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南充浩 オフィシャルブログ

衣料品業界以上に国内生産が危機的状況にあるアニメ業界

2011年11月16日 未分類 0

 クールジャパンを世界に発信すると国是を掲げているものの、作り手の育成は甚だ心もとない。
ファッションにしてももはや日本国内の製造業は消滅の危機にあるし、世界で最も評価が高いと言われているアニメーションも若手をまったく育成していない。

先日、
「20代アニメーターの年収が110万円」というブログが話題となった。
http://otanews.livedoor.biz/archives/51830797.html

以下に引用させていただく。

なかでも衝撃的だったのは「映画・アニメ」業界。オタク文化を世界に発信している
日本でも、その現場で働く人たちの環境はけっして楽ではないようだ。例えば、アニメを
支えるアニメーターは現在、40代が中心。この業界を担当する『週刊東洋経済』編集部の
桑桑原幸作記者によれば

「あるデータでは、20代のアニメーターの平均年収が110万円。それだと生活できないので、
若い人がこの業界に入らない。それで、高齢化が進んでいるとも言われています」

と発言。コメント欄にも「ひでえ」「無理だ」などの声が寄せられた。

JASDAQに上場しているアニメ業界大手のIGポートの社員の平均年収は423万円。
あまり高いとは言いがたいが、実は本当に高いのは年齢。ここの社員の平均年齢が54.3歳。
この数字について桑原記者は「今回『業界地図』で取り上げている128業界のなかでも
最高齢ですね」と言うと、会場内は苦い笑いに包まれた。華やかに見える世界も、
その内実はいろいろと大変なようである。

とある。

実は小学生のころからアニメが好きで、
ずっと見続けている。
もともとはファッションにはまったく興味がなく、アニメの方が好きだった。
学生時代はアニメの雑誌なんかも読んでいたから、20年以上前からアニメーターの年収が世間相場よりも低いことは知っていたが、ここまでとは思わなかった。

これではアニメ業界を志す若者は現れないだろう。
実際にバブル期ごろから、動画や作画、原画の担当者に外国人の名前が大量に並ぶようになった。
一度、アニメ番組のエンディングテロップをご覧になってもらいたい。
中国系、韓国系、南米系などの名前が列記されている。

さて、こんな調子で「クールジャパン」とやらは大丈夫なのだろうか?

ファッション産業でも国内生産は10年後には無くなると言われているが、アニメも同じ状態である。
もしかすると衣料品業界よりも先にアニメの方が国内生産が終了するのではないだろうか。

補助金やら税金をジャブジャブ投入して業界を保護するというのは、何か違う気がするが、これまで放置してきたツケはあまりにも大きい。自然発生的に世界の評判が高まってくると「クールジャパン」と持ち上げているが、その足元はすでに20年以上前からボロボロに崩れていたといえる。

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