日本マクドナルドが苦戦を続けている。
もちろん、金額ベースではすぐさま経営危機に陥るレベルではないが、前年割れを続けておりまったく勢いはない。
打ち出す方針も「60秒無料キャンペーン」や「ポテトホルダープレゼント」などピントのズレたものが多い。

この背景を的確に分析した記事があるのでご紹介したい。

マクドナルドは復活するか - 大西 宏
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130409-00010001-agora-bus_all

おそらく原田社長の「日本のマクドナルドは世界の中で利益率が低く、米国本社から利益を底上げするようプレッシャーをかけられていた。このためリピーターを増やせるビッグマックの販売を強化して、運営コストのかかる季節限定商品をやめた」という発言が本当のところかもしれません。
マクドナルド原田社長「不評を買い続けたここ最近の施策は、米国本社からのプレッシャーによるもの」


とある。
実際、いくつもの紙面で原田社長は米国本社の圧力をにわかに語り始めるようになっている。

事実が発言が通りだとすると、米国本社は日本市場をあまり理解していないということになる。

それについて、記事ではこう指摘しておられる。

もし日本マクドナルドの失速が、米国本社からの圧力が原因となった迷走の結果だとすると、そこには非常に大きな教訓があります。グローバル化といっても、それぞれの国の市場に適応してこそ、ビジネスはうまくいきます。つまりグローバル戦略にはローカライズの戦略が表裏一体となっているということです。

米国市場のように「ボリュームと価格」で評価する顧客を多く抱えた市場と、「ボリュームと美味しさと価格」で評価する市場では自ずと戦略は異なってきます。しかも、比較的棲み分けができている米国市場と、いまだに激しい競争が行われている外食業界、しかもコンビニエンスという他業界との競争にも晒されている日本市場をマクドナルド本社が切り分けて考えられないとすれば、おのずと限界がでてきます。



とのことである。


このローカライズという考え方はすべての分野に当てはまる。
日本国内の錚々たる百貨店アパレルは10年以上前から中国に進出しているが、各社とも惨憺たる有様だ。
一方、あまり注目されていないがハニーズは600店舗以上を展開するようになっている。
これはローカライズができたかそうでないかと言う部分が大きいのではないか。

欧米企業だって日本市場にローカライズできずにテスコとカルフールは撤退している。
西友を傘下に収めたウォルマートも長い時間を費やしている割にはほとんど効果が上がっていない。

さて、今月はH&Mが関西に3店舗を連続出店し、フォーエバー21が初の関西出店を果たした。
取材で見ていると、欧米SPAも日本へのローカライズはブランドによって格差があると感じる。

GAPジャパンだが、最近は新店内覧会も開催しないし業界紙・経済誌への取材対応もほとんどない。
しかし、商品を見る限りは90年代の上陸当初に比べるとサイズやシルエットはずいぶんと日本市場に対応している。上陸当初の数年間はサイズは大きいし、洗濯すれば異様に縮む素材使いがあったりして、ちょっと使いづらいブランドという印象だった。

H&Mは取材対応は、これまで非常に丁寧だし、何よりもジャパン社がある。
H&Mには欲しい服があまりないのでいまだに商品は購入したことがない。そのためシルエットやサイズ感はわからないが、あまり不都合は聞いたことがない。

フォーエバー21は初めて取材したが、ジャパン社がない点や取材対応、店作りを見る限りはあまり日本市場にローカライズしていないように見える。
とはいえ、国内で13店舗も展開しているのでそれなりに支持はされているのかもしれないが、筆者個人には低価格以上の魅力は今のところ感じられない。

日本企業が海外市場で失敗するのも、欧米企業が日本市場で失敗するのもローカライズできたかそうでないかという部分が大きいのだろう。
今をときめくグローバルSPAだが、何社が日本市場に適合でき、何社が適合できずに撤退もしくは衰退するのだろうか。
あと数年はじっくり観察したい。