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南充浩 オフィシャルブログ

豊和が北米の洗い加工場を買収

2012年1月17日 未分類 0

 先日、国内洗い加工最大手の豊和の北米進出について書いたが、
その続報が繊研新聞に掲載された。

記事によると、新たに工場を作るのではなく、
ロサンゼルスの加工場、デニムテックを買収した。
デニムテックはマツオカコーポレーションが65%出資し、USデニム・テクノロジーズとの共同で05年に設立された。
豊和はマツオカコーポレーションから関連のOEM事業会社とデニムテックを併せて買収し、社名をホーワ・デニムテックUSAと改める。ちなみに旧デニムテックの鈴木新三社長は、そのまま新会社に一部出資して社長に留まる。

とのことである。

目的は、店頭価格200ドル弱のプレミアムジーンズの製造を手掛けることにあり、新会社には加工設備を入れ替え、日本流の品質管理や生産管理ノウハウを注入する。
豊和の田代豊雄社長が常々口にされていた「メイドインジャパンの技術を海外にも広める」ために第1歩である。
この新会社でエドウインが今春から立ち上げる「エドウイン・メイドイン・USAシリーズ」の製造を手掛けるという。

以前も書いたが国内製造業が、低価格商品に対応するために、製造拠点を転々とする様は「焼畑農業」そのものである。現在は中国から、東南アジア、インド、バングラディシュあたりに注目が集まっているが、ここが経済発展すると次はどこへ移動するつもりだろうか。
最後はアフリカだろうかと思うのだが、アフリカも経済発展するとどこへ移動するのか?
宇宙人でも捕まえてきて強制労働させるのだろうか?

今回の豊和の取り組みは、このような「低価格製品志向」に一石を投じる動きとして注目したい。
反対に、なぜこれまで他の製造業者がこういう取り組みをしなかったのか疑問を覚える。

報道では高級品の動きが少し回復していると聞くこともあるが、街を見ると、そんな気配はあまり感じない。衣料品の価格はさらに下がっているように感じる。
現在、冬のバーゲンの第1弾が終わったが、これから2月20日ごろまでさらに冬のバーゲン第2弾が始まる。
さらなる値下げが行われる。

ユニクロの商品は品質はそこそこで定価も安いが、期間限定販売でさらに安くなる瞬間がシーズン中に何度も訪れる。定価1990円の無地ラムウールセーターが、990円になる瞬間がある。これまでは超お買い得だし、品質は悪くない。

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(990円で買ったラムウールセーター)

GAPの商品は品質ではかなり劣るが、色柄やデザインはユニクロより感度が高い。これから冬物がさらに値下げされる。私事で恐縮だが、先日、カーゴパンツを買った。
すでに1990円にまで値下げされているにも関わらず、そこからさらに「レジにて2割引き」である。
1600円弱で購入することができた。
定価が9900円なので、実に8割引以上の商品だ。\(゜ロ\)(/ロ゜)/ 

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(1600円弱で買ったカーゴパンツ)

990円のラムウールセーターと1600円弱のカーゴパンツ、3990円に値下がりした瞬間に買ったウルトラライトダウンを羽織れば、立派にカジュアルのコーディネイトが組める。しかも粗悪品ではない。
この安さは世界的に見ても底辺であろう。

日本のアパレル業界はいつまでこの「底辺の安売り合戦」に付き合うつもりなのだろうか。

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