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南充浩 オフィシャルブログ

百貨店の売上高はまだまだ下がる

2012年4月11日 未分類 0

 「百貨店全体の売上高は5年で1兆円減り、2016年には5兆2000億円にまで下がる」という高島屋の鈴木弘治社長の発言が話題となっている。

高島屋の鈴木弘治社長が2012年4月6日に開いた決算発表会見で、「百貨店市場が5年間で1兆円減り、2016年には5兆2000億円まで縮む」との見通しを示した。日本経済新聞が報じている。

14年2月期に6兆円を目指すイオン1社の売上高を下回ることとなり、高島屋は今後ショッピングセンター事業や海外出店への投資に力を入れるという。

http://www.excite.co.jp/News/entertainment_g/20120409/JCast_128191.html

しかし、この見方は非常に妥当なもので、百貨店の売上高は15年連続で下がり続けている。
2001年に8兆5724億円あった売上高は、2011年には6兆1525億円まで低下している。
10年間で2兆4000億円下がったのだから、単純に同じ割合で下がると考えれば5年で1兆円下がってもおかしくない。

2011年ですでに6兆円ぎりぎりにまで低下しているのだから、近々5兆円台に突入するのは間違いないだろう。

新聞などでは、百貨店の「高額品が回復傾向」とさかんに報じられているが、その高額品にしたところで客単価は高いものの、購買客数は少なく百貨店全体の売上高を押し上げる効果はまるでない。
焼け石に水とはこのことである。

今後も○○百貨店の中でも特定の××店が好調に転じることはあっても、○○百貨店グループ全体が好調に転じることはありえない。
ましてや百貨店業界全体が好調に転じることは絶対にない。
報道各紙はいまだに何を百貨店に期待しているのか理解できない。

流通業界関係者でもいまだに百貨店を「小売業の王様」だと勘違いしている人も多いが、記事の文中にもあるように百貨店全体の売上高がイオン1社分ほどしかないのが現実である。
いまや百貨店は大型量販店にもコンビニエンスストアにも遠く及ばない規模であり、到底「小売業の王様」ではありえない。

百貨店は大衆が支持するものではなく、特定の趣味人や富裕層が利用する「特殊な」販売チャネルになっていることを社会全体が理解する必要があるのではないだろうか。

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