正直にいうと、洋服のレンタルサービスに魅力を感じない。
だから今後も利用することはないと思う。筆者が今購入している洋服の価格を考えると、レンタルするよりもはるかに安い投げ売り品を買っているから、価格的なメリットはあまりない。

それでもレンタルなら返却できるから、保管スペースを省略できるというメリットがあることは理解できる。

昨年末の衣替えから、断続的に要らない服をピックアップして、中古衣料品の回収サービスを行っているユニクロやライトオン、無印良品に何度か持ち込んで保管スペースを少し回復させたが、それでも「捨てようか残そうか」迷っている服はいくつかある。

春夏物に衣替えしたらまた断続的に持ち込むことになるのではないか。

洋服のレンタルサービスがじわじわと市場を拡大しており、その要因はあまり理解ができなかった。

先日、アエラの記事を読んで少しだけその理由が理解できた。

服は買うより借りる方が得なのか? 安さだけじゃない人気の秘密
https://dot.asahi.com/aera/2017022400038.html?page=1

この中で、

スタイリストとLINEを通して服装への悩み、週末の予定に合う服装は何かなどを相談できる。個人の好みに合わせて、スタイリストが似合う服を選んで送ってくれる仕組みだ。1回で6万円相当の洋服が入っていてお得感もある。

という部分がある。

メディアの多くの悪い点は、まず価格での切り口から始まる点にある。
6万円相当の洋服が入っていてお得感があると書いているが、借り手からしたら「適切なコーディネイトを適切な分量だけ送ってくれる」ことに価値を見出しているから、1回に6万円分の洋服が入っていようが、2万円分の洋服が入っていようがあまり関係ない。

定価で買うと6万円の物が借りられてお得ということが、レンタルがじわじわと売り上げ規模を拡大している理由ではないだろう。

そのコーディネイト提案が適切なら、極端な言い方をすれば1回1万円分の洋服だってレンタル会員は満足するだろう。

それよりも各レンタルサービスが、それなりに支持を得られ始めているのは、スタイリストが個人の好みに合わせたコーディネイトを提案してくれ、洋服への相談ができるところにあると考える方が適切なのではないか。
記事でもその点については、

これらのサービスが利用者に喜ばれている理由のひとつは、定期的にプロからの個別アドバイスをもらえることだ。これまでのパーソナルスタイリングは、費用もハードルも高い印象があるが、ネットを使って低価格で気軽にスタイリストとやりとりをするサービスも登場している。

と指摘している。

こう考えると、実店舗での洋服の販売が不調な原因の一つには、これが足りないのではないかと思う。

今でこそ、低価格ブランドの投げ売り品ばかり買う筆者だが、昔は百貨店やセレクトショップでも買っていた。
はじめて着るような洋服は自分がそれが似合っているのかどうかわからない。

自分では似合っていると思っても、他人から見れば似合っていない場合もある。

自分で鏡を見たときには「俺もまんざらではない」と思うが、写真や動画で自分を見ると、ひどいブ男だったというのと同じである。

そんなときに、販売員に「これで良いのだろうか?」と尋ねたが、満足できる返答だったのは体感的に4割くらいだろうか。

「とりあえず売っておこう」というお薦めが何度もあった。

とくに大手のチェーン店では価格の高低に関係なく、販売員のスキルにはバラつきがある。
誰でも最初は新人で知識がないものだが、大手のチェーン店の販売員にはそういう知識のない人も多い。
だから意味のわからない接客トークをしてくる。

例えば、ジーンズを見ていた筆者に「それ、デニムなんですよ」と声をかけてきた大手セレクトショップの販売員もいたし、少し商品のデザインについて尋ねただけで、その商品の歴史的背景から今現在のパリコレの傾向についてまで延々と講釈を垂れた低価格店の販売員もいた。

販売員のなり手が少なく、アルバイト募集で急場を凌いでいる店舗も多いから、そういうレベルの低い販売員が
少なからずいることは仕方がない部分もある。

しかし、実店舗での洋服販売が価格の高低を問わずに不振なのは、レンタルサービスが導入しているようなサービスが足りていないからではないかと思う。

逆にいえば、そういうコーディネイト提案ができ、パーソナルスタイリストのようなコンサルティング能力のある販売員は今後、重宝がられるということでもある。

世間で支持されるサービスは、やっぱりそれなりの理由があるということを再認識した。

とはいえ、筆者が今後、洋服をレンタルすることは一生ないだろう。(笑)