この3連休は年末でクリスマス前ということもあり、街は大変な人出でにぎわっていた。
とくに夕方からは忘年会やクリスマス会が開催されるのだろうか、飲食店へと向かう人通りが凄まじく、人酔いしそうなほどだった。

筆者が主催チームに参加している産地生地販売イベント「テキスタイル・マルシェ」を12月18日~22日まで阪急百貨店うめだ本店10階で開催したのだが、21日の土曜日と22日の日曜日は特別に客入りも多かった。
しかし、21日の土曜日は夕方6時前ごろからフロアへの人入りは減り、7時以降はのんびりとした雰囲気だった。

筆者は20日の夕方6時過ぎから携帯電話の調子が悪くなったために、阪急からグランフロントまで出かけた。
グランフロントの携帯電話会社では手に負えないと言われ、さらにロフトへと向かった。
阪急の売り場に戻ったのが7時過ぎである。

この6時~7時過ぎという時間帯の梅田一帯の人出は異様なほどで、普通に歩くのも苦労したくらいだった。
阪急の1階、2階も駆け込みクリスマスプレゼントを購入する男性客で溢れていたが、筆者の体感では6階より上はちょっと閑散とした感じになっていた。

さて、何が言いたいのかというと、どんなにたくさんの人通りがあっても、すべての店舗へ人が流れるというわけではないということである。
21日の6時以降、おそらく百万人近い人々が梅田一体をウロウロしていたと思われるのだが、賑わっていたのは阪急だと低層階、駆け込みクリスマスプレゼント用のアクセサリー売り場、それ以外だと飲食店ということになり、通常の衣料品店はそれほど入店客は多くなかった。
百万人が歩いていても無条件で入店客が増えるわけではないということを改めて感じた。

「何を当たり前のことを」と思われる方もおられるだろうが、実際に売り場に立っている人間からすると、「人通りが増える=無条件で入店客」が増えると思いがちなのである。
その代表例が、東京スカイツリーがオープンしたのに売上高が増えないとこぼしている地元商店街だろう。
観光客の多くは東京スカイツリーが見たいのであって、地元商店街を見たいわけではない。
その観光客の飲食需要を期待したのだが、スカイツリーにもソラマチという商業施設があるし、それ以外にも飲食できる店舗はあちこちにある。観光客にとって地元商店街で飲食しなくてはならないという理由は何一つない。


これは卸売り業者も同じで、「大型展示会○○には二十万人の来場者があると聞いたので出展したが、さっぱり客がブースに入って来なかった」と嘆く声を何度も聞いた。
たしかに大型展示会には二十万人前後の来場者があり、会場内は混雑していたのだが、その出展社のブースに立ち寄る人が少なかったということである。


もちろん、人通りの多い場の方が、飛び込み客も増える可能性は高い。
しかし、人通りの多い場に店やブースを構えたら飛び込み客が自動的に増えるというわけではない。
それはスカイツリーの地元商店街でも、大型展示会○○でも、今回の阪急の高層階でも証明されている。


自社、自店でお客を呼び込む努力をしないとダメだということである。
ダイレクトメールを郵送する、チラシを撒く、メールマガジンをこまめに配信する、ブログで告知する・・・・・などの取り組みが必要となる。
店頭でトークライブを開くのも良いかもしれない。

何かしらアクションを起こさないことにはたとえ百万人が通行しようと、飛び込み客は増えない。

時期とタイミングということもあるだろう。
クリスマス会や忘年会の会場へと急ぐ人々に向かって、時間のかかるワークショップをアピールしても仕方がない。大多数の人は7時開始の忘年会へ移動している途中なのである。

来場者数が予定よりも大幅に増えて好調と伝えられるグランフロント大阪にだって不振店舗がある。
来場者数が多いから全店が潤うというわけでは決してない。


クリスマス前の3連休で賑わう街を見ながらそんなことを改めて感じた。