先日開催されたグンゼの今秋冬展示会で見つけたおすすめ商品を紹介してみたい。

昨年夏、ヒット商品となったのがベージュの男性肌着である。
なぜヒット商品になったかというと、クールビズ対応である。

早ければ5月ぐらいからクールビズが始まるが、
その際、上着を着なくてもよくなる。

ワイシャツ1枚で仕事をしてもOKということである。

その際、白いワイシャツだとどうしても下に着用した肌着が丸見えになる。
そんなものかと思っていればそんなに気にならないが、気になる人にはひどく気になるらしい。

また

「ワイシャツの下に肌着を着るのは邪道( ー`дー´)キリッ」

という欧米かぶれさんも多数おられる。

気温35度、湿度70%以上になる日本の夏は、大量に汗をかく。
少なくとも筆者のトップスは常にボトボトである。

こんな状況で素肌にワイシャツを着れば、どうなるかは予想に難くない。
欧米かぶれさんがなんと言おうと、筆者はワイシャツの下に肌着を着る。

ファッションに気を使う人でも汗っかきさんは大勢存在する。
ワイシャツの下に肌着は着たくないけど、着なかったら汗でボトボトになるから着ている。
という人も多い。

そういう人たちが昨年ベージュの肌着を購入した。

理由はワイシャツの上から透けにくいからである。
以前、女性の肌着やブラジャーにベージュが多いのも透けにくいからだと聞いたことがある。

グンゼの百貨店向け肌着「シーク」のベージュが一部の人々の間で大人気となった。
「シーク」が受けた理由はベージュという色だけではない。
ネック部分と袖口が切りっぱなしになっていたからだ。
ネック部分と袖口が切りっぱなしになっていて段差がないので、ワイシャツからさらに透けにくい。

そんなベージュ・切りっぱなしのメンズ肌着だが、グンゼは量販店向けブランド「YG」としても、今春夏から発売を開始する。

写真3

昨年秋に開かれた今春夏展示会では出品されていなかったことから見ても、緊急で発売を決定したといえる。

この「YG」のセールスポイントは価格面にもある。
量販店の中では高額だが、「シーク」のほぼ半額に近い1500円に設定されている。

それにしても肌着分野でも低価格帯商品群のトレンド対応力はなかなかに素早い。
すでにユニクロの「エアリズム」でも、イオンのトップバリュの「ピースフィット」でもベージュ肌着が発売されている。
ただし、ネック部分と袖口は切りっぱなしではないが。

こういう素早い対応を見ると、20年前の低価格商品群とはだいぶ異なるといつも痛感する。

20年前の量販店向け衣料品はそこまでトレンド対応が素早くなかった。
トレンドブランドとの差は3年遅れくらいだったと感じた。
早い時期にトレンド物が欲しければそれなりのブランドで買わなければならなかった。

それが今ではほぼ同一時期に対応している。
ユニクロの場合は自前の企画だが、量販店の多くはOEM・ODM、商社の製品部門へ企画ごと丸投げである。
OEM/ODM、商社の企画部門のトレンド対応が素早いということだろう。
決して量販店が素早いわけではない。

トレンド対応が素早くて価格が安いなら、低価格ブランドで十分だと考える人は多い。
それは当然のことである。
低価格ブランドの存在を「悪」だという業界人は多いが、低価格ブランドが存在するのは今に始まったことではない。
30年前にはすでに存在していた。

それに低価格品が現れるのは衣料品に限ったことではなく、家電でも自動車でも工業製品なら全分野に現れる。これは自然な流れである。
衣料品が特別なわけではない。
衣料品がオートクチュールやオーダーメイドばかりになったとしても低価格品は必ず現れる。
今度はおそらく、低価格オートクチュールとか低価格オーダーメイドなんて商法が出てくるだろう。

だから、トレンド対応の素早さだとか、製品スペックだとか、そういうことだけのアピールでは商品は売れないし、すぐに低価格品にキャッチアップされる。

そうではないほかの価値を与えなくてはならない。それが付加価値である。

その付加価値は個々のブランドによって異なる。それを考えることがブランド化ということになる。