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南充浩 オフィシャルブログ

理由なき無料配布は販促につながらない

2012年8月6日 未分類 0

 以前、某チェーン店が新店オープン記念にナショナルブランドのジーンズを無料で先着何名かに配布するという販促を行ったことがある。しかし、そのお店は2年と持たずに今はもう閉店している。結局客が定着しなかったのだ。

この事例に関して、自社のオリジナル製品ならまだしも、他社ブランドを無料配布するのは下策中の下策であると厳しく批判したことがある。
結局2年持たずに閉店しているのであるから、ナショナルブランドの無料配布などは経費をドブに捨てるくらい無駄な行為であったことが実証されたのではないか。

まず、この無料配布の何が悪いかというと

1、自社企画製品ではない。いくらナショナルブランドを配布したところで自店のファンではなく、ナショナルブランドのファンを増やすだけである

2、理由なき無料配布で集まるお客は「無料が好き」なだけであり、自店やブランドのファンには成りえない

3、自店イメージを消費者に「無料店」として確定させてしまう

この3つにまとめられるのではないか。

さて、販促コンサルタントの藤村正宏さんが無料を謳っても効果がないことをブログで説明しておられるのでご紹介する。

理由を告知することが重要なんです
http://ameblo.jp/ex-ma11091520sukotto/entry-11312392325.html

先日、あるチェーン店の子ども写真館のチラシを手にいれました。

「七五三の早撮り」のチラシでした。

この子ども写真館はボクが仕事している、カメラのキタムラ「スタジオマリオ」じゃありません。
別の店のチラシです。

「7月は、七五三撮影無料!」

理由が書いていない。

「暇な時期だから早めに来てもらって、儲けなきゃ・・・」

そういうにおいがプンプンしていた。

これじゃ、反応悪いだろうな~
それにこれに反応して来てくれたお客さまは、リピーターになってくれない。
いいお客さまにはなりにくい。

無料の説得力がない。
なんで、7月は無料なの?
そういうこと。

「お子さまが日焼けする夏休み前に、ぜひ七五三の撮影をしてください。
そのほうが、きれいな写真になります。
でもまだまだ7月に撮影される人は少ないのです。
だから、利用しやすいように撮影料無料にしました。」
とか、いろいろと考えられると思うんです。

販促物には説得力がなければなりません。

「どうして無料なのか?」
「どうして安くしているのか?」
「どうしてお得なのか?」
「どうしてダイレクトメールを出しているのか?」

そういう理由が述べられていないと、反応悪くなるのはあたりまえなんです。

だから、ハガキに「セール!50%OFF!」

なんて目立つようにデザインされているダイレクトメールが反応悪くなるのは、当然です。

あなたの販促物ちょっと見てください。
理由がわかるようになっていますか?

チェックです!

とのことである。

単に「無料」と謳うだけではまったく効果がない。
そこには理由を説明する必要がある。
件のチェーン店なら、ナショナルブランドではなく自社企画製品を選定し、
「当社が企画製造したアイテムの着心地やシルエットの良さをぜひとも体感してください」というような説明をすべきだった。(後の祭りだが)

それから、引用した藤村さんのブログをアパレル関係者はよく読んでもらいたい。

というのは後半の部分である。
「セール!50%OFF!」

こんなハガキがアパレルショップから溢れるほど送られてくる。

もちろん違う文面もある。
「オータムフェア開催中」
「スプリングフェスティバル始まる」
「最終値下げ70%オフ」
「ファイナルセール!」

ざっとこんな感じである。
この文面を見て、購買意欲が湧くだろうか?
「ファイナルセール!」って一言だけ叫ばれても何のことやらさっぱりわからない。
特撮ヒーロー物かロボットアニメの必殺技の名前だろうか?
勇者王ガオガイガーなら「ファイナルフュージョン!」と叫んで合体するのだが。

これなら、まだ大阪・本町の駅前に時々出没するバッグの露店の方が分かりやすい。
なぜなら、嘘でも3000円均一の説明がされているからである。
大概が「倒産した会社の在庫なので格安で販売します」か「倒産寸前の会社の在庫品です。格安で引き取ってください」と書かれてある

たった一言のコピーのインパクトだけで消費者の目を惹きつけるというダイレクトメールの手法をそろそろ見直した方が良いのではないか。

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