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南充浩 オフィシャルブログ

商品名と値段だけのPOPは効果がない

2012年7月9日 未分類 0

 先日、丸安毛糸のPOPの使い方をこのブログでご紹介した。
POPというのは、VMDに含まれるのだがアパレル業界では、VMDの大家がたくさんおられるにも拘わらずあまりPOPが重視されていない。
商品名と価格だけを書いてあるようなPOPは実際はあまり効果がないのだが、それがPOPだと業界では広く思われている。

「Tシャツ 2900円」とこんなPOPが一般的だが、これでは商品の特徴はまったく伝わらない。
そのTシャツのどこがどのように良いのかさっぱり分からない。

今回は販促コンサルタントの藤村正宏さんのブログから引用させていただく。
丸安毛糸の岡崎社長も藤村さんのセミナーでPOPを学ばれた。ちなみに筆者は3回ばかり講演を聞きに行ったことがあり、正式にセミナーを受講していない。筆者の場合は、門前の小僧習わぬ経を読むという感じである。

http://ameblo.jp/ex-ma11091520sukotto/entry-11244968281.html

序・・・キャッチコピー 

  これで目をひく。
  POPの紙の上3分の1くらいに
  目立つように書きます。

  例:『一晩でこれだけ飲んでも二日酔いしない!』

破・・・本文

  キャッチコピーを受けて解説します。
  キャッチコピーより小さい字でオーケーです。

  例:ハッピー薬店の鈴木ちゃんの手放せない
    サプリメントはコレっ!
      ↓ ↓ ↓
    アルコール吸収阻害の
    特許食品

急・・・商品名・値段

  商品名と値段は小さい字でいいんです。

  例:紅景天 2100円

3部構成で考えてみましょう!

誰も商品名なんて、関心がないのです。

あなた「紅景天」って、関心あります?
使っていたら関心あるけど、使ってなかったら、無視です。
関心のないことを大きく書いても、だれも注意を向けてくれません。

(知っている人以外)

なんでもそうですが、商品名やあなたの会社名は関心がないのです。

とのことである。
アパレルにありがちなことは、商品名やブランド名、社名をアピールしてそれで事足りると感じている。
その中にあって最もこれに近いPOPを作っているのが、筆者の知る限りではユニクロである。
逆に「ブランドステイタスがある」と世間的に思われているブランドほどPOPは無い。

ユニクロだと「ウルトラライトダウン 5990円」というPOP以外に「重さ199グラムで云々~」というPOPが必ず付けられている。「プレミアムコットンTシャツ」なら「世界で3%しか採れないコットンです云々~」となっている。

そういう観点からすると、ユニクロがここまで成長した要因の一つにはPOPがあるのではないだろうか。

アパレルブランドからは「POPを付けるとかっこ悪くなる」という声をときどき聞くことがある。
しかし、そのブランドが世界的なラグジュアリ―ブランドや超一流とされているメゾンブランドならいざしらず、ショッピングセンター内でユニクロの横並びに入店していたり、ファッションビルに入店していてユニクロよりもせいぜい2000円ほど高い価格で販売されているブランドなら、ご本人たちが考えているほどのブランドステイタスは無い。

ならば、ユニクロのPOP戦略に学ぶべきではないだろうか。

先日、丸安毛糸さんの展示会でのPOPをご紹介した。

強撚糸を使っているからシワになりにくいトップスに「必ず旅行に持って行くの。だってシワにならないし軽くてコンパクトよ」という文言のPOPを付けていたことを思い出していただきたい。

IMG_0320

あれを「強撚糸使いのレイテック」とだけPOPに書いていたら効果はほぼゼロに近かっただろう。
業界向け展示会なのでかろうじて「強撚糸」の意味を分かる人はいるだろうが、「レイテック」って何ですか?
藤村さんの言葉を借りるなら、世間の人はだれも「レイテック」には興味がありません。ということになる。

また別のブログではこうも書いておられる。

「値段以外に選ぶ判断材料がないから」
安いものを買うのです。

昨今のデフレにはそういう側面がある。とくに衣料品業界は「安くする」ことに血眼になってきた。
ここらで、これまでとは違う販売方法を模索してみるべきではないだろうか。

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