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南充浩 オフィシャルブログ

業界紙に掲載されることはメリット?デメリット?

2012年1月30日 未分類 0

 各業界に業界新聞が存在する。
繊維・ファッション業界で圧倒的シェアを占める繊研新聞も業界紙である。
もっとも最近は「業界紙」の持つネガティブなイメージを払しょくするために、「専門紙」と自称することが多い。

知り合いは以前、アイスクリーム新聞に勤務していたことがあるし、菓子工業新聞なんていうのもある。
刃物工具新聞もあるし、昨年自主廃業した家庭日用品新聞など、それこそ無数の専門紙が存在している。

メーカーからよく「業界紙に掲載されると、業界内でパクられませんか?」と尋ねられることがある。
これについては、否定しない。そういうこともある。
とくに、昔はひどかったようだ。

サンプルの写真が業界紙(業界雑誌も含む)に掲載された途端、同じデザインを工場に発注し、
その掲載されたメーカーよりも早く店頭に並べるということが半ば堂々と行われていた。
おそらく、今でも類似行為はあるのだろう。もちろん、昔ほど大っぴらにはできないだろうが。

さて、だからと言って「業界紙に掲載されることがデメリットしかない」とは思わない。
一般紙に掲載されても、雑誌に掲載されても、テレビ番組で採り上げられてもパクられる可能性はある。
むしろ、業界外の人間からもパクられる可能性がある。
さらに言うなら、合同展示会に出品することもパクられる可能性が高い。

消費材全般に向けた最大の展示会は「東京インターナショナル・ギフトショー」ではないかと思う。(略称東京ギフトショー)
繊維・衣料品なら最大の展示会は「インターナショナルファッションフェア(IFF)」だろう。

このほかにもいくつも大きな展示会はある。

企業の単独展示会や、仲間企業数社との小規模な合同展示会なら、入場者は主催者側でほぼ完璧に管理できる。
しかし、ギフトショーやIFFのような大規模な合同展示会になると、期間中の来場者数は軽く万を越える。
IFFの発表だと毎回だいたい3万人くらいで、東京ギフトショーだと毎回20万人と発表がある。
これらをすべて事務局側が管理することはできないし、来場者数が多いことが合同展示会のメリットである。
来場者数を規制することは事務局側の首を絞めることにもなる。

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(2009年9月のroomsの風景)

また、事務局側が受付でいくら厳重に入場管理を行っても、会場内には何時の間にやら怪しげな団体や、胡散臭い個人が歩き回ってしまうこともある。
そして、それらの人々が展示サンプルを撮影して、超特急で製造し販売するという事件は後を絶たないようだ。
近年だと、日本人業者よりもアジア系業者の動きに、出展各社は神経を尖らせている。

しかし、それでも大型展示会に出展するメリットはある。
これまで取り引きの無かった企業と出会える可能性が高まるからである。
だからいまだに大型展示会は無くならない。

話がそれたが、業界紙に掲載されることも合同展示会に出展することも、リスクは大して変わらないのではないか。一般紙・雑誌に掲載されるリスクもあるし、テレビ番組で放映されるリスクも少なからずある。

紳士的な業界紙がほとんどだが、中にはユスリタカリみたいな業界紙もある。
その選別・識別は必要だが、業界紙に掲載されることは、マスコミ対策の第一歩と捉える方が良いのではないか。業界紙と一般紙、雑誌とはまた体質は異なるが、無名のブランドにとって掲載されることは知名度向上の第一段階だと考えている。

掲載されるチャンスを無駄にすることはないのである。

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