本来、女性社員がもっとも求められるはずである。
社内の男女比を逆転させるだけで、案外、肌着メーカーの業績は好転するのではないかと思ってしまう。

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