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南充浩 オフィシャルブログ

完全無欠で究極(笑)

2012年3月16日 未分類 0

 昨日からテレビでは「ユニクロ銀座店オープン」ばかり放送しており、うんざりしている。
12層のビルすべてがユニクロだということらしいが、あのベーシック一辺倒の商品構成で12層ものフロアが必要なのかと疑問を感じる。もっとも、最近のユニクロは店舗が巨大化の一途をたどっており、業界通のOEM事業者に言わせると「あれは物流倉庫を兼ねているから」ということになる。

たしかに、ユニクロの発表で「物流センターを新しく作りました」という内容はほとんど見かけたことが無い。
この業者のいうように巨大店舗=物流倉庫ということなのだろう。
また余談ではあるが、店頭で商品を見ている限り、商品の店舗間移動もほとんど無いように見受けられる。

数店舗を定期的にハシゴしてみれば気が付くが、例えば「A」という商品がある。
しかし、当然ながら各店舗によって同じアイテムといえども売れ行きにはばらつきがある。
心斎橋店は完売したが、動物園前店は大量に余っている。なんばシティ店はやや残っている。あべのキューズモール店はさらに大量に余っている。

このような状況があるとする。

通常のチェーン店は売れている店に商品を集中する。
上の場合なら、「A」という商品は心斎橋店に集中すべきである。
実際に、17年前に入社した低価格衣料品チェーン店ではそのようにして在庫を減らしていた。

しかし、とくにこの何年間か定期的に見ていると、ユニクロの場合、そうした商品の店舗間移動はほとんど無いと感じる。心斎橋店はずっと品切れのままだし、動物園前店ではずっと数量が残っている。店舗間移動したとあからさまにわかったのは「+J」くらいである。

推測だが、店舗間移動させる送料ががもったいないということなのだろうか。

閑話休題

海外事情に暗い筆者はいくつかのブログやニュースを参考にして世界情勢を推測している。
推測と言っても大した推測はしていない。
ボーっと眺めていると言った方が実状に近い。

http://www.apalog.com/maxre/archive/60

ここも定期的に読んでいる海外情報ブログの一つである。
ちょうど、銀座店オープンに合わせたユニクロのニューヨークでの広告の話題が書かれてある。

広告のキャッチコピーが画像で貼り付けられており、気になった一節を抜粋する。

「Uniqlo is clothing in the absolute」
横には「完全無欠の究極の服」という訳が付けられている。

うーん。キン肉マンに登場するパーフェクト超人みたいなコピーである。
2ちゃんねる用語で言うなら「厨2病」とでもいうのだろうか。

もちろん、価格の割に品質が高いことは重々承知している。
それでも「あの程度で完全無欠の究極の服なんですか?」と疑問を感じざるを得ない。
完全無欠の究極の服などと言い切ってしまって良いのだろうか?

よく、テレビのドキュメンタリーや新聞のインタビューで人間国宝とまで言われて、業を極めた方が登場する。
その方々が「死ぬまで勉強です」や「まだまだ今の作品に満足できません。さらなる高みを目指します」と答えておられることを目にする。
人間国宝とまで言われた方が「まだまだ完成型は見えません」と仰っているのに、ユニクロは現時点で「完全無欠の究極の服」と言い切っていることに違和感を覚えずにはいられない。

「完全無欠」という単語はアラジンの大ヒット曲のタイトルくらいでしか日常生活で耳にしたことが無い。

「完全無欠」とか「究極」とか「最高」とかやたら過剰な形容詞が好きなのがユニクロである。
良くも悪くも日本人的発想ではないということだろう。
だからこそ、ここまでの企業に成長できたといえるのだが、「完全無欠」とは鼻で笑ってしまうと言ったら言い過ぎだろうか。(反語)

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