一説によると日本国民の96%が所有しているといわれるユニクロ。
普及率だけでいえば国民服ともいえる。

それだけ普及率が高いということは様々な人がユニクロを所有しているということになる。

そこでたびたび話題になるのがユニクロの洋服のサイズ感についてである。

女性間での評判はしらない。
今回は男性間での評判をまとめてみる。

結論から言うと、「みんな好き勝手に無茶をいうよなあ」という感想である。

最近の若い男性はかなり細い人も多い。

そういう彼らからは「ユニクロの服はサイズ感が大きすぎる。Sサイズでも大きすぎるくらい」という声を聴く。
もうあまり若いとは言えなくなっているが、31歳の元美容師がいるが、彼は相変わらず細身である。
そんな彼はユニクロのサイズ感は大きすぎると感じるようだ。

一方、中高年の男性は太ましい人が多い。
飲酒を伴った暴飲暴食と運動不足が原因であることは言わずもがなである。

そういう彼らは、ユニクロのサイズ感は小さすぎるという。

稀に運動をしていたがために足や腕周りだけが平均値よりもたくましい人がいる。
そういう彼らはお気の毒だがどうしようもない。

筆者はだいたいユニクロのMかLサイズを着ている。
別にサイズ感にはなんの文句もない。

ユニクロの中にもゆったりしたシルエットの商品と、タイトなシルエットの商品が混在しており、試着をしてみてゆったりタイプならMサイズを買うし、タイトなタイプならLサイズを買う。
ただ、Lサイズは袖丈や着丈がちょっと長くなってしまう。これは仕方がないことなので我慢するほかない。

とくに筆者は腕が短いのでユニクロのLサイズだと袖丈が長すぎる。
そのため、どんなに気に入った色柄のシャツがあってもLサイズしか選択肢がない場合は絶対に買わない。

そんな太ましい中高年からはこんな意見を聴くことも多い。

「ユニクロのサイズ感は何年か前から小さくなっている」

と。

たしかにこれはその通りだと思う。

筆者は98年ごろのフリースブームには冷淡だった。
今でも正直いうとフリースという生地があまり好きではないし、それを使ったジャケット類も好きではない。
なんだろうか、あの手触りも好きではないし、世間が言うほどの暖かさも感じないからだ。
あと風が通り易いというのも嫌いな点だ。
同じ通風性があるならウールのセーターの方がずっと好きである。

しかし、それでもあれほどブームになっているのなら、業界紙記者として一度試してみなくてはならないと思って、99年ごろに1枚だけ購入した。
値段も当時、税込1900円だったので失敗してもそれほど惜しくなかった。
これが5000円以上なら絶対に買わなかった。

Mサイズを購入して着用してみると、今もはっきりと覚えているが、身幅が異様に広かった。

通常ブランドのMサイズより1回りか2回り大きかったように感じた。

そして何度か着用してみたが世間で言われているほど暖かいとは感じなかったので知人に差し上げた。

その当時のユニクロからすると今のユニクロのシルエットはだいぶとスマートになっていることは間違いない。

とくに2000年を越えたあたりからメンズの服は業界全般的にシルエットがタイトになっている。
これは2000年から2007年まで、ディオール・オムのディレクターに就任したエディ・スリマンの影響だと聞いたことがある。

2008年からスキニージーンズが流行したこともその流れが継続することを後押ししたのではないかとも思う。

2015年の現在、レディースの一部ブランドでドロップショルダーなど揺り戻しの動きは少しあるものの、タイトなシルエットが基本であることは変わりがない。
いずれ、ルーズシルエットの流行が来るだろうが、おそらくは80年代のアルマーニが提唱したようなシルエットではないだろう。今のタイトシルエットを基本としたルーズシルエットになるのではないか。

その証拠にレディースのドロップショルダーアイテムは、たしかに肩はルーズだが、アームホールは細い。
80年代~90年代半ばのような太い袖ではない。

実用品的要素が強いとはいえ、ユニクロもトレンドとは無関係ではないから、当然、シルエットもある程度はトレンドに合わせる。
タイトシルエットが業界的に基本となっているので、それに合わせざるを得ない。

逆に合わせなければ、ユニクロの売上高はもっと激減していただろう。

閑話休題

こういう流れであるから、ユニクロもトレンドには適合させなくてはならない。
太ましい中高年男性は周りをよく見てもらいたい。

いまどき、80年代~90年代半ばまでのように身頃もダブダブで、アームホールが大きくて袖全体が太い服なんてどこに売っているのか。
また、大多数の人間はそういう流行おくれの洋服を着たいとは思っていないし、今の目で見ると、あの当時の洋服の形はかっこ悪く見える。

あんなのを着ていたら、バブル期のオッサンのコスプレにしかならない。

逆に細身の若者はユニクロじゃなくてジーユーを買うべきだろう。
なんどか試着してみたが、同じMサイズでもジーユーの方が確実にユニクロよりも細身である。

結局、洋服なんてものは1つのブランドで万人の体型をカバーするのは不可能である。
ユニクロはXSからXLまでそろえているのだから、カバーしようと努力をしている部類である。

ほかのブランドになると多くてもSMLの3サイズ。
下手をすると2サイズとか1サイズのブランドも珍しくない。
3サイズあるブランドでも1サイズしかないアイテムもある。

もしかしたらジーユーの素材クオリティを上げた細身のブランドというのは需要があるかもしれない。
ただ市場規模がどれほどあるかはわからない。「そこそこ上質な細身の服」なんてどんなにがんばっても1000億円規模にはならないだろう。

一方、ユニクロがキツすぎると感じる太ましい中高年は、せめて今のユニクロのXLサイズが着られるくらいまでダイエットしてみてはどうか。

不満があるなら、昨今は太ましい中高年男性に向けた専門ブランドがあるからそちらを買ってみてはどうか。
ただし価格はユニクロよりも高くなる。

生産ロット数からいえば高くならざるを得ないほどに少ない。
それほどにニッチな市場だということになる。

最大公約数的なブランドのユニクロだから、効率を考えれば、そんな細すぎたり太すぎたりするようなニッチな市場に踏み込むことは今後もあり得ないだろう。

ダイエットするか、少し高額な専門ブランドを買うか、太ましい中高年男性の選択肢は二つに一つしかない。
「価格がそこそこに安いユニクロでビッグサイズを」なんて、そんな都合の良い美味しいところ取りは不可能である。